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C.C.「悪いな、よく聞こえなかった」

1 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:40:48 ID:WzcGhsMf
立ったらコードギアスで台詞系
終わったらギアスか他の作品かわからないけどとにかく二次台詞系

2 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:44:22 ID:WzcGhsMf
立ったか
んじゃ、とりあえずスレタイからの続きで

3 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:46:11 ID:WzcGhsMf
C.C.「私の聞き間違いでなければ、プレゼントと言ったか?」

ルル「ああ、その通りだ」

C.C.「誰への贈り物だ?」

ルル「お前にだ、C.C.」

C.C.「……」

C.C.「何をたくらんでいるんだ?」

4 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:48:14 ID:WzcGhsMf
ルル「たくらむ、だと?」

C.C.「ああ。お前が私にプレゼントなど怪しいすぎる」

ルル「どこが怪しい」

C.C.「強いて言えば全てだな」

ルル「……」

C.C.「さあ、言え。何をたくらんでいる」

5 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:49:58 ID:WzcGhsMf
ルル「いいかC.C.、俺は何もたくらんでなどいない」

C.C.「ほう? どうやってそれを証明する」

ルル「……なんだと?」

C.C.「お前が何もたくらんでいない証拠など、どこにもないだろう?」

ルル「……」

ルル「……もういい。お前にプレゼントをしようと思った俺が馬鹿だった」



6 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:53:59 ID:WzcGhsMf
C.C.「なんだ、すぐに諦めるとは張り合いが無いな」

ルル「ふん、一人で言っていろ」

C.C.「おやおや、負け惜しみとは情けないぞ」

ルル「……そうだな。では、お前にプレゼントするはずだった品は廃棄処分するよ」

C.C.「……」

C.C.「……まあ、待て」

7 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 19:56:21 ID:WzcGhsMf
ルル「待て? 何を待てと言うつもりだ」

C.C.「お前が私を罠にはめようとした品を廃棄するのをだ」

ルル「待つ理由が無い。そうだろうC.C.?」

C.C.「ただの暇つぶしだ。それで十分だろう」

ルル「……それもそうだな」

ゴソゴソッ

C.C.「……」ソワソワ

8 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:00:05 ID:WzcGhsMf
ルル「お前の趣味に合うかどうかはわからなかったが……」

C.C.「おいおい、お前のたくらみはもうバレているんだぞ」

ルル「――服を……プレゼントするつもりだったんだ」

キラキラキラキラッ

C.C.「な……中々のものを用意したんだな……」

ルル「当然だ。何せ、この俺がプレゼントするんだからな」

C.C.「……」

9 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:03:52 ID:WzcGhsMf
ルル「恐らく、このドレスのような服はお前に似合うだろうと思っていた」

C.C.「……丁寧な刺繍だな。それに、フリルも綺麗なものだ」

ルル「だが、お前は受けとることを拒否したんだ……C.C.」

C.C.「……」

ルル「だから、もうこの服には用がない。廃棄処分にする」

C.C.「……」

C.C.「もったいないとは思わないのか?」

10 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:06:56 ID:WzcGhsMf
ルル「何をだ?」

C.C.「これだけのものだ。手に入れるには苦労したんだろう?」

ルル「そうだな。特注品だし、苦労したといえばした」

C.C.「……ふむ、それほど苦労したのなら一度位は袖を通してm」

ルル「だが、着る物がいない服はただの布だ。そうだろう、C.C.」

C.C.「……そ、そうだな」

11 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:09:04 ID:WzcGhsMf
ルル「しかも、受け取ることさえ拒否された品だ」

C.C.「……」

ルル「そんないわくのついたものだったら……焼却するべきだ」

C.C.「!?」

ルル「お前もそう思うだろう、魔女」

C.C.「……さ、さあな」

12 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:12:01 ID:WzcGhsMf
ルル「俺は気にする方ではないが、騎士団でゲンをかつぐ者もいるだろう」

C.C.「いやいや、いないと思うぞ」

ルル「藤堂は気にする方だと思うが?」

C.C.「……まあ、それは……そうかもな」

ルル「だからこそ処分する! 輻射波動砲で塵も残さずだ!」

輻射波動「!?」

13 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:14:55 ID:WzcGhsMf
C.C.「おい、待てルルーシュ!?」

ルル「どうした。何をそんなに慌てている」

C.C.「何もそこまでする必要はないだろう?」

ルル「いいや、ここまでしなければ俺の納得がいかない」

C.C.「……この服を……」

キラキラキラキラッ

C.C.「……焼き尽くすのか」

14 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:15:03 ID:fRempmTB
過激なw

15 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:15:52 ID:IYE5KW1/
焼き尽くすwwそこまでやるかww

16 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:18:31 ID:WzcGhsMf
C.C.「……とても良い服だな」

ルル「そうだな」

C.C.「……ふふっ、私も昔はこういったものを着ていたんだぞ?」

ルル「そうか」

C.C.「……だから……な、わかるだろうルルーシュ?」

ルル「――こんな気飽きている型の服に袖を通すつもりはないということか……!」

C.C.「待て、違う」

17 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:22:16 ID:WzcGhsMf
ルル「気休めはよせ!」

C.C.「おいおい、私がお前に気休めでも優しい言葉をかけるとでも?」

ルル「ああ……憎まれ口を叩きつつも、お前は優しいところがあるからな」

C.C.「そっ、そうか?」テレテレ

ルル「……だが、今はその優しさが俺を苦しめるんだ」

C.C.「……」

ルル「わかってくれ……C.C.」

C.C.「……」

C.C.「一体何をだ……」

18 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:26:59 ID:WzcGhsMf
ルル「……それに、今は丁度カレンが紅蓮の調整を行っている」

C.C.「何?」

ルル「用件を伝えれば快く引き受けてくれるだろう」

C.C.「……なあ、ルルーシュ。一度落ち着いて話し合おうj」

prrrr!prrrr!

ルル「――私だカレン。紅蓮の調整は順調に進んでいるか?」

カレン『る……ゼロ? はい、滞りなく』

C.C.「私の話を聞け、ルルーシュ!」

19 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:31:50 ID:WzcGhsMf
カレン『何か問題でも?』

ルル「そうだ」

カレン『!……何があったんですか?』

ルル「なに、C.C.にプレゼントをしようと思ったんだが――」

カレン『はえっ!? ちょっと、それってどういうこと!?……ですか!?』

ルル「――受け取りを拒否されてしまってな」

カレン『そっ……そうだったんですか』ホッ

ルル「だからその品を――紅蓮のテストも兼ねて輻射波動砲で焼き尽くしてもらいたい」

C.C.「待てと言っているだろう!」

カレン『――了解しましたっ!!』

C.C.「おい、聞こえているぞカレン!」

20 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:34:29 ID:fRempmTB
塵も残らんわw

21 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 20:50:14 ID:IYE5KW1/
上手い牽制だな、と思っていたら本当に実行するのかよww

22 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:09:21 ID:WzcGhsMf
ピッ!

ルル「……よし、これでこの服を処分する条件は全てクリアーされた」

C.C.「ルルーシュ。それは私へのプレゼントなんだろう?」

ルル「さっきまでは、な」

C.C.「……」

ルル「しかし、俺にはお前の受け取らないという意思を変えることは不可能だ」

C.C.「いや、待て。……受けとってやっても良いぞ」

ルル「はは……お前は優しいな、C.C.」

C.C.「……」

23 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:15:55 ID:WzcGhsMf
ルル「しかし、お前の優しさに甘えている訳にもいかない」

C.C.「……そうか」

ルル「服を処分してく――」

『――ゼロ様』

ルル「む? その声は……咲世子か」

咲世子『はい。ゼロ様の部屋から処分する品を取ってくるように、と』

ルル「そうか。入れ」

C.C.「……」

24 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:24:09 ID:WzcGhsMf
パシュン!

咲世子「失礼します」

ルル「余計な手間をかけさせたな」

咲世子「それで、その処分するという品はどこに?」

ルル「これだ」

キラキラキラキラッ

C.C.「……」

咲世子「これは……ルルーシュ様が私に創るようにと命じたものでは?」

C.C.「……何?」

25 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:37:54 ID:WzcGhsMf
C.C.「咲世子、この服はお前が作ったものなのか?」

咲世子「作ったと言っても、デザインなどほとんどはルルーシュ様が行いました」

C.C.「……そう、だったのか」

咲世子「ルルーシュ様。本当によろしいのですか?」

C.C.「ああ、無論だ。塵一つ残さぬようカレンに伝えてくれ」

咲世子「……かしこまりました」

C.C.「……」

C.C.「待て、咲世子」

26 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:41:31 ID:/cj0ElwZ
あれかな
以前「なでなでさせろー」のSS書いた人?

27 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:41:41 ID:WzcGhsMf
咲世子「はい、なんでしょうかC.C.様」

C.C.「……」

ルル「どうしたC.C.。お前も何か処分したいものでもあるのか?」

C.C.「……いや、違う」

咲世子「ご用件は何でしょうか?」

C.C.「……」

C.C.「……その服を処分するのは少し待て」

28 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:46:56 ID:WzcGhsMf
ルル「何を言っているC.C.。――咲世子、待つ必要など無い」

C.C.「元々それは私に贈られるものだった」

咲世子「あの……」

ルル「確かにそうだ。だが、C.C.は受け取りを拒否した」

C.C.「そうだな。しかし、処分する品をどうしようと私の自由だろう?」

咲世子「えっと……」

ルル「ええい! 何を考えているC.C.!」

C.C.「お前に言う必要はない」

咲世子「……」

咲世子「どうしたら良いのでしょうか……?」

29 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:51:19 ID:WzcGhsMf
ルル「咲世子、迷う道理がどこにある?」

咲世子「ですが、C.C.様は……」

C.C.「この男の言葉を聞く必要は無いぞ」

咲世子「あの……」

ルル「お前が仕える主は誰だ。言ってみろ」

咲世子「……それは勿論、ルルーシュ様でございます」

C.C.「私はルルーシュの共犯者だ。ならば、立場は対等だろう」

咲世子「……」

30 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 21:56:58 ID:WzcGhsMf
咲世子「――無礼を承知で意見させていただきます」

ルル「……何だ、言ってみろ」

C.C.「咲世子。処分すると言うのなら、もうお前と一緒にピザは食べてやらないぞ」

咲世子「……では、僭越ながら申し上げm」

ルル「ふん! それで脅しているつもりか?」

C.C.「脅し? ふふっ、私が咲世子を脅すわけが無いだろう。なあ、咲世子?」

咲世子「……」

咲世子「あの、よろしいでしょうか?」

31 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:06:13 ID:WzcGhsMf
咲世子「今、この服を処分してしまうと問題が発生するように思えます」

ルル「何っ!? 咲世子、俺の言う事が聞けないのか!?」

C.C.「ふふっ! 咲世子は私と一緒にピザを食べる権利を失わずに済んだぞ」

咲世子「落ち着いてください。今、理由を説明s」

ルル「魔女! お前はいったい何を咲世子に吹き込んだ!?」

C.C.「別に何も。……強いて言えば、アンチョビピザも中々いける……とだな」

咲世子「……申し訳ありませんが、それは一切関係ありません」

32 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:07:50 ID:IYE5KW1/
関係ないのかw

33 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:11:25 ID:WzcGhsMf
C.C.「何っ? 違ったのか?」

ルル「……焦ったぞ咲世子。
    お前がアンチョビピザに釣られる人間だと思いかけていた」

咲世子「……誤解を招かなくて本当に良かったです」

ルル「しかし、お前は処分を手伝う気はないんだろう?」

咲世子「そうは申しておりません」

C.C.「?」

咲世子「処分にするのは保留にしてみては、と」

ルル・C.C.「保留?」

34 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:15:53 ID:WzcGhsMf
咲世子「即座に処分してしまっては御二人の関係に溝が生まれるように思えます」

ルル「それはまあ……」

C.C.「……そう、だな」

咲世子「ですので、一度ゆっくり話し合ってみてはいかがでしょうか」

ルル「処分するぞ。文句はないだろう?」

C.C.「何を処分する気だ。ルルーシュ、お前が自殺志願者だったとはな」

咲世子「……」

咲世子「一度、ゆっくり、話し合ってみてください」

35 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:22:33 ID:WzcGhsMf
ルル「……そこまで言うのなら話し合おう。だが、俺の考えは変わらんぞ」

C.C.「話し合うだけ時間の無駄そうだな」

ルル「当然だろう。俺がお前の声に耳を傾けるとでも?」

C.C.「おやおや、さすがに童貞坊やは強情だ」

ルル「それのどこが悪い?」

C.C.「開き直ったか」

ルル「違うな。その考えは間違っているぞ」

C.C.「ほう?」

ルル「俺はナナリーを愛している。ただそれだけの事だ」

C.C.「……シスコンめ」

ルル「ありがとうC.C.。最高の褒め言葉だ」

36 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:25:02 ID:7HnHyWF6
追いついちゃった><

37 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:28:16 ID:WzcGhsMf
咲世子(これは……どうしたのものかしら)

咲世子(ルルーシュ様がC.C.様にプレゼントをすれば丸く収まるのだけれど……)

C.C.「ふん、変態め」

ルル「妹を想う心の結晶がそれならば、俺は喜んで変態になろう」

咲世子「……」

咲世子(このままでは、それは無理そう)

咲世子(……お許しください、ナナリー様)

咲世子(少し――お力をお借りいたします)

38 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:33:24 ID:WzcGhsMf
ルル「そもそも、お前がわけの分らないことを言い出すからだろう」

C.C.「何のことだ」

ルル「プレゼントはいらないと言い、
    それを処分すると言えば止めに入る……」

C.C.「……それは……」

ルル「! C.C.、お前まさか……」

C.C.「いや、違う。違うぞ、勘違いするな。私は別にだな――」


「ケンカはやめてくださいっ!」


C.C.「何っ? この声は――」

ルル「ナナリー!? ななっ、ナナナナナリーっ!?」

39 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:40:27 ID:WzcGhsMf
咲世子(このままナナリー様の声でルルーシュ様を説得すれば――)

(咲世子)「お2人がケンカをしていると……悲しくなってしまいます」

咲世子(勿論、すぐに露見するでしょう)

咲世子(けれど、ナナリー様もこう言うとルルーシュ様はお気付きになり、
     冷静に話し合いをしt)


ルル「ナナリーッ! どこだ、ナナリィ――ッ!!」クワッ!


咲世子「……」

咲世子「あら?」

40 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:44:29 ID:WzcGhsMf
咲世子「え、えっと……ゴホン」

(咲世子)「――落ち着いてくださいお兄様」

ルル「ああ、お前がそう言うのなら」

C.C.「……おい、咲世子。今の声はお前だろう?」

咲世子「……はい。C.C.様はお気づきになられましたか」

C.C.「当たり前だろう」

ルル「ナナリー。今、どこにいるんだい?
    ははっ、もしかして久々にかくれんぼでもする気か?」

41 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:50:12 ID:WzcGhsMf
C.C.「ルルーシュを落ち着かせようとしたようだが……」

咲世子「ええ、これは――」


ルル「む? もう隠れてしまったのか?
    ははは、けどすぐに見つけてやるからな」


咲世子「……――大失敗でした」

C.C.「そうだな。……だが、おかげで私は落ち着けたよ」

ルル「10数えたら探し出すからな。本気でやるぞ? い〜ち、に〜……」

C.C.「……」

C.C.「ルルーシュがあまりに滑稽で、ね」

42 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 22:53:02 ID:WzcGhsMf
おふろ

43 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 23:22:34 ID:WzcGhsMf
>>26
そう

おなか痛い
この板まだ保守いらないから寝る、明日にゃこのネタ終わらす
おやすみ

44 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/12(火) 23:49:30 ID:KEaruYsm
原作知らんけどワロタwww何だこの悲しい相関図ww

45 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 01:18:31 ID:XMSSQlyR
何があったルルーシュw

46 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 07:36:06 ID:zeLAEXCN
お、なんか始まってる
今時間ないから帰ったら読もう

47 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:09:27 ID:zb2ua0i5
終わらせる

48 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:13:10 ID:zb2ua0i5
ルル「……――10」

C.C.「ルルーシュ。気持ちはわからないが落ち着け」

ルル「黙れC.C.! 今はお前の相手をしている暇は無いっ!」

C.C.「……ほう。だが、どうやってナナリーを捕まえるつもりだ?」

ルル「簡単なことだ」

咲世子「えっ?」

C.C.「何っ?」

ルル「お前との契約で得た力――ギアスを使うまで!」

49 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:15:46 ID:zb2ua0i5
C.C.「お前のギアスは相手の目を見なければ効果を発揮しないだろう」

ルル「ああ、そうだな」

C.C.「しかも、探しているナナリーはどこにいるかもわからない」

ルル「普段ならば匂いでわかるんだが……今は何故かわからないからな」

C.C.「……冗談はよせ」

ルル「? 俺が何か冗談を言ったか?」

C.C.「……」

50 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:18:49 ID:zb2ua0i5
咲世子「あの……これはもう真実をお伝えするべきなのでは?」

C.C.「まあ待て、咲世子。ここは一つお手並み拝見させてもらおうじゃないか」

咲世子「しかし……」

C.C.「――アンチョビピザ」

咲世子「……先程も申し上げた通り、
     それは私への取引には使えませんよ」

C.C.「ふふっ、強がっても無駄だぞ?」

咲世子「……はぁ……」

51 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:22:56 ID:zb2ua0i5
ルル「C.C.……確かに、俺のギアスは対象と目を合わせなければならない」

C.C.「そうだ」

ルル「だから――俺は目を合わせる」

C.C.「? この場に居て目線が合わせられるのは私と――」

咲世子「私……だけですね」

C.C.「どういう事だルルーシュ?
    私にギアスは効かないし、咲世子にも一度ギアスを使用したはずだが?」

ルル「……くくく……」

ルル「……ふははははっ!!」

52 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:27:41 ID:zb2ua0i5
C.C.「……とうとう気でも触れたか?」

咲世子「あの……ルルーシュ様?」

ルル「違うな。まず、お前達の前提が間違っている」

C.C.「意味が分らないぞ」

ルル「俺が目線を合わせられる人物は、
    お前達、そして……俺をを含めて三人」

咲世子「成る程、確かにそうですね」

C.C.「だが、それがどうかしたのか?」

ルル「焦るなC.C.よ」

ルル「既に――チェックメイトはかかっているんだからな」

53 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:30:11 ID:zeLAEXCN
うおきてる

54 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:31:10 ID:zeLAEXCN
まだよめてなかたからとりあえず支援

55 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:32:21 ID:zeLAEXCN


56 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:32:33 ID:zb2ua0i5
ルル「お前達は見落としている」

ルル「俺が目を合わせられる“人物”は三人なんだ」

C.C.「?」

ルル「まだわからないか? 最初からこの部屋に居て、
    この部屋で起こった事を全て見届けていたものの存在が……!」

咲世子「私達以外に気配は感じませんが……?」

ルル「今も俺たちを見ているじゃないか」

ルル「――なあ、C.C.?」

57 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:32:38 ID:zeLAEXCN


58 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:32:49 ID:zeLAEXCN


59 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:33:08 ID:zeLAEXCN


60 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:33:20 ID:zeLAEXCN


61 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:33:37 ID:zeLAEXCN
  

62 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:33:50 ID:zeLAEXCN
  

63 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:34:20 ID:zeLAEXCN
 

64 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:34:52 ID:zeLAEXCN
これでさるさんはないはず
さーてよんでくるお

65 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:36:12 ID:zb2ua0i5
C.C.「それは一体……」

ルル「今……それを教えてやろう!」

ルル「――ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」

C.C.・咲世子「……」


ルル「チーズくんよ! ナナリーがどこに居るか言えっ!」キュィィン!


チーズくん「」


C.C.・咲世子「……」

咲世子「ルルーシュ様……おいたわしや……!」

66 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:39:49 ID:zeLAEXCN
おいついた

燃やすのかよw
てかそんだけシスコンならナナリーの声かどうか気づけw

67 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:40:03 ID:zeLAEXCN
チーズ君w

68 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:40:17 ID:zb2ua0i5
C.C.「……なんともまあ」

咲世子「……私が出すぎた真似をしたばかりに……ううっ!」


チーズくん「」

ルル「さあ、答えてもらおうか!」

チーズくん「」

ルル「……何故だ……? 何故答えないっ!?」

チーズくん「」

ルル「ナナリーの居場所を言えっ! 言うんだっ!」キュィィン!

チーズくん「」

ルル「ナナリーはどこに居る!? 早く答えろ、チーズくんっ!!」キュィィン!キュィィン!

69 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:44:16 ID:zb2ua0i5
ルル「答えろッ! 答えろチーズくん!」キュィィン!キュィィン!

チーズくん「」

ユサユサッ!

C.C.「おい、私のチーズくんに何をする!」

ルル「黙れ! コイツが大人しくナナリーの居所を言えば済むことだ!」

咲世子「……ルルーシュ様。そもそも、ぬいぐるみは喋らn」


C.C.「チーズくんを巻き込むな!」


咲世子「……えっ?」

70 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:47:29 ID:zeLAEXCN
ルルーシュ…

71 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:47:32 ID:zb2ua0i5
ルル「巻き込むな? コイツはもう関係者だろう!」

C.C.「いいや、違う。これは私達の問題だろう」

ルル「ええい! お前は俺がナナリーを見つけるのを邪魔するつもりか!?」

C.C.「そのためにチーズくんを巻き込むのなら、な」

ルル・C.C.「……!」ギリギリッ!

咲世子「……」

咲世子「一体……どうしたらいいのかしら……」

72 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:48:43 ID:zeLAEXCN
咲世子もうこいつらほっといてもいいぞ

73 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:52:57 ID:zb2ua0i5
咲世子(また忍法的な声帯模写で……?)

咲世子(けれど、お二人を止めるには何と言えば……)

チーズくん「」

咲世子「!」


ルル「そこをどけ、C.C.」

C.C.「……どうやら、考えを変えるつもりはないようだな」

ルル「当たり前だろう? 邪魔をするのなら――笑って死ぬことになるぞ」

C.C.「ふふっ、言うじゃないか。……お前の手足は簡単に折れそうだな、ルルーシュ?」


チーズくん「ケンカはよしなせぇ」


ルル・C.C.「!?」

74 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:55:11 ID:zeLAEXCN
チーズくんの声ってどんなだよ

75 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 20:59:05 ID:zb2ua0i5
C.C.「ち……チーズくん……!?」


チーズくん「なんですかい?」

咲世子「――」モゴモゴ

咲世子(このままお二人を誘導すれば……!)


C.C.「! わっ……私が毎日話しかけていたから、
   やっと……やっと言葉を話せるようになったんだな!?」

ルル「そんな普通の少女のような事ををしていたのか?」

C.C.「おはようからおやすみまで欠かさずに、な」

ルル「やれやれ、少しは年齢というものをかんg」

C.C.「ふんっ!」

ぽこっ!

ルル「ぬぐうおっ!?」ポキンッ!

76 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:02:01 ID:zeLAEXCN
あ、これあとにひけないぞ

77 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:03:33 ID:zb2ua0i5
咲世子!?……――!?」

チーズくん「大丈夫かい!?」

ルル「も……問題ない……! アバラが数本折れただけだ……!」ヨロッ…

咲世子「!?」

C.C.「相変わらず貧弱な奴だ」

ルル「お、俺のことは良いっ!
    チーズくんよ、ナナリーはどこに居るんだっ!?」

咲世子「……」

78 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:07:47 ID:zb2ua0i5
ルル「教えてくれ! チーズくんッ!」

咲世子「……」

チーズくん「――ナナリーちゃんはここにはいない」

ルル「……」

…バタンッ!

咲世子「るっ、ルルーシュ様ッ!?」

ルル「ナナリーが……ここにいないだなんて……」ツウッ

C.C.「倒れて……しかも、泣くようなことか?」

79 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:13:31 ID:zb2ua0i5
ルル「俺は……もう、駄目だ……ゴホッ、ゴホッ!」

咲世子「諦めてはなりません!」

ルル「倒れた拍子にまた数本骨が折れたようだ……」

咲世子「!?」

C.C.「……いくらなんでも虚弱すぎないか?」

ルル「最後に……最後に、一つだけ聞かせてくれチーズくん……」

咲世子「……」

ルル「俺がさっき聞いたナナリーの声は……一体なんだったんだ……?」

80 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:18:33 ID:zb2ua0i5
咲世子「……――――」モゴモゴ

チーズくん「それは……ナナリーちゃんが二人を遠くから見守ってたからじゃないかな」

ルル「どういう……ことだ……?」

チーズくん「ナナリーちゃんが、
        二人がケンカをしてるのを見たら……」

ルル「……止めに入るだろうな。
    ナナリーは天使のように優しく、そして可愛らしいから……」

チーズ「その想いが……届いたんだ」

ルル「!!……そういう……ことだったのか……!」

C.C.「……」

C.C.「どういうことだ?」

81 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:22:09 ID:BebNPKZI
いやいやw

82 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:23:49 ID:c1z0pf9C
おお、やってるw遅れたけど支援だ

83 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:24:18 ID:zb2ua0i5
ルル「まだわからないのか?」

C.C.「わかるはずがないだろう」

ルル「C.C.、そんなことでは困るな」フルフル

C.C.「残念そうに首を振るな。腹が立つ」

ルル「チーズくんはこう言っているんだ」

ルル「争いごとを嫌うとても可愛らしいナナリーの純粋な想いが、
    ギアスを超えるほどの奇跡を起こし俺達に声となって伝わった、と」

C.C.「……」

C.C.「そうなのか?」

咲世子「そ……そうなのではないでしょうか」

84 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:26:04 ID:TJhxEVhD
ロスカラSS見に行こうとしたらこんなものがw
というわけで支援

85 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:29:10 ID:zb2ua0i5
C.C.「ルルーシュ。そんな事は在り得ない」

ルル「ナナリーは可愛い俺の妹だ。在り得ないことなど無い!」

咲世子「るっ、ルルーシュ様! あまり動かれては……!?」

ルル「いいや、もう平気だ。……これもナナリーのおかげだろう」

C.C.「……明らかに関係ないぞ」

ルル「礼を言うぞチーズくん」

咲世子「……――」

チーズくん「まあ、これから二人共仲良くするんだ」

86 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:32:17 ID:zb2ua0i5
咲世子「――」モゴモゴ

チーズくん「その方が、ナナリーちゃんも喜ぶだろうさ」

ルル「俺とC.C.が仲良くしていたら……ナナリーが喜ぶ?」

チーズくん「そう思うだろう?」

ルル「……確かに。……ふっ……まさか、お前に諭されるとは思わなかったぞ」ニコリ

咲世子「え、あ、はい」

ルル「? 何故お前が返事をする、咲世子」

咲世子「いっ、いえ! なんでもありません!」

87 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:36:23 ID:zb2ua0i5
ルル「俺とC.C.が仲良く……か」

C.C.「……」

咲世子「――ルルーシュ様。今こそ、あの服の出番なのではないでしょうか?」

C.C.「!」

C.C.(なるほど、そういうことか……!)

ルル「……C.C.――」

C.C.「……ふふっ。なんだ、ルル――」

ぎゅっ!

C.C.「!? いっ、いきなり何を……!?」ワタワタ!

ルル「……」

ルル「仲良く……しよう……!」

88 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:41:51 ID:zb2ua0i5
咲世子「これは……結果オーライというやつなのでしょうか?」

C.C.「いっ、言っている意味がわからない……!」ワタワタ!

ルル「俺はお前と仲良くしたい。だからこうやって――」

ぎゅっ!

ルル「――抱きしめているんだ」

C.C.「……!……!」ジタバタ!

咲世子「……ふふ、結局あの服は無駄になってしまったようですけれど」ニコニコ

89 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:42:47 ID:c1z0pf9C
追いついた
なんだか良い話っぽくなってるw

90 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:44:45 ID:zb2ua0i5
C.C.「どうして……ルルーシュごときを振りほどけない……!?」ジタバタ!

ルル「ははっ、ごときとはひどいじゃないか」

ぎゅっ!

C.C.「くっ……!」ジタバタ!

咲世子「あらあら、本当に仲のよろしいことで」ニコニコ

C.C.「お前には本当にそう見えるのか……!?」ジタバタ!

咲世子「ええ、勿論ですとも」

91 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:47:49 ID:j7ePC+JR
これは良い

92 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:48:06 ID:zb2ua0i5
咲世子「これで一件落着に――」

???『ちょっとゼロ! 処分するプレゼントが届かないんだけど!?』

咲世子「――ちっ」

ルル「この声はカレンか」

C.C.「カレン! お前でも良い、私を助け――いやっ! 駄目だ! 入ってくるな!」オタオタ

ルル「? 何故だC.C.」

ぎゅっ!

C.C.「お前に問題があるからだろうが!」

93 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:51:25 ID:zb2ua0i5
     ・    ・    ・

カレン「……問題?」

カレン「ねえ、ちょっと。中で一体何が起こってるのよ」

C.C.『なっ、何もないぞカレン!』

ルル『俺とC.C.が仲良くしているだけだ』

C.C.『今は黙っていろ、ルルーシュ!』

カレン「……」

カレン「とにかく……入るわよ」

94 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:52:05 ID:c1z0pf9C
この展開はww

95 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:54:17 ID:c1z0pf9C
しまった、さるったか

96 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:54:58 ID:c1z0pf9C
支援

97 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:55:41 ID:c1z0pf9C
 

98 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:55:42 ID:zb2ua0i5
     ・    ・    ・

C.C.「まっ、待てカレン!」

ルル「何を焦る必要がある」

咲世子「カレン様も巻き込んだ方が……」ブツブツ

パシュン!

C.C.「!」

カレン「失礼しま――」

C.C.「……」

ルル「丁度良い。紅蓮の調整は終わったのか?」

ぎゅっ!

カレン「……」

カレン「ええ……今なら黒の騎士団を単機で相手に出来るくらいねえっ……!」

99 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 21:57:23 ID:c1z0pf9C
 

100 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:00:11 ID:zb2ua0i5
ルル「頼もしいな。ははっ、例えが少し物騒けどな」

カレン「……あぁら、例えに聞こえちゃったかしら?」

ルル「? 声が震えているが……調子でも悪いのか?」

C.C.「……」

ぎゅっ!

カレン「いいえ……むしろ、なんて言えばいいのかわからないわ」

カレン「絶好調だけど震えが止まらないのよ……どうしてだと思う、C.C.?」

C.C.「……」

C.C.「わ……私は何も悪くない」

101 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:03:43 ID:c1z0pf9C
これはかわいそうだww

102 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:03:53 ID:zb2ua0i5
カレン「私は何も悪くない、ねぇ?」

C.C.「……その通りだ」

カレン「それにしても……ずっ、随分仲が良いみたいじゃないの……!」ピクピク

ルル「俺とC.C.は共犯者だ。仲が良いのは当然だろう?」

ぎゅっ!

C.C.「これは違う。これはコイツが勝手に……」

カレン「……あはは、それなら仕方ないわよね!」ニコリ

C.C.「……珍しくものわかりが――」


カレン「ふざけるんじゃないわよ!」


C.C.「――よく……なかったか」

103 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:08:41 ID:zb2ua0i5
カレン「ルルーシュが勝手に?
     ……はっ! 白々しいこと言ってくれるじゃない!」

C.C.「事実だ」

カレン「だったらさぁ! なんで逃げようとしないのよ!」

C.C.「それは、コイツの力が凄いからでだな……!」

カレン「ルルーシュの力が凄い?」

C.C.「……そうだ」

カレン「そんなのあるはずないじゃない!
     だってルルーシュよ! ルルーシュ! 在り得ないわ!」

C.C.「……まあ、普通はそう思うか」

104 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:11:46 ID:c1z0pf9C
あばら折れてるのになw

105 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:12:21 ID:zb2ua0i5
カレン「あんたが振りほどけない程の力をルルーシュが出せるはずがないわ!」

ルル「ひどい言われようだな」

カレン「だってそうでしょ!? それに、骨が耐えられるはずがない!」

咲世子「食事には気を遣っているんですけれど、ね……」

カレン「だからC.C.! あんたが望まない限り……」

ルル・C.C.「……」

ぎゅっ!

カレン「だっ……抱き合ってるなんて在り得ないのよっ!」

106 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:14:58 ID:zb2ua0i5
ルル「――違うなカレン」

カレン「えっ……?」

ルル「その考えは間違っているぞ」

カレン「な、何よ……本当は虚弱じゃないとでも言うつもり!?」

ルル「いいや、俺の骨は非常に脆い。それは事実だ」キッパリ

C.C.・カレン・咲世子「……」

107 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:16:44 ID:c1z0pf9C
認めたw

108 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:19:09 ID:zb2ua0i5
カレン「……だったら……何が違ってるっていうのよ」

ルル「俺は――自らの意思でC.C.を抱きしめている」

ぎゅっ!

C.C.「くっ……!? こ、これでわかっただろう、カレン」ジタバタ

カレン「そんな……ねえ、嘘――でしょ……?」

ルル「信じられないか? ならば、モフモフすれば納得できるか?」

C.C.「!? おい、なんだそれは!?」

ルル「モフモフはモフモフだ。それ以上でも以下でもない」

C.C.「意味がわからん……!」ジタバタ!

109 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:21:20 ID:c1z0pf9C
モフモフ の検索結果 約 356,000 件中 1 - 10 件目 (0.06 秒)

110 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:24:37 ID:zb2ua0i5
カレン「……ねえ、一つだけ教えてちょうだい」

ルル「何だ?」

カレン「どうして……ルルーシュの体は壊れないの?」

ルル「……確かに、今までの俺だったならばC.C.を抱きしめ続けるのは不可能だ」

C.C.「……!……!」ジタバタ

ルル「だが――その不可能を可能にするのが……愛の力というものだ」

カレン「ふえあっ!?」

咲世子「まあ……!」

C.C.「……」

C.C.「あ、愛などと……じゅ……随分お前らしくない言葉だな……?」オタオタ

111 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:28:27 ID:c1z0pf9C
深いテーマだ…

112 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:29:26 ID:zb2ua0i5
ルル「溢れんばかりの愛が俺の骨を守り――」

カレン「……」

ルル「そして、C.C.を抱きしめる力を与えてくれる」

咲世子「まあまあ……!」

ルル「俺の愛によって、条件は全てクリアーされているんだよ」

ぎゅっ!

C.C.「お、おいルルーシュ///……あまり愛と口に――」


ルル「この俺の溢れんばかりの――ナナリーへの愛が力をくれるッ!」


C.C.「……」

C.C.「えっ?」

113 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:31:03 ID:c1z0pf9C
えっ?

114 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:34:49 ID:zb2ua0i5
C.C.「……おい、ルルーシュ」

ルル「どうしたC.C.」

ぎゅっ!

C.C.「お前は今……何故私を抱きしめているんだ?」

ルル「決まっているだろう? ナナリーを愛しているからだ」

C.C.「……」

ルル「チーズくんに思い出させて貰った――」

ルル「ナナリーは他の人間が仲良くしていると喜ぶ……」

ルル「だから俺はお前を抱きしめているんだ。それに、言っただろう?」

ルル「――仲良くしよう、とな」

一同「……」

115 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:40:00 ID:c1z0pf9C
いや、いいこと言ってるんだけどww

116 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:40:49 ID:zb2ua0i5
C.C.「……では、ナナリーが……」

ルル「?」

C.C.「――本当は、兄であるお前が他の女と仲良くするのが嫌だった場合はどうs」


ルル「ほわあっ!?」ビクッ


どんっ!


C.C.「……おい、気のせいだとは思うが……
   ルルーシュは今……私を突き飛ばさなかったか?」

カレン「あ〜……えっと……」

C.C.「なあ」

カレン「……うん。突き飛ばしたわね」

117 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:42:24 ID:c1z0pf9C
だめだこいつwwww

118 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:44:02 ID:c1z0pf9C
支援

119 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:45:13 ID:c1z0pf9C
 

120 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:46:14 ID:zb2ua0i5
ルル「ナナリーが嫉妬……!?」

ルル「いや、ナナリーに限ってそんな事は……!」

ルル「……だが……もしもそうだったとしたらどうする……!?」

ルル「……」

ルル「ぐおおあっ!?」キュキュウンッ♪

ルル「くそっ……どうして嫉妬するナナリーも可愛らしいんだ……!」ヨロッ…

一同「……」

121 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:46:20 ID:c1z0pf9C
 

122 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:47:09 ID:c1z0pf9C
♪効果音やめいw

123 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:52:29 ID:zb2ua0i5
ルル「!? もしも、俺がC.C.にプレゼントをしようとした事が……」

キラキラキラッ

ルル「くっ、まずい! 今すぐにこの服を処分しなくては!」

C.C.「あっ……」

ルル「今度再会した時にナナリーにプレゼントするために、
    C.C.にモデル代わりとは言え服をプレゼントしたと知られては……!」

C.C.「……あ?」

ルル「ナナリーが……ナナリーが悲しんでしまうっ!」

C.C.「……おい、ルルーシュ」

ルル「……恐らくその物憂げな表情も可愛らしいだろうが……いっ、いや! 駄目だ駄目だ!」

124 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 22:56:15 ID:zb2ua0i5
ルル「カレンっ!」

カレン「はっ、はいっ!」

ルル「今すぐにこの服を処分しろ! 塵一つ残さずだ!」

カレン「……あの、えっと……」

ルル「ええい! 何をグズグズしている!?」

咲世子「……ルルーシュ様は、
     本当にナナリー様を愛しておられるのですねぇ」ボンヤリ

ルル「そしてC.C.、俺がプレゼントをしようとした事は忘れろっ!」キュィィン!

C.C.「……ふふっ、残念だが私にギアスは効かないぞ」

125 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 23:04:11 ID:zb2ua0i5
C.C.「ルルーシュ……その服は、
    私のためのプレゼントではなかったんだな?」

ルル「? 何故、俺がお前のために……?」キョトン

C.C.「キョトンとするな」

ルル「意味がわからん」

C.C.「……ふふっ、結局は全てお前のたくらみだったという訳か」

ルル「俺のナナリーへの想いをそんな下劣な言葉で表現するな、魔女!」

C.C.「……」

ぽこっ!

ルル「おぐうっ!?」ポキポキン!


C.C.「悪いな、よく聞こえなかった」


おわり

126 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 23:06:11 ID:zb2ua0i5
こんなくだらないもん最後まで読んでくれてありがとう

次は違う作品でやるかも知れないしギアスかもしれないわかんない

127 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/13(水) 23:42:02 ID:QKq6fR82
なるほどちょうどスレタイが…
面白かった乙!

128 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 00:32:47 ID:DQ9zVoaS
おあああこの板だっての忘れてた

支援感謝!!!!!!!!!!!!!!!111111

129 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 09:23:57 ID:qctKztXl
ルルがひどすぎるw
次回作も楽しみにしてるのぜー

130 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/14(木) 14:18:47 ID:g97kAUjl
乙!ww原作知らないけど観てみたくなったよw
しっかし、ダメな人たちだなwww

131 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/16(土) 02:26:23 ID:SUpfR3kK
今更だけど乙


132 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/20(水) 23:17:22 ID:3ZJJvatD
これもそのうちニコ動にうpされるのかなwktk

133 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/24(日) 23:11:03 ID:Ntm9S9ij
いっそ改変たまったらギアスでぽてまよやろうそうしよう
               __
            .  ´       `丶、
            /             丶
          /: //::  /:::     ヽ:ヽ  \
        /:: /: l {::  {:::     |:|:: l::.ヽ ヽ
        |::: :{: ヽヽ:: lヽ:::    |/::/:: |: |
.        |:::  :ヽ:ヽ:\::{:::{::ヽ:   ハ:/::´::/: /
       |:::   :Y  | ィ 示ハ: ./:.示::ヽ`イ 
.      |:::    ::|:  | ん:::|. ヽ|/ん::|:-|: |
       |::    :::|:  |.弋tソ  ,  Vtソ|:: |    ぴざー♪
       |::    ::|:  .|  r―┐    /::. |
      |::    ::|: |ヽ |  .ノ  イ |:: |
      |::    ::ハ|:.:.:  ̄ ̄.:.:.:.:.{V |: .|
      ヽ:  /.}/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.::.:...} |:: |
       ヽ:::{/.::/ .|.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:..:ノl|:./
          ̄\_ ̄ヽ-、___r‐┘ノ
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

134 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/25(月) 21:26:10 ID:4WM76B60
可愛い……

135 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 00:57:17 ID:LKkqd5Cl
VIPで宣伝してたぞ

136 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 01:12:53 ID:8wOV/fmn
創発の宣伝だけどね
続きは創発で! ってやるかどうか迷った
興味を持ってもらわにゃってことで、どうすりゃ良いかわからんからああした
とりあえず書いたもん、書くもんを利用してみる
おやすみ

137 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 09:38:03 ID:D9NZN0jr
VIPからきたが面白そうなスレが結構あるな

138 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 16:57:13 ID:8wOV/fmn
専ブラ使って気になるスレのタブはとりあえず開いとくのが良いんじゃねーかな
VIPからだと、スレの速度の違いで結構イライラするかもしんないからさ
板の複数のスレを開いて板を全体的に追う感じにすりゃ暇せずに済む

あっちのスレ落ちたから、返せそうな質問に関してはここで狙って誤爆して返す
VIPから来た人が見てるかもしれんしなー

139 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 17:21:02 ID:8wOV/fmn
・動画に関して

あれを見た奴が「僕もこんなの書きたい!」「つまんね。俺の方が面白いの書ける」
……こう思ったらしめたもの
ギアスの台詞系のが生産されるようになりゃ、俺がそれを読めるようになって嬉しい
VIP、コピペブログのみじゃ限界っぽかったから、新しく書き手が出てきそうな可能性は望む所
個人的な感想としては、「あんなもん動画にするなんて暇だったんだね」か

・酉

必要な時は捨て酉つけてる……っつってもこの板でだけど
自分が暇つぶしする上で必要性を感じないから別にいっかなーって感じ
コテ酉でスレ開いた奴の反応が変わっちゃうからあんま好きじゃないってのもある
ぶっちゃけてしまえば面倒だから

・創作発表板は趣味が出るから行きづらい

そんなことないよ!
携帯だと居つくのは大変かもしれないけど、的を絞っちゃえばいける
気楽ーな感じで見られるスレも多いし、敷居が高いスレなんて無いに等しい
移転スレもあるから、そこらへんは三日間位ROMれば空気嫁るようになるんじゃね
PCだと専ブラ使って結構すぐ板に追いつける
出来てからまだ一年経ってないからねー

140 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 17:33:20 ID:8wOV/fmn
・創作発表は出来たての頃様子見に行ったきり

今じゃその頃に比べて大分様変わりしてきた
良スレも増えたし、移転スレもポロポロと来るようにもなった
……と言っても、全体的に人がいないかもしれないと感じるのは変わらない
だから宣伝した
スレ住民ではなく、板住民を増やしてーなーって事です

・どういうしくみかわからん

どういうしつもんかわからん
と言っちゃう所だけど、恐らくは創作発表板の仕組みに関してだろーなとあたりをつけて答える
感じとしては、VIPのハルヒのプリンスレとかSSを扱うパートスレだらけの板
勿論、雑談とかそういう創作関係以外のジャンルのスレも存在する
ま、詳細はこの板――創作発表板を見て回った方がわかりやすいと思う
細かい質問等は、

【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ15
ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1242143254/l50

ここでしてみると良い
このスレでも、質問がありゃ俺が答えられる範囲で答える

141 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 17:46:26 ID:8wOV/fmn
・立て逃げしたやつじゃんw

乗っ取って書いたのは俺
創発板で続きは書いちゃいないけれども、板住民が増えるのなら書く
特にやる気があって書いたわけじゃないから間隔は空くし不定期になるのは確実
試しに自分で続きを書いて創発に投下してみるのも面白いかもなー
あと、「創作板」じゃなくて「創発板」って略す方がなんか響きが良いと思う

・創作発表板で気をつけるべきことは?

何をしたいか、何をするかによって気をつけるべきことが変わってくる
まずはそれを提示してもらえると答えを用意しやすい
もっとも、その答えが完全に正解ってわけじゃなく、
今まで創作発表板にいた住民の蓄積による経験則だってことは理解してもらえると助かる
出来てから一年も経ってない板だから、基本的には手探り状態なのです

・VIPなノリを持っていくことはもちろんNG?

普通なら「駄目! 絶対!」ってなる所だけど一概にそうとも言い切れない
移転スレや、それまでの独自の文化をつくってきたスレもあるっちゃある
けれど、基本的には大体どのスレもヒヨコみたいなもん
徐々に空気が変わって行ったりするのは全然不思議なことじゃない
まあ、いきなり草生やしまくるとwwwwwwww良い顔wwwwwwwされないwwwwwwwwwwww

142 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/27(水) 18:02:04 ID:8wOV/fmn
こんなところか

体感としては、VIPでつくレス数が10だとしたら創発は2〜4いけば良い方
即座にレスがつくってことはあまり無い
思い切り伸びるのは、創発の妖精が気付いた時くらい
今は人が少ないから、VIPより圧倒的に厳しい環境って言って良い
だからこそ面白いっちゃ面白い

けれど、改行の規制がVIPの2倍の60行だったりとメリットも多い
現状に限るなら、まだ保守も必要がないから楽ってのもある
注意点としては、レス、スレの容量限界はVIPと同じ4096Bytes、500KBって事

見てる奴がいないかもだからここらでおわり

最後になったけど、あのスレから来た人、創作発表板へようこそ

143 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/28(木) 00:08:25 ID:nqh/mhCU
宣伝&案内マジ乙です!

144 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 05:39:29 ID:fJSbRR3q
見た感じ、この板は軽い感じのSSなくね?
「」だけのスレなんて見当たらん

長いの見るんならエロパロ行くわw

145 名前:創る名無しに見る名無し:2009/05/29(金) 16:45:58 ID:AdT3nYE/
>>144
“「”で検索

エロパロも非エロの扱いについて問題視された時があった、と

146 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 14:53:46 ID:w+YOcp2P
もう>>1はこないのか?

147 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/03(水) 19:42:43 ID:aGWS1bln
>>144
軽いSSって台詞系の事?それならあるよ

スネーク「涼宮・・・ハルヒ?」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1240685096/
姉「ごめんね、お姉ちゃんこんな体になっちゃった」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219842425/
(たぶん)新ジャンル「ロリ騎士」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235609519/
新ジャンル「空中人魚」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232358971/
たしかあったジャンル「ベトナム帰還兵」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241804345/
新兵「やってしまった・・・」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1241868879/
女「もしもし?男君?」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1236012517/
新ジャンル 「妖怪 濡れ女」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1233022803/
新ジャンル(?)「だめウェスカー」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1240585823/
ルパン「とんでもねぇ大会だぜジゲ〜ン」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232974106/
ベジータ「トランクス!いい加減に出てきやがれ!」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1237794854/
【台詞系】姉3「総合スレだよっ!」【新ジャンル】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235895080/

148 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 12:56:21 ID:RbRFXhDh
明日か明後日には投下するます
他板で宣伝がてら書いたもんだけど埋めるため

ローゼンのギャグ(ログなくしたかも)、コードギアスの変態、ハルヒの真面目っぽいの×2
全部合わせたら3〜400レス位になるから、立ち会って暇だったら支援お願いしますです

149 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 20:13:24 ID:FowaPA+t
まかされよ……

150 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/08(月) 23:32:35 ID:Fq53HfF6
埋めだと!?
投下は嬉しいけど今週半ばから長期お出かけなんだよう
明日明後日で支援頑張って全埋め目指すよ!

151 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:48:38 ID:QH0wN37c
埋めるます
ピッチピチのから

朝倉「死の概念を学ぶ?」

152 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:49:18 ID:QH0wN37c
キョン「そっ、そうだ!」

朝倉「無駄よ、時間稼ぎのつもり?」

キョン「お前も長門と一緒なら、三年しか生きてないんだろう!?」

朝倉「そうね。だから何?」

キョン「とにかく落ち着け! なっ!?」

朝倉「あのさ、先に貴方が落ち着くべきだと思うな」

153 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:50:00 ID:QH0wN37c
キョン「とりあえず、その物騒なもんをしまってくれ!」

朝倉「うん、それ無理」

キョン「そんなモンを見せられてたら落ち着けるはずがないだろう!」

朝倉「そう?」

キョン「そうだ!」

朝倉「……良いわ。とりあえず、
    貴方のさっきの言葉の意味を教えてくれる?」

154 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:50:42 ID:QH0wN37c
キョン「……も、もう襲ってはこないんだな?」

朝倉「貴方が、私に殺されないだけの事が言えたならね」

キョン「……!」

朝倉「さあ、さっきの貴方の言葉はどういうこと?」

キョン「いや……お前は長門と同じで、
     長門の言葉を信じるなら生まれてから三年しか経ってないんだろう?」

朝倉「そうね。そして、私はもうこの現状に飽き飽きしてるの」

155 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:51:24 ID:QH0wN37c
キョン「つまりだ。お前は、三年で人生に飽きちまったってことなのか?」

朝倉「そうとも言えるわね。っていうかさ、もう良い?」

キョン「待て待て! まだ話は始まってもいないだろう!?」

朝倉「これ以上話をしても無駄なだけだと思うわ」

キョン「大事な話なんだよ! 少なくとも俺の命を延ばす程度には!」

朝倉「あら、やっぱり命乞いなんじゃない」

キョン「……そりゃそういう意味もあるさ、こんチクショウ……!」

156 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:52:06 ID:QH0wN37c
朝倉「ふ〜ん? やっぱり死ぬのって嫌?」

キョン「当たり前だろう!」

朝倉「有機生命体って、本当によくわからないわ」

キョン「……だからだ!
    まず、そいつをどうにかしようとは思わないのか!?」

朝倉「? どういうこと?」

キョン「三年間現状を維持してたんだ!
     そいつを学んでからでも、俺を……ああもう! 遅くないだろう!?」

朝倉「……なるほど、そういうことね」

157 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:52:47 ID:QH0wN37c
朝倉「私が死の概念を学ぶのに、あなたが協力するってことね」

キョン「有り体に言えば……そうなるな」

朝倉「でもさ、もしもあなたがその条件を満たせなかった場合は?」

キョン「……努力するさ」

朝倉「それじゃあ駄目ね、話にならないわ」

キョン「落ち着け! 頼む!」

朝倉「そうね……一ヶ月、いえ、一週間が限度かな」

キョン「……なんですと?」

158 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:53:13 ID:2ZMLnveJ
支援

159 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:53:29 ID:QH0wN37c
朝倉「正直に言うとね、興味が無いわけじゃないの」

キョン「? 何にだ?」

朝倉「貴方達、有機生命体に関してよ」

キョン「……しかし、一週間ってのは短すぎやしないか?」

朝倉「これでも譲歩してると思うんだけど」

キョン「……わかった。ちなみに、延長される可能性は?」

朝倉「ふふっ、それは貴方次第だと思わない?」

キョン「……今、笑いかけられても嬉しくないな」

160 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:53:56 ID:2ZMLnveJ
支援

161 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:54:11 ID:QH0wN37c
朝倉「貴方が死ねば涼宮ハルヒはなんらかのアクションを起こす」

キョン「そいつはどうだか」

朝倉「あら、きっと大きな情報爆発が起きるわよ」

キョン「やれやれ、俺はそのために殺されそうになったってのか……」

朝倉「でも、それが一週間後に起こるかもしれないって忘れないでね」

キョン「……わかってるよ」

朝倉「うん。――じゃ、一週間よろしくね♪」

162 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:55:23 ID:QH0wN37c
キョン「……ああ、お手柔らかに頼――」

ドガァァン!

キョン「おぶうっ!?」

朝倉「!?」

キョン「いってーなこの野郎!……って――」

長門「……」

キョン「……長門?」

163 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:55:26 ID:2ZMLnveJ
支援

164 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:56:10 ID:2ZMLnveJ
支援

165 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 15:56:54 ID:2ZMLnveJ
追いついた!

166 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:01:02 ID:2ZMLnveJ
支援長門

167 名前:これは全部で300レスちょいくらい:2009/06/09(火) 16:01:34 ID:QH0wN37c
長門「ひとつひとつのプログラムが甘い。
    側面部の空間閉鎖も情報操作も甘い」

長門「だから私に気付かれる。進入を許す」

朝倉「どうしたの? 長門さん」

長門「?」

キョン「長門、俺はいきなりお前にぶっとばされる覚えは無いぞ!」

長門「……」

長門「現在の状況報告をして欲しい」


168 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:02:24 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

朝倉「――というわけなのよ」

長門「把握した」

朝倉「だから、これから一週間はプログラムの向上に努めるわ」

長門「朝倉涼子。貴方に独断専行は許可されていない」

朝倉「そうね。でも、それがどうしたの?」

長門「……」

キョン「……なあ、俺はもう帰っても良いか?」

169 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:02:36 ID:2ZMLnveJ
なんというパラレルワールド

170 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:03:16 ID:2ZMLnveJ
長門さんセツナス…

171 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:03:46 ID:QH0wN37c
朝倉「あら、どうして?」

キョン「どうしても何も、さすがに気まずいというか帰らなきゃまずい」

朝倉「でもさ、この時間はチャンスだと思わない?」

キョン「チャンス?」

朝倉「私に死の概念を教えるなら、時間は多い方が良いと思うわ」

キョン「……しかしだな、この時間まで女子の部屋に居続けるというのも
    中々に神経を使うものなんだ」

朝倉「私は気にしないわ。長門さんもそうでしょ?」

長門「……」コクリ

172 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:04:19 ID:2ZMLnveJ
(*´Д`)

173 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:04:29 ID:QH0wN37c
キョン「長門、この時間に男子を部屋にあげるのは良くないぞ」

長門「どうして?」

キョン「どうしてって、そりゃ……」

長門「今は、朝倉涼子の処遇に関して話し合うべき」

朝倉「上に報告するつもり?」

長門「場合によっては、そうせざるを得ない」

長門・朝倉「……」

キョン「待て待て! ここでとんでもバトルをおっぱじめる気か!?」

174 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:05:11 ID:QH0wN37c
長門「この部屋は私の情報制御空間」

朝倉「やってみる? 失敗したら大変よね」

長門「……」

朝倉「長門さん、私が何の用意もせずに貴方の情報制御空間に
    進入するとは思ってないわよね」

長門「……朝倉涼子の排除を推奨する。許可を」

キョン「俺に聞くなっての! とりあえず、落ち着いてくれ!」

175 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:05:16 ID:2ZMLnveJ
支援

176 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:05:54 ID:QH0wN37c
キョン「わかっちゃいるとは思うがな、俺は普通の人間だぞ!?」

朝倉「うん、それは知ってるわ」

長門「……」コクリ

キョン「だからだ、巻き添えを食ったらえらいことになる!」

朝倉「私はそれでも構わないんだけど」

長門「許可を」

キョン「……やれやれ。…………やれやれだよ、全く」

177 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:06:13 ID:2ZMLnveJ
こいつら仲悪ぃなぁw

178 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:06:35 ID:QH0wN37c
キョン「お前達、見た目は高校生だが思った以上に子供なんだな……」

朝倉「失礼ね。少なくとも、外見年齢相当の
    人間としての一般的な知識は持ち合わせてるわよ」

キョン「そういう問題じゃなくてだな」

長門「むしろ、それ以上の知識も有している」

キョン「……そういう問題でもなくてだな」

キョン「……」

キョン(……これは――相当に面倒なことを言っちまったみたいだ)

179 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:07:17 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「……ただいま〜」

キョン妹「キョンくん、おかえりー」

キョン「出迎えとはどうした?」

キョン妹「なんとなくー。遅かったね?」

キョン「まあ、ちょっとな」

180 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:07:37 ID:2ZMLnveJ
ただの負けず嫌いに思えてきたw

181 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:08:29 ID:2ZMLnveJ
はさみ!

182 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:08:55 ID:QH0wN37c
キョン(生まれてから三年ってことは……)

キョン妹「?」

キョン(本当はもっと幼い、ってことか)

キョン妹「? どうしたのー?」

キョン「いや、なんでもない。メシは?」

キョン妹「もうなくなっちゃったよー」

キョン「……マジか」

183 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:09:35 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

朝倉「おはよう」

キョン「おう、おはようさん」

朝倉「おはよう、涼宮さん」

ハルヒ「……」

キョン「朝の挨拶くらいしても良いんじゃないか?」

ハルヒ「あたしの勝手でしょ」

キョン「……やれやれ」

184 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:09:58 ID:2ZMLnveJ
そしてまた日常支援

185 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:11:15 ID:2ZMLnveJ
支援

186 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:12:00 ID:YHM3Px6C
自分で二人目

187 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:12:58 ID:2ZMLnveJ
支援

188 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:13:14 ID:QH0wN37c
朝倉「良いわよ別に。だって、涼宮さんの言う通りだもの」

キョン「そういうもんでもないだろ。……おい」

ハルヒ「何よ」

キョン「何が言いたいか位はわかるだろ」

ハルヒ「……おはよ。……これで良いんでしょ」

キョン「よしよし、よく出来たな」

ハルヒ「……ムカつく」

189 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:19:06 ID:QH0wN37c
朝倉「あっ、今はじめて涼宮さんと挨拶したかも」

キョン「何? そうなのか?」

朝倉「確かそうだったと思うわ。ね、涼宮さん」

ハルヒ「あたしがコミュニケーション障害みたいに言わないでくれる?」

キョン「いやいや、本当だとしたら言い訳出来ないだろう」

ハルヒ「……うっさい!」

190 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:20:00 ID:2ZMLnveJ
支援

191 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:22:28 ID:2ZMLnveJ
支援

192 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:22:59 ID:QH0wN37c
朝倉「ねえ、放課後あの件……よろしくね♪」

キョン「……わかってるさ」

朝倉「それじゃ、席に戻るね」

キョン「はいはい」

ハルヒ「……“あの件”って何よ」

キョン「大したことじゃないさ」

ハルヒ「……ふん!」

193 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:23:15 ID:2ZMLnveJ
支援

194 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:23:41 ID:QH0wN37c
ハルヒ「しょせんあんたも色ボケの馬鹿だったってことね」

キョン「待て待て、どうしてそうなる?」

ハルヒ「前からヒソヒソコソコソやってたじゃないの」

キョン「いや、それはだな……!」

ハルヒ「別に良いわよ。あんたがどこで何をしようが関係ないもの」

キョン「おい、話位聞けっての」

ハルヒ「……」

キョン「もうすぐ一限はじまる……って、もう寝ちまったよ」

195 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:33:10 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・
放課後

キョン「――朝倉」

朝倉「うん。それじゃ、また明日ね」

女生徒1「うん、ばいばーい」

女生徒2「……ねえ、キョンくんっと朝倉さんって“そう”なの?」

女生徒3「えー、どうなんだろー?」

キョン「……」

196 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:33:58 ID:2ZMLnveJ
支援

197 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:35:22 ID:QH0wN37c
朝倉「……どうしたの?」

キョン「いや、自分の迂闊さを呪ってるところだ」

朝倉「?」

谷口「おい、キョン!」

キョン「……お前の言いたいことはわかる」

谷口「キョン――俺とお前は親友だよな?」

キョン「すまなかった谷口。そいつは予想してなかったぞ」

198 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:38:39 ID:2ZMLnveJ
支援
谷口は谷口だなぁ

199 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:39:43 ID:QH0wN37c
谷口「とにかく! 説明しやがれ!」ヒソヒソ

キョン「……何をだ」

谷口「とぼけるなっての!
    どうやって朝倉とそんな仲になったんだ!?」ヒソヒソ

キョン「あ〜……死ぬような目にあってだな」

谷口「わけわかんねえよ!?」

キョン「それ以外説明のしようがないんだから仕方ないだろう」

200 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:50:47 ID:QH0wN37c
国木田「ほら、谷口。邪魔しちゃ悪いよ」

谷口「俺は邪魔してるつもりはない!」

国木田「本当に?」

谷口「……ちっ……チクショ――ッ!」

ダッ!

キョン「……やれやれ」

朝倉「ねえ、どうして泣いてたのかわかる?」

キョン「さあね。知ったこっちゃねえや」

201 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:52:57 ID:2ZMLnveJ
支援

202 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:54:11 ID:YHM3Px6C
ここで一発か

203 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:54:31 ID:QH0wN37c
国木田「それじゃ、僕も帰るよ」

キョン「おう、また明日な」

朝倉「じゃあね、国木田君」

国木田「う〜ん……キョンも趣味が変わったのかな」

キョン「? 何の話だ」

国木田「ううん、何でもない。それじゃあね」

204 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 16:56:14 ID:QH0wN37c
キョン「……なんだったんだ、一体」

朝倉「私に聞いても、あまり意味がないと思わない?」

キョン「どうだろうな。よくわからん」

朝倉「そういえばさ、涼宮さんの方は良いの?」

キョン「良いも何も、終わってすぐに帰っちまったからな」

朝倉「機嫌が悪そうだったように見えたけど」

キョン「……そういうことはわかるんだな」

朝倉「まあね♪」

205 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:10:03 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「……なあ、ここは長門のマンションじゃないのか?」

朝倉「ええ。私の部屋はここの505号室なの」

キョン「……まさか、住民がお前達みたいなのばっかりなんじゃないだろうな?」

朝倉「ふふっ♪ だったらどうする?」

キョン「勘弁してくれ……」

朝倉「とりあえず入りましょ。怖がらなくても平気だから」

キョン「ナイフを持って脅されなけりゃ平気さ」

206 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:11:33 ID:QH0wN37c
管理人「おお、朝倉さん。こんにちは」

朝倉「あっ、管理人さん。こんにちは」

キョン「どうも」

管理人「そっちの子は……“コレ”かい?」

朝倉「あはっ、違いますよ。それじゃあ」

管理人「はい、それじゃあね」

キョン「……」

207 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:13:34 ID:QH0wN37c
キョン「……ああいう風に、普通に挨拶するんだな」

朝倉「そうね。余計な不信感を与えると面倒だもの」

キョン「それにしちゃ、やけに親しそうにしてたが」

朝倉「そう見えた?」

キョン「ああ。少なくとも、お前とアイツよりゃ仲良く見えたぞ」

朝倉「アイツって、涼宮ハルヒ?」

キョン「……ちょっとだけ訂正する。
    管理人のじいさんの方が、絶対的に親しく見える」

208 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:15:50 ID:QH0wN37c
朝倉「そうでも無いわよ。だって、どっちも表面的なだけだもの」

キョン「言い切るな」

朝倉「だってさ、よくは分からないんだけど、
    親しい人間の記憶を頻繁に操作はしないでしょ?」

キョン「……おい、まさか」

朝倉「そのまさか。あの人間、ちょっと物覚えが悪くなっちゃったわ」

キョン「……」

209 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:21:59 ID:QH0wN37c
朝倉「だってさ、親切心なのか変に干渉してきたのよ?」

キョン「だから……記憶を操作したってのか」

朝倉「そうよ。だって、私達の存在が公になる訳にもいかないじゃない」

キョン「お前達だったら、知られる前になんとかすることは出来ただろう!?」

朝倉「確かにそうだけど、後で記憶を改変した方が手っ取り早いわ」

キョン「……朝倉、お前……!」

210 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:22:46 ID:QH0wN37c
朝倉「どうしたの? あなたが興奮状態になるような事は
    言ってないつもりだったんだけどな」

キョン「……朝倉。そういう事はするもんじゃない」

朝倉「どうして? 意味がわからないわ」

キョン「どうしてもだ!」

朝倉「明確な説明が無いなら、それは却下」

キョン「……一週間後にわかる。だから、もうやめておけ」

朝倉「ふ〜ん? まあ、それ位なんともないから良いけど」

211 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:23:30 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「それで……どうしてお前も居るんだ」

長門「監視と観察」

キョン「もう少しわかりやすく説明してくれると嬉しいんだが」

長門「あなたと朝倉涼子を二人にしておくのは危険と判断した」

キョン「そいつは監視だな。で、観察っていうのは?」

長門「情報統合思念体は、今回の試みに興味を示した」

朝倉「なるほど、そういうことね」

212 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:24:14 ID:QH0wN37c
キョン「なあ、宇宙人同士でしかわからんやり取りがされたのか?」

長門「それは無い」

キョン「それじゃあ、一体どういうことなんだ」

朝倉「貴方が私――対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースに、
    今までとは違った情報を与える事が可能か、ということよ」

キョン「……すまん、全然わからん」

長門「……今まで、私達には死の概念は理解出来なかった」

キョン「わかりやすく頼むぞ、わかりやすくな」

213 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:25:00 ID:QH0wN37c
朝倉「私達は三年前に生み出された、ってのは良いわよね」

キョン「まあ……な。信じがたいことではあるが、
     あんな事があったら信じない訳にはいかんだろ」

長門「三年間の間に学習出来なかったことを
    貴方が一週間で学ばせると宣言した」

キョン「出来れば期限を延ばしてもらいたいってのが本音だ」

長門「そう」

キョン「……しかし、そいつはお前的には認められないんだろう?」

朝倉「一週間後の経過次第、ね」

214 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:38:56 ID:2ZMLnveJ
支援

215 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:39:38 ID:2ZMLnveJ
支援

216 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:40:19 ID:2ZMLnveJ
支援

217 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:41:00 ID:2ZMLnveJ
支援

218 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:41:40 ID:2ZMLnveJ
支援

219 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:43:36 ID:2ZMLnveJ
支援

220 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:46:16 ID:fdNernWQ
気まぐれ支援

221 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:50:52 ID:fdNernWQ
追いついたところでもう一回

222 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 17:53:44 ID:fdNernWQ
一時間リセットの方が早いか

223 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:00:44 ID:QH0wN37c
長門「それが事実だとしたら、情報統合思念体にとっては有益」

キョン「死の概念を学ぶってのが、そんなにもなのか」

長門「そう」

朝倉「だってさ、それも進化の可能性の一つな訳じゃない?」

キョン「死ぬってことを理解するのが進化って言えるのかね」

長門「私には理解出来ない。しかし、情報統合思念体はそう判断した」

キョン「……やれやれ、なんだか大事になっちまってるみたいだな」

224 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:01:33 ID:QH0wN37c
キョン「俺は平凡な高校生だぞ?」

長門「それはこちらでも確認している」

キョン「……ハッキリ言われるのもなんだな」

朝倉「でもさ、貴方は涼宮ハルヒに選ばれたのよ」

キョン「……」

朝倉「だから、ある意味では適任なんじゃない?」

キョン「……努力するよ」

225 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:01:42 ID:2ZMLnveJ
支援

226 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:02:18 ID:QH0wN37c
朝倉「それじゃ、早速有機生命体の死の概念について教えてもらえる?」

キョン「あ〜……とりあえず、それに関しては保留にしてくれ」

朝倉「どういう意味?」

長門「説明を」

キョン「ハッキリ言うぞ」

朝倉・長門「?」

キョン「一度に教えろと言われても、そいつは無理だ」

227 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:02:42 ID:2ZMLnveJ
支援

228 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:03:05 ID:QH0wN37c
朝倉「それってさ、私を騙したってことよね」

キョン「……まあ、そうなるな」

朝倉「それじゃあ――」

長門「朝倉涼子」

朝倉「長門さん、邪魔する気?」

キョン「……とりあえずだな、俺の考えを言わせてくれ」

229 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:03:47 ID:2ZMLnveJ
支援

230 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:03:57 ID:QH0wN37c
朝倉「何?」

キョン「朝倉……いや、この場合は長門もか」

長門「……」

キョン「お前達が死の概念とやらを理解出来ないのも、
     俺はある意味当たり前なことだと思ってる」

朝倉「へぇ、それはどうして?」

長門「聞かせて欲しい」

キョン「だって……お前ら見た目はともかく――三歳児なんだろう?」

231 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:04:39 ID:QH0wN37c
朝倉「三歳児って……そういう言い方は無いんじゃないかしら」

長門「知識は情報として記憶している」

キョン「だからだな……知ってるだけじゃ駄目だろう、ってことだよ」

朝倉「情報を有していれば、体験は必要ないと思うわ」

長門「……」コクリ

キョン「これは……思ってた以上に大変そうだな」

232 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:05:25 ID:QH0wN37c
キョン「例えばだ、長門」

長門「……」

キョン「今のやり取りを本で読んだからって、
     実際に話してるのとは違うだろう?」

長門「……」コクリ

キョン「それに、料理の仕方を知ってたら弁当は買わないんじゃないか?」

長門「料理をする時間の短縮」

キョン「む? それじゃあ料理は出来るのか」

長門「……出来ない」

233 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:06:43 ID:QH0wN37c
キョン「朝倉はどうだ」

朝倉「料理? 私は出来るわよ」

キョン「そうなのか、長門?」

長門「朝倉涼子はオデンしか作れない」

キョン「……朝倉、オデンは出来る内に入れるには、
    少々限定される料理だと思うぞ」

朝倉「……」

234 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:07:46 ID:QH0wN37c
キョン「とにかくだ。俺が思うにお前達は、
     頭でっかちな子供なんじゃないか、ってことだな」

キョン「だから、アッサリと切り捨てるような判断をしちまう」

キョン「まずは――その知識に追いつくように体験をした方が
     良いんじゃないかと思うぞ」

長門「……そう」

朝倉「でもさ、それって今更だと思うけど」

キョン「……まあ、そこは宇宙人的な“アレ”でなんとかしてくれ」

235 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:08:31 ID:QH0wN37c
朝倉「体験、ねぇ」

長門「具体的には、何を体験するべきか教えて欲しい」

キョン「そうだな、まずはとりあえず――」

朝倉・長門「……」

キョン「……」

キョン「具体的に、何をしたら良いんだろうか……?」

朝倉・長門「……」

236 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 18:09:26 ID:2ZMLnveJ
俺こういうテーマには弱い支援

237 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:40:06 ID:QH0wN37c
朝倉「ねえ、それを教えるのも貴方の役目よね」

長門「……」

キョン「あー、待て待て! 考える時間をくれ!」

朝倉・長門「……」

キョン「……め、メシでも食いながら考えるってのは駄目か?」

朝倉「……仕方ないわね。オデンならあるけど、食べる?」

長門「私は弁当があるから辞退する」

238 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:41:23 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「……やけにシイタケが多いな」

朝倉「出汁が出るから良いと思うわ」

キョン「正直、ここまでシイタケ味のオデンを食うのは初めてだ」

長門「……モグモグ」

キョン「だがまあ……美味いっちゃ、美味いな」

朝倉「ふふっ、ありがと♪」

長門「……モグモグ」

239 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:42:08 ID:QH0wN37c
朝倉「そう言えば、そう言って貰うのって初めてかも」

キョン「何? 長門は食べたことが無いのか?」

朝倉「あるわよ。でも、長門さんは感想を言ってくれないの」

長門「……モグモグ」

キョン「そりゃまたどうしてだ」

朝倉「わからないわ。何度食べても、何も言ってくれないのよ」

長門「……朝倉涼子は、オデンしか作れない」

朝倉「ひどいと思わない?」

キョン「……まあ、な」

240 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:42:57 ID:QH0wN37c
キョン「……ご馳走様でした」

朝倉「この場合、お粗末様でした、って言うのよね」

キョン「そういう事は知ってるんだな」

朝倉「そりゃあね。――それで、何か考え付いた?」

キョン「……少しだけ待ってくれないか? ちょっと家に電話してくる」

朝倉「ロスタイム、ってことね」

キョン「……お見通しか」

長門「……ご馳走様」

241 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:43:41 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「……――もしもし」

キョン妹『あっ、キョンくんー』

キョン「今から帰ったとして、メシはあるか?」

キョン妹『ううんー。もう無いよー』

キョン「今度からそういう場合は電話をくれると嬉しいって伝えといてくれ」

242 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:44:27 ID:QH0wN37c
キョン妹『ねえねえ、何時ごろに帰って来るのー?』

キョン「ん? もう少しかかると思うが……何かあったのか?」

キョン妹『宿題見てもらおうと思ってー』

キョン「たまには自分一人で頑張りなさい」

キョン妹『キョンくん冷たいー……』

キョン「俺もこれでいて中々忙しかったりするんだぞ、妹よ」

243 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:45:15 ID:QH0wN37c
キョン「それじゃ、帰るまでもう少しかかるから」

キョン妹『うん、わかったー』

キョン「じゃ」

キョン妹『ばいばーい』

プツッ

キョン「……やれやれ、普通の子供ってのはこんなもんだろうに」

244 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:45:58 ID:QH0wN37c
キョン(……しかし、あいつらはそうじゃないからな)

キョン(完全に子供と思おうとしても、見た目相応のリアクションもする)

キョン(それでいて三年しか生きてないってんだから、
     不思議なもんだよ全く)

キョン(こういうのこそをハルヒは求めちゃいるんだろうが、
     どうして俺にそいつが降りかかってくるかね)

キョン(これはもう、本当に――)

キョン「やれやれだ」

245 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:46:45 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

朝倉「それで、何をしたら良いかは考え付いた?」

キョン「考え付いたって程の事でもないけどな」

長門「……」

朝倉「なんだ。ちょっと期待してたのにな」

キョン「一つ聞いてもいいか? いや、無理ならそれで良いんだ」

朝倉「何?」

246 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:47:05 ID:hkdbcsKN
これは大変だなキョンw

247 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:47:34 ID:QH0wN37c
キョン「俺が何をすれば良いか思いつかないのは、
     違和感があるから……だと思った」

長門「違和感、とは何に?」

キョン「お前らの見た目と中身にズレがあることにだな」

朝倉「それを解消するために、死の概念を教えてくれるんでしょう?」

キョン「ああ。だが、それらを教えるために――」

朝倉・長門「?」

キョン「――小さくなったり……出来るか?」

248 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 19:50:56 ID:hkdbcsKN
ロリktkr

249 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:09:10 ID:QH0wN37c
朝倉「小さく? 個体サイズの縮小化が必要なの?」

キョン「そうじゃなくてだな、見た目を実年齢に合わせられないかってことだ」

朝倉「それって……三歳児になれ、ってことかしら」

キョン「いや、それだと逆に違和感が出ちまうから、
     小学生くらいが良いんじゃないかと思う」

朝倉「出来ないことは無いわよ。ね、長門さん」

長門「……」コクリ

250 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:09:53 ID:QH0wN37c
キョン「出来るのか。……宇宙人ってのは大したもんだな」

朝倉「けれど、今すぐにって訳にはいかないわ」

キョン「何だって? そりゃまたどうしてだ」

朝倉「だってさ、私達は生まれてからずっとこの姿なのよ」

キョン「? それが何か問題でも?」

朝倉「それまでに無い姿になる。
    つまり、それは私達にとっては完全な“変化”なのよ」

キョン「……すまん、もっとわかりやすく説明してくれると助かる」

251 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:09:57 ID:2ZMLnveJ
支援

252 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:10:36 ID:QH0wN37c
朝倉「もし、貴方が子供の姿になるとしたら、
    以前とっていた形状になるわよね」

キョン「形状って……ガキの頃の格好、ってことだろう?」

朝倉「間単に言えばそうなるわ。
    でも、私達インターフェースにはその情報が無い」

キョン「あ〜……子供時代が無かったから、
     子供の格好になるには大変ってことか?」

長門「そう。現在の姿を参考にするとしても、
    変化した姿に合わせた制御をするには情報が無い」

キョン「……すまん。子供になるのは、
     色々と準備が要るってことで良いだろうか」

253 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:11:19 ID:2ZMLnveJ
支援

254 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:11:22 ID:QH0wN37c
朝倉「その認識で間違いないわ」

キョン「やれやれ、それならそうと言ってくれ」

長門「説明を求めたのは貴方」

キョン「……そうだったな」

朝倉「だからさ、今日はもう解散するべきじゃない?」

キョン「お前はそれで良いのか?
     だとしたら、こっちとしてはありがたいが」

朝倉「あら、何か予定でもあったの?」

キョン「なに。――ちょっと妹の宿題を見てやるってだけだ」

255 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:12:04 ID:2ZMLnveJ
支援

256 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:12:05 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「……はぁ」

キョン妹「キョンくん、どうしたのー?」

キョン「なんでもない。ちょっとばかり、
     明日から大変になりそうだと思っただけだ」

キョン妹「そっかー。ねえ、ここがわからないの」

キョン「お前は気楽で良いな。うらやましいよ」

キョン妹「えへへー」

キョン「褒めちゃいないぞ。……どれどれ?」

257 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:12:51 ID:2ZMLnveJ
支援

258 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:12:55 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

ハルヒ「あれ? 今日は有希は休み?」

みくる「みたいですね。私が来た時にも居ませんでしたから」

古泉「何かあったのかもしれませんね」

キョン「……」

キョン「いや……風邪かなんかじゃないか?」

ハルヒ「確かにそうね。でも、風邪が流行ってるのかしら」

259 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:13:40 ID:QH0wN37c
みくる「そういう話は聞きませんけど……」

ハルヒ「やっぱりそうよね。偶然かも」

古泉「涼宮さんのクラスでも、風邪の人が?」

ハルヒ「と言っても一人だけなんだけどね。
     ただ、なんとなくひっかかっただけよ」

キョン「やれやれ、知ってる奴が二人風邪を引いただけで
     流行ってるとは言わないだろうに」

ハルヒ「……それもそうね」

260 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:13:41 ID:2ZMLnveJ
支援

261 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:14:24 ID:QH0wN37c
みくる「でも、長門さんが風邪をひくとは……」

ハルヒ「みくるちゃん?」

みくる「いっ、いえ! 何でもありません!」

ハルヒ「ふ〜ん?」

みくる「……!」ビクビク

キョン「――それで? 今日は何をする気だ?」

ハルヒ「う〜ん……ちょっと気になる事が出来たから、
     今日の活動はやめておくわ」

262 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:14:39 ID:2ZMLnveJ
支援

263 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:15:09 ID:QH0wN37c
古泉「気になること、ですか?」

ハルヒ「大したことじゃないわ。
     でも、なんだかみょ〜に引っかかるのよね」

キョン「そうかい。まあ、解散ならそれで良いさ」

ハルヒ「ちょっとキョン! 解散はするけど、
     何か不思議なことを見つけたら逃がすんじゃないわよ!」

キョン「お前の言い方だと、不思議ってのは捕獲出来るものみたいだな」

ハルヒ「捕まえられた方が、色々遊べそうじゃない!」

キョン「……そうですか、健闘してみるよ」

264 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:15:58 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン(……全く、アイツの鋭さは一体何なんだ?)

キョン(朝倉と長門が揃って休んだ理由……)

キョン(――まず、間違いなく“アレ”だろう)

キョン(しかし、どうしてこういう時には勘が良いんだろうな)

キョン「――さて、話ってのは何だ?」

古泉「ええ、貴方には知っておいてもらった方が良いと思いまして」

265 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:16:01 ID:2ZMLnveJ
支援

266 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:16:42 ID:2ZMLnveJ
支援

267 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:17:27 ID:2ZMLnveJ
支援

268 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:18:15 ID:2ZMLnveJ
支援

269 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:23:55 ID:YHM3Px6C
一発

270 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:24:18 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

古泉「……――というわけです」

キョン「成る程な」

古泉「機会があればお見せします」

キョン「正直、係わり合いになりたくない」

古泉「先日は、少々大きめの閉鎖空間が見られたんですが、
    その時貴方とは連絡がとれなかったもので」

キョン「良いさ。次の機会に期待はしないでおくよ」

271 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:25:47 ID:YHM3Px6C
もう一発
ここから交互かな?

272 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:26:02 ID:2ZMLnveJ
支援

273 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:27:25 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン(全く、妙な所で時間を食っちまったな)

キョン「急いで向かわないと、何を言われることやら――」

prrrr!prrrr!

キョン「――ん? 着信……ハルヒからか」

ピッ!

キョン「……もしもし?」

ハルヒ『キョン! 今すぐ、これから言う住所へ来なさい!』

274 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:27:34 ID:2ZMLnveJ
支援

275 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:28:16 ID:2ZMLnveJ
支援

276 名前:ミスちった +1で:2009/06/09(火) 20:28:59 ID:QH0wN37c
キョン「いきなり大声を出すな!……なんなんだ、一体」

ハルヒ『何を落ち着いてるのよ! 不思議よ、不思議!』

キョン「わかった。わかったから声のボリュームを下げてくれ」

ハルヒ『くふふ! やっぱりあたしの勘は間違って無かったわ!』

キョン「それで? 何があったんだ」

ハルヒ『不思議を捕まえたのよ!』

キョン「……なんだって?」

277 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:29:08 ID:2ZMLnveJ
支援

278 名前:ミスちった +1で:2009/06/09(火) 20:29:46 ID:QH0wN37c
キョン「不思議を捕まえたって……どういうことだ」

ハルヒ『キョン、いくらバカでも有希と朝倉が休んだのは覚えてるわよね?』

キョン「お前の言い方は腹立たしいが、覚えてるぞ」

ハルヒ『聞いて驚きなさい!』

キョン「だから、何をだ」

ハルヒ『今、ちっちゃい有希と朝倉を捕まえてるのよ!』

キョン「……なんだって?」

279 名前:>>278の名前欄はなし:2009/06/09(火) 20:30:49 ID:QH0wN37c
ハルヒ『だ〜か〜ら〜! 不思議だと思うでしょ!?』

キョン「……意味が分からないし笑えない」

ハルヒ『ああもう! 住所はメールするからすぐに来なさい! 以上!』

キョン「おい、待て! 切るな!」

キョン「……切りやがった」

キョン「……――くそっ、普通当日に捕まるか!?」

280 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:31:07 ID:2ZMLnveJ
支援

281 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:31:38 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「確か、メールだとこの近くの公園で――」

キョン(どうして家で大人しくしてなかったんだ……!)

キョン(まさかとは思うが、子供の格好になったら
     公園で遊びたくなっちまったってのか!?)

キョン(いやいや、それはさすがにありえないだろう……多分)

キョン「……とにかく、早く見つけ――居た」

282 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:32:31 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

ハルヒ「ねえ、お母さんかお父さんは?」

朝倉・長門「……」

ハルヒ「子供だけで遊んでちゃ危ないわよ」

朝倉・長門「……」

ハルヒ「ねえ、本当は有希と朝倉なんでしょ?
     っていうか、それだけ似てて無関係って有り得ないわ」

朝倉・長門「……」

ハルヒ「……はぁ、しらばっくれても無駄ってわかるでしょ」

283 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:32:58 ID:2ZMLnveJ
支援

284 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:33:18 ID:QH0wN37c
ハルヒ「むぅ……何がどうあっても白を切るつもり?」

朝倉・長門「……」

ハルヒ「仕方ないわね。こうなったら力ずくでも――」

キョン「こらこら、お前は一体何をしてるんだ」

パシッ!

ハルヒ「いたっ!……って、何するのよバカキョン!」

キョン「それはこっちの台詞だ」

285 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:33:45 ID:hkdbcsKN
親戚の子という可能性は…考えないな、ハルヒだしw
というかなんか反論しろw

286 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:33:54 ID:2ZMLnveJ
やっと追いついた
ハルヒめww期待を裏切らないポジションだなw

287 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:34:17 ID:QH0wN37c
ハルヒ「何って、有希と朝倉を問い詰めてるのよ」

朝倉・長門「……」

キョン「やれやれ……どこにその二人が居るっていうんだ」

ハルヒ「ここに居るじゃない!」

キョン「なあ、ハルヒよ。長門も朝倉もこんなにミニマムだったか?」

ハルヒ「だから不思議なんじゃない!」

キョン「はぁ……もう少し常識でものを考えろ」

288 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:34:51 ID:2ZMLnveJ
ミニマムか…ゴクリ

289 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:35:39 ID:2ZMLnveJ
支援

290 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:35:58 ID:QH0wN37c
キョン「良いか? 人間ってのはな、成長することはあっても
     それと逆の道筋をたどることはないんだぞ」

ハルヒ「そりゃそうだけど……でも!」

キョン「これ以上の話は無しだ」

ハルヒ「キョン! あんた、本気でこの子達が似てるだけだとでも
     思ってるわけ!?」

キョン「思ってるとも。それ以外には有り得ない」

ハルヒ「〜〜〜っ!!」

291 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:37:03 ID:2ZMLnveJ
おお、こういう一歩も退かないキョンは好きだわ

292 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:37:18 ID:hkdbcsKN
おお完全封殺

293 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:37:33 ID:QH0wN37c
キョン「お前がしてるのは、小さい子をいじめてるだけだ」

ハルヒ「……」

キョン「……」

???「あの〜……」

キョン「? なんですか……?」

喜緑「その子達が、何か失礼なことを……?」

294 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:38:11 ID:2ZMLnveJ
空気宇宙人キタww

295 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:38:41 ID:QH0wN37c
ハルヒ「……へっ?」

喜緑「私はその子達の保護者みたいなものです」

キョン「……そうなのか?」

朝倉・長門「……」コクリ

喜緑「もしもその子達が何かなさったのでしたら、私からも謝ります。
    どうか許してあげてください」ペコリ

キョン「――いえ、こっちが勝手に騒いだだけですんで。
    こちらこそすみませんでした。ほら、ハルヒ」

ハルヒ「こっ、こちらこそ……すみませんでした」ペコリ

296 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:39:46 ID:2ZMLnveJ
支援

297 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:39:55 ID:QH0wN37c
キョン「ほら、もう良いだろ」

ハルヒ「……」

キョン「ごめんな、怖いお姉ちゃんが迷惑かけて」

朝倉・長門「……」フルフル

ハルヒ「ちょっとバカキョン! 怖いお姉ちゃんって、
     あたしのこと言ってるの!?」

キョン「いいから行くぞ。それじゃ、失礼しました」

ハルヒ「待ちなさい! キョン――」

298 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:41:22 ID:2ZMLnveJ
支援

299 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:42:41 ID:2ZMLnveJ
お子様の扱いには定評のあるキョン

300 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:42:57 ID:hkdbcsKN
このコンボはハルヒも黙らざるを得ないな

301 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:44:04 ID:2ZMLnveJ
支援

302 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:44:11 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「――さて、どうして“ああ”なったか説明してくれ」

長門「よそうがいだった」

朝倉「涼宮ハルヒがくるなんて、おもってなかったのよ」

キョン「……なあ、その話し方はどうにかならないのか?」

朝倉「できるけど、としそーおーのほうがいいんでしょ?」

キョン「調子が狂うんだよ。なにせ、中身がお前達だって知ってるんだからな」

長門「そう」

キョン「……そうだ」

303 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:45:03 ID:QH0wN37c
キョン「とにかくだ、どうして公園なんかに居たんだ?」

朝倉「このからだの、どーさかくにんのためよ」

キョン「……結局その話し方を変える気は無いわけか」

朝倉「ふふっ、だって、そのほうがおもしろいじゃない?」

キョン「そうかい。そいつは良い考えすぎて泣きそうだ」

長門「室内では動作が限定されてしまう。だから屋外、
    それも、怪しまれずに体を動かせる場所に行く必要があった」

キョン「……あ〜……すまん。どちらにせよ違和感が凄い」

304 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:46:25 ID:2ZMLnveJ
見える! 私にも敵(犯罪誘発源的な意味で)が見えるぞ!

305 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:46:38 ID:hkdbcsKN
公園で無表情で遊ぶロリ長門…素晴らしいじゃないか

306 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:46:50 ID:QH0wN37c
朝倉「どーさかくにんのためにこうえんにいたら――」

長門「涼宮ハルヒがあらわれた」

キョン「まるでRPGのモンスターみたいな言い方だな。
     ……まあ、さっきのを見る限りじゃ正しいかもしれんが」

朝倉「かんぜんにすがたをみられたから、
    そのままにげるわけにはいかないわよね」

キョン「だから、ああして助けが来るのを待ってたってわけか。
     あの女の人も宇宙人なのか?」

長門「そう。かのじょも、さんさい」

キョン「宇宙人っては……成長が早いんだな。
     いや、今のは冗談だぞ」

307 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:47:43 ID:QH0wN37c
朝倉「とにかく、いわれたとーりにしたわよ」

キョン「ああ、これでなんとなくだがやり易くなりそうだ」

長門「そう」

キョン「同年代の女子に当たり前のことを教えるってのは、
     なんとなくだが腰が引けちまうからな」

朝倉「そーゆーもの? にんげんって、りかいしにくいわね」

キョン「……しかし、喋ると物凄く生意気そうに感じるな」

308 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:48:08 ID:2ZMLnveJ
支援

309 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:48:48 ID:QH0wN37c
朝倉「しかたないじゃない。だってさ、こーせーするじょーほーは――」

キョン「朝倉。舌っ足らずな声で言われてもわからんし、
     そもそも、普通に言われてもわからないんだからな」

朝倉「ふ〜ん」

長門「じょーほーのでんたつにそごがしょーじるなら、
    はなしかたはふつうにするべき」

キョン「……なら、普通の話し方と間を取るってのはどうだ?」

朝倉「うん、それむり♪」

キョン「……そうかい」

310 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:49:16 ID:2ZMLnveJ
幼女に色んなことを教えるんですねわかります

311 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:49:26 ID:hkdbcsKN
そういう機微を理解させるための一週間だが、大変だなww

312 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:49:41 ID:QH0wN37c
キョン「……まあ良い。とりあえず、これから一週間よろしく頼む」

朝倉「いっしゅーかん? あと“むいか”でしょ」

キョン「――なんですと?」

朝倉「だってさ、きのうあなたがいってから、
    24じかんがたってるわよ」

キョン「……待ってくれ。もしかして、一週間ってのは――」

朝倉「あなたがわたしに、“しのがいねん”をおしえるっていってから、
    ちょーどいっしゅーかんよ」

キョン「……マジか」

313 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:50:11 ID:2ZMLnveJ
ほほう

314 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:50:27 ID:QH0wN37c
キョン(あと六日で、こいつらに死の概念を教えなきゃならんのか……)

キョン(――いや、待て)

キョン「なあ、どうして長門まで小さくなってるんだ?」

長門「どーして、とは?」

キョン「別に、お前まで小さくなる必要はないだろう」

長門「じょーほーとーごーしねんたいからのしじ」

キョン「お前達の上司とやらは、何を考えているのかね……」

315 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:51:14 ID:2ZMLnveJ
情報統合思念体だから仕方ない

316 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:51:36 ID:QH0wN37c
キョン「まあ良い。とにかく、あまり時間はないらしい」

朝倉「まるでひとごとみたいにゆーじゃない」

キョン「……だから、話し方は普通にしてくれ。
     やりにくくて仕方ない」

朝倉「そう? 結構気に入ってたんだけどな」

長門「わかった」

キョン「早速で悪いんだが、ちょっと電話をしてくる」

朝倉「誰に?」

キョン「こういうことに詳しい知り合いが居てな。
     ちょいとばかり助言を求めるのさ」

317 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:52:17 ID:2ZMLnveJ
お?

318 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:52:26 ID:hkdbcsKN
一気に育ててもらおうとは、ちゃっかりしてるな思念体w

319 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:52:46 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

prrrr!prrrr!

キョン「……」

『――やあキョン、久しぶりじゃないか』

キョン「いや、そうでもないぞ。卒業式以来だからな」

『くつくつ。てっきり忘れられてしまったのかと思ったよ』

キョン「お前ほど強烈な奴を忘れる人間はいないと思うぞ」

『そうかな? 僕は、自分が変人だという自覚はあるけど、
 強烈に他人の印象に残るような人間ではないと思ってるんだけどね』

キョン「その認識は間違ってるな」

320 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:53:08 ID:hkdbcsKN
ん?誰だ?

321 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:53:38 ID:QH0wN37c
キョン「少なくとも、お前は簡単に忘れられるような奴じゃないさ」

『君がそう言うのならそうかもしれないな。
けれど、今まで連絡が無かったのを考慮すると判断しかねるよ』

キョン「おいおい、なんだか怒ってないか?」

『怒ってはいないよ。ただ、拗ねているだけさ。
親友だと思っていた人間が、連絡の一つも寄越さなかったんだからね』

キョン「それはお前にだって言えるんじゃないか?」

『察したまえよキョン。こういう時は、男の方から連絡を取るものだろう?
それがたとえ友情という関係であったとしてもね』

キョン「そうかい。そいつは悪かったな」

322 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:54:09 ID:2ZMLnveJ
この笑い方は!!!!!!1!!1

323 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:54:44 ID:QH0wN37c
『それで、キョン。今日は何の用があって連絡をくれたのかな?
まさか、僕の声が聞きたかったという訳じゃないだろう』

キョン「相変わらず察しが良いな」

『くつくつ。キミのその正直な所は魅力でもあるけど、
同時に欠点でもあるという事を自覚した方が良いと僕は思うよ』

キョン「? なんの話だ?」

『いいや、こちらの話さ。それで、僕に何の用があるのかな?
生憎だけど、僕も忙しいものだから会うのは少し難しいんだ』

キョン「いや、電話で十分だ。気を遣わせて悪いな」

『キョン、僕と君は親友だ。けれど、親しき仲にも礼儀ありという言葉を
覚えた方が良い。……――それで、僕に何を聞きたいのかな?』

324 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:55:45 ID:2ZMLnveJ
コイツ!?またフラグを壊しやがった!!?

325 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:56:20 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

『――成る程。生まれて少ししか経っていない子供に、
死の概念というものを短期間で教える、というんだね』

キョン「そうだ。こういう事は、お前に聞くのが一番良いと思ってな」

『キョン。確かに僕は“死の概念”というものの答えを出すのに有益な情報を
与えることは出来るかもしれない。けれど、それを短期間で教えるのは無理だよ』

キョン「そいつは、教えるのが難しいってことか?」

『いや、そういう意味じゃあないさ。君になら教えることは出来る。
けれど、小さな子供がそれを聞いて納得出来るかと問われれば、否なんだよ』

キョン「……」

326 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:58:06 ID:hkdbcsKN
大事なものを持たず、自分の命を大切にしない子供に「納得させる」のは難しいよな…

327 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:58:14 ID:2ZMLnveJ
支援

328 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:58:40 ID:QH0wN37c
『君は、“死の概念”自体が知りたいのではなく、
 それをどうやって子供に教えるのかが知りたいんだろう?』

キョン「まあ、そうなるな」

『聞いても良いかい? ああ、それを教えなければいけない理由じゃなく、
教える子供は何歳くらいなのかを聞いてみたいんだよ』

キョン「年齢は……まあ、物凄く大人びた三歳児だな」

『…………』

キョン「? どうした? 電波が悪くなったか?」

『……くつくつくつくつ! キョン、さすがにそれは無理だと思うよ……!』

キョン「……そんなに無理なことか?
     というかな、笑いすぎだと――いや、確かに笑えるな」

329 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:59:26 ID:QH0wN37c
『キョン、どうして三歳の子供に死の概念を教えるのが
 困難なのかがわかるかい?』

キョン「そりゃあ、死ぬって言われてもピンとこないからじゃないか?」

『そうだね、確かにそれは正しい。……けれど、
 どうして死ぬといわれてもピンとこないかがわかるかい?』

キョン「いや、わからん」

『もう少し考えてから言って欲しいな。でないと、
 こちらとしても張り合いがない。せっかく、久々に会話をしたんだから』

キョン「やれやれ、こっちとしては答えを聞きたいんだけどな」

330 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 20:59:45 ID:2ZMLnveJ
三歳児はなぁ…

331 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:00:18 ID:QH0wN37c
『知識というのは単純に答えだけを知るよりも、実際に考えてからの方が
 より身につくものだよ。それはわかるだろう?』

キョン「まあな」

『ちなみにね、今のが答えの欠片でもあるのさ』

キョン「何?」

『いいかいキョン。子供というのは、幼いが故に死について
 具体的に考えることを拒否してしまうんだ。三歳ならば、それも当然さ』

キョン「怖いから、ってことか?」

『そう。それもあるし、僕の考える最大の理由としては、
 “生きている”という実感がまだ無いから、だと思うよ』

332 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:01:02 ID:hkdbcsKN
ふむ、深いな

333 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:01:26 ID:QH0wN37c
キョン「生きている実感が無い?」

『思い出してみてごらん。キョン、君が幼い時には
 今日、今生きているという実感をもって生活をしていたかい?』

キョン「いや……正直思い出せんな。
     まあ、ガキの頃からそんな小難しいことは考えないんじゃないか?」

『くつくつ。なんだい、君はもう既に答えを出していたんじゃないか』

キョン「生きている……っていうことを実感してないから、
     死についても深くは考えられない、ってことか」

『その通り。キョン、やはり君との会話は非常に面白いね。
 今まで僕から君に自発的に連絡を取らなかったのが悔やまれるよ』

334 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:01:30 ID:2ZMLnveJ
支援

335 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:02:12 ID:QH0wN37c
キョン「それじゃあ、生きている実感ってやつを教えてやれば
     良いってわけだな?」

『けれど、それを教えるのもとても難しいんじゃないかな。
 なにせ、そういった感覚は時間と共に成長していくものだからね』

キョン「……それじゃあ、あと六日で“死の概念”について教える、
     っていうのは――」

『出来ると思うかい? まず、普通の人間には不可能だと思うね。
 ……そうだね、彼女達ならもしかしたら――』

キョン「?」

『……すまない。今のは忘れてもらえるかな。
 何せ、君は僕の大事な親友だからね』

336 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:03:15 ID:QH0wN37c
キョン「どうした、何か厄介事にでも巻き込まれてるのか?」

『いや、大したことじゃないし、厄介というものでもないよ。
 そうだね、問題があるとすれば少々退屈が過ぎる所かな』

キョン「そいつは羨ましい限りだ」

『くつくつ。相変わらず、君は平凡な日常というものを愛しているようだね。
 君の変わらないスタンスは羨ましいよ、キョン』

キョン「そいつはどうも。――っと、結構話し込んじまったな」

『そうだね、中々に楽しい時間だったよ。
 これから、話題の三歳の子供に“死の概念”を教えるのかい?』

キョン「まあ……そうなるな」

337 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:03:46 ID:2ZMLnveJ
支援

338 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:04:34 ID:QH0wN37c
『だったら、思い切り楽しませてあげることだね』

キョン「何?」

『人間の感情の振り幅が大きくなる時は、
 嬉しい時や楽しい時、怒っている時や悲しい時だ』

キョン「喜怒哀楽、ってやつか」

『人間の感情はそんなに単純なものじゃあないけれど、
 簡単に説明するならそうだね。そして、その感情を実感する時が――』

キョン「生きている、と実感するってことか」

『その通り。本来ならばささっき述べた場合は後者の方が強く
 感情に影響を及ぼすんだけれど――』

339 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:04:34 ID:hkdbcsKN
話を詰めていけばいくほど無理ゲーw\(^o^)/

340 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:04:59 ID:2ZMLnveJ
支援

341 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:05:20 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「……やれやれ、勝手なことを言ってくれるぜ」

キョン(しかし、楽しませるって言われてもだな……)

キョン「――俺が、アイツらを……どう楽しませろってんだ」

キョン(……まあ、俺に「似合わない」かはわからんが――)

キョン「子供を泣かせるってのは、さすがにな」

342 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:06:07 ID:QH0wN37c
     ・    ・    ・

キョン「待たせちまったな」

朝倉「誰に連絡をしてたの?」

キョン「古い友人、ってやつだ。
     いや、中学の時のだから古くもないか」

朝倉「ふ〜ん? それで、答えは出たの?」

キョン「お前達を楽しませろ、だとよ」

朝倉「……ねえ、それってどういうこと?」

343 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:06:28 ID:hkdbcsKN
端的すぎるwww

344 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:06:54 ID:2ZMLnveJ
相変わらず大事なところで言葉の足りない男…

345 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:07:04 ID:QH0wN37c
キョン「そのまんまの意味なんだが……。
     正直、お前達がどうすれば楽しめるのかがわからん」

朝倉「あのさ、それがどう“死の概念”に結びつくわけ?」

キョン「――あぁ、その前に確認させてくれ」

朝倉「? 何を?」

キョン「もしも今、お前が消えなきゃならなくなったとしたら……
     どう思うんだ? 朝倉」

朝倉「そうね……残念、かな?」

346 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:08:28 ID:2ZMLnveJ
あぁ……朝倉の最期の光景がフラッシュバックする

347 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:08:44 ID:QH0wN37c
キョン「残念? そりゃ……どうしてだ」

朝倉「だってさ、三年間も待ち続けて、
    ようやく良い機会が巡ってきたのよ?」

キョン「情報爆発だかを……ってやつか」

朝倉「そうよ。今ここで消えちゃったら、
    せっかくのチャンスを逃しちゃうかもしれないじゃない」

キョン「……」

朝倉「上の方は頭が固いから、現場の判断で変革を進めるしかない。
    だって、このままじゃジリ貧だものね」

348 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:09:29 ID:QH0wN37c
朝倉「それが出来なくなっちゃのが残念って思うのは、
    当たり前のことだと思うわ」

キョン「つまりだ……お前は、目的のために俺を
     殺せなくなっちまうから消えるのは残念って思う、ってことか」

朝倉「簡単に言えばそうなるわ」

キョン「……やれやれ。子供の口からこんな事を
     ハッキリ聞かされるとは思ってもなかったぞ」

朝倉「あら、私だって言う可能性は低いと思ってたわよ?」

キョン「そうかい。教えてくれてありがとうとでも言うべきなのかね」

349 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:10:09 ID:2ZMLnveJ
支援

350 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:10:23 ID:QH0wN37c
キョン「それじゃあ朝倉。もしも、お前がハルヒの観察とやらの
     任務が無かったとしたらどうだ?」

朝倉「そんなの考えるまでもないわ」

キョン「何?」

朝倉「だってさ、有り得ないじゃない」

キョン「そうとも言い切れんだろう」

朝倉「あのね、私達対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースが、
    どうしてここに居ると思ってるの?」

キョン「……」

朝倉「涼宮ハルヒと、それに関する事の情報収集のため。
    だから、その“もしも”は有り得ないわ」

351 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:10:52 ID:2ZMLnveJ
支援

352 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:10:54 ID:hkdbcsKN
今姿が幼女なだけに、結構きついものがあるな…

353 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:12:31 ID:2ZMLnveJ
支援

354 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:12:46 ID:QH0wN37c
キョン「……まるで、アイツを中心に世界が回ってるみたいな
     言い方をするんだな」

朝倉「まるで、じゃなく、実際にそうじゃない」

キョン「ハルヒが……存在しなかったとしたら?」

朝倉「さあ? 考えたことが無いからわからないわ」

キョン「アイツ以外に、お前達が進化の可能性とやらを見つける、
     って可能性がないとも言い切れんだろう」

朝倉「だから、貴方から有機生命体の死の概念を学ぼうとしてるの。
    ねっ、わかりやすいと思わない?」


355 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:13:54 ID:2ZMLnveJ
支援

356 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:14:17 ID:QH0wN37c
キョン「だったら、一週間と言わずに……」

朝倉「またその話?」

キョン「そうだ」

朝倉「あのさ、私にとってはどちらでも構わないわけ。
    むしろ、貴方を殺して涼宮ハルヒの出方を見る方が効率が良いの」

キョン「なんでそこまで言い切れる」

朝倉「端末である私達が学ぶよりも、
    世界に影響を及ぼす個体のリアクションの方が大きいもの」

キョン「……そうかい」

357 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:14:55 ID:2ZMLnveJ
支援

358 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:15:43 ID:2ZMLnveJ
支援

359 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:16:24 ID:2ZMLnveJ
支援
でも落ちる。あとは…たのむ…

360 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 21:16:42 ID:QH0wN37c
一気に埋まったなw
再開は22時くらいで、一端休憩でおねげぇしますだ

361 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:14:01 ID:QH0wN37c
朝倉「わかった? だから、私としてはあまり期待はしてないの」

キョン「だったら、なんで子供の姿にまでなったりしたんだ」

朝倉「それが上の判断だからよ。
    一週間なら許容範囲だし、大して時間もとられないから」

キョン「朝倉、その台詞の後半はお前の個人的な意見じゃないのか?」

朝倉「あはっ、バレちゃった?」

キョン「子供の格好になったからかは知らないけどな、
     お前が嘘をつく時に眉毛がちょっと動くようになってるぞ」

朝倉「……冗談でしょ?」

キョン「冗談だ。だから、心配して手で隠さなくても大丈夫だぞ」

362 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:14:57 ID:QH0wN37c
キョン「しかしだな、そういう事を長門の前で言っちゃ、
     お前的にはまずいんじゃないのか?」

朝倉「そうね。普段の長門さんの前で言ったらちょっと面倒かも」

キョン「そういえば長門、どうしてさっきから黙ってるんだ?」

長門「……」

キョン「いや、お前が普段からあまり喋らないことはわかっちゃいるんだが、
     この話題でさすがに黙りっぱなしってのは不思議で――」

長門「……スーッ……スーッ」

キョン「おい、宇宙人。お前は朝倉を見張るんじゃなかったのか?」

363 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:16:02 ID:QH0wN37c
朝倉「外装に合わせて、休息が必要になったのよ」

キョン「しかし……よく寝てるな」

朝倉「この位の年齢だったらさ、普通は寝てるんじゃない?」

キョン「いや、普通よりも大分早いと思うぞ」

朝倉「ふ〜ん、そういうもの?」

キョン「……やれやれ。起こしても良いものか迷うな、これは」

長門「……スーッ……スーッ」

364 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:16:48 ID:QH0wN37c
朝倉「起こしても良いんじゃない?
    だって、あと六日しか残ってないんだもの」

キョン「……そうだな。すまん長門、起きてくれるか?」

ゆさゆさ…

長門「……スーッ……スーッ」

キョン「お〜い、長門〜」

ゆさゆさ…

長門「…………何?」

365 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:17:35 ID:QH0wN37c
キョン「何、って……寝てただろう」

長門「寝ていない」

キョン「いやいや! 明らかに寝てただろう!?」

長門「体に休息を取らせていただけ。
    情報操作を確認次第、即座に対応出来るようにしていた」

キョン「狸寝入りみたいなもんか?」

長門「……そう」

366 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:18:24 ID:QH0wN37c
朝倉「でもさ、それって情報操作をしない行動には対応出来ないわよね」

長門「朝倉涼子、貴方は私のバックアップ。
    だから、問題は無いと判断した」

キョン「……もしもし、長門さん?」

長門「何」

キョン「お前は、今は何のためにここに居るんだ?
     ちなみに、死の概念を学ぶため以外にもあるんだけどな」

長門「…………」

367 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:19:17 ID:QH0wN37c
長門「…………」

キョン「長門?」

長門「…………」

キョン「……やれやれ、お前は怒られると黙っちまうタイプだったのか」

長門「……申し訳ない」

キョン「まあ、この朝倉にどうこうされる程俺は貧弱じゃあないけどな」

朝倉「あら、試してみる?」

キョン「謹んで辞退させて貰う。というか、洒落になってないぞ」

368 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:20:02 ID:QH0wN37c
キョン「しかし……目を半開きにした長門を起こしてるってのもあれだな」

長門「問題無い」

キョン「小さな子供を無理に起こしてる、ってのがどうにも
     嫌な感じがしてならないんだ。全く、とんだ誤算だったぞ」

長門「私は平気。話を進めるべき」

キョン「朝倉、お前は眠くは無いのか?」

朝倉「私は別に平気よ」

キョン「……あぁ、お前はたまに居る『夜更かしする子供』ってやつか」

369 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:21:14 ID:QH0wN37c
長門「指示を」

朝倉「長門さんもこう言ってることだし、
    早くした方が貴方にとっても良いと思うんだけどな」

キョン「……そうだな。まあ、俺がお前達二人に気を遣うというのも
     おかしな話ではあるし、意味のないことに思える」

長門「そう」

朝倉「それじゃあさ、これから何をしてくれるのかしら?」

キョン「そうだな――」

朝倉・長門「……」

キョン「――とりあえず、今日はもう寝ろチビっ子達」

370 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 22:22:00 ID:QH0wN37c
長門「……」

朝倉「今日はもう寝ろ、って……そうしたら、残り五日になっちゃうわよ?」

キョン「そうだな」

長門「睡眠は必要ない。今すぐ行動をするべき」

キョン「長門、俺は何もお前達を気遣って『寝ろ』って言ってる訳じゃないぞ。
     今の指示は、“死の概念”を学ぶために必要なことだ」

朝倉「ふ〜ん? もしかして、本当にそんな言葉が通ると思ってるの?」

キョン「どうした朝倉、やけに“お勉強”に熱心じゃないか。
     そりゃあこっちとしてはありがたいが、正直気味が悪いぞ」

朝倉「普通そこまで言うかな。……でも、本当に良いの?」

キョン「良いさ。なんとかなる」

371 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/09(火) 23:27:17 ID:2ZMLnveJ
朝倉さんいいねぇ
途中退場キャラはロマンだ

372 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:51:40 ID:HqRgIRxO
長門「…………」

キョン「納得できない、って顔だな。普段ならいざ知らず、
     子供のお前だったらなんとなくわかるってのが面白い」

長門「そう」

キョン「まあ、聞いてくれ。今回のことは俺がお前達に“小さく”なってくれ、
     なんて無茶なことを言ったから起こったことだ」

朝倉「そうね。この格好じゃなかったら――」

くるっ

朝倉「長門さんが居眠りをするはずがないわ」

キョン「だろう? ちっちゃなお姫様よ」


373 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:52:24 ID:HqRgIRxO
キョン「だから、寝ろっていう指示をするってのは当然のことだ」

長門「…………」

キョン「それに、眠りかぶってる長門や――」

長門「私はねむりかぶっていない」

キョン「そうかい。……夜更かしして明日起きれなくなっちまいそうな朝倉に――」

朝倉「大丈夫よ。子供じゃないんだし」

キョン「今は子供だ。見た目も、そして中身もな」

朝倉・長門「……」

キョン「何かを教えようってのは、中々に労力を必要としそうなんでね」

374 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:53:10 ID:HqRgIRxO
キョン「それにだ、俺にも生活というもんがある」

朝倉「いざとなったら学校なんて行かなきゃ良いじゃない」

キョン「そういうわけにもいかんだろう。
     いいか? 俺は普通の高校生なんだぞ」

長門「そう」

キョン「しかも、ここまで遅くなっちまったら大目玉は確実だ。
     特に、妹なんかは――」

prrrr!prrrr!

キョン「……こうやって、帰って来いって催促をするようになっちまってる。
     それらを犠牲にするってのは、さすがに……な」

375 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:53:56 ID:HqRgIRxO
キョン「だから、こいつは俺のワガママだと思ってもらって良い」

長門「…………」

キョン「帰って寝たい、ってのもあるな。
     わかるだろう? 高校生ってのも疲れるんだよ」

朝倉「あら、そう? 私は平気だったけどな」

キョン「おいおい、俺は偉大なるSOS団の団長様に振り回されてるんだぞ?
     しかも、今日は団員の一人が休んだからって八面六臂の大活躍だったんだ」

長門「…………」

キョン「やれやれ、こういう言い方は好きじゃないんだが、
     長門は納得してくれたみたいだな」

376 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:54:41 ID:HqRgIRxO
キョン「あとは朝倉、お前だが――」

朝倉「長門さんが良いのなら、私は別に構わないわよ」

キョン「やけに素直じゃないか」

朝倉「だってさ、“死の概念”を学べなかったとしても、
    それ以外の進化の可能性は十分に残されてるんだもの」

キョン「……やれやれ」

朝倉「とりあえずさ、一つ頼みがあるんだけど」

キョン「何だ?」

377 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:55:26 ID:HqRgIRxO
キョン「お前の頼みってのが、俺に出来る範囲のことなら
     可能な限り聞き入れるぞ」

朝倉「そう? じゃ、死んで」

キョン「……それ以外で頼む」

朝倉「言ってみただけよ。ねえ、今の長門さんを見てどう思う?」

長門「……スーッ……スーッ」

キョン「……あ〜……眼鏡をかけたままで寝るのは危ないし、
     ちゃんとベッドで寝ないと疲れが取れないんじゃないか?」

朝倉「そうよね。だから――ねっ、お願い♪」

キョン「わかったよ。朝倉、お前まで運ぶつもりはないからな?」

378 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:56:14 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

キョン「……さて、残り五日か」

キョン(本当なら、学校を休んだ方が良いんだろうな)

キョン(……まあ良い、残り三日になって何も進展が無かったらそうするさ)

キョン(幸い、土日をはさむからな)

キョン「――やれやれ、予定に追われる毎日なんて柄じゃないんだが」

379 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:57:09 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

ハルヒ「――キョン、ちょっと先に部室に行ってなさい」

キョン「まさか、お前が真面目に掃除当番をこなすとは思わなかった」

ハルヒ「違うわよ。ちょっと調べたいことがあるの」

キョン「そうかい。なら、遠慮なく」

ハルヒ「あまり時間はかからないと思うわ。
     でも、サボってたら死刑だからね!」

キョン「それは勘弁してくれ。俺は長生きする気満々なんだ」

380 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:57:55 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

みくる(大)「待ってたわ、キョンくん」

キョン(特盛りっ!)

みくる(大)「――会いたかったっ」

ぎゅっ!

キョン「あ、あの……どちら様ですか?」

みくる(大)「あっ、ごめんね。――朝比奈みくるです。
       久しぶりね、キョンくん」

381 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 19:58:41 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

みくる(大)「――そろそろ時間だわ」

キョン「そういえば……一つだけ聞いても良いですか?」

みくる(大)「なぁに?」

キョン「今の朝比奈さんは――何歳なんですか?」

みくる(大)「……」

みくる(大)「――禁則事項ですっ♪」

382 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:01:35 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

キョン「……」

ガチャッ

みくる「遅れてすみませ――って、まだキョンくんしか来てないんですね」

キョン「俺だけじゃ駄目ってのはわかってますが、
     さすがにハッキリ言われると傷つきます……」

みくる「あっ、そういう意味じゃないんですよ!?
     ただ、長門さんが二日続けていないなんて規定事項には……」

キョン「朝比奈さん?」

みくる「うっ、ううん! 何でもないの、気にしないで?」

383 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:02:20 ID:HqRgIRxO
キョン「わかりました。朝比奈さんがそう言うなら気にしないでおきます」

みくる「ありがとう。お茶は?」

キョン「いただきます」

みくる「ふふっ、ちょっと待っててくださいね」

キョン「了解しました」

ガチャッ!

ハルヒ「キョン! やっぱりあの二人は怪しいわよ!」

キョン「……いきなりどうしたってんだ」

384 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:03:09 ID:HqRgIRxO
ハルヒ「見なさいよコレ!」

キョン「こいつは……住所録ってやつか?」

ハルヒ「そう! ここを見なさい!」

キョン「やれやれ、一体どうやってこんなもんを手に入れたんだ……。
     それに“ここ”って――長門と朝倉の住所、か?」

ハルヒ「そうなのよ! 二日続けて休んでる有希と朝倉の住所が、
     同じマンションで、しかも、近くの公園で二人の子供サイズを見たのよ!」

キョン「そいつはまた凄い偶然だな」

ハルヒ「何言ってるのよバカキョン! これは事件よ!
     それも、とんでもない不思議の予感がするわ!」

385 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:03:51 ID:HqRgIRxO
キョン「……あのな、確かに偶然が重なっちゃ居るが、
     ただそれだけのことだろう?」

ハルヒ「はぁっ? キョン、あんたまさかこれがただの偶然だとでも思うの?」

キョン「まさかも何も、その通りだ」

ハルヒ「そんなはず無いじゃない!」

キョン「それにだな、もしそいつが不思議だとして、
     お前はこれからどうするつもりだ?」

ハルヒ「それは……」

キョン「また小さな子供二人を尋問するのか?
     悪いが、俺はそんな犯罪的な行動には付き合えないぞ」

386 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:04:38 ID:HqRgIRxO
ハルヒ「何よキョン……あんた、あたしの言う事が聞けないっての?」

キョン「聞けるはずが無いだろう」

みくる「あの……どうかしたんですか?」

ハルヒ「みくるちゃん!」

みくる「ひぇっ!? な、なんでしょうか……?」

ハルヒ「目の前に不思議があるのに、それを逃す手は無いわよね!?」

みくる「そ、そうですね……」

387 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:05:21 ID:HqRgIRxO
キョン「しかしですね、コイツはこれから
    子供二人を尋問しようとしてるんですよ?」

みくる「ええっ!? そ、そんなの駄目ですよ〜!」

ハルヒ「キョン! あんたは黙ってなさい!」

キョン「いいや、言わせて貰う。お前がこれからやろうとしてる事には、
     誰がなんと言おうと俺は付き合うつもりは無い」

ハルヒ「……っ!」

キョン「それでも命令だって言うんなら、俺は抜けさせて貰う」

ハルヒ「――バカキョンっ!」

バタンッ!

キョン「……やれやれ、朝比奈さんが出してくれた湯飲みが一つ余るだろうが」

388 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:06:13 ID:HqRgIRxO
みくる「あの、あ……おっ、追いかけないの? キョンくん」

キョン「良いんです。ここで追いかけたら、
     アイツは益々見境が無くなっちまいそうですから」

みくる「……あの、なんだかムキになってません?」

キョン「俺がですか? どうして?」

みくる「あっ、ごめんなさい……ただ、なんとなくそう思っただけだから……」

キョン「……いえ、こちらこそお騒がせしてすみませんでした」

みくる「――お茶、煎れ直しますね」

キョン「すみません」

389 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:07:00 ID:HqRgIRxO
キョン(確かに朝比奈さんの言うとおり、ムキになっちまってたかもな)

キョン(しかし、俺が言ったのもまた本音ではあるんだ)

キョン(……まるで保護者気取りだな、これじゃ)

キョン(――良いさ、朝比奈さんの煎れてくれたお茶を飲んで、
     朝倉と長門の所へ向かうとしよう)

キョン(今日の活動は……中止だろうからな)

ガチャッ

古泉「おや? 長門さんに続き、涼宮さんまで来ていないのですか?」

390 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:07:56 ID:HqRgIRxO
キョン「――古泉か」

古泉「お二方だけということは、今日の活動は中止ということで良いですか?」

キョン「そうだな。今日はダラダラしている気分でも無いんだ」

古泉「この後、何か予定でも?」

キョン「あるにはある」

古泉「そうですか。良い機会なので、
    先日お話ししたものをお見せしようかと思ったのですが……」

キョン「待て待て。もしかしてそいつは――アイツに関することなのか?」

古泉「ええ。しかも、今回は中々の大物らしいです」

391 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 20:08:41 ID:HqRgIRxO
みくる「あっ、古泉くん」

古泉「こういう場合、おはようございますと言った方が良いんですかね。
    放課後なのでおかしな気もしますが」

みくる「待っててね、すぐに古泉くんのお茶も用意するから――」

古泉「いえいえ、僕はすぐに行かなければいけないので結構ですよ。
    お気持ちだけありがたく頂戴しておきます」

みくる「そう? なら良いんだけれど……はい、キョンくん」

コトッ

キョン「ありがとうございます。……それで古泉、
     お前の話ってのは今じゃないと出来ないことなのか?」

392 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:47:39 ID:HqRgIRxO
古泉「いえ、出来るだけ早いうちに耳に入れておきたいというだけです」

キョン「……そうか」

古泉「何せ、僕らにとってはかなり重要な事ですからね」

キョン「――わかったよ」

みくる「あっ、キョンくん! そのお茶はまだ熱――」

キョン「――ご……ごちそうさまでした、朝比奈さん」

古泉「そんな飲み方をしては、口の中を火傷する上に
    味もよくわからないのでは?」

キョン「朝比奈さんの煎れてくれたお茶は美味いに決まってるし、
     そいつで火傷をするってんなら悪くないとは思わないか」

古泉「……貴方のそういう所には恐れ入りますよ」

393 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:48:22 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

キョン「――おい、なんだあのでっかい化け物は!?」

古泉「僕達は、あれを神人と呼んでいます」

キョン「なんなんだアイツは……急にしゃがみこんだと思ったら、
     思い出したように街を壊しまわって……」

古泉「そうですね……怒り半分、落ち込み半分といった所ですか」

キョン「何? おい古泉、まさかアイツの考えてることがわかるのか?」

古泉「車内で聞いた貴方と涼宮さんのやり取りと、
    神人の行動を見たら嫌でもわかりますよ」

394 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:49:12 ID:HqRgIRxO
キョン「意味が分からん。もっとわかりやすく説明しろ」

古泉「神人は、涼宮さんの精神状態によって現れ、
    行動も概ねそれに沿ったものになるんですよ」

キョン「だから――あのでっかいのは、あんな不思議な
     行動をしてるってのか」

古泉「その通り。察しが良くて助かります」

キョン「なあ、お前は……あれをどうする気なんだ?」

古泉「放っておけば、神人は際限なくこの世界を破壊して回ります。
    それは世界にとっては好ましくない――だから、倒すんです」

395 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:49:55 ID:HqRgIRxO
古泉「安心してください、すぐに終わりますので」

キョン「おい、古泉!――って、もう行っちまったのか……」

キョン(あれが……アイツがイライラしたから生まれたってのか?)

キョン(世界を壊して回る……そんなに腹に据えかねたってのか)

キョン(それを倒すってんだから悪いことじゃあないんだろうが……)

キョン「――倒された神人は、一体何を考えながらやられてったんだろうな」

396 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:50:41 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

古泉「この閉鎖空間が消滅する瞬間は、ちょっとしたスペクタクルですよ」

キョン「……なあ、古泉よ」

古泉「どうかしましたか?」

キョン「お前達超能力者とやらは、どうして神人を倒すんだ」

古泉「それは……僕達がこの力を得てから、
    なんとなくそうしなければならないような義務感を得るからです」

キョン「義務感、か。――つまり、お前達超能力者は、アイツの生み出しちまった
     イライラの塊を解消させるための役割を与えられてる、ってことなのか」

古泉「……有り体に言えばそうなりますね」

397 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:51:24 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

キョン「……やれやれ、どいつもこいつもハルヒにご執心だな」

キョン「――涼宮ハルヒ」

キョン「……」

キョン「俺には、多少美人で滅茶苦茶な奴にしか思えんがね」

キョン(……まあ、良いさ)

キョン(そいつが引き寄せちまった宇宙人に“死の概念”を教えなきゃならない
     ――なんて自体は、今後は起こることはないだろうからな)

398 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:52:09 ID:HqRgIRxO
     ・    ・    ・

キョン「遅くなっちまったな」

キョン(あと五日……こんな調子で上手くやれるのか?)

キョン(――いや、なんとかするしかないんだろう)

キョン「ともかく、アイツらに会わんことには――って……」

キョン(……おいおい、まさか今まで一人で張り込みをしてたってのか?)

キョン「……全く、お前は本当に真性のアホだな」

399 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:52:57 ID:HqRgIRxO
prrrr!prrrr!

ピッ!

キョン「よう、調子はどうだ?」

長門『問題無い』

キョン「今日は家に居るみたいだな」

長門『そう』

キョン「外に出られなかったのは……外にハルヒが居るからだろう?」

長門『そう』

400 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:53:46 ID:HqRgIRxO
長門『先日の件もあり、涼宮ハルヒに発見される可能性は
    極力排除するべきと判断した』

キョン「そうだな、そうしてもらえるとこっちとしても助かる」

長門『今後の予定を聞きたい』

キョン「悪いが、アイツが入り口で張り込んでるから
     マンションには入れそうもない」

長門『……そう』

キョン「裏口があれば良いんだが、そういったもんはあるか?」

長門『情報操作をすれば』

キョン「そいつは却下だ」

401 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 21:54:31 ID:HqRgIRxO
長門『何故』

キョン「小さい頃から何でも思い通りになるって思ったら、
     碌な大人にはならないんだぞ、長門」

長門『必要ならするべき』

キョン「確かに必要だ。だが、それでも駄目なものは駄目だ」

長門『理解出来ない。説明して欲しい』

キョン「そうだな……人間ってのは、そういうもんなんだ」

長門『……そう』

キョン「そうだとも」

402 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 22:00:57 ID:HqRgIRxO
キョン「しかし、今日を丸々無駄にしちまうのは勿体ない。
     悪いが、朝倉に代わってくれるか?」

長門『わかった』

朝倉『――こんにちは。って、もうこんばんはの時間よね』

キョン「それもそうだな。こんばんは」

朝倉『まさか、涼宮ハルヒの行動力がこれ程までとは思ってなかったわ』

キョン「俺もさすがに驚いてるさ。いくら怪しいからって、
     普通は同級生の家を張り込んだりなんかしないもんだぞ」

朝倉『この状況は、こちらの不手際によるものよね。ごめんなさい』

403 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/15(月) 22:01:43 ID:HqRgIRxO
キョン「どうした? やけに素直で気味が悪いぞ」

朝倉『あら、私だって自分のミスを認めることは出来るわ。
    それにさ、学校では素直そうなキャラクターを演じてたつもりだったんだけど』

キョン「そいつは意外だな。優等生すぎて、
     逆に怪しいって思われることだってあるんだぞ?」

朝倉『何? もしかして、私が悪性の人間だと思ってたの?』

キョン「いいや、よく出来た奴だと思ってたよ。
     ……しかし、子供の声で言われると妙な感じがするな」

朝倉『ふふっ、素直に褒められた上に戸惑わせられたんだから、
    こうやってるのも悪くないかもしれないわね』

404 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:55:41 ID:Z1NBcZLT
キョン「――とにかく、今日は直接会うのは無理そうだ」

朝倉『どうして? 情報操作を使えば簡単じゃない』

キョン「やれやれ、お前も長門と同じ事を言うんだな」

朝倉『それはそうでしょう? だって、そうすれば簡単だもの』

キョン「長門にも言ったんだが、そいつは無しだ」

朝倉『どうして?』

キョン「小さい頃から――って……理由は後で長門に聞いてくれ」

405 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:56:30 ID:Z1NBcZLT
朝倉『本当に良いの? だってさ、残りの日数はあまり無いのよ』

キョン「しかし、ハルヒにバレるわけにもいかんだろう」

朝倉『だから、情報操作をして――』

キョン「朝倉」

朝倉『……まあ、貴方が良いんならそれでも構わないんだけど。
    後で期限を延ばしてくれって言っても無駄よ』

キョン「わかってるさ。お前がそんなに甘くないって事くらいはな」

朝倉『理解してるのなら良いわ』

406 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:57:27 ID:Z1NBcZLT
キョン「――そういえば朝倉」

朝倉『何?』

キョン「今日は一日どうしてたんだ?」

朝倉『それってさ、“死の概念”を学ぶのに必要な質問?』

キョン「そうとも言えるし、違うとも言えるな」

朝倉『何よ、それ』

キョン「気にするな。ちょっとした世間話だと思ってくれ」

407 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:58:10 ID:Z1NBcZLT
朝倉『そうね……今日は一日中部屋に居たわ』

キョン「おいおい、子供にしちゃ不健康な生活じゃないか」

朝倉『だってさ、外に出る理由が無いもの』

キョン「体の調子を確かめる、だったか?
     あれはもう終わったのか」

朝倉『涼宮ハルヒが接触してきたから、完全にとは言えないけど……』

キョン「そうかい。だったら朝倉、明日は日中は外に出てろ」

408 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 14:59:15 ID:Z1NBcZLT
朝倉『あら、どうして? また涼宮ハルヒに見つかって、
    余計な面倒が増えるかもしれないじゃない』

キョン「学校がある間は平気だろう。いくらアイツでも、
     学校をサボってまでお前達を追い掛け回したりはしないさ」

朝倉『わからないわ。どうして?』

キョン「そりゃあ、子供は外で遊ぶもんだからだ。
     テレビゲームでも良いが、長門は案外ムキになりそうだから却下だ」

朝倉『子供って……貴方、私達がインターフェースだって忘れてない?』

キョン「当然忘れちゃいないさ。
     だからこそ、外で遊べって言ってるんだよ」

409 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 15:00:00 ID:Z1NBcZLT
朝倉『ふ〜ん……それが指示だって言うのなら、
    別に逆らう理由も無いから良いんだけど』

キョン「よしよし、素直に言う事を聞いて偉いぞ」

朝倉『……そういう言い方って釈然としないわ』

キョン「子ども扱いされるのは嫌か」

朝倉『この年頃の、普通の人間もそうなんじゃない?』

キョン「まあ、そうだな。しかし、そう思いつつも子供扱いを
     されちまうってのが、その年頃の宿命でもある」

朝倉『それって、凄く理不尽よね』

キョン「そういうものさ」

410 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 15:00:51 ID:Z1NBcZLT
朝倉『でもさ、ちゃんとした大人だったら
    子供二人を外に放り出したりはしないんじゃない?』

キョン「危なくなったら、お前達なら情報操作とやらでなんとかなるだろう」

朝倉『……今は駄目で、そういう状況なら良いの?』

キョン「当然だろう。それとこれとは話が別だ」

朝倉『……わからないわ。全然理解出来ない』

キョン「そいつがわかるようになった時は、
     お前は“死の概念”について多少はわかるようになってるだろうよ」

411 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 15:01:36 ID:Z1NBcZLT
キョン「とりあえず、今日の所はこれで終わりだ。
     外で遊ぶってのは、日中の宿題みたいなもんだな」

朝倉『っていうかさ、外で遊べといわれても、
    何をしたら良いかわからないんだけど』

キョン「そいつは長門と二人で相談して決めてくれ。
     俺が昔やってた遊びを提示しても良いんだが、生憎おれは男だ」

朝倉『だから?』

キョン「女子が外で何をするかなんてわからん。
     なんとなく公園で女の子もいたなって記憶があるだけなんでね」

朝倉『……ちょっと無責任なんじゃない?』

キョン「悪いが、俺は放任主義なんだ」

412 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 15:02:23 ID:Z1NBcZLT
朝倉『……わかったわ。長門さんと相談してみる』

キョン「――そういえば、お前達は呼び方はそのままなのか?」

朝倉『そうよ』

キョン「……悪いことは言わない、もっと子供らしい
     呼び方に変えることを勧める」

朝倉『どうして? 呼称なんて、ただの記号でしかないじゃない』

キョン「個人的な意見を言わせて貰うとだな、
     苗字に“さん”付けやフルネームで呼び合う子供達ってのは……」

朝倉『?』

キョン「不自然を通り越して、ちょいとばかりおっかないぞ」

413 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 15:03:09 ID:Z1NBcZLT
朝倉『おっかない?』

キョン「ああ、そうだ。ぶっちゃけ不気味だ」

朝倉『ふふっ、確かにそうかも』

キョン「なんだ、わかっててやってたのか?」

朝倉『私の知識の中にも、
    そうやって呼び合う子供の情報は無いわ』

キョン「知識はあったのに、それを実行してなかったのか」

朝倉『だってさ、必要だと思わなかったんだもの』

キョン「そうかい。なら、自然を装うためと、
     お前達を見かけた人が驚かないように是非改善してくれ」

414 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 15:04:02 ID:Z1NBcZLT
キョン「話は終わりだ。すまんが、もう一度長門に代わってもらえるか?」

朝倉『わかったわ』

キョン「っと、ちょっと待て」

朝倉『何? まだ何かあるのかしら』

キョン「明日、な」

朝倉『……あぁ、そうね。それじゃ、明日は会いましょ』

キョン「そうなる事をアヒルみたいな口をしてる神様に祈ってるよ」

415 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/18(木) 22:20:42 ID:YokZ0AIL
このスレでC.C.にはまりました

416 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:53:31 ID:QYdgfZSN
長門『……何』

キョン「いきなりだが、ハルヒに関してのことだ」

長門『何か問題が』

キョン「大有りだな。長門、お前休んでからハルヒに連絡をしたか?」

長門『していない』

キョン「一度連絡を入れてやってくれ。でないと、
     アイツはずっとマンションの前から離れなさそうだ」

長門『涼宮ハルヒは、22時には帰宅すると推測する』

キョン「……そういう問題じゃないぞ」

417 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:54:13 ID:QYdgfZSN
キョン「とにかく、メールでも入れておいてくれ」

長門『了解した』

キョン「というかだ、お前の携帯にハルヒから連絡が無かったのか?」

長門『…………』

キョン「……長門、今お前はどこに居る。
     お前の携帯はまさかとは思うが離れた位置にあったんじゃないか?」

長門『この形態をとってからは、涼子ちゃんの部屋に居る。
    携帯電話は、今日の正午に部屋に取りに行った』

キョン「……今、お前の口から聞きなれない呼び名が聞こえたんだが
     俺の気のせいじゃないだろうな?」

長門『貴方の指示』

418 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:54:56 ID:QYdgfZSN
長門『問題があれば、別の呼称を選択する』

キョン「いや、それに関しては問題無い。
     急に聞かされたもんだから驚いただけだ」

長門『そう』

キョン「それじゃあ、ハルヒに連絡の件は頼んだ」

長門『この通話が終了し次第実行する』

キョン「ああ、そうそう。ついでと言っちゃなんだが、
     朝倉が休んでるのに関しても何かしらの手をうってくれるか?」

長門『わかった』

キョン「……この場合、『涼子ちゃんの方も頼むな、有希ちゃん』
     ――とでも言った方が良かったか?」

長門『……どちらでも構わない』

419 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:55:40 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

キョン「――やれやれ、とりあえずはこれで良しとするか」

キョン(残り四日になっちまうが……仕方ない)

キョン(本当にこれで大丈夫なのか?)

キョン(他に、もっと良いやり方があるんじゃないのか?)

キョン「……」

キョン「そんなの知っちゃこっちゃねえや」

キョン(今、俺が考えられる中ではこいつが最善だからな)

420 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:56:28 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

ハルヒ「…………」

キョン「――よう、やっぱりここに居たか」

ハルヒ「!? キョンっ!? あんた、
     どうしてこんな所に居るのよ!」

キョン「どうしても何も、SOS団の団長が犯罪に手を染めそうだから
     こうやって諌めに来たんだよ」

ハルヒ「……だって、あの時は絶対に行かないって言ってたじゃない」

キョン「時と場合によるんだよ。それに、そんな事言ったか?
     色々ありすぎて、そんな昔のことは忘れちまったよ」

421 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:57:09 ID:QYdgfZSN
キョン「大体だな、いつからここに居たんだ?」

ハルヒ「あの後すぐよ」

キョン「あの後って……部室を出て行ってからずっとか!?」

ハルヒ「そうよ。悪い?」

キョン「……やれやれ、通報されなくて良かったな」

ハルヒ「仕方ないじゃない。休んでる理由もわからないのに、
     いきなり訪ねて管理人が通すわけないもの」

キョン「そういう問題じゃないだろ……はぁ」

422 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:57:55 ID:QYdgfZSN
キョン「それで、結局成果はあったのか?」

ハルヒ「駄目ね。もしかして、こっちの動きがバレてるのかもしれないわ」

キョン「おいおい、それじゃ相手が宇宙人みたいじゃないか?」

ハルヒ「はぁ? 普通、こういう場合は超能力者でしょ」

キョン「……宇宙人だったら、それ位平気でやってのけるんじゃないか」

ハルヒ「そうね、確かにその可能性はあるわ。
     キョン、あんたにしてはさえてるじゃない」

キョン「ありがとよ」

423 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:58:35 ID:QYdgfZSN
キョン「とりあえず、今日のところはもう帰るぞ」

ぐいっ!

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン!」

キョン「これ以上は、さすがに宇宙人、未来人、異世界人、超能力者が
     見逃しても、ご近所の目は見逃しちゃくれないからな」

ハルヒ「わ、わかったから離しなさいよ!」

キョン「わかってくれて嬉しいよ。駄々をこねられたら、
     強引にでも引きずっていくつもりだったからな」

ハルヒ「……バカキョン!」

424 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 20:59:19 ID:QYdgfZSN
キョン「まあ、お前の気持ちもわからんでもないけどな」

ハルヒ「えっ?」

キョン「俺だって、偶然にしちゃ色々とありすぎるとは思ってるよ」

ハルヒ「だったら!」

キョン「でもな、案外それも勘違いだったりするかもしれないだろ」

ハルヒ「…………」

425 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 21:00:02 ID:QYdgfZSN
ハルヒ「そりゃそうだけど……」

prrrr!prrrr!

キョン「携帯、鳴ってるぞ」

ハルヒ「言われなくてもわかってるわよ」

キョン「誰からだ?」

ハルヒ「……有希からメール。迷惑をかけて申し訳ない、って」

キョン「なっ? 案外、不思議と思っててもそういうもんだ」

426 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:53:37 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

キョン「それじゃ、また明日な」

ハルヒ「……ねえ、キョン」

キョン「? どうした」

ハルヒ「……なんでもない」

キョン「おかしな奴だな。まあ、知ってたが」

ハルヒ「――うるさいっ! 調子に乗ってると、ただじゃおかないわよ!」

キョン「そうかい。なら、もう少し抑え目で平凡に行くことにするよ。
     ……もっとも、お前が暴走するんならその限りじゃないけどな」

427 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:54:20 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

キョン「――あと四日で何が出来るんだろうか」

キョン(休日を挟みはするが、具体的に何をすれば良いか思いつかん)

キョン(どこかに連れて出かけるか?)

キョン(遊園地? 動物園? 水族館なんてのもあるな)

キョン(……いやいや、そもそもそんな所にアイツらを連れて行って、
     楽しませることが出来るのかが疑問だ)

キョン「……やれやれ」

キョン「――とにかく、今日はもう寝るとするか」

428 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:55:04 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

「――ン……起きなさ…………キョ……!」

キョン「……もう少し寝かせてくれ」

ハルヒ「何寝ぼけてるのよキョンっ!」

キョン「うおっ!?」

ハルヒ「目が覚めた?」

キョン「ここは――学校、か……?」

429 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:55:49 ID:QYdgfZSN
ハルヒ「そうみたいね。あたしも気付いたらここに居たの」

キョン「俺には夢遊病の気はないんだが」

ハルヒ「あたしだってそうよ」

キョン「しかし……どうして景色が灰色なんだ」

キョン(これじゃまるで、古泉に連れて行かれたなんたら空間じゃないか)

ハルヒ「あたしにわかるわけないじゃない。
     とにかく、学校の外に出てみましょ」

キョン「まさかとは思うが、俺が起きるまで待っててくれたのか?」

ハルヒ「……放っておくわけにもいかないでしょうが」

430 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:56:33 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

キョン「やれやれ、結局学校の外には出られなかったな」

ハルヒ「とにかく、色々探索してみましょ」

キョン「なんだ、やけに元気が良いじゃないか」

ハルヒ「だって、こんな不思議なことが起こってるのよ?
     もしも夢だとしても、楽しまなかったら損じゃない!」

キョン「これが夢だとしたら、フロイト先生も爆笑だぜ」

ハルヒ「そうかしら?……とにかく、あたしは職員室の方に
     何かないか探してみるわ」

キョン「はいよ。それじゃあ、俺は旧校舎の方をあたってみる」

431 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:57:19 ID:QYdgfZSN
     ・    ・    ・

キョン「――と言ってはみたが、今のこの状況は多分
     ハルヒが原因で起こってることなんだろうな」

キョン(……正直、どうしたら良いかサッパリわからん)

キョン(――なあ、ハルヒよ)

キョン(どうしてこの世界には、俺とお前の二人しかいないんだ?)

キョン「……なんてことを聞く勇気も度胸もないね」

…ガチャッ

432 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:58:01 ID:QYdgfZSN
キョン「――やっぱり誰もいない、か」

キョン(もしかしたら、朝比奈さんや古泉が居るかもと思ったんだが)

キョン(長門は……まあ、今は子供の姿だからな)

キョン「……ん?」

キョン(パソコンの電源が入って――)

RYOKO.A>見えてる?

キョン「!」

433 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:58:45 ID:QYdgfZSN
キョン「おいおい、まさか朝倉なのか!?」

RYOKO.A>確認のしようがないし、時間も無いから手短に言うわね。

キョン「……」

RYOKO.A>涼宮ハルヒは、世界を飲み込むほどの閉鎖空間を発生させたの。

キョン「……なんだよ、そりゃ」

RYOKO.A>このままだと、今の世界は消滅したままになっちゃうわ。

RYOKO.A>だから、貴方には現状の回復を頼みたいの。

RYOKO.A>お願い。

434 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/23(火) 23:59:28 ID:QYdgfZSN
キョン「お願いって言われても……一体どうすりゃ良いんだ」

RYOKO.A>それh

キョン「――ん?」

YUKI.N>方法は一つ。

キョン「おいおい、どうして長門に変わったんだ?」

YUKI.N>現状で最も効果的だと思える選択肢を提示する。

キョン「……ゴクリ」

>Sleeping姫

キョン「……――意味がわからん」

435 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/24(水) 07:14:18 ID:ZdVIVLR6
すりっぴんぐふぉーれすとのびゅーていーですね!><

436 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/26(金) 19:50:38 ID:kglFigUI
>>56を見た時にスレを見ている自分のことだと思ってかなりビビった・・・

437 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:33:37 ID:RuTnApan
キョン「もっと具体的にだな――……って、
     電源が切れやがったよコンチクショウ……!」

…ガチャッ

ハルヒ「――どう、キョン。何か見つかった?」

キョン「見つかったとも言えるし、
     何一つわからなかったとも言えるな」

ハルヒ「意味わかんない。キョン、あんた色々と大丈夫なの?」

キョン「この状況で平静を保ってられる程……」

キョン「…………おいおい、マジかよ」

ハルヒ「キョン! なによあの巨人!? 不思議どころの騒ぎじゃないわよ!」

438 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:34:23 ID:RuTnApan
     ・    ・    ・

キョン「――良いかハルヒ、よく聞けよ」

ハルヒ「なっ、何よ急に……」

キョン「世界ってのはな、お前が思ってる以上に面白いことで溢れてるんだ。
     だから、とっととこんな世界とはおさらばするぞ」

ハルヒ「……別にここでも良いじゃない。だって、
     ここには物凄い不思議もあるし、それに、あんたが――」

キョン「――ハルヒ」

ハルヒ「?」

キョン「実は俺――ポニーテール萌えなんだ」

ハルヒ「!?」

439 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:35:09 ID:RuTnApan
     ・    ・    ・

ドサッ!

キョン「……」

キョン(――なんて夢を見てるんだ俺は)

キョン「あれは違うぞ。切羽詰ってただけであってだな……」

キョン「……」

キョン(やれやれ、あの二人にも何があったか知られちまってるのか?)

キョン「……勘弁してくれ」

440 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:36:17 ID:RuTnApan
     ・    ・    ・

キョン「よう、不景気そうな面してどうした。
     何か悪い夢でも見たのか?」

ハルヒ「最悪の夢見だったわ。あれじゃ、まるで……」

キョン「まるで?」

ハルヒ「何でもないわ。もう、ホント最悪よ」

キョン「そうかい。ところでハルヒ」

ハルヒ「……」

キョン「似合ってるぞ、ポニーテール」

ハルヒ「……うっさい」

441 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:37:00 ID:RuTnApan
キョン「俺としては良いものが見られたから良いんだけどな」

ハルヒ「今日のこれは気まぐれよ」

キョン「そいつは残念だ」

ハルヒ「……」

ガラッ

岡部「HRはじめるぞー」

442 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:37:50 ID:RuTnApan
岡部「急な話なんだが、朝倉が転校することになった」

ハルヒ「えっ?」

キョン「……なんですと?」

岡部「なんでも、親御さんの仕事の都合でカナダへ引っ越すことになったそうだ」

岡部「この二日休んでたのも、そのための準備で忙しかったかららしい」

谷口「先生、それってマジなんですか!?」

岡部「ああ。郵送でだが、書類も今朝届けられた」

谷口「うおお……貴重なAAランク+の女子が……!」

443 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:38:34 ID:RuTnApan
キョン(転校って……まさか、昨日電話で話した件でか?)

キョン(そりゃあ、確かに転校したことにすれば、
     朝倉と長門が同時にいないのも不自然さが薄れるが……)

キョン「いくらなんでも、急すぎて逆に不自然だろう……」

ハルヒ「? 何か言った?」

キョン「気のせいだ。その髪型だと耳が出てるから、
     空耳も聞こえやすくなってるんじゃないか?」

ハルヒ「そんなわけないじゃない。それに、その理屈が正しかったら
     そこら中幻聴を聞いてる人間だらけになるじゃないの」

キョン「それもそうだな」

444 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:39:30 ID:RuTnApan
ハルヒ「でも……明らかにおかしいわ」

キョン「……何がだ」

ハルヒ「そんな事もわからないの? いくらなんでも急すぎるわ。
     それにカナダよ、カナダ! そんなのあり? 胡散臭すぎるわよ〜」

キョン「そうかい?」

ハルヒ「後で色々と調べてみる必要がありそうね」

キョン「……まさかとは思うが、またマンションの前で張り込みをしたり
     するつもりじゃないだろうな?」

ハルヒ「そんな事しないわよ。キョン、あんたが通報されるって言ったんじゃない。
     本当ならそうしたいところだけど、あたしは団員の意見も極力尊重するのよ」

キョン「そいつは良かった。それじゃあ、今度から奢りは勘弁してくれ」

ハルヒ「却下」

445 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:40:22 ID:RuTnApan
     ・    ・    ・

キョン「――さて、一体どういう事か説明してもらおうか」

長門「本来なら、以上動作を取った涼子ちゃんは処分されるはずだった」

朝倉「そんなつもりは無かったんだけどね。有希ちゃんの言うとおりなのよ」

キョン「そうだとして、どうしてカナダへ転校することにしたんだ」

朝倉「情報統合思念体が、私を涼宮ハルヒの周囲に配置しておくのは
    危険だと判断したのよ」

長門「涼子ちゃんは情報結合の解除をされてもおかしくはなかった。
    しかし、貴方との約束――“死の概念”を学ぶということが理由で免れた」

朝倉「そうなの。だから、お互い命拾いしたってことになるわね」

446 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 21:41:20 ID:RuTnApan
朝倉「丁度良い機会だったって言えるのかな、この場合」

長門「貴方の指示に従い、かつこちらの決定も通る選択をした」

キョン「……その結果、あいつは朝倉に何かあると思ったみたいだったぞ」

朝倉「どうして?」

キョン「あのな、普通は急に海外に引っ越すってのは有り得ないぞ」

長門「その事例はあると確認した」

キョン「……やれやれ。まあ、もう終わっちまったことだから仕方ないか」

朝倉・長門「?」

447 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:49:49 ID:RuTnApan
キョン「とにかく、今日を入れたらあと四日だからな。
     そろそろ本腰を入れなきゃならんだろう」

朝倉「ねえ、本当に日数は足りるの?」

キョン「なんとかするさ。それしかないんだろう?」

朝倉「そうよ」

長門「期限の延長は許可出来る」

キョン「……いや、とりあえずあと四日間精一杯やらせてもらうさ」

長門「どうして」

キョン「それ以上伸ばさないかって? まあ、本当なら延長して欲しい
     どころの騒ぎじゃないんだが、朝倉と約束したからな」

448 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:50:41 ID:RuTnApan
長門「理解出来ない」

キョン「長門、約束ってのは守らなきゃいけないんだぞ」

長門「……」

朝倉「あなた、人間の中でも相当変わってるんじゃない?」

キョン「失礼な。俺はこれでも、何の変哲もない平凡な奴だって自覚してるんだ。
     そいつが良いかどうかはともかく、間違っても俺は変じゃない」

朝倉「ねえ、有希ちゃんはキョンくんのこの答えについてどう思う?」

長門「ユニーク」

キョン「……長門、お前までそう言うか」

449 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:52:46 ID:RuTnApan
キョン「お前達の俺への認識について話し合う必要がある」

朝倉「あっ、その前に一つ良いかしら」

キョン「? どうした、何か問題でもあったのか?」

朝倉「そういう訳じゃないわ。今日、ちょっと考えたのよね」

キョン「ほう、自発的に“死の概念”について考えてくれるとは、
     中々どうして朝倉も協力的だな。俺としては嬉しい限りだ」

朝倉「違うわよ。勘違いしないでくれる?」

キョン「……ぬか喜びさせないでくれ。で、何だ?」

朝倉「呼称についてよ」

450 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:53:46 ID:RuTnApan
キョン「なんだ、“涼子ちゃん”、“有希ちゃん”じゃ不満なのか。
     だったら、別の呼び方を考えてくれれば良い」

朝倉「そうじゃなくてさ、貴方の私達への呼び方よ」

キョン「……何?」

長門「私達の外見年齢の人間に対して、貴方の年齢の人間が
    苗字を用いて呼び捨てにする事は不自然」

キョン「おいおい、まさか――お前達、俺に名前で“ちゃん”付けで
     呼べって言ってるんじゃないだろうな?」

朝倉「そのまさかよ」

キョン「勘弁してくれ……!?」

451 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:57:23 ID:RuTnApan
朝倉「あら、どうして?」

キョン「あのな、お前らは俺と同級生なんだぞ。
     なのに名前で“ちゃん”付けなんてどんな羞恥プレイだ」

朝倉「私はもう転校したことになったから、同級生じゃないわ」

キョン「長門はそうじゃないだろう!」

朝倉「だったら、私だけ“ちゃん”付けでも構わないわよ」

キョン「……まあ、それなら――」

長門「…………」

キョン「あぁ……そんな目で見るな長門」

452 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:58:10 ID:RuTnApan
キョン「良いか長門、人間ってのは10代の後半になるとだな、
     男女間でそこまで親しげにするのは――」

長門「私は生まれてから三年しか経っていない」

キョン「……そうだな」

長門「…………」

朝倉「ねえ、もう諦めた方が良いんじゃないかしら。
    それとも、そんなに“ちゃん”付けは嫌?」

長門「…………」

キョン「――ああもう! わかったよ! わかったから
     涼子ちゃんも有希ちゃんもそんな顔をするなっての……!」

453 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:58:54 ID:RuTnApan
朝倉「ふふっ、良かったね有希ちゃん」

長門「涼子ちゃんが笑っている理由がわからない」

朝倉「そう? 私にはムキになってるように見えたんだけどな。
    ねえ、もしかして私の勘違いだった?」

長門「そう」

朝倉「キョンくんはどう思う?」

キョン「ノーコメントだ。……というかな、ここまできたら
     俺への呼び方も変えないと不自然だと思うんだが」

朝倉「それもそうよね。確か、妹が居たわよね?」

キョン「……お前の質問も、それに対する答えもある。
     俺は妹にも……“キョンくん”って呼ばれてるんだよコンチクショウ」

454 名前:創る名無しに見る名無し:2009/06/30(火) 22:59:37 ID:RuTnApan
朝倉「だってさ、有希ちゃん」

長門「そう」

キョン「そろそろ本題に入っても良いか?
     正直、この話題を続けるのは精神的な負担が凄い」

朝倉「ねえ、試しに一度呼んでみたらどうかしら。
    練習ってさ、必要だと思うのよ」

長門「……キョンくん」

キョン「……なんとも不可思議な気分だよ。
     なあ、元の姿に戻っても俺のことをそう呼んだりはしないだろうな?」

朝倉「嫌なの? 可愛くて良いじゃない」

長門「キョンくん」

キョン「……やれやれ」

455 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 01:50:04 ID:/5P0KF0I
wktk

456 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:14:29 ID:Bppx2aOc
朝倉「あはっ、その表情が見られて満足したわ」

キョン「そうかい。涼子ちゃんよ、いや……
     涼子って呼んだ方がしっくりくるな」

朝倉「キョンくんの呼びやすい方で良いわよ」

キョン「だったら朝倉って呼ばせて貰う」

朝倉「ねえ、それって人間で言う所の“大人気ない”って言うのよね」

キョン「……涼子」

朝倉「何?」

キョン「あまり年上をからかうもんじゃないぞ」

ぐりぐりぐりぐりっ

朝倉「ちょっ、ちょっと! 眉をグリグリしないでっ!」

457 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:15:13 ID:Bppx2aOc
キョン「本当なら軽く小突いてやるところなんだが、
     お前達にそれをしても効果があるかわからんからなぁ」

ぐりぐりぐりぐりっ

朝倉「うううっ……!?」

キョン「それに、俺は虐待をする気は毛頭無いし、
     かと言ってこの感情をそのままにしておくのは嫌なんだ」

ぐりぐりぐりぐりっ

朝倉「もっ、もう良いじゃない……!」

キョン「それ故に、仕方無しにこうやって子供の姿になっても
     面影を残す部分へのささやかな仕返しをしている訳だ」

458 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:16:09 ID:Bppx2aOc
キョン「本当ならこんな真似はしたくないんだが、
     これも俺の心の平穏のためだ。許してくれ」

ぐりぐりぐりぐりっ

朝倉「ぃうううっ……!?」

キョン「――さて、ここまでやったら、いくらヒューマノイドなんちゃらの
     お前でも俺の言わんとしている事を理解してくれるな?」

朝倉「……あっ、貴方バカじゃないの!?」

キョン「そうかい。まだグリグリされたいみたい――って、
     どうしてお前は眼鏡をはずしてるんだ?」

長門「理由は無い」

キョン「……あ〜……有希、眼鏡をはずしてた方が可愛いと思うぞ」

長門「……そう」

459 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:17:39 ID:Bppx2aOc
朝倉「いくらなんでも理不尽よ……」

キョン「人間ってのはそういうもんなんだよ、三歳児。
     その点、ハルヒの弁じゃないが有希は良い子で助かるな」

長門「そう」

キョン「……なんだか不満そうな顔だな。
     いや、気のせいだとは思うんだが……」

長門「……」

キョン「意味が分からん……。
     子供の扱いは、妹で慣れてると思ったんだが……」

460 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:18:30 ID:Bppx2aOc
キョン「――さて、そろそろ本題に入らせてもらって良いか?
     今日を入れて四日しかないってのに、脱線しすぎちまった」

朝倉「キョンくんのせいだと思うわ」

キョン「……とにかく、お前達が“死の概念”について
     どれだけの知識があるのかを聞いておきたい」

長門「情報としての知識は有している」

朝倉「そうね、多分だけど哲学的な問いに関しては貴方より詳しいと思うわ」

キョン「そいつは頼もしいな」

キョン「――まあ、今はそんなもんは忘れちまっててくれ」

461 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:19:27 ID:Bppx2aOc
朝倉「? どういうこと?」

キョン「なあ、お前達はそれを知っているのに、
     “死の概念”については理解しちゃいないんだよな?」

長門「そう」

キョン「だったら、そんな知識は役に立たないんじゃないかと思うね。
     というか、情報媒体で“死の概念”について学ぶ三歳児ってのはどうなんだ」

朝倉「人間で言うところの、勤勉っていうのだと思うわ」

キョン「悪いが俺はあまり頭が良くないんだ。涼子、お前は知ってるだろう?」

朝倉「そうね、授業中当てられても答えられなかったりする事が多いし」

キョン「……その姿のお前に言われると、事実なんだがモヤモヤするな」

462 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:20:33 ID:Bppx2aOc
キョン「とにかくだ、俺はその方法がお前達には合ってないんじゃないかと
     考えた訳だ。それは――お前達が宇宙人だから」

長門「……」

キョン「ああいう本ってのは、人間向けに書かれたもんであって、
     宇宙人向けに書かれたもんじゃあない」

長門「キョンくん。貴方の言葉だと、
    私が本を読むのは好ましくないという意味にとれる」

キョン「いやいや、本を読むのは良いことだぞ?
     それに、有希は本が好きなんだよな?」

長門「ユニーク」

キョン「だったら、好きなだけ読めってのが俺の考えだ。
     ……しかし、この呼び方も呼ばれ方も違和感がするな」

463 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:21:28 ID:Bppx2aOc
キョン「時間があるならそれでも良いんだが、
     生憎あと四日しかないわけだ」

キョン「だから、これから四日間は俺が思ってる“死の概念”を
     教えていくつもりでいる」

キョン「そいつでお前達が納得してくれるかはわからないが、
     それ以外の“死の概念”を教えろって言われても無理な話だ」

キョン「……何せ、俺は普通の高校生だからな。
     しかも、成績が良いとは残念ながら言いがたい程度の奴さ」

キョン「それに満足するかはわからんが――涼子、有希」

朝倉・長門「……」

キョン「遅くなっちまったが、よろしく頼む」

464 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/01(水) 23:22:59 ID:Bppx2aOc
朝倉「……普通、これからモノを教えようって言うのに、
    自分でもよくわからないなんて言う?」

キョン「正直なのは美徳らしいぞ」

長門「……」

キョン「有希……呆れてるのか?
     そうだとしたら、さっきの言葉は忘れて欲しい」

長門「呆れていない」

キョン「そいつは良かった」

長門「とてもユニークだった」

キョン「……ありがとよ」

465 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:11:45 ID:5Soib8HU
朝倉「――それじゃあさ、さっきの失言は忘れてあげる代わり
    っていうのもなんなんだけど、手伝って欲しいことがあるのよ」

キョン「俺に出来る範囲のことなら良いぞ」

朝倉「私と有希ちゃんをお風呂に入れて欲しいの」

キョン「断固拒否する!」

朝倉「どうして? 実行可能な要求だと思うわ」

キョン「……どうして俺がお前達の入浴を手伝わにゃならんのだ」

朝倉「この格好を見て分からない?」

キョン「わかってたまるか」

朝倉「手足が短いから、お風呂で溺れちゃったら大変じゃない」

466 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:12:31 ID:5Soib8HU
キョン「シャワーとかあるだろう。
     人間の文明ってのは利便性に特化されてるんだ」

朝倉「お風呂とシャワーは別でしょ」

キョン「お前達は今は子供の格好をしてるが、
     元の姿は俺と同年代の女子だろう……!」

朝倉「状況によって扱いを変えるってさ、
    考えるまでもなくおかしなことだと思うわ」

キョン「……」

朝倉「ねえ、キョンくん。貴方は私達をどう扱うつもりなの?
    それによって、今後の方針を変えなきゃいけないわ」

キョン「……ああもう! わかったよ!
     シャンプーが目に入っても容赦はしないからな!?」

467 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:13:41 ID:5Soib8HU
     ・    ・    ・

『ねえ、キョンくん。いつまでそうしてるつもりなの?』

キョン「俺にも心の準備が要るんだ」

『さっきの勢いだと、てっきり頭も洗ってくれると思ったんだけど』

キョン「自分で出来ることは、極力自分でやった方が
     今後生きていくために力になるぞ」

『有希ちゃん。有希ちゃんはキョンくんに頭を洗って欲しいわよね?』

『欲しい』

キョン「……――中に居るのは見た目が小学生の、頭が三歳児。
     だから、俺が一緒に風呂に入るのはおかしな事じゃない……」

…ガラッ

468 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:14:28 ID:5Soib8HU
キョン「うおっ、やけに広い風呂だな」

朝倉「あのさ、せめて前は隠したら?」

キョン「お前な、手で股間を隠しながら入ったら、
     それこそ自分は変態ですと言ってるようなもんだろう」

朝倉「カゴの横にタオルを置いておいたのよ?」

キョン「…………気付いてたさ、勿論な」

朝倉「ふ〜ん、なら良いんだけど。
    それじゃあ、早速さっき言ってたことをしてもらおうかな」

キョン「はいはい。……というか涼子、お前その姿になってから
     学校の時とキャラが違いすぎないか?」

朝倉「ふふっ、気のせいじゃない?」

469 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:15:29 ID:5Soib8HU
キョン「しかし、こうやって見ると長い髪だな」

朝倉「感想は髪に関してだけ?」

キョン「チンチクリンの分際で何を言ってやがる。
     俺は妹がいるんだから、ある程度は見慣れてるんだよ」

朝倉「あっ、もしかして今でも妹さんとお風呂に入ってるの?」

キョン「そんなわけないだろう」

ザパァッ!

朝倉「わぷっ……ちょっと、お湯をかける前に何か言ってよ」

キョン「痒いところはございませんか」

朝倉「……別に良いんだけどね」

470 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:16:25 ID:5Soib8HU
     ・    ・    ・

朝倉「他人に髪を洗ってもらうのって、
    どうして満足感があるのかしら」

キョン「さあな。俺もそんなのは相当昔のことだから忘れちまったよ」

朝倉「キョンくんってさ、他人の頭を洗うのに慣れてない?」

キョン「そろそろ良いな。流すぞー」

ザパァッ!

朝倉「わぷっ……ねえ、キョンくん?」

キョン「今度はちゃんと言ってから流したぞ」

長門「…………」

キョン「? どうした有希、湯船に入らないと風邪ひくぞ」

471 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:17:14 ID:5Soib8HU
長門「平気」

キョン「平気ってお前……」

長門「…………」

キョン「ん? まだ髪を洗ってないのか?」

長門「そう」

キョン「どうしてだ? 体は自分で洗えたんだろう」

長門「…………」

キョン「やれやれ、まさかお前までとはな。
     ほら、涼子の代わりにここに座れ」

長門「わかった」

472 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:17:57 ID:5Soib8HU
     ・    ・    ・

朝倉「……ねえ、どうしても100まで数えなきゃ駄目?」

キョン「風呂ってのはそういうもんだろ」

朝倉「この体だとさ、熱に対しての抵抗力が低いのよ」

キョン「そうかい。ちゃんと肩までつかるんだぞ。
     俺が体を洗い終わる頃には数え終わってるはずだ」

朝倉「――有希ちゃん?」

長門「…………」

キョン「――どうしてお前は小さくなったら物凄く手間のかかる子供に!
     のぼせる前に何か言ってくれ……!」

長門「…………」

473 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:18:44 ID:5Soib8HU
     ・    ・    ・

長門「……」

キョン「……やれやれ、大丈夫か? 頭が痛いとかないか?」

長門「ない」

朝倉「はい、有希ちゃん。水分を補給して」

長門「……」コクリ

キョン「悪かったな。まさか、ここまで風呂に入るのが大仕事だったとは……」

朝倉「――そうね。明日からは、情報操作を使って
    “入浴をしたのと同じ”効果を得るようにするわ」

キョン「……なんですと?」

474 名前:創る名無しに見る名無し:2009/07/02(木) 00:19:31 ID:5Soib8HU
朝倉「聞こえなかった? 無理に入浴するより、
    情報操作をする方が危険も少ないし早い、ってことよ」

キョン「おいおい」

朝倉「それにさ、この姿になるまでの入浴の経験が欠けているわけじゃない?
    言ってみれば、基本的にぶっつけ本番なのよね」

キョン「朝倉さんよ」

朝倉「涼子、でしょう?」

キョン「涼子。……今のお前の台詞を噛み砕いてみたんだが、
     その結果俺がお前達を風呂に入れる必要性は無かったってことになるんだが」

朝倉「そうよ」

キョン「なんだ……そりゃ……」

475 名前:創る名無しに見る名無し:2009/08/03(月) 16:44:19 ID:Ge6jj+S2
1です

さるさんとかキツいからこのスレは終了しますた
好きに使ってください、使いましょう


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