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「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」③

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「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」③


434 名前:抹茶白玉あんみつ、冬、輪廻[sage] 投稿日:2008/11/27(木) 06:43:30 ID:Xyxa5zTs

「……牛丼、チョココロネ、パフェ、クレープ、メロンパン。では62番目に言った食べ物は?」
「白玉抹茶あんみつ」
助手は考えるそぶりも見せずに即答した。
「凄いな。今言った食べ物は全て順場通りに覚えたのか?」
「はい。完璧です。博士の開発した記憶力増強装置は成功ですね」 助手が嬉しそうに言った。
彼は自らの体を張って実験台になってくれているのだ。
「そうだな、一週間でこの効果なんだ。今年の冬を越すまで使い続ければ……あるいは
人間の限界を超えられるかもしれん。これからも実験台になってくれるか……?」
「もちろんですよ博士。この装置の効果を実証し、その後で発表しましょう。きっと全世界を震撼させることができますよ!」


―冬が終わり春が訪れた―
「博士!!」
青ざめた顔で助手は研究室に入ってきた。
「早く……早く記憶力減退装置を作ってください!」
「何を急に……どうしたんだ?」
「町中に恨みのある奴らがいるんです!このままでは殺してしまう!」
「ちょっと落ち着いてくれ。何があった?」
「思い出してしまったんですよ、前世の記憶を、そして更にその前の前の前の前の前の前の前の前の前の前の……
世代の記憶まで、ずーっと。今や町のあちらこちらに親の敵や恋人の敵がウヨウヨしてるんですよ!殺意を抑えきれません!」
「それはいかんな。すぐに開発しよう」
そう言って博士は助手に背を向けて机に向かった。
記憶力増強装置の応用で記憶力減退装置を作るのはそう難しくない。
博士がペンを走らせ頭をフル回転させていると助手が背中にもたれかかってきた。
更に助手は両腕をまわし、博士の体に絡みついてきた。
「何をしてる?」博士が訪ねると助手は言った。
「何だ……覚えてないの、マリー?350年前に、僕達はこうして毎日愛し合っていたじゃないか。
姿形は変わってしまったけど、君の魂は変わっていない。ああ、だめだマリー!僕は自分を抑えきれないよ!」
助手は博士の服を強引にはぎとった。
「アーッ!」
研究室に、博士の悲鳴が木霊した……。



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