Main Story 李 三玲
「あなたって本当に楽しそうに笑うのね」 故郷から遠く離れ兄の消息を辿るうち私と同じ子に出会った、人間の業を超えた「宝剣」の力。 その力を持ってなぜこの子はこんなにも笑っていられるのだろう、 「宝剣」を手にした者にもたらされる使命、私も兄もそんな運命に翻弄されて生きてきた。
誰もが私達を特別扱いする裏で恐れ忌み嫌っていたのを感じていた。 当然だ、一振りすれば全てのものを焼き尽くす炎、それは人間であっても例外じゃない。 人は火を恐れる、そして私自身が恐怖そのものなのだ、それが人間の本能。 でも、目の前にいるこの子が私に対して笑いかけてくるのは何故なのだろう?
「玲ちゃん可愛いんだから、ずっと仏頂面だともったいないよ?」 きっと普通の生活をして生きてきた女の子達はこんな感じなのだろう。 ずっと心の中で燻っていた感情が、いや燃え尽きてしまった感情が再び芽生えてくるように感じた。 「ふふ……そぅ?」
普段見せることのない笑顔で彼女は答えた。