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創発トーナメント第二回戦 6

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hasamisan

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創発トーナメント第2回戦 その6


第六戦



クロ「ママ、ガンバッテー」
シロ「お母様、二回戦も頑張ってくださいね」

助手「うんうん、ママ頑張ってくるからね」

クロ「ワーイ」

博士「今からでも遅くないから、棄権してくれないか? 正直見ててラハラするんだ
  年頃の娘がこんな事をやるのはどうかと思う」

助手「あら、博士も私をそんな風に見てくれてたんですね」

博士「ちょ、ちょっと待て。何か勘違いしてるようだが、俺は危ない目にあわせたくないだけだ」

助手「でも、対戦相手は私と同じ女性の方ですよ?」

博士「それとこれとは……まったく、キミは頑固だな」

助手「あら、それは博士もですよ。それに、これは私の決意みたいなものなんです」

博士「決意? また変な事を考えてるな……」

助手「もしも、もしもですよ? 私がこの大会で勝ち進む事が出来たら」

博士「出来たら?」

助手「……やっぱり、それは勝ってからお話しますね! いってきます!」


G住民「姐御! 頑張ってください!」
G住民「アジョの旦那も、Gの兄貴も…串とバンディットの姉貴も負けちゃいました……
  姐御! あとは姐御だけです!」
G住民「他の奴等はともかく、あっしらは姐御を応援しとりやす!」

直りん「つまり……それって」

直りん「他の人がやられちゃったから、次点の私を応援しに来たって事?」

G住民「い、いえ、そんな事は……」

直りん「……私、人を見下すのは好きだけど、見下されるのは好きじゃないの」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

G住民「…………」

直りん「ねぇ……知ってる? 私の噂……」

G住民「あ……う……」

直りん「それ、噂じゃないよ」

……ニィ

カツカツカツ……

G住民(こ…殺される……!?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

スッ

バタン

G住民「………」
G住民「こ、殺されるかと思った」
G住民「……俺も」


実況「二戦目、第六回戦!」

ワーワーワー

実況「見目麗しい女性同士の対決! どちらを応援するか迷うところ!」

アジョ中「薔薇にはトゲがあってだな……」
霧崎「有毒な植物も自然界にはある」

実況「西の方角! 爆発アルケミー! 助手!」

助手「……頑張ります!」

ワーワーワー

実況「東の方角! 這いよる混沌、実力いまだ知れず! 直りん!」

クロ「アレガママノアイテ?」
博士「そうみたいだな」
  (不安だ……)

直りん「はぁーい♪」

ワーワーワー

実況「それでは試合開始です!」

助手 VS 直りん


クロ「ママカガンバレーー!」
シロ「お母様、頑張ってー!」

直りん「あら……若いのに、あんな子がいるのね」

助手「いえ、あれは養子みたいなもので本当の子じゃないんですよ」

にこり

助手「でも、懐かれてああ呼ばれちゃってますけどね」

直りん「……そう、楽しそうね」

助手「ええ、あの子達がいて、博士がいて……あ、博士っていうのは私の先生なんですけどね。
  毎日が楽しくて、覚える事ばかりです」

直りん「……そう」

助手「ははっ、ごめんなさい話してばかりで。おかしいですよね、これから戦うっていうのに……
  なんかそんな雰囲気じゃなくて……」

直りん「ええ、おかしいわ」

助手「ですよねー」

ニコリ

直りん「あなたのその、幸せそうな顔が苦痛に歪むのを考えると、おかしくておかしくて……
  笑っちゃうわね」

助手「……え?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

実況「実況席からは遠くて聞こえませんが、二人とも何やら話し合っているーー!」

クロ「ナンノオハナシー?」
シロ「さあ……なんでしょうね、お父様?」
博士「さあ、なんだろうね……」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「人が幸せになる方法には、二つある。……何かわかるかしら?」

助手「……え? さ、さあ……」

直りん「幸せになる方法の一つ目、それは自分の願いごとがかない、自分が幸せになる事」

ゴクリ

助手「……二つ目は」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「幸せになる方法の二つ目、それは」

……にぃ

直りん「他者を蹴落とし、災難に合わせること」

助手「―――!」

直りん「他者を不幸にする事で、相対的に私は幸せになる! 絶望した奴の顔を見下ろす時!
  私は幸せの意味をかみ締められていられる!」

助手(な、なんなの? この子)

直りん「あなたが甘ちゃんで本当によかったわ……あなたが幸せであればあるほど……
  私も幸せに近づくことが出来る!」

助手(……なんなの……なんなのこの子)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

霧崎「GGG的には応援すべきだろうが、私は奴は好かん」
串子「言うねえー」

霧崎「あれは『最悪』と呼ばれるもの、他人を不幸に巻き込んで道づれにする『真の邪悪』だ」

――― 一方そのころ

主催「先生、どうですか?」

医師「峠は越えましたが、当分安静にしてるほうがいいですね。つまりドクターストップ、
  そういうわけです」

主催「ふむ、なるほど……わかりました、それではサンスーシ先生は勇退となりますな」

白「当たり前です! これ以上危険な目にあわせられません!」

主催「おお怖い。それでは代役を立てて大会は続行します。わしはこれで失礼しますな」

ガチャリ

コツコツコツ

乱立「代役……リザーバーかい。当てはあるのか?」

主催「まあ一応な。お前さん、邪魔はするなよ」

乱立「おいおい、俺は何もしないぜ、何もな」

コツコツコツ

  「控え室」

ガチャ

倉刀「おや、こんにちは」

主催「おう、居るな」

乱立「こいつか?」

主催「ああ。倉刀君、君をサンスーシ選手のリザーバーとして参加させる。
  よろしく頼む」

倉刀「ええ!?」


倉刀「なんで俺なんですか、他にも人がいたような気が……」

主催「ヨーグルト氏とかは、飽きたとか言って帰ってしまった。君しかいない、それに」

ポン

主催「師弟対決というのは数字が取れるのでね……これはチャンスなんだよ!」

倉刀「は、はあ……」

主催「まあ、君も師匠に力を試すことができるいい機会だと思うよ、うん!」

倉刀「はあ……」

主催「じゃあ、そういうことでよろしく! 期待しているよ!」

ガチャリ

バタン

倉刀「まいったな……どうしよう」

倉刀(師匠に勝てる気がしない)

倉刀「かといって、手を抜ける相手でもないしな……」

キラッ

倉刀「ん?」

キラッ

倉刀「日本刀? あの二人が忘れたのかな」

スッ

倉刀「それにしても……なんて綺麗なんだ。一応刃物の心得はあるが、それにしても美しい。
  抜いてみるか……」

スゥゥラァ―――

倉刀@「抜けた……俺、全然力込めてないのに……それに、何か聞こえるような……」

ゥォォーー…ム…… バルバルバル……

ゥォォーーーム…… バルバルバル……

ガチャリ

係員「倉刀さま、失礼します。改めて大会について説明しに来ました」

倉刀「あ、はい……」

係員「おや、それは? 当大会では武器は禁止です。お預かりしましょう」

倉刀「あ、はい。どうぞ」

グググ……

ズブシュ

倉刀「あ!」

係員「ガフッ……な、何を……?」

倉刀「お、俺じゃない! 俺じゃない、刀が勝手に!」

(……くのだ)

(落ち着くのだ 落ち着くのだ倉刀よ……)

(何でもない 何でもないのだ 倉刀……)

倉刀「な…何者だ……声が……聞こえてくるぞ……」

(我が名は きっちり 名無しと1000の守護者を暗示するもの……)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

係員「く、倉刀さま?」

(お前は私を抜いた…… お前は私になるのだ…… 私を使って板を纏めるのだ……)

ピシィ―――ン

倉刀「……ハルトもGGGも死んで当然の奴等さ! おまえもキッチリぶった切ってやりたくなったぞ」

係員「な、何を……やめてください倉刀さま、やめて―――」

ズバシュ!

……パチン

(ハルトシュラーを殺せ! GGG団を全滅させろ! お前は板の管理者だ!
  誰よりも強い! 何でも切れる!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

乱立「俺は何もしないぜ……俺はな」

ニヤリ


再び試合へ

助手(この子……危険だわ!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

実況「双方、動く気配なしーーーッ! 睨み合いが続いている!」

直りん「フフ……どうしたの? 足が震えているわ……恐怖する、それは
  余計なストレスを溜めるという事」

助手「う、うわぁーーーーー!!」

ブォン!

直りん「フフ……貧弱、貧弱ゥ!」

助手「!」

実況「おお! またもや! 一回戦と同じく、直りんが離れた場所にいるーーーッッッ!」

観客「ウォォン!」

クロ「ヒキタテンコー」
博士「……むう」

直りん「私はストレスを溜めるということはしない、常に心の平穏を願って生きていこうと
  思っている……感情を隠してストレスを溜めるなんて、愚かな事……私は、
  私のやりたいようにさせてもらう……」

ピキーーーーーン
     ザ・ワールド
直りん「『WWW』! 絶望を私に見せながら死んでゆけ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

助手「こ、これは! 彼女の周囲の空間に歪みを感じる……」

ざし……

助手(臆しちゃダメ……博士、クロちゃん、マシロちゃん、あたしに力をかして……!)

直りん「ブラックアウト!」

助手「!」




                ヒ デ オ 





クロ「ママー、ママー」

助手「う……ん……あれ? あたし……何を……」

ゆさゆさ

クロ「ゴハンツクッテー」

助手「そうだった……ご飯作らないと……」

ムクリ

助手「今日はシチューにしましょうか」

クロ「ワーイ」

助手「博士が仕事から帰ってきたら、三人で食事にしましょう」

カラカラカラ

とぉるるる…

とおおるるるるるるるるるるる

とうおるるるるるるるるるるるるるるるるるるん

助手「あら、電話だわ」

ガチャ

助手「はい、もしもし」

博士「ああ、君か。俺だよ」

助手「あ、博士ですか。よかった、私―――」

博士「あのさ、今日は令嬢の邸宅で食事を振舞ってもらう事になったから」

助手「え……」

博士「だからさ、今日はこのまま帰ってこないのを伝えようと思って。クロによろしくな」

助手「あ……、え、ええ」

令嬢「博士さん、まだですか? 食事が冷めてしまいます」
博士「あ、あの、そんなにくっつかないでください」

助手「……」

博士「おい、どうした? もしもし? もしもし?」

助手「あ、ええ、わかりました。じゃあ食事はこっちで取りますね」

博士「うん、そうしてくれ。じゃあ」

キャッキャ、ウフフ

ガチャン

クロ「ママードウシター」

助手「……なんでもない、なんでもないのよ」

カラカラカラ

助手「何でもないのよ、クロちゃん……」

カラカラカラ……

直りん(本当に? 本当にそうかしら?)

直りん「ブラックアウト!」




                ヒ デ オ 




チュンチュン、チチチ…

助手「朝……? ここは、部屋?」

助手(私……何をしてたんだっけ……)

コンコン、コンコン

ガチャリ

白い女性「もう、お母様ったら! 遅刻しちゃいますわよ!」
黒い女性「まったくネボスケさんなのだー」

白い女性「お姉様も、先ほどまで寝ていらしたじゃありませんか」

助手「え・・・あの……どちらさま?」

白い女性「お母様……だから、飲みすぎるのはいけないといいましたのに……
  マシロとクロ、ですわ。そして今日は結婚式ですわ」

助手「結婚……式……」

黒い女性「令嬢さんとパパの結婚式なのだー」

助手「ああ……そうね」

助手(そう、そうだったわ、私ったら何を)

助手(今日は結婚式、そしてこの娘たちはマシロとクロ)

助手(博士の研究が認められ、出資者の娘である令嬢と博士が婚約したんだわ)

助手(私も、呼ばれてるんだっけ……)

ズキリ

助手(何だろう……この胸のモヤモヤは……)

シロ「お母様?」

助手「あ、ううん。ごめんなさい、今準備するわね」

助手(何だろう、この気持ち。なんだかおかしいわ……でも、それがなんだか
  わからない……博士の事?)


直りん(一皮むければ……どいつもこいつも同じ。私の方が正直、正直だ
  自分を偽らないだけマシ……どいつもこいつも、ヘドが出る!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん(他人の幸せを喜べる人間など、いはしない……それは自分の幸せと一致しただけの事、
  人は互いに……相手を蹴落として高みに上がろうとしている……)

直りん(なんと浅ましき、醜悪な事……私はそれを見つめる事で、自分が生きている事を
  実感できる……)

直りん(人が醜く生にしがみつく様を見ることで、私は幸せを感じる事が出来る……)

直りん(人が不幸になったとき! ソイツは本性を曝け出す!)

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「『WWW』世界に網を張り、用途に応じて糸を引き上げ能力を発現させる……
  それを応用し、糸で相手を絡めとり『世界』へと墜とす……」

直りん「その人物は、世界の因果律に引きずられながら、思うがままの行動を取る」

直りん「これが『WWW』第二の能力『舞台活劇』!」

直りん「ウフフ……貴女には、たっぷりと愉しんでもらうわ」

……にっこり

直りん「そして、私もね」

リンゴーンリンゴーン

パチパチパチ

クロ「綺麗だねー」
シロ「ええ、綺麗ですわね、お母様」

助手「…………」

シロ「お母様?」

助手「え? あ、ああ、ごめんなさい。こんな式に慣れてないから……
  どうすればいいかわからなくて……」

シロ「とりあえず、笑えばいいと思いますわ」

助手「そう……そう、よね……」

助手(二人を見ていると、なんだか胸が苦しくなる……博士があんなに嬉しそうなのに
  私……どうしたの? 私、泣いてるの?)

リンゴーンリンゴーン

客人「おめでとう! 二人ともおめでとう!」
客人「本当に似合いのカップルだ」

助手(ああ、博士と令嬢が、あんなに幸せそう……)

助手(これは……夢? 現実? わからない、わからない……)

直りん「いいえ、これは現実。近い未来に起こる事」

助手(あなたはダレ? 私は……)

直りん「富も地位も、彼女には及ばない。いずれ起こりうる運命」

助手「違う、そんなの違う、私は……」

直りん「そう? 本当にそう? では現実を直視しなさい……ブラックアウト!」



                ヒ デ オ 




ざあああああああああ

助手(ここは……どこ?)

助手「雨……窓、テラス……ああ、そうだった」

助手「ここは令嬢の屋敷、そして私は、そのテラスにいるんだった」

助手(なんでいるのかしら……どうして?」

「…………」

助手「声? 中から聞こえる……なにかしら」

ざあああああああああ

令嬢「博士……いいえ、アナタ。私、今とっても幸せです」

博士「俺もだよ、君を妻に娶る事が出来て、本当に…嬉しい」

令嬢「本当?」

博士「本当だとも」

令嬢「うふふ、じゃあ……」

スッ

令嬢「この幸せが嘘じゃないか、私に……感じさせてください」

博士「もちろんだとも」

がばっ

令嬢「あ……、灯りを消して」

博士「暗くなったら、君の姿が見えないじゃないか」

令嬢「……イジワル」

キャッキャウフフ……

ピカッ! ゴロゴロゴロ……

ざあああああああああ

助手「…………」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

助手「……う……ううっ」

ポタ…ポタ…

助手(嘘……嘘だ……)

直りん「いいえ、これは現実。起こりうる未来」

助手「嘘だッ!」

直りん「あなたが行動を起こさなければ、起こりうる未来」

助手「こう……どう……」

直りん「博士の側にいて、一番博士を理解しているのはアナタ」

助手「……そう」

直りん「博士の側にいて、一番つくしてきたのはアナタ」

助手「……そう」

直りん「じゃあ、令嬢なんかより博士に相応しいのはアナタ、ね」

助手「……そう」

直りん「世間を知らない令嬢に、博士の何が分かるというの?
  博士を一番よく知ってるのは、アナタなのに」

助手「……そう、その通り」

直りん「あの女さえいなければ、博士は私のモノ……きっと、振り向いてくれる」

助手「…………」

直りん「どうした……何を躊躇うことがある? 今は悪魔が微笑む時代なんだ!」

ピカッ! ゴロゴロゴロ……

ざあああああああああ

助手「なんだ……そっか、そうだよね」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

助手「……簡単な事だったんだ」

ざあああああああああ

助手「……あは、あはははははははは」

ガッシャーーーーン!

令嬢「!? あなた―――」

博士「どうしてここに!?」

バッ

助手「…死んじゃえ」

ざしゅ!

……はらり

令嬢「……え?」

……じわ

令嬢「……うそ」

ブシュウウウウウウウウウッ

バタリ

博士「お、おい! しっかりしろ! 嘘だろ!」

助手「大丈夫ですよ博士、そんな奴いなくても大丈夫です。博士と私と、
  クロハちゃんとマシロちゃんと、ずっと、ずっと一緒に暮らしましょう」

ピカッ! ゴロゴロゴロ

助手「博士は何もしなくていいんです。私がいますから、ずっといますから。
  だから離れないでください。ずっと博士についていきますから」

助手「四人で一緒に暮らしましょう。私、張り切ってご飯とか作りますから。
  博士の好きな食べ物は何ですか? 私いっぱい作りますから。
  大丈夫ですよ、お母さんにも上手くなったわねって褒められてるんですから。
  ……はい、任せてください」

博士「お、おい! しっかりしろ!」

直りん「……くすくす」

実況「これはどういう事だーーーー! 微動だにしなかった二人だが、いきなり
  助手がたおれたーーーー! そのまま起き上がれず判定負けーーーー!」

……ぎり

霧崎「胸糞の悪い事をしよる・・・…」
串子「え? 何やったの彼女?」

助手「クリスマスにはヨットで過ごすのもいいかもしれませんね。知ってますか?
  何も邪魔するもののない海原で見る、水平線に沈む夕陽って、とっても綺麗なんですよ」

博士「しっかりするんだ! 貴様、俺の助手に何をした!」

直りん「何をしたかって……心外だわね」

博士「なんだと!」

直りん「ここは私達が死力を尽くしている闘技場、言うなれば戦場よ。
  戦場で、後ろから撃たれたと騒ぎたてる兵士がどこにいるの?
  いたら物笑いの種にされるだけだけでしょう。戦場ではだまし打ち、不意打ちが日常……
  皆……なんとか相手の寝首を掻こうと、後ろに回ろうと策を巡らしている……
  それが真剣勝負というもの、彼女はただ……私の技を受け試合に敗れた、それだけよ。
  ……次の試合が待ってるわ、去りなさい」

博士「きっさまぁーーーーーーー!!!」

係員「おいまて! なにをしている!」
係員「トーナメント外での闘いは禁じられている!」

博士「うおおーーーーーッッッ! そんなものは関係ない!
  奴を、奴を殴らせろーーーーーーッッッ!!!」

直りん「あらあら、こわいこわい。大会の邪魔にならないように、退去させた方がいいかしら?
  ……一つだけ言っておくわ。最終的にそうなったのは、彼女の意思よ」

博士「なんだと!?」

直りん「……そして、あなたの愛があれば、彼女は元に戻るかも……うふふ」

くるっ

博士「お、おい、待て!」

直りん「二人とも、末永くお幸せに……くすくす」

博士「待て! 待つんだ! はなせーーーーッ!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

直りん「これでまた一つ、幸せになれたわ」

乱立「……フン、面白いな、あの娘」



トーナメント二戦目
六回戦 助手 VS 直りん

判定勝ちにより 直りん 勝利


   to be continued……


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