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正義の定義 ~英雄/十二使徒~ 第4話 1/2




 「なー裳杖」
 「何ですか、青島先輩」
 「…トエルって、やっぱりあの部分も造形されてんのかな~?」
 「…しょうもない事考えないでくださいよ…」
 「いわば…シュレティンガーの股間…!」


第四話
   ―「電子幼女は吸血鬼の夢をみるか?」―


―前回のあらすじ
オチが
無駄に
重い

日本の偉人…特に世界大戦時代の偉人なんていうのは案外知られていない人が多い。東郷平八郎とか、乃木希典とか。
フィンランドには東郷ビールという東郷提督を讃え作られたビールがある。なぜ彼らが東郷提督を称えるかと言うと
ロシアのバルチック艦隊を圧倒的戦力差の中見事打ち破った事が結果的にフィンランド独立に繋がったからである。
教科書にも載っている人物ですが、2、3行で語られるのはいかがなものでしょうか?乃木将軍のよくぞしんでくれた~
のエピソードも時代の残酷さを教える良いエピソードなんだけど、行が足りないから気になる人はググッてくりゃれ。つまり今回の話はバルチック艦隊みたいな強大な敵にも度胸と知恵と根性さえあればなんとかなるんじゃね?ってそんな話だよ!

コンビニで異形とポーカーして負けた腹いせにボコったのが前回のお話。村娘の名前が「サキ」だったのは直前にネリコ3やってい
たからだとか。世間では裸族の祭典とか言われてるけど俺は好きだ!そういえばシェアスレのキャラは脱ぐ事が多いって言われ
てるけど、逆に脱がない方がおかしいと考えればどうって事は無かった。裸で何が悪い!その常識という殻を脱ぎ捨てろ!
さぁ、ハリィ!ハリィ!ハリィ!温泉界は君を待っているぞ!葉っぱ一枚あればいい!生きているからラッキーだ!


それでは、今回のお話…


 「今回は要人護衛の大仕事だ、現地で待ってっからよ、さっさと来いよ」
 なんて炎堂からの連絡が入ったのが先刻九時。冴島を中心とした青島、裳杖、陰伊、トエルは夜道を往く。目的地はとある自治体
の主要拠点たる建物。空に浮かぶ下弦の月が紡ぎ出す今宵の夜は、驚くほど静かで不気味だった。ひんやりとした空気が体全体
を包み込む。陰伊は、もっと厚着してくればよかったなと後悔した。
 びゅんびゅんとスケートを滑るように進む冴島一行。今回、車移動ではない理由は彼らの足にある。先日、デバイスのアップ
デートにより「ホバリング」という機能が追加された。何でも地から足を数センチ浮かせる事により、どんな地形でもバランスを崩す
ことなく歩行することができるという機能なのだとか。これを試すために一行は車なしで目的地へと向かっているようで。滑るように
移動する彼らのその様子は、一見してみれば可笑しな、物騒な集団にしか見えない。
 「いやー、結構便利っすね~このホバリングてやつは」
 青島はホバリングの使い心地に大方満足しているようだ。一度蹴るようにすれば30歩分の距離位は移動できる。これは大変
移動を楽にしてくれるものであった。一方、陰伊はまだホバリングに慣れないのかおぼつかない足取り。膝がギクシャクしていたり
腰が引けたりしている。そんな彼女を心配してか先頭を行く冴島は移動速度を落とした。
 「すいませんっ…どうも動きづらくて…」
 隣にまで下がってきた冴島に陰伊は自分が足を引っ張っていることを謝った。すると冴島は
 「良いのよ。私だってぶっちゃけ転びそうで冷や冷やしているんだから」
…と、フォローを入れてやるのだった。流石にこのメンバーで最年長なだけはある。冴島はニコリと微笑み前衛へと戻っていく。
陰伊は幾分気持ちが軽くなったようで、動きも少し緩やかになった。

 「ふぇー、こんなよるにそとロケとかついてない!」
 「外ロケって…なんだ?」
 「ふぇ!そとロケはそとロケ!ふぇふぇ!」
 移動中、退屈になったトエルは裳杖に話しかけていた。裳杖はそれに片手間程度に付き合っていた。
 コンクリートのひび割れた道を一行は進む。車一つ通ってはいない公道。両脇には山々が広がる。月明かりに照らされて
夜の姿を見せる森林。微量の風が木々を揺らし、なんとも風流な景色を作り出していた。嗚呼、土の匂いがする。葉の青臭い匂いが風に運ばれ、裳杖の鼻を通る。こういうちょっとしたなんてことない場所でも、こんなにも美しく感じる"今夜の月は芸術家だな"
なんて裳杖は呟いていた。それに聞き耳を立てていたトエルは「ナニイテンダコイツ」と内心思った。
 ふとここで、前方を行く冴島が人影を発見する。こんな夜遅くに、こんなところを歩いていては、いつ異形共に襲われるかわかった
もんじゃない、と思った冴島はその人影に近づき声を掛けた。
 「こんな夜中に出歩いていたら、異形の夕飯になってしまうわよ?」
 人影は、男だった。Tシャツジーンズという、シンプルな格好をしている。よく見ると手に鉄の棒っきれのようなものを持っていた。
何処かの部族だろうかと冴島は思った。だって、なんか希少部族とかって棒とか槍とか手にしてるものじゃないですか。こんな
寒い夜にTシャツなんだから、よほどTシャツが好きな民族なんだろう。Tシャツ族といったところ。

 「そんなこと言われてもなー、こっちにも色々あって…、でもまぁ、自分の身は自分で守れるから大丈夫だ…ご忠告どうも」
 男はそんな様子で、冴島に応えた。彼の服は所々破れたりしていた。なるほど、異形と交戦でもした後だったか、中々手練
のようだ。それは結構…だがやはり、夜こんな所を歩くのは感心しない。いくら手練であろうと己の力を過信してはならない。
冴島はそう教えられてきた。誰に?誰だろうね?
 「いくら戦い慣れていても、用心準備が足りないのは軍人として失格よ」
 「俺は軍人じゃない…似たようなものには所属していた事はあるけどなぁ、ってそれどころじゃない。さっさと帰らないと…」
 忠告もろくに聞かないまま、青年は先へと走っていく。冴島は消えていく青年の背中を見て、溜息混じりに一言、こう漏らした。
 「やれやれ…全く、どうなっても知らないわよ…」

 立ち止まった冴島は他のメンバーにここで休憩を取る旨を伝える。ずっと移動していたのでここいらが休憩時であろうと彼女は
考えたのだ。幸いこの辺りは見晴らしがいい。異形が襲ってきても瞬時に対応できるだろう。
 「ふぇ!さえじまさっきのやつはなに!?」
 休憩で各自自由に寛ぐ中、トエルは冴島尋ねた。冴島はTシャツ族と答えたが、トエルのデータベースにそれと一致する情報は
無かった。
 休憩ということで、陰伊は他のメンバーに水筒のお茶を振舞っていた。彼女はこういう事に気が利く。将来はきっと、素敵な
お嫁さんになれるはず。陰伊の煎れたお茶は絶品であった。程よい舌触り、まろやかな味わい。それでいてしっかりと風味が
自己主張している。それもくどくない程度に。
 「うまいぞー!陰伊ちゃん喫茶店開いたら?」
 「そ、そんなっ…それほど大したモノでもないし…!」
 「素直に美味しいと思いますよ、俺は」
 口々に賛辞を述べる他メンバー達。持ってきた甲斐があったというもの。
 「ぶー、きかいはいんしょくができないのさ。ふぇふぇ」
 一名、不満のある者もいたようだが…こればかりはどうしようもない。トエルには乾く喉が無い。減る胃が無い。生前は普通に
モノを口にできたのだろうかと、自分の過去に想いを馳せる。からっぽの思い出を必死に手繰り寄せたが、無いものは無い。
 「ふえー、いいなぁ…にんげんていいなぁ…」

―――…

 「なートエル!お前、股間もちゃんと造形されてんの?」
 「…ッ!ちょっと青島先輩!?」
 休憩も程々、和やかな雰囲気になってきたというのに青島の好奇心に任せた疑問が場を凍らせた。トエルの隣にいた陰伊は
「なに言っているんですか」と顔を真っ赤にしてトエルを青島から遠ざける。無論、保護である。
 「ちょっとした好奇心だよ!良いじゃんロボなんだしさぁ~」
 全く悪びれる様子のない青島。TPO、時と場所と…というかそれ以前に幼女の股間に興味を持つという事をわきまえて欲しい。
 「良くないですっ!女の子の前で!青島先輩はデリカシィ無いですっ!」
 陰伊は、ただでさえ真っ赤な顔を更に真っ赤。炉にくべ、発火する石炭の如く赤くする。そもそもこれはセクハラじゃないか!?
この事に気がついた陰伊は断固として裁判に持っていく姿勢であったが、この時代、機能している裁判所など無いわけで。
 「こらこら、何児童ポルノに引っかかるような発言してるの?」
 と、ここで、呆れた様子の冴島が青島に忠告する。 
 「今は法に拘束される事はないですから、問題ないっすよ」
 青島はそう答える。彼のサムズアップが眩しい。冴島と陰伊は呆れることしか出来なかった。それが英雄の言う台詞か…と。
 「…俺はもう知らない…」
 裳杖は我関せずといった感じにあさっての方向を向き視線を空に浮かぶ月へと移した。

 「ん…?」

 すると月に重なるように一つ、人の影が見えた気がした。裳杖は見間違いかと一度地に目線を落とし再度月の方を眺めてみた。
…影は見えない。夢か現か、はたまた…なんて裳杖が考えている内に休憩時間は終わり、出発する一行。
一体先程の影は…?一層の不安を抱えながらも、裳杖はその場を後にした。

―――…

 「探したわよ…あなた、どっか行っちゃうんだもの」
 「そりゃ前コテンパンにした奴が追いかけてきたら仕返しに来たと思うだろ普通…」
 月の光が二つの影を照らす。一つは人間の男…先程冴島が会った鉄の棒を持った男だ。もう一つは…紅い紅い、酸化した血の
倍は赤い眼を持ち、その背には黒く禍々しく、それでいて美しい凛とした翼を携えた異形。上級種・吸血鬼だ。
 「この前の逢い引き…とても情熱的だった…さぁ、続きをしましょう?」
 そう言って、吸血鬼は人差し指を桜唇に当てる動作をして見せる。雲中白鶴たる仕草だ。吸血鬼は少女のような容姿をしていた。華奢な体は儚くも艶麗な美貌を放つ着物姿、その様はまさに生き弁天と言ったところ。
 「あれは逢い引きだったのか…?てか、続きってまさか…」
 男の脳裏に先日の出来事が過ぎる。あの時はもう人を襲うなと忠告した筈ではあったが、吸血鬼の様子を見ると、どうも懲りて
はいないようである。やれやれと男は鉄の棒を強く握った。
 「こっちは早く帰らないといけないんだ、クズハも待ってるしな…」
 「クズハ?それは一体…」
 「ん?お前には関係ないぜ、色ボケ妖怪」
 「この…言わせておけば…いいわ、力ずくで吐かせてあげる!!」
 「こい!返り討ちにしてやる!」
 「ふふ、あなたに射抜かれた胸の傷が疼いてきたわ!」 
 バサッ!っと、吸血鬼は背の羽を大きく広げる。対峙する二人。刹那の瞬間、地を蹴りお互いが相見えようとしたその時である。

 『"ワイヤー"』
 『"ワイヤー"』
 『"ワイヤー"』

 「!?」
 吸血鬼後方木々の間の暗闇から伸びてきた三本の糸。それは吸血鬼の腕や体に巻き付き、彼女の動きを止める。
 「な、なんなのこれッ?」
 「ふぇ!くうきをよまずにとつげきするそのどきょうにほれぼれする!」
 「人を襲う悪しき異形め、覚悟しなさい!!」
 『"バズーカ""キャプチャ"』
 暗闇から大身のバズーカ砲を持った女性が飛び出し、網を発射する。思いがけない奇襲に狼狽する吸血鬼、避けようにも手足が
糸に縛られて回避に行動を移すことが出来ない。
 「あら?あらららららら!?」
そうして、吸血鬼は呆気無く網に捕まってしまった…

―――…

 「だから言ったでしょう。こんな夜道を歩いてたら異形に襲われるって、全く…私達が気が付いたから良かったものの…反省
しなさい。そして彼らに感謝しなさい。あなたを助けたのは他でもない彼らです」
 「…あんなのにこんな所で出くわすとは思ってなかったんだけどなー…」
 吸血鬼を縛り上げた英雄一行。冴島は襲われていた先ほども会った青年にガミガミと説教を垂れる。青年は、今日は厄日である
事を確信した。ふと、目線を少し逸らし、冴島の後ろの木に括りつけられた吸血鬼の少女を見てみると…
 「ナンセンスだわ、こんなのは」
彼女は酷く苛立っているようだった。
 「うひゃー、これってヴァンパイア?吸血鬼じゃーん!オレの武勇伝にまた一つ歴史が刻まれた…」
 「ふぇ!おまえひとりのてがらじゃないですし。ふぇふぇ」
 トエルはそう言って作動させていた"ネコミミmode" を解く。要は猫耳を収納したのだ。青島の言う『吸血鬼』が目の前の少女
なのかとトエルは感心する。自分のデータに記録されているモノに比べて随分と可愛らしい容姿だ。一見、美しいだけの少女に
見えるが、異様な存在感を放つ背中の羽が彼女が異形である事を強調する。
 「気を付けた方がいいですよ、それは吸血鬼。夜の帝王だ」
 裳杖は吸血鬼に近づきすぎている青島に注意する。なんかそれじゃあ繁華街を仕切るヤクザの親分みたいな呼び方だなぁと
トエルは思った。裳杖の直喩は一々厨臭い。
 「ところで、どうします冴島さんこの異形」
 裳杖は最年長である冴島に判断を仰ぐ。人を襲っていた異形だ、ただでは済まないだろうが…
 「そうね…、またいつ人を襲うかもわからないから…彼女には悪いけど死んでもらいましょうか…」
 冴島の判断に情は無く、ただ淡々と処分を述べただけであった。冴島はいかなる状況であれ冷静さを欠くことはない。彼女は
既にいくつもの命を奪ってきた身だ。年長の分、他のメンバーよりも多くそれを体感している身。今更躊躇などなかった。
 「待ってくださいっ!」
 判断に納得のいかない少女が一人、声をあげる。

 「そんないきなり…殺すだなんて!彼女には知能があるじゃないですか…話のわからないケモノとは違いますし、きっと何か
訳があったんだと思います!話ぐらい聞いてあげても…!」
 陰伊の性格上、黙ってこれを見過ごす訳にはいかなかった。冴島の判断がおかしいものだとは思っていない。だからこそ陰伊は
意義を唱える。彼女はどこまでも甘くて、無知だった。
 「へぇ、あなた…その言い方だと知能がない獣ならいくら殺しても構わないってふうに聞こえるけど…?」
 冴島は一切顔色を変えずに陰伊の言い分を指摘する。時としてその冷静さはとても冷たく感じられる。彼女は決して冷たい人間
などではない。寧ろ他人のことを常に考えているような温和な人物だ。
 「違ッ…!」
 「陰伊さん、あなたの言いたいことはわかります…でもね、そこの彼女は吸血鬼よ?上級種なの、これがどういう事かわかる?
本来なら見かけただけでも討伐対象モノ。勿論私はそんな無差別なことしないけど…でもね、彼女は人を襲っていた。それは
他の人間にも被害が及ぶかもしれないって事よ。ましてや上級種。拘束している内に殺さないと…」
 これも優しさ故…冴島なりの優しさなのだ。陰伊は世界を知らなすぎる。他者の心に幻想を抱きすぎている。
現実を知らなければこの世の中、生きるのは辛すぎる。そんな思いを胸に秘めつつ、冴島はこう言葉を続けた。
 「なんにしても人を襲う異形であることに変りないわ、事実を直視するべきよ」
 「そんなの、人が死んだ訳じゃないでしょう…もしかしたら彼女に殺す意思はなかったかもしれないじゃないですか!」
 「なぜあなたは可能性の低い『もしかしたら』を優先するの?少しでも人々に危険が及ぶ可能性があるなら、
彼らを守るために私はその異形を殺します」

―それが、英雄というモノなのですから!―

 「…ッ!」

 "現実”を突きつけられる陰伊。これが英雄の現実。それを受け入れるには、陰伊はまだ若すぎた。

 「…納得出来ません…そんなの…」
 以前、裳杖は陰伊の事を甘すぎると言った。陰伊も、自分は甘いのだろうと理解していた。他人に危険が及ぶこと
…それを未然に防ぐのが英雄だ。しかし、異形であるというそれだけで、事を決めつけてしまうというのは我慢がならない。
少数でも、その少しの可能性を陰伊は信じたいのだ。マイノリティであればあるほど、彼らの心の叫びは人に届かないのだから。
それはあまりにも残酷だ。だから陰伊は冴島の現実を肯定する事ができなかった。
 「やっぱり甘いな…この人は、先日の事といい…」
 裳杖はそんな事をつい口に漏らす。この前の事から陰伊は全く学習していない事が嫌でもわかってしまった。

 「あー、ちょっとお取り込み中悪いけどさ…」
 見かねた青年が話に割って入る。
 「何?もうあなた行っていいわよ、今度は異形なんかに遭わないように…」
 「そういう訳にもいかん。一応当事者だし、そもそも助けてもらわなくても、俺は大丈夫だったんだけどな」
 青年が冗談を言っているようには見えなかったが、そんな棒切れで吸血鬼と対峙するなんてアホ臭くてお話にならないだろうと
冴島は思った。確かに自分たちの武装からしたら原始的に見えるかもしれない…実はこれも相当な技術が使われているのだが
冴島の知るところでは無かった。
 「…こんなとはなによ。失礼ね…私が本気を出せば人間など脆い物だわ」
 「しばられてていってもまぬけにしかみえませんし!ふぇ!」
 「でもよ…この子結構可愛くねぇ?異形なのが勿体無いくらいだなぁ~…」
 「青島先輩は本当節操ないですね…」
 状況はどんどん混沌とし始め、収集が付かなくなってきた。陰伊はこのままではいけないと思ったのか、腹に息を溜め、大声を
出す万全の体制を整える。そしていざ、注目を惹こうと口を開いたのだが…。
 「みなs…」

 ズシィィィィィィィィン……ズシィィィィン………

 「はぇ!?」
 「え?何!?」
 轟音木霊する。何かが近づいてくる音。とても大きなものの足音だ。地面の振動が次第に大きくなり、言い知れぬ圧迫感が
辺り一面に降り注ぐ。

 ズシィィィィン……ズシィィィィン…ズシン…ズ……

 「ふぇ!?ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
 空を見上げて危険を知らせるかのようなふえぇをトエルは発する。一同も見上げてみるとそこには…
 「な、なんだありゃぁ!?」
 青島はそれのデカさに腰を抜かす。
 「まさかあれ…異形ですか!?」
 これから迫り来る危険に不安の色を隠せない陰伊。
 「そのようね…ここはやり過ごした方が」
 「でもあれ、確実にこっち見てますよ」
 冷静に状況を判断する冴島と裳杖。

 …一行が見たものは、自分たちより三回りも四回りも、いやそれよりももっとある大きさの巨人の異形であった。岩の様な体に
戦国武将の鎧。顔は彫りの深いゴツゴツとした仏頂面であった。

 (あれって、さっき私が邪魔だからってけちらした巨人だわ…まさか仕返しに来たの?あれ、これ早く逃げないと…
って拘束されてるんだった!)
 そんな事とはつゆ知らず、一行は迫り来る巨人に選択を迫られていた。
 「やっぱりこっちに来てますよ、どうします?」
 「逃げることはできるけど…ここは一般人もいることだし…」
 ちらりと青年を見て冴島は言った。青年はなんだか馬鹿にされているみたいで腹がたった。「俺も戦える」と主張しても冴島は
取り合わない。普通の異形ならまだしも、あれは手練でも簡単に殺れる相手ではないと判断した為である。
そうこうしている内に、巨人は一行を見下ろせる距離まで近づいていた。
 「やるしかないっぽい!ふえぇ!」
 「行くわよ、皆!」
 「了解」


― 「システム展開!!」―



一旦CM入りまーす

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え!?あの幼女型英雄ロボがSSPに!?

本編とは関係ない話を八割方話す伺かデスクトップキャラクター
「幼女の定義」!!
オマケ機能に要らない設定や他の作者様の作品(連載作品に限る)あらすじ
がついていたりするぞ!!

β版だから手抜きだぞ!
それだも良ければどうぞ…自己責任です…

http://loda.jp/mitemite/?id=1446
解凍後はネットワーク更新してね
################

CM 終わり



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