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「BLOGを1年続けて、コメント零」、「ゴルゴ13」、「トイレ」

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shoyu

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「BLOGを1年続けて、コメント零」、「ゴルゴ13」、「トイレ」


134 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/09/24(水) 23:36:55 ID:FprkbnQM

 スナイパーという仕事はかなり神経を使う。仕事柄、
クライアントと友達以上の関係になる事はまずないし、
元々友達も少ない。一人でこなす仕事なので、もちろん
同僚はいない。昨日あった面白いことも、クライアントの
愚痴も、趣味の話も、一切する事はない。というか出来ない。

 その日は仕事が早く片付き、家でのんびりネットを見ていた。
そろそろやめようかと思っていた時、あるサイトgが目に留まった。
そこは、とあるスナイパーのblogだった。スナイパーのくせに
ネットで自分から情報配信など……と思って見たが、彼が
スナイパーである事以外は一切、そのblogから窺い知る事は出来なかった。
書かれているのはたわいも無い日常や、その日思ったこと。
載せられている写真は道端で撮ったらしい何気ない風景。
そんなblogに、かなりの数の人がコメントを残していた。

 気が付いたら私はgoogleで『blogの始め方』を調べていた。
それほど難しくはないが、なにせプライベートの時間が少ない。
デザインやレイアウトに散々凝った挙句、記念すべき第一投の
文案に一週間を費やし、一ヵ月後、blogは無事開設の日を迎えた。
しかし、紹介できる友達もいないし、クライアントに紹介する訳にもいかない。
そのうち人も増えるさと、毎日欠かさずblogを更新し続けた。
疲れて食事すら面倒な時も、パソコンを立ち上げて、一行だけでも更新は行った。
逆に休日など、丸一日blogの更新に時間を費やした時もあった。

 blogを開設してから、もうすぐ一年が経とうとしていた。仕事の合間には、
トイレに入って、携帯からblogのコメントをチェックする。昨日書いた記事へ
飛び、『コメント』と書かれた右隣の括弧内の数字をチェックする。
開設以来、この括弧内に0以外の文字が記載されたのを見たことがない。
スナイパーのブログという事で、二番煎じを指摘するコメントくらいは来だろうと
思ったが、それすらなかった。ため息とともに、自分の投下した文面を見直す。
今日は3箇所も誤字を見つけてしまった。帰ったら真っ先に修正しなければ。

 ふと時計を見る。そろそろ次の仕事だ。
袖で涙を拭い携帯を閉じると、私は次のクライアントの所へ急いだ。


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