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創発トーナメント準々決勝戦 3

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hasamisan

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創発トーナメント準々決勝戦 その3


第三戦

サムライ「魔女さん、そろそろ試合ですよ」

魔女「えーもう? めんどくさいなぁ」

サムライ「何だかんだ言ってもう準々決勝じゃないですか」

魔女「たまたまよ、たまたま」

サムライ「狙うは優勝ですね」

魔女「ぇー」

サムライ「なんですか、その、ぇーてのは」

魔女「やだよ面倒くさい」

サムライ「めんどくさいってアンタ、いったい何で参加してるんだよ!」

魔女「んー」

チラ

魔女「なんとなく?」

サムライ「訳わかんねぇ!」


G住人「姐さん、いよいよ試合ですね!」

直りん「そうね」

直りん「他の面子はすでに敗退している……GGGで残っているのは私だけ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「この大会で私の名を世に知らしめてみせるわ」

G住人「へい! 期待しています!」

直りん「期待……?」

ニコ……

ドグォッ!

G住人「あべし!」

直りん「期待……じゃあないわ、確信、というのよ」


ワーワーワー

実況「準々決勝三回戦!」

ワーワーワー

実況「この試合は女傑同士の対決! はたしてどちらが微笑むのか!?」

ワーワーワー

実況「西の方角、魔女さん!」

魔女「マハリクマハリタラリアート!」

ワーワーワー

実況「東の方角、直りん!」

直りん「勝利へと、直リンする……」

ワーワーワー

ハルト「さて、どちらが勝つか……」

学園長「面白い試合ですな」

霧崎「………」

実況「それでは試合開始です!」

魔女さん VS 直りん


実況「先に動いたのは魔女!」

魔女「まずは小手調べ」

ゴォォォォォォ

実況「その手に炎が渦巻くーーーーーーッッッ!」

魔女「メ・ラ・ゾ・ー・マ……ムゥゥゥゥ!!!」

サムライ「おおっ! いきなりの大技だ!」

魔女「フィンガーフレアボムズ!」

ゴゥワァッッッ!!!

実況「火球が直りんへと襲いかかるーーーーーッッッ!」

観客「オオーーーーーッッッ!」

直りん「フン……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

実況「直りん、微動だにしないーーーーーーッ!」

直りん「なめないでね、三下」

スゥ……

ポウッ……

実況「おお? 直りんの手が大きく円を描くと、虚空に穴が現れたーーーーッッッ!」

ドボドボドボッ!

実況「火の玉が全て吸い込まれていくーーーーーッッ!」

魔女「ほ?」

観客「オオーーーーーッッッ!」

直りん「……空間をゴミ箱へとリンクさせ火球を別空間へと移送させた。今度は私の番ね」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

バッ

実況「おおっと、直りん! なんとその穴へと自ら飛び込んだーーーーーッッ!」

ビシィッ!

実況「そしてその穴が閉じた! 闘技場に居るのは魔女さんのみーーーーーッッ!」

メリー「あ、あたしと同じ技!?」

観客「ワーーーーーーッッ!!!」

サムライ「魔女さん!」

魔女「わかってるわ」

ざっ

魔女(こういう時は、焦った方が負けなのよね……)

トン

実況「魔女さん、壁を背にして相手に備える!」

魔女(チッチッチ……さあこれで死角は無くしたわ。何処からでもかかってらっしゃい)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

チラ

チラ

魔女(ん?)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女(壁に……キズ? 何か書いてあるわ、『この落書きを見てうしろをふり向いた時 おまえは―――』」

魔女「…………」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女「おまえは―――死ぬ、か……性質の悪いジョークだわ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

―――直りんは、自分の能力を発動させるとき、ふといつも思い出す

小学校教師「鈴紅さん、お宅の直子ちゃんは友だちをまったく作ろうとしません。 
  そう、嫌われているというよりまったく人とうちとけないのです。担任教師としてとても心配です」

母「それが…恥ずかしいことですが…親である…わたしにも…なにが原因なのか…」

子供の時から思っていた。町に住んでいると、それはたくさんの人と出会う

しかし、普通の人たちは、一生で真に気持ちがかよい合う人がいったい何人いるのだろうか…?

小学校のクラスの○○くんのアドレス帳は、友人の名前と電話番号でいっぱいだ

50人ぐらいはいるのだろうか? 100人ぐらいだろうか?

母には父がいる。父には母がいる

自分はちがう

TVに出ている人とか、ロックスターはきっと何万人といるんだろうな

自分はちがう

自分にはきっと一生、誰ひとりとしてあらわれないだろう

なぜなら、この『次元リンク能力』が見える友だちはだれもいないのだから…

見えない人間と真に気持ちがかようはずがない

直りんは『次元リンク能力』を見て考える!

こいつを昔のように誰にも気づかせなくしてやる

そう!

目の前の敵を倒し、栄光を手に入れるため完璧に気配を消してやろう―――

ドドドドドドドドドドドド

実況「さあ! 直りんが消えてしばらく! 魔女微動だにせずーーーーーッッッ!」

魔女(姿が見えぬ……だが恐るべき殺気!)

魔女「しかし!」

バッ!

魔女「誘いに乗るのが我が流法!」

実況「おおっと、魔女、いきなりバク転ーーーーーッッッ!」

魔女「これならば振り向いた事にはならない!」

ダンッ!

実況「華麗に闘技場中央へと着地!」

観客「ワァーーーーーッッ!」

魔女(……てっきり、背後に居ると思ったが……違ったか……)

ドドドドドドドドドドドド

スゥ……パク

ブッシュゥウ!

魔女「む……ぐぅ!?」

サムライ「魔女さん!」

実況「あーーーーっと、これは! 着地した魔女さんの片足から、いきなり出血ーーーッッ!」

魔女「し…信じられん! いつの間に切りやがったッ!? こ…攻撃をうけた感覚は
  ま…まったく、いやたしかになかった!」

ドォンッ!

直りん(さすがの魔女も…見えないと占いも出来ないみたいねぇ……あなた勘が……)

直りん「ドッにぶいわぁーーーーッッッ!!!」

バシュバシュバシュ!!!

魔女「きゃあぁぁぁぁーーーーーッッッ!!!」

実況「魔女、再び出血ーーーッッ! これは一体!? 攻撃をしかけている直りん、
  その姿が我々には確認する事が出来ませんーーーーーッッッ!」

観客「オォーーーーーーッッ!」

G住人「すげえ!」

G住人「なんだかわかんねえけど、やっぱ姐さんスゲエ!」

魔女「くっ!」

ダッ

実況「たまらず魔女、空へと飛んだーーーー! そのまま浮遊状態になる!」

魔女「先ほどは壁を背にしたがための油断……今度はどうだ!?」

実況「姿を現さない直りんを警戒し、あたりをうかがうーーーーッッッ!」

直りん(フフ……座標軸をリンクさせても、私自身に『飛行能力』はない……
  私の能力はあくまでも『リンク』させること……)

魔女「!? 闘技場にある私の影が……!?」

実況「おおっと!? 影が盛り上ったーーーーーッッ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

観客「おおぉぉぉ……」

ざわ…… ざわ……

実況「こ、これはーーーー! 突如として直りんが出現ーーーーッッ!」

直りん「あなたの影と私をリンクさせ、自身を潜行させた……そこから攻撃していたという訳……
  これだけ間合いをとられていれば、少々難しいけどね」

魔女「やれやれ……まるで魔法ね」

直りん「私のは魔法なんかじゃないわ……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「……技術、よ」

実況「魔女、空中に浮遊し悠然と地上を見下ろすーーーーーッッ!」

魔女「今度はこっちの番ね」

ゴゥォッ!

実況「おお!? 魔女の周りの空気が渦巻く!」

魔女「風の魔法ロルト(鋭刃)……またの名を闘技、神砂嵐!」

ゴォォォォォォッッッ!

実況「見えない風の刃が闘技場に降り注ぐーーーーーッッッ!」

霧崎「あれは……古代魔法LORTO! 同レベルにマディがあるため、伝承者は
  ほとんどいないとされたはず!」

学園長「なんと? 13にもなって習得してないイビルの僧侶じゃあるまいし!」

直りん「…………」

ゴォォォォォォッッッ! ズガァンッ!

モクモクモク……

観客「こほ……こほ……」

実況「凄まじい砂埃! 闘技場が見えません! 威力の凄まじさを物語っている!
  これは……勝負あったかーーーッ!?」

魔女「……どう、かしらね」

モクモクモク……

サムライ「魔女さん!」

魔女「!」

ズバシュッ!

魔女「くっ!」

直りん「……チッ」

実況「おおっと、これは! 直りんも空を飛んだ! 死角からの攻撃を間一髪、
  魔女さんかわしたーーーーーーーッッッ!」

観客「ワァーーーーーーーッッッ!」

Mr.サタン「流行ってるようだな、あのトリック」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女「へぇ……まさか、あなたも空を飛べるとはね」

直りん「……『飛行能力』を私の身体に『リンク』させた、少しぐらいなら……」

ゴゥォッ!

実況「おおっと、直りんの周りにも風が渦巻く!」

直りん「あなたの真似事も出来るわ……」

魔女「驚いたねー。どういう原理か知らないけど魔法以外で空を飛べるとはね」

直りん「さあ? 物心ついた時にはすでに、できる様になっていたわ」

魔女「へぇ」

直りん「始めはただ瞬きほどの時間に出来るだけだった……しかし馴れるにつれ
  一秒、二秒とだんだん長く持続できるようになってきた……」

ゴォォォォォォッッッ

直りん「その時からだったかしら……風が吹くようになったのは」

魔女「風? ……まあ確かに、私らの周りで渦巻いてるわね」

直りん「いつからか聞こえる……いつも耳の奥で聞こえる風の―――音」

ゴォォォォォォ…………


―――私に特別な『技術』があると知ったとき、すでに怖い物はなかった

教師や大人なんか眼中になかった、手中にはあらゆる事象があらわれるのだったから―――

―――私以外の存在は、釈迦の掌で暴れる孫悟空でしかなかった―――


ゴォォォォォォ…………

―――いつからだろう……風の音が聞こえてきたのは―――


実況「空中にて双方凄まじい攻防ーーーーッッ! 目が離せません!」

魔女「ラダルト(氷嵐)!」

直りん「……マハラギオン」

ボッシュウゥゥゥ!!!

観客「きゃあっ!」

実況「炎と氷の競演! 空中で爆発が起こったーーーーッッ!

観客「ワーーーーーーーーッッ!」

直りん(体育の時、幅跳びで8m跳んだ時だったかしら……)

魔女「ファイヤーウォール!」

ボオオオォッッ! ……チリーン

メリー「お姉様、炎の中で金属音が。きっとユニークアイテムよ!」

よし子「まて早まるな、あれは孔明の罠だ」

バリバリバリィッ!

実況「うおおお!? 地面が裂け炎を飲み込む! そして再び閉じたーーーーッッ!」

観客「ウォォォォォンッ!」

直りん(感想文でデカルトを構造主義で批判した時、だったかしら……
  小学校の時、灘高の数学の入試問題を解いた時からかもしれないわ……)

バッ ババッ

直りん「弧月!」

キュキュキュ!

直りん(法力僧の中でも、天性の才がある人にしかできないといわれている、
  狐月が簡単にできた時からかもね……)

キュ キュキュキュ!!

魔女「おおおお!?」

バシュ バシュバシュ!

実況「三日月の光刃が魔女に襲いかかったァ! 魔女、全てを交わせずに被弾ーーーッッ!」

観客「ワーーーーーーーーッッ!」

サムライ「魔女さん!」

魔女「ははっ、やるねぇお若いレディ!」


―――そう、とにかく私は小さい頃から何でもできた……すぐにわかった、

  私は周りの人とは違うんだって―――


 お宅のお嬢さんは天才です  
                       まったくうらやましいわ

     えらぁい学者様になるんじゃないかしら

                 鈴紅さんとこに比べたらうちはデキが悪くてねぇ
なんてたって神童だもの

―――他の人達がどんなに努力しようと、いつも勝っているのは私だった……―――

―――そんな中で私はいつか、自分にひとつの結論を出した……―――


直りん「アタシは…幸せになっちゃいけないの……」

魔女「は…? 急に何言い出すのアンタ」


―――そうすればお母さんが周りのうるさいクチバシに疲れてしまっておかしくなる事もない

  足を引っ張る事が好きなヤツらとのくだらないトラブルもない

  『努力』なんてない、『達成感』なんてない、悔しいこともない

  嬉しさもない、思いきり何かをすることもない 何でもできるから……―――


……ニィ

直りん「人生ってヤツを楽しんじゃ……いけないのよ」

直りん(そんな事を考えているうちに、風が吹いていたわ……私の心の中に……)

ゴォォォォォォ…………


―――さむい…寒い…サムイ…でも……人を不幸にするとちょっとだけ、あたたかい―――

―――私は、幸せにはなれない―――


直りん「だから……代わりにあなたが、私より不幸になって……ね♪」

実況「直りん、激しい攻防の中、不敵に笑うーーーーッッ!!」

ざわ…ざわ…
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

霧崎「凄惨な笑み……本性をあらわしたか……」

あ、あれ?」

G住人2「どうした?」

G住人「姐さん……なんか、泣いてね?」

G住人2「はぁ? 馬鹿かお前、笑ってんじゃん」

直りん「ふふふ……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

実況「緊迫した闘技場! またもや直りんが姿を消したーーーーッッ!」

サムライ「だが殺気は強烈に感じる……魔女さん!」

よし子「いったい何処へ?」

メリー「私に似て異な力……わかりませんわ、お姉様」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女(なるほど、見事な陰行……だが)

魔女「失せ物探しは魔女のおはこ……ラツマピック(識別)にカンディ(所在)!」

……ポウ

魔女「ふっ見えた、そこだーーーーーッッッ! 餓竜咬(ディス・ファング)!」

ズシャアアァァァァァ

実況「おおっ! 魔女の影が竜の形となって闘技場を飛び跳ねる!」

バグンッ!

直りん「…! む……ぐっ!」

実況「おおっと! 闘技場の蔭に竜が食らいつくと、そこから直りんが現れたーーーッッ!」

観客「ワァーーーーーーッ!」

魔女「姿を消す、それ自体は見事だが闘技場にいる限りアタシには通用しない!」

直りん「…ふ、ふふ、うふふふふふふふふふ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ポタ、ポタポタ……

実況「直りん出血ーーーーーーーッッッ!!」

直りん「ふふ、あは、あはははははははは」

実況「負傷した直りん、不敵に笑うーーーーーッッ!」


―――イタイ、アツイ、クルシイ―――

―――痛みが走るたびに、私はここにいると実感する―――

―――スポットライトの熱と傷口の焼けるような痛み、私自身の鼓動、

  かけめぐる熱さと痕が、私が現実に此処に居る事を認識させてくれる―――

―――腫れ物を見るような目でなく、私個人を他人が見てくれている―――


魔女「はぁ~~~」

パァァァァァ

実況「魔女の手が輝くーーーッッ!」

魔女「マジックミサイル!(D&D的な意味で)」

バシュバシュバシュ!

実況「六本の光弾が襲いかかるーーーーーーッッ!」

直りん(ああ、綺麗……)

ス……

実況「直りん、無造作に突っ込んだーーーーーーッッッ!!!」

ババババババババッッ!!

魔女「当たる面積を最小にして波紋防御!?」

バッ!

魔女「しまっ―――」

ピカァーン!

直りん「龍神烈火拳!」

ガガガガガガガガガッ!

実況「直りん、一瞬の隙をついて無数の乱撃ーーーーッッ!」

観客「ワァーーーーーーッ!」

トッ……バッ!

実況「地面に激突するかと思われた魔女、間一髪で体勢を立て直したーーーーッッ!」

魔女「危ない危ない」

スゥ……スタッ

実況「直りんも地面に着地、悠然と微笑み魔女を見つめるーーーーッッ!」

直りん「ふふ、うふふ……なんだか似ているわね、私たち」

魔女「……は?」

直りん「強大な力を持ちながら人々に畏れられる、孤独な存在……人々はその力を認めても
  決して向き合おうとはしない……」

魔女「……」

直りん「力を行使すればするほど、人は離れていく。だけど……使わざるを得ない、
  悲しい、悲しい存在……」

直りん「貴女もそうなんでしょう? 他人と交わる事ができない、孤高の存在……」

魔女「……似てないよ」

ドドドドドドドドドドド

直りん「……え?」

魔女「似てないよ、似てるわけ無いじゃん。アタシはアタシ、アタシだもん。
  誰かに似てるなんてまっぴらさね」

ビシッ!

魔女「他人がどうだとか、他人がどうしたとか、そんなの関係ないね。
  アタシが楽しければそれでいいのさね、遠慮していく人生なんてまっぴらさ。
  アタシはアタシの生きたい様に太く短く生きて行く!
  アタシの王様はアタシだもの、 周りでうじうじ文句たれてる羽虫の雑音に
  何で気を使う必要があるの? そんな奴等は指先一つで―――」

ぐっ

魔女「―――ボン、だ!」

直りん「………」

……ちら

サムライ「?」

魔女「まあ、中には愉快な奴もいるけどね」

直りん「ふ…ふふ……」

クックックッ……

直りん「アハハハハハハハハハハ……貴女、なかなか素敵ね」

魔女「そりゃどうも」

直りん「そうね所詮は他人同士、自分自身でまっすぐ生きるしかないのね」

魔女「その通り、たった一度の人生だもの。二度無いのに何で悩む?」

ニコ  ニカッ

直りん「ふふふ♪」

魔女「なはは♪」

実況「双方、大胆不敵ィーーーッ! 互いに笑っているーーーーッッ!」

サムライ「やはり、訳わかんないなぁ……あの人」

G住人「姐さん……笑ってやがる……」

G住人2「はぁ? 馬鹿かお前、さっきから笑ってんじゃん」

直りん「そうよね、所詮は他人。自分がやりたいようにやればいいのね……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「あなたのおかげで、吹っ切れたわ……ありがとう」

魔女「そいつはどうも」

直りん「不思議な気分ね、これから貴女を倒そうとしてるけど……何故かしら、
  胸の中にちいさなざわめきがあるわ……」

ざし……

直りん「私たち……もっと早く会ったなら……良い友達になれたかもね……」

魔女「……なればいいじゃない」

直りん「……え?」

ドドドドドドドドドドド

魔女「これが終わったら二人で食事にでも行って、それから買い物にでも行って、
  カラオケでも男を引っ掛けにでも、どこへでもいけばいいじゃない。
  友達になるのに理由や資格なんているの?」

ぐぐ…

魔女「拳交えれば、だれでも強敵(とも)でさね!」

直りん「ふふ、ふふ、あははははははは!」

実況「直りん、哄笑ーーーーッ!」

直りん「フフフ、実にスガスガしい気分よ。歌でも一つ歌いたいようなイイ気分よ。
  フフフフハハハハハハハハッハ」

グリグリグリグリ

直りん「最高にハイ! てヤツねアアアアアアハハハハハハハーーーーーーーーッッッ!」

にやり

直りん「いいわ、これが終わったら食事にでも行きましょう、貴女が勝ったら私が奢るわ」

魔女「ホント? そいつはイイな!」

ビシィッ!

魔女「じゃあ、最終ラウンドといきますか!」

直りん「……ええ」

実況「二人ともかまえた!」

直りん「悪いけど……手加減できないわ」

魔女「上等!」

にやり

ニヤリ

ダッ

だっ

実況「二人ともダーーーーーッシュッ! これが決め手となるのかーーーーーッッ!」

ダダダダダダダダダダッ!

ボシュボシュボシュボシュッ!

実況「魔女が! 放つ炎の蓮撃を! 直りん! 亜空へと消し去って行くーーーーーッッ!」

観客「ワァーーーーーーーッ!」

サムライ「魔女さん!」

G住人「さすが姉さん! ぱねぇ!」

霧崎(奴め笑っている……しかし、邪悪さは感じられぬ……どういう事だ?)

ドドドドドドドドドドド

直りん「今度こそ最後の直リンだ! 正真正銘最後の直リンだ! これより9秒以内にッ!
  この試合にカタをつけるッ! 『www.』ブラックアウト!」

魔女「!」



              ヒ デ ヲ



実況「直りん、またしても衆人環視の中忽然と消えたーーーーーーッッ!」

メリー「くっ」

ハルト(殺気は消えてはいない……)

加藤「ふむ、これは……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女(直りん、あなたが消えて何の策を弄しようと……どんな方法で攻撃してこようと……)

魔女「私は魔法をぶっ放すだけ! カンディ(所在)!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女(座標は―――)

魔女「―――上!?」

バッ

直りん「ロードローラーだッ!」
ttp://dl8.getuploader.com/g/6|sousaku/50/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC.jpg

実況「これはーーーーッッッ! 直りん重機を召喚したーーーーーーーッッッ!」

魔女「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

直りん「もう遅い! 脱出不可能よッ! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
  無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァーーーーーーーーーーーーッ!」

ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォ!

ガンガンガンガンガンガンガンガンガンッ!

実況「魔女、凄まじい魔法の連撃ーーーッ! 直りん、それをまたもや打ち消していくーーーッ!」

直りん「卸しWRYYYYYYYYYーーーーーーッッ! ブッ潰れよォォッ!」

魔女「オラァーッ!」

ドグシャァァッ!!!

……ズウン

実況「……」

観客「……」

星野「あのネタはわしが育てた」

直りん「ふ、ふふ、終わった……ごめんなさい、全力を出さなければ勝てなかった
  ……せめて友としてあなたの亡骸を葬ってあげるわ……」

…ぐ…ぐ

直りん「何? 身体の動きが……に…ぶ…い」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

???「どうやら魔法抵抗は失敗のようね…モーリス(恐怖)、ACが4上昇よ」

直りん(こ、この声は……)

魔女「アタシがマロール(転移)を唱えた、そして脱出できた……やれやれだわ」

直りん(!! なっ、なにィィ~~~ッ!)

バキィッ!

直りん「きゃっ!」

実況「直りん! 後ろから殴られ吹っ飛んだーーーーーッッ!」

魔女「ふふ、どういう気分かしら? 勝ち誇った次の瞬間に当てが外れたという気分は……
  例えると、水の中に一分しか潜っていられない男が、限界一分目にやっと水面で呼吸しようと
  した瞬間、グィッと足を掴まれて水中に引きずり込まれるという気分に似てるかしら?」

直りん「くっ!」

直りん(能力「www.」!)

バッ!

  ――― 404 not found ―――

直りん「なっ!?」

バタン!

実況「おおっと!? 跳躍した直りん、空中でバランスを崩して倒れたーーーーーッ!」

直りん「……!? こ、これはいったい!?」

魔女「魔術の神秘には大いなる力がある」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女「ハマン(変化)。術者は激しく力を消耗するが、大いなる奇跡を起こす事ができる……
  具体的にいうと まじょ は ハマン をとなえた まものをだまらせた! よ」

直りん「!」

魔女「どうやら、別の能力者にも通じるようね……知らなかったか? 魔女からは逃げられない」

直りん「ぐ……」

魔女「アタシにこの技を使わせるとは……なかなか楽しませてもらったわ……でも、それも終わり
  この技を食らってあの世に逝けィ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

魔女「ツザリク(神拳)、またの名を千歩氣功拳!」

ドグッシャァアァァァァッッッ!

実況「おおっと! 強烈な魔法が炸裂! だが惜しい! 脇をそれて壁に当たったーーーーッ!」

観客「ワァーーーーーーッッ!」

魔女「チッ、久々に放ったんで的が外れちゃったか。惜しい!」

直りん「……あなた」

魔女「?」

直りん「今、わざと外したわね……どうして?」

魔女「ありゃばれたか、んー、アレだよ。アンタ居なくなったら誰が飯を奢ってくれるの?」

直りん「……それだけ?」

魔女「イエス、それだけ」

直りん「……ふ、ふふ。アハハハハハハハ!」

ニヤリ

直りん「一度殺そうとした相手に、大した余裕ね。確かに、直リンを封じられた私に勝ち目はないわ。
  降参、貴女の勝ちよ」

実況「おおっと、直りん! 降参、降参です! 準決勝に駒を進めたのは魔女さんだ!」

観客「ワァーーーーーーッッ!」

直りん「じゃあこれが終わったら食事にでも行きましょうか……どこがいいかしら?」

魔女「ゴーゴーカレーでメジャーを奢って欲しいなー♪」

直りん「良くわからないけど……貴女が望むならそこでいいわ」

魔女「OK、じゃ大会終わったらよろしくね、直子さん♪」

直りん「……え」

魔女「どうしたの?」

直りん「今、何て……」

魔女「いやだから、大会終わったら食事よろしくって」

直りん「そのあと……名前……」

魔女「ああ。アタシ達まだあだ名で呼び合うほど親しくないしね、駄目だった?」

直りん「いえ、別にかまわないわ……ふふ」

ニコ……

直りん(名前で呼ばれたのなんてどのくらいかしら……)

スゥ……

直りん(今、ちょっと……昔みたいだった……)


トーナメント準々決勝
三回戦 魔女さん VS 直りん

千歩氣功拳により 魔女さん勝利


   to be continued……


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