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風呂

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風呂


案内された部屋は最上階にあり、階全て貸切という待遇だった。
とは言っても何部屋あろうが結局使うのは一部屋だけだ。
そのことをコユキに言うと
「私もこの階の部屋使いますから大丈夫ですよ」
と答えてくれた。一体何が大丈夫なのだろうか。
私は窓から路地裏を眺めることが出来る部屋を選んだ。
最上階は一番お値段の張る部屋らしくほかの階よりも部屋数が少なく、部屋は大きい。
なんと言っても浴室が素晴らしかった。
ソーニャが三人入ってもまだ余裕がありそうなくらい大きい浴槽。
温水が出る装置。浴槽から見上げれば外の風景が見える。
コユキに話すとこっちでは水道というのが整っていてどのような場所にも水は行き届き
なおかつ魔法道具を使うことにより温水にすることが出来るそうだ。
村では水を引くことはあっても管を通し、遠くまで運ぶなんてことはしたことがなかった。
温水だって大きな釜に水をたっぷり入れた後、焚き火で温かくさせるぐらいだ。
ぜひともこの技術を村へと持ち帰り、風呂を各家に設置したいと密かに誓った。
風呂を満喫して後、コユキが用意してくれた新しい服を着る。
緑の服を着るのかと思ったが柔らかい布で出来た白い服を渡された。
「さすがに真っ白すぎないか?」
「白騎士ですからね!」
「いや、だがこれはさすがに……」
「仕方ないですね。それではこの鎧を……」
「待て、それも白いぞ。あ、でも軽いな……」
結局コユキを折らせ丈夫そうな茶色の皮鎧を付ける事にした。
その代わり、部屋は服と鎧で溢れ返っている。
片付けるのは後にして、再びソーニャたちは本部へと向かった。



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