■戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 最新50  

モブ少女

1 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:29:12 ID:V7GrMCzn
※新ジャンルじゃないっす、単発オナニー台詞系ssっす、期待して開いた方はすんません
※台詞系総合スレに投下したものの、長くなりそうなので単発たてたっす
※一応1000まで構想は練ってあるっすけど、反応見ながら書きたかったのでそんなに書き溜めてないっす
※それでも付き合ってやるよって方は楊枝加えながらまったり見ていってやってくださいっす

2 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:30:01 ID:V7GrMCzn
男「お前wwwやめろってwwwww」
女「へっへーん、お前にはこれがお似合いだって!」
男「お、おいそんなことしたら・・・うわっ」
女「え?きゃっ!」
ドサッ
男「・・・す、すまん」
女「う、ううん///」

少女(いいなぁ・・・)

3 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:30:47 ID:V7GrMCzn
少女(・・・羨ましいなぁ)
少女(私もあんな青春、送りたいなぁ・・・)
少女(でも、私って何の取り柄もないし)
少女(スタイルだって普通だし)
少女(人に誇れるようなところとか、そんなのないし)
少女(かといって特別な欠点も・・・)
少女(親が亡くなってるとか、人が同情してくれるようなところもないし)
少女(それじゃあ、皆かまってくれないに決まってるよ、ね・・・)
少女(・・・でも、それでも、憧れは抱いちゃうなぁ)
少女(私も、物語の主人公みたいに、なれたらな、って・・・)


神様「その願い、叶えてさし上げましょうか?」


少女「・・・え?」

4 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:34:51 ID:V7GrMCzn
神様「こんにちわ」
少女「こ、こんにち、わ?」
神様「ほうほう、なるほど、この世界では彼らが主人公なんですね」
少女「・・・?」
神様「いえいえ、独り言ですから気にせずに」
少女「は、はぁ・・・そうですか?」
神様「そして、あなたは『その他大勢』・・・いわゆる『モブ』ってやつですね」
少女「え?は、はぁ・・・そうなん、ですか?」
神様「ええ、そのようです」
少女「・・・えっと、言ってる事がよくわからないんですけど・・・」
神様「はは、分からなくて結構、なにしろ私は神様ですから」
少女「かみ、さま?」
神様「ええ」
少女「・・・ジャージ姿の?」
神様「ジャージだろうが何だろうが、神様です」
少女「ずいぶん、ラフなんですね・・・」
神様「それがモットーですから!」
少女「・・・そうですか」

5 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:36:25 ID:V7GrMCzn
少女「あの、それで、その神様が、私に何のようですか?」
神様「まぁまぁそんな警戒なさらずに」
少女「いや、だって、明らかに怪しいですから・・・」
神様「ほう、どのあたりが?」
少女「まず自分の事を神様とか言っている辺りが・・・」
神様「ほほう、では逆に聞きますが、あなたは一体何者ですか?」
少女「わ、私ですか?・・・って、なんで見ず知らずの男性に自分の素性を言わなくちゃいけないんですかっ」
神様「まぁまぁ、それで、あなたは一体何者ですか?」
少女「・・・普通の高校生ですけど」
神様「怪しいですねー」
少女「ど、どこがですかっ!制服だって着てるでしょう!」
神様「信用できませんねー、どっかから盗んできたのかもしれない」
少女「そんな見当違いな憶測で話されても・・・」
神様「あなたの言った事はそれと一緒ですよ」
少女「え?」
神様「私は神様、あなたは高校生、証拠はありませんがどちらも本当、そういうことです」
少女「えぇ・・・」
神様「いやそこでドン引きされても困りますよ」

6 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:37:25 ID:V7GrMCzn
少女「もぅ・・・分かりました、それで結局何のようなんですか?」
神様「あなたも素敵な青春ライフを送れるようにして差し上げましょう!」
少女「・・・」
神様「あなたも素敵な青春ライフを送れるようにして差し上げましょう!」
少女「・・・」
神様「大事な事なので二回言いました」
少女「・・・はぁ」
神様「本当にリアクションが下手な人ですねー、そんなんじゃこれからやっていけませんよ」
少女「・・・それ以前の問題のような気が」
神様「おっとぉ!もう時間のようです、話の途中ですが私はこれで失礼します」
少女「いろいろと自由な人ですね・・・」
神様「なんにせよ、あなたはもう素敵な青春ライフを送る事が出来るようになりました!」
少女「・・・もうどうリアクションすれば良いのか分かりません」
神様「やったね☆」
少女「話聞いてください」
神様「まぁ明日学校に行けば分かりますよ、それではアデュー!」パッ
少女「え!?き、き、き、消えた・・・」
少女「・・・ま、まぁ見なかった事にして、早く家に帰って寝よ、疲れてるんだなきっと・・・」

7 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:38:24 ID:V7GrMCzn
翌日


友A「おはよー!」
少女「おはよう」
友A「ねぇねぇ、今日転校生がくるんだって!」
少女「へぇ、そうなんだ」
友A「し、か、も!なんとかなり渋くてカッコいい!・・・らしい!」
少女「・・・らしい?」
友A「らしい」
少女「それはまた、あやふやな情報だね」
友A「だって私だって噂に聞いただけだもん」
少女「相変わらずAちゃんはうわさ話とか好きだね」
友A「うん大好き・・・大好き」
少女「え?ちょ、そんな無駄に真面目な顔で言われても困るよっ」
友A「はははwwwwあんたはホントにからかいがいがあるねーwwww」
少女「・・・んもぅ!」
ガラガラ
教師「はいおはよー!席つけー」
友A「あ、きたきた!さってと、どんな子かなー♪」タッタタッタッ
少女「スキップしながら席に戻らなくても・・・」

8 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:40:30 ID:V7GrMCzn
クラス「ざわ・・・ざわ・・・」
教師「ほらほら、話があるから静かにしろ」
ガタッ
女A「先生っ!話って転校生の事ですかー!」
教師「んー?なんだぁ?もう噂が出回ってるのか」
女A「ってことは・・・」
教師「その通り!今日からこのクラスの一員となる奴がいる」
男B「野郎ですかー!女の子ですかー!それとも・・・まさか!」ドッ ワハハ
教師「まぁ見りゃ分かるだろ、入ってきて良いぞー」

ガラガラ

転校生「・・・」

女子「きゃわー!!かっこいー!!」
男子(・・・チッ、野郎かよ)
教師「じゃあ、定番の自己紹介をよろしく」

転校生「・・・少年です、よろしくお願いします」

パチパチパチパチ
クラス(普通だ・・・)
教師(普通だな)
少女(・・・なんだか緊張してそう)

9 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:43:16 ID:V7GrMCzn
教師「それじゃあ席はあそこの窓際一番後ろだ、特等席だぞー」
少年「・・・」タスタスタス

少女(私の隣だ・・・)

教師「じゃあ、そういうことで、後の事はみんなよろしく頼む」
男A「うわテキトー!」
女A「それでも教師か!!」
教師「はーいはい、じゃあ出席とるぞー、男A」
男A「なんて担任だ・・・はいよ」
教師「男B」
男B「はい」
少女「・・・」
少年「・・・」

少女(き、きまずい・・・)

10 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:44:38 ID:V7GrMCzn
女A「ねぇねぇ!少年君はどこから来たの!」
女B「6月に転校って珍しいねー!」
女C「趣味は?好きな食べ物は?」
少年「・・・」ムッ
女D「ねー、黙ってないで何か言ってよー」
女E「緊張してるんだよね?そうだよね?」
女F「何か分からない事ある?何でも聞いてね!」
少年「・・・」ムッ

少女(なんだか凄いしかめ面をしてるけど・・・大丈夫かな)

女A「そ、そんな睨まないでよー!」
女B「そうだよ!何か言いなってば!」
少年「・・・」ムッ
女C「・・・ま、まぁいいや、もう次の授業だし、いこ」
女D「そうだね・・・いこっか」
タタタッ

少年「・・・」

少女(・・・だ、大丈夫かな、この人、何か怖いなぁ)

11 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:47:06 ID:V7GrMCzn
そして時は加速し放課後

少女(結局あれから誰も寄らなくなっちゃったなぁ)
少女(無理もないかも、だってずっと怖い顔してるんだもん)
少女(これからずっとあんな顔を隣に授業を受けなきゃいけないのかな・・・)
友A「・・女・・・少女!」
少女「ふぇっ!?な、なに?」
友A「あんた、ウサギの餌やり行かなくていいの?」
少女「え?・・・あ、そうだった!」
友A「しっかりしなさい飼育委員wwww」
少女「ご、ごめん、先帰ってて!」
友A「はいはい、じゃあまた明日ねー」
少女「うん!また明日ー!」トットット
友A「・・・うーん、考え事してるときの少女は、人を殺せる可愛さね」

12 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:50:20 ID:V7GrMCzn
少女「うわぁ、30分も遅れちゃってる、急がなきゃ」トットットットット
少女「ついたぁ・・・ってあれ?」

少年「・・・」

少女(あ、あの人だ、飼育小屋の前で何してるのかな・・・?)
少女(しかもちょうど小屋のドアの前にいるし・・・)
少女(うぅ・・・でもこれ以上遅れるわけにはいかないし、行くしかないよね)

少女「あ、あの〜・・・」
少年「・・・?」
少女「すいません、うさぎに餌をやりたいんですけど・・・」
少年「・・・あぁ、そうか、すまん」
少女「い、いえいえ!こちらこそ〜・・・」カチャ ギッ
少年「・・・」
少女「・・・」
ウサギ「もぐもぐ」
少年「・・・」
少女「・・・」
ウサギ「もぐもぐ」

少女(や、やっぱりきまずいよぉ〜・・・)

13 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:54:16 ID:V7GrMCzn
少女「う、うさぎ!」
少年「?」
少女「うさぎ、好き、なんです・・・か?」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「ひっ・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・あ、えと、変な意味じゃなくて!」
少年「・・・?」
少女「べ、べつに、男の人がウサギ好きでもおかしくないと思いますし!むしろその方がイメージ良いと言いますか!」
少年「・・・」ムッ
少女「だ、だから、その・・・あんまりそんな目で睨まないでください・・・」ウルッ
少年「・・・」
少女「・・・?」

14 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:56:51 ID:V7GrMCzn
少年「・・・あぁ、そうか、すまん」
少女「い・・・え?」
少年「どうも、考え事してるとこの顔になっちまうみたいでな」
少女「・・・そうなんですか?」
少年「ああ」
少女「それはまた・・・難儀な癖ですね」
少年「まったくだ」
少女「はぁ・・・なるほど」
少女(クラスの人たち相手にしかめ面してたのは、なんて答えようか迷ってたから、かも?)
少年「・・・」ムッ
少女「・・・へっ?」
少年「敬語やめろよ」
少女「・・・あ、その・・・ごめんなさい」
少年「いや、そうじゃなくて、あー・・・なんて言えば良いんだ?」
少女「?」
少年「敬語、やめないか?」
少女「・・・えっ、と?」
少年「違うな・・・敬語やめてください・・・いや、それじゃ俺が敬語か」
少女「・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・くすっ、ははww」
少年「?」
少女「少年さんって、面白い人ですねwww」
少年「・・・そうか?」
少女「はいw」

15 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/12(土) 23:59:59 ID:V7GrMCzn
少年「・・・敬語、良かったらやめてくれると、ありがたい」
少女「そ、うですか?」
少年「ああ」
少女「はい、わk・・・うん、わかった」
少年「それと、『少年さん』じゃなくて『少年』でいい」
少女「少・・・年・・・」
少年「ああ」
少女「く、君!!せめて君付けで////」
少年「・・・まぁそれでもいい」
少女「わ、わかった、少年君」
少年「ああ」
少女「少年君」
少年「なんだ」
少女「・・・少年、君」
少年「・・・だから、なんだ」
少女「へっ!?あ、いや、なんでもない!練習だよ練習///」
少年「変な奴だな」
少女「は、ははwwww」

少女(男の人を名前で呼んで会話するなんて、凄く久しぶりかも・・・)

16 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:04:07 ID:AyQKy0lR
少年「・・・ふぅ〜」
少女「どうしたの?」
少年「いや、転校初日で、一人ぐらいは話せてよかったなと」
少女「そっかwww」
少年「正直、自信無くてな」
少女「大丈夫だよ、クラスのみんな優しいし」
少年「・・・そうだな」
少女「うん、直に打ち解けられるって」
少年「・・・そういえば、お前隣の席の奴だよな」
少女「ふぇ!?お、覚えててくれたんだ」
少年「そりゃ、隣の奴ぐらいは」
少女「そ、そっか、そうだよね」
少年「俺、うまく話せないことがあるかもしれないが、これからよろしくな」
スッ
少女「・・・え?」
少年「ん?」
少女「・・・こ、この手は?」
少年「握手だが?嫌か?」
少女「う、ううん!そんな!ことは!」
スッ ギュ
少年「よろしくな」
少女「・・・よ、よろしく////」

少女(ご、ごつごつしてる・・・男の人の手だぁ////)

17 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:06:46 ID:CQC4Sicg
スレ立てたんだ

18 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:12:19 ID:62+PoxTj
なんか初々しくてかわいい

19 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:26:12 ID:AyQKy0lR
教師「お、いたいた、おーい少年!お前放課後になったら職員室来いって言ったろー!」
少女「あ、先生」
教師「あれ?・・・あれれれれれれ!?もうですか!?もうなんですか!?」
少年「?」
少女「?」
教師「いやあ、早いなぁ、しかも少女に目を付けたか、うんうん、分かってるなお前」
少女「あの〜・・・なんの話ですか?」
教師「いい!みなまで言うな!!先生は分かってるから!」
少女「私たちが分かってないんですけど・・・」
教師「だがすまんな、いい雰囲気のところ悪いが、少年と話があるから」
少年「・・・そうだった」
教師「ったく、まぁいいや、それじゃあこっち来て、少女も飼育委員のお仕事よろしくな」
少女「は、はい」
少年「・・・」ムッ
タスタスタス

少女(・・・なんだったんだろう?)

20 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:29:08 ID:AyQKy0lR
>>17
ああ、いろんなスレの人にお世話になった、ありがとう
責任もって>>1000まで持ってくよ

そしてすまんな、夜勤しながらだから投下間隔まちまちになっちまう
とりあえず今日は30レス分ぐらい上げる予定

21 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:31:38 ID:AyQKy0lR
少女「ふぅ、終わった」
少女「あ、もうこんな時間か、帰らなきゃ」
トットット

少年「・・・ん?」
少女「あ、少年君!」
少年「・・・おぅ」
少女「お話は終わったの?」
少年「たった今な」
少女「そっか」
少年「・・・一緒にいくか?」
少女「え?どこに?」
少年「いや、普通に帰るだけだが・・・」
少女「・・・あ、あー!と、途中までって意味か!」
少年「ああ、いや、別にいやならいいんだが」
少女「そ、そんなことない!い、いこういこう!」
少年「・・・そうか?」
少女「う、うん!」

少女(帰り誘われるなんて久しぶりすぎる///)

22 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:32:45 ID:AyQKy0lR
少年「お前もこっちの道なのか?」
少女「うん、割と近所だったりしてね」
少年「そうかもしれん」
少女「少年君は引っ越して来たんだよね?」
少年「ああ」
少女「一戸建て?」
少年「一応な」
少女「そっかぁ、お金持ちだね」
少年「そんなことはない、と思う」
少女「お家広い?」
少年「いや、そんなに」
少女「そっかぁ」
少年「お前はどうなんだよ」
少女「うちも一戸建てだけど、あまり広くないなぁ」
少年「似た者同士か」
少女「そうだねwww」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・?」
少年「何かお前って」
少女「う、うん?」
少年「質問がおばちゃんみたいだな」
少女「・・・・・・・・!!」


ちょい席外す

23 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:39:19 ID:jT3NEJp9
このシリーズ好きなので、がんばってもらいたい
とりあえず、総合スレにあげてあるレスをすべて転載するんだ
話はそれからだ

↑うわ、めっちゃ上から目線ww
とにかく、がんばって! 応援してる☆

24 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 00:49:30 ID:CQC4Sicg
確かスレ立て直後は支援いらないんだよね?

25 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 01:02:54 ID:AyQKy0lR
隙を見つけて投下


T字路

少年「お前このまま真っすぐか」
少女「うん、少年君は左?」
少年「ああ」
少女「そっかぁ、じゃあここでお別れだね」
少年「そうだな」
少女「今日は話せて良かったよ」
少年「そりゃこっちの台詞だ」
少女「え?あ、そっか」
少年「・・・面白い奴だな」
少女「そ、そうかな?」
少年「いや、よくわからんが」
少女「えぇ・・・」
少年「・・・」
少女「・・・クスッ」
少年「・・・フッ」
少女「じゃあ、また明日ね」
少年「ああ、また明日」
少女「ばいばい!」ヒラヒラ
少年「ば・・・じゃあな」タスタスタス

26 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 01:43:27 ID:AyQKy0lR
少女「ただいまー」
母親「あら、おかえり」
少女「夕飯の前にお風呂はいる時間ある?」
母親「ちゃっちゃと入ってくれるなら、いいわよ」
少女「入ってくるー」トトトッ

風呂にて

チャポン
少女「ふー、今日も疲れたなぁ」
少女(・・・転校生の、少年君、か)
少女(最初は気難しそうな人だと思ったけど・・・)
少女(話してみると、案外普通だったなぁ)
少女(これからうまくやっていけるかなぁ)
少女(私って、あんまり人と話すの得意じゃないからなぁ)
少女「・・・からだ洗お」ジャバ

27 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 01:51:35 ID:AyQKy0lR
ゴシゴシ

少女(そもそも男の人となんて、どれぐらい話してないだろう)
少女(うぅ、今考えたら結構勇気あるなぁ、3時間前の私)
少女(でも、少年君となら、仲良くなれるかな)
少女(少年君は無口だけど、なんていうか・・・)
少女(・・・考えても仕方ない、か)
少女「なんとかなる、よね」
ジャー
少女「って、わ!泡が目に・・・ふえ」

少年「ん?」

少女「・・・え?」

カポーン

28 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 01:56:18 ID:AyQKy0lR
少女「え、っと、何で、窓の外に、少年君、が・・・?」
少年「・・・いや、俺はただトイレに」
少女「もしかして、少年君の家って、うちの裏?」
少年「そう、みたいだな」
少女「へぇ〜、うちのお風呂と少年君の家のトイレが、ちょうど向かい合ってるのかぁ」
少年「そう、みたいだ、な」
少女「・・・こういうときって、叫ぶべきなのかな?」
少年「・・・えっと、多分」
少女「・・・」
少年「・・・」
少女「・・・!!//////」カオマッカァ~
少年「いや待てやっぱり待て俺が悪かったっ!!」バタムッ

29 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:11:16 ID:AyQKy0lR
風呂上がり

少女「び、びっくりしたぁ〜・・・////」
少女「まさか、こんな近くなんて思わなかった」
少女「いや、というより、どうしてお風呂とトイレが向かい合うなんて言う設計を・・・」
少女「普通だったらあり得ない・・・よね?」
少女「・・・」

『あなたも素敵な青春ライフを送れるようにして差し上げましょう!』

少女「・・・まさか、ね・・・?」

30 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:15:59 ID:AyQKy0lR
少女「神様なんて、小学生じゃないんだから、信じるわけ・・・」
少女「・・・」
少女「でも、もし本当だとしたら?」
少女「もし、神様が用意してくれた、せーしゅんらいふのチャンスだとしたら・・・」


『ねぇねぇ、今日転校生がくるんだって!』

『・・・敬語、良かったらやめてくれると、ありがたい』

『お前もこっちの道なのか?』

『ば・・・じゃあな』

『いや待てやっぱり待て俺が悪かったっ!!』


少女「・・・」
少女「これから楽しくなりそう、かな・・・///」

31 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:26:11 ID:AyQKy0lR
翌日
少女宅・庭にて

少女「ぼっくらはみ〜んな〜い〜きてっいっるっ〜♪」シャー
少女「いきっているから・・・ふ、ふんんんんん〜♪」シャー
少年「・・・『歌うんだ』だろ」
少女「ああ、そっか・・・って、うわ!?しょ、少年君!!」ドバァー
少年「おはよう」
少女「お、おはよう・・・どうしたの、ジャージなんか着て」ジャー
少年「ランニングだ」
少女「そっかぁ、朝早いんだね」ジャー
少年「お前こそ、こんな早くに何してるんだ?まだ6時前だぞ」
少女「私は庭の花に水やりを・・・って、うわぁー!!あげすぎあげすぎ!!」ジャ…チョロチョロ
少年「その為に、こんな時間に?」
少女「へ?あ、うん、そうだよ」
少年「偉いんだな」
少女「そんなことないよ、好きでやってるだけだし、少年君だって同じでしょ?」
少年「まぁ、な」

32 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:26:18 ID:TzbFWQYw
モブとは名ばかりで完全に主役だなと感じた

33 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:32:07 ID:AyQKy0lR
>>32
実はそれメインテーマだったり、詳しくはネタバレになるんで言えないが・・・
このssは「本当ならモブの少女が主役の話」と思ってくれると、すんなり読めるかも


少女「毎朝走ってるの?」
少年「ああ」
少女「へぇ、どれぐらい?」
少年「適当だ、前に住んでたところは5駅分ぐらい走ってたが、ここら辺はまだ地理がよくわからないから、そこらで済まそうかと」
少女「5駅分かぁ、結構走ってたんだね」
少年「ああ、距離にして往復10kmぐらいか」
少女「え、うわぁ、凄い!」
少年「そんなことねぇよ」
少女「私なんて体育の授業は200m走っただけでギブアップしてるよ」
少年「それは・・・もっと頑張れ」
少女「あはは、いくらインドア派とは言っても、体力は必要だよね」
少年「でも、早起きしているだけましかもな」
少女「そう、かな?」
少年「ああ」
少女「そっか・・・って、ごめんね、引き止めちゃって」
少年「いや、いい暇つぶしになった、こっちこそありがとな」
少女「う、ううん!そんな///」
少年「じゃ、俺は行ってくる」
少女「あ、う、うん!行ってらっしゃい!」
少年「おう」タッタッタ

少女「・・・誰かに行ってらっしゃいって言うの、なんかいいなぁ///」

34 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:39:07 ID:AyQKy0lR
約1時間後

少女「さて、そろそろ学校に行かなきゃね」
少女「・・・少年君、帰ってきてるのかな?」
少女「もし帰ってきてたら、一緒に・・・」
少女「って、ハッ!?わ、わたし何そんな大それた事///」
少女「・・・い、いいや、普通に一人で行こ」
母親「少女〜、あなたそろそろ行かなくていいの〜?」
少女「いまいくーっ」

ガチャン
少女「行ってきまーす」
少女「今は・・・7:20分か、走っていけば間に合うかな」トットット

少年「・・・」ヌッ

少女「う、うわぁっ!?」

ドンッ

35 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:44:15 ID:AyQKy0lR
少女「あ、つぅ〜・・・」
少年「ん?あ、すまん」
少女「少年君・・・ううん、大丈夫」
少年「怪我してないか?」
少女「綺麗に尻餅ついたから、大丈夫だよ、少年君は・・・って、微動だにしてない・・・」
少年「体格差だろ」
少女「はは、少年君大きいもんね」
少年「しかし、もう登校か?早いな」
少女「うん、色々やる事があるから・・・少年君は今帰ってきたのかな?」
少年「ああ」
少女「そっか、じゃあお先だね」
少年「あ、待ってくれ」
少女「へ?」
少年「俺も一緒に行っていいか?」
少女「!!う、うん、か、かまわない、よ?////」
少年「実は、まだ学校までの道を覚えてなくてな」
少女「そう、なんだ」
少年「すぐに支度してくるから、10分ぐらいここで待っててくれないか?」
少女「うん、分かったよ」
少年「すぐに戻る」タッタッタ
少女「急がなくて大丈夫だよ〜!!・・・いっちゃった、速いなぁ」
少女「・・・」
少女「・・・一緒に登校・・・」
少女「・・・」
少女「・・・///」

36 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 02:56:11 ID:AyQKy0lR
5分後

少年「すまん、待たせた」
少女「は、早いね、まだ全然時間経ってないよ?」
少年「着替えるだけだったからな」
少女「そっか、男の子は楽でいいなぁ」
少年「女だって同じようなもんだろ」
少女「全然違うよぉ〜、髪の毛に、シャワーに、制服の着こなしとか・・・」
少年「面倒だな」
少女「その手間を惜しんで変に見られるよりは、ずっとましだよ」
少年「なるほど」
少女「うん」
少年「それでお前はやたら綺麗に見えるのか」
少女「そうだね・・・ん!?」
少年「いや、なんていうか、清潔感?みたいなもんを感じる」
少女「あ、あぁ、清潔感ね、そうだよね・・・」
少年「ん?」ムッ
少女「な、なんでもないよ!行こっか!///」
少年「・・・?」ムッ

37 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 03:02:50 ID:AyQKy0lR
学校

少女「・・・今通ってきたのが学校までの道だけど、大丈夫?」
少年「ああ、なんとか」
少女「大通りに出て真っすぐ行けばそれでもいいんだけど、この道の方が5分ぐらい近いから、こっち覚えとくといいかも」
少年「ああ・・・しかし小さい路地を結構使ってるから、一日で覚えるのは難しそうだ・・・」
少女「そう?」
少年「ああ、道を覚えるのは苦手でな・・・」
少女「・・・な、なら、さ?」
少年「ん?」
少女「あ、明日も、い、一緒に、行く?///」

少女(うわーっ!!私何言ってんのーっ!!!////)

少年「いいのか?」
少女「う、うん、一人で通うよりは、二人で行った方が楽しいし・・・」
少年「そうか?」
少女「うん、あ、もちろん、少年君が嫌じゃなかったらの話だけどっ!!」ヒラヒラ
少年「そんなことはない」
少女「そ、そう?」
少年「ああ、そうだな・・・じゃあ道を覚えるまで、お願いできるか?」
少女「う、うん!!///」

少女(や、約束してしまった・・・)

38 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 03:08:03 ID:AyQKy0lR
少年「にしても、毎日こんな朝早く来てるのか?」
少女「うん」
少年「用があるって言ってたが」
少女「うん、えっと、ウサギに餌を上げたり、花壇に水を上げたり、教室のお花を換えたり・・・」
少年「教室の花?あれってお前が生けたやつなのか?」
少女「そうだよ」
少年「それも、飼育委員の仕事か?大変だな」
少女「はは、違うよ、これは私が好きでやってるだけ」
少年「ん?」ムッ
少女「飼育委員の仕事は、ウサギに餌を上げておしまい」
少年「そうなのか」
少女「うん、そもそも飼育委員って呼ばれてるけど、うちの学校にはそんな委員会なんて無いんだ」
少年「どういうことだ?」ムッ
少女「もともと好きでお花の水やりに毎朝来てたんだけど、去年の夏ぐらいから校長先生がウサギを飼いはじめて、そのお世話を私がやらせてもらってるの」
少年「・・・ん?」ムッ
少女「朝と夕方の餌やりだったらついでだから苦でもないし、ウサギ好きだし」
少年「ふん?」
少女「そんな事をしてたら、友達から飼育委員って名付けられちゃって、それでそう呼ばれてるだけ」
少年「・・・つまりお前は、わざわざ朝早くに来て人の為に色々やってるってことか?」
少女「そ、そんな大げさな!好きでやってるだけだってば」
少年「・・・偉いな、本当に」
少女「も、もぅ!からかわないでよ////」トットット
少年「からかっているわけじゃないんだが・・・」

39 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 03:13:46 ID:AyQKy0lR
教室

少女「よい、しょっと」
少年「時間は・・・7:30か」
少女「うん、まだ誰も登校してこないと思う」
少年「そりゃそうだ」
少女「というか、そう言う時間を選んできてるし・・・」
少年「ん?なんでだ?」ムッ
少女「だ、だって・・・」
少年「・・・?」ムッ
少女「誰かに見られたら、恥ずかしいし・・・///」
少年「恥ずかしい?花の水やりとかを?」
少女「う、うん///」
少年「別に恥ずかしがる事は無いだろ」
少女「む、むりだよ、何してるんだろうって思われるし・・・」
少年「素直に言えばいいじゃないか」
少女「そんな・・・私にはハードル高いよ///」
少年「そんな事無いと思うけどな・・・」
少女「と、とにかく、まずは花壇に行って水やりしなきゃ」
少年「ああ・・・俺もついていっていいか?」
少女「へ?う、うん、いいけど、つまらないと思うよ?」
少年「いや、案内してくれた礼だ、手伝わせてくれ」
少女「そ、そう?」
少年「ああ」
少女「じゃ、じゃあ行こっか」

少女(一緒に行く人がいるって、なんか新鮮だなぁ)

40 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 03:20:08 ID:AyQKy0lR
花壇前

少女「ごめんね、付き合わせちゃって」シャー
少年「いや、俺から言い出した事だ」
少女「そうだけど・・・まだ始業まで45分もあるよ」
少年「朝ゆったりするのはいい事だ」
少女「そう?」
少年「ああ、感謝してるぞ」
少女「そ、そんな///」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・?///」
少年「・・・」ムッ
少女「少年君?」
少年「・・・なんだ?」
少女「ううん、今、むっ、ってなってたから」
少年「ああ、いや、なんでもない」
少女「?」
少年「本当に何でもないんだ」
少女「そう?」
少年「ああ、これ運んでそれ終わったら餌やりか?」
少女「うん・・・」
少年「分かった」
少女「・・・?」

少女(考え事、だよね?何考えてたのかな)

41 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 03:23:04 ID:AyQKy0lR
とりあえずここまで
明日の夜にまた投下するが、これほど多くはないと思う
付き合ってくれた方有り難う

42 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 09:23:14 ID:xC8blDIr
転載終了どころか続きまできてたww
GJです! 深夜まで乙です!
青春だなあ… 

43 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 10:41:32 ID:TzbFWQYw
我輩は>>32である
どうやら無粋なことを言ってしまったようだ……




わっふるわっふる!

44 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 15:28:12 ID:CQC4Sicg
マスター、わっふるを一つ貰おうか

45 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 17:38:29 ID:AyQKy0lR
投下再開


ウサギ小屋前

ウサギ「ニンジンうめぇwwwww」
少女「そう言えば、昨日はここで何してたの?」
少年「ん?ああ、ただ単に道に迷ってな」
少女「道に?」
少年「学校の中を見て回ろうと思ったんだが、思った以上に広くて」
少女「はは、そうだね、特別校舎もあわせると、結構大きいね」
少年「そしたらここにでて、ウサギがいたから、何となく眺めてた」
少女「そっか」
少年「だから、昨日で把握できたのは教室と、階段の場所と、このウサギ小屋だけだ」
少女「他はまだ?」
少年「ああ」
少女「・・・」
少年「・・・」
少女「よ、よかったら、お花を生けるついでに案内しようか?」

少女(また私は何を言って!?////)

少年「本当か?」
少女「う、うん、よければだけど・・・」
少年「それは助かる、頼めるか?」
少女「うん、分かった////
少年「すまんな、何から何まで」
少女「ううん!!そんな、気にしないで!!」
少年「ありがとな」
少女「そんな・・・///」
少女「・・・」ムッ
少女「///」
少年「・・・」ムッ
ウサギ「うめぇwwwww」

46 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 17:46:37 ID:AyQKy0lR
下駄箱

少女「ここは下駄箱・・・ってもう知ってるよね」
少年「ああ」
少女「うちの学校は1階が3年生、2階が2年生、3階が1年生ってなってて、下駄箱は左から順番に1年生、2年生、3年生ってなってるの」
少年「階段に一番近いのは3年か」
少女「うん、でも校舎自体は6階まであるから、教室移動とか考えると必ずしも3年生がらくちんとは言えないと思う」
少年「なるほど」
少女「ちなみに階段の真横にあるのが購買、ノートは勿論、文房具からお弁当まで売ってくれる生徒の味方だよ!」
少年「世話になりそうだな」
少女「少年君はお弁当は持ってくるの?」
少年「いや、とてもじゃないが、毎朝用意するのは大変そうだ」
少女「お母さんとかが作ってくれたりは?」
少年「うちは父子家庭だからな」
少女「あ・・・」
少年「いっとくが、気にする事じゃない」
少女「う、うん、ありがとう」
少年「・・・」ムッ
少女「少年君?」
少年「いや、なんでもない、次頼む」
少女「うん・・・?」

少女(やっぱり、触れちゃいけないことだった、のかな?)

47 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 17:54:39 ID:AyQKy0lR
教室 2−D

少女「私たちの教室はここ、中央の階段からは遠いけど、隅っこで落ち着けるから、私はこの位置好きだなぁ」
少年「トイレも近いな」
少女「え?あ、べ、別にそう言う意味で『落ち着ける』って言ったわけじゃ!!///」
少年「ん?」ムッ
少女「あ、いや、なんでも、ない、です///」
少年「お前が花を生けてる花瓶って、あれか?」
少女「え?う、うん、ごめんね、ちょっと換えてくる」トットット
少年「ああ」

少年(今は・・・8時ちょい前か)
少年(この時間になっても、人が来る気配がない)
少年(それもそうか・・・私立は電車通学が普通だもんな)
少年(・・・思ってみれば、よくこの学校に入れたもんだ)
少年(地元にあるからって軽い気持ちで受けたが、まさか私立とは)
少年(後から調べたらそこそこの偏差値があったはずなのに)
少年(どうして俺みたいな馬鹿が入れたのか・・・)

トットット
少女「ごめんね、おまたせしました」

少年(・・・まぁいいか)

少女「?」

48 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 18:05:24 ID:AyQKy0lR
教室 2−C

少女「ここがお隣さんのクラス、C組だよ」
少年「ああ、見れば分かるが・・・」
少女「ごめんね、またお花換えてくるね」トットット
少年「あ・・・ああ?」

教室 2−B

少女「階段を挟んだここがB組」
少年「ああ・・・」
少女「ごめん、また換えてくるね」トットット
少年「・・・」ムッ

教室 2−A

少女「その隣がA組、今日はお花を換えるのはここで最後だよ」
少年「・・・なぁ」
少女「へ?」
少年「まさかとは思うが、毎朝2年生全部の教室に、花を生けてるのか?」
少女「え?ううん?」
少年「だよな・・・今日だけだよな」
少女「お花を買えてるのは全部の教室だよ?」
少年「・・・あ?」

49 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 18:25:16 ID:AyQKy0lR
少年「つまり、あれか」
少女「うん?」
少年「お前は、朝市で学校に来て、花壇の花に水をやり、ウサギの世話をし、全ての教室に花を生けている、と?」
少女「う、うん、お花は数日置きに学年をずらしてだけど・・・」
少年「・・・何でそんな面倒な事を」
少女「面倒と感じた事はないかなぁ、さっきも言ったと思うけど、これは私の趣味みたいなものだから」
少年「・・・花、好きなのか?」
少女「お花が好きなのは勿論だけど・・・綺麗なお花を見て皆が気持ちよくなってくれたら、それが一番嬉しいかな」
少年「そうか・・・」
少女「うん・・・変、かな?」
少年「そんなことはない、全くない」
少女「そ、そう?」
少年「ああ、感心して呆気にとられただけだ、凄いなお前」
少女「そ、そんな///」
少年「俺はてっきりうちのクラスだけかと思っていたが、全クラスとは・・・大変だな」
少女「そ、そんなに大変じゃないよ、今日は2年生の教室全部だったけど、明日は3年生の教室と理科室と音楽室・・・」
少女「そんな感じにローテーションでやっていけば、効率もいいし、お花も長持ちするし、簡単だし・・・」
少年「そうか・・・でも凄いと思うぞ」
少女「あ、ありがとう・・・///」
少女「・・・って、あ!そうだ、今日はもう一つ換えるところあったんだ!」
少年「ん?どっかの学年のところか?」
少女「ううん、校長室だよ」
少年「・・・あ?」

50 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 18:38:27 ID:AyQKy0lR
校長室

コンコン
校長「はいはい」
少女「失礼します、お花を換えにきました」
校長「おー、よくきたの、頼むわい」
少女「はい」ガチャ
少年「・・・失礼します」
校長「ん?そちらの生徒さんは確か・・・」
少年「今度こちらの学校に通う事になった少年です、よろしくお願いします」カクリ
校長「ああ、ああ、そうじゃった、そうじゃった、面接の時に一度あったのう」
少年「はい」
少女「そうなんだ?」
少年「ああ」
校長「今日は・・・少女ちゃんのお手伝いかの?」
少年「・・・そんなところです」
校長「ほほ、感心、感心」
少女「・・・あれ?校長先生、このお花・・・」
校長「あぁ、それのう、この間理事長が珍しく『お土産』とか言って持ってきてのう」
少女「そうなんですか・・・ところで、このお花の名前って、ご存知ですか?」
校長「はて、なんだったかのう、クチャナン・・・とか言っとった気がするが」
少女「これはくちなしの花、ですよ」
校長「ああ、そうじゃ、くちなしじゃ、くちなし」
少女「花言葉は、『ささやかな喜びを運ぶ』、教頭先生の思いが込められた、とても素敵な花ですね」
校長「ほっほっほ、それはまた、あとで礼を言っとかねばのう」

51 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 18:49:47 ID:AyQKy0lR
校長「しかし、少女ちゃんのお花に比べたら、少し元気がないように見えるの」
少女「そんなことないですよ、きっとお店で買ってきたものだと思います、素人の私が育てたのよりも全然つやがあって綺麗です」
校長「いやいや、飾るだけで凛とした佇まいを持つ少女ちゃんのお花の方が、わしは好きじゃよ」
少女「はは、ありがとうございます!」
少年「・・・」ムッ
少女「じゃあ、お花はこのままにしておきますね、失礼しました」
少年「失礼・・・しました」
校長「ふむ、また来ておくれ」
少女「はいっ!」

ガチャ バタン

少女「・・・」
少年「凄いな、校長室まで足を運んでるのか」
少女「・・・」
少年「・・・どうした?」ムッ
少女「・・・え?あ、ううん、なんでもない・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・そろそろみんなが来る時間だね、教室に戻ろうか」
少年「ああ・・・」

少年(・・・なんだ?)

52 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 19:04:24 ID:AyQKy0lR
朝のHR

教師「あいおはよー、出席とんぞー」
男A「先生よぉ、もうちょい寝癖直してこようぜ」
女A「うっわボッサボサじゃん、教師の前に大人としてどうなのそれ?」
教師「うるせぇな・・・目覚ましぶっ壊れてて寝坊したんだよ・・・文句あっか!!」
男A「逆切れかよwwww」
女A「サイテーwwww」
教師「あーあーあーあーいいから席付け、ほらほら・・・」

『この間理事長が珍しく『お土産』とか言って持ってきてのう』

少女(・・・くちなし)
少女(『純潔』や『喜びを運ぶ』って花言葉もあるけど・・・それは西洋の方の言い方、だよね)
少女(たしか、日本での花言葉は・・・『沈黙』?うん、たしかそうだ)
少女(“死人に口無し”とも言うし、名前からして、昔からこのお花は“死”を連想させるものとして、避けられてた、はず)
少女(それをわざわざ持ってきたと言う事は・・・)
少女(理事長に限ってそう言う意図で持ってきたとは言えないと思うけど)
少女(万が一、そうだとしたら・・・?)
少女(最近、校長先生が元気ないなとは、感じたし)
少女(・・・なにか、あるのかな)

教師「・・・女・・・少女ー!」
少女「ふぇっ!?は、は、はいっ!!」
教師「どうしたボーッとして」
少女「あ、いや、す、すいません・・・///」
少年「・・・」ムッ

53 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 19:17:05 ID:AyQKy0lR
その頃職員室

理事「ふぅ・・・」
体育「おや、どうしたんですか理事長、そんなに長いため息ついて」
理事「ああ、いえ、なんでもないわ」
体育「ここのところお疲れでしたからね、今日は週の中日ですし、ゆっくりされては?」
理事「そうもいかないわよ、この記念工事の件でまとめなきゃ行けない事沢山あるんだから」
体育「はは、そうでした、でも無理なさらないでくださいね」
理事「ええ、ありがとう、あなたも運動のし過ぎで腰痛めないようにね」
体育「大丈夫ですよ!・・・とも言ってらんないんですよね〜、なにせ最近・・・」

理事(寄付金は思った以上に集まらなかったわね・・・)
理事(・・・どうしてこう、物事って上手くいかないものかしら)
理事(あの人もくだんの件について消極的だし)
理事(・・・やはり、私がなんとかするしか)

体育「・・・ってわけなんですよ〜ははwwww」
理事「大変ね、頑張らなきゃ」
体育「ええ、頑張りますwwww」
理事「覚悟決めなきゃね」
体育「え、そこまでしなきゃ駄目ですか」
理事「え?」
体育「え?」

54 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 19:31:54 ID:CQC4Sicg
なんかサスペンスな展開になってきた?

55 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 19:39:26 ID:AyQKy0lR
HR後

友人「しょ〜う〜じょっ!」ガバッ
少女「ひゃっ!な、なに?」
友人「見たわよ〜、少年君と朝二人きりで話してるところ」
少女「え?」
友人「あんたいつのまに仲良くなってたの」ニヨニヨ
少女「あ、いや、う、うちがたまたま近所で」
友人「近所!?もしかしてお隣さん!?」
少女「ううん、裏っかわ、だけど・・・」
友人「裏!?裏隣!?」
少女「う、うん」
友人「なにその素敵青春シチュエーション!!!」
少女「ゆ、友人ちゃんまでそんな事言わないでよ・・・」
友人「だってあんた、これはチャンスよ!」
少女「ちゃんす?」
友人「そう!英語で言うとチェ〜ンス」
少女「それ一緒だよ・・・」
友人「ああ!とうとう少女も私の手を離れて遠くまで行ってしまうのね!!」
少女「えぇ・・・意味分からないよ・・・」
友人「そのドン引きも今までとは違うわー!!距離を感じるわー!!」
少女「相変わらず朝からテンション高いね・・・」
友人「うざい?」
少女「ううん、全然」
二人「へへへへwwww」

56 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 19:54:22 ID:AyQKy0lR
友人「まぁそんなやり取りは置いといて、これは凄い事よ」
少女「そうかなぁ」
友人「そうよ!あんたいままで男の子と仲良くなった事とかないじゃない」
少女「う、それ言わない約束だよ・・・」
友人「でも!あの少年君と仲良くなれたら、きっと世界が変わると思うのはホントよ」
少女「そんな大げさな」
友人「大げさじゃないわ、まぁ、確かに私の望むような展開になるとは限らないけど」
少女「それって?」
友人「それはもちろん・・・ムフフフフwwww」
少女「な、なに?」
友人「こいびとよ、こ・い・び・と!!」
少女「こっ!!////」
友人「そりゃ、男と女が親密になったら、あとはもう行くとこまで行くしか無いでしょー」
少女「い、いく、とこって!!そ、そんなんじゃないよぉ!///」
友人「わかってるわよ、あんたにしてみたら男の人と話すので精一杯でしょ」
少女「う、ま、まぁ・・・」
友人「だから、その男性苦手癖をなおす、いい機会だって話」
少女「う、う〜ん・・・」
友人「ま、いい事だと思うわ、頑張ってみなさい」
少女「・・・」

少女(これも、あの神様の筋書き通り、なのかな?)

57 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 20:06:02 ID:AyQKy0lR
授業中

少女「・・・」カリカリ
少年「・・・」ボケー
少女「・・・」カリカリ
少年「・・・」ボケー
少女「・・・」カリ…
少年「・・・」ボケー
少女「・・・」チラッ
少年「・・・」ボケー
少女「・・・」ジー
少年「・・・」ボケー
少女「・・・」…カリカリ
少年「・・・」ボケー
少女「・・・」チラッ
少年「・・・」ボケー

少女(び、微動だにしないのはちょっと怖いなぁ・・・)

58 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 20:16:25 ID:AyQKy0lR
少女「あの・・・」
少年「・・・?」ムッ
少女「のーと、とらないの?」
少年「・・・忘れた」
少女「・・・のーとを?」
少年「ああ」
少女「そ、そっか・・・」
少年「・・・」ボケー
少女「る、るーずりーふでよかったら、あげようか?」
少年「・・・いや、大丈夫だ」
少女「でも、何もとらないのは良くないよ」
少年「・・・」ムッ
少女「これ、使って」ペラ
少年「・・・すまんな」
少女「ううん、気にする事じゃないよ」
少年「・・・!」ハッ
少女「え?」
少年「・・・ありがとな」
少女「あ、うん、どういたしまして」

少女(律儀だなぁ、やっぱり怖い人じゃなさそう、かも)

59 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 20:30:52 ID:AyQKy0lR
昼休み

友人「しょーうじょっ、おひっるたっべよっ!」
少女「うん」ガタ
友人「あ、少年君も一緒に食べる?」
少年「ん?」
少女「え!?///」
友人「だってほら、せっかく仲良くなったんだし、一人は寂しいでしょ」
少年「・・・いや、俺は一人で食ってくる」ガタ タスタスタス
友人「あ、ちょ・・・行っちゃった」
少女「ゆ、友人ちゃん!」
友人「ばぶ?」
少女「ば・・・え?・・・じゃなくてっ!い、いきなり一緒にご飯はハードル高いよ!」
友人「そっかなー」
少女「そうだよ!もぉ・・・///」
友人「まぁ、普通に考えたら男子は女子と一緒に食べるのは恥ずかしいか」
少女「そうだよ!まったく・・・///」
友人「・・・」ジー
少女「・・・な、なに?」
友人「恥ずかしがってる少女、かーわーいーいー!!」ギュゥゥゥ
少女「あううぅぅぅ!く、苦しぃぃぃよぉぉぉお!」

60 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 20:43:34 ID:AyQKy0lR
少年(さすがに女子と一緒に飯を食うのはな・・・)
少年(さて、購買で飯を買ったはいいものの、どこで食おうか)
少年(朝のうちにもう少し案内してもらうべきだったか?)
少年(いや、それはさすがに図々しいか)
少年(・・・ん?なんだあの建物)

タスタスタス

少年(これは・・・廃校舎?)
少年(随分古い建物だな、ほぼ朽ち果ててるじゃねぇか)
少年(・・・入ってみるか)

ゴトッ
ギィ…

少年(凄いな、軽くタイムスリップしたみたいだ)
少年(埃はあまり無い・・・今も何かに使われてるのか?)
少年(もうちょい奥まで行ってみるか)

ギッ…ギッ…ギッ…

少年(ん?あそこは・・・)

61 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 20:53:03 ID:AyQKy0lR



パアッ…



サワサワ…



少年(・・・驚いたな)
少年(中庭、か?まるで花畑だ)
少年(この学校にこんな場所があるとは)
少年(ちょうどいい、これからはここで飯を食うか)
少年(おあつらえ向きに中央は芝になってるみたいだし)

タスタス
ゴロン

少年(・・・校舎の影を縫って差す光が、気持ちいいな)
少年(にしても、こんなところの手入れなんて一体誰が・・・)
少年(・・・あいつか?)
少年(いや、さすがにこんな所までは・・・)

ガサッ

少女「あれ?少年、君?」

少年(・・・まじか)

62 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:02:43 ID:AyQKy0lR
少女「こんなとこにいたんだ」
少年「・・・」ムッ
少女「な、なんかまた考え事してる?」
少年「ん?・・・ああ、すまん」
少女「ううん、いいんだけど・・・でもよく見つけたね、ここ」
少年「適当にぶらぶら歩いてたらな」
少女「そっか、凄いね、ここ生徒の中でも知ってる人少ないよ」
少年「この建物は、廃校舎なのか?」
少女「う〜ん、廃校舎ではないよ、ここは旧校舎、今は野球部の人たちが部室代わりに一階部分だけ使ってるよ」
少年「なるほど、それで入り口付近だけやたら小綺麗だったのか」
少女「うん、2階は脆くなってて危ないから立ち入り禁止になってるの」
少年「・・・大丈夫なのかそんな建物に人入れて」
少女「ど、どうだろう・・・でも、私はここ好きだなぁ」
少年「旧校舎が?」
少女「うん、なにより、この中庭が」
少年「それは、分かる気がする」
少女「そう?なら嬉しいなぁ、ここは私が一番始めに手入れしたところだから」
少年「そうなのか」
少女「うん、ちょうど一年前ぐらいかな・・・」
少女「少年君と同じで、私もここに迷い込んで、校長先生が一人で校舎をみつめてて・・・」



少女『私が、ですか?』






63 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:14:58 ID:AyQKy0lR
一年前

校長「うむ、どうじゃろう?」
少女「で、でも、私の園芸の程度なんてたかがしれてますし・・・」
校長「鷹は知っとってもわしは知らんのぅ」
少女「そ、そんな冗談で返されても・・・」
校長「ほっほっほ、まぁいい経験になるじゃろ、これほどの荒れ地は見た事無いのではないかい?」
少女「えぇ、まぁ、ここまで何も生えてないお庭は・・・」
校長「昔はなぁ、ここも実に綺麗な花畑じゃったが、50年経った今となっては見る影も無くてな・・・」
校長「ここで学んだ端くれとして、色々と思うとなんだか寂しくてのぅ」
校長「そうして感傷に浸っているところに現れた君は、園芸が趣味ときたものだ」
校長「これは、何かの縁ではないかと思うのじゃが、どうじゃろう?」
少女「でも・・・私で、いいんですか?」
校長「君じゃから、こうして提案してるんじゃよ」
少女「・・・何を植えても、いいんですか?」
校長「うむ、好きなようにしてもらって構わん」
少女「それなら・・・」
校長「やってくれるかの?」
少女「・・・はい、わたし、ずっと夢だったんです、大きい庭園でひなたぼっこするの」
少女「ここなら、それが叶えられるかな、って、思って・・・///」
校長「ほっほ、それは素敵な夢じゃな」
校長「・・・して、君の名前は?」
少女「少女、です///」
校長「うむ、少女ちゃん、暇なときで構わぬ、どうかこの庭を素敵にしてやっておくれ」
少女「クスッ…校長先生、なんだか嬉しそうですね」
校長「ほっほっほ、そりゃそうじゃ、これからよろしく頼むぞ?」
少女「はいっ!」

64 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:23:06 ID:AyQKy0lR
少女「それからここの中庭の手入れを始めて、そうしているうちに園芸がもっと好きになって・・・」
少女「それで、朝の花壇の方もやらせてもらう事になって、どんどん楽しくなっていって・・・」
少女「この中庭も、ここまでなったのは本当につい最近の事なんだ」
少女「大変だったけど、今ではすっかりお気に入りの場所だよ」
少年「なるほどな・・・」
少女「うん、だから、少年君もここを好きになってくれたら、嬉しいな」ニコッ
少年「・・・」ムッ
少女「・・・?」
少年「・・・」ムッ
少女「しょ、少年君?す、凄い顔になってるよ・・・?」
少年「・・・いや、なんでもない」
少女「そ、そう?」

キーンコーンカーンコーン

少女「あ、予鈴だ」
少年「戻るか」
少女「うん、ここ結構遠いし、急がないとね」
少年「・・・走って200mでギブアップは無しだぞ」
少女「だ、大丈夫だよ!・・・たぶん」

65 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:29:32 ID:AyQKy0lR
校長室

コンコン
校長「はいはい、どなたかの?」
理事「私です」
校長「おお、はいりんしゃい」
ガチャ
理事「・・・相変わらず、暇を持て余しているのですね」
校長「心外じゃのう」
理事「そのしゃべり方もやめてください、似合ってませんから」
校長「ふむ、そうかのう?結構貫禄があると評判なんじゃが」
理事「なら訂正します、私の前では、やめてください」
校長「固いやつだなぁ、そんなんだから男に逃げられるんだ」
理事「よ、余計なお世話です!・・・それより、まだ考えは変わらないのですか?」
校長「くどいな、意見を変える気はない」
理事「あなたのせいで計画が滞ってるのです、いい加減子供みたいな真似はやめてください」
校長「・・・いいじゃないか、子供のままでも」
理事「プライベートでは賛成ですが、これはビジネスなんです・・・分かっているでしょう?」
校長「ビジネスねぇ、興味ないな」
理事「校長!」
校長「大体、お前の計画には無理がある、どれだけの費用がかかると思ってるんだ」
理事「確かに金銭面での不安はありますが、それも経費削減でまかなえる範囲です」
校長「経費削減?どこに削るべき経費があると?」
理事「それは・・・」
校長「国からの支援も限られる、後は外から集めるしか無いだろう」
理事「ですから寄付金で」
校長「卒業生に集ればいいといいうものじゃない、それにその頼みの寄付金もどれだけ集まった?」
理事「・・・」
校長「無理があるんじゃよ、旧校舎立て壊して特別校舎設立などのぅ・・・」

66 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:38:08 ID:AyQKy0lR
理事「・・・なら、あなたはこのままでいいと?」
校長「ん?」
理事「今の我が校は年々偏差値が低迷、生徒数も一時期に比べて3割減、これはとんでもない数字です」
校長「うむ・・・」
理事「確かに特別校舎建設が人気に直結するとは限りませんが、少なくともアピールポイントにはなる」
校長「まあ、確かに」
理事「50年の歴史を押し出し、リニューアルする事によって時代に追いつく、どこもやっている事ですよ」
校長「他がやっているからといって、うちもやる、と言う考えは浅はかではないかのぅ?」
理事「だからそれやめてください」
校長「結構気に入ってるのに・・・」
理事「ともかく、私は今後もこの方針で参りますので、そのつもりで」
校長「・・・なぁ」
理事「はい?」
校長「旧校舎の中庭って、今どうなってるか知ってるか?」
理事「いいえ・・・もう15年も放置されているのですから、荒れに荒れてるでしょうね」
校長「そうかな・・・一度行ってみるといい」
理事「は?」
校長「現場視察も重要だと、俺は思うけどな?」
理事「・・・話は終わりましたので、これで失礼します」

カツカツカツ
バタン

校長「・・・花は咲けど人裂けず・・・か」

67 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:40:42 ID:AyQKy0lR
今日はここまでです
ぶっちゃけこの後何も書いてないから次の投下は間が空いてしまうと思う
水曜辺りまでにこの話が終わればと言う目処

68 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:45:25 ID:8pgpnC2x
投下乙です!
少女と少年が本当に可愛い

69 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:46:03 ID:xC8blDIr
いいところだけど、支援兼ねて

物語が動いてきた。脇キャラも立ってるし、話の運びも安定してる

応援してるので、突き進んでほしいです
自分は>1000までついていく所存です

70 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 21:59:36 ID:AyQKy0lR
ありがとう、本当は全レスしたいけどきりがないから選んでしまうのは許してくれ
あと、sageてるのはあまりトップにいるとアレだからであって、ageて貰っても全く構わない、というかむしろお願いしm(ry

>>69
そういってくれるとありがたい、なるべく特定キャラの独りよがりにはならないようにしてるつもりだが、難しいな・・・
多分かなりの期間かかってしまうと思うが、>>1000まで頑張るよ

そして今日のNGシーン

校長「・・・して、君の名前は?」
少女「少女、です///」
校長「うむ、少女ちゃん、暇なときで構わぬ、どうかこの庭を君の色で染めてやっておくれ」
少女「クスッ…校長先生、なんだか詩人みたいですね」
校長「ほっほっほ、たまには格好付けても罰は当たらんじゃろ」
少女「ふふwwwカッコいいですよ?wwww」
校長「そうかの?そうじゃろ!ほっほっほ!!」

俺「・・・これはねぇわ」


次の投下は恐らく火曜日22:00〜

71 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/13(日) 22:01:49 ID:xC8blDIr
リロードしてなかったああぁぁ
支援遅かったし。恥ずかし

作者殿、乙です! GJです!

72 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/14(月) 00:01:36 ID:4b3h/HEl
火曜までっ……生殺しっ……!
少年のムッの理由が気になって夜も眠れません、責任とってください

投下乙様です、GJ

73 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 20:58:32 ID:9HKADLby
予定通り22:00〜投下します
・・・が、その前に色々間違えてるんで訂正をば

>>2の男=男A、女=女Aのことです
※友A=友人のことです
※後一カ所変換ミスがあったような・・・みつけて変だなと思ったらスルーして下せぇ

今日の分で旧校舎編は終わりそう、かも

74 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:00:54 ID:9HKADLby
放課後

少女「さてと・・・」
少年「ウサギか?」
少女「うん、朝は勢い余って多くあげすぎちゃったから、ちょっと少なめにね」
少年「そうなのか?」
少女「ま、まぁ、ね///」
少年「・・・おれもいt」
友人「しょーうじょーっ!今日は私もウサギについてく・・・ってごめん、話し中だった?」テッテッテ
少女「あ、ううん!!ぜんぜん!!」
少年「・・・」ムッ
友人「ほ、ほんとに?なんか凄い顔してるよ、君」
少女「あ、こ、これは、考え事をするとこうなっちゃうみたいで、決して不快に思ってるわけじゃあ・・・ねっ?」
少年「・・・ああ」
友人「ふーん、そーなんだー」ニヨニヨ
少女「な、なに?」
友人「いんや〜?昨日会ったばかりなのに、もう随分少年君のことを知り尽くしているんだな〜、と思ってさ〜?」ニヨニヨ
少女「べ、別に知り尽くしているわけじゃ///」
友人「ほ〜う?まぁいいけどね、あ、そうだ!せっかくだから少年君も一緒に来ない?」
少女「ゆ、友人ちゃん!」
友人「だって朝は一緒に行ったんでしょ?じゃあ放課後も一緒に行くべきよ!何ならあたしは席外しますけど?」ニヨニヨ
少女「だ、だからもぉ〜!!///」
少年「・・・いや、せっかくだが今日はこれで帰る」
友人「あらそう?残念・・・」
少年「荷物とか、まだ整理するもんが残ってるから」
友人「そうかー・・・あ、ちなみに名乗るのが遅れたけど、私はこの子の親友やってる友人ですっ!よろしくっ!」
少年「ああ、よろしく」
友人「この子とは長い付き合いだから、何か聞きたい事あったらいつでも話してあげるよっ!」
少女「あ、あんまり変な事は話さないでよ?」

75 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:09:37 ID:9HKADLby
少女「あ、そういえば少年君、帰り道分かる?」
少年「いや、路地の方はまだ分かんねぇから、大通りから行く」
少女「そっか、結構車が通るから気をつけてね?」
少年「ああ・・・今日は色々ありがとな」
少女「う、ううん!こちらこそ、これからもよろしくね」
少年「ああ・・・じゃあな」ガタッ
少女「うん、ばいばい」
友人「・・・」

友人(驚いた、本当に自然体じゃん)
友人(もっとおどおどしてるかと思ったけど、こりゃ杞憂だったか)
友人(・・・しかし、あの少女がねぇ)
友人(小学校の頃は男の子が近寄るだけでびくびくしてたのに)
友人(う〜ん、ちょっと複雑だ・・・)
友人(別にレズビアンじゃないけど、この子には特別な思いがあるからなぁ)
友人(なんていうか・・・例えるなら・・・)

少女「じゃあ、いこっか」
友人「・・・そーね、いきましょか」

友人(例えるなら・・・そう、解けなかったパズルを、あっさり解かれちゃった感じ、かな)

76 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:25:06 ID:9HKADLby
少女「そう言えば、こうして一緒に行くのも久しぶりだね」
友人「あ〜、テニス部が大会だったからね〜・・・でももう終わったから、これからは存分にラブラブできるわねっ☆」
少女「お、お手柔らかにね?」
友人「む〜り〜!ぎゅぅぅぅぅううう!!」ガバッ
少女「うゅぅぅぅぅぅぅうううううう!!」パタパタ
友人「あっははははははwwwww」
少女「ぷはっ!も、もぉ〜www」
友人「あ、そうだ!せっかくだから、久しぶりにあそこ行こうよ!」
少女「あそこって、中庭?うん、行こっか!」
友人「前行ったときはアレまだ咲いてなかったよね、えっと、ヒメ・・・なんちゃら」
少女「ヒメジョオンだよ、今はちょうど時期だから満開!」
友人「そうそう、ヒメジョーン!」
少女「じゃあ、購買に行ってドーナツ買ってこよっか」
友人「そうね!」

友人(あ〜、やっぱりこの子といると和むわ〜)
友人(少年君に嫉妬してたのが馬鹿みたいに思える・・・)
友人(・・・まぁ、この子の魅力を知ってる人が増えるのは、いい事か)
友人(せいぜい私も、この子に愛想つかされないようにしないとね)

少女「友人ちゃーん!早く行こーよー!」ヒラヒラ
友人「・・・ははwwwテンション高っwwwww」

友人(ま、この子に限っては、それこそ杞憂だろうけどね)

77 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:34:01 ID:9HKADLby
旧校舎

理事「・・・」

『現場視察も重要だと、俺は思うけどな?』

理事(こ、これはあの人に言われたからではなくて、たまたまよ、たまたま)
理事(・・・いや、もうそんな風に強がるのはやめましょう)
理事(思えば、まだ企画段階だからと言って一度も見に来てなかったわね)
理事(我ながら情けない・・・たまには人の言う事も素直に聞きましょうか)

ギッ…ギギギギギ

理事(・・・老朽化が進んでると思ったけど、そうでもないかしら?)
理事(でも、耐震設計は当然昔のままよね)
理事(今は野球部が使っているとの事だけど、大丈夫なのかしら・・・)

ヒラッ

理事(・・・あら?)
理事(これは・・・花びら?)
理事(どこから来たのかしら、ここら辺に花壇は無かったはずだけど・・・)

『旧校舎の中庭って、今どうなってるか知ってるか?』

理事(・・・まさか、ね)

ギッ…ギッ…ギッ


パアッ…

理事「・・・!」
理事「こ、これは・・・」

78 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:42:36 ID:9HKADLby
サワサワ…


理事「どういうこと・・・?」
理事「なぜ、こんな手入れの行き届いた花が・・・」
理事「これはまるで、昔のようだわ・・・」
理事「一体誰が・・・」


友人「あれ?理事長?」

理事「!」
友人「どうしたんですか?こんな所で」
理事「それは・・・私の台詞ね、あなた達こそ、こんな所に何の用かしら?」
友人「私たちはここで一息つこうかと・・・」
少女「・・・」オドオド
理事「・・・この花は、あなた達が?」
友人「ええ、まぁ“達”ではなくて、この子がですけど」ズイッ
少女「えっ?///」
理事「そう・・・なにかの委員会活動かしら?」
少女「あ、いえ、そう言うわけじゃ・・・」
友人「飼育委員の一環だよね〜wwwwwww」
少女「ゆ、友人ちゃん!そんな紛らわしい事を///」
理事「飼育委員?変ね、うちの学校には無かったはずだけど・・・」
少女「そ、それは、あの、話すと長いと言いますか、勝手にそう呼ばれてるだけで・・・」
理事「?」

79 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 22:51:17 ID:9HKADLby
グラウンド

球児A「オーライオーライ!」
球児B「走れー!間に合うぞー!」

男A「よっ」
球C「おぉ!なんだ珍しいな、どうした?」
男A「どうした?じゃねぇ!貸したCD返しやがれこの野郎!」
球C「え?あ〜!わりぃ、渡しそびれたわ」
男A「ったく・・・今日持ってきてんだろうな?」
球C「ああ、部室に鞄あるから勝手にとってってくれ」
男A「部室?ああ、確か旧校舎か」
球C「おぅ、そこらに転がってる鞄のどれかだから」
男A「そこらにって・・・メンドクセェなぁ」
球C「わりぃわりぃwwww」
男A「しゃあねぇな、じゃあそうするわ、部活頑張れよ」
球C「おぅ!」

男A「ちっ、めんどくせぇ、何で俺がわざわざこんな・・・」ブツブツ
男A「しかしアレは製造枚数2000枚、日本公演限定版の超レアものだからな・・・」ブツブツ
男A「なんとしても回収せねば、風呂場でロックをかけて激しく湯船につかるという俺の楽しみがっ!!」
男A「・・・つか旧校舎ってどこだっけ?あっちだっけ?」
男A「まぁいいや、適当に歩いてりゃそのうち着くだろ」

80 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:01:25 ID:9HKADLby
旧校舎

ギィィィィ…

男A「うわっ、ぼろいとこだな〜」
男A「野球部の部室は・・・あそこか」

ガラガラ

男A「おおぅ・・・凄い男臭・・・」
男A「あいつの鞄は・・・これか?違う」
男A「これ・・・でもないか」
男A「・・・どれだよっ!この積み重なった鞄の山から探せってか!?」
男A「はあ・・・しかしこれも風呂場でロック、略して風呂ックの為・・・」

??「〜〜〜〜〜〜」

男A「ん?何か声が?」
男A「・・・ま、まさか、心霊現象か!?」

??「〜〜〜〜〜〜」

男A「いや、これは・・・外から聴こえる」
男A「・・・こっちか?」

81 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:12:06 ID:9HKADLby
理事「なるほどね、そういう経緯だったの」
少女「は、はい・・・///」

理事(ったく、あの人は生徒に何をやらせてるんだか)
理事(・・・でも、これだけの範囲を、たった一人で?)

友人「それで、理事長は何故こちらに?」
理事「ええ、ちょっと・・・調べものをね」
少女「も、もしかして、この中庭って勝手にいじっちゃだめ・・・でしたか?」
理事「いえいえ、そんなことはないわ、むしろ感謝してる、ありがとうね」
少女「そ、そんな!私は好きでやってただけで・・・///」
理事「・・・でも、どうして?」
少女「え?」
理事「どうしてここを、弄る気になったのかしら?」
少女「どうして、ですか?」
理事「ええ、あなたの話を聞く限りでは、全くの善意でやっているみたいだし」
理事「園芸が好きと言っても、新校舎の花壇だって十分広いし、そこだけでいいでしょ?」
理事「あなたがそこまでしてやることには、私には見えないのだけれど」
友人「あの、理事長、少女は別に」
スッ
友人「・・・少女?」
少女「やっぱり、好き、だからでしょうか」
理事「そんなにお花が好きなの?」
少女「それもありますけど・・・この旧校舎と、この中庭が、です」
理事「・・・ここが?」
少女「はい、なんだか、凄く落ち着くんです、この場所」
理事「!」

『なんだか落ち着くわねぇ、この場所』


82 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:21:11 ID:9HKADLby
50年前

後輩「そうですか?」
先輩「ええ、凄く、暖かくて、きもちいいわぁ〜・・・」
後輩「まぁ、確かに・・・」
先輩「・・・ねぇ、後輩ちゃん」
後輩「はい?」
先輩「男君の事、ありがとうね」
後輩「!!」
先輩「私たちの仲を取り持ってくれたのも、遠慮してくれたからだよね」
後輩「な、何の話ですかっ!?べ、別に私は男先輩の事なんか好きでも何でも!!///」
先輩「クスッ…そう言って、私たちを支えてくれてるの、分かってるから」
後輩「わ、私は・・・私はただ、お二人はお似合いだと思ったから、応援しただけであって・・・」
先輩「ごめんね、悔しいよね、他の人に好きな人とられちゃうの」
後輩「・・・」
先輩「でもね、きっと私たち幸せになる、それは約束するよ」
後輩「・・・いです」
先輩「え?」
後輩「ずるいです!そんな風に言われたら、私っ、私・・・」グスッ
先輩「・・・ごめんね、そしてありがとう」
後輩「うっ・・・っく・・・やぐぞぐ、でずよ?」グスッ
先輩「うん」
後輩「じあわぜに・・・幸せになっべくばばい・・・」グスッ
先輩「うん、約束」
後輩「もし・・・もし幸せにならなかったら、ひっ叩きますからっ!」
先輩「もぅ、女の子がそんな乱暴な言葉使わないのっ」コツン
後輩「あぅ・・・」
先輩「大丈夫だよ・・・だから、私も一つお願いしていいかな?」
後輩「はい?」
先輩「もしあなたがご両親の仕事を受け継いだら、この場所を守ってほしいの」
後輩「・・・この、中庭ですか?」
先輩「ええ、私たちの大切な想い出がつまった、この中庭を・・・」
後輩「まだ、理事を継ぐかどうかは分かりませんけど・・・分かりました、必ず守ってみせます」
先輩「ふふ、お願いね?未来の理事長さん」

83 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:32:50 ID:9HKADLby
少女「この場所、最初は本当に何も無かったんです」
少女「でも、最初見たときから、なんだか暖かい気持ちになれて・・・」
少女「たぶん、この旧校舎から、色んな思いがにじみ出てるからだと、思います」
少女「変ですよね、別にこの校舎に通っているわけじゃないのに///」
少女「・・・でも、この中庭だけが、何か足りないような気がして」
少女「きっと、ここにお花があったら、もっと素敵になるだろうな、って思って」
少女「それで、校長先生から許可していただいて、手入れをするようになったんです」
少女「・・・これは、私の自己満足かもしれないですけど、今は前よりも、もっと暖かくなったと、思います」
少女「だから、この場所が好きだから、私はこれからもここを見守っていたいです」ニコッ

理事(そうだった・・・わね)
理事(忘れてた・・・いいえ、いつも心の片隅に会った約束)
理事(でも、いつのまにか、私学校の事しか考えてなかった・・・)
理事(この学校を良くしたい一心で、大切な何かを失うところだったわ・・・)

理事「・・・素敵ね」
友人「ですよね〜!もぅこの子ったらいっつもこんな感じで、一緒にいて本当に癒されますよ〜wwww」ギュゥゥゥゥ
少女「うゅぅぅぅぅぅぅ!!ゆ、友人ちゃん!これは苦しいよぉぉぉぉ!!」パタパタ
友人「あらごめん、あまりに可愛くて思わず本気に・・・」
少女「ぷはっ!もぉ〜///」
友人「本気に・・・なりかけたわ」
少女「ま、まだ本気じゃないの!?」
友人「そりゃそうよ、私の本気はこんなもんじゃないわ!」
少女「もうなんか、そんな事で誇られてもどう返していいか分からないよ・・・」

84 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:39:57 ID:9HKADLby
理事「・・・少女ちゃん」
少女「ふぇっ!?は、はいっ!?」
理事「私からも、お願いできるかしら?」
少女「へ?えっと、なにをですか?」
理事「この中庭を、あなたの手でもっと素敵にしてあげてほしいの」
少女「あ・・・はいっ!」
理事「ふふ、よろしくね?」
少女「・・・でも、私じゃ力不足かもしれませんけど」
理事「そんなことないわ、あなたには十分な資格がある」
少女「そう・・・ですか?」
理事「ええ、暖かさを知る人にしか与えられない、この場所を守っていく資格が、ね?」ニコリ
少女「は、はいっ、あ、ありがとうございます////」

キーンコーンカーンコーン

放送『下校チャイムが鳴りました、まだ校舎に残っている生徒は、速やかに帰宅してください』
放送『繰り返します、まだ校舎に残っている生徒は・・・』

85 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:45:33 ID:9HKADLby
友人「・・・ってうわっ!もうこんな時間!?」
理事「あら、すっかり話し込んじゃったわね、あなた達は早く帰りなさい」
友人「はい、今日はお話しできて楽しかったですっ!」
少女「また、お暇な時にでも・・・」
理事「そうね、是非お願いするわ」
少女「はいっ」
友人「それじゃ、失礼しま〜す」
少女「友人ちゃん、走らないと門しまっちゃうかも」
友人「なんですとぉ!?なら全力ダッシュ!!」ダダダダダッ
少女「あ、ま、待ってよぉ〜!!」トットットットット

理事「・・・うちの学校も、捨てたもんじゃないわね」
理事「さてと、どうしましょうか・・・」
理事「クスッ…あんな嬉しそうな顔見せられたら、壊すに壊せないじゃない」
理事「・・・まぁ、幸い思ったほど痛んではないみたいだし」
理事「旧校舎を取り壊さなくても、補修するだけで大丈夫そうね」
理事「・・・帰って、色々見直さなきゃね」
タッ…タッ…タ…



男A「・・・こりゃ、どういうことだ?」

86 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:52:12 ID:9HKADLby
翌朝 少年宅前

少女「・・・お、おはよう!いい朝だね!」
少女「・・・いや、違うなぁ」
少女「・・・おっす!おら少女!」
少女「・・・絶対違う///」
少女「うぅぅ・・・何て言って呼び鈴を鳴らせば・・・」

ガチャ

少年「・・・」ムッ
少女「うわっ!しょ、少年君!お、お、お、おはよう!///」
少年「もう、来てたのか」
少女「う、うん、たった今、ね」
少女(ホントはもう5分も玄関の前で渋ってたけど、それは言えない///)
少年「ちょうどお前の家に行こうと思ってたところだ」
少女「そ、そっか、じゃあちょうど良かったね」
少年「ああ・・・いくか」
少女「う、うん////」

87 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/15(火) 23:57:52 ID:9HKADLby
正門前

少女「道順、どう、かな?」
少年「昨日よりは覚えた・・・気がする」
少女「そ、そっか、良かった」
少年「すまんな」
少女「う、ううん!全然!!」ヒラヒラ
少年「礼と言っては何だが、今日も手伝わせてくれ」
少女「そんな、ほんとに気にしなくていいのに」
少年「いや、これはけじめだ」
少女「けじめ?」
少年「ああ、けじめ」
少女「けじめ・・・」

ポワポワポワ

毛「あー、6月はジメジメして鬱陶しいなぁ・・・」

ポワポワポワ

少女「・・・なに考えてるんだろう、私」
少年「ん?」
少女「な、何でも無いっ!行こっか!////」

88 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:03:38 ID:NEDrBx7C
少年「今日はどこの花瓶を変えるんだ?」
少女「今日は職員室・保健室・調理室・視聴覚室・社会資料室、理科室、美術室、コンピュータールームだよ」
少年「・・・なんか凄い沢山あるな」
少女「そうでもないよ、でも上り下りがあるからちょっと大変かも」
少年「・・・わかった、俺は上の階をやる」
少女「え?手分けしてやる?」
少年「その方が効率がいいだろう?」
少女「そっか・・・」
少年「・・・なにかまずいのか?」
少女「う、ううん!!じゃ、じゃあお願いね///」
少年「ああ」
少女「昨日教えた通り、お水を換えて、はさみで下の茎の部分を少しだけ切ってあげてね」
少年「ああ」
少女「上の階は社会資料室、理科室、美術室、コンピュータールームの4つだけど、場所分かる?」
少年「・・・まぁ、行けば分かるだろ」
少女「そっか、花瓶は基本的に窓の側に置いてあるから、その辺りを探してもらえばすぐに見つかると思う」
少年「わかった」
少女「終わったら・・・教室に集合?」
少年「そうだな」
少女「うん、じゃあ・・・よろしくね?」
少年「おぅ」タスタスタス


少女「・・・だ、大丈夫かな?」

89 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:09:45 ID:NEDrBx7C
社会資料室前

少年「あとは、ここだけか」

ガラッ

??「おぉ〜う!!少女ちゃ〜ん!!待ってたよ〜ん!!」
少年「・・・」ムッ
??「ん?・・・って、誰だお前!?」
少年「いや、それはこっちの台詞だが」
??「はぁ〜!?少女ちゃんは!?」
少年「あいつに何の用かは分からんが、とりあえず花の手入れをさせてくれ」タスタスタス
??「ま、待て待て待て待て!!お前その手に持ってるはさみは何だ!?」
少年「いや、茎を切る為のはさみだが」
??「何でお前が持ってる!?」
少年「いや、茎を切る為だが」
??「だから!!それは少女ちゃんの役目だろ!?」
少年「今日は俺があいつを手伝ってるんだ」
??「why!?なぜ!?」
少年「道を教えてもらった礼だ」
??「意味わかんねぇよ!!」
少年「いや、こっちも結構この状況を分かってないんだが」
??「俺はなぁ!?毎週この日を楽しみにしてんだ!!清楚で可憐な女子高生が俺の部屋に上がり込み
  『お花の手入れしますね、うふ☆』と言ってくれるのをな!!お前みたいな筋肉ムキムキの野郎に
  『お花の手入れさせてくれ、うほ☆』なんて言われる筋合いはこれっぽちも無い!!帰れ!!!!」
少年「・・・なんて気持ち悪いやつだ」
??「はぁ〜!?気持ち悪い!?朝っぱらから花の手入れしてる野郎の方が気持ち悪いね!!」
少年「・・・聞き捨てならんな、花の手入れのどこが気持ち悪いんだ」
??「ちげぇよ!!お前が気持ち悪いって言ってるんだよ!!察しろ馬鹿野郎!!」
少年「・・・何だかもう分からんから、スルーしていいか」
??「おい!!待て!!勝手に上がるな!!あ、馬鹿それ今度学会で発表する資料なんだから踏むんじゃねぇぇぇぇぇ!!」

90 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:16:19 ID:NEDrBx7C
20分後 2−D教室

少女「・・・」チラッ
少女「・・・もどってこないなぁ」
少女「・・・やっぱり様子を見に行って」

ガラッ

少年「・・・」ムッ
少女「あ、少年君!どうだった?場所分かった?」
少年「ああ、それは問題ないんだが・・・」
少女「え?」
少年「社会科資料室に、なんか変なおっさんがいた」
少女「変な・・・?あぁ、そっか、今日社会先生がいる日だった」
少年「社会先生?」
少女「うん、社会科の先生で、土曜日はいつも早番だとかなんとかでこの時間からいるんだ」
少年「そうなのか、それで・・・」
少女「何か言われた?」
少年「・・・いや、なんにも」
少女「?」
少年「お前、土曜日は毎朝あんなの相手にしてるのか」
少女「あんなのって・・・社会先生はいい先生だよ?」
少年「あれが?」
少女「うん、なんでも郷土史に関しては有名な人らしくって、今も学校の教師のかたわら学会に出たりしてるんだって」
少年「・・・なんだかそんなことを言ってたような、言ってなかったような」
少女「それに、優しいし」
少年「・・・優しい?」
少女「うん、いつも私が行くと笑顔で紅茶を出してくれるんだ、少年君もそうだったでしょ?」
少年「・・・とりあえずお前は、男を見抜く目を持っといた方がいいと思う」
少女「・・・へ?なんの話?」

91 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:17:46 ID:j0cxGyxv
なんか濃い新キャラきたw

92 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:24:33 ID:NEDrBx7C
HR前

友人「少女!大変よ!!」
少女「あ、友人ちゃん、おはよう」
友人「おはようなんてのんきな事言ってる場合じゃないわ!ちょっと来なさい!」ガシッ
少女「ふぇ?あ、ちょっと、ゆ、友人ちゃん!そんな引っ張らないでえええぇぇぇぇぇ・・・」ダダダダダ…

掲示板

友人「これ!見なさい!!」
少女「え?夏休みのグラウンド開放のおしらせ・・・?」
友人「その最後!」

【尚、7月20日〜8月31日にかけて旧校舎棟の耐震工事を行うため、校舎内の生徒の立ち入りを禁止する】

少女「・・・!!」
友人「ね!?これってどういうこと!?」
少女「わから・・・ないよ」
理事「あら、昨日のお二人さんじゃない」
友人「理事長っ!これってどういうことですか!?」
理事「書いてある通りよ、旧校舎棟は夏休みの間耐震工事をするから、二人も立ち入らないようにね」
友人「なんでですか!?昨日言ってくれた事は嘘だったんですか!?」
理事「嘘じゃないわ」
友人「なら!!」
理事「私は旧校舎の中に入るのは禁止と言っているだけで、中庭に行くのは全く問題ないわ」
友人「・・・え?」

93 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:32:44 ID:NEDrBx7C
理事「あそこの部分は特に問題もないし、工事範囲からも離れているので危害は無いでしょう」
友人「じゃ、じゃあ・・・この耐震工事ってのは・・・」
理事「なにも旧校舎を取り壊すわけじゃなくて、耐震設計が時代遅れだからそれを直すだけの事よ」
友人「・・・えっと、つまり」
理事「つまり、旧校舎もこれから人目につくようになる、ってことね」ニコッ
少女「・・・!」
理事「心配しなくてもこれは前から予定されていた事よ、昨日はその事前視察、とでも言っておこうかしら」
友人「じゃあ、特に問題はないんですね・・・」
理事「ええ、驚かせてしまって、ごめんなさいね」
友人「あ、いやぁ〜!私も早とちりでした〜!ははははwwww///」
少女「・・・」ホッ

少女(よ、良かったぁ〜・・・あの場所が無くなるわけじゃないんだ)
少女(あれ?でも工事って言うからには・・・)

少女「旧校舎って、何かに使うんですか?」
理事「ええ、前々から部室が少ないと言う要望があってね、いっそ専用の建物を用意する事にしたの」
友人「部室棟ですか、はぁ〜、なるほど」
理事「もしよかったら、これ期に園芸部も設立してみたら?」
少女「・・・え?わ、私がですか!?」
理事「あなた以外に初代部長に適任な人はいないと思うけど」
少女「い、いえいえ!!とんでもないです!!///」
理事「そう?もったいない・・・」
少女「私は今のままでも十分、満足ですから・・・」
理事「本当に謙虚な子ねぇ」
友人「そこが可愛いんですけどねぇ〜!」ギュウウウウ
少女「う、うゅぅぅぅぅぅぅ!!!」パタパタ
理事「・・・本当に楽しそうねぇあなた達」

94 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:37:31 ID:NEDrBx7C
男A「・・・」
男B「おっす〜、はよーさん」
男A「・・・おう」
男B「なんだぁ?どうした?」
男A「いや・・・お前旧校舎の事知ってるか?」
男B「あー、耐震工事だろ?下に張ってあったなぁ〜」
男A「耐震工事?なんのことだ?」
男B「え?その事じゃないの?耐震工事するから夏休みの間入るなっていう・・・」
男A「・・・」

男A(あれから気になって、帰り際に用務員の人に聞いてみたが・・・)
男A(あそこは本来、取り壊す予定、だったらしい)
男A(それが耐震工事に変わったって・・・どう考えても急過ぎるだろ)
男A(あの計画は理事長が進めているらしいが、だとすればやはり、昨日の会話は・・・)

男B「おい、黙ってないでなんか言えよ〜」
男A「・・・お前、最近退屈してるって言ってたよな」
男B「ん?おう、なんかこのメンバーで遊ぶのも飽きてきたよな〜」
男A「それなら、いい人材がいるぜ」
男B「ほんとか?でも、普通のやつはつまんねぇぞ?」
男A「安心しろ、ただ者じゃねぇ、なにしろ、学校の理事を動かすほどの力の持ち主だからな」
男B「え!?なにその陰の実力者的な生徒!?そんなのいるのかよ!?」
男A「ああ・・・窓際から2列目、最後尾に座る、一見目立たない少女が、な」ニヤリ

95 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 00:41:51 ID:NEDrBx7C
とりあえずここまでです
今回は何だか展開に無理あった気がするなぁ・・・
でも、ここまでは少女と少年のイメージ作りを狙ってたのでうはうは展開少なめでしたが、
次からは本格的に学園生活に入っていく・・・予定です
次回更新は金曜日にこれと同じ量ぐらい行けたらなと

96 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 01:05:56 ID:j0cxGyxv
投下乙です
これは続きが楽しみな展開

97 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/16(水) 05:31:08 ID:5Jb1FFWA
投下乙です!

98 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/17(木) 02:05:48 ID:EZRd0xP+
面白かったー!
男Aの勘違いっぷりに期待が大です、投下乙!

99 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 01:25:45 ID:2cphnqa+
乙です。

地の文をつければ、ふつうに学園ものの小説になる気がした。
あるいは、漫画のネームだけ抜き出したような印象もあった。

それを敢えて台詞系で行うところに、作者殿の意図があるような?
…深読みし過ぎか。

構成・プロットがしっかりしていて、展開も無理がないと感じる。
これからどうなるのか、楽しみ。

※作者殿にプロ根性を感じます
(投下予告してきっちり行うところとか)
応援してます。

100 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/18(金) 13:13:36 ID:yOMeBqbP
支援どうもです、今回自信無かったからちょっとほっとしてる・・・

>>99
そう言ってくれると嬉しい
台詞系で敢行したのは単に文才に自信が無かったからで、特に深い意味はないですwwww
プロットもおおざっぱにしか書いてないから、自分からしたら早くも穴が出始めてるので、訂正で大変だwwww
プロ根性なんて大層なもんではないが、せめてきちんとした形で終わらせたいとは思ってるので、暇だったからまた見てやって下せぇ

そして見つけた訂正
>>45
少女「はは、そうだね、特別校舎もあわせると、結構大きいね」×
少女「はは、そうだね、旧校舎もあわせると、結構大きいね」○
>>46
少女「うちの学校は1階が3年生、2階が2年生、3階が1年生ってなってて・・・」×
少女「うちの学校は2階が3年生、3階が2年生、4階が1年生ってなってて・・・」○

今日の投下はまた22:00〜

101 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 00:02:22 ID:HhabtDZY
しまった寝過ごした!
申し訳ないが今から投下


1時間目 英語

少女「う〜・・・」
少年「・・・どうした」
少女「ちょっと分からないところがあって・・・」
少年「どこだ?」
少女「ここの誤用問題なんだけど・・・」
少年「・・・それは、“明らかになった”、つまり過去形の動詞のはずが、名詞になっているからおかしい」
少女「ってことは?」
少年「正しくは“The fact that she is the ultimate weapon was exposed”だ」
少女「ふぁく・・・え?」
少年「“The fact that she is the ultimate weapon was exposed”」
少女「ざふぁくてゅざっとしぃいずざあるてぃ・・・???」
少年「“ultimate weapon was exposed”」
少女「あるてぃめいとうぇぽんわずえくすぽぅずでゅ???」
少年「そうだ、だから“exposition”を“exposed”に変えればいい」
少女「・・・ほぇ〜、凄いね少年君」
少年「そんなことはない」
少女「もしかして、英語得意?」
少年「得意と言うか、親父に連れられて海外にはよく行った事あるから、その名残だ」
少女「へぇ、そうなんだ、じゃあ帰国子女、ってことになるのかな?」
少年「あっちで長期間暮らしていたわけではないから、帰国子女にはならないと思う」
少女「そっかぁ、でも羨ましいなぁ、私英語苦手だから・・・」
教師「はい、ではここを・・・少女さん、読んでみて」
少女「は、はいぃ!?じゃ、じゃふぁくとざっとしぃいずあるてぃ・・・まてわぽん???」
少年「・・・」

102 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 00:14:04 ID:HhabtDZY
休み時間

少女「はあ〜・・・全然分からない・・・」
少年「まぁ、実際は8割ぐらい身振り手振りで通用するから、大丈夫だ」
少女「うぅ、外国旅行はそれで良くても、期末試験はそれじゃ通用しないよぉ・・・」
少年「・・・頑張れ」
少女「でも凄いね、発音もよくってびっくりしちゃった」
少年「いや、俺の発音は少しなまっているらしい」
少女「そうなの?」
少年「ああ、親父にそう言われた」
少女「お父さんって、外国の人?」
少年「いや、下町生まれの日本人だが、職業柄海外に行く事も多くてな」
少女「へぇ、何やってるの?」
少年「レコーディングエンジニア、って言って分かるか?」
少女「・・・えっと、また横文字でちんぷんかんぷんなんだけど」
少年「簡単に言うと・・・楽器を録音する人だ」
少女「あ、音楽系の人なんだ?」
少年「ああ、正しくは音響だが」
少女「・・・ごめん、音楽と音響の違いも分からないや、ついに日本語まで駄目になっちゃった・・・」
少年「簡単に言うと・・・音の学者だ」
少女「学者さんなんだ?」
少年「いや、正確には学者じゃなくて技術者だが」
少女「???????」プシュー
少年「・・・すまん、説明するのは昔から苦手だ」
ガラガラ
教師「うぃ〜、そろそろチャイムなるから席付け〜」
少女「あ、先生来た」
少年「・・・」ムッ
教師「ったく、土曜も授業があるとか本当についてない・・・ってあーっ!!??お、お前はっ!!??」ビシィ

103 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 00:25:29 ID:HhabtDZY
2時間目 世界史

社会「あい、つぅことでフランス革命はこうして幕を閉じたわけだが・・・少年っ!」
少年「・・・」ムッ
社会「この続きを読んでもらおうかぁ〜、うぅん?」
少年「・・・続きってどこですか」
社会「ほぉ〜う!?まさか今どこをやっているのか分からないとか言っちゃうんじゃないだろうなぁ?」
少年「いや、そうじゃなくて、写真だらけのページを読めと言われても困る」
社会「あぁ!?なんだその口の聞き方はぁ!?おらぁ教師だぞ!!教師なめとんのか!?」
少年「そういうわけじゃないが」
社会「じゃあ読めんだろこんぐらい!!」
少年「だから、読むところが無いページを読めと言われても」
社会「そんなん気合いで探せっ!なかったら載ってる写真を見た感想でも言っとけ!!」
少年「・・・ごちゃごちゃしててやかましい」
社会「はぁ〜!?お前よくそんな事教師に言えるなぁ!?」
少年「・・・写真の感想だ」

クラス(え?なんでこんないがみ合ってるの???)

少女(ど、どうしたのかな・・・社会先生と少年君、凄いにらみ合ってるけど・・・)
少女(今日、社会資料室で会ってるはず・・・だよね?)
少女(なにかあったのかな?)

キーンコーンカーンコーン

社会「だーっ!お前のせいで終わっちまったじゃねぇか!!」
少年「俺のせいか?」

104 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 00:36:36 ID:HhabtDZY
社会「まぁいい・・・今日はここまで」
号令「きりーつ、れーい、あざざしたー」
ガタッ
ガヤガヤ

社会「しょ、う、じょ、ちゃん!」
少女「お疲れ様です、先生」
社会「ああっ!これこれっ!この天使の微笑み!俺の求めてたのはこれだよっ!」
少年「・・・気味悪いやつだ」
社会「何か言ったか」
少年「いや、別に」
少女「今日は何だか怖かったですけど・・・なにかあったんですか?」
社会「ああっ!ごめんねっ!別に少女ちゃんを怖がらせようとしたわけじゃないんだ!ただこのくそガキが俺の邪魔ばかりしてくるから・・・」
少年「してないが」
社会「してんだろ」
少年「してない」
社会「してんだろが」
少年「してない」
社会「してんだろぉ〜?」ピキピキ
少女「ま、まぁまぁ二人とも、落ち着いて・・・」
社会「少女ちゃんは優しいなぁ〜」
少年「・・・」ムッ
社会「そういえば、今日は朝こなかったね〜、何か用事?」
少女「あ、いえ、今日は少年君が手伝ってくれたんですよ」ニコッ
社会「・・・へぇ、こいつが、あ、っそう」
少年「だからそうだって言ったじゃねぇか」
社会「お前なぁ〜・・・もう少し目上の人に対する言葉遣いを覚えようかぁ〜」ピキピキ
少年「別に目上と思ってないから、必要ない」
社会「この野郎・・・」ピキピキ

少女(・・・え?何この状況??)

105 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 00:46:05 ID:HhabtDZY
友人「おうおう、ヒートアップしてるねぇ、お二人さん」
少女「あ、ゆ、友人ちゃん、ど、どうしよう」
友人「まぁここは私に任せなさい」

友人「先生」
社会「あ!?言っておくがこいつとの勝負を邪魔するやつは例えカワイコちゃんでも・・・」
友人「それより、次の授業の準備しなくて大丈夫ですか?」
社会「え?」
友人「もう後3分しかありませんよ?」
社会「うぉっ!?ほんとだ!てめぇ、命拾いしたな・・・」
少年「いや、なんか勝手のそっちが盛り上がっているだけのようだった気がするが」
社会「ぬぅわぁにぃ〜!?」
友人「はいはい、それは置いといて、先生本当にもう行かないと間に合いませんよ?」
社会「ちっ、この決着はいずれ必ずつけるからな!!」
少年「いや、そんな事一方的に言われても」
社会「覚えてろよっ!」ダッダッダッダッ…

友人「うわぁ、あの台詞聞いたの初めてだ」
少女「少年君、どうしてそんなに社会先生を嫌ってるの?」
少年「・・・多分、波長が合わないんだろう」
少女「そういうものかな?」
少年「そういうもんだ」
少女「ふ〜ん?」

106 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 00:58:52 ID:HhabtDZY
休み時間

少女「今日の物理は実験だから理科室に移動だよ」
少年「ああ」
少女「場所分かる?」
少年「5階だったか」
少女「うん、そうだよ、えっと、じゃあ私先に行ってるね」パタパタテッテッテ
少年「・・・ああ」
少年(何あんなに急いでるんだ?)
少年(・・・トイレか?)

男A(さて・・・問題はどうやって少女ちゃんに近づくかだが・・・)
女A「男〜、理科室いくわよ」
男A「なぁ」
女A「ん?」
男A「お前って、少女さんと知り合いとかだったりしない?」
女A「いや、違うけど・・・何?」
男A「そっか、ならいいや」
女A「な、なによ!いいなさいよ!」
男A「なんでもねぇよ」
女A「な・・・なによぉ!もう知らない!!」クルッタッタッタ
男A「あ、おい!・・・なんだぁ?」
男B「あ〜あ、お前は女心が分かってねぇなぁ」
男A「何の事だ?」
男B「いやぁ、べっつにぃ?」
男A「?」

107 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 01:09:59 ID:HhabtDZY
トイレ

少女「ふぅ・・・」
少女(さ、さすがに『一緒にトイレいこう』とは言えないもんね・・・///)
ポチ
チャララララ~♪
ガチャ
少女「あ、どうぞ」
女A「ええ、ありが・・・」
女A(こ、この子、確か少女さん・・・よね?)
女A「・・・」ジー
少女「・・・あ、あの?」
女A「・・・」ジー
少女「え、ええっと・・・?///」
少女(ど、どうしてこんなに見つめてくるの〜?///)
女A「・・・」フイッ
ガチャ
バタン
少女「・・・な、何だったんだろう///」

108 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 01:21:31 ID:HhabtDZY
理科室

教師「それじゃあ班ごとに実験開始!」
少女「・・・」
女A「・・・」ジー
少女(そ、そうだった、女Aさんと同じ班だった・・・)
友人「えっと、んで、この沸騰石を入れて・・・?」
友人「ん?先に?後に?・・・いいや入れちゃえ」カラン
女A「・・・」ジー
少女「・・・???///」
友人「エタノール?これだっけ入れるの?」
友人「いいや入れちゃえ」ドバドバドバ
女A「・・・・・・」ジー
少女「・・・?????////(な、何なの本当にーっ!?)」
友人「おわーっ!!何か煙出たー!!??」
教師「ちょ、ちょっとそこ!?何やってるの!?」
女A「・・・ジー」
少女「・・・!?!?!?/////」
友人「だ、誰か止めてー!」
教師「いいから火を消しなさい!」
友人「これどうやったら消えるんだっけ?」
教師「蓋!蓋!」
男A「ははっ、お前のとこすげぇ実験してんな」
女A「・・・別に、ふつー」ムッスー
男B「いや、どう見ても普通じゃねぇぞ?」

109 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 01:33:02 ID:HhabtDZY
4時間目 LHR

担任「あい、じゃあホームルーム始めんぞー」
担任「えっと、下の掲示板にも張り出してあるが、夏休み中は旧校舎は工事するから、一般の生徒は立ち入らないようにな」
担任「・・・あぁ、少女は中庭だけ行っていいとは聞いてるが・・・なにかあんのか?」
少女「ふぇ!?え、えっと、ま、まぁ、色々と・・・」
女B「えー?なんでー?」
女C「差別だ差別だー」
少女「あ・・・う・・・///」
友人「この子は中庭の手入れしてるから、それで特別に許可が出てるんだよ、ね?」
少女「あ、う、うん、別に私だけじゃなくて、中庭はみんな入って大丈夫だと思うけど・・・///」
女B「えっ!?あんなとこに中庭なんてあったっけ?」
女C「知らなかったー!どんなとこなの〜?」
少女「えっと・・・凄く暖かいとこだよ」
女B「気持ちよさそー!今度行っていい?」
少女「う、うん!」
少年「・・・」ムッ
担任「はいはい、それもいいけど、後もう一つ皆さんにお知らせです」
担任「まぁあと2週間後に期末試験があるわけだが・・・」
クラス「ざわ・・・ざわ・・・」
担任「ハイ静かに静かに、話は最後まで聞こうぜ」
担任「まぁ皆つらい試験勉強をしている事だろう、ここでやる気の出る事を教えてやる」
担任「なんと・・・ついに9月の修学旅行先が決定しましたっ!」
クラス「おぉ〜!!」
担任「しかも驚け・・・今年は大奮発して・・・イギリスのロンドン!!」
クラス「おぉ〜!?」
担任「・・・の、はずでしたが、ロンドンは今テロとかで物騒だから、例年通り京都でーす」
クラス「えぇ〜〜〜〜〜!!!???」
担任「残念でしたー、でも京都もいいとこだから、行きたいやつは期末試験頑張るように」
女A「期末試験関係ないじゃん」
担任「いいんだよ、気持ちの問題だ気持ちの!」
男A「相変わらず適当な奴だなぁ」

110 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 01:43:50 ID:HhabtDZY
担任「で、今日はその班決めをしよう・・・と思ったんだが、少年」
少年「ん?」
担任「クラスにはもう慣れたか?」
少年「・・・どうだろう」
担任「おいおい、せめてそこは嘘でも『はい』っていっとけよ」
少年「はい」
担任「いや、ここじゃなくて・・・」
クラス「はははwwww」

男A(そうだ!班決めだ!!)
男A(必然的に男3:女3のグループを組まねばならないはず)
男A(これなら自然に近づける!!)

担任「この様子なら今日決めても大丈夫そうだな」
担任「えー、公正を期す為にくじでとも思ったが、とりあえずお前らで適当に班を組んでみてくれ」
担任「分かってると思うが、うちのクラスは切りがいいから男女3人ずつの6人×5グループな、それじゃ、はじめっ!」パンッ

男B「男A!一緒に組もうぜ」
男A「もち、女Aもな」
女A「・・・」プクッ
男A「まだなんかむくれてんのか・・・いい加減機嫌なおせよ」
女A「ふんっ!」プイッ
男B「ほんとに鈍いのな、お前って・・・」

111 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 01:54:43 ID:HhabtDZY
ガヤガヤ

友人「しょーうじょ、一緒に組もっ!」
少女「うん」
友人「あ、少年君もどうかなぁ?」
少年「ん?」
少女「え!?///」
友人「いいじゃない、どうせ男の子はいるんだし、それなら知ってる人の方がいいでしょ?」
少女「そう・・・だね、少年君は、どうかな?」
少年「構わない」
友人「よしっ、決まり、じゃああとは・・・」

男A「おーい、そこの3人さーん」タッタッタ
友人「お?」
男A「お、ちょうどいい、こっち男二人、女一人の組み合わせだから、一緒に組もうぜ」
友人「なんだなんだぁ?男A君がこっちにくるなんて、珍しいじゃん」
男A「そうかぁ?」
友人「私はてっきり、そこら辺はいつものメンバーで行くもんだと思ってたよ」
男A「いやぁ、あっちはそうそうに決まっちゃったみたいで、あぶれたんだよねー」
友人「・・・ふぅん?」
女A「・・・」ヒクヒク
男B「お、おい!男A!ちょっとこっちこい!!」
男A「ん?なんだ?」
ガシッ
男B(お前、よりにもよってあそこのグループとはどういう事だ!?)
男A(いや、数がちょうど合うからいいだろ?)
男B(そうだけど、お前のせいで女Aがめちゃくちゃ怒ってるんですけど!?)
男A(まぁ、聞けよ男B、俺は何も考え無しであそこのグループに突撃したわけじゃないぜ・・・)

112 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 02:04:14 ID:HhabtDZY
男B(どういう事だ?)
男A(お前な、周りを見てみろよ!どこのグループも悪くはないが、決定的に欠けているものがある!!)
男B(決定的にかけているもの?)
男A(考えてみろ、相手にはテニス部のエース、友人ちゃんがいるんだぞ?)
男B(ああ、そうだな)
男A(加えて今まで俺たちのグループにはいなかった文科系美少女の少女ちゃんに、謎の転校生少年!)
男A(様々な遊びを繰り返してきた俺たちには、絶好の起爆剤だと思うが?)
男B(ま、まぁ、ある意味な・・・で、それが決定的に欠けているものか?)
男A(ちがう!それは・・・女の子メンバーが3人とも美少女だということだ!!!)
男B(はっ!!そ、そうかっ!!)
男A(まぁ女Aは昔からの付き合いだから置いておくとして、後二人もこのクラスの中ではかなりの上位!)
男B(ああ、確かに!!)
男A(校内美少女ランキングをしたら間違いなくトップ10には入るおにゃのこと一緒に、お寺を回ったり、昼を食ったり・・・)
男B(う、うむ)
男A(あわよくばお風呂も覗いて・・・そして夜のイベントへ!!)
男B(ご、ごくりっ・・・)
男A(どうだ?いい話だろ?何も文句は無いだろ?)
男B(ああ、男A・・・俺が間違ってたよ)
男A(いいんだ、お前なら分かってくれると信じてたよ・・・)
男B(お、男A・・・っ!!)

友人「で、どうすんのー?」

男AB「組みますっ☆」ビシィ!

113 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 02:16:26 ID:HhabtDZY
担任「はい、じゃあ決まった班から前に教えにこーい」
男A「はいはーい!」
担任「やっぱお前が一番か、で誰と?」
男A「男A、男B、少年、女A、友人、少女の6にんですっ!」
担任「ほう・・・?」

担任(こりゃ珍しい、男Aがここと組むとは)
担任(個人的に男Aはクラスの中心的存在と思ってたから、最も外れにいる奴らと組むのは予想外だった)
担任(いや、外れと言ってもこっちはこっちで個人的に一目置いてたグループだったし)
担任(こりゃ、面白い事になりそうだなぁ・・・)ニヤニヤ

友人「・・・先生、なにニヤニヤしてるの?」
男A「うわっ、ホントだ!気持ち悪っ!!」
担任「な、失礼だな!俺はお前らの事を思って」
友人「え!?私たちの事を思ってって・・・変態かー!!」
男B「先生よぉ、今の時代どこで通報されるか分からないから、気をつけた方がいいぜ?」
担任「な、なんだよぉー!!本当に何でもねぇよー!!」
友人「少女、女Aちゃん、この人危険だよ、離れて離れて・・・」
少女「え??え??」
女A「・・・」ムッスー

担任(前言撤回・・・めんどくさそうだ、この班)

114 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 02:26:13 ID:HhabtDZY
放課後

男A「っつうわけで、一緒の班になった男Aです、よろしく」
男B「男Bだ、よろしくな」
友人「友人よ、よろしく」
少女「あ、えっと、少女、です」
少年「・・・少年だ」
女A「・・・女A」ムッスー
男A「おいおいお二人さん、初対面は笑顔が大事だぜ?」
男B「6月にもなって初対面ってのも凄い話だけどな」
友人「まぁ私はちょくちょくあんたらと話した事あるけど、この二人は全くの初めてだからねぇ」
男B「俺としては、友人ちゃんと少女ちゃんが仲良しだったのが意外だなぁ」
少女「えっと、小学校の頃からの友達で・・・」
友人「そうそう、この子が教室の隅で本読んでたから、悪戯で本をひったくって、そっから喧嘩して仲良くなったんだよね」
男A「うわ、出会いは最悪だ」
少女「ま、まぁ、今は仲良しだし、そのときも喧嘩と言うよりは・・・」
友人「うん、私が泣いて追ってくる少女からのらりくらりと逃げ回ってただけだけど」
男B「どっちにしろ最悪じゃねぇか!」
男A「はは・・・で、少年はどうしてこいつらと?」
少年「・・・」ムッ
男B「うぉ、こわっ・・・」
友人「あー、これ考え事してるとこんな顔になるだけで、別に不機嫌なわけじゃないから」
少年「・・・ああ」
男A「そうなのか、俺はてっきりビタミンが足りないのかと思ったぜ」
少年「いや、こういう癖だ」
男B「おお!ボケに素で返す!芸人殺しだっ!!」
男A「おれは別に芸人じゃねぇよっ!」
友人「ははは、やっぱりあんた達は面白いねぇwwww」
男AB「まぁな・・・」キリッ
友人「あ、誉めてないから」
男AB「誉めてねぇのかよ!?」

115 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 02:38:01 ID:HhabtDZY
男A「んで、せっかく同じ班になったんだから、もっと親睦を深めたいと思うわけだ、俺は」
友人「唐突だね」
男B「こいついつもこんなんだから、ついてきてくれ」
男A「そこで!!第一回チキチキ遊園地大会を開催したいと思う!!」
少年「遊園地・・・大会?」
友人「用は一緒に遊園地に言ってもっと仲良くなりましょう、ってことでしょ?」
男A「さすが友人、順応能力高い」
友人「まぁね!」
男A「行くところは近場だし読売ランドでいいか?」
友人「いいんじゃない?某ネズミーランドは色々問題あるし」
男B「そうだな・・・」
男A「少女ちゃんも、それでいいかな?」
少女「え?あ、うん、いいと思う」
女A「・・・」ムッスー
男A「女Aもいいよな?」
女A「・・・別に、どこでもいい」
男B「あーあ、まだむくれてるよ」
友人「何かあったの?」
男B「いや、こいつがあまりにも少女ちゃん少女ちゃん言ってるから、妬いてるんだよ」
少女「ふぇ?」
女A「べ、別に妬いてないっ!!///」
男A「まぁまぁ、そこらも含めて、これから仲良くやってこうぜ!」
友人「そうね、よろしくっ!」

少女(なんか、凄い事になってきたなぁ・・・)

116 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 02:45:25 ID:HhabtDZY
帰り道

少女「ごめんね、今日も中庭の手入れ付き合ってもらって」
少年「いや、問題ない」
少女「それにしても、修学旅行かぁ、楽しみだなぁ」
少年「・・・あいつらとは、初めて知り合ったのか?」
少女「え?あ、うん、男A君達はいっつもクラスの中心にいるから・・・」
少年「そうなのか」
少女「うん、男A君は運動も出来るし、勉強もできるし、それに、かっこいいでしょ?」
少年「・・・まぁ、な」
少女「男B君は明るくいつも楽しそうだから、女子にも男子にも人気あるし」
少年「・・・」ムッ
少女「女Aちゃんはしっかりしてて、女子の中心グループのリーダー?みたいな?」
少年「なるほどな」
少女「だから、私みたいに教室の隅っこにいる人間には、今回の事は唐突すぎるなぁ・・・」
少年「・・・まぁ、いいんじゃないか?」
少女「そうかなぁ」
少年「ああ、普段遊ばない奴と仲良くなるのも、面白いだろう」
少女「そっか・・・少年君は凄いなぁ」
少年「まて、何故そう言う事になる」
少女「だって、普通は中々出来ないよ、見ず知らずの人と仲良くなんて・・・」
少年「そうか?」
少女「そうだよ、特に私みたいな消極的な人間は・・・」
少年「別に、消極的ではないと思うが」
少女「もぅ、そんなお世辞は大丈夫だよっ」
少年「いや・・・世辞じゃないんだが」

117 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 02:52:12 ID:HhabtDZY
自宅

少女「ただいまー」
母親「あら、おかえり」
少女「お風呂入って大丈夫ー?」
母親「15分で上がるなら」
少女「・・・いいや、食べてからにする」
母親「はいはい」
少女「私自分の部屋にいるねー」トントントン

ガチャ

神様「おや、おかえりなさい」

パタン

少女「・・・?」

ガチャ

神様「人の顔を見るなりドアを閉めるとは、失礼な人ですねー」

パタン

少女「!?」

少女(え!?え!?え!?い、今の人って・・・)

118 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:02:28 ID:HhabtDZY
少女の部屋

神様「いやぁ〜、お久しぶりです、覚えてますか?」
少女「・・・」
神様「あれ?反応がないですねぇ?おかしいな、故障かな?」
少女「・・・」
神様「まぁいいや、とりあえずお茶を貰いましょうか」
少女「・・・あの」
神様「はい?」
少女「どうしてここに?」
神様「いや、どうなってるかな〜と思いまして」
少女「・・・相変わらずジャージなんですね」
神様「ええ、これは私のトレードマークみたいなもんですから」
少女「・・・えっと、言いたい事はいっぱいあるんですけど」
神様「お、それはいい事ですね〜、もう何でも聞いてください!」
少女「とりあえず・・・帰ってください」
神様「これはまた、痛烈な一言ですね」
少女「だ、だいたい、なんで私の部屋に入れたんですかっ!?お母さんは!?」
神様「ああ、ごめんなさい、そこの窓から入りました」
少女「え?私窓閉めてったはずですけど・・・」
神様「ええ、勝手に開けちゃいました」
少女「ふ、不法侵入じゃないですかっ!」
神様「人聞きの悪い、ちょっと変わった侵入方法ですよ」
少女「結局侵入してるのに変わりないじゃないですか!」
神様「お、いいですね、反応が以前より良くなってますよ、良かった良かった」
少女「・・・はぁ〜」
神様「おやどうしたんですかそんな長いため息?ため息は幸せが逃げるからやめた方がいいですよ?」
少女「あなたのせいですっ!///」

119 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:10:47 ID:HhabtDZY
少女「・・・それで、何の用なんですか」
神様「おや、もういいのですか?」
少女「ええ・・・なんだかあなた相手にわたわたしてるのが馬鹿らしくなってきました・・・」
神様「それはいい事です、人生諦めが肝心ですよ」
少女「・・・あなたがそれを言うと、凄くうさん臭いです」
神様「そうですか?ああ、私は神様ですからねぇ、確かに」
少女「あの、その事なんですが・・・本当に神様なんですか?」
神様「だからそうだと言ったじゃないですか、信じられませんか?」
少女「ええ、いまわに・・・」
神様「そうですねぇ・・・では、喉が渇いたしお茶にしましょう」ポンッ
少女「えっ!?な、な、な、何も無いとこからペットボトルが・・・」
神様「これで信じてくれましたか?」
少女「え、ええ・・・」
神様「本当はもっと分かりやすい方法もあったんですけどね」
少女「分かりやすい方法?」
神様「ええ、例えばあなたを猫耳幼女に変身させるとか」
少女「ねこ・・・え?」
神様「でもそれは前に一回やってるんで、やめときましょう」
少女「あの、あなたの言っている事がいまいち理解できないんですけど・・・」
神様「問題ありません、なにしろ私は神様ですから」
少女「便利な言葉ですね、神様って」

120 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:19:13 ID:HhabtDZY
神様「さて、戯れはこのぐらいにして・・・少女さん」
少女「はい?」
神様「本当のところ、どうですか最近、面白いですか?」
少女「え、えぇ、まぁ、前よりは・・・」
神様「そうですか、それは良かった、あと、具体的に言ってくれるとありがたいのですが?」
少女「具体的に?」
神様「ええ、例えば、前とはこういうところが違った、とか」
少女「えっと・・・とりあえず、少年君が転校してきたのは、良かった・・・かな?」
神様「ふむ、なるほど」
少女「あとは、理事長さんともお話しできたし・・・男A君達とも、今日話せたし、皆で遊園地行く約束もしたし・・・」
神様「・・・男A?」
少女「は、はい」
神様「・・・ほほう、あちらから接触してきましたか、なるほど」
少女「あの、それが何か・・・?」
神様「以前お会いした時に、あなたは『その他大勢』のモブキャラであると言う事は、お話ししましたね?」
少女「えっと、そのその他大勢とかモブってのがよくわかりませんけど、はい、聞きました」
神様「つまりですね、あなたは本来描かれる事の無い役割なんですよ」
少女「はぁ・・・?」
神様「ほら、よくいるでしょう、ゲームとかの背景にいる顔も名前も無いキャラクター」
少女「ええ、よく見ますけど」
神様「それです、その人達の事を、モブキャラクターや、群衆キャラ、背景キャラと言うのです」
少女「・・・それが、私?」
神様「そう、あくまで、彼が主人公のこの世界では、ですが」
少女「彼・・・って?」
神様「これも最初にちらっと言いましたね、男Aさんのことです」
少女「!」

121 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:29:21 ID:HhabtDZY
少女「男A君が、主人公?」
神様「はい、あ、ちなみに主人公と言うのは・・・」
少女「それは大丈夫です、分かってますから」
神様「・・・本当ですか?まぁいいでしょう、ともかく、あなたはモブキャラなわけです」
少女「・・・」

少女(モブ・・・その他大勢・・・私が?)
少女(顔も名前も無い、ただの背景・・・)
少女(・・・そう、かもしれない)
少女(だって、私今まで目立った事無いし・・・)

神様「本来モブキャラと主人公が絡む事はありません、何しろ背景ですからね」
神様「たまに一言二言会話する事はあっても、そこまで関係を持つ事はあり得ないんです」
神様「ところが、男Aさんはあなたに接触してきて、あまつさえ関係を持とうとしている」
神様「これは・・・一体どういう事でしょうねぇ」ニヤリ
少女「・・・あの、これはあなたが神様だって前提でお話ししますけど」
神様「はい?」
少女「それも・・・あなたが色々と、その、操作したからですか?」
神様「ほう?操作とは?」
少女「だから、例えば少年君がうちの裏に引っ越すようにしたり、男A君が話しかけるようにしたり・・・」
神様「ああ、それはご心配なさらずに、私はその手のところはいっさい弄ってませんから」
少女「・・・本当ですか?」
神様「ええ、だいたい、人の人生を操るのは結構疲れるんですよ、なので面倒なので一切やってません」
少女「・・・なんだか、見た目も中身もやる気の無い人ですね」
神様「それがモットーですから!」
少女「それはどうなんですか、神様として」

122 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:35:31 ID:HhabtDZY
神様「ともかく、あなたの心配しているような事はしていないので、ご安心を」
少女「・・・はぁ」ホッ
神様「私がしたのは・・・いえ、まだ言う事じゃありませんね」
少女「え、何ですか?」
神様「いえいえ、何でもありませんよ」
少女「い、今何か言いかけましたよねっ!言ってください!気になりますから!」
神様「・・・私がしたのは」

母親「少女ーご飯よー」

少女「あ、はーいっ!」
神様「おっと、どうやら時間のようですね」
少女「え!?」
神様「それでは私はこれで失礼しますよ」
少女「ちょ、ちょっと待ってください!!」
神様「それでは、アデュー!!」パッ
少女「あっ!・・・ま、また消えた・・・」
少女「・・・な、なんだろう、凄い気になる」
母親「少女ー、食べちゃうわよー」
少女「今行くーっ!」

123 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:42:32 ID:HhabtDZY
風呂

チャポンッ

少女(今日は色々あったなぁ・・・)
少女(少年君との朝の登校、旧校舎の工事、男A君達との約束)
少女(あと・・・神様とのお話)
少女(本当に、神様なのかな?)
少女(でも、神様じゃなかったら、何にも無いところから物を出したり突然消えたりするのは、説明できないよね)
少女(・・・モブキャラ、か)
少女(やっぱり、ちょっとショックだな・・・)
少女(だって、ってことは私って、名前も何も無い、ただの・・・)
少女(・・・あれ?私・・・)

少女(私の名前って、なんだ/;_l。¥ー¥/、/)



」「「


/:_


」「@/p」





124 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 03:48:04 ID:HhabtDZY
ここまでです
投下時刻守れなくてすまん・・・家帰ってばたんしてた・・・
誉められた瞬間にこれだよっ!
次回確実なのは日曜日の夜
明日(もう今日か)もしかしたら21:00ぐらいから更新できるかもだが・・・ちょっとこっちはまだ未定です
NGは無し、今日はわりとすらすら書けて良かったが、これからの展開が難しそうなので頑張る

125 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 05:14:56 ID:y6snnUfH
最後のこEEEEEEEEE!!

投下乙ッスー!
よくこんなにコンスタントに書けるなぁ
続き期待ワッフル

126 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 11:01:08 ID:ZfWEfa5w
投下乙!
慌てずゆっくり書いてね

127 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 18:22:26 ID:Dz/cMVaJ
投下乙

なんかちょっと展開が不穏な感じに・・・
できれば少女ちゃんには幸せになって欲しい

128 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 21:14:02 ID:K63fMyOZ
1です
10レス分ぐらい投下できそうなんで投下


??「ほら、見てこの顔、お猿さんみたい」
??「ははっ、ほんとだ」
??「名前、どうしようか」
??「そうだなぁ、あまり変なの付けると怒られちゃうし」
??「お養母さんに?」
??「いや、将来この子にさ」
??「ふふ、そうね、責任重大だわ」
??「でも、実はもう決まってるんだ」
??「あら、そうなの?私には一言もそんな事言ってなかったじゃない」
??「ごめんごめん、集中してもらいたかったからさ」
??「嘘つき、ほんとは真剣に名前考えてるところを見られたくなかったんでしょ」
??「う、まぁ、ほら、なんだ、いいじゃないか」
??「ふふ、まぁいいけど、それで、どんな名前?」
??「ああ、いつでも誰かを思いやる心のある人に育ってほしいから・・・」

少女「!!」

少女「・・・いまの、は?」

母親「少女〜いつまで入ってるの〜?」

少女「あ、うん、今上がる〜・・・」


少女(なんだろう?・・・気のせいかな)

129 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 21:25:18 ID:K63fMyOZ
少女の部屋

少女「明日は日曜日かぁ」
少女「特に予定もないし、中庭の手入れに行こうかな」
少女「あ、そうだ、用務員の人にアジサイの事相談しなきゃ」
少女「・・・」
少女「・・・なんか、眠いや」
少女「少し早いけど、今日はもう寝よ・・・」

ゴソゴソ

少女「・・・」

カチッ…カチッ…

少女「・・・」

『ほら、よくいるでしょう、ゲームとかの背景にいる顔も名前も無いキャラクター』

少女「・・・」ブルッ

少女「は、早く寝よう・・・」

130 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 21:36:47 ID:K63fMyOZ
翌日

少女「ぼっくらはみんな〜い〜きている〜♪」シャー
少女「いきっているから・・・うたうん、だ・・・」シャー
少年「よぅ」
少女「あ、少年君、おはよう」
少年「・・・どうした?」
少女「え?」
少年「なんか、暗い顔してるぞ」
少女「あ、ううん!何でも無いから、大丈夫」
少年「・・・」ムッ
少女「日曜日も走ってるんだ、凄いね」
少年「・・・ああ、今日は昼まで走るつもりだ」
少女「昼まで!?そ、それはまた、大変だぁ」
少年「いい加減ここらの地理を覚えておきたくてな」
少女「あ、そ、そっか、頑張ってね」
少年「ああ、じゃあな」タスッタスッタスッ
少女「行ってらっしゃ〜い」ヒラヒラ
少女「・・・地理を覚える、か」シャー
少女「もし、学校までの道も覚えちゃったら、もう・・・」ジャー
少女「・・・って、はっ!わ、私何考えて・・・///」ジャー
少女「道を覚えるのはいい事だよ!うん!!」ドバァー
少女「・・・ってうわぁ!また水あげすぎた!!」ジャ…チョロチョロ

131 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 21:45:50 ID:K63fMyOZ
用務員室

用務「ふぃ〜、一仕事終えた後の茶は染みるねぇ」
守衛「またそんな事言って、年取った事を実感してどうする」
用務「もうなんかこの年になると吹っ切れるな、どうでもいいというか」
守衛「まぁ、俺たちももう60過ぎだしなぁ」

コンコン

少女「すいませ〜ん」
用務「お、その声は少女ちゃんかな」
少女「はい、入っていいですか?」
守衛「もちろん、どうぞどうぞ」
少女「はーい」

ガラガラ

少女「こんにちわ、用務さん、守衛さん」
用務「はい、こんにちわ」
守衛「こんにちわ、今日は手入れに来たんだね」
少女「はい、先週用事があってサボっちゃいましたから」
用務「一日ぐらいほっといたって、枯れやしないさ」
守衛「おいおい、お前はそれでも用務員か」
用務「馬鹿野郎、用務員だからこそ分かるんだよ」
少女「ふふ、そうですね」
用務「ほら見ろお前!聞いたか?」
少女「でもなるべく毎日水を上げないと、お花が可哀想ですから」
守衛「ほら見ろお前、聞いたか?」
用務「う・・・」

132 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 22:02:03 ID:K63fMyOZ
用務「ま、まぁまぁ、少女ちゃん、お茶でもいかがかな?」
少女「はいっ、いただきます」
守衛「そういえば、旧校舎の工事はもう知ってるのかな?」
少女「はい、耐震工事でしたよね、理事長がそう言ってました」
用務「へぇ、理事長と話したんだ」
少女「話したと言っても、ちょっとですけど」
守衛「あの堅物がねぇ、よく話す気になったもんだ」
用務「だから言ったじゃないか、少女ちゃんはそういうもんを持ってるんだよ」
少女「そういうもの?」
守衛「こいつ少女ちゃんの事になると、二言目にはこれだ、『あの子には人を和ませるもんがある』ってさ」
用務「ほんとだぞ!少女ちゃんといると嫌な事とかぱーっと吹っ飛んじまう」
少女「い、いえいえそんな!とんでもないです///」
用務「な、こういう所とか」
守衛「まぁ確かに、一緒にいて心地よくはあるな」
少女「もぅ、何も出ませんよ?///」
用務「ははは、からかいすぎたかな?」
守衛「そんで、理事長はなんて言ってたんだい?」
少女「えっと、工事をするところからは離れてるから、中庭には入っていい、とか」
用務「へぇ、そりゃ特別だ」
守衛「ああ、確か一般の生徒は近づくのも禁止だったはず」
少女「え?そうなんですか?」
守衛「いくら工事の場所とは離れてても危ないからねぇ、俺は見かけたら追い返すように言われたよ」
少女「あれ?でも、中庭は大丈夫って・・・」
用務「まぁ、あそこは元々取り壊す予定だったから、情報が錯綜してるんじゃねぇのか?」
守衛「そうかもな、後で聞きにいってみるか」
少女「とり、壊す?」
用務「おう、なんだやっぱ聞いてなかったか、あそこを取り壊して新しい校舎建てるって計画のはずだったんだよ」
少女「・・・え?」

133 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 22:12:37 ID:K63fMyOZ
用務「50周年記念工事とかなんだかで、理事長が企画してたんだよ」
守衛「ああ、特別校舎だったかな?ほら、理科室とか、そう言う教室を集めた校舎だよ」
用務「この学校の新校舎も15年経つからなぁ、そろそろここらで新しい風を、ってやつだろ」
守衛「にしてもあの校舎をつぶすなんて、何考えてんだかあのじゃじゃ馬は」
少女「そう、だったんですか・・・」
用務「でも、それが急に耐震工事に変わっちまってな、本当に昨日今日の出来事だよ」
守衛「何があったかは分からんが、おおかた資金が集まらなかったとか、そういうとこだろ」
少女「・・・」
用務「おっと、少女ちゃんに話すことじゃなかったな」
守衛「ああ、すまんすまん、理事長とは昔からの顔なじみだから、つい陰口がな」
少女「昔からの?」
用務「おうよ、俺と守衛と校長は、この学校の第一期生なんだ」
守衛「んで、理事長は第三期生、つまり後輩だな」
用務「あいつも昔は騒がしい奴だったが、今では親を次いで立派に理事をやってらぁ」
少女「そうだったんですか・・・素敵ですね!」
用務「はは、まぁ、これで奴もいれば当時の面子が揃ってたんだが・・・」
守衛「おいおい、それこそ話す事じゃねぇだろ」
用務「おっとそうだった、いかんな、年取るとつい口が軽くなっちまう」
少女「・・・?」

キーンコーンカーンコーン

用務「あーあ、鳴っちまった、んじゃ、俺はちょっくら仕事してくらぁ」
守衛「おう、それじゃ俺も持ち場に戻るかな、またな少女ちゃん」
少女「あ、はい、ごちそうさまでした」

134 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 22:22:30 ID:K63fMyOZ
旧校舎 中庭

少女(取り壊し・・・か)
少女(そんな事になってたんだ、知らなかった・・・)
少女(それに、校長先生、用務さん、守衛さん、理事長さんが、この学校の卒業生だったなんて・・・)
少女(ってことは、この旧校舎で学んでた、ってことだよね?)
少女(・・・なんか、いいなぁ)
少女(私も、60歳ぐらいになってもお付き合いのある人、できるかなぁ)
少女(はは、それは夢見過ぎかな)
少女(あ!そういえばアジサイの事聞くの、忘れてた・・・)
少女(まぁいいや、明日聞こ)

男A「・・・あれ?少女ちゃんじゃん」
男B「お、ほんとだ、おーい!!」
女A「・・・」

少女「あ、え?」
男A「よっす、日曜日も中庭の手入れ?凄いな」
少女「お、男A君達、どうしてここに?」
男A「俺らは今日野球部の練習試合・・・を見に来た野次馬だ」
男B「ここが噂の花園か〜、すげ〜!」
男A「な?凄いだろ」
女A「あんたが誇る事じゃないでしょ」
男A「この間この中庭を発見してさ、少女ちゃんが手入れしてるって聞いて、びっくりしたよ」
男B「は!?これ全部一人でやったのか!?」
少女「あ、ううん、友人ちゃんとか少年君とかに手伝ってもらったりして・・・」
女A「にしても・・・凄いわね、本当に花畑みたい」
男B「ああ、すげぇ」
男A「お前らさっきからすげぇばっかだぞ」

135 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 22:33:39 ID:K63fMyOZ
男B「そうだ、1時半から試合が始まるんだけどさ、少女ちゃんも一緒に見ない?」
少女「私も?」
男A「そりゃいい、面白いぞ高校生同士の試合は、何が起こるかわかんねぇからな」
女A「・・・」ムッスー
男B「おいおい、まだ妬いてんのか」
女A「だ、だから!そんなんじゃないってば!///」
男A「お前なんでさっきから不機嫌なんだ?」
女A「う、うっさいばか!先行ってる!」テッテッテッ
男A「・・・なんだ?」
男B「お前は・・・本当にもう少し周りを見ような」
男A「え?なんのことだ?」
男B「いや、いいけどさ、んで、少女ちゃんも見るだろ?」
少女「で、でも、私、野球のルールとかよく分からないし・・・」
男A「分かんなくても面白いさ、俺らも教えるし大丈夫!」
少女「私が行ったら、お邪魔じゃない、かな?」
男A「お邪魔なもんか!むしろ大歓迎だ!」
男B「よし、決まりだな、行くか!」ガシッ
少女「え?・・・え!?///」ズルズル
男A「いやぁー、今日はあの名門高校との試合だからな、俄然燃えるぜ!」
男B「ああ!ま、うちの学校が勝てるとは思えないけどな」
男A「おいおい、それは言っちゃ駄目だろ」
二人「はははははwwwww」

少女(な、なんか流れで付いてく事になっちゃったけど、いいのかな・・・?)

136 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 22:42:25 ID:K63fMyOZ
グラウンド

男A「球児Aーっ!!しっかり球見ろよーっ!!」
男B「ピッチャービビってるぜーっ!!」
女A「・・・」ムスッ
少女「・・・」

少女(お、女Aさん、さっきから怖い顔ばっかりだ・・・)

カキーン

ワー

男A「よっしゃ!まわれまわれ!!」
男B「一塁蹴った!届くか!?」
女A「・・・」ムスッ
少女「・・・あ、あの」
女A「・・・何?」
少女「も、もし私お邪魔だったら、帰りますけど・・・」
女A「別に、いればいいじゃない」
少女「え?」
女A「それとも、誘われてここまできたのに、帰っちゃうの?」
少女「あ、いや、そういうわけじゃ・・・」
女A「じゃあ、いいじゃない」ムスッ
少女「あ、は、はい・・・」

少女(こ、怖いよ〜・・・)

137 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 22:53:36 ID:K63fMyOZ
女A「・・・あんたさ」
少女「ひゃ、ひゃい!?」
女A「今日はもう予定ないの?」
少女「あ、は、はい、中庭の水やりももう終わったし・・・」
女A「敬語やめて、慣れてないから」
少女「う、うん、分かった」
女A「そっか・・・ならいいんだけど」
少女「・・・あの」
女A「何?」
少女「女Aさんって、男A君の事、好きなの、かな?」コソッ
女A「ばっ!なんでそうなるのよ!!///」
男A「そうだ!何でそこでバントなんだよ!!」
男B「芯狙ってけーっ!」
少女「あ、いえ、なんとなくそうなのかなって・・・」
女A「ち、違うわよ、あいつとは幼なじみなだけで、他には何も・・・///」
少女「そうなんだ・・・」
女A「・・・あんたはどうなのよ」
少女「え?私?」
女A「少年君とやたら仲いいじゃない、好きなの?」
少女「ち、違うよぉ〜!!///」
男A「そうだ!今のはセーフだろ!!」
男B「審判どこ見てんだよ!!」
女A「じゃあ・・・男A?」
少女「そ、そんな、まだ知り合ったばかりなのに、なるわけないよ・・・///」
女A「・・・ほんとに?」
少女「う、うん・・・」
女A「・・・そうよね」ボソッ
少女「え?な、なに?」
女A「ううん、なんでもない!いけーっ!かっ飛ばせーっ!」
少女「???」

138 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 23:03:26 ID:K63fMyOZ
帰り道

男A「いや〜、快勝、快勝!」
男B「相手がな」
女A「ほんと、いつみてもうちの野球部はだらしないわね」
男A「いやいや、あの名門高校から4点奪えただけでも成長したさ!」
男B「相手にはその3倍とられてたけどな」
少女「でも、面白かった」
男A「ほんと?」
少女「うん、あまりこういうの見た事無いから、何か新鮮で・・・」
男B「でしょでしょ!?いやー、やっぱり誘って良かった」
女A「強引に連れてきたのは誘ったって言わないの!ごめんね、少女ちゃん」
少女「あ・・・ううん、おかげで本当に楽しめたから」
女A「そっか」
少女「・・・今、初めて呼んでくれたね」
女A「え?・・・あ、ま、まぁね///」
男A「こいつこれでいて意外と人見知りだからなぁー」
女A「前半部分が余計だぼけっ!」ボカッ
男A「あつっ!ぐ、グーで殴るか普通!?」
少女「あ、あのさ、女Aさん・・・」
女A「何?」
男A「スルーかよ!?」
少女「それなら私も、女Aちゃん、って呼んでいいかな?」
女A「・・・す、好きにすれば?///」
少女「うんっ!よろしくね、女Aちゃん!」
女A「・・・ええ、よろしく」

男B「いいねぇ、こういう女の子同士の友情、萌えるね〜」
男A「その発言は変態っぽいぞ」

139 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 23:13:06 ID:K63fMyOZ
男B「んじゃ、俺らはこっちだから」
少女「うん、またね」
男A「遊園地は詳しい事が決まったら教えるな」
少女「うん、ありがとう」
女A「じゃ、また明日学校でね」
少女「うん!ばいばい」ヒラヒラ
女A「クスッ・・・ええ、ばいばい」ヒラヒラ
男A「ばいばい☆」ブンブン
男B「ばいばい☆」ブンブン
女A「きもい」ボカッ
男A「あつぅ!?な、何で俺だけ!?」スタスタ
男B「んじゃねー!」スタスタ
少女「あははwww」

少女「・・・行っちゃった」
少女「あ、もうこんな時間だ、帰らなきゃ」
少女「・・・楽しかった、な」
少女「こんな日曜日、本当に久しぶり」

『ところが、男Aさんはあなたに接触してきて、あまつさえ関係を持とうとしている』
『これは・・・一体どういう事でしょうねぇ』

少女「・・・結局よく分からないけど、悪い事ではない、よね」
少女「うん、きっとそうだよ」
少女「・・・私も帰ろっ」
少女「ぼっくらはみんな〜い〜きている〜♪」
少女「いきっているからうたうんだ〜♪」テトテトテト…

140 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 23:15:39 ID:K63fMyOZ
少ないですけど、ここまでです
気づいたが3点リーダー多すぎだな
便利だからついつい使ってしまう・・・←こんな感じで
時間は未定ですが、明日の夜にまた投下します

141 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/19(土) 23:28:30 ID:ZfWEfa5w
乙です
このペースで投下できるのはすごいな
創発ではトップクラスのスピードだ

142 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 01:05:07 ID:JczOuUTm
↑同感。
そして若干不穏な動きが、楽しい日曜日を余計に際立たせている。

あ゛〜〜〜 自分もこういうメリハリの利いた展開をしたいっす
まだまだ修行が足りないっす

作者さん、乙です!

143 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 04:19:30 ID:dtExk5ue
ここの>>1のスペックの高さは異常

男ABのコンビ大好きだww
こんな友達がほしかったぜ……

144 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 21:56:50 ID:Gh3l6J5H
1です
遅くなってスマン
22:30〜投下します

145 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 22:29:27 ID:Gh3l6J5H
月曜日

少女「うわぁ〜ん!完全に寝坊しちゃったぁ!!」
少女「ど、どうしよう!早くしないと少年君が・・・!」
少女「えっと、とりあえず着替えて、シャワー入って・・・」ヌギヌギ

ピンポーン

少女「うわぁ〜!!き、来ちゃったよぉ〜!!」

ガラガラ

少女「ごめん!少年君、あと10分待って!!」
少年「・・・お、おう」フイッ
少女「・・・どうしたの?」
少年「いや、服・・・」
少女「服・・・?」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・」
少女「・・・っ!!ご、ごめん!!///」ガラガラバタンッ!

少女(ふ、服脱いでる途中で窓空けちゃった〜////)

少年(白か・・・)

146 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 22:42:38 ID:Gh3l6J5H
少女「お、お待たせ///」
少年「ああ」
少女「さ、さっきはごめんね?つい急いでて・・・///」
少年「いや、気にしてない」
少女「え?」
少年「ん?」
少女「・・・気にしてない?」
少年「ああ」
少女「・・・これっぽちも?」
少年「ああ」
少女「・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・そ、そっか」
少年「ああ」
少女「い、行こうか・・・」
少年「・・・どうした、元気ないぞ」
少女「だっ!・・・ううん、何でも無い・・・」
少年「・・・」ムッ

少女(ちょ、ちょっとは気にしてくれても・・・)
少女(そんなに魅力ないかな・・・私・・・)

少年「・・・体調でも悪いのか?」
少女「ううん・・・大丈夫だよ・・・」ズーン

147 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 22:43:39 ID:CH/YBggs
> 少年(白か・・・)

畜生ーーーー!!!!
この野郎!代われ!俺と代われ!

148 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 22:52:49 ID:Gh3l6J5H
少年「さすがに道順は覚えてきた」
少女「そう?よかった」
少年「次からは一人で通えそうだ」
少女「そ、そっか・・・ならもう大丈夫だね・・・」
少年「今までありがとな」
少女「う、ううん!お役に立てたなら、嬉しい、sよ・・・」

少女(今までありがとう、か・・・)
少女(じゃあ、一緒に行くのも今日で最後だね・・・)

少年「すまんな、明日からは手伝えなさそうだ」
少女「大丈夫だよ、気にしないで・・・」
少年「明日も同じぐらいの時間で大丈夫か?」
少女「・・・え?」
少年「今日はどうやら早すぎたみたいだし、もう少し余裕もって」
少女「ちょ、ちょっと待って?明日も一緒に行くの?」
少年「・・・嫌なら一人で行くんだが」
少女「そ、そうじゃなくて!だって、もう道は覚えたし、手伝えないって・・・」
少年「ああ、明日からはグラウンドで走ろうと思ってな」
少女「ぐ、ぐらうんどで?」
少年「その方が楽だし、どれぐらい走ったか分かりやすいからと思ってな」
少女「あ、そっか、1週250mだから・・・」
少年「それで、明日から手伝えない、と言う意味だったんだが・・・」
少女「そ、そっか!な、なんだ、私てっきり・・・」
少年「ん?」
少女「い、いや、何でも無い!い、行こっか!」テトテトテト
少年「・・・?」ムッ

149 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:02:52 ID:Gh3l6J5H
少女「でも、それなら今日から走らなくていいの?」
少年「ああ、たまには休ませないと、筋肉が成長しないからな」
少女「へぇ、そうなんだ?」
少年「休ませ過ぎもアレだが、月に一回ぐらいは」
少女「月に一回・・・そ、それだけ?」
少年「ああ」
少女「すごいね、尊敬しちゃうな・・・」
少年「そんなことはない、毎日続けているお前の方が凄い」
少女「そ、それこそそんなことないよ///」
少年「いや、尊敬する」
少女「そ、そっかな?」
少年「ああ」
少女「そ、そっか、ありがとう///」
少年「それに・・・」
少女「?」
少年「今日までは案内してくれた礼もある、だから今日はきっちり手伝う」
少女「・・・それも、けじめ?」
少年「ああ」
少女「そっか・・・」
少年「・・・」ムッ

少女(ってことはやっぱり、仕方なくやってる、のかな・・・)

少年「・・・おい、どうした」
少女「へ?あ、ううん!なんでもない・・・今日は遅れちゃったから、急がないとね」
少年「・・・?」ムッ

150 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:11:17 ID:Gh3l6J5H
少女「今日は1年生の教室と、生徒会室、創作芸術部室、和室の花瓶だよ」
少年「・・・和室?」
少女「うん、昔は書道の教室に使ってたらしいけど、今はほとんど茶道部の部室になってるよ」
少年「茶道部なんてあるのか」
少女「英語のイギリス人先生が凄い日本通で、一昨年ぐらいに設立されたんだって」
少年「それはまた・・・なんとも妙な話だ」
少女「先生の入れる抹茶はおいしいよ、今度機会があったら飲んでみなよ」
少年「多分、無いと思う」
少女「た、確かに・・・私も一度だけだなぁ」
少年「それでも、飲んだ事があるのか」
少女「うん、英語の質問しにいったら、いつの間にか正座させられてて・・・」
少年「・・・凄い先生だな」
少女「でも、普通の人より難しい日本語知ってて、凄いなぁと思う」
少年「まぁ、外国にはたまにそう言う奴がいる」
少女「やっぱりそうなんだ?」
少年「ああ、一度ロサンゼルスに行ったときは・・・一言目が『お初にお目にかかります』でびっくりした事がある」
少女「はは、すごいね」
少年「当時9歳だったから、完全にもてあそばれてたな」
少女「日本語で?」
少年「日本語で」
少女「そ、それはまた・・・」
少年「だから、逆に英語で反撃してやった」
少女「・・・え!?そ、それも凄いね」
少年「失敗したがな」
少女「そ、そっかぁ・・・」

少女(そんな時から外国に行ってたんだ・・・英語得意なはずだよね)

151 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:12:37 ID:CH/YBggs
少年ハイスペックだな

152 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:21:55 ID:Gh3l6J5H
創作芸術部室

少女「ここは創作芸術部の部室だよ」
少年「妙な名前の部だな」
少女「軽音部、文芸部、その他芸術に関する事を何でもする部活、だったかな?」
少年「なんだかごちゃごちゃしてるな」
少女「普通にそれぞれ部活としてあるんだけど、何でも手を出したいっ!って人はここに入るんだと思う」
少年「なるほどな」
少女「でも、最近は自作小説とか、そっちの方の活動が盛ん、なのかも?」
少年「そうなのか」
少女「うん、だってほら、教室の後ろに・・・」
少年「・・・凄い量の紙束だ」
少女「多分、自分たちで書いたショートストーリーとか、じゃないかなぁ」
少年「なるほど」
少女「とにかく好奇心旺盛だから、お花の手入れも気づいたらやってくれてたりするんだ」
少年「それはまた、楽なことだ」
少女「うん、念のために確認はするけど・・・」
少年「・・・本当だ、茎を切ってある」
少女「やっぱり?・・・あ、でもお水は変えてないみたい」
少年「そんなのも分かるのか」
少女「うん、前変えたときよりもお水が減ってるから」
少年「・・・なるほど」
少女「お花にもよるんだけど、このお花は水を吸いやすいから、3日も経てば一目で分かるよ」
少年「・・・もはや特技の域に見えるな、それは」

153 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:32:56 ID:Gh3l6J5H
和室

少女「ここが和室だよ、中々凄いでしょ!」
少年「・・・何畳あるんだ?」
少女「え?えっと・・・数えてみようか?」
少年「いや、そこまでしなくていいが」
少女「でも、普通の教室と同じぐらいの広さに畳が敷き詰められてるのは、圧巻だよね」
少年「・・・あそこの隅にあるのは、何だ?」
少女「あれは茶室だよ、イギリス人先生が無理矢理作った物だから、ちょっと作りが粗いけど・・・」
少年「にしても、中々本格的だな」
少女「うん、あの小ちゃい木の窓から入って、その中に4畳ぐらいの和室があるんだ」
少年「・・・狭いな」
少女「二人なら十分、らしいよ?私も前にあそこでお茶を頂いたんだ」
少年「ふむ」
少女「でも、5分も経たないうちに足が痺れてきちゃって、結局ずっと正座は無理だったけど・・・///」
少年「・・・長時間正座してると、感覚が戻るのに数日かかるらしい」
少女「え!?そ、そうなの?」
少年「ああ、だから無理な正座は良くない、と思う」
少女「・・・あ」

少女(これってもしかして、フォローしてくれてる、のかな?)

少女「クスッ・・・ありがとう」
少女「・・・」ムッ

154 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:41:49 ID:Gh3l6J5H
少女「ふぅ、なんとか時間通り、全部終わったね」
少年「・・・ふと思ったんだが」
少女「へ?」
少年「さっきのみたいな園芸の知識ってどこで覚えたんだ?」
少女「園芸の知識?・・・う〜ん、やっぱり本とか、かな?」
少年「専門の?」
少女「うん、最近は色々出てるから、興味があったら少年君も読んでみたら?面白いよ!」
少年「・・・いや、多分理解できないと思う」
少女「そう・・・かも、結構マニアックなのが多いからなぁ・・・」
少年「でも、そう言う趣味があるのはいい事だ」
少女「趣味?・・・これは、趣味、なのかな?」
少年「いや、誰がどう見ても、立派な趣味だと思うぞ」
少女「そう、なの?」
少年「ああ・・・違うのか?」
少女「あ、ううん!そうじゃなくて・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「そっか・・・趣味、なんだ・・・」

少女(いままで、あんまり意識した事なかったなぁ・・・)
少女(TVゲームは苦手だし、運動も苦手だし、本もあまり読まないし)
少女(趣味と言えるような物って、無いと思ってたけど・・・)
少女(これが、そう、だったんだ)

少女「・・・じゃ、じゃあ、少年君の趣味って何なのかな?」
少年「俺か・・・?」ムッ

155 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/20(日) 23:52:39 ID:Gh3l6J5H
少女「うん、あ、やっぱり走る事?」
少年「いや、それはなんというか、習慣というか」
少女「習慣?」
少年「ああ、あくまで体力作りであって、趣味ではない、と思う」
少女「そうなんだ」
少年「趣味と言ったらやっぱり・・・レコーディングか」
少女「れこーでぃんぐ、って・・・たしか、お父さんのお仕事だよね?」
少年「ああ、親父がプロだとしたら、俺はアマチュアだ」
少女「へぇ、やっぱり、お父さんの影響で?」
少年「いや、そういうわけでもない」
少女「そうなの?」
少年「ああ・・・まぁ、多少なりとも影響はあるかもしれないが、親父に憧れてと言うわけではないな」
少女「ふ〜ん?」
少年「俺はどちらかと言うと、レコーディングよりミックスの方が好きだし」
少女「えっと・・・ミックスって?」
少年「ああ、すまん、ミックスってのは・・・」
少女「うん」
少年「まぁ簡単に言うと・・・」
少女「うん」
少年「・・・料理だ」
少女「・・・うん?」

156 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:01:05 ID:UmzK8526
少年「つまり、ピアノとかギターとかの音を録音するのが、レコーディング」
少女「うん」
少年「その録音した音を調整するのが、ミキシングとか、ミックスって言う」
少女「へぇ・・・」
少年「親父がやってるのは主にレコーディングの方だが、俺が趣味でやるのはミキシングの方だ」
少女「そうなんだ・・・なんか、面白そうだね!」
少年「ああ、面白い」フッ
少女「!」
少年「・・・ん?」
少女「あ、い、い、い、いや、な、なんでもない・・・」

少女(しょ、少年君て、笑うとこんな顔なんだ・・・///)
少女(・・・なんか、カッコいい、かも)

少年「ん?」ムッ
少女「あ、え、えと!!じゃあ、少年君も何か楽器できたりするのかなっ!?///」
少年「・・・楽器?」
少女「う、うん、だって、その録音した音を調整するのが、みっくす・・・だよね?」
少年「ああ」
少女「それなら、その録音した音にあたる部分は、やっぱり自分で弾いたりしてるのかな、って思って・・・」
少年「・・・ああ、そういうことか」
少女「う、うん」
少年「いや、俺が趣味で使うのはまた別の物だ」
少女「別の物?」
少年「ああ、インターネットで知り合ったバンドの曲とか、そういうの」
少女「いんたー、ねっと?」
少年「・・・待て、そこからつまずくのか」

157 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:15:17 ID:UmzK8526
少女「あ、えと、どういう物かは知ってるんだけど、実際にはあまり使った事無くて・・・」
少年「家にパソコンは?」
少女「お父さんは持ってるけど、私は持ってないんだ」
少年「・・・じゃあ、園芸の事とかも、全部図書館とかで?」
少女「え?うん、そうだよ?」キョトン
少年「・・・今時珍しい奴だ」
少女「そう、かなぁ?友人ちゃんにも、よく『時代遅れめ!』って言われるけど・・・」
少年「もはや時代遅れを通り過ぎているような・・・」
少女「私、携帯電話も持ってないし、そういうのにはめっぽう弱いんだ」
少年「・・・携帯も無いのか、本当に珍しいな」
少女「周りはみんな持ってるよね、私は、そんなに必要として無いし・・・」
少年「でも、せめて携帯ぐらいはもっといて損は無いぞ」
少女「う〜ん、でもお金かかるよね?」
少年「親は出してくれないのか?」
少女「ううん、むしろお金だすから携帯ぐらい持ちなさい、とは言われてるんだけど、どうもいまいち・・・」
少年「・・・乗り気になれない?」
少女「うん」
少年「・・・まぁ、必要だと思ったら、その時に買えばいいんじゃないか」
少女「必要な時?」
少年「例えば・・・仲のいい奴と頻繁に連絡がとりたくなったり、とか」
少女「う〜ん・・・ないかな」
少年「・・・そうか」
少女「あはは、私、友達少ないから・・・」
少年「・・・」ムッ

158 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:25:38 ID:UmzK8526
少女「あ、ごめんね、話それちゃったね」
少年「いや、別にいいんだが・・・」
少女「えっと、確かそのいんたーねっとでお知り合いになった人から・・・」
少年「ああ、そいつらの曲を俺がミックスして、完成させる、ってことをしてる」
少女「へぇ〜!凄いね、なんか本格的だ」
少年「そうでもない、今は金さえあれば誰でも出来る事だ」
少女「そうなんだ?」
少年「ああ」
少女「じゃあ、少年君は特に楽器は・・・?」
少年「・・・いや、一応ピアノが少し」
少女「弾けるの!?」
少年「本当に簡単な曲しか出来ないが」
少女「それでも凄いよ!」
少年「・・・そうか」
少女「私なんて、どこからドが始まるのかすら、分かんないから」
少年「・・・それは、常識として、どうかと思う」
少女「う・・・や、やっぱり?」
少年「せめてドレミぐらいは」
少女「そうだよね・・・どうも、あの黒いのと白いのの違いが分からなくて」
少年「まぁ、慣れればすぐ分かるようになる」
少女「そうかな?」
少年「ああ・・・ちなみに白いのはドレミとかで、黒いのはドレミの#や♭の音だ」
少女「しゃーぷ?ふらっと?」
少年「半分の音って意味だ、#は半音上、♭は半音下、#♭がある音程もあるし、ない音程もある」
少女「そうだったんだ!そう言われると、ちょっと分かった気がする」
少年「あとはドレミの位置を覚えて、簡単な曲を1〜2曲練習すれば、すぐ弾けるようになる」
少女「へぇ〜・・・私、ピアノってもっと難しいものかと思ってた」
少年「そういうイメージがあるから取っ付きにくいが、やってみると面白いぞ」
少女「うん、機会があったらやってみようかな」

159 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:35:55 ID:UmzK8526
朝のHR前

友人「おはよー諸君!」
少女「おはよう」
少年「おう」
友人「いやぁ、とうとう7月ですね、お二人さん」
少女「そうだね」
少年「ああ」
友人「もう1年の半分過ぎたんだよ!?どうすんの・・・」
少女「はやいねー」
友人「早いってもんじゃないわ!これはもう異常事態よ!」
少女「え?そんなに?」
友人「そうよ!昨今問題になっている温暖化、金融危機とならんで、世界3大エマージェンシーの一つよ!」
少年「なんだそれは」
友人「年々体感速度が早くなっていく1年間、そのせいで人々のやる気は失せ、働き手がいなくなり、ついには全ての物流がストップ・・・」
少女「そ、壮大だぁ・・・」
友人「世界中の科学者達はこの問題に躍起になってとりかかるも、未だ明確な解決方法は発見されぬまま・・・はや半世紀!」
少年「・・・それはまた、随分前から論議されてるな」
友人「このままではいけない・・・そう思ったところに現れた天才美少女!その名も・・・少女!!」
少女「・・・あ、え?私!?」
友人「さぁ少女!この問題をスムーズかつ円滑に解決して頂戴!」
少年「意味一緒だぞ」
少女「え、えっと・・・い、一日一日を大切に過ごせば、いいんじゃ、ないかなぁ?///」
友人「・・・」
少年「・・・」
少女「・・・///」
友人「・・・あーーーっもうっ!!かわいすぎーーーー!!!」ギュウゥゥゥゥ
少女「う、うゅぅぅぅぅぅ!!!///」パタパタ
少年「・・・元気な奴だ」

160 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:43:36 ID:UmzK8526
友人「そう言えば唐突だけど、少女、今日の家庭科実習ってなんだっけ?」
少年「本当に唐突だな」
少女「今日は確かご飯、わかめと豆腐のお味噌汁、ほうれん草の煮浸し、シャケの焼き魚・・・だったかな?」
友人「うわぁお、そうだっけ、すっごい和食」
少年「・・・家庭科実習?」
友人「あ、そっか、少年君は聞いてないよね、今日の5、6時間目の家庭科は調理室で家庭科実習だよ」
少年「そうなのか」
友人「うん!期待していいよ〜、少女の料理スキルは家庭料理の域を超えてるから!」
少女「そ、そんなことないよ〜!せいぜいカレーが作れる程度だよ・・・」
友人「またまた謙遜しちゃって〜!」
男A「お、なんか盛り上がってんな〜」
友人「おっと、これは男A君、おはようさん」
少女「おはよう」
少年「おう」
男A「おう、おはよう、で、何の話?」
友人「少女の料理スキルはちょっとした料亭並みという話」
男A「ほほう?」
少女「ひ、飛躍してるよっ、友人ちゃん!!///」
男B「なんだ?盛り上がってんなー」
男A「うぉ!?おまえいつの間に!?」
友人「おはようさん」
少女「おはよう」
少年「おう」
男B「おっす、で、何の話なんだ?」
友人「少女の料理スキルはもはや帝国ホテル並みという話」
男B「へぇ、そりゃすげぇ」
少女「さっきよりさらに飛躍してるよっ!?///」
女A「あら、そんな集まってどうしたの?」
男B「おっす、女A」
男A「とうとうフルメンバーだな」
友人「おはようさん」
少女「お、おはよう」
少年「おう」
女A「で、何話してたの?」
友人「実はうちの担任はヅラだと言う話」
女A「へぇ・・・ってええ!?」
少女「もはや話が入れ替わって・・・ってええ!?」
男A「まじで!?」
男B「うそだろ!?」
少年「・・・!」ムッ
友人「・・・いや、冗談だけど・・・え?」

161 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:50:23 ID:UmzK8526
キーンコーンカーンコーン

担任「ほら、席つけー、出席とるぞー」
担任「はい、男Aー」
男A「・・・はい」ジーッ
担任「ん?なんだ?なんか顔に付いてるか?」
男A「いや、なんでもない・・・」
担任「・・・?まぁいいや、男Bー」
男B「・・・うい」ジーッ
担任「な、なんだよ」
男B「いや、別に」
担任「・・・???ゆ、友人ー」
友人「ごめんね先生、あたしのせいで・・・」
担任「な、何なんだお前らっ!?俺何かしたかっ!?」
友人「先生っ!」
担任「お、おうっ!?」
友人「・・・分け目、見えてますよ」
担任「・・・分け目?何のだ?」
ザワッ
女A「ほら、違うじゃない!」
男A「いや、そうかもしれないって話だろ!でも良かったー・・・」
友人「ふぅ、あやうく嘘から出た誠になってしまうところだった・・・」
男B「ああ!神よ!疑ってしまった俺をお許しください!!」
担任「え?え?え???」
男A「先生っ!これからも若いままの先生で、いてくださいね・・・」
担任「お、おう・・・ありがとう・・・?」

162 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 00:58:46 ID:UmzK8526
昼休み 用務員室

コンコン
用務「はいはい?」
少女「失礼します、少女です、入ってもいいですか?」
用務「おぅ、もちろん!」
ガラガラ
少女「こんにちわ、用務さん」
用務「こんにちわ、どうした?」
少女「えっと、アジサイの事なんですけど・・・」
用務「アジサイ?・・・ああ!あれな!そっか、もうそんな時期か」
少女「はい、去年と同じで、用務員室に置いといて大丈夫ですか?」
用務「おう、毎年すまんね」
少女「いえ・・・大切な人への、お供えですもんね」
用務「ああ・・・」
少女「・・・あの、今まで聞きそびれてたんですけど」
用務「ん?」
少女「あのアジサイって、どなたへの、お供えなのかな、って・・・」
用務「おぉ、そう言えば、話した事無かったなぁ・・・」
少女「あ、いえ!お話しにくい事だったら、これで・・・」
用務「・・・昨日、俺と守衛と、校長が同級生ってのは、話したな?」
少女「あ・・・はい」
用務「実はな、もう一人仲のいい奴がいて、そいつへの手向けの花なんだ」
少女「そう、だったんですか・・・」
用務「そいつはな、校長の嫁さんだったんだよ」
少女「・・・え?」
用務「重い脳梗塞でな、2年は持ったんだが、そのあとぽっくり」
少女「・・・」
用務「俺らももう年だし、誰かそのうちとは思ってたが、まさかあいつが最初とはね・・・」
少女「あ、あの、そんなお話、本当に聞いて大丈夫だったんでしょうか・・・」
用務「ああ、それなら心配いらん、そう話すように言われてるからな」
少女「・・・へ?」

163 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:04:40 ID:UmzK8526
用務「去年の同じ時期、初めて少女ちゃんにアジサイを用意してもらったときな、言ってたんだよ」

校長『あの子は、どこか彼女と似たところがある、来年も続けていたら、その時はあの子も誘ってもらえるか?』
校長『きっとそうしたら・・・彼女は喜ぶと思うからさ』

少女「そ、そうだったんですか・・・」
用務「だから、あいつの命日、今週の土曜日が近くなったら、少女ちゃんにも声をかけようと思ってたんだ」
少女「・・・わ、私で、いいんでしょうか?」
用務「もちろん」
少女「で、でも、私、なんの関係もないのに・・・」
用務「関係なくねぇさ・・・なんたってあの中庭は、昔そいつが手入れしてたんだから」
少女「え?」
用務「少女ちゃんと同じで、一人で一生懸命花植えて、芝植えてな、そりゃもう綺麗にしてた」
少女「・・・」
用務「その後もそいつが設立した環境美化委員が手入れしてたんだが、旧校舎が使われなくなってからはそれもなくなってな」
用務「だから、少女ちゃんが荒れ地になったあの場所を、昔のように手入れしてくれてるのをみた時、思わず涙が出たもんさ」
少女「・・・私、そんな大切な場所・・・」
用務「おっと、勘違いするなよ、俺たちは感謝してるんだ、あいつが始めた中庭を、今も守ってくれてる少女ちゃんにな」
用務「だから、きっとあいつも少女ちゃんが見舞いにいったら喜ぶ、いんや、きっとじゃねぇな、絶対喜ぶってもんだ!」
少女「・・・」
用務「だから・・・暇だったらでいいんだが、アジサイは少女ちゃんが持ってってくれねぇか?」
少女「・・・はいっ!」
用務「そうか・・・ありがとな」
少女「いえ・・・こちらこそ、こんな大切な話をしていただいて、有り難うございました」ペコリ
用務「はは、大したこたぁねぇや、こんぐらい!」
少女「一番綺麗なお花を、持っていきますね!」
用務「おうっ!頼んだぜ!」

164 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:09:23 ID:UmzK8526
5、6時間目 家庭基礎

家庭「はい、じゃあ調理スタート!」

友人「よし!少女っ!調理スタート!」
女A「あんたもやるのよ」
友人「いやぁ、私がやったら家庭科の実習が急遽理科の実験に変更になっちゃうからさぁ」
女A「あ、あんた、そんなに料理できないの?」
友人「うん、まったく!」
女A「威張る事じゃないわね」
少女「でも、二人が一緒の班で良かったよ」
友人「当日になってくじ引きとは・・・スリル満点だわ」
女A「結果3人集まったんだからいいじゃない・・・いや、ほんとに良かったのか微妙だけど」
女B「女Aって、二人と知り合いなの?」
女C「あ、それ私もそう思った!」
女D「うんうん!どこで知り合ったの?」
女A「つい3日前よ、修学旅行の班が一緒になって、そっから」
女B「なるほどー・・・友人は前から知ってるけど」
女C「うん、クラスきっての馬鹿女」
友人「なにおーっ!ムードメーカーと呼びなさい、ムードメーカーと!」
女D「ムードメーカーっていうか・・・トラブルメーカー?みたいな?www」
女B「それそれ!!www超ウケるwwww」
友人「にゃにー!!!・・・そうかもwwww」
女A「はいはい、料理中に大声でしゃべらないの」
女C「はーいっ」
女A「少女を見習いなさい、一人で黙々と・・・ってもうシャケの下ごしらえしてる!?」
少女「あ、うん、焼くのは皆で一緒にやろうかなと思って・・・」
女B「え?ってかいつの間にか私たちの前にもそれぞれまな板と包丁が・・・」
女C「な、なんという心遣いっ・・・!!」
友人「ふふふ・・・少女の実力はまだまだこんなもんじゃないわよ・・・」
少女「じ、実力って、まな板と包丁用意しただけだよ///」

165 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:14:00 ID:UmzK8526
読みやすいように、こっから球児A=球Aって感じにします

男A「なぁ、みそ汁ってどうすんの?」
男B「さぁ?具を切って味噌溶かして煮るだけじゃね?」
少年「・・・いや、その前に鰹で出汁をとる」
球A「だし?だしって?」
球B「そりゃアレだお前・・・だしだよ」
球C「ああ、ダシはダシだな・・・うん」
男A「おいおい、こんなかで料理できそうなのは少年だけか?」
男B「料理得意なのか?」
少年「親父が料理できないから、変わりに俺が作ってる」
男A「へぇ?親父がってことは・・・父子家庭?」
少年「ああ」
男B「なるほどね、それは頼もしいぜ!」
球A「よし、じゃあ俺はコメを研ごう」
球B「お前っ!一番簡単な役割に行ったな!」
球C「俺が研ぐっ!野球部で鍛えたこの上腕二頭筋を使って!!」
少年「・・・これは、先に進めていいのか?」
男A「もちろん!どんどん作ってくれ!」
男B「皿洗いは俺らがやるからさっ☆」
家庭「んふふ〜、お皿洗いも調理も、皆でやりましょうね〜」ガシッ
男A「うお!?いてててててて!!!」ギリギリギリ
男B「わ、わかりました!!皆仲良く調理します!だから命だけはぁぁぁぁ!!」ギリギリギリ
家庭「分かれば宜しい」パッ
男A「ふぅ・・・あやうく三途の川を渡るところだったぜ」
男B「綺麗な顔して馬鹿力め・・・」
家庭「な に か い っ た か ぁ 〜 ?」ガシッ
男A「な、なんでもないですぅぅぅぅぅ!!」ギリギリギリ
男B「あ、あがぁぁぁぁぁぁぁ!!まじ!!これまじでいたいってぇぇぇぇ!!」ギリギリギリ

友人「いいなぁ、あっち楽しそうだ」
女A「・・・あんた、絶対小学校の頃男子と遊んでたタイプでしょ」

166 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:18:40 ID:UmzK8526
家庭「はい、それじゃあいただきまーす!」

イタダキマース

友人「ん〜!うまいっ!」
女A「ええ、うまくできたわね」
少女「おいしいねっ」
女B「この煮浸しめちゃうまっ!!」
女C「うわっ!ほんとだっ!やばっ!!」
女D「これ確か作ったの少女ちゃんだよね?」
少女「う、うん、お口に合うかどうか分からないけど・・・」
友人「んな馬鹿な!!これ以上美味い煮浸しがこの世界にあるだろうか!!いや、ない!!」
女A「なんで反語なのよ」
友人「ちょっと料理漫画っぽくリアクションしてみました」
女B「でも本当においしいよっ!すごいね!」
女C「よっ!料理上手!」
女D「女の鏡っ!」
少女「そ、そんな・・・///でも、皆が作ったみそ汁もおいしいよ」
女B「ほんとに?」
女C「まじ!?私才能あるんじゃね?」
友人「ふふ、きづいたか女C・・・そう、お前には少女を超える料理の才能がっ!」
女D「いかん、女C、こいつに関わると馬鹿になるぞ・・・」
女C「ほ、本当ですか師匠!?」
女B「って、ノリノリだし!?」
女A「もぅ・・・ほんと馬鹿ばっかりね」クスッ
少女「・・・www」クスッ

167 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:22:37 ID:UmzK8526
男A「うめぇ!うめぇよこのみそ汁!」
男B「ああ!最高だぜ!」
球A「こ、これは食が進むな!」
男A「ご飯は無いけどな」
球A「・・・」
少年「・・・うまいな」
男A「お、ほんとだ!シャケもいけるぜ!」
球B「あ、ああ!最高だな!」
男B「でもご飯はないが」
球B「・・・」
男A「ってか俺らの作った煮浸しうますぎじゃね?」
男B「ああ、自分の才能に恐怖を覚えるぜ!」
球C「すげぇな!プロの料理人になったらいいんじゃないか!?」
少年「・・・」ムッ
球C「・・・」
男A「・・・で、なんだこれは」
男B「お前ら凄いな、黒い米か、その発想は無かったわ」
少年「いや、食べてみればいけなくもガリッ・・・なかった」
球A「・・・ほんとすいません」
球B「・・・つい浮かれてました」
球C「・・・まさかこんなことになるとは」
男A「ふつー炊飯器から黒い煙出るか!?普通はよぉ!?」
男B「しかもそのまま放置して黒こげにして、よく自信満々に『大成功だ!』とか言えたな!?」
少年「・・・信じられん」ムッ
球A「す、すまん・・・」
男A「罰として皿洗いを全てやる事」
球B「えーっ?」
少年「・・・」ムッ
球B「はい、やります、やらせてください」
男B「わかればよろしい・・・」

友人「いいなぁ、楽しそうだなぁ」
女A「・・・じゃあ行ってくる?」
友人「絶対やだwww」

168 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:29:18 ID:UmzK8526
放課後

男A「おう、お前ら集まれ」
男B「なんだなんだ?」
女A「なによ?」
友人「お、さては遊園地の事かな?」
男A「そうだ、日時が決まったからその知らせだ」
少女「確か読売ランド・・・だったよね?」
男A「ああ、今週日曜日の9時、場所は長津田駅のJR線改札前、でどうだ?」
女A「いいんじゃない?」
男B「問題ないぜ」
友人「ええ、大丈夫よ」
少女「うん」
少年「ああ」
男A「よし決まりだなっ!」
女A「・・・っていうか、今更だけど、これって一応親睦会なわけよね?」
男A「ああ、そうだが?」
女A「もう結構打ち解けているような気もするけど・・・」
男B「それならそれで、楽しめばいいだけの事じゃねぇか」
友人「そうそう!もう打ち解けてるなら、さらに親睦を深めるだけの話よ!」
少年「悪くないと思う」
女A「・・・そう」チラッ
少女「・・・へ?」
少女(いま、こっち見た、よね?)
男A「じゃあ、そういうことで、俺は用があるから先帰るぜ、じゃな」タッタッタッ
男B「俺バスケ部だわ、んじゃまた明日っ!」ダッダッダッ
友人「ごめん少女、私も今日テニス部だ、先帰ってて!」タッタッタッ
女A「・・・私も今日はもう帰るわ」
少女「そ、そっか、みんな忙しいね」
女A「・・・あなた」
少女「あ、うん?」
女A「・・・いや、なんでもないわ、じゃあね」テクテクテク
少女「・・・???」
少年「・・・」ムッ

169 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:34:43 ID:UmzK8526
帰り道 家近くのT字路

少女「今日も放課後の手入れまで手伝ってくれてありがとうね」
少年「いや、こちらこそ、朝の道案内ありがとな」
少女「ううん!私には、それぐらいしかできないから・・・」
少年「それで、明日は結局何時にいけばいい?」
少女「あ、そ、そうだね、えっと、少年君は何時ならいいかな?」
少年「グラウンドで走りたいから、7:30ぐらいか」
少女「うん、それなら、その時間で」
少年「いいのか?」
少女「うん、あ、あと、できればここのT字路で待っててくれると、嬉しい、かな///」
少年「ああ、別に構わんが・・・なにかあるのか?」
少女「いや、その、家までってのは、ちょっと、恥ずかしい、というか・・・///」
少年「・・・そうか、それはすまなかった」
少女「う、ううん!!こっちこそ、我がまま言ってごめんね?」
少年「いや、問題ない」
少女「うん、ありがとう///」
少年「・・・それじゃあ、また明日」
少女「うん、バイバイ///」ヒラヒラ
少年「またな」

少女(・・・明日も一緒、か)
少女(明日も・・・)
少女「クスッ・・・さ、帰ってお風呂入ってご飯食べて寝よっ!」

170 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:41:24 ID:UmzK8526
ここまでです
gdgd展開スマン、キャラに個性付けるのって難しいなぁ・・・
次の投下は間が開いてしまい、水曜日になってしまうと思う
支援とかありがとう、レスしてなくても凄い励みになってます、ほんとうに感謝

171 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/21(月) 01:49:05 ID:8Vs2ISua
投下乙
キャラはすごく個性的になってると思うよ

172 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 02:18:18 ID:JHScHa5A
投下乙です
役者は揃った、ってところか?

このスレをチェックするのが日課になった
連載漫画をwktkしながら待つ気分だ

がんばってね!

173 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/22(火) 02:36:40 ID:TzbRVCRl
gdgdどころかnyny(ニヤニヤ)だよ!
キャラも個性付いてる、モブキャラもしっかり把握できるし

更新楽しみにしてます
でもきつかったらたまには休んでもいいのよ(はぁと

174 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 17:25:05 ID:6vbmuQr7
1です
21:00位〜投下します
レス数にして20ちょいかな?遊園地まで行けるかどうか・・・
ちなみに、この間忘れたけど>>154のNG

少女「園芸の知識?・・・う〜ん、やっぱり本とか、かな?」
少年「専門の?」
少女「うん、最近は色々出てるから、興味があったら少年君も読んでみたら?面白いよ!」
少年「ああ・・・ちなみに、オススメとかあるか?」

ピクッ

少女「ん〜、やっぱり大手は『NHK趣味の園芸』だけどあれはちょっとマニアックだし『ガーデン&ガーデン』とか『園芸ガイド』とか?
   ううん、もっとマニアックだなぁ、やっぱろ基本的な知識が無いと分からないと思うからとりあえずは図書館で色々探すといいかも、
   今は『男のガーデニング入門』とかもあるし、子供向けの雑誌も捨てたもんじゃないよ、あ、あと少し分かり始めてきたらジャンル
   でわけて読んでみるのもいいよね、水草、庭木、食用とかいろいろあるし、盆栽もそれに入るのかな?うん、盆栽もそうだねたぶん
   一言にガーデニングと言っても日曜大工や電子交錯とかも関わってくるから男の人でも楽しめると思うし、むしろ最近はそっちの方
   が人気出てきてホームセンターとかでも特別コーナーが出来てたりするからぶらりと立ち寄ってみるのもいいかもね、あとは・・・」

少年(・・・なにかのスイッチが入ってしまった)

175 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:01:16 ID:6vbmuQr7
翌朝

少女「・・・」ムー
少女「・・・こうかな?」チョンチョン
少女「・・・」ムー
少女「・・・いや、こう?」チョンチョン
少女「うー、前髪が決まらない・・・」ワシャワシャ
少女「時間は・・・って、あと10分!?」
少女「えーっ!ど、どうしよ・・・」ワタワタ
少女「い、いいやこれで!あとは制服着て・・・」

父親「母さん、僕のネクタイどこかな?」
母親「あら、さっき洗面所にありましたよ」
父親「あれ?そうだっけ?さっき髭剃ったときかなー」トントントン
母親「あ、ちょっと今あの子が!」

ガチャ

父親「・・・」
少女「あ・・・」
父親「・・・ああ、ごめん」ガチャ
少女「・・・」ポカーン

母親「お風呂上がったから、って言おうと思ったんだけど、遅かったわね」
父親「いやぁ、あの子もちっとも変わらんな」
母親「・・・あなた、それはあの子のどこを見て言ってるのかしら」ニコッ
父親「い、いやぁ、その、あれだ、今後に期待だな」
母親「それセクハラですよっ!」

176 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:21:48 ID:6vbmuQr7
少女「いってきまーす」トテトテ
父親「ああ、少女、お父さんも一緒に出るよ」
少女「・・・」
父親「・・・少女?」
少女「・・・えっち」
父親「!!」
少女「いってきまーす」ガチャ

父親「・・・母さん」
母親「はい?」
父親「無くても、いいもんだなぁ」
母親「・・・」
父親「そう言えば母さんも無いよな、いや、それはそれでいいんだ、うん」
母親「・・・」
父親「恥じらう乙女、うん、可愛いなぁ」
母親「・・・あなた」
父親「うん?ってゴバァ!?」ドッゴォ!
母親「さっさといけこの変態親父」
父親「は、はい・・・」

少女「もぅ、お父さんの馬鹿////」トットットッ
少女「時間は・・・うん、5分前!間に合いそう!」トットットッ
少女「少年君は・・・って、もういる!」
少女「おーい、少年くーん!」
少年「・・・」ムッ

177 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:28:40 ID:6vbmuQr7
少女「はぁ・・・はぁ・・・ご、ごめんねっ、遅くなっちゃって・・・」
少年「いや、俺もちょうど来たばかりだ」
少女「はぁ・・・そ、そっか・・・はぁ・・・」
少年「・・・」
少女「はぁ・・・はぁ・・・い、いこっかっ!」
少年「歩きながら、少し呼吸を整えた方がいい」
少女「はぁ・・・そ、そうだね・・・あ、ありがとう・・・はぁ・・・」
少年「・・・本当に弱いんだな」
少女「う、運動は・・・あまり・・・」
少年「・・・そうか」
少女「でも、もう、大丈夫、大分おさまってきた」
少年「そんな急ぐ必要なかったぞ」
少女「ううん、時間ギリギリだったから」
少年「・・・やっぱり、もう少し遅くした方が良かったか」
少女「ううん!そうじゃなくて、今日もハプニングがあったと言うか・・・」
少年「ハプニング?」
少女「う・・・そ、それは///」
少年「・・・」ムッ
少女「お、お父さんにお風呂上がりを、見られちゃって///」
少年「・・・」ムムッ
少女「それで、ちょっと放心してて、時間を無駄にしちゃっただけだから///」
少年「・・・そうか」
少女「って、こ、こんな事話す事じゃないよねっ!な、何言ってんだろ私///」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・///」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・///」

178 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:41:14 ID:6vbmuQr7
少年「・・・」タスタス
少女「・・・」トコトコ
少年「・・・」タス…
少女「・・・?」トコトコ
少年「・・・」…タスタス

少女(もしかして私、歩くの遅いかな?)

少年「・・・」タス…
少女「・・・」トコトコ
少年「・・・」…タスタス

少女(やっぱりそうだ、ときどき待ってくれてる・・・)

少女「・・・」トコトコトコ
少年「・・・」タス…タス
少女「・・・」トコトコトコ
少年「・・・」ムッ

少年(・・・急に早くなったな)

少年「・・・」タスタス
少女「・・・」トコトコトコ
少年「・・・」タスタス
少女「・・・」トコトコトコトコ
少年「・・・」タスタス
少女「・・・っ・・・っ」トコトコトコトコ!

少年「・・・無理に合わせなくていいぞ?」
少女「はぁ・・・はぁ・・・う、うん///」

179 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 21:51:43 ID:6vbmuQr7
学校

少女「今日は3年と、2年の教室の花瓶チェックだけど・・・少年君は走ってくるんだよね」
少年「ああ・・・すまんな」
少女「え・・・?あ!いや、嫌みとかで言ったんじゃなくて///」
少年「ああ・・・それにしても、そういうのって、いつ考えたんだ?」
少女「へ?」
少年「何曜日はどこの教室、とか」
少女「あぁ、それは・・・」
少年「・・・」
少女「・・・あれ、いつだっけ?」
少年「いや、俺に言われても困る」
少女「そ、そうだよね、うーん、と・・・多分、初めての時じゃないかなぁ」
少女「そもそも、この花瓶に花を生けるのも、なんとなく始めただけだし・・・」
少年「そうなのか」
少女「うん、なんとなく、全部の教室にお花が生けてあったら、気持ちよく過ごせるだろうなぁ、と思って」
少年「・・・なるほど」
少女「うーん、いつからだろう・・・」
少年「いや、そこまで悩むとは思わなかった、気にしないでくれ」
少女「ううん!そう言われると分かるまで考えたくなる・・・うーん・・・」
少年「・・・いや、本当になんとなく思っただけだ」
少女「うーん・・・」
少年「・・・聞いてるか?」
少女「うーん・・・」

少年(・・・意外と頑固な奴だな)

180 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:01:41 ID:6vbmuQr7
少女(お花を生けるようになったのは、中庭の手入れが半分ぐらい終わった時だから・・・)
少女(確か・・・1年ぐらい前?)
少女(ううん、違う、去年の春にはもうやってたはず・・・?)
少女(・・・おもい、だせない)
少女(おかしいなぁ、いつからだったっけ・・・)

『つまりですね、あなたは本来描かれる事の無い役割なんですよ』

少女「っ!」ビクッ
少年「・・・?」

少女(ど、どうして今それを思い出すの?)
少女(関係ないじゃない・・・忘れて、忘れて・・・)

『ともかく、あなたはモブキャラなわけです』

少女(ちがう・・・わ、忘れなきゃ・・・)


『背景なんですよ、あなたは』


『名前も、過去も、未来さえ』


『あなたには^@「:」/_』


少女「ぁ・・・」

バタッ

少年「!!」

181 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:14:18 ID:6vbmuQr7
??「よしよし、いいこでちゅね〜」
??「もうちょっと、もうちょっとだ・・・」
??「その調子、その調子よ〜・・・」
??「が、がんばれ!がんば・・・おおっ!」
??「きゃー!!や、やった!立ったわ!」
??「ははっ!ほんとだ、すごいぞ!!」
??「がんばったね!がんばったね・・・」
??「おいおい、何も泣く事無いだろう」
??「だ、だってあなた・・・この子が・・・」
??「そうだな、他の子と比べて、ちょっと遅かったからな」
??「よかった・・・よがっだぁ・・・」
??「ははっ、それじゃあせっかくの美人が台無しだぞ」
??「グスッ・・・う、うるさいわねぇ・・・」
??「でも、やったな」
??「・・・ええ、やったわね」
??「よく頑張ったな」

??「   」

少女「っ!」
少女「・・・」
少女「・・・」
少女「・・・あれ?」

少女(ここは・・・ベッド?)
少女(お薬の匂い・・・もしかして、保健室かな)
少女(どうしてここに・・・)

??「あ、気づいた?」
少女「!」

182 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:28:06 ID:6vbmuQr7
??「カーテン開けるよ?」
少女「あ、はい」

シャッ

??「良かった、具合はどうかな?」
少女「保険医先生・・・じゃあ、やっぱりここは保健室なんですね」
保険「そうだよ、少年君が運んできてくれたんだよ?」
少女「少年君が・・・」
保険「びっくりしたよ〜、少女ちゃんが倒れたって言って、青ざめた顔でやってきてね」
少女「倒れた?」

少女(・・・そうか、私、お花のチェックの途中で・・・)
少女(あれ?ってことは・・・)

少女「い、今何時ですか?」
保険「もう6時間目始まってるよ」
少女「ろくっ・・!?」
保険「でも、行っちゃ駄目だよ?まだ寝てなきゃ」
少女「で、でも」
保険「朝からずっと目を覚まさなかったんだよ?私、自分の判断ミスかと思って焦っちゃった」
少女「朝から・・・8時間近く寝てたんですね」
保険「そっ、多分ただの貧血だと思うけど、念のために体温計ってね」スッ
少女「あ、はい・・・」

少女(8時間なんて、夜でも滅多に寝ないのに)
少女(貧血かぁ・・・少年君に後でお礼言わなきゃ)

183 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:42:45 ID:6vbmuQr7
保険「あと少し経過見て、問題ないようなら今日はもう帰りなね」
少女「あ、でも、中庭の手入れが・・・」
保険「だーいじょーぶ、用務さんも様子見に来てくれたんだけど、その時に「中庭はやっておくから心配するなと伝えといてくれ」って言ってたから」
少女「用務さんが・・・そうですか」
保険「あと、お昼休みにクラスの子達も来てたよ」
少女「クラスの子・・・」

少女(男A君たちかな?明日お礼言わなきゃ)

ピピピ…ピピピ…

保険「おっと、さて、熱はどうかな?」
少女「あ、えっと・・・36.7です」
保険「あれ、平熱は高い方だっけ?」
少女「はい、これが平熱ぐらいです」
保険「そっか、じゃあ・・・あと1時間は大人しくしてなね」
少女「はい、分かりました」

少女(1時間か・・・そしたら4時過ぎちゃうな)
少女(仕方ないか・・・大人しくしてよ)

184 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 22:52:48 ID:6vbmuQr7
少女(・・・する事がない)
少女(当たり前か、大人しくしてるのが今すべき事だもんね)
少女(でも、貧血なんて初めてだなぁ)
少女(なんだか不思議な感じ、いきなりピリッってなって、足の力が抜けて・・・)
少女(もし少年君が一緒にいなかったら、あのまま倒れてたのかな?)
少女(そう考えると、ちょっと怖いかも・・・)
少女(・・・あれ?ってことは、今日花瓶のチェックできてない、ってことになるよね?)
少女(う〜ん・・・やっぱり、帰りにそれだけやってこ)

カチッ…カチッ…

少女(・・・)

カチッ…カチッ…

少女(・・・)

カチッ…カチッ…

少女(・・・)

カチッ…カチッ…

少女(・・・静か、だな)

185 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:03:31 ID:6vbmuQr7
1時間後

保険「少女ちゃん、起きてる?」
少女「あ、はい」
保険「カーテン開けるね」シャッ
少女「よい、しょ・・・」
保険「もう大丈夫?」
少女「はい、御陰さまで、すっかり」
保険「そっか、それは良かった」
少女「あの・・・やっぱり教室覗きにいって良いですか?」
保険「え?ん〜・・・まぁ、それぐらいなら大丈夫でしょう」
少女「ありがとうございます」
保険「でも、すぐ帰るんだよ?」
少女「はい、分かりました」
保険「荷物はそこ、お昼休みに友人ちゃんが持ってきてくれたんだよ」
少女「あ、そうなんですか、お礼言わなきゃ・・・」
保険「お礼もいいけど、今は自分の体を優先してね」
少女「そ、そうですね・・・今日はありがとうございました」
保険「うんうん、それじゃ、お大事にね」
少女「はい、失礼しました」

ガラガラ

少女「もう6時間目は終わってるかぁ・・・」
少女「とりあえず、花壇からお花をとってこないとね」

186 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:12:41 ID:6vbmuQr7
グラウンドの花壇

少女「えっと、今日はこれとこれと・・・」
男B「あれ?少女ちゃん?」
少女「あ、男B君」
男B「もう具合はいいのかな?」
少女「うん、御陰さまで・・・お見舞いにきてくれたんだよね?」
男B「おう!昼休みにあいつらと一緒にな」
少女「ありがとう」ニコッ
男B「い、いやぁ!ははっ!た、大したこたねぇよ!///」
少女「これから部活?」
男B「おう、バスケ部な、今日は顧問が休んでるから遊べるぜ!」ビシィ
少女「ほ、ほどほどにね?」
男B「わかってら、それより、少女ちゃんこそ何してるの?」
少女「あ、えっと、教室のお花を変えようと思って」
男B「教室の花・・・?そんなのあったけ?」
少女「はは、後ろの方にあるから、気づかないかもね・・・」
男B「へぇ、知らなかったよ」
少女「そ、そっか・・・」
男B「あ、やべ、時間だ、そんじゃ、お大事にな〜」ダッダッダッ
少女「う、うん、部活頑張ってね」ヒラヒラ

少女(・・・知らなかった、か)
少女(そうだよね、気づかないよね、普通・・・)
少女(でも・・・ちょっと寂しい、かな・・・)

187 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:22:19 ID:6vbmuQr7
2階 3年生教室前

少女(3年生の教室って、入りづらいなぁ〜・・・)
少女(で、でも変えなきゃお花が可哀想だし・・・)
少女(ここは勇気を出して、い、行くしかっ!)

『教室の花・・・?そんなのあったけ?』

少女「・・・」

少女(・・・明日でも、いっか)
少女(そうだよ、1日位、大丈夫だよ・・・)
少女(この間チェックしたときも、元気だったし)
少女(今日やらなかったからと言って、すぐどうこうなるわけじゃないし・・・)
少女(大体、始めた理由も分からないのに、そこまでする事ないよね)
少女(そんな中途半端な事してたら、お花も可哀想だよ)
少女(そうだ、今日は休もう)
少女(保険医先生にもすぐ帰れって言われたし)
少女(皆へのお礼は・・・明日の朝にすればいいや)
少女(少年君も今日から手伝えなくなったし、ちょうどいいよ)
少女(そんなに、頑張らなくても、いいよね・・・)

少女「・・・ウサギに餌上げて、帰ろう」

188 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:29:23 ID:6vbmuQr7
ちょい席外します、再開予定0:00〜


翌日

少女「今は・・・7:00か」
少女「昨日休んじゃったから、今日は早めに行こう」
少女「あ・・・少年君は、どうするんだろう・・・?」
少女「・・・別に、今日は約束してないから、いいよね」
少女「なんとなく・・・会いづらいし」
少女「・・・うん、行こう」

少女「行ってきまーす」
母親「あら、今日は随分早いのね」
少女「うん、校門は7:00から開いてるから」
母親「そう、気をつけてね」
少女「は〜い」

ガチャ

バタン


少女「そういえば、一人で行くのも久しぶりだなぁ」
少女「・・・」
少女「・・・違うよ、これが“普通”なんだよ、ね」
少女「・・・」
少女「・・・早く行こ」トットットッ

189 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/23(水) 23:43:49 ID:rFSlxEFX
離席してるあいだに支援入れとく

この展開……イイ!

さりげない“間”や簡潔な描写がまた、いい。

最近では、読みながらこれらをどういうふうに盗むか、にシフトしている




……うそです。技量が違いすぎます

一読者として、楽しめる作品。大事に読みたいです

がんばって!




190 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:00:28 ID:6vbmuQr7
支援どうも、今日は今までの含めて後でレスをやりマッスル


学校 2−D

少女「えっと、今日は特別教室の花瓶だね」
少女「あと、昨日忘れちゃってた2年と3年の教室だけど・・・」
少女「ここの教室が大丈夫だから、他も大丈夫だね、きっと」

5分後

少女「・・・思ったより、変えるお花があるなぁ」
少女「2年に生けたお花は長持ちすると思ってたけど、そうでもないのかな・・・」
少女「念のために、全部新しいのに変えよう」
少女「こんなことなら、先に花壇に行けば良かったなぁ」

花壇

少女「これと、これと・・・」
少女「あ、ウサギの餌も今あげてっちゃおう」

ウサギ小屋前

少女「あれ?餌が少ない・・・」
少女「今日の帰りに買ってこないと」
少女「でも、今日校長先生いないから、お金が・・・」
少女「昨日ならいたのに・・・」
少女「・・・仕方ない、私のお小遣いから立て替えよ」
少女「次は・・・3年の教室を先に見た方がいいかな」

2階 3ーA

少女「・・・!」

191 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:10:57 ID:ZVX1nnIO
少女「枯れてる・・・」
少女「どうして・・・この間はあんなに・・・」
少女「・・・そっか、このお花、日陰に置いてあるから」
少女「昨日気づけば、まだ間に合ったかもしれないのに・・・」

『・・・明日でも、いっか』

少女「・・・!」

少女『そうだよ、1日位、大丈夫だよ・・・』
少女「・・・」
少女『大体、始めた理由も分からないのに、そこまでする事ないよね』
少女「・・・違う」
少女『そんな中途半端な事してたら、お花も可哀想だよ』
少女「違うっ」
少女『保険医先生にもすぐ帰れって言われたし』
少女「違うっ!」
少女『皆へのお礼は・・・明日の朝にすればいいや』
少女「違うっ、違うっ!」
少女『少年君も今日から手伝えなくなったし、ちょうどいいよ』
少女「関係ないっ!違うよっ!!」

『そんなに、頑張らなくても、いいよね・・・』

少女「ちがっ・・・」

ポタッ

192 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:22:53 ID:ZVX1nnIO
少女「ち・・・が・・・」

ポタッ

ポタッ

少女「う・・・ひっく・・・」ヘタッ

少女(違う、全部違うよ・・・)
少女(・・・私、最悪だ・・・)
少女(お花の事知らないって言われたぐらいで、やけになって)
少女(やるべきこと見ないふりして、関係ない人にまで責任押し付けて)
少女(言い訳重ねて、逃げ出して・・・)
少女(そんなの・・・そんなの間違ってるよ・・・)
少女(私のせいで、枯れずにすんだお花がこんな・・・)

少女「うっ・・・く・・・」
少女「ごめ・・・んね・・・」
少女「ごめん・・・なさい・・・」

少女(いつから始めたとか、そんなのどうでもいいよ)
少女(やりたかったから、やってるんだよ)
少女(見てくれなくても・・・知ってくれなくても・・・)
少女(そこにあるだけで、雰囲気が変わるから・・・)
少女(だから、毎日やってるんだ・・・)
少女(なのに・・・そんな事も忘れて・・・)
少女(最悪だ・・・)

ガラッ

少年「・・・」ムッ
少女「・・・!」

193 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:34:49 ID:ZVX1nnIO
少女「少・・・年君?」
少年「・・・」ムッ
少女「ど、どうして、ここに・・・」
少年「・・・いや、今日こなかったから」
少女「!」
少年「何かあったのかと思って、探してたんだが・・・」
少女「もしかして、T字路で待っててくれた・・・のかな?」
少年「ああ」
少女「そう、なんだ・・・」
少年「いや、別に気にしてないが・・・」
少女「ごめ・・・んね・・・」ウルウル
少年「・・・そこで何故泣く」
少女「ほんと・・・ごめん、なさい・・・」グスッ
少年「・・・いや、大丈夫、だぞ」
少女「う・・・っく・・・」
少年「だから、その、なんだ、あれだ、えっと・・・」
少女「ひっく・・・うぅ・・・」
少年「と、とりあえず、何があったのか、言ってくれ」
少女「うっ・・・なに、が・・・?」
少年「そうだ、俺がこの教室入ったときから、泣いてただろ」
少女「・・・わ、私・・・」
少年「ああ」

少年(な、なんとか泣き止みそうだ・・・)

194 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:45:31 ID:ZVX1nnIO
少女「・・・」ウルッ
少年「・・・」ムッ

少年(泣き止んで落ち着きはしたが・・・ずっと無言のままだ)
少年(こういうときは、どうすればいいんだ・・・?)

少女「もし、ね・・・」

少年「!」

少女「もしもの、話なんだけど・・・」
少女「もし少年君が転校してこなかったら、どうなってたかな・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「そうしたら、きっと今まで通りの、“普通”の生活を続けて・・・」
少女「特に面白みもなく、高校を卒業するんだろうな・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「あのね、少年君が転校してきてからは、毎日が凄く楽しくて・・・」
少女「今まで過ごした16年間よりも、この1週間の方がいっぱい笑って・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・なのに、お花が飾ってあるのに気づいてもらえないってだけで・・・」
少女「そんなくだらない事で焼けになって、逃げちゃって・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「少年君にも、皆にも、枯れちゃったこのお花にも、謝らなきゃと思って・・・」
少女「そしたら、凄く情けなくなって、自分が嫌になって、それで・・・」
少年「・・・それで、泣いてたのか」
少女「・・・うん///」
少年「そうか」
少女「・・・」
少年「・・・今の話に、訂正を入れなければいけないところがある」
少女「・・・?」

195 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 00:50:58 ID:ZVX1nnIO
少年「ひとつは、俺が転校してきた今も、何も変わらない、お前の“普通”の生活だと言うところ」
少女「・・・」
少年「あと、飾った花に気づいてもらえない事で悩むのは、下らなくなんてないと言うところ」
少女「・・・」
少年「最後は・・・謝るべき相手は、お前自身だと言うところ」
少女「・・・私、自身?」
少年「間違えて、情けなく思ったお前自身に、謝るべきだ」
少女「・・・」
少年「お前は情けなくなんて無い、これっぽちもな」
少女「・・・そんなこと」
少年「いつもこういう事言うと、すぐに「そんなことない」と言うが、それこそそんなことない」
少女「・・・」
少年「毎朝早起きして、朝一番で学校に行き、各教室に花を飾り、ウサギに餌をやり、花壇に水をやって、放課後は中庭の手入れ」
少年「普通の奴なら、そんなこと絶対にやりたくない」
少年「それを、お前はさも当たり前かのように、毎日続けている」
少年「そんな誰もやらない事を周りの為にすすんでやる、そんなお前を、悪く思った事は、お前自身に失礼だ」
少年「だから・・・お前は、お前自身に、謝るべk・・・何故泣く」
少女「あり・・・がと・・・」グスッ
少年「・・・俺は別に怒ってるとか、そう言うのではなくて、だな」
少女「うん、分かってる、分かってるよ・・・」

少女(あぁ・・・そっか、“普通”ってそういうことだったんだ・・・)
少女(勘違いしてたな、私・・・)

少女「グスッ・・・あり、がとう」
少年「・・・」ムッ
少女「私、勘違いしてた・・・」
少年「・・・まぁ、あれだ、たまにはいいんじゃないか」
少女「え?」
少年「そういう風に、泣くのも必要、だと思う」ムッ
少女「・・・」
少年「あと・・・あー、なんだ、その・・・」
少女「クスッ・・・ありがとう」ニコッ
少年「・・・」ムッ

196 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:05:50 ID:ZVX1nnIO
まだ続きは少し書いてあるが、とりあえず切りがいいのでここまで
選んでしまうがレス返す、馴れ合い風味すまそ

>>125
恐ろしさが出てたら成功だ、今まで見た事ないような表現使いたかったが、難しい・・・
これからもこんな意味不明な表現出てくるけど、よろしく
ちなみにコンスタントには書けないなぁ、降って来るか来ないで進み具合が違う

>>127
最後の展開も大体決まってるが、とりあえずどちらかというとハッピーエンドが好きとだけ言っておこう

>>141
このペースで投下するのは、前にVIPで建てた事あるから、その名残かも
心配しなくてもすぐにペースダウンすると思う

>>142
自分自身でメリハリきいてると感じた事は今のところないっす、俺も修行中っす

>>143
男ABの動かしやすさは異常

>>147
見えたのはブラです

>>171
>>173
個性ついてると感じてくれてるなら一安心、個人的に友人と女Aが不安だが
そして>>173、多分これからペース落ちるから心配しなくても大丈夫よ(はぁと

>>189
この展開は自分でも気に入ってる、鬱って大事!
俺から盗んでもろくな事にならんので、他の作者から盗んでください

197 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 01:10:20 ID:nTNZBWx8
投下乙
少年の男前っぷりは異常

198 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 02:52:21 ID:ZVX1nnIO
言い忘れた、次の投下は明日(もう今日)の22時ぐらい〜

199 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:43:55 ID:PByGJS2/
1です
今日は量がかなり少ないので、早々に投下します


HR前

友人「おはよー・・・って少女!」ダダダッ
少女「おはよう友人ちゃん」
友人「はい、おはよー・・・ってそうじゃなくて!あんたもう大丈夫なの?」
少女「うん、昨日友人ちゃんがお見舞いに来てくれた御陰だよ、ありがとう」
友人「いやいやそれは当然の事だから、気にしないで」
少女「うん、でもありがとね」ニコッ
友人「もー!心配したんだからね、結局昨日は戻ってこなかったし・・・」
少女「あの後6時間目まで寝ちゃってて、大事をとってそのまま帰ったんだ」
友人「6時間目!?朝から!?ちょっと、本当に大丈夫なの!?」
少女「大丈夫だよ、ただの貧血だって」
友人「貧血って・・・もー!だから働きすぎなんだってば!!」
少女「は、働くって・・・私何もしてないよ」
友人「朝の手入れの事!やっぱり私も手伝いに・・・」
少女「そ、それは駄目だよ!友人ちゃん部長でしょ?テニス部の朝練に出なきゃ」
友人「そうだけど、でも・・・」
少女「本当に大丈夫だから」
友人「・・・そう?」
少女「うん、平気平気!」
友人「・・・そうね」
少女「うんっ!」
友人「少年君もいるしね」
少女「うんっ!・・・って、え!?」
友人「昨日運んでくれたのも少年君みたいだし〜、頼りになるし〜、せっかくの二人っきりをお邪魔しちゃいけないし〜?」
少女「しょ、少年君は別に関係ないよぉ〜!///」
友人「あら、関係ないって、どう思う少年君?」
少年「・・・傷つくな」
少女「い、いや、あの、関係なくはないけど、でもその、そう言うのとは違うと言うか!///」パタパタ
友人「あ〜もぅ可愛いなぁ〜!少年君もやるようになったわねっ!」
少年「まぁな」
少女「・・・へ?///」

200 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 21:53:32 ID:PByGJS2/
男A「お、復活したな」
男B「おはよっす」
女A「おはよう」
友人「おや、これはこれは3人衆、おはよーさん」
男A「変なまとめ方をするなwww」
女A「そうね、心外だわ」
男A「え・・・」
女A「こんな馬鹿と一緒にしないでちょうだい」
男B「そう言う事身内に言われると傷つくわぁ〜・・・」
少年「・・・身内じゃなければいいのか」
男A「まぁそんな話は置いといて・・・もう体調はいいのか?」
少女「うん、ただの貧血だったみたいだから、大丈夫」
男B「昨日放課後に会ったぜ、まさかそれまで寝てたのか?」
少女「ううん、6時間目まで」
女A「6時間目!そりゃまた随分寝たのね」
少女「私も自分でびっくりしたよ」
男A「まぁこの様子を見てる限り、もう本当に大丈夫そうだな」
友人「昨日昼行ったときは青ざめてたからね〜」
少女「みんなお見舞いにきてくれたんだよね、ご心配おかけしました」ペコッ
男A「いいってことさ、でも念のために今日一日も静かにしてるんだぞ?」
女A「あんたじゃないんだから、大丈夫よ」
男A「どういう意味だよ」
友人「いつもうるさい、ってことでしょ」
男B「ああ、ついでにお前も静かにしてろよ」
男A「お、お前ら二人には言われたくねぇよ!!」

201 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:05:13 ID:PByGJS2/
4時間目 体育

少女(まぁそうなると強制的に見学になるわけですが・・・)
少女(な、内心ちょっとホッとしてしまっている自分がいるなぁ)
少女(だって今日、女子は跳び箱だし・・・)

友人「とぁーっ!」ダンッ!

少女(流石だなぁ、7段を軽々飛んでる)

女A「・・・っふ!」ダダンッ!

少女(うわっ!9段飛べるんだ!す、凄い・・・)

男A「てりゃーっ!」

少女(おおっ!もう一人飛べる人が・・・)
少女「ってあれ!?男A君!?」

体育「おいおい、お前はあっちだろうが」
男A「えー、だって暇なんですもん」
体育「それにしたって、いきなり混じるこたぁ無いだろう」
男A「いやいや、9段とか滅多に出さないんだし、飛ぶしかないでしょ!」
体育「・・・お前は本当に、なんていうか、年相応だな、悪い意味で」

202 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:15:11 ID:PByGJS2/
少女(男子は隣のコートでバスケなんだ・・・)
少女(今は・・・男B君のチームか)
少女(・・・あんなとこからっ!・・・うわっ、凄い、流石バスケ部だぁ)
少女(運動神経のいい人って羨ましいなぁ)

女A「あんた何やってんのよ」
男A「いや、うちらのチーム試合まだだから暇でさ」
女A「暇だからって女子に混ざりにくるな馬鹿!」ボカッ
男A「いったぁー!?」

少女(それにしても、あの二人って、なんていうか・・・)
少女(・・・お似合い、だよね)
少女(いつからの友達なんだろう?)
少女(私もあんな風に少年君と話せればなぁ)

ポワポワポワ

少女「馬鹿っ!」ボカッ
少年「痛い」

ポワポワポワ

少女「・・・ないな」フッ
体育「ん、なにがだ?」
少女「あ、な、なんでもないです!///」

203 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:26:47 ID:PByGJS2/
体育「それじゃあ男子、次はAチームとBチームの試合の準備をしてくれ」

男A「お、待ってましたっ!」
男B「ほほう、次はお前が相手か」
男A「ふふ・・・今回ばかりは終わりだな、男B・・・」
男B「あぁん?それはバスケ部レギュラーの俺に向かっていってるのかぁ?」
男A「ああそうさ」
男B「んな事言って、この間の体育でぼこぼこにされたの忘れてんのかぁ?」
男A「ふ、甘いな・・・今回は秘密兵器があるのさ・・・」
男B「秘密兵器?」
男A「そう、その名も・・・コートに舞い降りた期待の超新星、最終兵器少年だっ!」
少年「・・・」
男B「なん・・・だと・・・?」
男A「ふふ、終わったな男B・・・チーム分けのあみだクジを呪うがいい・・・」
男B「お前、バスケ得意なのか?」
少年「いや、特には」
男B「運動は?」
少年「さぁ?」
男B「・・・」
男A「・・・」
少年「・・・」
男B「だ、大丈夫なのか?」
男A「あ、当たり前だっ!今に見てな!この巨体が疾風のようにドリブルし、嵐のようにダンクを決めるからなっ!・・・たぶん」
少年「そんなことはできん」

体育「よし、両者整列!」
体育「それでは試合を開始する、礼!」
オナシャース
バラバラ
体育「・・・よし位置に着いたな、じゃあボールを上げるぞ・・・っと!」ヒュッ
ダンッ
バシーン!

204 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:34:02 ID:PByGJS2/
ダンッ!

少年「・・・」ムッ

男A「でかした少年!ヘイパス!」
男B「ちっ、あたれ!」
ダダダッ
少年「・・・」ヒュッ

パシッ

男A「ナイスパス!いくぜ!」
ダッダッダッダッ
男B「させねぇなぁ・・・させねぇよ」フオッ
バシーン
男A「しまった!止めろ!」
男B「はっはー!止められるもんなら止めてみなぁ!!」ダンダンダン

ブオッ

バシーーンッ

男B「は?あれ?」
少年「・・・」
男A「ナイス少年!いけ!」
少年「・・・」ムッ

ビュッ
ダンダンダンダンダンダン!

男B「ちょ、と、止めろ!止めろ!」
少年「・・・」キュッ、ダッ、ダンダン、キュキュッ
男A「す、すげぇ・・・」
男B「ちっ、ゴール前か!入れさせねぇ!」ヒュオッ
男A「あいつ、少年の目の前にっ!ブロックする気か!!」
少年「・・・すまん」
男B「へ?」

ダンッ

ブオッ

男B「とんだ!っておいおいまじかよぉ!!」
少年「・・・!」ムッ

バーーーーーンッ!!

205 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:45:21 ID:PByGJS2/
男A「・・・」ポカーン
男B「・・・」ポカーン
他男「・・・」ポカーン
少年「・・・何してる、すぐディフェンスだ」
男A「い、いやいやいやいや!!そんな場合じゃなくて!!」
男B「まさに疾風のようにドリブルし、嵐のようにダンクしやがった!?」
男A「じょ、冗談だったのに・・・」
少年「・・・一応頑張ってみたが、難しいな」
男B「十分だよお前!何だお前!凄いなお前!」
男A「ははっ、こりゃすげぇ戦力がやってきたもんだ」
男B「体格差に加えて流れるようなテクニック・・・お前経験者だろ!」
少年「いや、授業でしかやった事がないが」
男B「まじで!?やめてっ!!そう言う事言うのやめてっ!!プライドがっ!!」
男A「こいつ、バスケしかとり得ないんだ・・・察してやってくれ」
少年「そうか・・・じつは陰ながら猛練習をしてたんだ、だから大丈夫だ」
男B「そんな見え透いた優しさはいらねーっ!!くそーっ!!せめろーっ!!」ダンダンダン
男A「おまっ!卑怯者め!!待ちやがれっ!!」ダッダッダッ

少女(す、凄い・・・)
少女(少年君って、やっぱり運動神経いいんだ)
少女(男A君と男B君も流石だし、凄い試合だなぁ・・・)
少女(・・・あれ?でも待って?)
少女(そうなると、6人の中ではダントツで運動神経悪いのって・・・私?)
少女(跳び箱は2段までだし、バスケ、というか球技全般センス無いし・・・)
少女(・・・す、少し体力作りでもしようかな///)

206 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:55:06 ID:PByGJS2/
放課後

少女「ごめんっ、私先に行くねっ」
友人「あ、ちょっと!・・・あれま、行っちゃった」
男A「おう、今日暇だからカラオケでも・・・ってあれ?少女ちゃんは?」
友人「いやぁ、なんか帰りのHR終わったら荷物もってすぐ出てっちゃった」
男B「何か用事じゃね?あー、でも少女ちゃんの歌声聴きたかったー!」
友人「・・・命知らずめ」ボソッ
男B「ん?今何か言った?」
友人「いやぁ、なんでも、そして生憎だけど私は暇じゃないんでね、部活いってきまー!」ダッダッダッ
女A「ちなみに私もよ、じゃあね」テクテクテク
男A「あらら・・・少年は?」
少年「いや、特に何もないが・・・」
男B「・・・男衆だけ?」
男A「いいじゃねぇか!!あんな部活命の女共なんかほっとけほっとけ!」
男B「・・・そうだな!!よし、野郎だらけのカラオケパーティー開催だぁ!!」
男A「おっしゃ、その案のったぜ!!おーい、暇してる野郎共!!カラオケ行こうぜーっ!!」
野郎「カラオケ?いいねぇ!」
女B「あ、私たちもいきたーい」
男A「だめだっ、男子限定っ!!今日は野郎同士水入らずで騒ごうぜっ!!」
女C「ぶー、差別だ差別だー!」
男B「うるせぇやい!!」
女D「少年君だって、女の子いた方がいいよねー?」
少年「・・・たまには、いいんじゃないか、男だけも」
女C「ま、まさかの裏切りっ!」
男A「よく言った少年!!よし、それじゃあ行くぜ野郎共っ、ついてこいやぁ!!」
野郎「うおーっ!!」

少年(・・・前から思ってたが、随分ノリのいいクラスだな)
少年(いや、その方が飽きはしないか)フッ

女D「え!!ちょ、い、今の見たっ!?」
女C「ん?野郎共が血気盛んに盛り上がってるのなら」
女D「ち、ちがくてさっ!いま少年君が・・・」
女B「それよりさ、私たちも女だけでカラオケ行こうよ!」
女C「お、いいねぇ!よし、みんな〜っ!暇な女子はカラオケ行こ〜っ!」
女子「カラオケ?いくいくー!」

女D「少年君って、笑うとあんな顔なのかぁ・・・」
女D「・・・いいかも」

207 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 22:57:20 ID:PByGJS2/
今日はここまで、少なくてスマン
次は土曜日の21:00〜投下します、恐らくレス数にして20ちょい?
遊園地終了までは書ききりたい

208 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/24(木) 23:22:21 ID:nTNZBWx8
連日投下乙
少女は俺の嫁

209 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/25(金) 16:39:11 ID:efWRYdAf
投下乙です!
ちょっとずつクラスになじんでる少年君がいいなぁ

210 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 20:09:09 ID:1H6sF9va
1です
どう考えても予定のところまで無理そうorz
時間をずらして22:00〜投下します

211 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 21:58:57 ID:1H6sF9va
用務員室

用務「ったく、本当に律儀だなぁ少女ちゃんは、んなの気にするこたねぇのに」
少女「いえ!昨日中庭の手入れをしていただいたお礼は、きっちりしないと・・・」
用務「つっても、やってほしい事なぁ・・・特にねぇんだが」
少女「なんでもいいです!お仕事のお手伝いでも、1日お茶汲みでも何でもやります!」
用務「なんだか張り切ってんな」
少女「昨日今日で、ちょっと思うところがあって・・・」
用務「思うところ、ねぇ・・・」
少女「はい、だからお礼になにか、私に出来る事はあったら言ってください」
用務「・・・そうだな、じゃあ」
少女「はいっ!」
用務「土曜日にアジサイを持って、14時に校長室まで来てくれねぇかな」
少女「はいっ!・・・って、それって?」
用務「墓参りの時間が決まったんでな」
少女「・・・えっと、それがやってほしい事ですか?」
用務「おぅ、そうだ」
少女「あの・・・もっと別の事でも構わないんですよ?」
用務「いや、それでいい」
少女「・・・そうですか?」
用務「ああ」
少女「な、なにか釈然としないような・・・」
用務「ただし、時間に遅れちゃ駄目だぞ?」
少女「はい、それはもちろん・・・」
用務「ちなみに、俺と守衛は仕事があっていけねぇから」
少女「え?そうなんですか?」
用務「ああ、だから理事長と校長と、3人で行ってくれるか?」
少女「り、理事長と、校長先生と・・・」

少女(な、なんだか緊張しそう・・・)

212 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:13:18 ID:1H6sF9va
そしてあっという間に土曜日

校長「もう10年になるのか・・・」
理事「ええ、そうですね」
校長「その割には随分あっさりしてるな」
理事「表面ではそう見えても、内心は感慨深く思っていますよ」
校長「ほんとかぁ?」
理事「嘘ついてどうするんですか」
校長「まぁそうだが・・・」
理事「・・・本当に寂しがりやですね」
校長「ん?」
理事「いえ、なんでもありません」

コンコン

校長「おぉ、少女ちゃんかな」
少女「はい、失礼します」ガチャ
理事「10分前、理想の時間ね」
校長「律儀じゃのう、さてはA型じゃな?」
少女「いえ、B型ですけど・・・」
校長「B!それはまた、何とも奇妙な」
理事「血液型で人を判断するのは良くないですよ」
校長「分かっとるわい」
理事「それと、その話し方気味悪いのでやめてください」
少女「話し方?」
校長「少女ちゃんがいるからいいじゃろ」
理事「それで先輩の前に立つ気ですか?」
校長「・・・うるさい奴だ」

213 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:24:47 ID:1H6sF9va
道中 電車内にて

少女「それじゃあ、本当はそんな口調なんですね」
校長「ああ、ちょっとじいさん言葉の方が威厳があるだろ?」
少女「言われてみれば・・・でもその話し方も素敵ですよ」
校長「ありがとう、でもこういう仕事だからか、どうも学生気分が抜けなくてな」
理事「68になってそれはどうかと思います」
校長「お前は垢抜け過ぎだ」
理事「私は昔からこうですよ」
校長「嘘付け、こいつはな〜、昔はそりゃもうおてんばで」
理事「よ、余計な事吹き込まないでください!」
少女「クスッ…校長先生と理事長って、やっぱり仲がいいですね」
校長「そう見えるか?まぁ長い付き合いだからな」
少女「ええ、この間校長先生の部屋に梔子の花が置いてあったのを見て、そう思いました」
校長「おお、それな、『ささやかな喜びを運ぶ』だっけか?」
理事「・・・あれは、嫌みも含んでましたけどね」
少女「そう、なんですか?」
校長「やっぱりそっちか、『死人に口無し』なんて今日日言わなくなったな」
理事「まぁそれも、今となってはどうでもいいことです」
少女「???」
少女(やっぱりそう言う意味で飾ったって事?でも二人とも笑ってるし・・・???)
校長「なんだかきょとんとした顔をしてるな」
少女「あ、えっと///」
理事「あなたになら、話してもいいかもしれないわね」
校長「いや、彼女にこそ話すべきだろ?」
理事「・・・そうね、まだ到着には時間があるし、お礼の意味もこめてお話ししましょう」
少女「お、お礼?」
理事「ええ、私たちがまだ学生だった頃、あの旧校舎で学んでいたときの事を・・・」

214 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:31:56 ID:nY37PRTe
過去編ktkr

215 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:37:41 ID:1H6sF9va
理事「私の親はこの学校の創立者で、娘であった私も強制的にこの学校に入れさせられてね」
少女「強制的に?」
理事「ええ、本当ならもっと名門の私立に入りたかったのだけど、創立者の娘が他の学校に行くな、とか言われてね」
校長「入学したときは新入生の挨拶もやってたな、膨れっ面で」
理事「ふふ・・・今となってはそれもいい想い出よ」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
50年前

少女「ーーーですので、次代を担う世代として・・・」ムッスー
男A「なぁ、なんかあの新入生、むくれてないか?」
男B「あぁん?・・・ほんとだ、確かに」
男C「大方、来る途中に嫌な事でもあったんだろう」
女A「でも、可愛いわね〜」

男A「おい君!」
少女「・・・はい?」
男A「さっきの挨拶は何だい、ずっとしかめっ面だったではないか」
男B「せっかくべっぴんさんに生んでもらったんだから、もうちっと愛想をまかないとな、愛想を」
少女「・・・しかめっ面に見えましたか?」
男A「それはもう、今まで見た事ない位の」
女A「だめよ?女の子はもっと上品じゃなきゃ」
少女「・・・ならいいんです、そういう目的でしたから」プイッ
男A「おい、ちょっと!」
男B「あんれま、行っちまった」
男C「随分と勝ち気な子だな」
女A「でも、可愛いわね〜」
男A「・・・お前はそれしか感想がないのか」

216 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:53:48 ID:1H6sF9va
少女「じゃあ、それが最初の出会いだったんですか?」
校長「ああ、そこから俺たちの関係が始まったんだ」
理事「私からしたら始まったと言うより、始まっていたと言うべきね」
校長「どういうことだ?」
理事「忘れたとは言わせないわよ、ことあるごとにちょっかいだしてきて・・・迷惑だったんですからね」
校長「ああ〜・・・だってそうでもしないと接点がなかったし、仕方ないだろ」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
廊下

男A「しょ・う・じょ・ちゃん♪」
少女「・・・」プイッ

校庭

男A「おや少女ちゃん!運動かい?」
少女「・・・」プイッ

購買

男A「少女ちゃん!頼む!俺の分のパンを!!」
少女「・・・」プイッ

授業中

男A「えー、担任の先生が急病なので、今日は僕が授業を担当します」
少女「・・・」

トイレ

男A「コンコン、入ってますかー?」
少女「こ、こんな所までつきまとわないでください!///」

217 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 22:57:31 ID:nY37PRTe
変態だー(AA略

218 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:04:26 ID:1H6sF9va
少女「何なんですか本当に!これ以上やったら教師を呼びますよ!」
男A「まぁまぁ、俺はただ君とお近づきになりたいだけなんだ」
少女「私はあなたみたいな人と同じ場所にいるのも嫌です!」
男A「本当に勝ち気な子だなぁ、ご両親が悲しむよ?」
少女「・・・親は関係ありません」
男A「アレ、本当に怒っちゃった?ごめんね?」
少女「もう知りません!!放っといてください!」プイッ
男A「あ、ちょっと!待ってくれよ〜!」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
少女「うわぁ・・・」
理事「でしょ?」
校長「まぁまぁまぁ、結果親しくなれたんだからいいじゃないか」
理事「当時は共同だったからとはいえ、トイレはどうかと思います」
少女「共同だったんですか?」
理事「ええ、教員用トイレなんかは男女で分かれていたけれど、生徒は基本的には共同だったわね」
校長「金がなかったんだろうなぁ、当時私立を創立するってのは、博打みたいなところがあったからな」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
男A「へぇ!理事長の娘さん!」
男B「こりゃたまげたな」
女A「理事長本人から聞いたから、間違いないわ」
男C「道理で・・・身なりが整っているはずだ」
男A「こりゃますます同好会に欲しくなったぜ!」
男B「え、この集まりって同好会だったのか?何の同好会だよ」
女A「『男Aの変態っぷりを馬鹿にする同好会』でしょ」
男C「それはいいな」
男A「おまえら本当容赦ねぇな・・・」
女A「まぁそんな馬鹿な事は置いといて・・・私中庭に行ってくるわ」
男A「おう、今日もやんのか、大変だな」
女A「数少ない趣味ですから」ニコッ

219 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:17:07 ID:1H6sF9va
中庭

少女「ここは・・・」
少女(綺麗・・・この学校にもこんな場所があったんだ)
女A「あら?少女ちゃん?」
少女「!」
女A「こんなところに何の用かしら」
少女「あなたは、確か・・・」
女A「覚えててくれたの?嬉しいわね、いつも男A達と一緒に遊んでいるからかしら」
少女「・・・これは、あなたが一人で?」
女A「ええ、一昨年から弄り初めてね、苦労したわ」
少女(一昨年・・・ってことは、1年生のときから?たった一人で?)
女A「・・・興味ある?」
少女「え?」
女A「これから新しい球根を植えようと思ったのだけど、あなたもやってみる?」
少女「いえ、でも私は・・・」
女A「まぁまぁ、一度やってみると意外と面白いものよ」グイグイ
少女「あ、あ、あの、ちょっと・・・」

女A「ふぅ・・・大体こんな感じね」
少女「結構、疲れますね」
女A「ええ、でもあなたの御陰で格段に早く作業が終わったわ、ありがとう」
少女「いえ、私は・・・言われた通りにやっただけですから」
女A「それができるなら上出来よ!男Aなんか手伝わせてもいつも遊び始めて・・・」
少女「・・・あの」
女A「ん?」
少女「どうして、あの人達と一緒にいるんですか?」
女A「どうして?」
少女「だって、男の人と一緒にいるなんて、変です」
女A「はは、そうね、確かに周りから見たら私たちは変かもしれないわね」
少女「じゃあどうして・・・」
女A「・・・しがらみにとらわれない、からかしらね」
少女「しがらみに・・・」
女A「たとえば、うちの理事長みたいな」
少女「・・・あの人が?」
女A「少女ちゃん、あなたこの学校の理事長の娘でしょ?」
少女「!」

220 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/26(土) 23:24:25 ID:1H6sF9va
少女「どうしてそれを・・・」
女A「理事長さんに直接お話を伺ったわ、びっくりしちゃった」
少女「・・・」ムスッ
女A「まぁまぁそんな顔しないの、大方お父さんのやり方に不満でもあるって所でしょうけど」
少女「・・・それも、あの人から聞いたんですか?」
女A「いいえ、私の勘よ」
少女「・・・憶測で話を進めるのはよくありません」
女A「でもあたってるでしょ?」
少女「・・・」ムスッ
女A「私はね、理事長の事は尊敬してるの」
少女「どうしてですか?あんな堅物のどこに尊敬するところが・・・」
女A「理事長は堅物なんかではないわ、むしろ最近にしては珍しい位頭の柔らかい人よ」
少女「あなたに何が分かるんですか!あの人の事ろくに知らないくせに!」
女A「見てれば分かるわ、あなたは分からない?」
少女「・・・分かりません、あの人の考えている事は、何一つ」
女A「まぁ、近すぎるせいで、見える物も見えない事もあるかもしれないわね」
少女「近すぎる?」
女A「灯台下暗し、よ」
少女「・・・」ムスッ
女A「ねぇ、少女ちゃん、騙されたと思って、ここは一つ遊んでみない?」
少女「・・・遊ぶ?」
女A「ええ、男A達と一緒に、色々な事をするの」
少女「・・・なんであんな人なんかと」
女A「離れた場所に行く事によって、初めて見えてくる物もあるわ」
少女「・・・」
女A「理事長の事、理解したくても出来ないんでしょ?それなら、やってみる価値はあると思うけど、どうかな?」
少女「・・・」
女A「・・・まぁ、別に強制とは言わないけどね」テクテク
少女「あ・・・」
女A「気が向いたら遊びにきて頂戴、週末はみんなここに集まってるから、じゃあね」テクテク
少女「・・・」


ちょい離席
再開予定0:10~

221 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:09:56 ID:xXSQzEkG
週末 中庭

男A「本当に来るのか?」
男B「俺もいまいち信用なんねぇな、あの仏頂面がここにやってくるとは思えねぇ」
男C「・・・確かに」
女A「きっと来るわ、あれは『行きます』って顔だったから」
男A「またお前の勘か、うさんくせぇ」
女A「あら、私は外さないわよ?」
男B「どうだかな」
女A「ほんとよ、その証拠に、ほらあそこ」
男A「ん?」

少女「・・・」

男B「来たよ・・・まじかいこりゃ」
男C「恐ろしいな、その勘とやらは」
女A「行ったでしょ、外さないって」
男A「まぁもう来たならどうでもいいや、おーい、そんなとこに突っ立ってないでこっちに来なよ!」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
理事「それから、私もこの人たちに混ざって遊ぶようになったの」
少女「そうだったんですか・・・あの、一つ質問いいですか?」
理事「なにかしら?」
少女「校長さんが男Aさん、理事長さんが少女さんなのは分かるんですけど、他の方って・・・?」
校長「ああ、そりゃあれだ、用務と守衛の事だ」
理事「用務が男B、守衛が男Cね」
少女「あぁ!なるほど、分かりました・・・あれ、じゃあ女Aさんって」
理事「その女Aのお墓に、今向かっているところよ」
少女「!」
校長「まぁそういうことだ」
少女「そう、なんですか・・・」
少女(その人が、私の前に中庭の手入れをしていた人・・・)
理事「だから今日あなたを呼んだのよ、彼女の意思を受け継いでくれた、あなたをね」

222 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:22:30 ID:xXSQzEkG
少女「でも、わたしはそんな・・・校長先生に言われたから始めただけで、そんな大事な場所だとは・・・」
校長「それはどうかな、きっと俺が言わなくても少女ちゃんは中庭の手入れをしていたと思うよ」
少女「買いかぶり過ぎですよ、私にはそんな勇気はありません・・・」
理事「・・・そうね、あなたなら、言われなければやっていなかったかもしれない」
少女「・・・」
理事「話を続けるわ、そうしてこの人たちと遊ぶようになって半年位経ったときの事・・・」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
女A「勘当された!?」
少女「・・・」ムスッ
女A「何かの間違いじゃないの?」
少女「先輩はあの人を買いかぶり過ぎです、少し思い通りにならないからって、すぐこれですよ・・・」
女A「一体何があったの?最近では関係も良好って言ってたじゃない」
少女「・・・私が、好き勝手しているのが気に入らないんです」
女A「好き勝手って・・・少女ちゃんは色々頑張ってるじゃない、勉強も、他の事も」
少女「あの人は私を後継ぎにしたいんです、でも私は医者になりたい、そんなのご免です」
女A「医者かぁ、確かに少女ちゃんにはぴったりかも」
少女「だから、言ってやったんですよ・・・」

『私はあなたとは違うっ!私は私の好きなように生きるっ!あなたの自己満足の助けの手なんていらないのっ!!』

女A「・・・それはまた、思い切ったわね」
少女「そしたら、『そんな事言う奴は娘じゃない、でてけっ!』って・・・」
女A「それで、出てったの?」
少女「はい」
女A「だって、それじゃあ昨日はどこで寝てたのよ?」
少女「そ、それは・・・」
女A「・・・はは〜ん、わかった、男Aの家でしょ」
少女「!!」
女A「隠そうとしても無駄よ、今日のあいつの反応を見てれば分かるわ」
少女「・・・あの、すいませんでしたっ!」
女A「いいっていいって、気にしないから、別にお付き合いしているわけでもないし」
少女「でも・・・この間応援しますとか言っといて、こんなこと・・・」
女A「もぉ、いいってば!むしろその判断は正しかったわ、あいつの家は大家族だからね、寂しくなかったでしょ」
少女「は、はい、まぁ・・・///」

223 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:32:45 ID:xXSQzEkG
女A「そっかぁ・・・ねぇ少女ちゃん」
少女「はい?」
女A「この中庭、たまに少女ちゃんも一緒に手伝ってくれたよね」
少女「ええ、それ位しか出来ませんけど・・・」
女A「御陰さまでね、今ではこんなに素晴らしい中庭になったの、そう思わない?」
少女「それは先輩のお力ですよ、私の助力がなくても、こうなっていました」
女A「そうかもしれない、でもね、『今ここにある中庭』は、『皆でつくった中庭』よね?」
少女「・・・はい」
女A「それは、私一人では決して作れない物なの、例え全てを同じようにしたとしてもね」
少女「・・・」
女A「意味分かるかしら?この世の中に、決して同じ物は存在しないのよ」
少女「・・・それが、どんなに似ている物でもですか?」
女A「ええ、似ているだけで、同じではないの」
少女「言いたい事は分かりますけど・・・」
女A「理事長もね、それをあなたに知ってほしかったんだと思うの」
少女「・・・知ってほしい?」
女A「そう、例え少女ちゃんが自分一人の力で医者になろうとしても、それは今あなたの目指している物じゃない」
少女「・・・」
女A「あなたはご両親に生んで貰って、手塩にかけて育ててもらって、やっと将来の事を考えるようになって」
女A「そうして、今の少女ちゃんがここにいるの、それは、あなたの言う『自己満足の助けの手』なのかしら?」
少女「・・・」
女A「理事長はね、あなたが医者になる事に反対しているわけじゃないの、差し伸べた手に唾を吐いて、叩き落とした事に悲しんでいるのよ」
少女「・・・」
女A「前に、離れる事で見えてくる物もある、ってことを言ったわね」
少女「・・・はい」
女A「それは今、あなたの目に映っている?」
少女「・・・」
女A「映っているのに、怖がって無視しているだけではないかしら?」
少女「・・・」
女A「私が説教できるのはここまで、あとは、あなた自身で考えなさいね」
少女「・・・はい」
女A「大丈夫、つらくなったら私たちがいる、いつでも泣き言いいに来ていいわ」
少女「・・・その度に、説教ですか?」
女A「もちろんよ!泣き顔ごと引っ叩いてあげる!」
少女「クスッ…それは、頼もしいです」
女A「ふふ、でしょう?」
少女「先輩・・・私、行ってきます」
女A「ええ、ちゃんと自分の素直な気持ちを話しなさいね?」
少女「はいっ!」

224 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:43:59 ID:xXSQzEkG
理事「それから、父親と話して、自分の気持ちを打ち明けて・・・今の私があるのも、その時に説教してもらった御陰ね」
少女「素敵ですねっ!」
理事「だから私にとってあの中庭は、大切な想い出のつまった場所なのよ」
校長「よく言うな、その場所を自分で壊そうとしていたくせに」
理事「あくまであれは企画よ、実行に移す気はさほどなかったわ」
少女「壊すって・・・もしかして、特別校舎の事ですか?」
理事「あら?あなたに話した事なんてあったかしら」
少女「いえ、以前用務さんからお話を伺った事があって・・・」
校長「あいつめ、べらべらとしゃべりやがって・・・」
理事「勘違いしないように言っておくけど、私は2つの計画を同時に進めていたの」
少女「二つ?」
理事「一つは旧校舎を取り壊して設備の新しい特別校舎を建造する事、もう一つが、今進めている耐震工事の計画の事」
校長「こいつは前者に積極的で、俺は後者に積極的だった、こいつがいつ計画の中止を宣言してもいいように、準備も進めてたんだ」
少女「そうだったんですか・・・でも、どうしてやめることにしたんですか?」
理事「色々あるわ、資金面や保護者の支持、校長との確執が広がる事も避けたかったし・・・」
少女「なるほど・・・なんだか大変ですね」
理事「でも、一番の理由は、今話した想い出の場所でされた約束を、思い出したからかしら」
少女「約束?」
理事「ええ、とっても大切な約束、それを思い出させてくれたのが・・・あなたなのよ」
少女「わ、私ですか?」
理事「そう、先輩のように頑張っているあなたを見てね」
校長「俺も、少女ちゃんには本当に感謝してる、ありがとう」
少女「そ、そんな、私は何も///」
理事「あなたが思っている以上に、あなたは凄い子よ、自信もって」
校長「ああ、胸を張って、彼女に会ってやってくれ、きっと喜ぶぞ」
少女「・・・はい///」

225 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 00:56:07 ID:xXSQzEkG
墓前

理事「着いたわ、ここよ」
少女「・・・」
校長「水を汲んでくる」
理事「私も行くわ、少女ちゃんはここでちょっと待っててね」
少女「はい」

少女「これが、その人のお墓・・・」
少女「・・・」

少女(理事長さんの大切な先輩)
少女(校長先生の奥さん)
少女(そして50年前、中庭の手入れをしていた人・・・)
少女(・・・私は今、あなたに誉められるような事を、していますか?)
少女(あなたの大切な中庭を、私は守れていますか?)
少女(・・・ううん、守るとか、大層な物じゃない)
少女(私はただ、お花が好きで、あの場所が好きで・・・)
少女(あなたが一生懸命手入れしていたのなんて、知らなかった)
少女(ごめんなさい、私はやっぱりあなたのようにはなれません)
少女(・・・でも、もし許してくれるのならば)
少女(これからも、あの場所にいていいですか?)
少女(ただ好きだから、それだけで、あの場所にいてもいいですか?)
少女(・・・できるならば、その答えを、お聞きしたかったです)

ヒュゥゥゥ…

少女「ん!か、風が・・・」
少女「・・・あれ?」

ヒラヒラ

少女「持ってきた紫陽花の花が・・・風で舞ってる・・・」
理事「あら、どうしたの?ボーッとして」
少女「あ、理事長さん、持ってきた紫陽花の花が・・・」

226 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:11:33 ID:xXSQzEkG
理事「まぁ、これは・・・」
校長「綺麗だな・・・」
少女「・・・」

ヒラヒラ

ペタッ

少女「花びらが、胸に・・・」
理事「ふふ、彼女もあなたを歓迎しているみたいね」
校長「そうだな、きっとそうだ」
少女「・・・あの」
理事「ん?」
少女「この花の花言葉って、なんでしたっけ?」
校長「あー、そういえばあいつは見る度に言ってたなぁ」
理事「ええ、今日持ってきたのは額紫陽花、よね?」
少女「はい」
理事「額紫陽花の花言葉は『謙虚』よ」
少女「・・・そうですよね、額紫陽花ですよね」
校長「それがどうかしたのかい?」
少女「いえ・・・」

少女(でも、この胸に着いた花びらは間違いなく・・・紫陽花だ)
少女(確か紫陽花の花言葉は・・・)

少女「・・・辛抱強い、愛情」ポソッ

理事「ん?何か言ったかしら」
少女「・・・い、いいえ、なんでもないです」
理事「そう?」

227 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:19:54 ID:xXSQzEkG
ゴーン…ゴーン…

校長「・・・おっと、すっかり時間が経ってしまったな」
理事「あら、本当、そろそろ帰りましょうか」
少女「あ、はい」
理事「それにしても・・・10年目にあの二人も来れなかったのは、少し残念ね」
校長「なぁに、今年は少女ちゃんも来てくれたし、きっと草葉の陰から喜んでるさ」
理事「・・・そうね」

少女(10年・・・)
少女(それがどんなに長い歳月なのかは、私にはまだ分からない)
少女(もしかしたら一瞬かもしれないし、途方もなく長く感じるかもしれない)
少女(その間に誰か死ぬかもしれない、次は自分かもしれない)
少女(もし私が親しい人をなくしたら・・・きっとそう思う)
少女(それでも校長先生達はこの10年間、親しい友人の死を受け入れて生きているんだ・・・)
少女(強い、と純粋に思う)
少女(私も、この人達みたいになれますか?)
少女(あなたは・・・あの花びらは、きっとそう言う事ですよね?)

校長「おーい、そろそろいくぞー」
理事「あまり遅れるとご両親が心配するわ」
少女「あ、はいっ!」トットットッ

少女「・・・」

クルッ

少女「・・・ありがとう、ございました」ペコッ

228 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:26:27 ID:xXSQzEkG
翌日

少年「・・・」ムッ

少年(・・・いや、これもいまいちだ)
少年(困った・・・着ていく物がない)
少年(あまり服装には気を使った事がなかったからな・・・)
少年(しかし、着の身着のままと言うのも・・・)

ピンポーン

少年「・・・はい?」
少女『あ、あ、あの!しょ、少女ですっ!!』
少年「・・・早いな」
少女『・・・その声は・・・少年君?』
少年「ああ」
少女『そ、そっか・・・早く来すぎちゃったかな、また出直します』
少年「まて」

ガチャ

少女「あ・・・」
少年「戻るの面倒だろ、中で待ってろ」
少女「え!?な、中でっ!?///」
少年「ああ、すぐ支度する」
少女「あ、で、でも、い、いいのかな?」
少年「構わない、今は俺しかいないし」
少女「そっか・・・って、えっ!?///」
少年「上がれ」
少女「あ、で、でも・・・////」
少年「いいから」
少女「お・・・おじゃまします・・・///////」

229 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:36:18 ID:xXSQzEkG
少年「そこらで適当にくつろいでいてくれ」
少女「う、うん・・・///」
少年「・・・どうした?」
少女「あ、え、い、いや!し、私服姿の少年君って、初めてみるなと思ってっ!///」
少年「・・・変か?」
少女「そんなっ!!かっこいいよ!!」

少年「・・・・・・・・・・・・・え?」

少女「・・・ぁ・・・・・・・・・」

少年「・・・そうか、それならよかった」
少女「//////////」
少年「後は荷物まとめるだけだ、そんなにかからないから少し待っててくれ」
少女「う、うん/////」

少女(わ、私、何言ってるんだろ・・・///)
少女(男の人の家って初めてだから、変に意識しちゃうよ・・・)
少女(・・・あれ、でもよく見ると間取りがうちとほとんど同じ・・・?)
少女(同じ会社が建てたとか、かな?)
少女(でも、それだったらトイレとお風呂が向き合うなんて構造は・・・)
少女(・・・ま、まさか、うちのトイレから少年君の家のお風呂が見えたり・・・?)
少女(そ、それは、なんというか・・・)ゴクリッ

少年「待たせたな」
少女「うひゃうっ!?///」
少年「・・・どうした」
少女「なんでもないですっ!///」
少年「・・・何で怒られてるんだ俺は」

230 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:55:13 ID:xXSQzEkG
長津田駅 JR改札前

友人「よし、みんな揃ったね」
女A「予定よりもだいぶ早いわね」
少女「ちょうどいいんじゃないかな?」
男A「・・・ふむ」
男B「・・・なるほど」
少年「・・・」ムッ
女A「・・・どうしたのよあんた達」
男A「いや、ちょっと、な」
男B「お、俺トイレいってくる」
少年「俺もだ」
男A「じ、じゃあ俺も・・・」
友人「連れションかぁ〜、私たちも連れション行っとこっか」
少女「ゆ、友人ちゃん、もうちょっとソフトな表現を・・・」
友人「じゃあ【あまりの内容に規制致しました】とか?」
少女「ゆっ、友人ちゃんっ!///」
女A「さ、流石のあたしもそれは引くわ・・・///」
友人「え、マジ引き?」
女A「何事もやり過ぎは良くないわよ・・・
少女「いつも思うけど、よく平気でそんな事言えるよね」
友人「そんな事って?」
少女「だから【あまりの内容に規制致しm】」
女A「しょ、少女!騙されちゃ駄目よっ!」
少女「へ?・・・あ!!///」
友人「ちっ、惜しい・・・」
少女「も、もぉ〜!!!!////」
友人「はぁ〜ん!可愛すぎる!!」
女A「あんた達、そんなんでよく今まで親友やってこれたわね・・」

231 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 01:58:57 ID:xXSQzEkG
男子トイレ

男A「・・・おい」
男B「・・・ああ」
少年「・・・」ムッ
男A「・・・誰だ?」
男B「俺は友人だな」
男A「確かに・・・捨てがたい」
少年「・・・ああ」
男A「俺はやっぱり・・・女Aかな」
男B「王道か」
少年「悪くない」
男A「少年は?」
少年「・・・少女、か」
男B「やはり・・・」
男A「いいよな、俺も迷ったぜ」
少年「他も、素晴らしいが」
男A「ああ・・・」
男B「確かに・・・」
少年「・・・」ムッ
男A「・・・」
男B「・・・」

ガシッ!

男A「マジ反則だろあの3人の私服姿は!?」
男B「やばい神様ありがとう本当ありがとう」
少年「・・・」グッ

232 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 02:07:32 ID:xXSQzEkG
>>230間違えて改定前を載せちまったorz
正しくはこっち


長津田駅 JR改札前

友人「よし、みんな揃ったね」
女A「予定よりもだいぶ早いわね」
少女「ちょうどいいんじゃないかな?」

男A「・・・ふむ」
男B「・・・なるほど」
少年「・・・」ムッ

女A「・・・どうしたのよあんた達」
男A「いやぁ、はは、ちょっと、なwww」
男B「お、俺トイレいってくるわwww」
少年「・・・俺もだ」
男A「え?じ、じゃあ俺も・・・」
女A「あ、ちょっと!」

女A「あいつら早速輪を乱してるわね・・・さすがだわ」
友人「連れションかぁ〜、じゃあ私たちも連れション行っとこっか」
少女「ゆ、友人ちゃん、もうちょっとソフトな表現を・・・」
友人「え?ソフトな表現?・・・【あまりの内容に規制致しました】とか?」
少女「ゆっ、友人ちゃんっ!///」
友人「いいねぇ、その反応、初々しいwww」
女A「あんたは変態か」
少女「いつも思うけど、よく平気でそんな事言えるよね///」
友人「そんな事って?」
少女「え?だから【あまりの内容に規制致しm】」
女A「ちょっと、少女!釣られちゃ駄目よ!」
少女「へ?・・・あ!!///」
友人「ちっ、惜しい・・・」
少女「も、もぉ〜!!!!////」
友人「はぁ〜ん!可愛すぎる!!」
女A「あんた達、そんなんでよく今まで親友やってこれたわね・・」

233 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 02:08:19 ID:xXSQzEkG
女子トイレ

女A「あ、しまった」
友人「どしたの?」
女A「チーク忘れた・・・」
友人「え!?それって結構まずくない?」
少女「私のでよければ・・・」
女A「背に腹は代えられないか・・・ごめん、借りるね」
少女「うん、大丈夫」
友人「それよりさ、少女ってどんなメイクしてるの?」
少女「え?」
友人「なんか凄い自然、魔法かっ!」
女A「意外ね、メイク上手なんだ」
少女「い、いや、私の場合は怖くてあまりしないだけで・・・」
友人「でもマスカラ位あててるよね?」
少女「う、うん」
女A「グロスは?」
少女「少し・・・」
友人「ファンデ?」
少女「ぽんぽん位・・・」
女A「ん〜・・・ルージュ!」
少女「リップクリームだけ・・・って、これなんのゲーム!?」
友人「羨ましい・・・これだから高スペックの奴は・・・」
女A「あんたも相当よ」
少女「女Aちゃんもだと思うけど・・・」
友人「まぁ私らが美少女なのは当然だとして」
女A「また凄い自信ね」
友人「あいつらはどう?」
少女「え?男の子達の事?」
女A「まぁ、悪くないんじゃない?男B以外は」
友人「そだね、私もアレはどうかと思う」
少女「そうかなぁ・・・」

男B「何か今すげぇおざなりに扱われてる気がする」
男A「気のせいだよ、気のせいじゃなくても、気のせいにしとけよ」
男B「そうだな・・・」

234 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 02:13:26 ID:xXSQzEkG
電車内

男A「いやぁ、テンション上がるなぁ!!」
男B「はえぇよ!流石にはえぇよ!!」
女A「あんたも十分上がってるわよ」
友人「でも久しぶりだね、遊園地なんて」
少女「うんっ、楽しみっ!」
男B「おやぁ?少女ちゃんもテンション高いねぇ?」
少女「う、うん、実は遊園地初めてで・・・」
男A「初めて!?」
少年「俺でさえ1回は言った事ある」
男B「お前もお前で中々だな・・・」
少女「別に貧乏ってわけじゃなくて、なんとなく行く機会がなかったと言うか・・・」
男A「そうか・・・そんな過去が・・・」
男B「ごめんよ・・・気づいてやれなくて・・・」
少女「え?そ、そんな重い話では・・・」
友人「可哀想に・・・今日はいっぱい遊びましょうね!!」
女A「そうね・・・遊びましょう!」
少女「お、女Aちゃんまで・・・」
少年「・・・まぁ、楽しもう」
少女「な、なんのゲームなのこれ!?」
一同「はははwwww」
少女「もう・・・www」

少女(・・・でも、本当に楽しみだなぁ)
少女(今日は皆の言う通り、思いっきり楽しもう!)

友人「ほら少女、乗り換えよ!」
少女「あ、待ってー!」

235 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 02:15:25 ID:xXSQzEkG
ここまでです、遊園地終了まで行かんかった・・
次回投下はちょっと読めませんが、1週間以内には投下したいと思います

236 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 08:14:54 ID:3yHiiZaG
投下乙
少女かわいいよ少女

237 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/27(日) 22:29:23 ID:/YegZkyy



…………涙が。

理事長×校長の昔語りに。

ありがとう。
いいものを読ませてもらった。



238 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:22:45 ID:gQxSI7Yf
1です
投下は明日の夜にできそうなので、予告しときます
明日21:00〜遊園地編終了まで
投下ペースはいつも通り10分間隔で行きたいと思います

239 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:34:14 ID:9xIek45A
支援するから一気に投下しちゃいなよ

240 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:47:28 ID:gQxSI7Yf
いや、投下しながら書きたいのもあるし、このペースが一番楽でさwww
でも5分間隔ぐらいにしとくわ

241 名前:創る名無しに見る名無し:2009/09/30(水) 20:53:28 ID:9xIek45A
書きためじゃなかったのか
それなら自分のやりやすいペースでどうぞ
支援が必要な時は遠慮なく言ってね

242 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 16:55:03 ID:2IuQob9c

 (・ω・) <首を長くして待ってるよ
  ||
  ||
  ||
  ||
  ||
⊂ ̄  ̄⊃
|  |
  ∪ ̄∪



243 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 20:56:41 ID:H8aXyyFq
1です、投下開始します
10〜20分間隔目安で行きます、5分とか3分間隔になったら投下終了フラグなので宜しく

244 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 20:57:29 ID:H8aXyyFq
少年「よみうりランドは東京と神奈川をまたがる位置にある遊園地で、どちらかというと神奈川県よりに建てられている」
少女「へぇ?」
少年「今年で開演してから45年目になる古くからある遊園地で、人気アトラクションは20年以上ほぼ変わっていない」
女A「それはすごいわね、他のところなんてころころ変えてるし」
少年「施設もプールや温泉、ライブ会場等があり、遊園地と言うよりは多目的遊技場と言った方が正しい」
男B「プール!いいね!絶対行こうぜ!!」
少年「残念ながらプールは7月10日からだ」
男A「ぎりぎり間に合ってないな」
友人「えー、入りたかった・・・」
男A「まぁ、なんだったらまたその時にくればいいさ」
友人「うーん、そうね」
少女「他にはどんなのがあるの?」
少年「人気アトラクションとしてはジェットコースター、落下タワー、バンジージャンプ等がある」
女A「バンジージャンプもできるの?」
少年「都内では唯一バンジージャンプが出来るところで、別途料金を払うと撮影もしてくれるらしい」
男A「撮影?」
少年「よく芸人が頭にカメラを付けてやってるだろ、それと同じ物をかぶって、撮影した物をDVDに編集してくれるんだそうだ」
少女「すごいねそれ!ちょっと怖いけど」
少年「他にもアシカショーをやっていたり、天気のいい日は観覧車からみなとみらいが見えたりする」
男A「・・・あのよ、何でそんな詳しいんだ?」
少年「調べたからだ」
男B「調べた?なんで?」
少年「なんとなく」
女A「ようするに、楽しみだったってことでしょ」
少女「そうなの?」
少年「・・・」ムッ
友人「雰囲気に似合わず、結構子供っぽくて可愛らしいじゃないかwww」

245 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:10:02 ID:H8aXyyFq
読売ランド前駅

友人「ついたーっ!」
男B「どこだっ!読売ランドはどこだっ!?」
女A「あの二人は反応が小学生並みね」
少女「わくわくするねっ!」
少年「ああ」ウズウズ
女A「あんたらもかっ!」
男A「おいお前ら、こっからバスに乗るぞ」
男B「バス?まだ何か乗るのか?」
男A「心配しなくても10分位で着くさ、・・・お、ちょうど来たな」
女A「バス乗るのとか久しぶりね」
友人「確かに、用がないとあまり乗らないもんね」

バス車中

友人「そして混み過ぎな件について・・・」ギュウギュウ
男B「こいつら絶対行くとこ一緒だな・・・」ギュウギュウ
少女「あっ///」サワッ
女A「どうしたの?」
少女「い、今・・・さわっ・・・て///」
友人「え?痴漢!?」ヒソヒソ
女A「ちょ、まじ?」

246 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:20:08 ID:H8aXyyFq
サワサワ

少女「ふっぇ・・・///」
女A「だ、誰!でもここからじゃ・・・探して友人!」
友人「言われずともさ・・・この野郎私の少女に手を出しやがって・・・!」

サワサワ

少女「ん・・・!はぅ・・・!///」
女A「ちょ、大丈夫!?」
友人「くそ、まじで切れてきた、絶対許さん・・・」

ペロッ

少女「ひゃうっ!?///」
女A「友人!早く!」
友人「みつけたっ、お前だぁぁ!!」

ガシッ!

キュー

少女「・・・?///」
女A「・・・きゅー?」
友人「あれ、なんかふさふさしてる・・・」
女A「ねぇ、今、きゅー、って言ったわよね?」
友人「・・・へ?」

婦人「あら・・・?まぁ!ごめんなさい!!」

友人「いえ・・・こちらこそ?」
婦人「こらキューちゃん、駄目じゃない!」
??「キュー」

3人(・・・キューちゃん?)

247 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:22:54 ID:ga7TRFTI
マラソンランナーか

248 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:30:53 ID:H8aXyyFq
よみうりランドバス停

婦人「本当にご免なさいね、気持ち悪かったでしょう?」
少女「い、いいえ!ちょっとびっくりはしましたけど・・・」
婦人「かごに入れてきたのはいいんだけど、編み目をくぐって顔だけ出せるみたいで・・・」
フェ「キュー」
友人「うはぁー!!フェレット!!超絶カワイイ!!」
男B「ほーら、ちっちっちっ・・・」
女A「えっと・・・おb・・・じゃなくて、お姉さんも・・・」
婦人「ふふ、おばさんでいいわよ、もう46ですから」
女A「そ、そうですか?じゃあ、おばさんもよみうりランドにいらしたんですか?」
婦人「遊園地ではなく、近くの老人ホームにだけどね」
少年「・・・確かそんなのもあった」
男A「ふーん?本当に多目的なんだな」
婦人「そこに入ってる母がこのフェレットを飼っていてね、久しぶりに会わせてあげようと思って連れてきたのよ」
少女「そうなんですか・・・」
女A「それはいいですね、お母さんもきっと喜ばれると思います」
婦人「ふふ、そうね、それにしてもあなた年の割にはしっかりしてるわね〜」
女A「まぁ、周りがあんなのですから・・・」
男B「キューって言ってみ、キューって」
フェ「キュー」
友人「カワイイ!可愛すぎる!!」
男A「お、俺もみてぇ!お前どけよ!」
少年「・・・」ムッ
婦人「ふふふ、楽しそうで何よりだわ」
女A「もうちょっと考えてくれると、だいぶ楽なんですけどね・・・」
婦人「でも、嫌じゃないでしょ?」
女A「・・・ええ、もちろんです」
男B「ばかっ、次俺の番だよ!」
男A「うるせぇお前さっきさんざん見てただろ!」
友人「ちょっとあんたらやめなさいよ、キューちゃんが怖がるでしょ」
少年「・・・」ムッ
女A「まぁ、たまに縁を切りたくなるときもありますが」
少女「はは・・・」

249 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:40:20 ID:H8aXyyFq
友人「さて、ご婦人も行った事だし、私たちもそろそろ行きますか!」
男A「そうだな、もうよみうりランドは目の前だ!」
男B「アレが入園ゲートだな・・・よし、突撃ぃ!!」ダダダッ
女A「・・・」
少年「・・・」
男A「・・・」
友人「・・・」
男B「誰かついてこいよぉ!?」
女A「さ、少女、行きましょ」
少女「え?え?」
友人「アホは男性陣に任せますか」
男A「オイオイなすり付けるなよ、皆で責任もって面倒見ようぜ」
少年「ああ、それがいい」
男B「まるで俺が一人ではしゃぐ親戚の子供みたいじゃねぇか・・・」
男A「それはともかくとして」
男B「そしてスルー!?」
男A「チケット代は2900円だからな、用意しとけよ」
友人「あら、結構取られるね」
男A「そのかわり乗り物乗り放題でアシカショーも見れる、入園料だけだと後々もっと高くつくだろうし」
少女「そうなの?」
男B「ああ、目指すは全アトラクション制覇だからな!」
少年「気合い入ってるな」
女A「はしゃぎすぎて怪我しないようにね」
男B「はは、そうだな」
女A「男B」
男B「俺限定!?」
男A「それじゃ、並ぶとするか!」
友人「おーっ!」

250 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 21:49:32 ID:H8aXyyFq
よみうりランド園内

男A「さて、まずはどれに乗ろうか」
男B「バンデット!バンデット!」
女A「あんたはまたそれか・・・」
少女「3人はここによく来るの?」
男A「ああ、結構来た事あるな」
男B「前通ってた中学・・・あ、私立なんだけど、それがここに近くてね」
少年「3人とも同じ学校出身か?」
女A「ええ、正確には小学校からだけど」
友人「そりゃまた長い付き合いだ!」
男A「お前と少女ちゃんも同じだろ」
友人「まぁねーwww」ギュウウウ
少女「うゆぅぅぅぅぅ!!」パタパタ
女A「少女も苦労するわね・・・」
男A「はは、まぁ最初は園内ぶらぶらして、良さげなのから乗ってこうぜ」
男B「えー、バンデット・・・」
友人「そのバンデットって何なのさ?」
少年「ジェットコースターだ、最大時速110kmの高速ライドで人気らしい」
少女「ゆ、友人ちゃん、そろそろ・・・」パタパタ
友人「おっとごめん」パッ
少女「あわっ・・・ジェ、ジェットコースターかぁ・・・」
男B「そっか、少女ちゃんジェットコースターも初めてだよね」
友人「恐ろしいのよ、ジェットコースターって・・・」
少女「え・・・そんなに怖いの?」
男A「それどころか、事故とかも頻繁に起こるよな・・・」
少女「じ、事故って・・・」
男B「走行中に落下したり、むしろコース自体が崩壊したり・・・」
少女「えぇぇぇぇ!?」
友人「気をつけなさい・・・もし油断でもしよう物なら・・・」
少女「どどどどどどうしよう!?」
女A「あんたらも初心者をからかわないの!」

251 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:02:18 ID:H8aXyyFq
バンデット搭乗口

女A「で、結局これから乗る事にしたのね・・・」
男A「ま、景気付けさ、派手に一発ぶちかまそうぜ!」
女A「何をぶちかますのよ」
男B「恥じゃね?」
友人「それだ」
男A「お前らが組んだ時の突っ込みは本当に容赦ねぇな」
少女「・・・」
少年「・・・おい」
少女「ふぇっ!?」ビクッ
少年「大丈夫か」
少女「だ、だ、だ、大丈夫だよっ!全然平気っ!」
友人「それ、日本語的にはおかしいからね」
少年「無理して乗る必要も無いと思うが」
少女「う、ううん、興味があるのは本当だし・・・」
女A「大丈夫、一回乗っちゃえばなんて事ないから」
男B「俺も初めての時はビビってたなぁ」
男A「俺は最初からへっちゃらだったぜ」
女A「へぇ〜?そ〜?そう言えば、降りた瞬間に脱兎のごとく逃げ出した奴がいたなぁ〜?」
男A「・・・俺です」
少年「まぁ、確かに一度乗ってしまえば後は慣れる」
少女「う、うん・・・」

案内「それでは次の方!ゆっくりと前にお進みください!」

男A「お、いよいよ俺らの番だぜ!」
少女「・・・!」

252 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:11:09 ID:H8aXyyFq
案内「前から詰めてお座り下さ〜い!」

男B「くぅ〜!わくわくするぜ!」
女A「ええ、久しぶりだとやっぱり楽しみね」
男A「セーフティーバーは私がおろす・・・」ギギギギ
少年「それは夢の国のアトラクションだ」
友人「う〜ん!この緊張感!たまんないねっ!少女っ!」
少女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
友人「・・・少女?」
少女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
友人「おーい、大丈夫かーい?」
少女「・・・ゆ」
友人「ゆ?」
少女「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、じ、じ、じ、じ、じ、じ、」
友人「ちょwww落ち着きなさいwww」
少女「わ、わ、わ、わ、た、た、し、た、た、し、た、た、た、し、し」
友人「ほ、ほら、セーフティーバー降ろして!」ギギギギ
少女「だ、だ、だ、だ、だ、い、い、い、い、い、だ、だ、い、じょ、じょ、じょ」
少年「・・・見事に緊張しているな」
男A「そこまでいくと面白いwwww」
男B「芸人はこのリアクションを見習うべきだなwww」
女A「こらあんた達!本人は真剣なんだから!からかっちゃ駄目よ!」
友人「いや、それもさりげにきつい一言のような・・・」

案内「皆様、準備は宜しいでしょうか!」

少女「ひぅ・・・!!」ビクッ

案内「それでは、行ってらっしゃ〜い!」

ガタッ!

少女「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

253 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:14:46 ID:ga7TRFTI
ああ少女かわいいよ少女

254 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:24:47 ID:H8aXyyFq
ガタタッ…ガタタッ…

男B「くぅ〜!これこれ!この登ってる時の何とも言えない高揚感!!」
男A「いくぜーっ!!俺は空を駆ける鳥になるーっ!!」
男B「なにっ!?なら俺は大地を奔る虎になるぜーっ!!」
女A「なんて恥ずかしい奴らだ・・・」
少年「・・・結構登るな」
友人「でもそろそろじゃないかな?」
少女「・・・・・・・・・・・・・」
友人「ちょっと少女wwwwしっかりしなさいwwww」
少女「・・・・・・・・・・・・・」
友人「駄目だこりゃ・・・完全に放心してる」
少年「感受性の豊かな奴だ」
女A「いや、感受性はあまり関係ないと思うけど・・・」
男A「まだかーっ!!キェーーーッ!!」
男B「こいやーっ!!グルァーーッ!!」
女A「あんたらは少し黙れ!!」

ガタッ………

友人「お!!来るよ!!」
少年「来るな」
女A「登りきったみたいね」
男A「チョアーーーッ!!」
男B「ブルァーーーッ!!」
少女「・・・・・・・ひっ」
友人「あ、気がついt」

ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオ……!!!!

少女「!!!!!!!!!!!!」

255 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:36:16 ID:H8aXyyFq
ブワッ!!!!!

男B「よっしゃぁぁぁ!!レッツゴォォォォォ!!!」

ズワンッ!!

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…………ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウ!!!!
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

男A「うひょぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
女A「きゃぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!」
男B「やっほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!」
友人「うわっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」
少年「・・・」ムッ

少女「っ・・・!っ・・・!っ・・・!」

友人「楽しいわねぇぇっ!!少女ぉっ!!」
少女「っ・・・・・・・・・・・」
友人「少女ぉぉぉ?!」
少女「・・・ふ・・・ふ・・・」
友人「ふぅ?!」
少女「ふ・・・はははっ・・・ははははっ!」
友人「ちょwwww怖いwwwww」
少女「ははははははははははははははははは」
友人「やばい!!少女が壊れたぁ!!」
少年「・・・目が笑ってないぞ」
少女「ははははははははははははははははは」
友人「戻ってこぉい!!少女ぉぉぉおお!!」

256 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 22:45:22 ID:H8aXyyFq
案内「はい!お疲れ様でしたー!!そこの階段からお帰りください!!」

カン カン カン

男A「はぁ〜、楽しかったぜ!」
男B「もっかい乗りてぇ〜!」
女A「そう言う事は後ろの状況を見てから言うべきね」

カン カン カン

少年「・・・大丈夫か?」
少女「は・・・ははっ・・・」ポケー
友人「しょ、少女wwwwwあっはっはっはっはっはwwwwww」

男A「っていうか聞いたか?キャーだってよ、キャーwww」
女A「う、うっさいばか///」
男B「最後の所なんかギャーだったぜwwww」
女A「べ、別にいいじゃないっ!!///」
友人「いやぁwwwwそれにしても少女の壊れっぷりときたらwwww」
少女「うぅ・・・やっぱり怖かったよぉ・・・」
少年「少し休憩するか?」
男A「いや!このまま次行こうぜ!!」
男B「おう!次はMOMOnGAだな!!」
女A「ちょっとちょっと!少女の事も考えなさいよ!」
少女「だ、大丈夫だよ、私は平気だから///」
友人「本当に?無理は良くないよ?」
少女「うん・・・確かに怖かったんだけど・・・」
友人「怖かったんだけど?」
少女「・・・ちょっと、楽しかった」
男A「よく言った!!大丈夫、次はあんまり怖くないからな」
男B「MOMOnGAは怖さより楽しさ先行するよな」
友人「少女がそう言うなら・・・次行っちゃおうか!」
女A「・・・いいの?」
少女「うんっ!」
女A「・・・なら、いいんだけど」

257 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:00:22 ID:H8aXyyFq
3時間後

男A「いやぁ〜、乗った乗った!」
男B「既に人気アトラクションはほとんど乗ったな!」
女A「流石にちょっと疲れてきたわね」
友人「そだね、連続して絶叫マシーンに乗ってたからね、少女じゃなくてもしんどいわ〜」
少女「うん・・・もうクタクタだよ・・・」
少年「時間も丁度いいし、昼にするか?」
男A「う〜ん、今1時だろ?この時間はどこも混んでるんだよなぁ」
男B「それに、俺はまだまだ元気だぜ!」
女A「本当に馬鹿みたいに体力あるのね・・・」
友人「いや、馬鹿だからでしょ?」
女A「あ、そうか」
男B「もうお前らの前で不用意な発言をするのはやめるぜ・・・」
少女「でもちょっとお腹空いたかも・・・」
男A「そうだな・・・よし、こっから別れて行動するか」
少年「別れて?」
男A「ああ!乗り物乗りたい奴は俺と一緒に、少し休みたい奴は女Aと一緒に行動するんだ」
女A「・・・そうね、私は休む側に回るわ」
男A「そして15時にゲート前のレストランに集合!ってのはどうだ?」
少年「そこで一緒に昼を食うってことか」
友人「なるほど・・・それならその後のアシカショーを見て、少し遊んで帰るには丁度いいね」
少女「いいんじゃないかな?」
男B「乗れれば何でもいいや!」
男A「決まりだな!じゃあ、まだ乗り物乗りたい奴は挙手!」
男B「あい!」バッ
友人「私もまだまだ元気だよっ!」バッ
少年「・・・俺も行こう」スッ
女A「あれ?じゃあ私と少女だけ?」
少女「あ、あの、女Aちゃんもまだ乗りたかったら・・・」
女A「それは勘弁、正直もう本当に疲れてるわ、クレープでも食べてましょ」
少女「あ、いいねっ!」
男A「んじゃ、これで決まりだな!レストランの場所は分かるよな?」
女A「Gooddayでしょ?分かってるわ」
男A「オッケー!それじゃあまた後で!」

258 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:13:54 ID:H8aXyyFq
ゴーカート売店

女A「はい、チョコクレープ」
少女「ありがとう」
女A「しっかしあいつらも元気ね、朝からずっと動き回ってて疲れないのかしら」
少女「ははっ、ちょっと羨ましいね」
女A「いや、私はあそこまで馬鹿にはなりたくないわ・・・」
少女「え?そうかな?」
女A「そうよ」
少女「そうかなぁ・・・?」
女A「それより、クレープ食べないの?」
少女「あ、そうだった、はむっ・・・んぅ〜!おいしぃ〜〜!!」
女A「・・・」

女A(本当に、なんていうか・・・)
女A(無邪気?そんな感じのする子ね)
女A(確かに、今まで私たちがあまり接してこなかったタイプの子だわ)
女A(どちらかというと、騒がしい奴が多かったし)

少女「・・・あ!女Aちゃん!!クリームクリーム!!」
女A「え・・・?あ、っとと」ペロッ
少女「ふぅ〜、危なかったね」
女A「ええ、ありがとう」
少女「ううん、せっかくのお洋服が汚れたらアレだから」ニコッ
女A「・・・ねぇ」
少女「へ?」
女A「前から聞きたかった事があるんだけど」
少女「聞きたかった事・・・?」
女A「その・・・無理してないかしら?」
少女「・・・無理?」

259 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:26:06 ID:H8aXyyFq
女A「ほら、よくよく考えたら、あなたとこうして遊ぶ事になったのも、つい最近の事でしょ?」
少女「う、うん、そうだね、前までは知り合いですら無かったし・・・」
女A「それも男Aが無理矢理一緒の班になるって話を持ちかけて・・・」
少女「あ、でも、私は嬉しかったよ、まさか女Aちゃん達と一緒になるとは思わなかったから」
女A「・・・そう?」
少女「うん、だって、女Aちゃん達っていつもクラスの中心にいるから、私なんて声かけられないと思ってたし」
女A「・・・それはあなたの悪い癖ね」
少女「そ、そうだね、自覚はしてるんだけど、中々・・・」
女A「仮に、あなたが私たちと一緒になれて喜んでいるのだとしても・・・ちょっと強引だったかなと思って」
少女「強引?」
女A「だってそうじゃない、一方的に話を持ちかけて、遊ぶ約束をして、さんざん人を振り回して・・・」
女A「さっきだって、あなたが疲れてるのにどんどん乗り物に乗ってたし」
女A「それは、なんというか、凄く申し訳ないと思ってたの」
少女「そ、そんな!女Aちゃんが気にするような事じゃ・・・」
女A「気にするわよ、あいつらの仲間として」
少女「仲間・・・」
女A「そう、それに・・・言い方は悪いけど、あなたちょっと引っ込み思案でしょ?」
少女「う、うん」
女A「そう言うタイプの子って、今まであいつらも私も接した事無かったから、不安でね」
少女「不安?」
女A「もし、本当は嫌なのに、それが中々言えないせいで、結果的に無理矢理付き合わせてるんじゃないか、って・・・」
少女「そ、そんなことないよっ!」
女A「・・・」
少女「た、確かに、中々自分の思った事を口に出せない方だけど///」
少女「でも、女Aちゃん達と一緒にいて、本当に楽しいっ!」
少女「もし女Aちゃん達と出会わなかったら、ジェットコースターがあんなに怖い物だって分からなかったし・・・」
少女「もし女Aちゃん達と出会わなかったら、遊園地がこんなに楽しいところだって分からなかった」
少女「もし女Aちゃん達と出会わなかったら・・・私は、今も一人で中庭の手入れをしていたと思う」
少女「前はそれでいいと思ってた、自分の好きな事が出来れば、それでいいって・・・」
少女「でも、大勢で遊ぶのがこんなに楽しいんだって事を知っちゃったら、もっともっと遊びたいって思うように、なった・・・」
少女「だから、その・・・上手く言えないけど、本当に感謝してる・・・よ?///」
女A「・・・」

女A(・・・ああ、勘違いしてたな、私)
女A(引っ込み思案なんて、勝手な第一印象だった)
女A(こんなに自分の心を恥ずかしがる事なく打ち明けられるのに、消極的なんて嘘っぱちだ)
女A(男Aがこの子を誘った理由が、今ようやく分かった気がする)

260 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:35:37 ID:H8aXyyFq
3日前 教室にて

女A「・・・ねぇ」
男A「ん?」
女A「どうしてあの子と一緒の班になったの?」
男A「不満か?」
女A「そうじゃなくて、いきなり見ず知らずの人と組むなんて、予想外だったから」
男A「見ず知らずってお前なぁ・・・クラスメイトなんだからそれ位知っとけよ」
女A「そんなの分かってるわよ!そうじゃなくて、特に親しくもないのにって話よ」
男A「うーん、確かに親しいとは言えないよなぁ」
女A「そうよ」
男A「まぁ、その為に遊園地に行くんじゃないか!」
女A「論点をずらさないで答えなさい」
男A「う・・・うるせぇ奴だな・・・」
女A「ねぇ、なんで?」
男A「・・・お前さ、教室の一番後ろの棚の上、見てみろよ」
女A「一番後ろ?」クルッ
女A「・・・何も無いけど」
男A「本当か?本当に何も無いか?」
女A「いや、そりゃ何があるって言われたら、黒板に、時計に、花瓶に・・・」
男A「それだ、花瓶だよ」
女A「花瓶?花瓶がどうしたのよ?」
男A「お前、あの花瓶の花、誰が用意してると思う?」
女A「そりゃ・・・先生とか、用務員の人とか?」
男A「・・・あれな、ある生徒が用意してるんだそうだ」
女A「ある生徒?」
男A「少女ちゃんだよ」
女A「・・・あの子が?」

261 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:45:51 ID:H8aXyyFq
女A「ふぅん、そうなんだ」
男A「それだけかよ」
女A「だって、中庭の手入れだってしてるみたいだし、花が好きならそれ位すると思って」
男A「まぁ、花が好きなら、自分のクラスに飾る位はするよな」
女A「ええ」
男A「・・・じゃあ、全クラス、そうだとしたら?」
女A「全クラス・・・?まさか、全部のクラスに花を飾ってるって言うの?」
男A「ああ」
女A「あの子が?」
男A「ああ」
女A「まさかwww」
男A「嘘だと思うなら隣のクラス見てこいよ」
女A「・・・そんな、あり得ないわ、どれだけの労力だと思ってんの」
男A「見てこいって」
女A「・・・あるはずないわよ」スタスタ

ガラガラッ

女A「・・・!」
女A(これ・・・うちのクラスと同じ花・・・?)
女A(花瓶も、全く同じ物だ・・・)
女A(・・・隣のクラスも?)

ガラガラッ

女A「・・・置いてある」
女A(しかも、全く同じもの・・・)

262 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:49:43 ID:H8aXyyFq
ガラガラッ

男A「・・・どうだった?」
女A「・・・あれを、全クラス?1年から3年まで?」
男A「加えて、特別教室にももれなく置いてある」
女A「・・・」
男A「俺も気づいたのはつい最近だ、今までは当たり前すぎて気づかなかった」
男A「でも、ある日ふと目に止まって、他の教室にも飾ってあるのに気づいた」
男A「その時はまだ教師か用務員がやっているのだろうとしか思わなかった」
男A「でも、特別教室にも必ずあり、文科系の部室にも必ずあり・・・」
男A「あまつさえ、旧校舎の野球部の部室にもあった」
男A「それからは、誰が飾っているのか気になって仕方なかった」
男A「なんてことはない、担任に聞いたら、うちのクラスの女子がボランティアでやっているのだと、簡単に教えてくれた」
男A「それもうちのクラスだけではなく、教室と言う教室全てに置いているのだと・・・」
男A「そんな話、聞いた事が無かった」
男A「当たり前だよな、知ろうとしなかったんだから」
男A「それでさらに気になって、一体誰がそうなのかを、担任に聞いた」
男A「そしたら、少女ちゃんを指差して、こう言ったんだ」

『誰かの為に人知れず何かをやるってのは、素敵なもんだなぁ』

男A「その言葉を聞いて、正直情けなくなったね」
男A「俺はまるで、今までお山の大将なつもりでこのクラスにいたが・・・」
男A「そんなもんは井の中の蛙だった、上には上がいたよ」
男A「人に知られなくても、人の為に何かをする、そんな事が出来る人間が、こんなに身近にいるのに・・・」
男A「どうして、もっと早く気づかなかったのか・・・俺にしては、今から知り合いになっても遅すぎた位だ」
女A「・・・」
男A「だから少女ちゃんとお近づきになろうと思った、分かったか?」
女A「・・・分からないわ」
男A「おいおい、なんでやねん」
女A「そんなの、当たり前の事じゃない、みんなやってる事じゃない」
男A「・・・そうかな」
女A「そんな人間、いくらでもいるわ・・・」
男A「・・・それは違うだろ?」
女A「どうして!?」
男A「今俺が言った事をもう一度思い出しながら、彼女と話しをしてみろ」
女A「・・・」
男A「きっと俺が言いたかった事が、理解できると思う」

263 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:51:32 ID:H8aXyyFq
女A(・・・そうね、あんたの言う通りだったわ)
女A(私たちには、こういう子が必要なのね)
女A(ったく・・・計算高いんだか、単細胞なんだか・・・)

少女「あ、あの、女Aちゃん?」

女A「・・・あ、え?」
少女「いや、ぼーっとしてたから・・・」
女A「あ、ああ、ごめんなさい」
少女「や、やっぱり、私がいたら迷惑、かな?」
女A「え・・・?」
少女「え・・・?」
女A「・・・」
少女「え、えっと・・・」
女A「・・・はぁ・・・まったく・・・」
少女「へ・・・?」

パコンッ!

少女「い、いひゃいっ!?」
女A「迷惑なんかじゃないわ、むしろ感謝してる」
少女「じゃ、じゃあ何で殴られたの私っ!?」
女A「馬鹿な事言うからよ、そのネガティブ思考だけはやめなさい」
少女「ね、ねが・・・?」
女A「いいわ、分かった、私が聞きたかったのはそれだけだから」
少女「そ、そっか・・・?」
女A「・・・少女」
少女「ひゃ、ひゃいっ!?」
女A「今更なんだけど・・・」
少女「う、うん?」

女A「これからも、よろしくね?」

少女「・・・うんっ!」ニコッ

264 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:56:12 ID:H8aXyyFq
15時10分 レストランGoodday前

女A「で、何であいつらは来ないのかしら・・・」
少女「場所が違うとか?」
女A「いや、ここで合ってるはずなんだけど・・・」

男A「あ、いたぜ!おーい!!」ブンブン
友人「ほんとだ!おーい!!」ブンブン
男B「おーい!!」ブンブン
少年「・・・」ムッ

女A「・・・やっと来たわね、それにしても、あんな人前で叫んで恥ずかしいったら・・・」
少女「おーい!!」ブンブン
女A「あんたも返さんでいい!!」

男A「いやぁ、すまんすまん、すっかり熱中しちまってなwwww」
友人「あの浮き輪のやつ面白かったぁー!あとで乗りにいこ、少女!」
少女「うんっ!」
男B「お前らは何してたんだ?」
女A「ずっとそこで休んでたわ」
男A「うわ、まじで休んでただけか」
男B「もったいない!」
女A「あんた達みたいに体力馬鹿じゃないの、それよりお腹空いたから早く入りましょ」
少年「ああ」
男A「そうだな、予想通り今は空いてるみたいだし、入るか!」

265 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/01(木) 23:58:52 ID:H8aXyyFq
少女「結構メニューあるね」
男A「みたいだな、前はもっと少なかったんだが・・・」
男B「俺オムライス〜」
友人「あたしも〜」
女A「私は・・・スパゲッティにするわ」
少女「私もそれでいいや、少年君は?」
少年「・・・ロコモコ丼」
男A「ロコモコ丼?ってなんだ?」
友人「ハンバーグがご飯の上に乗っかってるやつでしょ?」
男B「なにそれうまそう、俺もそれで!!」
男A「俺はオムライスでいいや、すいませ〜ん」

10分後

店員「うぃっすwwwwロコモコ丼っすwwwwごっくぅどっぞっすwwww」

男B「こ、これは・・・!」
少年「・・・」ムッ

店員「ちゅっすwwwwオムライっすwwwwごっくぅどっすwwww」

男A「・・・なんていうか、うん」
友人「味が、独創的、だね、うん」

店員「っすwwwwwスパゲっすwwwwwごっすwwwww」

少女「・・・」フルフル
女A「頑張りなさい・・・私も頑張るから・・・」カタカタ

カランカラン

店員「っすwwwwwあざっすwwwwwまたおこしくやしゃっすwwww」

男A「・・・教訓、遊園地では洋食は厳禁」
男B「異議無し・・・」
女A「お、お腹が・・・」
友人「なんだか、一気に疲れた気が・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「あ、アシカショー見て、気分転換しようよ・・・」

266 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:02:12 ID:5fNiba+G
帰り道

男A「いやぁ、アシカショー楽しかったな!」
男B「ああ!何故か何事も無かったかのように帰ってるけどな!」
友人「きっと見た事無いから分からなかったんだよ!書けなかったんだよ!」
女A「メタ発言はそれ位にしときなさいね・・・」

少女「次のバスは・・・後5分だって」
少年「もうすっかり暗くなってきたな」
男A「ああ、気づいたら5時過ぎだ」
男B「帰ったら6時って所か」
女A「それにしても、今日は久しぶりに遊んだわ」
男A「確かに、最近お前ら部活部活で遊べなかったしな」
男B「大会前だしなぁ、仕方ないさ」
少女「みんな忙しそうだね」
男A「少女ちゃんだって忙しいだろ、中庭の手入れとか」
少女「うーん・・・あれは好きでやってるだけだから、そう感じた事はないなぁ」
女A「ほら聞いた?あんたも好きでやってるんだから忙しいとかだるいとか言わないの」
男B「だってよぉー!大会前ってぴりぴりしてて嫌いなんだよぉー!!」
少年「・・・バス来たぞ」
男A「お、本当だ、お前ら乗るぞー」

少女「でも、今日は本当に楽しかった!」
友人「そうね、私も久しぶりに楽しんだわwwww」
少女「あ、そういえば、あのおばさん、無事にお母さんに会えたのかな」
友人「・・・おばさん?お母さん?」
少女「ほら、行きのバスの中で、痴漢と勘違いして・・・」
友人「え!?痴漢!?あんた行きのバスの中で痴漢に遭ってたの!?」
女A「うそ、本当にっ!?」
少女「ち、ちがうよぉ〜!本当はフェレットだったやつだよぉ〜!」
友人「フェレット?フェレットが痴漢してたの?」
少女「・・・え?」
女A「ほら、二人とも乗るわよ」
友人「はいはーい」
少女「・・・からかってる、だけだよね?」

267 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:04:46 ID:+KZ5VMEQ
なんか突然怖い展開

268 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:05:01 ID:5fNiba+G
バス車中

友人「で、痴漢ってなに?」
少女「・・・えっと、だから、おばさんのもってたフェレットが、私のスカートを弄ってて・・・」
友人「な、なんだってぇー!?なんて卑猥なフェレットだ・・・」
女A「というか、どういう状況よそれ・・・」
少女「・・・ほ、本当に覚えてないの?」
友人「え?」
少女「今日の、行きの、バスの中での、話なんだけど・・・」
友人「行きのバスって・・・よみうりランドに行く時の?」
少女「う、うん、友人ちゃんがフェレットを掴んで、女Aちゃんがおばさんとお話ししてて・・・」
友人「え?私がフェレットを?」
女A「おばさん・・・?」
少女「・・・お、男Bくんも、フェレットに触ってたよねっ?」
男B「ん?フェレット?いやぁ、見た事ねぇなぁ」
少女「そ、そんな・・・」
男A「なんだ、フェレットの話か?」
少女「そ、そう!フェレットの話!男A君も見たいってはしゃいでてっ・・・!」
男A「あ〜、一度見て見たいよなぁ〜、可愛いんだろうなぁ〜」
少女「・・・う、嘘でしょ?だ、だって、あんなに・・・」
友人「きっとどっかで体験した事を勘違いしてるんだよ」
女A「ああ、なんて言ったっけ、デジャブだっけ?」
少女「・・・しょ、少年君は、覚えてるよね?」
少年「・・・」ムッ
少女「ほら、キューちゃんって名前の・・・」
少年「・・・いや」
少女「・・・え?」

少年「すまんが、そんな記憶は無い」

少女「・・・」

269 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:07:56 ID:5fNiba+G
長津田駅

男A「ふぅ〜、帰ってきたぜ我が地元っ!」
男B「やっぱり落ち着くぜ〜・・・」
女A「確かに、妙な安心感があるわね」
友人「その発言は田舎者臭いぞ〜」
女A「う、うるさいっ!///」

少女「・・・」

少年「・・・どうした?」
少女「・・・え?あ、いや、ううん、なんでもない・・・」
少年「・・・」ムッ
男A「じゃあ、もう遅いし、ここで解散と言う事でいいな」
男B「ああ、そうだな」
女A「そうね、路線もほとんどみんな違うし」
友人「そだね、それじゃ私はお先っ!また明日学校でねーっ!」タッタッタッ
男A「またなー!・・・っと、じゃあ俺らも行くか」
男B「ああ、んじゃまた、明日なー」タッタッタッ
女A「それじゃ、私も、また明日ね」テクテクテク
少年「・・・俺らも行くか」
少女「う、うん・・・そうだね」

少女(最後まで皆、知らない振りをしてた・・・)
少女(・・・ううん、違う、きっと本当に覚えてないんだ)
少女(どうして・・・?あんなにみんな楽しそうだったのに・・・)

270 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:10:06 ID:5fNiba+G
T字路

少年「それじゃあ、また明日」
少女「うん、ばいばい・・・」
少年「・・・本当にどうしたんだ?元気無いぞ」
少女「へ、平気だよっ、元気元気っ!」
少年「・・・まぁ、いいんだが」
少女「う、うんっ!」
少年「明日も、同じ時間にここでな」
少女「そうだね、7;30に」
少年「・・・お疲れ」タスタスタス
少女「ばいばい」ヒラヒラ
少女「・・・」
少女「・・・帰ろう」

クルッ

神様「こんにちわーっwww」

クルッ

少女「・・・やっぱりコンビニでも行ってこようかな」
神様「またまたぁwwww」

271 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:13:07 ID:5fNiba+G
少女「・・・どうしてここにいるんですか?」
神様「いやぁ、最近どうかなぁと思いまして」
少女「どうもありませんけど・・・」
神様「またそんな、つれない反応しないでくださいよwww」
少女「とは言っても・・・」
神様「今日は遊園地だったんですね、楽しかったですか?」
少女「ええ、まぁ・・・」
神様「あれれ?元気がありませんね?どうしたんですか??」
少女「・・・」

少女(この人なら・・・何か・・・)

少女「あの、1つ聞いてもいいですか?」
神様「はい?」
少女「実は・・・」

少女説明中…

神様「なるほど・・・」
少女「これって、皆が私をからかっているだけ、ですよね?」
神様「・・・いえ、それは違いますね」
少女「・・・」
神様「あなた達の出会ったそのご婦人、恐らく、モブです」
少女「・・・」

272 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:16:20 ID:+KZ5VMEQ
モブキャラの中にも濃いのがいるんだな

273 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:17:18 ID:5fNiba+G
少女(また、モブ・・・)

神様「以前、男Aさんが主人公だと言うのは、お話ししましたね?」
少女「・・・はい」
神様「つまり、この世界は男Aさんを中心に回っているわけです」
少女「・・・」
神様「その男Aさんがモブキャラの事を忘れてしまえば・・・その人は無かった事になります」
少女「無かった、事?」
神様「ええ、そうです」
少女「そんな・・・だって、確かにあの人はあそこにいて・・・」
神様「それも急場しのぎの人物設定、深く練られてはいないでしょう」
少女「設定って・・・それじゃあまるで、あの人が物かなにかみたいじゃないですか!!」
神様「・・・ある意味、そうですね」
少女「え・・・?」
神様「モブ、とはその他大勢の事、名前も顔も与えられない役割・・・」
少女「・・・」
神様「主人公にとって、それはただの・・・世界を形作るパズルのピースでしかありません」
少女「・・・ピースって・・・そんな・・・」
神様「残酷かも知れませんが、そういう風に出来ているのです」
少女「・・・そ、それなら、それなら私はどうなるんですかっ!」
神様「・・・」
少女「私もモブなんでしょう?なら、私もただの『もの』なんですか!?」
神様「・・・本当に、成長しましたね」
少女「え?」
神様「すいませんが、これ以上はまだ言えません」
少女「そ、そんなっ!それじゃあ意味が分かりません!!」
神様「安心しました、その調子で青春ライフを満喫してくださいね☆」
少女「いや、そうじゃなくてっ!」
神様「それでは、アデュー!」パッ
少女「あっ・・・!」
少女「・・・また、消えた」

274 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:20:22 ID:5fNiba+G
ベッド

『ふふ、おばさんでいいわよ、もう46ですから』

『久しぶりに会わせてあげようと思って連れてきたのよ』

『きっとどっかで体験した事を勘違いしてるんだよ』

『すまんが、そんな記憶は無い』

少女(・・・あれが、全部無かった事に?)
少女(そんなのって・・・そんなのって、ないよ・・・)
少女(だって、それじゃあ、あのおばさんはどうなったの?)
少女(老人ホームにいるお母さんに、ちゃんと会えたの?)
少女(あのフェレットは、飼い主さんの顔を見る事が出来たの?)
少女(分からない・・・分からないよ・・・)
少女(私も、あのおばさんと同じ『モブ』なのだとしたら・・・)
少女(今こうして感じている気持ちも、全部最初から決められていて)
少女(そして、いつかは消えてしまう・・・『もの』ってことなの?)
少女(そもそも、この世界は誰かに作られた物なの?)
少女(あの神様が、私やこの世界を作り出したの?)
少女(・・・駄目だ、変な考えしか浮かんでこない)
少女(せっかく初めての遊園地で、初めて大人数で遊んで・・・)
少女(凄く楽しくて、皆と仲良くなれたと思ったのに・・・)
少女(これじゃあ、全部台無しだよ・・・)

少女「・・・神様の、ばか」

275 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:23:57 ID:5fNiba+G
ここまでです、遊園地終了して良かった・・・
何でこんなに遊園地に固執したかって言うと、前編の最大のイベントのつもりだったからです
本当はもうちょっと細かく書きたかったけど・・・きりがないんで省きました
次回投下は4日以内にできそうですが、まだ未定です、分かり次第お知らせします



ちょっと思ったんだけど、このペースだと>>1000で全部おわらねぇ、やべぇ

276 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:46:45 ID:BFyq7v1Z
遊園地編、楽しすぎる
学生の頃を思い出した
あの頃に戻ることはできないけれど

よみ○りランドかぁ。消防の頃行ったきりだな


そして…なるほど。いい展開
楽しい日常の陰にうすら寒い非日常が潜む感覚

これは、いい。

これは、実写化できねぇや
『パプリカ』ですら実写化(アニメ化)されちまったが

台詞だけで展開するからこそ、世界観の危うさが生きる気がしてきた



…なーんて、評論家ぶった能書きはやめて

乙です! 次回も首を長くして待つっす!

277 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 00:59:46 ID:+KZ5VMEQ
投下乙
遊園地楽しそうでいいなあ
特にかわいいおにゃのこと一緒なあたりが

278 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 20:58:25 ID:TOWykuJq
1ですがちょいと質問
今書いてるんだけど、ネタってどんなのが許されるのかな?
盛り込みやすいのはニコ動ネタ、オタネタ、芸人ネタ辺りなんだけど・・・
こんなネタがいいってのがあったら教えて下せぇ
これを読んでくれている人に合わせたいから、「1の好きな通り」とかは禁止でお願いします
レスがつかなかったら・・・もう適当にネタ入れる

んで、次回投下は日曜の21:00〜できそうです
夏休み編に突入?

279 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/02(金) 23:27:28 ID:+KZ5VMEQ
その三つは入れられても多分俺は元ネタ把握できないな
ネタはブラックな方が好みだけど、この話のふいんき()には合わなそうだ

オタネタがえっちな言葉に見えたのは内緒

280 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/03(土) 17:29:12 ID:dlgoLwLy
オタネタっつってもいろんなジャンルがあるよなぁ
人によって守備範囲違うだろうし
ここは2chだから、2chネタならみんなわかるかも
でも、どっぷり内輪ノリになっちまう可能性も

ニコニコは…自分は見れないから、ようつべに移されたものしか
芸人も最近はわからん、テレビ見てないし

次の方、どうぞ↓

281 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 17:44:43 ID:rXcOEVC0
なるほど、了解です
意外と芸人やオタネタには需要ないんだね、この板らしいやwww
それじゃあ軽い2chネタや一般的な所に留めておくよ
ブラックも盛り込めるようだったら頑張ってみる、ありがとう

投下予定通り21:00〜やります

282 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:00:11 ID:rXcOEVC0
ミーン ミン ミン ミン ミー


ジジジジジジジジ


ムワァン…


少女「・・・う〜」


ミーン ミン ミン ミン ミン ミー


ムワァン…


少女「・・・暑い」ゴロゴロ
少女「あまりの暑さに、下着でゴロゴロしちゃうよ・・・」ゴロゴロ
少女「お花にはあまり良くないなぁ、この日差しは・・・」ゴロゴロ
少女「夏休み中は急行日にお花を見てあげられないから、ちょっと気になるなぁ・・・」ゴロゴロ


ピンポーン


母親「はーい」
少女「・・・誰かな?」ゴロゴロ
母親「あら、こんにちわ、ちょっと待ってね」
少女「?」ゴロゴロ
母親「少女〜、少年君よ〜」
少女「!!」バタッ

283 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:12:27 ID:rXcOEVC0
5分後

少女「お、お待たせっ!///」
少年「・・・すまん、何かしてたか?」
少女「いや、そう言うわけじゃないんだけど///」
少年「そうか」
少女「え、えっと、何か用かな?」
少年「ああ、親父が仕事先で土産を買ってきてな」
少女「お土産?」
少年「これだ」ガサッ
少女「うわぁ!スイカだ!」
少年「熊本に出張に行っててな、今日の朝帰ってきて、お隣さんにも持ってけと」
少女「熊本ってスイカの名産地なの?」
少年「名産地かどうかは知らんが、親父は熊本のスイカが一番うまいと言っている」
少女「そうなんだ?」
少年「それと、これはついでになってしまうが」
少女「うん?」
少年「海行かないか?」
少女「・・・」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・」
少女「・・・え!?」
少年「・・・そんな思考が停止してしまうほどの事だろうか」

284 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:22:50 ID:rXcOEVC0
少女「いや、だって・・・え!?」
少年「嫌か?」
少女「い、嫌じゃないけどっ、少年君と!?」
少年「ああ」
少女「二人で!?」
少年「いや、違うが」
少女「・・・え?」
少年「遊園地に言った面子で行こうと言う話が出ててな」
少女「遊園地・・・」
少年「お前携帯持ってないだろ、だから俺が話をしておくと言う事になってたんだが」
少女「そ、そっか、皆とか、そうだよね・・・///」
少年「どうだろうか?」
少女「う、うん、私は構わないよ」
少年「分かった、伝えておく」
少女「ごめんね?私が携帯持ってればいい話だよね・・・」
少年「・・・まだ買う気にはならないか?」
少女「え?」
少年「友人がいないと言う理由で買ってないと前に聞いたが、今はそうでもないだろ?」
少女「・・・そう、かな?」
少年「俺たちを友人と思っていなければ、話は別だが」
少女「ま、まさかっ!そんなことはないよっ!」
少年「だろ?」
少女「・・・あ」
少年「買ってみるのも、アリだと思うが」
少女「う〜ん・・・でも、何がいいとか、どこの会社がどうとか、全然分からないし・・・」
友人「なら私と一緒に買いにいきましょう!」
少女「そうだね、誰かと一緒に・・・って友人ちゃん!?」
友人「よっす!ちょっと通りがかったから覗いてみたんだけど、何やら面白いお話ししてるね〜」
少年「・・・いつからいた」
友人「少女がスイカの名産地を熱唱している辺りから」
少女「そ、そんなことしてないよっ///」

285 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:29:50 ID:rXcOEVC0
友人「いい機会だと思うな、携帯持つの」
少女「そう、かな?」
友人「ってか、私は前々から買いなさいって言ってるじゃない!」
少女「う、うん」
友人「携帯があれば、夜も少女といちゃつけるし!」
少女「それは勘弁かな」
友人「い、意外と手厳しいわね・・・」
少年「両親も、金を出してくれるって言ってるんだろ?」
少女「そうなんだけど・・・あんまり親に迷惑かけたくないし」
友人「かーっ!馬鹿ねっ、親は子供に甘えられてなんぼなもんよ!」
少年「・・・そうか?」
友人「そうよ!ただでさえ少女はしっかりしすぎてるんだから、少し位甘えたって罰はあたらないわ」
少女「・・・う〜ん」
少年「まぁ、こいつの言っている事は極論だとは思うが」
友人「なにをーっ!」
少年「せっかく親が協力的なんだから、挑戦してみるのもいいと思うぞ」
少女「・・・」
友人「極論ってどういう事よっ!」
少年「『極めて乱暴な論理』ってことだ」
友人「そう言う事じゃなくって!ってか意味違うし!」
少女「・・・そうだね、買ってみようかな」
友人「お!本当に!?」
少女「うん、友人ちゃんも、手伝ってくれる?」
友人「勿論さ!!そうと決まれば善は急げ、早速行きましょ!」
少女「お、お母さんにも話しとかなきゃだから、明日じゃ駄目かな?」
友人「そう?そうね、分かった、じゃあ明日の13時に少女の家に集合!」
少年「・・・集合?」
友人「そ、あんたも行くのよ」
少女「え!?」
少年「俺は別に構わないんだが・・・」
友人「少女も、いいわよね?」
少女「う、うん///」
友人「けってー!じゃ、明日の13時!遅れずに集合ねーっ!!」タッタッタッ
少女「・・・い、行っちゃった」
少年「まるで台風のような奴だな」

286 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:41:46 ID:rXcOEVC0
少女「と、言うわけなんだけど・・・駄目かな?」
母親「まさか!むしろやっとその気になったかって感じだわ」
少女「じゃあ・・・!」
母親「あまり高いのは駄目よ?」
少女「うんっ!ありがとう!!」
母親「それにしても・・・」ジー
少女「・・・?」
母親「あなた、最近可愛くなったわね」
少女「か、可愛く?」
母親「ええ、前よりなんて言うか、こう・・・光ってる!」
少女「ひ、光ってると言われても・・・」
母親「明るくなってるって事よ、前よりもずーっと」
少女「そ、そうかな?」
母親「ええ!これも、少年君の御陰かしらね〜」
少女「しょ、少年君は関係ないよっ!///」
母親「あら、その反応、やっぱりそう言う事なのかしら?」
少女「そ、そう言う事って・・・もぉ〜!///」
母親「あはは、からかいすぎたかしら?」
少女「言っとくけど、そう言うのじゃないからね?」
母親「あらそうなの?」
少女「そうだよ!」
母親「なんだ、残念・・・」
少女「何でお母さんが残念がるのか・・・」
母親「もう向こうのお父さんと話はついてるのに」
少女「・・・え!?何の話!?」
母親「だから、そう言う事になったら宜しくお願いしますね〜って言う」
少女「よ、余計なお世話です!///」

287 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 21:53:35 ID:rXcOEVC0
翌日

友人「それで、なにか欲しい携帯とかある?」
少女「う〜ん・・・本当によくわからないなぁ」
少年「金はどれ位出してもらえるんだ?」
少女「一応、きしゅ?代で1万円は貰ったけど・・・」
友人「1万円かぁ〜・・・ちょっと厳しいね」
少女「え!?そうなの?」
友人「最近は機種代が高い変わりに料金設定が安くなってる所がほとんどなんだ」
少年「確かに」
少女「そうなんだ・・・いくら位必要なのかな?」
友人「ん〜、最新機種だと、2〜3万って所かな」
少女「にっ、にさんまん・・・!?」
少年「まぁ、そんなに高くないのを買えばいいだろう」
友人「でもそれだと中途半端なのしか無いんだよね、できれば新しい物の方がいいでしょ?」
少女「いや、初めてだから、そんなに高いのじゃない方が・・・」
友人「それなら1万でも足りると思うけど・・・あまり選択肢は無いよ?」
少女「それでもいいよ、とりあえず、めーる?が出来て、つうわ?が出来れば」
少年「・・・メールはともかく、通話に疑問を感じるのはどうだろう」
友人「よし、わかった、それならソフトバンクね」
少女「そうなんだ?」
友人「auでもいいんだけど、ソフトバンク同士なら無料だし、機種も安定してるの多いしね」
少女「・・・ふ〜ん???」
友人「何より・・・」チラッ
少年「・・・何だ?」ムッ
友人「少年君って、たしかiPhoneよね?」
少年「そうだが」
友人「それならやっぱりソフトバンクね!!」
少女「・・・何か関係あるの?」
友人「iPhoneもソフトバンクなのよ」
少女「まず、さいふぉん、ってのが何なのかがよく分からないんだけど・・・」
少年「少し特殊な携帯だ、そしてサイフォンではなくアイフォンだ」
少女「ふ〜ん???」
友人「分かってないわね〜、つまり、少年君とのメールや通話がタダってこと!」
少女「そうなんだ???」
友人「だから、少年君となら気にせず沢山話せるし、メールも出来るってこと!」
少女「・・・ふ〜ん???」プスプス
友人「・・・駄目だ、携帯の話に気を取られて冷やかしに反応できていない」
少年「冷やかしと言う自覚はあるのか・・・あと、iPhoneのメールは普通とは違うから無料ではないぞ」
友人「え!?そうなの!?」
少年「ああ」
友人「なんで!?」
少年「いや、俺に聞かれても・・・」

288 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:00:46 ID:woT7IW5S
サイフォンw

289 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:04:36 ID:rXcOEVC0
携帯店

少女「ここで買うの?」
友人「ええ、こういう所の方が安く買えるしね」

ガーッ

イラッシャイマセー

少女「う、わぁ・・・いっぱいある」
友人「さぁ、選びなさい!」
少女「そ、そんな事言われても・・・何を見ればいいのやら」
少年「とりあえず、価格でしぼったらどうだ?」
少女「そ、そうだね、えっと・・・え!?」
友人「どうしたの?」
少女「ゆ、ゆ、ゆ、友人ちゃん!!こ、これっ!」
友人「これ・・・?ああ、iPhoneじゃん」
少女「これが、バイソン・・・」
少年「・・・どこの猛牛だ」
友人「アイフォンね、アイフォン」
少女「本当に3万円以上するんだ・・・携帯電話って高いんだなぁ」
少年「これは極端な例だ、安いのは・・・あっち側にある」
少女「えっと・・・あ、本当だ」
友人「へぇ、1万円以下って言っても、結構あるね」
少女「えっと・・・ど、どれがいいのかな?」
友人「基本的には、持ってみて自分が一番しっくり来るのを選ぶといいね」
少年「機能は二の次にした方がいいだろう」
少女「持ってみて一番しっくりくる物、かぁ・・・」
友人「ええ、最初はそれでいいでしょ」
少女「・・・えっと、これって勝手に持ってみてもいいのかな?」
友人「その為のモデル携帯だよ、存分に弄って大丈夫!」
少女「そ、それじゃあ失礼して・・・」ヒョイ

カパカパ

ポチポチ

ポチポチ

カパカパ

少女「・・・」
友人「どう?」
少女「・・・うん!全然分からないっ!!」
少年「そんな満面の笑みで言ってもな」

290 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:15:26 ID:rXcOEVC0
友人「えっと、ボタンの押しやすさとか、持ってみた重量感とか・・・」
少女「押しやすさ、重量感・・・」
少年「ディスプレイの綺麗さとか、デザインとかも考えるといい」
少女「でぃすぷれい、でざいん・・・」
友人「綺麗に撮れるカメラがついているのがいいのか、容量が沢山入る方がいいのかとか」
少女「かめら・・・よーりょー・・・」
少年「対応している料金プランも見といた方が良いな」
友人「ワンセグも見たかったら、その機能がついているものを選ばないと駄目だね」
少女「ぷらん・・・わ、わんせぐ・・・?」プスプス
友人「・・・う〜ん、こりゃかんたん携帯がいいかもね」
少年「・・・俺もそう思う」
少女「む、むずかしいなぁ、ケータイって・・・」
友人「まぁ、要するにメールと通話が出来れば言いわけだから、そんなごちゃごちゃしたの買わなくてもいっか」
少年「まずは慣れる事から始めるべきだ」
少女「そうする事にするよ・・・」
友人「ほんじゃ、機種はこれで決定だとして、次はプランね」
少女「そのプラン、ってのもよくわからないんだけど・・・」
少年「月ごとに払う使用料の事だ、自分に合ったものにして無駄を省くといい」
友人「まぁその辺は私がお店の人とやるわ、すいませーん」
店員「はい?」
友人「この子の携帯を新規で購入したいんですけど」
店員「機種は既にお決まりですか?」
友人「これでお願いします」
店員「・・・なるほど、分かりました、そちらにお掛けになってお待ちください」
少女「な、なんだかドキドキするね」
少年「誰でも新しい事には緊張するもんだ」
友人「にしても、少女は何をやらせても初々しくて可愛いなぁ〜wwww」ギュウウウ
少女「うゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」パタパタ
少年「・・・この光景には大分慣れたが」

291 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:28:57 ID:rXcOEVC0
5分後

店員「お待たせしました、こちらの機種で宜しいですか?」
友人「はい」
店員「お色はどれが宜しいでしょうか?」
友人「どれがいい?」
少女「う、う〜ん・・・これで!」
店員「ピンクですね?かしこまりました」
友人「少女らしいやwww」
店員「こちらの携帯ですが、機能等が他の機種と比べると劣ってしまいますが、宜しいですか?」
友人「むしろその方がこの子に取っては好都合です」
少女「は、はい///」
店員「分かりましたwwwそれでは次に料金プランになりますが、ご説明は?」
友人「そうですね、一応お願いします」
店員「かしこまりました、それでは料金プランのご説明ですが・・・」

5分後

店員「・・・という仕様になっております、宜しいでしょうか?」
少女「????」プスプスプスプス
友人「大丈夫です!」
少年「どうみても大丈夫ではないが」
店員「あの、もしかして・・・携帯電話をお使いになるのは、初めてですか?」
少女「あ、え、はいっ///」
店員「やはりそうですか、大丈夫ですよ、携帯電話は怖くありません」
少女「で、でも・・・」
店員「いきなりおかしくなったり、爆発したり、法外な料金を取られたりなんてしませんから」
少女「そ、うですか?」
店員「はい!まずは慣れると言う点では、お客様にぴったりの機種だと思いますよ」
少女「う・・・わ、分かりました、頑張ってみます///」

少年「凄い会話だな」
友人「まるで原始人相手に接客をしているみたいだね」

292 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:44:08 ID:rXcOEVC0
店員「ありがとうございましたー!頑張ってくださいね!」
少女「は、はいっ、こちらこそ、ありがとうございました///」

ガーッ

友人「中々親切でしょ、ここの店」
少年「ああ、実に最適な店選びだった」
少女「ちょ、ちょっと恥ずかしかったけど///」
友人「まぁ、これでめでたく少女も現代っ子の仲間入りね!」
少女「なんだか、『持ってる』ってだけで、少し機械に詳しくなった気がする!」
少年「・・・それは間違いなく『気がする』だけだな」
少女「そ、それを言っちゃ駄目だよ・・・」
友人「っと、忘れるとこだった、少女、早速メアド交換しましょ!」
少女「うんっ!」
友人「赤外線で送るのが一番早いね、ちょっと貸して」
少女「うん・・・赤外線?」
友人「そ、メールアドレスとか、プロフィールとかを一気にやり取りする機能なんだけど・・・あれ?」
少年「もしかして、かんたん携帯にはついてないんじゃないか?」
友人「・・・そうみたい、さ、流石だわっ!!」
少女「よくわからないけど、それって駄目なの?」
友人「いんや、メンドクサイだけ〜、じゃあ今ここで私が登録してあげるわ」
少女「うん、ごめんね、宜しくお願いします」
友人「少年君のアドレスも一緒に登録しとくからね」
少女「う、うん///」
少年「俺には通信料がかかるから、注意しろな」
少女「わ、分かった」
友人「ほい・・・ほいっと!よし、完了!」
少女「ありがとう」
友人「さて、これからどうするの?」
少女「うん、今日は学校によって中庭の手入れをしようかな、と思って」
友人「よし、それなら私も手伝うわ!」
少年「俺も手伝おう」
少女「本当に?ありがとう!」

293 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 22:58:34 ID:rXcOEVC0
その日の夜

少女「携帯かぁ〜・・・」
少女「・・・」ジーッ

カパカパ

ポチポチ

少女「・・・♪」

カパカパ

ポチポチ

ピロリン♪

少女「わっ!」
少女「め、めーるだ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From: [email protected]
Sub:男Aだぜ!
本文:おっす、男Aだ。
   携帯買ったって友人から聞いてメールしたぜ。
   これ俺のアドレスだから登録しといてくれな!
   よろしく!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「男A君からだ、友人ちゃんが教えてくれたみたいだね」
少女「えっと・・・返信?ここかな?・・・あれ?違うな?」

ピロリン♪

少女「ひゃっ!」
少女「ま、まためーるだ」

294 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:03:46 ID:rXcOEVC0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:[email protected]
Sub:女Aです
本文:携帯買ったって友人から聞いたから、メールしたわ
   ついに持つ気になったのね、これで連絡しやすくなったわ(笑絵文字
   これ私のアドレスだから、登録しといてね
   同じソフトバンクだから通信料かからないし、
   分からない事合ったら気軽にメールしなさいね(GJ絵文字
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「女Aちゃんだ、あどれすが・・・らぶびーむ?」
少女「えっと、へ、返信ってどうするのかな・・・?」

ピロリン♪

少女「あぅ・・・今度は誰だろう?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:[email protected]
Sub:おいっすー!!
本文:男Bだ!!友人からアドレス聞いたぜ!!
   よろしく!!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「男B君か・・・めーるあどれすが凄い目立つなぁ」
少女「・・・あ!このボタンで返信出来る!!よかったぁ・・・」

ピロリン♪

少女「・・・た、立て続けに来るなぁ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:友人
Sub:どうだい?
本文:携帯電話レニレ£м○ぅ慣яёT=ヵゝレヽ?
   勝手レニ皆レニ了├〃レス送ッT=レナ`⊂〃許Uτちょωмаレナ〃!!
   ±τ±τ、⊇σ文字ヵゞ解読τ〃(≠ゑヵゝTょ?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「・・・な、なにこれ?????」
少女「あ、暗号?・・・漢字の所しか分からないや」

ピロリン♪

少女「さ、流石にもう慣れたね」
少女「えっと・・・あ、しょ、少年君からだっ!」

295 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:05:29 ID:rXcOEVC0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:少年
Sub:少年
本文:少年だ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「・・・す、凄い淡々としてるなぁ・・・」

ピロリン♪

少女「あれ?また少年君からだ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:少年
Sub:間違えた
本文:今送ってから気づいたが、もう登録してあったな
   スルーしてくれ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「・・・くすっ、少年君らしいやwww」
少女「えっと・・・皆に返さないとね」
少女「ここを・・・こうかな・・・あれ?変になっちゃった?」
少女「あれ?あれ?ど、どうして??」
少女「わっ、文が消えちゃった、えっと、1、2、3、4・・・」
少女「って、あ!!もう送信しちゃった!!」
少女「じゃなくて・・・あぁっ!!また間違えて途中で送っちゃった!!」
少女「うぅ・・・携帯電話って難しい・・・」

少女(・・・でも、ちょっと楽しいかも)
少女(前はこんな風にめーるできるなんて、考えもしなかったなぁ)
少女(これが、神様の言ってた、青春ライフ、って奴かな?)

少女「・・・いいな、せいしゅんらいふ」

296 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:06:19 ID:rXcOEVC0
友人宅

テーレッテーピッ

友人「お!少女から返信来た!!意外と早かったなぁ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:愛しの少女
Sub:Re:どうだい?
本文:め@るあ##がみう、っぅぁ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
友人「・・・こ、これは、私の送ったギャル文字よりも難解だぁ・・・」

テーレッピッ

友人「あえ?また少女だ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From;愛しの少女
Sub:Fw:Re:どうだい?
本文:。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
友人「・・・・・・・・・・」
友人「・・・ま、まだまだ、先は長そうだね・・・」

297 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:08:25 ID:rXcOEVC0
ここまでです
今日駄目だ、キャラが全然会話してくれない・・・ただでさえへぼいのに加えてスランプかもorz
念のために言っときますが、メアドは実在しそうなので送らないでね☆
次回投下は水曜日の夜になりそうです

298 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:11:05 ID:woT7IW5S
>>294
文字化けかと思ったwww

299 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:19:30 ID:KEjyUku2
毎度のことながら、きっちり予告投下乙です

携帯、アドレス…ときて、なんだか不穏な空気を感じてしまったが
そしてギャル文字見て、一瞬早とちりして背筋が寒くなったが

杞憂でした! 良かった、ほのぼの展開で


台詞系だから、喋ってくれないことにはどうにもならんわけか
キャラ付け出来ててもそういうことってあるんだな

まー、>>1さんのペースでゆっくり書いていってね!!!


300 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:20:50 ID:rXcOEVC0
>>294は書き込む時に「文字化けの可能性があります」って出たwww
こういうのは控えた方がいいのかな?マカーだから本当に文字化けする可能性も否定は出来んのだ・・・
まぁ、多分大丈夫か、ちなみに友人は
「携帯電話にはもう慣れたかい?
 勝手に皆にアドレス送ったけど許してちょんまげ!!
 さてさて、この文字が解読できるかな?」
と送ってました

301 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/04(日) 23:22:38 ID:woT7IW5S
投下乙
スランプっぽさは文からは全然感じないぜ


302 名前:武田マンチカン:2009/10/04(日) 23:33:28 ID:HjdvEapy
http://www.youtube.com/watch?v=G-AtMZj3xQ0

303 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 18:13:12 ID:+0wdtxNb
1です
今日の投下は若干遅くなって23:00~になります
スランプ脱却できてるように祈る・・・

304 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 22:58:47 ID:+0wdtxNb
今回投下少なめです、ごめんなさい


翌日

トンカン トンカン

シャッ シャツ

少女「旧校舎の工事、進んでるなぁ・・・」
少女「理事長さんの言った通り、この中庭には手が入っていないけど・・・」
若者「おーい、お嬢ちゃん、そんな所にいると危ないよ?」
少女「あ、え?」
若者「駄目だよ工事区域に入っちゃ−」
少女「あ、えっと、私は・・・」
大工「おいワカ!そっちは管轄じゃねぇ、戻ってこい!!」
若者「え?まじすか?」
大工「ったりめぇだばぁろぅ、いっちゃんに言ったろうが!!」
若者「う、ういっす!すんません!」タッタッタッ
少女「・・・び、びっくりしたぁ〜、やっぱりここも工事するのかと思った・・・」
大工「おぅ、嬢ちゃんすまねぇな」
少女「あ、いいえ!こちらこそお邪魔してしまって・・・」
大工「んなぁ気にすんな!嬢ちゃんが庭の手入れしてるっつう生徒さんだろ?」
少女「あ、はい・・・ご存知なんですか?」
大工「おうよ!用務員の奴とは知り合いでな、事前に聞かされてたっつうわけよ」
少女「そうなんですか・・・あの、用務さんのお知り合いって?」
大工「おう、あいつとはガキん頃からの馴染みでな、もう60年近くになるか」
少女「そ、それはまた随分長いお付き合いなんですね」
大工「なぁに腐れ縁って奴よ!高校で別れちまったけどな、その後もちょくちょく酒飲んだりして、今に至るってわけよ」
少女「なるほど・・・」
大工「この仕事もあいつが校長さんに斡旋してくれてやってるんだ、ありがてぇなぁ、もつべきもんはダチだな」
少女「なんだか、素敵ですね!」
大工「へへっ、そんな綺麗なもんじゃねぇやぁ・・・っと、いけね、俺も持ち場もどらねぇと、じゃなっ!」デクデクデク
少女「あ、はいっ、また・・・って行っちゃった」
少女「何だかいかにも江戸っ子、って感じの人だなぁ」

305 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 23:12:01 ID:+0wdtxNb
少女「でも、今時大工さんなんて、珍しい、のかな?」
少女「見た感じ、クレーン車も何も使ってないし・・・」
校長「そうじゃな、今時貴重かもしれんのぉ」
少女「ですよねー・・・って、校長先生!?」
校長「こんにちわ、少女ちゃん」
少女「い、いつからここに・・・」
校長「たった今じゃ」
少女「そ、そうですか・・・」
校長「工事の様子を見に来たんじゃが・・・おぉ、おぉ、やっとるのぉ、懐かしいのぉ」
少女「懐かしい?」
校長「今時カンナをかけてやっとるような所は、中々無いからのぉ」
少女「確かに・・・私、初めて見ました」
校長「そうじゃろうな、今の子はカンナが何かも分からんじゃろ」
少女「・・・あの」
校長「ん?なんじゃ?」
少女「今日はその口調なんですか?」
校長「嫌かね?」
少女「いえ、嫌と言うわけではないんですが・・・」
校長「結構自分では気に入っているんじゃよ、これ」
少女「威厳があるから、ですか?」
校長「うむ、やはり校長じゃからな!威厳は大事じゃ!!」
少女「・・・あまり変わらない気が」
校長「何か言ったかね?」
少女「い、いえ、なんでも・・・」

306 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 23:24:51 ID:+0wdtxNb
校長「別に業者に頼んでも良かったんじゃがのぉ」
少女「工事ですか?」
校長「うむ、工事とは言ってもあくまで耐震工事じゃからな」
少女「補強とかで済むってことですか?」
校長「いや、その逆じゃな」
少女「え?」
校長「いかんせん、建物自体が古い上に、全て木造じゃろ?耐震工事とは言っても、ほぼ全面改装のような事をしなければならん」
少女「全面改装ですか・・・大変ですね」
校長「そうなると、この中庭もどうなっていたか分からんの」
少女「え!?」
校長「じゃから、業者に頼むのは嫌じゃったんじゃが・・・本職の大工は金がかかっての」
校長「手をぬいてもらっても困るし、かといって予算も限られる、難しい所じゃった」
校長「そんな所へ、用務員の奴が知り合いに大工がいると言ってきての」
校長「彼ならわしの望んでいる通りにやってくれると言うんで、お願いしたんじゃ」
少女「なるほど・・・」
校長「幸い金額も負けてくれたしの、流石は江戸っ子じゃな、粋なもんじゃ」
少女「あ、やっぱりそっちの人だったんですね・・・」
校長「うむ、用務は下町出身じゃからな、子供時代からの知り合いと言うし」
少女「へぇ、用務さんも・・・」

用務『んじゃ、俺はちょっくら仕事してくらぁ』キュピーン

少女「・・・確かに、言われてみればそうかもしれない」
校長「ふぅむ・・・問題なさそうじゃの、これなら期限より前に終わるかもしれん」
少女「本当ですか?」
校長「まだわからんがの、あの大工さんは仕事が速そうじゃ」
少女「何で分かるんですか?」
校長「なんとなくじゃ」
少女「・・・なんとなく、ですか」
校長「うむ」
少女(前から思ってたけど・・・校長先生って直感的だなぁ)
校長「ん?何かね?」
少女「あ、や、何でも無いです!」

307 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 23:37:44 ID:+0wdtxNb
校長「さて、それじゃあわしはウサギに餌をやって帰るとするかな」
少女「あ、はい、わかりました」
校長「じゃあ、少女ちゃんも手入れ頑張っての」テクテクテク
少女「はいっ!」

2時間後

少女「・・・ふぅ、大体終わったかな」
少女「これで少しの間は様子を見に来なくても大丈夫なはず」
男B「・・・あれ?そこにいるのは少女ちゃん?」
少女「あ、男B君、こんにちわ」
男B「今日も庭の手入れ?偉いね〜」
少女「あはは、もう習慣だから・・・男B君は部活かな?」
男B「おう!大会近いからな、気合いはいるぜ!」
少女「そっか、頑張ってね!」
男B「おうよ!・・・ところで、少女ちゃん」
少女「え?」
男B「さっきから、その、さ・・・」
少女「う、うん?」
男B「スカートに・・・その・・・」
少女「え?・・・あ、ミミズだ」

ヒョイ

ポイッ

〜 ウネウネ

男B「・・・」ポカーン
少女「ありがとう、教えてくれて」
男B「・・・いや、それは別にいいんだけどよ」
少女「どうしても土を弄ってると、いつの間にかついちゃうんだよね」
男B「・・・嫌じゃないのか?」
少女「え?うん、別に・・・?」
男B「そ、そうか・・・」
男B(やっぱ普通の女の子とはどこかずれてるよな・・・)

308 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/07(水) 23:50:46 ID:+0wdtxNb
男B「え、えっと・・・あ、そうそう、海にいくって話は聞いたかな?」
少女「あ、うん、少年君から」
男B「そうか、実はな、うちの親戚がやってる旅館に一泊していこうって話が出てるんだが、どうだろう?」
少女「お泊まりってこと?」
男B「ああ、後でメールしようとも思ったんだがな、聞いてないのは少女ちゃんだけなんだ」
少女「そうなんだ、お泊まり、かぁ・・・」
男B「もちろん保護者も同伴するから、問題は無いぜ」
少女「保護者?」
男B「ああ、うちの両親だけど、どうかな・・・?」
少女「多分、大丈夫だと思う、けど・・・」
男B「・・・多分?」
少女「うん、うちの親に聞いてみないと、何とも・・・」
男B「あぁ、そっかぁ・・・じゃあ、やっぱり後でメールしてくれればいいや」
少女「あ、待って!」
男B「ん?」
少女「メールはちょっと・・・///」
男B「へ?なんで?」
少女「まだ全然慣れてなくて、操作方法が分からないんだ・・・」
男B「そうなのか・・・あ、もしかしてとは思うけど」
少女「う、うん」
男B「俺の送ったメール、見たよな?」
少女「うん」
男B「返信が来なかったのは、やり方が分からなかったから、か?」
少女「・・・うん///」
男B「ま、まじでぇ!?」
少女「ごめんなさいっ!本当にこういうのには弱くって・・・」
男B「むむむ、それはいかん、いかんなぁ・・・よしっ!」
少女「?」
男B「今から少女ちゃんに携帯電話の使い方を教えてやろう!」
少女「ほ、ほんとにっ!?」
男B「てか、そうしなきゃ一生連絡できなそうだから」
少女「う・・・はい・・・」

309 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 00:04:15 ID:9KIBMimi
男B「ここをこうすると」
少女「お、おぉっ!すごい!」
男B「ここを押すと」
少女「うわぁ!」
男B「このボタンで・・・」
少女「ほぇ〜!」

30分後

男B「よし、これだけ出来ればメールと電話もできるだろ」
少女「な、なんだか一瞬にして魔法の道具のように思えてきたっ!」
男B「そんなオーバーな・・・」
少女「ありがとうっ!」ニコッ
男B「い、いやぁ、へへっ///」
少女「えと、じゃあお母さん達に聞いてから、メールするね」
男B「おう、待ってるぜ!」
少女「よ、よ〜し、頑張るぞ・・・」
少女「えっと、メール→新規作成→アドレス→本文・・・」ブツブツ
男B「・・・」

男B(なるほどなぁ・・・確かにこりゃ可愛いわ)
男B(もちろん容姿もそうだけど、なによりもこの無邪気さに惹かれると言うか・・・)
男B(今まで騒がしい奴ばっかりと付き合ってたから、何だか新鮮だ)
男B(あいつの言ってた刺激ってのは、こういうことか)
男B(・・・こりゃ面白くなってきそうだ)

少女「・・・あの、男B君?」
男B「んぁっ!お、おう?」
少女「そんなに見られると、ちょっと・・・///」
男B「お、おう、わりぃわりぃwww」

310 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 00:20:11 ID:9KIBMimi
男B「そういえば、今日は友人も部活じゃなかったか?」
少女「うん、実はこれから一緒に喫茶店に行く約束してたんだ」
男B「ほほぅ、そいつはいいな」
少女「男B君も来る?」
男B「・・・え?いいの?」
少女「うん、大丈夫だと思うよ」
男B「まじ!?よっしゃあ!!!カワイイ女の子二人と喫茶店とか、俺勝ち組過ぎじゃねwwww」
少女「・・・あ、もうそろそろ時間だし、行こっか」
男B「うはwwwwおkwwww女の子とwwwwお茶とかwwww」
少女「校門で待ち合わせなんだ、多分そろそろだと思うから」
男B「俺自重wwwwでもwwww止められないwwwwテンションがwwwwにゃーんwwww」

テニスコート

友人「却下」
男B「なんでだよぉぉぉぉぉ!!」
友人「さ、少女行きましょうか」
男B「そして華麗にスルー!?」
少女「ゆ、友人ちゃん、一緒に行こうよ」
友人「あんたまで何言ってんの!こいつがいたらどうなるか分かってないわね!!」
少女「どうもならないと思うけど・・・」
友人「いい!?こいつがいるとね!会話には集中できないし、話は脱線するし、やたら絡んでくるし・・・!」
男B「いやいや、大人しくしてます!」
友人「・・・ほんとに?」
男B「ええ、そりゃもう置物のように!!」
友人「置物のように?」
男B「借りてきた猫のように!!」
友人「猫のように?」
男B「考え事をしている少年のように!」
友人「・・・それは静かだ、よし、いいだろう」
男B「やったー!!」
少女(少年君・・・言われてるよ・・・)
男B「ありがとうございます、女神様ぁぁぁ」ズルズル
友人「え、ええいっ、ひっつくな、暑苦しい!!」

少女(・・・あれ?)

311 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 00:25:26 ID:0hwQiqyk
男Bwww

312 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 00:36:21 ID:9KIBMimi
喫茶店

男B「へぇ、こんなところに喫茶店があったんだなぁ」
友人「ここの高校に入学してすぐの頃に、少女が発見したのよ」
少女「コーヒーだけじゃなくて、紅茶とかも出してるんだ」
男B「へぇ!中々無いよな、紅茶を取り扱ってる所って」
店長「いらっしゃい、二人とも」
少女「こんにちは、店長さん」
友人「ういーっす」
男B「おぉ!美人さん!!」
店長「あれ?今日は男の子も一緒だね」
友人「一緒と言うか、ついてきたと言うか」
男B「ども!男Bです!宜しくっす!!」
店長「ふふ、明るい子だ、よろしくね」
友人「えっと、注文いいですか?」
店長「はいはい、どうぞ」
友人「ダージリンでお願いします」
少女「私はアッサムで、ミルクティにしてください」
男B「んー、俺は・・・どうしよう?紅茶とか全然わかんね」
店長「味はどんなのが好みかな?渋いの?甘いの?」
男B「どっちかっていうと、甘い方が好きっす」
店長「じゃあ少女ちゃんと同じアッサムでどうかな」
男B「お、店長オススメって奴ですね!じゃあそれでお願いしまっす!」
店長「かしこまりましたっ!ちょっと待っててね」テクテクテク
男B「はーいっ!・・・いやぁ、綺麗な人だなぁ」
友人「本当に節操がないねあんたは」
男B「何を言う!ちゃんと人は選んでるさっ!」
友人「尚悪いわっ!」
少女「・・・」
友人「ん?・・・どしたの少女?」
少女「・・・べっつにー?」
友人「ちょっと、なにさwww」
少女「なんでもないよー?」
友人「怪しすぎる!!吐けっ!!」ギュウウウ
少女「うゅぅぅぅぅぅぅぅ!!」パタパタ
男B「・・・お前も十分節操ねぇじゃねぇか」

313 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 00:40:57 ID:9KIBMimi
ちょっと離席します
再開予定は1:20位〜

314 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 01:27:36 ID:9KIBMimi
遅くなったスマン


男B「ここにはよく来るのか?」
少女「最近はそうでもないけど、1年の頃はよく来てたよね」
友人「そうね、私の部活も今ほどじゃなかったし、少女も中庭弄ってなかったし」
男B「へぇ、そうなのか・・・そういえば、お前達の話って中々聞く機会無かったな」
友人「まぁ言う事でもないしね」
男B「でもやっぱり気になるね、だって二人ともキャラ違うわけだし」
少女「キャラ?」
男B「ああ、どっちかっていうと友人は俺らと同類だろ?」
友人「くっ、反論したいけど出来ない自分が悔しいっ!!」
男B「少女ちゃんは、なんていうかそう言う事苦手に見えるし」
少女「うーん・・・そうでもないんだけど、自分から何かを発信するのは苦手かも」
男B「そんな二人が、どうして今までいい付き合いを出来ているのかと言う所だっ!」
友人「そんなミステリー調に言われてもね」
少女「なんとなく、だよね?」
男B「いやほらさ、例えば、喧嘩した事とか、すれ違った事とかなかったのか、って話だよ」
友人「あるよ、いっぱいある」
少女「喧嘩は結構してる方じゃないかな?」
男B「ありゃ、意外だ」
友人「あんた、結局どっちなのさ」
男B「いやさ、俺はてっきりずっと円満に関係が続いていたのかと・・・」
少女「うーん・・・そうでもないかも」
友人「衝突はよくあるわよ、なにしろ、初めての出会いからしてそうだったし」
男B「じゃあ、今までで一番衝突した事って何だ?」
少女「今までで一番・・・あれかな?」
友人「うーん、そうだね、あれだね」

315 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 01:43:12 ID:9KIBMimi
1年前

友人「は?教室に花を?」
少女「うん、素敵だと思わない?」
友人「いや、そりゃ素敵と言えば素敵だけどさ・・・全部の教室にでしょ?」
少女「うん」
友人「大変じゃない?」
少女「そうでもないよ、日ごとにずらせば」
友人「そうじゃなくて、あんた今中庭も手入れとかしてるじゃない」
少女「え?うん」
友人「それに加えてグラウンドの花壇もやってるし・・・それだけでも重労働でしょ」
少女「そんなことないよ」
友人「嘘つきなさい、私は分かってるんだからね」グイッ
少女「え?って、ちょ、友人ちゃん?」
友人「・・・ほら、こんなに手が荒れて」
少女「あ、ああ、仕方ないよ、土を弄ってるんだし」
友人「それにしても限度ってもんがあるわ、血が出るまで花の手入れって、どこの漫画よ」
少女「ま、漫画ほどではないと思うけど・・・」
友人「そんなことないわよ、言い方悪くなるけど、充分異常よ」
少女「そう、かなぁ・・・」
友人「私は反対だね、花を飾るのは」
少女「・・・」
友人「言っとくけど、あんたの為を思っていってるんだからね」
少女「・・・うん、わかった、もう一度考えてみる」
友人「うむ、それがよろしいっ!」
少女「クスッ・・・それ、社会先生の真似?」
友人「あ、わかった?似てるでしょ、『少女ちゃ〜ん!』ってねwwww」
少女「も、もう、やめてよ///」

316 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 01:56:25 ID:9KIBMimi
やっと乗って来た!良かった〜!
この調子で今日は深夜まで行きます、眠い方は寝てくださいね
つっても、リアルタイムで追ってくれてる人はあんまりいないと思うけど・・・

317 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 01:57:11 ID:9KIBMimi
1週間後

友人「・・・なにしてんのあんた」
少女「あ、友人ちゃん、おはよう」
友人「おはよう、じゃなくて」
少女「見てこれ、綺麗でしょ?」
友人「いや、綺麗だけどさ・・・」
少女「あれからね、考えたんだ、色々」
友人「・・・やるか、やらないか?」
少女「うん・・・それで、やっぱり・・・」
友人「やることにしたんだ・・・?」
少女「うん・・・ごめんね?」
友人「・・・はぁ、まぁいいけどさ・・・本当無理はしないでよ」
少女「分かってるって、大丈夫だよ」
友人「なら、いいんだけど・・・」

昼休み

友人「しょーうじょっ!お昼食べましょ!」
少女「あ、ごめん、中庭の手入れしないと」
友人「へ?だって朝やったんじゃないの?」
少女「朝は教室への飾り付けで終わっちゃったから・・・」
友人「そ、そっか、分かった」
少女「ほんとごめんね?明日は一緒に食べよっ!」
友人「そうね!約束!」
少女「うん!約束っ!」

318 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 02:06:29 ID:UqMsPGgf
>>316
ここにいますよ〜

319 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 02:12:34 ID:9KIBMimi
>>318
ありがてぇ・・・でも眠くなったら寝てくれな?
今日5時近くまでやろうと思ってるからwww


翌日 昼休み

友人「よし!食べよう!」
少女「あ、あの、友人ちゃん・・・」
友人「ん?」
少女「実は今日、まだグラウンドの花壇の手入れやってなくて・・・」
友人「あら、そうなの?」
少女「うん、だから、その・・・」
友人「・・・ふぅ、仕方ないね、私も手伝うわ」
少女「え、でも」
友人「いいからいいから!行きましょ!」
少女「あ、う、うん、ごめんね?」

翌日 昼休み

友人「さぁ食べよう!今食べよう!すぐ食べよう!」
少女「・・・え、えっと・・・」
友人「・・・まさか、今日も何かあるの?」
少女「う、うん、ウサギに餌を上げないと・・・」
友人「ウサギ?・・・ウサギって、どこのウサギよ?」
少女「実は校長先生がウサギを飼ってて、そのウサギの世話を引き受けたんだ」
友人「あ、あんたっ・・・またそんな事引き受けてぇ・・・」ガクッ
少女「ごめんね・・・あと、放課後も無理そうかも」
友人「・・・中庭?」
少女「・・・うん」
友人「・・・」
少女「・・・あ、あの・・・」
友人「・・・分かった、仕方ないわよ、うん」
少女「ご、ごめんね?」
友人「ううん、本当だったら手伝いたいんだけど、今テニス部のレギュラー決めで忙しくてね」
少女「ほんとにっ!?凄いっ!頑張ってね!!」
友人「・・・うん、ありがと」

320 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 02:25:11 ID:9KIBMimi
喫茶店

友人「・・・はぁ」
店長「どうしたの?」
友人「あ、店長さん・・・いや、なんでもないっす」
店長「何か悩み事?」
友人「ん、まぁ、悩みと言えば、悩みですけど・・・」
店長「私で良かったら、聞くけど?」
友人「・・・愚痴っちゃいますよ?」
店長「どんとこいっ!」
友人「・・・実は、」


店長「・・・そっか、それで最近一人なんだ」
友人「いい事だとは思うんですけどね、皆の為に何かをやる、ってのは」
店長「うん、素晴らしい心がけだよね」
友人「でも、そのせいで自分が苦しんでたら、意味ないと思うんですよ」
店長「・・・そうだね、そうかもしれない」
友人「あの子、受け身に見えて人一倍責任感感じる所あるから・・・」
店長「求められると、どこまでも行っちゃう?」
友人「そう!それです!多分、校長先生にそそのかされて、中庭を弄りだしたぐらいの頃から・・・」
店長「でも、気持ちは分かるよね、やっぱり誰かに必要とされると嬉しいもん」
友人「今でも十分ですよ、あの子はどれだけ自分のやっていることが大きな事か、分かってないです」
店長「そう?」
友人「うちの学校は、それまで環境美化とか飼育委員とか無かったんです、何でか知りませんけど」
友人「多分、用務員の人がやってるから必要ないと判断されたんでしょうね」
友人「でも、実際には本当におざなり程度にしか手入れされてなくて、ひどいもんだったんです」
友人「それを、あの子が弄り始めてからは、急に活気が出て、皆も注目するようになって・・・」
友人「外の高校が練習試合とかでうちに来ると、まず誉められるんですよ、『綺麗な花壇ですね』って」
友人「あの子のしてる事は、やってる事以上に効果があるんです、それを分かってない」
友人「なのに、それに加えて全部の教室にも花を飾って、ウサギの世話もしてって・・・」
友人「もうどこまで自分をいじめれば気が済むのか、あきれちゃいますよ!」
店長「そっか・・・友人ちゃんは、友達思いなんだね」
友人「友達思い、ではないですよ・・・」
店長「そうかな?」
友人「結局はそのせいで一緒にいる時間が減って、私がつまらないから文句言ってるだけです」
店長「・・・そっか」
友人「だから、なんとかしてあの子を止めたいんですけど・・・うがぁー!いい方法が見つからないっ!」
店長「・・・」

店長(お互いがお互いを思うあまり、すれ違ってる、のかな)
店長(美しい話ではあるけど・・・何も、起こらないと良いな)

321 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 02:40:10 ID:9KIBMimi
翌日

友人「おっはよー!しょう・・・ってあれ?」
女A「おはよう友人」
友人「んあ、おはようさん、少女は?」
女A「え?少女さん?今朝はまだ見てないけど」
友人「あっれー?おかしいな、もういる時間のはずだけど・・・」
友人「・・・まさか」

グラウンドの花壇

友人「・・・いた」
少女「おいっ・・・しょ、っと」
友人「少女〜」
少女「え?あ、友人ちゃん、おはよう」
友人「あい、おはようさん、何やってるの?」
少女「うん、新しく花壇を増やそうと思って」
友人「・・・へ?」
少女「ほら、ここのスペース、何も無くて寂しいでしょ、だから」
友人「ちょちょちょ、ちょっと待って、学校の許可は?」
少女「もちろんっ、貰ってるよ」
友人「え、貰ってんだ、あらそう・・・」
少女「ここには皆が知っているような花・・・そうだなぁ、明るい色のがいいね」
友人「・・・だ、大丈夫なの?」
少女「え?」
友人「そんなに仕事増やしちゃって、つらくない?」
少女「仕事だなんて・・・好きでやってるだけだから、大丈夫だよ」
友人「でもっ、物には限度って物が・・・」
少女「もぅ、友人ちゃんは心配性だなぁ、大丈夫だって」
友人「・・・心配するわよ」
少女「へ?」
友人「そりゃ心配するわよっ!そんな自分の体はって、心配しないわけないじゃないっ!!!」
少女「ゆ、友人ちゃん?」

322 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 02:51:43 ID:9KIBMimi
球A「おい、なんだなんだ?」
球B「さぁ?」

少女「あ、あの・・・」
友人「なんでなんで!?なんでそこまでするのっ!?」
少女「と、とりあえず、落ち着いて・・・」
友人「おかしいのよっ!そこまでして何になるの?誰が喜ぶのっ!?」
少女「そ、れは・・・」
友人「考え過ぎなのよ!自惚れてんのよっ!誰もそこまで見てないわよっ!!」
少女「っ・・・」
友人「あんたはそれで満足かもしれないけど、振り回されるこっちの身にもなりなさいっ!!」
少女「・・・」
友人「はぁっ・・・はぁっ・・・」
少女「・・・」
友人「はぁ・・・は・・・」
少女「・・・それが、本音なの?」
友人「・・・何がよっ」
少女「振り回されてるって、思ってたの?」
友人「・・・!」
少女「私、友人ちゃんに、知らない間に、迷惑、かけてたかな?」
友人「・・・」
少女「そんなに、私のしてる事、間違ってるかな?」
友人「・・・」
少女「確かに、私の自己満足かもしれないけど、それでも、いいよ」
友人「・・・」
少女「誰に見てもらえなくても、それでもいい」
少女「ただ・・・私は、この学校が好きだから、やってるだけだよ」
友人「・・・」
少女「それって・・・いけないことかな?」
友人「・・・」
少女「もし、友人ちゃんが振り回されてる、迷惑してるって思うんだったら・・・」
友人「・・・だったら?」

少女「・・・もう、私に構わなくていいよ」

友人「   !   」



パシンッ!!




323 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 03:09:09 ID:9KIBMimi
球A「う、うひゃぁ〜・・・」
球B「強烈だ・・・」
球C「おい、これ先生呼ばなくていいのか?」
球A「ど、どうするよ・・・」

少女「っ」
友人「どうして、そんな事言うの・・・」
少女「・・・」
友人「・・・分かった、もう知らない、勝手にしな」
少女「・・・うん、ごめんね?」
友人「・・・ばかっ」タッタッタッ

少女「・・・ごめんね」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


友人「と、いうことがあってね」
少女「うん、あの時はそれから、一ヶ月?ぐらい口をきいてなかったなぁ」
男B「う、うひゃぁ・・・壮絶だな」
店長「あの時は凄かったねぇ、二人とも急にお店に来なくなって」
友人「ははっ、そんときはご迷惑おかけしましたwww」
男B「で、どうやってそっから仲直りしたんだよ?」
少女「仲直りは・・・どうやったんだっけ?」
友人「さぁ?もう忘れちゃった、いつの間にか仲直りしてたしね」
店長「ま、重要なのは今の二人が仲良しさんってことでしょ?」
友人「そりゃそうですっ!少女大好きっ!!」ギュウウウ
少女「わ、私もだけどっ・・・!ちょっと力がっ・・・!つよっ・・・!うゅぅぅぅぅぅぅぅ!!」パタパタ
店長「ははは、ほらねwww」
男B「仲良しと言うより、カップルみたいだなwww」
友人「なっ!失礼なっ!私にそっちの気は無いっ!!」
男B「いや、抱きかかえた状態で言われてもな・・・」

友人(・・・本当は、続きがあるんだけどね)

324 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 03:22:23 ID:9KIBMimi
友人(あの後、一ヶ月間私と少女は離れてた)
友人(その間、私はテニス部のレギュラーになって、少女は相変わらず、沢山の事をしてた)
友人(横目でその姿を見る事は合っても、お互い忙しくて話す時間なんて無かった)
友人(でも、ある日なんとなく旧校舎に行こうと、私は思いたつ)
友人(少女の中庭を見たことは無かったし、なんだかんだで気にはなっていたから)
友人(そこで・・・私は驚いたんだ)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

友人「・・・これは、たまげたなぁ」

友人(中庭って言うから、せいぜい花壇が少しある程度だと思ってたけど・・・)
友人(これじゃまるで花畑じゃん、どんだけよ本当に・・・)

少女「・・・友人、ちゃん?」

友人「!」
少女「・・・」
友人「・・・」
少女「・・・ひ、久しぶり、だね?」
友人「・・・そうね」
少女「元気、だった?」
友人「・・・あんたは、元気なさそうだけど」
少女「・・・」
友人「・・・」
少女「・・・え、えっと、ここに来るのは、初めてだよね?」
友人「・・・ええ」
少女「・・・どう、かな?」
友人「・・・」
少女「・・・」
友人「・・・」
少女「・・・うぅ」グスッ
友人「ちょ、何で泣くのよっ」
少女「だ、だって・・・」グスッ
友人「・・・」
少女「うっ・・・ひっく・・・」
友人「・・・あーもう!仕方ないわね、ほら、これで拭きなさい」
少女「あ、ありがとう・・・」グスッ

325 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 03:32:59 ID:9KIBMimi
10分後

友人「・・・落ち着いた?」
少女「う、うん・・・」
友人「はぁ・・・」ポリポリ
少女「ご、ごめんね」
友人「謝らなくていいわよ」
少女「う・・・」
友人「・・・」
少女「・・・あ、あの」
友人「悪かった!・・・わ」
少女「・・・え?」
友人「だから、その・・・悪かったわよ、あたしが」
少女「・・・」
友人「ここ一ヶ月間、ずっと離れてたけど、それで分かった事がある」
少女「・・・えと、なに、が?」
友人「あんたのやってる事・・・無駄じゃないわよ」
少女「!」
友人「みんな気づいてる、少しだけど、この学校に花が増えた事」
友人「テニス部の先輩だって言ってたわ、『他校の受けがいい、学校全体が明るく見える』って」
友人「気づいてない人もいるし、あんたが手入れしてるなんて、ほとんど知られてない」
友人「・・・それでも、それでも確かに、変わっては、いる」
少女「・・・」
友人「だから、無駄じゃなかった、見てる人はいた、それは、訂正しておくわ」
少女「・・・ゆ、ゆうじ」
友人「でもっ!言わせてもらうけどっ!あんたが無理をしてるのはまだ納得できてないから!!」
少女「う・・・」
友人「大丈夫って言ってたけど、ばればれなのよ、そんなの」
少女「・・・」
友人「だからっ・・・だから、誰かが支えてあげないと、駄目だよね」
少女「ゆ、友人ちゃん・・・!」
友人「もー!!でも無理はしたら絶対駄目だからね!!」
少女「うん・・・うんっ!」
友人「私が休めって言ったら休む事っ!いいっ!?」
少女「うんっ、うん・・・」グスッ
友人「また泣くっ!」
少女「うんっ・・・ごめん、ねっ・・・」グスッ
友人「ほら、ハンカチ!」
少女「うん・・・」グスッ
友人「ティッシュ!」
少女「うん・・・ズビーッ」
友人「私はあんたの母親かっ!」
少女「うん・・・」グスッ
友人「こ、肯定するなっ!」
少女「う、うん・・・」
友人「・・・ぶふっwww」
少女「・・・くすっ」
友人「はははっwww」
少女「ふふっwww」
友人「はははっ!・・・はぁ〜・・・ごめんね?」
少女「・・・ううん、こちらこそ、ごめんなさい」
友人「うん・・・よっしゃ!仲直りっ!」
少女「うんっ!」

326 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 03:43:23 ID:9KIBMimi
友人(あれ以来、少女は無理をしなくなった)
友人(用務員さんにも手伝ってもらって、今はあの頃よりも随分楽になってる)
友人(それでも、大変なのには変わりないんだけど・・・)
友人(まぁ、一度やるって決めたら聞かない子だからなぁ)
友人(今は少年君もいるし、大丈夫でしょう)
友人(そう言う意味でも、彼には期待してるし、ね)

少女「友人ちゃ〜ん!そ、そろそろっ!離してほしいっ!かもっ!」パタパタ
友人「へ?あ、ごめんごめんwww」パッ
男B「まぁ、今はこんだけ仲いいんだから、そんな心配は無いな!」
友人「分かんないわよ〜、今度は急に少女が切れるかもしれない!」
少女「そ、そんなことないよっ!」
友人「私はこの子が本気で怒った所、一度も見た事無いからね〜」
男B「へぇ、そうなのか?」
友人「さぞや恐ろしいんでしょうねぇ・・・」
男B「あぁ・・・きっとそうだ」
店長「普段怒らない人は怖い、って言うしねぇ〜・・・」
少女「て、店長まで・・・もうっ!///」
友人「はははwwww」

友人(・・・あれ?でもおかしいな)
友人(何でこの子、その時の事覚えてないんだろ)
友人(はぐらかしただけかもしれないけど、でもさっきのは・・・)
友人(まさか、本当に忘れてる?)
友人(う〜ん・・・そんな事無いと思うんだけどなぁ)

友人「・・・ねぇ少女、話は変わるんだけど」
少女「へ?何かな?」
友人「私が初めて中庭に行ったのって、いつだっけ?」
少女「友人ちゃんが?う〜ん・・・」
友人「・・・」
少女「・・・えっと」
友人「ええ」


少女「いつだっけ?」




327 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 03:55:08 ID:9KIBMimi
友人「・・・覚えてない?」
少女「う〜ん・・・思い出せないなぁ」
友人「そ、そっか・・・」
少女「友人ちゃんは覚えてる?」
友人「覚えてないから聞いたんじゃないwww」
少女「だ、だよね〜www」

友人(・・・そんなわけないでしょ)
友人(おかしい、これはおかしいね)
友人(あれ以来、そんな話題が無かったのならまだ分かる)
友人(でも一ヶ月前に、一度話した事があるじゃない)
友人(その時は確かに、「喧嘩した時だ」って、この子言ってたわ)
友人(・・・どういうこと?)
友人(そんな一ヶ月で忘れるような事?)
友人(・・・もしそうだとしたら、少し悲しいけど)
友人(・・・なにか、違う気がする)

男B「・・・って、もうこんな時間じゃねぇか!」
店長「あら、ほんとだ、私も油売ってる場合じゃないわ」
友人「あまり長居してもあれだし、そろそろ帰りますか!」
少女「そうだね、店長さん、ごちそうさまでした」
店長「あ、今日はお代はいいわ」
少女「え!?で、でも」
店長「久しぶりに楽しかったし、男B君にもここを知ってもらったって事で、十分よ!」
男B「いやぁ、流石店長!太っ腹!」
友人「ばかっ!失礼でしょ!」バコーン
男B「ったぁぁぁぁ!?い、今本気だったよな!?」
友人「すいません店長、ありがとうございます〜」
店長「いえいえこちらこそ〜」
男B「聞けよっ!」
少女「クスッ・・・」
男B「が、がーん!!少女ちゃんまで!!」
少女「あ、ごめんなさい」
男B「いいよいいよ、そう言うキャラなんだよ俺は・・・」
友人「そうよ、諦めなさい」
男B「主にあんたのせいですけどねっ!!」

328 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 04:11:16 ID:9KIBMimi
少女「じゃあ、お母さんに聞いて、今日メールするね」
男B「おう、宜しく頼むぜ!」
友人「ありゃ?何の話?」
男B「海の事だよ、泊まりで行っていいか許可を貰わんと、ってことさ」
友人「あぁ〜、なるほど」
少女「大丈夫だとは思うんだけど・・・」
友人「もし駄目だったらあたしに言いなさいね、総力をあげて説得してみせるわっ!!」
少女「う、うん、ありがとう」
男B「少し怖いけどな」
友人「あ?なんか言った?」
男B「な、何でも無いっす」
友人「それじゃあ、行きますか」
男B「ああ、少女ちゃん、またな」
少女「うん、ばいばい!」ヒラヒラ
友人「ばいば〜い」ブンブン
男B「ば〜〜いば〜い!!」ブンブンブンブン
友人「うるさいっ!」ペシッ
男B「ってぇー!?り、理不尽だろそれは!?」
少女「クスッ・・・」
男B「また笑われたー!!」
少女「あ、ごめんなさい」
友人「少女も最近黒くなってきたわね・・・」
男B「絶対あんたの影響だと思うけどな」
友人「ほぉ〜、そんなこというか、ん?」
男B「い、いやぁ、ははっ・・・逃げ一択っ!!」ダダッ!!
友人「あ、こら、まてやこの野郎!!」
少女「クスッ・・・あ、また笑っちゃった」
少女「面白いなぁ、あの二人」
少女「私もあれ位明るくなれたらいいんだけど・・・」
少女「・・・いや、やっぱりいいや」
少女「私も帰ろっと」トテトテトテ

329 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 04:15:56 ID:9KIBMimi
その日の夜

友人(・・・思えば、前から不思議だった)
友人(少女があれほど頑張っているのに・・・何故ほとんどの人が気づかないのか)
友人(何故少女があそこまで頑張るのか)
友人(何故花壇があるにもかかわらず、環境美化委員がないのか)
友人(いや、それ以上に不思議な事が・・・)
友人(・・・私と少女は、こんなに仲が良かったのか、ってところだ)
友人(ぶっちゃけて言えば、少し前まではそれほど親密ではなかったはず)
友人(いや、確かに小学校の頃からずっと一緒で、いつも側にいたんだけど・・・)
友人(そう、なぜか、あの子とはそこまで関わっていないような、気がしてた)
友人(思い出せばそんな事は無い、ちゃんと親友と呼べる付き合いをしているのに・・・)
友人(ここ最近、急にその意識が強くなったような気がする)
友人(・・・そういえば、よみうりランドの帰りにも、変な事言ってたね)
友人(フェレットがどうのこうのって・・・あれは一体なんだったのか)
友人(あんな意味不明な冗談を言うような子ではない、はず)
友人(ってことは、本当にあの子はそう思っていたと言う事?)
友人(でも、私たちにはそんな記憶は無いし・・・)
友人(他にも上げればキリが無い、この奇妙な違和感)
友人(なんだかまるで・・・そう、まるで・・・)

友人「誰かに、操られているような*』|〜`・・・」

¥^ー@:ーー〜*〜?』?|`

友人「っ!?」

友人(な、なにこれっ¥^¥」)
友人(あたまがっ、//「わ/:「@れ「@「//「)

友人「しょ^@」う//「@¥@『?`|`じょ『?``」?『`」

*`|〜`』?/」@

/」「@

/」:
/;



330 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 04:23:17 ID:9KIBMimi
少女「・・・?」
少女(いま、誰かに呼ばれたような・・・)

母親「いいでしょう、許可するわ」
少女「え、あ・・・え?」
母親「海、泊まってきてもいいわよ」
少女「あ、本当にっ!?ありがとうっ!」
母親「ええ、保護者もいるみたいだし、何も文句は無いわ」
少女「分かった、じゃあそう伝えておくねっ!」
母親「ええ、楽しんできなさいな!」
少女「うんっ!」


デーデケデケデケデーデケ

ピッ

男B「お、少女ちゃんからだ、どうなったかな?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:少女ちゃん
Sub:大丈夫です
本文:行けます!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
男B「おお、メールできてるじゃん!」
男B「・・・まぁ、これを打ち終わるのにどれだけ時間がかかったかは分からないけどね」
男B「よし、そうなったら早速男Aにメールだ!」
男B「美女3人と海・・・ぐふふふふ、今年の夏は盛り上がるぜっ!!」

331 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 04:26:20 ID:9KIBMimi
ここまでです、結局gdgdしてしまったorz
オナニーssっぽさ爆発だったなぁ今回、まだまだ精進せねば・・・
次回投下は土曜を予定してます、ぽろりもあるよ

332 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/08(木) 10:41:20 ID:0hwQiqyk
投下乙
俺もこんな友達が欲しかったぜ
そして友人がヤバげな状況だが、俺はひとまずポロリに期待する!

333 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/09(金) 01:26:09 ID:SSYcGMjw
実は男Bって俺なんd¥^ー@:ーー〜*〜?』?|`

うひゃー、友人も気づき始めるとか
こういう展開好きだ、まさに俺得
乙でしたー、海編期待!
時期外れだなとか思ってないよ!ホントだよ!

334 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 17:52:28 ID:G6HGbpZZ
1です
今日の投下はちょっと時間が読めないです、申し訳ない
一応10〜11時辺りを予定してます

335 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 22:20:40 ID:SDWUsOzU
3日後

少女「・・・」ポーッ

少女(中庭も弄ってきたし、家の庭の手入れもしたし、やることがない・・・)
少女(宿題も今日の分はやったしなぁ・・・次の日の分もやっちゃおうかな?)

ピロリン♪

少女「あれ、メールだ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:男A君
Sub:決定!
本文:ちわっす!一斉送信で失礼します。
  前々から話が出てた海水浴についてですが、男Bと話し合ってついに詳しい日程が決まりましたっ!!
  8月2、3日の二日間!場所は千葉県館山市岩井海水浴場&民宿とめきち!!
  友人組は知らないと思うけど、男Bの親戚のバッチャンが民宿をやってるので、そこに泊まります!!
  あと1週間程度しか準備期間が無いけど、いろいろ考えてるんで楽しみにしててくれな!!
  んで、一応参加面子を言っとくぜ
  男性陣:俺、男B、少年、男Bの父ちゃん
  女性陣:女A、友人、少女ちゃん、男Bの母ちゃん
  以上8名!!原則として保護者である男Bのご両親の言う事はちゃんと聞く事!!ま、建前上な!!
  こちらから用意しといてもらいたいのは水着と着替え程度なんで、ラフな格好で十分だぜ
  バスタオルとかもあっちにあるから心配ご無用!!まぁ適当に必要だと思った物を用意してくれ
  んじゃまぁそんな感じで、今から胸を躍らせといてくれ!よろしくっ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

少女「な、長い・・・そして何故か私だけちゃん付け・・・」
少女「でも、楽しそうだなぁ!海って初めてだし」
少女「・・・あ!そうだよ水着、持ってないや」
少女「一応学校指定の物があるけど・・・流石にそれはなぁ」

テュルルルル テュルルルル

少女「うわぅ、で、電話だ・・・」

336 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 22:36:17 ID:SDWUsOzU
あ、会社から帰ってきて家から投下してるからID違うけど、1です


??『うぃっす少女〜』
少女「その声は、友人ちゃんかな?」
友人『あれ、携帯の画面に表示されたでしょ?』
少女「え?よく見てなかったけど・・・」
友人『そっか知らないか、あんね、携帯電話は登録してある番号なら誰から来たか画面に表示されるから』
少女「へぇ〜!凄いね!」
友人『・・・あんたとこの話題で話していると、まるで10年前にタイムスリップしたような間隔になるわ』
少女「あ、あはは・・・」
友人『んで、電話したのはそうじゃなくて、メール見た?』
少女「えっと、男A君からのメール?」
友人『そ』
少女「うん、たった今見てたよ」
友人『なら丁度いい!あんたどうせ水着なんて学校指定の物しか持ってないでしょ』
少女「う、それもたった今考えていたよ・・・」
友人『ならいっそのこと皆で買いにいかない?』
少女「皆で?」
友人『もちろん女子三人組でだけど』
少女「そっか、そうしてくれるとありがたいなぁ・・・」
友人『私たちも新しい自分の水着欲しいし、そのままカラオケかどっか行って遊びましょう!』
少女「か、からおけかぁ〜・・・」
友人『大丈夫よ!あんた上手いんだから』
少女「そ、そんなことないよ///」
友人『まぁとにかく、善は急げってことで明日を予定してるんだけど、どかな?』
少女「うん、大丈・・・あ、学校のお花どうしよう」
友人『心配しないで、もう用務員さんに頼んであるから』
少女「て、手回しが早いね・・・」
友人『あとはあんたの都合次第だけど?』
少女「うん、それじゃあ甘えさせてもらおうかな」
友人『了解っ!10時に駅前集合でいいかな』
少女「うん、分かった」
友人『よしよし、んじゃあそういうことで〜』
少女「はーい」

ピッ

少女「水着かぁ・・・あまり露出の無いのがいいなぁ」
少女「・・・」
少女「何だか本当に、青春って感じだ」
少女「最初は戸惑ったけど・・・やっぱり神様に感謝だね」
神様「おやおや、嬉しいことを言ってくれますね〜」
少女「いえいえ・・・ってまたいつの間に!?」
神様「神出鬼没がモットーですから!」
少女「・・・嫌なモットーですね」

337 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 22:50:50 ID:SDWUsOzU
少女「とりあえず・・・お久しぶりです」
神様「おや、もう動じなくなりましたね」
少女「いや、十分驚いてますけど・・・」
神様「最初の頃は『ひゃぁ!?私びっくり☆』的な反応だったのに」
少女「そんな事言ってません!///」
神様「まぁまぁそれはさておき・・・今日は別に遊びにきたわけではないんですよ」
少女「・・・はぁ」
神様「なんだかうっすいリアクションですね〜」
少女「いや、いつも遊びにきてたんだと思って」
神様「ぎく」
少女「それは別にいいんですけど・・・お話があるってことですか?」
神様「ええまぁ端的に言うと」
少女「・・・」
神様「・・・どうしました?」
少女「あ、いえ・・・」
神様「恐ろしいですか?」
少女「え?」
神様「まぁ無理もありません、この世界で明らかにぶっ飛んでるのは、私だけですからね」
少女「自覚あったんですか」
神様「気にしてませんけど」
少女「た、たちが悪いですね・・・」
神様「そんな得体の知れない奴が現れてから、身の回りの環境が一変しようもんなら、普通は気味悪がりますよ」
少女「私は、別に・・・」
神様「無理しなくてもいいですよ、私は分かってますから」
少女「・・・」
神様「あなたには悪いと思っていますよ、こんな無理なお仕事をさせてしまって」
少女「・・・お仕事、って?」
神様「それを今日、あなたにご説明に来ました」
少女「・・・」
神様「以前言いかけた事を、いまここでお話ししましょう」
少女「・・・言いかけた事?」
神様「私があなたに何をしたか、です」
少女「あ・・・」

『私がしたのは・・・いえ、まだ言う事じゃありませんね』

少女(あの時の・・・)

338 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 23:00:56 ID:E54M/wSG
dkdk

339 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 23:08:23 ID:SDWUsOzU
神様「その前に、一つだけ注意しておかなければなりません」
少女「はい?」
神様「この話を聞くと・・・もう後戻りは出来ませんよ?」
少女「・・・」
神様「この世界の秘密に触れる話です、もし他人に話そうとすれば・・・」
少女「す、すれば・・・?」ゴクッ
神様「きっと・・・『うわ、こいつ何言ってんの?ワロスwwww』的な目で見られるでしょう!!」
少女「・・・」
神様「ああ、恐ろしい・・・」
少女「そ、それだけですか?」
神様「え、はい」
少女「た、例えば、記憶が消えたり、死んじゃったり・・・」
神様「まさかwwww映画じゃないんだからwwww」
少女「・・・今凄く馬鹿にされた気がします」
神様「別に誰に話しても構いませんけどね、勇気があれば」
少女「そんなに、突拍子も無い話なんですか?」
神様「ええ、そりゃもう」
少女「・・・」
神様「それだけ言っときますよ、さて、それでは本題に・・・」
少女「あ、あの」
神様「はい?」
少女「その話、また今度にしてもらっても、いいですか?」
神様「・・・ほぉ、なぜですか?」
少女「・・・後戻りできないって、つまり今の生活が崩れるかもしれない、ってことですよね」
神様「これはこれは・・・考えてないようで、きちんと裏の意図を汲み取っていますね」
少女「やっぱり、そうなんですね?」
神様「はい、冗談抜きで、確実に今まで通りの楽しい生活はおくれないでしょう」
少女「・・・」
神様「まぁ気の持ちようですけどね、別に何かが急激に変わったりと言うわけではありません」
少女「・・・」
神様「ただ・・・この世界の仕組みを知ってしまうと、それだけ見えてくる物も違ってくる、というだけの話です」
少女「・・・」
神様「・・・どうします?」
少女「・・・やめておきます」
神様「そうですか・・・分かりました」
少女「すいません・・・」
神様「いえいえ、これは単なるおせっかいですから、お気になさらずに・・・でも」
少女「?」
神様「私がこうして説明にきたと言う事は、もうお話ししてもいい状況になったと言う事です」
少女「・・・」
神様「私の言っている事は支離滅裂でちんぷんかんぷんに聞こえる事でしょう、しかし、この世界は確実に変わってきている」
神様「それだけは・・・知っておいてください」
少女「・・・はい」

340 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 23:23:50 ID:SDWUsOzU
神様「それでは、私は特に用も無いので、これで失礼します」
少女「なんだか、追い返してしまったみたいで、すいません・・・」
神様「いえいえwww誰でも自分の居場所が奪われるのは避けたいものです」
少女「居場所・・・」
神様「さて、じゃあ私は、あなたがどんな水着を買うのか観察する作業に戻りますか」
少女「はい・・・ってえぇ!?」
神様「それでは、アデュー!!」パッ
少女「ちょっ!!・・・い、いつも最後に一言余計だなぁ///」

少女「・・・」

少女(いろいろ、引っかかる所はある)
少女(お仕事、とか、世界がどうのこうの、とか)
少女(知っておいた方が、いいのかもしれない、ううん、きっと知らなきゃいけないんだろうなぁ)
少女(でも・・・私は守りたかった)
少女(神様は『居場所』って言ってたけど・・・)
少女(そうじゃなくて、私が守りたかったのは・・・)

少女「・・・うぅぅぅぅ!!ネガティブはやめよう!うん!」ブンブン
少女「あの人が来ると何か調子が狂っちゃうんだよなぁ・・・」
少女「もっと楽しい事考えよう、うん」
少女「例えば・・・水着はどんなのがいいかとか!」
少女「・・・とはいっても、今まで買いにいった事無いからどんな物があるかさっぱりだぁ」
少女「え、えっと・・・カラオケ!」
少女「・・・は、出来れば遠慮したいね」
少女「うーん・・・少年君?」
少女「・・・って、なんでここで少年君が出てくるんだろ///」
少女「うぅ・・・駄目だぁ、余計変な気分になった気がする///」
少女「今日はもう寝ようかな・・・まだ夕方だけど」


神様「・・・ふぅむ、困りましたね」
神様「どうやら行動制限がまだ効いているようです」
神様「やはりこれがモブの限界なんでしょうか・・・」
神様「・・・ま、いっか☆」
神様「気楽に気長にじっくり待つとしましょう!」

341 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 23:38:57 ID:SDWUsOzU
翌日 駅前にて

友人「お〜い!」タッタッタッ
少女「あ、来たよ」
女A「ようやくか」
友人「はぁ・・はぁ・・・ごめんごめんwww」
女A「もう30分も過ぎてるわよ」
友人「違うんだ!これには深いわけがあるんだ!」
女A「・・・深いわけ?」
友人「そう、昨日の夜、明日は出かけるから早く寝なきゃと思って、早々にベッドに入ったの!」
女A「ええ」
友人「10時だよ10時!早いでしょ!こりゃもう嫌でも起きるなと!」
女A「ええ」
友人「そしてあたしは何の心配もせず、レム睡眠の渦の中に巻き込まれていった!」
女A「・・・ええ」
友人「するとどうだろ、いつの間にか私はハリーもびっくりな魔法の世界にいたんだ!」
女A「・・・」
友人「これは、一体どういう事だろう?まるで現実のようじゃないか・・・私は自分の身に起きた事がにわかに信じられなかった!」
友人「するとそこへ謎の女が現れて、こう言ったんだ、『この国を救わない限りお前は目覚める事が出来ない』と!」
友人「なんということだ!どうやら私は夢の中に閉じ込められてしまったらしい!!」
友人「絶望する私・・・だが!私は覚悟した!こうなったらこの国を救い、必ず元の世界に戻ってみせると!」
友人「そこからは実に壮絶だった・・・壮絶すぎて、何が壮絶だったのか忘れてしまう位壮絶だった・・・」
友人「そしてついに、私は選ばれしものにしか使えない伝説の魔法で大魔王を打ち倒す事に成功した!」
友人「喜びの宴を上げる仲間達、しかし私は元の世界に戻ると言う最後の大仕事が・・・」
友人「『いかないでっ!』今まで苦楽を友にしてきた仲間達は引き止めた、しかし、私は行かねばならない!分かってくれ!」
友人「半ば制止を振り切るようにして、私は現実世界への扉を開けた・・・ぎぎぎぎぎ・・・」
友人「するとなんと不幸な事か!時計の針は9時を大幅に過ぎていたではないか!!」
友人「しかし、私はふと思った、それがなんだというんだ、あの世界で私が経験した事に比べたら、なんてちっぽけな事だろう・・・」
友人「ああ、世界は広い、まだ見ぬ世界が私を待っている・・・そう私は何かを悟り、ゆっくりと身支度を始めるのであった・・・」
女A「・・・」
少女「・・・」
友人「・・・どうかな?」
女A「0点」スッパーン!
友人「あいったぁー!?」
女A「行きましょうか」スタスタ
少女「う、うん・・・」
友人「あ、ちょ、待って!ごめん!マジでごめんなさい!!」

342 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 23:45:10 ID:E54M/wSG
友人w

343 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/10(土) 23:58:06 ID:SDWUsOzU
女A「さて、それでどこに行こうかしら」
友人「う〜ん、やっぱり渋谷とか、原宿とか?」
少女「あ、ここで買うんじゃないんだ?」
友人「ったり前よ!こんな寂れた町で買ったら場末の臭いがうつっちゃうね!!」
女A「・・・あんたは時たま年齢不相応な言葉を使うわね」
少女「でも、そうなったら私、どこにどんなお店があるとか全然分からないけど・・・」
友人「心配ご無用!ここにその道のスペシャリストがいるから!」
女A「・・・私の事?」
友人「そう!よっ、ファッションリーダー!!」
女A「・・・つまり、私が仕切れと」
友人「ま、そゆこと〜」
女A「はぁ〜・・・いいわ、じゃあ渋谷に行きましょう」
友人「あいあいさー!」
少女「ごめんね、こういうの疎くて・・・」
女A「いいわ、そっちの方が逆に燃えてきたから」
友人「萌えてきた?」
女A「・・・恐らく字が違うと思うけど、ええ、燃えてきたわ!」
友人「何に?」
女A「この子の服選びよ!!」ビシッ
少女「・・・って、え?私?」
友人「あー、なるほどなるほど」
少女「で、でも今日は、水着を買いにきたんじゃ・・・」
女A「もちろん、まずは水着、でもその後は予定変更してあんたの服探しをするわ!」
少女「え、え〜!?い、いいよ、別に///」
女A「だーめ、大体元がいいんだからもっとカワイイ服着ればいいのに」
友人「そうそう、私も前々からそう言ってるんだけどね〜」
女A「今来てる服も悪くないけど、ちょっと地味よね」
友人「まぁこれはこれで、清楚って感じがしていいけど」
少女「そ、そうかなぁ〜・・・このワンピース持ってる中で一番派手な奴なんだけど・・・」
女A「いや、悪くないのよ?でもあんたならもうちょい目立ってもいいんじゃない?ってことよ」
少女「う、う〜ん、なんだか恥ずかしいような・・・///」
友人「よし、そうと決まれば早速渋谷にGO!」
少女「話し聞いてーっ!」
友人「ウィンドショッピングに洒落込むぞー!」
女A「・・・ほんとに時代錯誤な発言をするわね」

344 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:12:15 ID:iUpmJdXv
渋谷

友人「というわけで、やってきました!若者の街、渋谷!」
女A「うわ、夏休み中だから人が沢山ね」
友人「少女、離れないようにね」
女A「・・・」
友人「・・・」
女A「・・・返事が返ってこない」
友人「・・・ま、まさかっ!」クルッ

少女「あ、すいまs・・・わっ、すいま・・・あぅ!」

友人「早速はぐれてるー!!」
女A「お約束過ぎるわ・・・」

少女「はぁ、はぁ、ご、ごめんね・・・」
女A「ハチ公前の信号渡ってこれじゃあ、この先思いやられるわ・・・」
友人「よし、少女、手をつなごう、手を」
少女「え、えぇっ!?そ、それはさすがに///」
女A「でもまたはぐれるよりはましよ、手じゃなくていいから、服の裾かなんか持っときなさい」
少女「う、うん、分かった・・・」キュッ
友人「はぅ!こ、これはくるわぁ〜・・・」
女A「あんたは男子中学生か」
少女「友人ちゃん、ごめんね?」
友人「いやいや!ばっちこいよ!もう一生掴んでてもいいよ!!」ハァハァ
女A「・・・少女、気持ち悪くなったらいつでもこっち来なさいね」
少女「だ、大丈夫、慣れてるから」
友人「あんたひでぇなおい!ってか少女もさりげに毒舌ね・・・」
女A「じゃあ、まずは109に行きましょう!」
友人「おーっ!」
少女「お、おーっ・・・」

345 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:21:54 ID:iUpmJdXv
109 1F

友人「うひょー、混んでる混んでる」
女A「ある程度予想はしてたけど、結構な数ね・・・」
少女「冗談じゃなく手を繋いだ方がいいかもしれない・・・」
友人「んで、どっから見る?」
女A「まぁセオリーは上から順にだけど」
少女「そうなの?」
女A「あくまで私たちの間ではね、その方が疲れないでしょ?」
友人「なるほどぉ、さすがリーダー」
女A「OL向けの店とかは放置するから、6F辺りからかなぁ、いや、でも・・・」ブツブツ
友人「おお、その気になっているぞ」
少女「ありがたいよ、私全然分からないし」
友人「まぁ、それをいったら私もこういう所こないしなぁ」
少女「そうなの?」
友人「だってあんたとこういう所に来た事ある?」
少女「・・・ないかも」
友人「でしょ?まぁ、町田とかはよく行ってたけどね」
少女「うん、こっちの方には遊びにこなかったよね」
友人「その点、今日は渋谷で遊び尽くした女がいますから!」
女A「語弊をうけるような言い方はやめなさい!」パコーン!
友人「あいったーっ!?」
女A「決まったわ、4Fから見てきましょう」
少女「4Fだね」
友人「何か理由が?」
女A「私たちみたいな若者向けの店が比較的沢山あるのよ」
少女「なるほど〜」
友人「よし、そうと決まれば4FへGO!」

346 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:34:07 ID:iUpmJdXv
4F

友人「おおっ!凄い!水着一色!」
女A「それでも、どちらかというと水着はもう時期外れよ」
少女「そうなんだ?」
女A「もう秋物の季節だもの」
友人「流行の波は早いもんだねぇ〜・・・」
女A「・・・あ、この店いいんじゃない?」
少女「ほんとだ、かわい〜」
友人「んー、私はもうちょっと落ち着いた・・・あそこの店とか!」
女A「じゃあ、水着は各自自由に選びましょ」
友人「おっけー!」
女A「少女は私と一緒ね」
少女「あ、うん、よろしくお願いします」

女A「・・・で、どんな感じのがいいの?」
少女「ええっと、あまり派手じゃない物が・・・」
女A「またそんな事言って、もっと自信持ちなさいよ」
少女「ち、違うんだ、そうじゃなくて・・・」
女A「なに?」
少女「ほ、ほら・・・胸がさ・・・」
女A「・・・あぁ、そうか」
少女「あまり露出の多い物は、似合わない、と思うんだ」
女A「うーん、そうね・・・」
店員「あれあれ、水着探しちゃってる感じ?」
女A「ええ、この子の分を」
店員「うわっ、かーわーいー!」
少女「い、いえ・・・///」
女A「こういうとこ来るの始めてらしいの」
店員「そーなんだー!じゃ、お姉さんも一緒に選んであげるっ!」
少女「は、はぁ・・・」

少女(本当にこんな感じなんだ・・・店員さんって)

347 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:41:55 ID:WVAYF+i+
初のリアルタイム支援だ!
今夜も>>1乙です☆

町○ね〜〜 なんか、すげー地元を思い出させる
予備校の頃は嫌で仕方なかったけど
たしかに「厨房の、初めての☆遊び場」的ふいんきだった、あの頃は

おっと、>>1は投下に戻ってくれ、すまなかった
失礼しました


348 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:44:31 ID:iUpmJdXv
店員「うん、これいーんじゃない!?ってか激カワ!!」
女A「私もいいと思う」
少女「そう、だね、あんまり派手じゃないし・・・」
店員「っていうかめちゃ似合ってるし!やばいし!」
少女「あ、ありがとうございます・・・」
女A(流石にこの店員は無いわ)
女A「じゃ、会計しましょうか」
少女「あれ?女Aちゃんのは?」
女A「私はもう選んであるから」
少女「そ、そうなんだ、いつの間に・・・他のお店見なくて大丈夫?」
女A「ええ、ここの服結構気に入ってるのよ」
店員「ほんとにー!?ありがとー!!」
女A「あんたは気に入らないけどね」ボソッ
店員「え?」
女A「なんでもないですー、会計お願いしまーす」

女A「さて、友人はどこにいったのやら」
友人「おーい!」タッタッタッ
少女「あ、いたよ」
友人「ふぃー、たった今買ってきたんだけど・・・その様子じゃそっちも終わったのかな?」
女A「ええ、タイミング良かったわね」
友人「なんと!よし、じゃあこのまま少女の服選びに行きましょう!」
少女「ほ、本当にやるの?」
女A「当たり前よ!」
友人「何を今更!」
少女「うぅ・・・///」
女A「ほら、恥ずかしがらないで、店回るわよ」
友人「よっしゃー!萌えてきたぜー!」
少女「せ、せめて予算内に収まるようにしてね?」

349 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:51:34 ID:Fk6kAHB/
女A黒いw

350 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 00:58:13 ID:iUpmJdXv
女A「はい、これ持って」
少女「う、うん」
女A「GO」
少女「え、どこに?」
女A「試着室に決まってるでしょ!」
少女「あ、あう・・・」テトテト

シャッ

友人「しょーうじょー!これとかどう・・・ってあれ?」
女A「今着替え中」
友人「なんだぁ・・・ってなんだってー!?」
女A「覗くなよ」
友人「えー!?」
女A「本気で悔しがるな!」
友人「ちょっと、ちょっとだけ」
女A「駄目だって、ってこら、待て!」

シャッ

少女「ふぇ?」
友人「・・・」
少女「・・・」
友人「・・・」
少女「っ・・・//////」
友人「うはwwwww」

スッパコーン!!

友人「ったぁ〜!?今日一番の痛さ!!」
女A「あほう!ごめんね?」
少女「/////」

シャッ

女A「全く・・・」
友人「ねぇ、聞いた?『ふぇ?』だって『ふぇ?』、可愛すぎる!!」
女A「・・・あんた女で良かったわね、男だったら余裕で通報されてるわよ」
友人「それはそれで」
女A「・・・改めて変態だって事を認識したわ」

351 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 01:09:53 ID:iUpmJdXv
少女「あ、開けるよ?」
女A「ええ」
友人「わくてか!」

シャッ

少女「ど・・・どうかな?」
女A「こ、これは・・・」
友人「おおぅ・・・」
少女「や、やっぱり変だよね・・・」
女A「・・・あ、逆よ逆!!凄い似合ってる!!」
友人「お、思わずボケも忘れて見惚れてしまったぜ・・・」
少女「そ、そんな///」
女A「じゃ、じゃあ次これ!」
友人「ちょいと待ったぁ!次は私の番だね!」
女A「いいじゃない!さっき覗いた罰よ!」
友人「いやいや、こっちの方が断然可愛いから!」
女A「はぁ〜!?そんなニットにチェックのスカートなんて古くさい組み合わせのどこがいいのよ!?」
友人「き、貴様ぁ!!今全てのニットフェチを敵に回したな!!」
女A「それよりこっちにしなさい、ね?」
友人「へっ、ばばくせ」
女A「あんた・・・これが落ち着きのある色って奴よ、そんなのも分からないの!?」
友人「ただの茶色だろ!いや、うんこ色だ!うんこうんこ!!」
女A「さ、最低っー!あんた本当に女かっ!!」
友人「あんたの方は本当に女子高生かどうか疑わしいね!」
女A「なによーっ!」
友人「なんだーっ!」
少女「あ、あのっ!」
女A「ん?」
友人「え?」
少女「わ、私に拒否権は・・・」
二人「ない」
少女「だ、だよね〜・・・」

352 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 01:15:56 ID:iUpmJdXv
友人「ふぃ〜、買ったねぇ!」
女A「ええ、有意義な買い物だったわ」
少女「お父さん、お母さん、私は傷物になってしまいました・・・」
女A「まぁまぁ、これで秋の心配はしなくていいんだから」
友人「そうそう、今日一日着せ替え人形にされた事ぐらい、どうってことないって!」
少女「うぅ・・・」
女A「ま、これを機に色々自分でも服を見てみたら?」
少女「いや、興味が無いわけではないから、もちろん今までもそうしてたんだけど・・・」
友人「え?じゃあどこで買ってたの?」
少女「スーパー、とか」
女A「・・・それは、悲しい物があるわね」
少女「でも、スーパーにも可愛いの沢山あるよ?」
友人「そうだけど、なんていうか、プライド的に?」
少女「うーん・・・あまり気にしないなぁ・・・」
女A「・・・なるほど、やっぱりあんたに必要なのは可愛い服なんかじゃなくて、『自信』ね」
少女「自信?」
女A「そ、私は可愛いんだ!私は凄いんだ!って自信」
少女「た、確かにそれは無いかなぁ・・・」
女A「勿論行き過ぎはアレだけど、ある程度はそう言うのあってもいいと思うわ」
友人「確かに、少女はちょ〜っと謙虚すぎるからねぇ」
少女「そうかな?」
友人「そうだよ!まぁ、私は昔っからそれを言ってるんだけど・・・」
女A「例えば・・・なにか夢とかある?」
少女「夢?」
女A「将来何になりたいか、とか」
少女「う〜ん・・・」

『・・・羨ましいなぁ』

少女「!」

『私も、物語の主人公みたいに、なれたらな、って・・・』

少女「・・・」
友人「どした?何か思い当たる物があった?」
少女「・・・う、ううん、特にないや」
女A「そういうの、見つけるといいかもしれないわね」
少女「そうだね・・・考えてみるよ」

353 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 01:24:29 ID:iUpmJdXv
少女(その他大勢じゃなく、主人公に、なってみたい・・・)
少女(それだ、ずっと心のどこかに合った事)
少女(神様にモブだって言われてから・・・ううん、それよりももっと前から)
少女(私は・・・主人公みたいになりたかった)
少女(いま、ようやく気づいた・・・)
少女(これが、私の夢なんだ)
少女(何の取り柄も無い、スタイルも普通、人に誇れる事も無いし、同情してくれるような事も無い)
少女(そんな私が、唯一望んでいるもの・・・)
少女(それは・・・主人公だ)

友人「少女〜!早くしないと電車乗れないよ〜!」
少女「あ、うんっ、今いく!」

少女(でも、どうしたら主人公になれるんだろう?)
少女(神様は男A君が主人公って言ってけど・・・)
少女(じゃあどうやって男A君は主人公になったんだろう?)
少女(そもそも、神様が『その他大勢』って言ってた私が、主人公になれるんだろうか?)
少女(・・・不安は沢山ある)
少女(でも、それを乗り越えないと、主人公にはなれないんだ・・・たぶん)
少女(・・・今度神様と会った時に、聞いてみよう)
少女(なんとなく、今日神様が話そうとした事にも、関係ある事のような気がする)
少女(それまでに・・・覚悟を決めなきゃね)

少女「自信を、持つ」
友人「ん?」
少女「あ、いや・・・自信を、もてばいいんだよね」
女A「焦っても駄目だけどね、そう心がけていれば、自然と身に付く物よ」
少女「うん、私、頑張ってみるよ」
友人「な、なんだか急に燃えてるね〜」
女A「ふふ、今日はここまで来た甲斐があったかもね?」
友人「そうかも!」

354 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 01:28:34 ID:iUpmJdXv
今日はここまでです
いつも支援してくれてる人どうも!・・・ってかお二人さんしかいない感じっぽいがwww
ぽろりは海に先延ばしっす、サーセン
今回は女性のショッピング風景にチャレンジしてみたけど・・・ムズすぎだろorz
店員とか柳○加奈子しか参考に出来なかったwww人生経験が足りんなぁ
次回投下は月曜日予定してます、つぎこそポロリ・・・までいけるかな?

355 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 01:44:48 ID:Fk6kAHB/
投下乙!
いよいよ話が核心に近づいてる感じ

356 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 04:20:28 ID:83O1US4h
乙ー、うんこ色ワロタw
>>1は服に詳しそうだ、お洒落マンかもしれん

357 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 19:47:14 ID:mOc5WERF
ユニクロで身を固めた俺がお洒落マンなはずが無い
というわけで1です
明日予定通り海編投下しますが、今日は閑話休題ってことで不規則でちょっとだけ投下します、sage進行
いつも閑話休題だけどね、そこは突っ込まずにスルーしてくだせぇwww
とりあえず20:00~開始

358 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:00:33 ID:mOc5WERF
翌日

少女「・・・うわぁ」
少女「なんか、その場のノリと勢いで買っちゃったけど・・・」
少女「よく考えたら、買い過ぎだぁ・・・」
少女「こんな、5、6着も買わなくて良かったよね///」
少女「お父さんの援助が無かったら、確実にお小遣いが大変な事になってたよ」
少女「・・・それにしても、なんで5万円もくれたんだろう?」
少女「服を買いにいくって言ったら嬉々として渡してくれたけど・・・」
少女「大人でも大金だよね、全部使っちゃって良かったのかな・・・」

コンコン

父親「少女、今大丈夫かい?」
少女「あ、うん、平気だよ」
父親「入るぞ」

ガチャ

少女「何か用・・・って、何それ?」
父親「カメラ」
少女「・・・なんの為に?」
父親「そりゃ、写真を撮る為に決まってるだろ」
少女「誰の?」
父親「少女の」
少女「何の写真を?」
父親「その紙袋の中に入っている服を来た姿を」
少女「・・・な、何故?」
父親「だって、だって!お前一度もそんな事しなかったじゃないか!」
少女「確かにそうだけど・・・」
父親「小さい頃から地味で目立たず、ようやくできた趣味が園芸って・・・」
少女「い、いいでしょ別に///」
父親「御陰でお前のアルバムには『少女、花と会話する』とか『少女、嬉しそうに水やり』みたいな写真ばっかり!!」
少女「い、いつの間にそんな物を!///」
父親「昨日出した5万円は全てこの時のため・・・さぁ、少女!お父さんにその可憐な姿を見せてくれ!!」
少女「や、やだよ〜!恥ずかしいし///」
父親「5万円・・・」ボソッ
少女「う・・・」
父親「な?着てこっち見てくれるだけでいいから!5着なら一枚ずつ計5枚でいいから!」
少女「・・・うぅ、全部一枚だけだよ?」
父親「まじ!?やったぁー!!今日母さんが歌舞伎に行ってて本当に良かった!!」
少女「その台詞は何となく情けないよ、お父さん・・・」

359 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:23:25 ID:mOc5WERF
10分後

少女「い、いいよ、入って」
父親「失礼します・・・おおっ!!」
少女「は、早く撮ってね///」
父親「これは・・・いわゆるスイート系!赤と黒を基調としたシンプルなチェック柄にそこはかとない前フリル!
   やかましく無い程度にあしらわれたリボンが実にスイーツ(笑)しかも薄手のポリエステルで作られた生地
   が少女のスリムなウェストラインを際立たせ思わず見とれてしまうほどの景観となっている!!うはー!!」
少女「・・・なんか凄く不気味だけど、約束通り一枚だけだよ?///」
父親「いいねー、いいねー」パシャパシャ
少女「ちょ、ちょっとお父さん!一枚だけだって!」
父親「あ、あぁ、すまん、つい愛娘の晴れ姿に興奮してしまって・・・」
少女「晴れ姿って・・・大げさだなぁ、そんな事言うならもう着ないよ!」
父親「すまん!いや、すいませんでした!!」
少女「・・・じゃ、じゃあ、次の着るから外出てて」
父親「はーい♪」

10分後

父親「うはーっ!今度はワンピース!それも今流行の裾イレギュラーじゃないか!!シフォンとダークで配色され
   まさに表情豊かに全身を包む!そして衿(えり)もとのストール風モチーフを切りっぱなしにする事で実に
   絶妙なアンバランスを表現している!!ハイウェストだからこれまた着やせ効果でセクシーさも十分に醸し」
少女「お父さん・・・あんまりうるさいと本当に怒るよ?」
父親「は、はい・・・すいません・・・」

さらに10分後

父親「きた!ニットきた!これでかつる!!袖丈に余裕を持たせる事によりはみ出た陶器のような手が素晴らしい!
   萌えるね!これは萌える!!新ジャンル「袖からはみ出る手」をスレ立てしてもいい位萌える!!たまらん!
   そして忘れてはならないのが黒ニーソとチェックのミニスカート!この3点セットはまさに神の作りたもう」
少女「・・・お父さん?」
父親「はい、ぱしゃり、次のどうぞ」

さらにさらに10分後

父親「おお!!タックスカート!!すっかり絶滅危惧種になってしまったが、まだまだ生きているぞ!今ここにな!
   柔肌を撫でるような優しい生地がまるで高原の風を思い浮かべさせるようで実にさわやか!そして大胆!!
   軽くはおるようなカーディガンも清涼感を存分に引き出されたフレンチベージュの色合いで非常に効き目の」
少女「もうなんか、諦めたよ・・・」

そして10分後

父親「いやぁ、有り難う少女!御陰でまた少女のアルバムに歴史が刻まれたよ!」
少女「私の心の中には「お父さんは変態親父」と刻まれたけどね・・・」

360 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:26:30 ID:1YnAAYUo
俺の心には「お父さんは心の友」と刻まれましたがなにか

361 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:27:35 ID:mOc5WERF
ああ、最後の行は

父親「いやぁ、有り難う少女!御陰でまた少女のアルバムには新たな歴史が刻まれたよ!」
少女「私の心の中にはお父さんの変態っぷりが刻まれたけどね・・・」

の方がいいかも、訂正っす
しかし、自分の知らない世界がググると一発で出てくるとか、いい時代になったなぁ

362 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:46:39 ID:mOc5WERF
父親「さて・・・冗談はこの位にしておいて」
少女「えっ!?全部冗談だったの!?」
父親「いや、実に本気だが」
少女「どっちなの・・・」
父親「そうじゃなくてだな、真面目な話、一体どういう風の吹き回しなんだ?」
少女「え?」
父親「お前がこんなに服に興味を持つなんて、ちょっと驚いたぞ」
少女「そ、それは・・・」
父親「・・・ははぁん、さては男だな」
少女「ち、違うよっ!少年君は関係ないよっ!///」
父親「・・・誰も隣の家の少年君とは言ってないが」
少女「あ・・・///」
父親「・・・」
少女「え、えっと、その・・・///」
父親「・・・そうか、少年君か」
少女「だ、だから、本当に違くって・・・///」
父親「いや、いいんじゃないかな」
少女「へ?」
父親「仮に少年君が原因ではないにしろ・・・どこか思う所でもあったんだろ?」
少女「う、うん・・・」
父親「それは喜ばしい事だ、自分を大きく変える出来事なんて、人生に数回しか起こらない」
父親「お前がどう感じてるかは分からないが、お父さんから見たら、これが初めての『大きな出来事』に見えるぞ」
少女「そう、かな・・・」
父親「そう言った事を経験するのは、いい事だと思う」
少女「う、うん・・・」
父親「最近のお前は、見ていて明るくなったと思うしな、親としてはこれほど嬉しい事は無い」
少女「・・・」
父親「まぁ、そんなに焦って変わる必要も無い、少女のペースで行けばいい」
少女「・・・うん」
父親「よし!・・・じゃあ、お父さんはちょっと出かけてくるから、留守番しててくれな」
少女「え?どこ行くの?」
父親「たまの休日だから、散歩でもと思ってな」
少女「そっか・・・分かった、いってらっしゃい」
父親「ああ、じゃあ今日はありがとな」

バタン

少女(私、何も言ってないのに、何を考えているのか分かってくれてた・・・)
少女(やっぱり、親なんだなぁ)
少女(・・・あの興奮癖を治してくれれば、なおいいんだけど)

父親「さって、現像♪現像♪」

363 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:48:27 ID:1YnAAYUo
義父さん、そいつをZIPでくれ

364 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:54:03 ID:I5R6Cz3H
支援っす

お父さんww 微笑ましい〜〜〜
いやー、自分も娘ができたら、そういう気分になるかもだなぁ

>>1よ、自分の見る限り、支援してる人は6人くらいいるぜよ
そして、ROM専はおそらくその5倍と踏んだ
なんとなくだけど。勘だけど
自分も夜勤あるから、なかなかリアルタイム支援できん、すまん

>>1は思うがままに筆を進めてくれ
横槍、すまんかった


365 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 20:59:03 ID:mOc5WERF
ピロリン♪

少女「あ、メール・・・男A君からだ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:男A君
Sub:忘れてた!
本文:スマン、すっかり忘れてたが、2日は7時に男Bの家に集合な!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「・・・そう言えばそうだった」
少女「男B君の家かぁ・・・私分からないなぁ」

ピロリン♪

少女「あ、また・・・って、女Aちゃんだ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From:女Aちゃん
Sub:なし
本文:あの馬鹿、少女と少年君が家知らないのも忘れてるじゃない(怒絵文字
  ってわけで、少女と少年君は私と一緒に来てくれるかしら
  時間は6:30に駅前でどう?
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
少女「助かったぁー、えっと・・・わ、た、・・・さし、は、た、濁点・・・あい、じぇーわいおー・・・」
少女「・・・ふう、できた!」
少女「もうメールも一人で出来るもんね!進歩したなぁ私!」
少女「・・・まぁそれが普通か・・・送信っと」


女A「あ、返信きた、早いわね」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From;少女
Sub;Re:
本文:わたしはだいじょうぶだよありがとう
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
女A「・・・メールできてるけど、打つのに精一杯なのがよくわかる文面ね・・・」

366 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 21:10:47 ID:mOc5WERF
8月2日 駅前

女A「少女っ」タッタッタッ
少女「あ、おはよう」
女A「おはよう、少年君は?」
少女「さっき一緒に着たんだけど、今忘れ物を取りに家に戻ってるよ」
女A「忘れ物?」
少女「眼鏡だって」
女A「め、眼鏡!?意外ね・・・」
少女「うん、視力はいいんだけど、乱視と近視が入ってるから本を読む時とかはかけるらしいよ」
女A「なるほどね・・・って、なんでそんな事知ってるの?」
少女「え?さっき聞いたから・・・」
女A「あ、そっか」
少女「?」

女A(この子達、どこまで行ってるのかしら・・・)
女A(明らかに仲良すぎだけど、思ったほどでもない、とか?)
女A(今回の海の目的はこの二人を近づける事だってあいつ言ってたけど・・・)
女A(なんだかいらぬおせっかいのような気もするわね・・・)

少年「・・・」ムッ
女A「って、うわっ!」
少女「あ、おかえり」
少年「すまん、待たせた」
女A「いや、私も今来たばっかだし、時間もまだあるし、大丈夫だけど・・・」
少年「ん?」ムッ

女A(最近会ってなかったせいか、この顔を見ると驚いてしまうわね・・・)

女A「い、行きましょうか、こっから3駅程度だから、すぐ着くわ」
少女「結構近いんだね」
女A「ええ、駅からも大して歩かないし、確実に時間余るわ」
少年「・・・」ムッ
女A「・・・な、なにかしら?」
少年「・・・いや」
女A「そ、そう・・・じゃ、じゃあ行きましょうか」テトテト
少女「・・・?」

367 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 21:28:03 ID:mOc5WERF
男B宅前

少女「って、本当にあっという間だ・・・」
少年「時間にして・・・15分位か」
女A「あんたらほどじゃないけど、十分学校から近いわよね、羨ましい」
少女「そう言えば・・・女Aちゃん、私たちを案内してくれる為にわざわざ駅まで来てくれたんだよね?」
女A「気にする事無いわ、定期券内だし」
少女「うん、でも、ありがとう」ニコッ
女A「・・・あ、あいつ呼ぶわよ///」

ピンポーン

ウワモウキタノカハエーヨ!

バタバタ

ドンッ

オニイチャンソレアタシノ!

ワリィ!

アー!コワレテルシー!

ワリィ!

ベンショーシテヨネー!

ワリィ!

バタバタ

ガチャ

男B「はぁ、はぁ・・・よ、よぉ、待ちくたびれたぜ!」
女A「嘘付けよ」

368 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 21:39:30 ID:Fk6kAHB/
男Bw

369 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 21:43:51 ID:mOc5WERF
女A「他はまだかしら?」
男B「いや、男Aは家の中で待ってる、あとは友人だけだ」
女A「本当あいつは遅刻魔ね・・・」
少年「まだ時間まで大分ある、ゆっくり待とう」
少女「うん、きっと来るよ」
女A「・・・だといいんだけど」

ガチャ

B父「おやおや皆さんいらっしゃい」
女A「あ、お父さん、お久しぶりです、今日はお世話になります」
少年「どうも」
少女「は、はじめまして、少女です」
B父「まぁそんな所で話すのもなんだから、皆さんも中に入ってお茶でもどうぞ」
女A「はーい」
少女「ありがとうございます」
少年「・・・」ムッ

男A「よっす、いらっしゃい」
女A「あんたの家じゃないでしょ」
少女「おはよう」
少年「おう」
男A「おっす少女ちゃん!おっす少年!」
B母「あら、沢山来たわねー」
女A「お母さんもお久しぶりです、今日はお世話になります」
少女「あ、えと、なります///」
少年「どうも」
B母「ふふ、この子達が話しに聞く少女ちゃんと少年君ね」
少女「へ?」
女A「あんた一体何を言ったのよ」
男B「いやぁ、うちのクラスにめちゃんこカワイイ奴とめちゃんこ渋い奴がいるって話しただけだよ」
少女「そ、そんな・・・///」
少年「・・・渋い?」
男B「渋いだろ」
少年「そうか?」
男A「ああ、渋い」
少年「そうか・・・」ズーン
男B「何故落ちる」
友人「おおかた年上に見られやすいから嫌だ、ってところだろうねぇ」
男A「なるほどな・・・っておま、友人!」
友人「よっすー」
男B「いつの間に・・・」
友人「たった今」
B母「あら、最後の子もきたのかしら?」
友人「初めましてお母さん、遅れてしまいご迷惑おかけしました」
B母「やだ、ちがうのよ、まだ時間じゃないんだからいいのよ」
友人「そうですか?お優しいんですね!」
B母「あらやだ!」
友人「あ、申し遅れました、私、友人と言います、今日明日はお世話になります」ペコリ
B母「いえいえこちらこそ、今時珍しくしっかりした子だねー!」

男A「すげぇ、猫かぶりが完璧だ」
女A「きっと、ああしてのらりくらりと生きてきたんでしょうね」
男B「女って怖ぇーなぁー・・・」

370 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 21:47:13 ID:Fk6kAHB/
こういう奴いるわwww

371 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 21:59:40 ID:mOc5WERF
B妹「お兄ちゃん!私のコップ・・・って、あ」
男B「おお、紹介するぜ、こいつ俺の妹のB妹だ」
少女「こんにちわ・・・じゃない、おはようございます」
B妹「お、おはよう、ございます///」
友人「うはーっ!可愛い!!」
女A「やめときなさい、この子人見知りだから」
友人「そっかぁ・・・」
少年「そういえば、一緒に行かないのか?」
B妹「あ、う、えっと・・・」
男B「それがな、こいつも誘ったんだけどよー、なんか行かないとか言いだしてな」
B母「恥ずかしいのよ、知らない人たちと一緒に行くのが」
B父「困った物だ」
B妹「べ、べつにそーゆーわけじゃ・・・」
少女「そっか・・・なにか予定があるのかな?」
B妹「ううん、とくに、ない、です///」
少女「緊張する?」
B妹「う・・・」
少女「いいんだよ、私も同じだから、初めての人と喋ると、緊張しちゃうんだよね」
B妹「う・・・はい」
少女「大丈夫だよ、話してればなんて事ないから、ね?」
B妹「う・・・」
少女「あ、蚊が止まってる」
B妹「え!?」
少女「ふふ、嘘だよ」
B妹「・・・う、うぅ〜!」
少女「ほら、もうなんてこないでしょ?」
B妹「あ・・・」
少女「こうやって、なれていけばいいんだよ」
B妹「・・・」
少女「だめ、かな?」
B妹「・・・ううん」
少女「そっか、よかった・・・あ、私少女って言うの、よろしくね?」
B妹「・・・はいっ!」

男B「す、すげぇ・・・あの妹とたった1分足らずの会話で打ち解けやがった!」
女A「私でさえ1年かかったのに・・・」
男A「俺未だに駄目なんですけど・・・」
友人「ふふ、さすが天然属性持ちは違うね」
少年「・・・関係あるのかそれ?」

372 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:03:51 ID:mOc5WERF
男B「よし、時間になったし、荷物も積んだし、行きますか!」
男A「結局妹さんも一緒に行くのか?」
男B「おう、幸い女性陣が打ち解けてくれたからな、行く気になったみたいだ」
女A「というより、少女に懐いているように見えるけど」

B妹「少女さんっ!千葉って行った事あります?」
少女「え?ないなぁ・・・」
B妹「あのですね!千葉の海はそれはもう汚いんですよ!」
少女「そ、そうなんだ」
友人「これこれ、そう言う事を行く前に言うんじゃありません」
B妹「う、ごめん、なさい・・・」
少女「友人ちゃん、もうちょっとソフトなツッコミにしないと」
友人「ああ、こりゃ失敬・・・」
B妹「・・・ニヤリ」
友人「!?」
B妹「・・・フッ」
友人「しょ、少女!騙されるな!この小娘は」
B妹「こ、怖いですー!」ダキッ
少女「友人ちゃん!!」ナデナデ
友人「あ、はい・・・」
B妹「・・・プククッ」
友人「こ、このがきぃ〜・・・」

男A「・・・懐いていると言うよりは、奪おうとしているように見えるが」
女A「そ、そうね・・・」
少年「・・・大丈夫なのか、この先」
男B「な、なんだかトラブルの気配がするが・・・かまわんっ!親父!」
B父「はいはい、それじゃあ車出すから皆のってー」
B母「シートベルトは後ろの人も付けといてね」
少女「はいっ!」
B妹「つけないで振り落とされろババぁ」ボソッ
友人「締めすぎて窒息しろ糞ガキ」ボソッ

男A「よっしゃ!いざ、しゅっぱーつ!!」

373 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:11:29 ID:mOc5WERF
ここまでです、こっから先は海編なんで明日投下します
>>364支援してくれてる人そんなにいるかな?いると嬉しいけど、あまり思い上がらないようにしとくwww
今日は海編突入する前にスランプ(笑)脱出できてるか見る目的だったんだけど、大丈夫そう・・・かなぁ
もしなんか今までの時系列で「こんな会話が見たい」とか「この場面書いた方がいいのでは」ってのがあったら言ってくれると嬉しい
リハビリ(笑)かねて書いてみる、リク(笑)があればの話しだがwww
・・・(笑)って会話系だとすげぇ便利だ!

374 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:24:56 ID:I5R6Cz3H
>>1
乙です!
支援者は、入れ替わり立ち替わり、だとおも
でもストイックな姿勢は、持っていたほうが良いと思う
(半分自分に言い聞かせ)


個人的には、男AとBの友情話なんかも見たいかも
これは、趣味だ。もっと言うと、盗めるものがあるかも、っつースケベ心だ
まぁ、この先で描写されることだろう、なにしろ男Aは「主役を張る存在」
なのだからな

地の文なしで情景を描写できる、って、やっぱしすげー事なんだなって思う



蛇足だけど、そしてどうでもいいことだけど
千葉に行った際には、ぜひ「マックスコーヒー」を登場させてくれ
そして、それにまつわる「魔王」の存在も書かれたら、嬉しい

以上だッ!!

375 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:36:29 ID:Fk6kAHB/
投下乙!
リクエストか……
恥ずかしがる少女をもっと見たいです〉〈

376 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:41:40 ID:mOc5WERF
>>374
>>375
把握した
投下は深夜になると思うから、明日の朝にでも確認してくれぃ

377 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:45:14 ID:I5R6Cz3H
>>375
某スレに紹介しましたね
まぁ、あなたがやらなかったら、自分がしてたような希ガス
なので、気持ちはよく分かる、乙ですありがとうです

…しかし、嫁は認めないッ!!

378 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/11(日) 22:52:06 ID:1YnAAYUo
まあ当然だな
なにしろ俺の嫁なんだから

379 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 01:32:33 ID:2YGVe58B
おつつ
ユニクラーだったのか!
そのわりには描写が細かい……これが新の創作者か

妹さん黒すぎだろwww

380 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:15:04 ID:fl0LuBbE
>>374
すまん、書いてるうちにかなり真面目な物になってしまったから、じっくり書いてから投下するわwww
軽く20レスは行きそうだ・・・自分から言い出しといてすまないんだが、もうちょい待ってくれ
でもリハビリにはなった、ありがとう!
>>375
ってなわけでこっちを先に投下するぜ
あと紹介してくれてどうも!!されたら良いなとは思ってたけど、まさかこんな早い段階でされるとは・・・感無量
調子乗らない程度に喜んどくぜwww

381 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:18:01 ID:fl0LuBbE
「恥ずかしがる少女」

神様「これは本編とはあまり関係ない話です、なのでメタ的発言とか出てきたり、オタっぽいネタ満載です」
神様「今までの世界観ぶっ壊れる事請け合いです、それでも構わないと言う猛者のみどうぞ御覧下さい〜」




友人「は?少女が今まで一番恥ずかしがった時?」
男A「おう!」
男B「ああ!」
友人「な、何でまたそんな事を・・・」
男A「いやさ、ぶっちゃけて言うと、少女ちゃんの魅力って『羞恥心』にあると俺は思うんだ」
男B「あの赤らめた顔!微妙にうつむいた時に揺れる髪!そして、その後にやってくる上目遣いでの」

『・・・///』

男A「たまらーーーーーーーーーーーーーん!!!」
男B「たーーーーーまらーーーーーーーーん!!!」
友人「・・・」
男A「・・・いやぁ、そんな白けた顔されても」
男B「お前も俺らと同類なら分かるだろ?」
友人「ちょっとちょっと!勝手に同類にしないでよ!」
男A「でも分かるだろ?」
友人「まぁすっごくよく理解できるけど」
男B「ならっ!ここは同好の士として語ってくれてもいいだろ!?」
友人「うーん・・・」
男A「な!頼む!この通り!!」orz
友人「・・・ただで、とはいかないねぇ」
男B「う・・・こ、購買のドーナツ3個分でどうだ」
友人「10個」
男A「じゅっ・・・!!お、お前、やめとけ、な?」
友人「10個」
男B「そ、そんなに食ったら太るぞ?」
友人「あ〜あ、今日はもう帰ろうかなぁ〜」
男A「分かった!分かった!・・・は、8個でどうだ!!」
友人「10個」
男B「8!」
友人「10個」
男A「・・・わーったよ、10個な」
男B「お、おい!」
男A「背に腹は代えられん・・・」
友人「まいどー♪」
男B「く・・・それなりの話しをしてくれるんだろうな?」
友人「あれは、今からちょうど1年前の事だった・・・」
男A「うわっ、いきなり始まった!」
男B「くるぞ!!『1年前』とかいうモノローグが来るぞ!!」

382 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:23:50 ID:fl0LuBbE
1年前

友人「少女っ、そっちはどう?」
少女「うん、ばっちしだよ!」

あれはそう、文化祭の準備をしていた時の事・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
男A「た、たんま!」
友人「なにさ?」
男A「え、なに、これ台詞系でしょ?」
男B「なにあたかも「最初からこうですよ?」的なノリで『あれはそう』とか切り出してるの!?」
友人「察しろよカス・・・」
男A「え、ごめんなさい・・・」
友人「こうしないと後々説明できないの!!」
男B「じゃあ最初から台詞系でやるなと小一時間・・・」
友人「ちっ、わかったわよ、台詞系でやればいいんでしょ、やれば!!」
男A「俺らに切れられてもなぁ」
男B「作者に切れてくれよ」
友人「はいはい、回想に戻るわよ」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
友人「どれどれ・・・ゴクッ・・・おっほー、ほんとだ!おいしー!!」
少女「店長さんが分けてくれた紅茶だもん、おいしいに決まってるよ!」
友人「スポンサーがついてるなんて、うちのクラスだけでしょうね!」
少女「はは、そうかもねwww」
友人「・・・しかしだね、残念な事にまだ問題はあるんだなぁ」
少女「え?な、なにか足りない物とかあるかな?」
友人「ええ、あるわ・・・」
少女「えっ!じゃあ急いで用意しないと・・・」
友人「いいえ、それが一筋縄じゃいかないのよ」
少女「・・・へ?」
友人「あまりの事の大きさに、その問題は昨日までクラスの女子の中で十分に会議されていたほど・・・」
少女「わ、私そんなの知らなかったけど・・・」
友人「・・・それはね」
少女「そ、それは・・・」

友人「少女がウェイトレスじゃなくて裏方だと言うことよ!!」ビシィッ!

少女「・・・」
友人「・・・」
少女「・・・さ、さーて、次はメニューのラインナップを・・・」テトテト
友人「逃がさないわよ・・・www」ガシッ
少女「は、離してー!!」パタパタ

383 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:27:26 ID:fl0LuBbE
少女「む、むりだよ、あんなひらひらした衣装着るの・・・///」
友人「大丈夫よ!ひらひらしてないのもあるから!」
少女「ひ、人前に出るのは、恥ずかしいよ・・・///」
友人「大丈夫!行ってみれば今も人前だから!」
少女「う、うぅ〜・・・あ、ほら、もう裏方の仕事も決まっちゃったし!」
友人「確かに、今あんたが裏方を抜けると大打撃だけど・・・」
少女「で、でしょ?」ホッ
友人「それ以上に・・・集客を見込める素材を放っとく方が大問題だわーっ!!」ガバツ
少女「う、うゅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」パタパタ
友人「ね、本番ではやらなくていいから!今日だけでいいから!!」
少女「そ、それでも恥ずかしいよぉっ!///」パタパタ
友人「問答無用っ!ヘイカモンクラスメイット!」パチンッ
少女「え、な、なにそれ?」
女E「ふふ・・・さぁ、お着替えしましょうねー・・・」ワキワキ
女F「脱ぎ脱ぎしましょうねー・・・」ワキワキ
女G「着せ着せしましょうねー・・・」ワキワキ
女達「ふふふふふふふ・・・」ワキワキ
少女「こっ、怖いよっ!皆目が怖いよっ!?」
友人「さぁ、観念しなさい・・・」ワキワキ
少女「わ、わかった!きる!きるからぁ!自分で着替えさせてぇ!///」
友人「もう遅いわ・・・私たちのこの熱いパトスを止められはしない・・・」ワキワキ
少女「い、意味分かんないよぉ〜!って、ひゃうっ!ちょ、ほ、本当にここで着替えるの!?」
友人「お前達!やっておしまい!」
女達「きーっ!」
少女「あ、あうぅぅぅぅ!!」

384 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:28:27 ID:fl0LuBbE
友人「・・・と言う事になってね」
男A「おいちょっと待て!」
友人「へ?なに?」
男B「その先!その先は!?」
友人「その先・・・あ、お着替えシーン?」
二人「うん!!!」ブンブン
友人「だめー、大人の都合によりお見せできません」
二人「なぜだーっ!!」
友人「これ以上の展開を求めるならエロパロ板に行ってね☆」
男A「くそ・・・なんてこった・・・」
男B「これが創発板の限界なのか・・・」
友人「まぁそんなこんなでお着替えが終了したわけなんだけど・・・」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
友人「こ、これは・・・」
女E「はぁ〜・・・」
女F「おぉ・・・」
女G「マーベラス・・・」

少女「・・・///」モジモジ

友人「か、可愛すぎる・・・かわっ、かわっ、ぐはっ」ブーッ!
女E「ゆ、友人!ゆうじーん!!」
女F「メディック!!友人が出血を!!メディーック!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
友人「そう、それはさながら天使のようで・・・」
男A「わからん!!全く持って状況が分からんぞ!!」
男B「くそっ!作者めっ!なぜ台詞系にしたっ!くそっ!!」
友人「まぁ、詳しく解説すると・・・猫耳フード付きのパーカーを来た少女が」
男A「ぐはっ!!」ブーッ!
男B「はやっ!お前それはいくら何でも早ぇよ!」
友人「こう、地べたにぺたんと座りながら振り向き様に潤んだ瞳でこちらを見て」
男B「ぐはっ!!」ブーッ!
男A「お前も似たようなもんじゃねぇか!」
友人「袖から微妙にはみ出たお手てを片腕だけ口元に近づけ・・・ぐはっ!!」ブーッ!
男A「な、なんという破壊力・・・」
男B「語り手が鼻血を出すなんて・・・前代未聞だぞ」
友人「だが、本当の地獄はここからだ・・・」
二人「なん・・・だと・・・!?」

385 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:29:11 ID:fl0LuBbE
少女「ゆ、友人ちゃん・・・やっぱり、は、恥ずかしいよ・・・///」モジモジ
友人「くっ・・・みんな、生きてるか・・・?」
女E「な、なんとかね・・・」
女F「同性にもこの威力・・・恐るべし、少女っ・・・!」
女G「・・・ねぇ、少女ちゃん」
少女「は、はいっ!?///」
女G「語尾に、『にゃん』をつけてくれない?」
少女「にゃ、にゃん?///」
友人「ば、馬鹿者っ!死にたいのかっ!!」
女E「なんてこった・・・」
女F「女Gは神をも恐れぬ所行をやってのける気だ・・・」
女G「ね、やってみて?」
少女「う、うん・・・分かった///」
女G「違う違う」
少女「あ・・・わ、分かった・・・にゃん///」モジモジ
友人「ぐはぁっ!!!」
女E「おうふっ!!」
女F「あんっっっ!!」
女G「んでもって、こう、招き猫みたいにして、『恥ずかしいニャン☆』って」
少女「な、なんでそんなことを・・・」
女G「それでみんな満足するから」
少女「・・・本当に?」
女G「ええ」
少女「うぅ・・・///」

少女「は、はずかしい・・・にゃん・・・///////」キュルンッ

友人「あ・・・」パタッ
女E「やばい!友人がとうとう倒れたっ!!」
女F「し、心肺停止!!もう持ちません!!」
少女「・・・///////」

386 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:29:55 ID:fl0LuBbE
友人「・・・ま、それが一番少女の恥ずかしがった姿を見た時かな」
男A「・・・な、なるほど」
男B「リアルで見たい気もするが・・・見なくて正解かもしれん」
男A「ああ・・・生きのびる自信が無いぜ・・・」
友人「あんなに恥ずかしがった少女を見たのは、流石に初めてだね」
男A「・・・で、結局ウェイトレスはやったのか?」
友人「いんや、裏方やってたよ」
男B「なぜだっ!」
友人「元々嫌がってるのを強制するつもりは無かったしね」
男A「そ、そうか・・・ただの変態じゃないんだな」
男B「だてに親友はやってないな・・・」
友人「それに・・・あれは外に出したら危険すぎるし」
男A「・・・封印されたって事か」
男B「賢い判断かもしれんな・・・」

ガラッ

少女「〜〜♪・・・って、あれ?皆まだいたんだ?」

男A「!」
男B「!」
友人「あ、お帰り少女、中庭の手入れご苦労様」
少女「うん・・・でも珍しいね、どうしたの?」
男A「いやぁ・・・なぁ?www」
男B「お、おぅ!はは、はははwww」
少女「・・・?」
友人「さて、じゃあ久しぶりに一緒に帰りますか!」
少女「うんっ、あ、じゃあ喫茶店寄ってこうよ!」
友人「いいねっ!あんたらはどうする?」
二人「・・・遠慮しときます」
友人「・・・ふ、恐れをなしたな」
二人「ぎくっ」
少女「???」
友人「なんでもないのよ〜、行きましょうか!」
少女「う、うん・・・?」

387 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 03:34:34 ID:fl0LuBbE
以上っす、こういうのって書いてると楽しいけど見直すと「さみぃ〜・・・」って事になるよね、うん分かってたorz
でも御陰で海編もノリノリでかけそうだ、ありがとう

で、明日(もう今日)の投下予定時刻は22:00〜です
途中退席して1時間ほど間をあけてしまうかもしれない事を、事前に言っときます
今日はだいぶおしゃべりが過ぎたぜ、楽しかったけど、これからはストイックに行くわwww

388 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 11:33:06 ID:RMj6WmLH
>>1暴走ww
楽しかったー!!

書き手が楽しそうに書いてるのが伝わるね
そういうのって、読んでるほうも楽しい

389 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 18:04:30 ID:zNNVOcJN
投下乙だぜ!
まさかこんなに早く書いてもらえるとは
そしてやっぱり少女は可愛いな
さすが俺の嫁

390 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 22:01:46 ID:fl0LuBbE
1です、投下します


車内

男A「えー、あっちまでは車で約2時間半の時間を見てる」
女A「結構かかるわね」
友人「いやぁ、昔に比べたらアクアラインが出来たから、かなり早くなったと思うよ」
男A「ああ、まずはそのアクアラインで千葉に侵入する、途中海ほたるにも寄る予定だ」
B父「今日は風も穏やかだし、景色もいいだろうね」
少女「海ほたるって・・・あの海の上に浮かんでる建物の事だよね?」
少年「・・・ああ、分類状はパーキングエリアだが、規模としてはサービスエリア並みだ」
友人「PAとSAってどう違うの?」
少年「明確な規定は無い、その施設を建てた所がPAと言えばPAになるし、逆もまた然りだ」
男B「曖昧だなぁ」
少年「15kmおきに建てられるのがPA、50kmおきに建てられるのがSAと覚えておけば、大体間違えない」
女A「・・・ねぇ」
少年「なんだ」
女A「それも遊園地のとき見たいに調べてきたの?」
少年「ああ」
女A「・・・物好きね」
男A「ちなみに、海ほたるまでは大体1時間、そっから千葉県の岩井までは1時間半ぐらいの時間を見てる」
男B「つまり・・・あっちに着くのは昼前ってとこだな」
友人「丁度いい時間じゃないかな?」
女A「ええ、午後はまるまる海で遊べるわね」
少女「海かぁ〜・・・」
男B「・・・なぁ少女ちゃん、もしかして、海も初めてだったりとか、しない?」
少女「え?うん、そうだよ」
男A「な、なんと!?」
友人「うちの小学校は臨海学校じゃなくて林間学校だったからね、中学高校も特に海には行かなかったし」
女A「・・・泳げるの?」
少女「一応、クロールなら25m泳げるけど・・・」
男B「まぁ、でも海はプールとは勝手が違うしな」
B父「海の事故には気をつけてくれよ」
友人「はーいっ!」

ガーッ

ゴーッ…ゴーッ…ゴーッ…

少女「わ、トンネルに入った」
友人「ひゃあ〜、長いなぁ〜」
男A「・・・ん?って、もうアクアラインですか?」
B父「ああそうだよ、もうたいして海ほたるまではかからないはずだ」
男B「俺らいつの間に1時間も過ごしてたんだ・・・?」
B母「楽しい時は早く過ぎていくものよ」
B妹「私知ってる!そーたいせーりろんでしょ!」
少女「へぇ?そうなんだ?」
友人「違・・・いや、あってる・・・いや違う・・・ど、どっちだ?」
女A「とりあえず、アインシュタインはこんな所で引き合いに出されて、悲しんでいるのは確かね」

391 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 22:10:59 ID:zNNVOcJN
自分が海沿いに住んでると、海水浴のために長距離移動するのって不思議な感じがするな

392 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 22:17:15 ID:fl0LuBbE
今日は投下ペース遅めで、すまん


アクアライン 海ほたる

B父「よし、ここでご飯を食べていこう」
少女「あ・・・」
男A「どうした?」
少女「ご、ごめんなさい、私もう朝ご飯食べてきちゃった・・・」
友人「この子は5時半にはもう起きてるからね」
女A「凄いわね・・・健康的だわ」
男B「いや、ババ臭いともいえ」
B妹「ふんっ!」バコンッ!
男B「ぐぼはぁっ!?」
男A「そっかぁ、どうする?」
少女「うーん・・・」
少年「・・・ちなみに俺も食ってきた」
友人「あれま」
女A「結構混んでるし、何も頼まないで店に入るのもね・・・」
男A「・・・!じゃ、じゃあ丁度いいじゃねぇか!」
少女「へ?」
男A「俺たちは飯食ってくるから、二人は適当にぶらぶらしててくれよ」
男B「・・・!そ、そうだな!それがいい!!」
女A(こいつら・・・少女と少年を二人っきりにするつもりだ)
少女「ぶ、ぶらぶらって言っても・・・」
少年「・・・何か無いのか」
男A「えっと、上の方まで出ると景色が一望できるみたいだぞ」
男B「おやじ、出発は何時?」
B父「うーん、1時間後でいいんじゃないかな」
男B「じゃあ1時間後に車に集合!でいいか?」
少女「場所分かる?」
少年「ああ、覚えてある」
男A「よし!念のため車に向かう前に連絡してくれ」
少年「分かった」
B母「本当にいいのかしら?」
少女「あ、はい、大丈夫です」
B妹「じゃあ私も少女さんと一緒に」
男B「お前はこっち」ガシッ
B妹「なんで〜!!」ズルズル
男A「じゃあ、そういうことで、よろしく!」
少女「うん、分かった」
少年「・・・」ムッ

393 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 22:29:07 ID:fl0LuBbE
海ほたる 展望デッキ

サァァァ…

少女「うわぁ〜・・・」
少女「す、凄いよっ!見渡す限り海だよっ!少年君っ!」
少年「・・・ああ」
少女「私たちはあっちから来たから・・・あっちが千葉だよねっ!」
少年「多分な」
少女「まだ結構あるね〜・・・」
少年「まぁ、時間にしたらすぐだろう」
少女「そっか」
少年「ああ」
少女「・・・」
少年「・・・」

少女(なんだか、落ち着くなぁ)
少女(最近は皆と一緒にいる事が多かったし)
少女(こんなにゆっくりした時間は、久しぶりかも)

少年「・・・」ムッ
少女「・・・あ、また考え事してる」
少年「ん?」
少女「いま、お顔が『むっ』ってなってた」
少年「・・・そうか」
少女「何考えてたの?」
少年「いや・・・大した事ではない」
少女「・・・そう?」
少年「・・・ああ」
少女「そっか・・・」
少年「・・・」

少女(相変わらず、口下手だなぁ)
少女(・・・私が言えた事じゃないか///)

394 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 22:32:41 ID:zNNVOcJN
少年www

395 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 22:47:00 ID:fl0LuBbE
10分後

少年「・・・」
少女「・・・」

少女(どうしてこんなに落ち着くんだろう)
少女(さっきから会話してないのに、全然気にしないや)
少女(他の人だったら、何か話さなきゃ、って思うのに・・・)
少女(きっとこの人には、そうさせる何かがあるんだろうなぁ)


少女「・・・退屈じゃない?」
少年「・・・ん?」
少女「どこか、他の所行く?」
少年「・・・」ムッ
少女「ちなみに私は、ここで時間を過ごすのも、ありかな」
少年「・・・なら、それでいい」
少女「いいの?」
少年「ああ」
少女「そっか」
少年「・・・何か飲むか?」
少女「ううん、特には」
少年「・・・そうか」
少女「うん・・・」
少年「・・・」
少女「・・・」



396 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 23:00:55 ID:fl0LuBbE
友人「・・・で、結局そのままただぼーっとしてただけ?」
少年「ああ」
少女「うん」
男A「かーっ!それなら無理してでも俺らと一緒の方が良かったじゃねぇか!」
女A「それを却下したのは主にあんたでしょうが」
男A「そうでした・・・」
B母「ごめんね〜、退屈だったでしょ?」
少女「いえ、そんなことないです」
女A「遠慮しなくていいのよ、こいつらが悪いんだから」
男A「なにをーっ!・・・と言いたいが、今回の件に関しては否定できないぜ・・・」
男B「気を利かせたつもりが、逆に気を使わせちまったな」
少女「・・・気を利かせた?」
女A「あはは、なんでもないのよ」スパーンッ
男B「ったぁ〜!?」
少女「でも、本当に退屈しなかったから、大丈夫だよ」
女A「・・・そう?」
少女「うん、ゆっくりするのも、中々気持ち良かったし」
女A「・・・そう、ならいいわ」
B父「よし、じゃあ出発するか」
男A「渋滞とかしてますか?」
B父「いや、特に問題はなさそうだ、予定通り着くよ」
男B「順調だな!」
男A「よし!このまま千葉に突入じゃ〜!!」
女A「・・・」
友人「ん?どした?」
女A「え?」
友人「何か『考えてます』って顔してるよ」
女A「・・・いや、なんでもないわ」
友人「そうかい?」

397 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 23:16:03 ID:fl0LuBbE
車中

B妹「それでですねっ!私のプリンをこの人がっ!」
少女「もぅ!駄目だよ友人ちゃんっ!」
友人「いや!それより前に私のからあげもってたでしょあんた!」
B妹「知りませーん」
友人「こ、この糞がきがぁ・・・」
B母「ふふ、あの子もすっかり馴染んだようで、よかったわぁ」
B父「ああ、この様子じゃ明日には手をつないで笑っているな」
男B「・・・それは無いと思う」
少年「・・・ああ」
女A「・・・」

女A(さっき少女は『退屈してない』って言ってたけど、本当かしら?)
女A(もし本当だとしたら・・・やっぱり少女と少年君をくっつけようとするなんて、余計なお世話ね)
女A(そんな事しなくても、もう二人の間に見えないつながりはあるように思える)
女A(私たちが、横から口出しするような事じゃないわね)
女A(・・・大体、お互いがお互いをどう思っているかなんて、本人達だって分からないだろうし)
女A(・・・私が、そうであるようにね)

男A「ん?どうした女A」
女A「えっ!?な、なにがっ!?」
男A「なんか思い詰めた表情だったが・・・」
女A「い、いや、別にそんな事・・・///」
男B「まて、はやまるな!」
友人「そうだよ!生きてりゃいい事あるよ!!」
少女「え?え?」
女A「・・・あんたら二人は、事態をややこしくする腕だけは一級品ね」
男B「いやぁwww」
友人「それほどでもwww」
女A「誉めてないわっ!!」

398 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 23:32:28 ID:fl0LuBbE
1時間後

B父「よーし、ついたぞ!」
友人「おぉ!!ここが親戚さんのやっている民宿ですかっ!」
少女「なんだか懐かしい感じのする建物だね」
少年「・・・」ムッ
男A「いやぁ〜、久しぶりだな」
女A「そうね」
少女「二人は前に来た事があるの?」
男A「ああ、でも小学校以来だから、本当に久しぶりだ」
女A「親戚さん、お元気かしら」

親戚「おーおーおーおー、よう来たよう来た!!」
友人「めちゃ元気!!」
B母「お姉さんご無沙汰してます〜」
親戚「おう!ハハさんもよう来た!!」
B父「姉さん、悪いけど荷物を・・・」
親戚「おお、そうじゃな、おい、若造!」
若造「はいっ」
親戚「お客さんの荷物を部屋まで運んでやってくれ!」
若造「分かりましたっ!」
B父「・・・あれ、新しい人か?」
親戚「おお、うちもアルバイトっちゅうもんを雇う事にしたんだよ」
B父「大丈夫なのか?」
親戚「いかんせん、年をとると腰がね・・・背に腹ってやつだ」
男B「ばっちゃん、久しぶり」
親戚「んまぁーぼうず!随分見ないうちにでかくなったなぁ!!」
男B「へへっ、成長期っすから!」
B妹「おばさん久しぶり」
親戚「あんれま!!妹ちゃんも随分大きくなって!!」
B妹「わ、私は去年も来ましたよ・・・」
親戚「いんや、でかくなった!!特に胸のあたりがの!!」
B妹「えっ///」
親戚「こりゃあ将来は期待出来るな!!」
B妹「も、もぉっ!またそんな事言って!!///」

少女「す、凄く快活な人だね・・・///」
友人「私は今の発言で間違いなく男Bの親戚だと認識したよ」

399 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/12(月) 23:48:16 ID:fl0LuBbE
親戚「さてさて、そちらが一緒に来た子供さん達かね?」
男A「はい・・・って、おばさん、俺ですよ、俺」
親戚「んぅ?振込み詐欺ならこの間断ったはずだけんども」
B父「ちょ、来たなら一言連絡してくれよ!」
親戚「あほっ!あんなんに誰が引っかかるか!!そこまでぼけてないわ!!」
男A「じゃあ俺の事、覚えてますよね?」
親戚「知らん」
男A「・・・そ、そうすか」
女A「じゃあ、私も駄目でしょうか?」
親戚「ん?・・・おぉ!!女Aちゃんか!!久しぶりだな!!」
女A「覚えててくれたんですね」
親戚「当たり前だ、昔はよう来とったからの!!はぁ〜、べっぴんさんになりおって!!」
女A「いえ、そんなことないですよ」
男A「な、何故俺は駄目なんだ・・・」
親戚「ってことは・・・隣にいるお前さんは男Aか」
男A「そ、そうです!!」
親戚「おお、そうか、布団にねしょんべん引っ掛けて台無しにした奴だな、おお、覚えとる覚えとる」
男A「そ、そんなとこまで覚えてなくていいです・・・」
親戚「んで、そちらの3人は・・・」
友人「友人です、男B君のクラスメイトです」
親戚「そうかそうか、世話になっとるなぉ」
友人「いえ、そんなことありません、こちらこそ今日明日はお世話になります」
親戚「ほっほ、しっかりした子だ」
男A「ここでも猫かぶりは健在か・・・」
女A「心配しなくてもすぐはがれるわよ」
親戚「それじゃあ、そっちの子は?」
少女「あ、えっと、少女です、同じくクラスメイトです」
親戚「これまた可愛らしい子じゃ」
少女「い、いえ・・・///」
親戚「わしの若い頃によう似とる」
B父「・・・そうか?」
親戚「何か文句あっか?」
B父「いやぁ、なんでもないです」
親戚「んで、最後の子は・・・」
少年「・・・少年です、世話になります」
親戚「・・・ん?少年?」
少年「はい」
親戚「・・・おぉ!もしかして伏姫んとこの長男坊か!!」
少年「!」
男B「ん?なんだそりゃ?」

400 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 00:02:08 ID:ma6lQrxl
親戚「よう知っとる、よう知っとるぞ」
B父「そうなのか?」
親戚「うんにゃ、その件については残念だったなぁ・・・」
少年「・・・」
一同「・・・?」
親戚「親父さんは元気にしとるかね?」
少年「・・・はい」
親戚「そうか・・・」
男B「おいおいばっちゃん、何の話しだよ」
親戚「いや、なんでもない、それより、部屋に案内してやるから、着いてこい」
男B「お、おう?」

男A「知り合いか?」
少年「・・・らしいな」
友人「らしいってどういうことさ?」
少年「俺ではなく、祖母の知り合いみたいだ」
友人「祖母・・・おばあちゃんの?」
少年「ああ」
男A「ふーん?ここらの近くに住んでるのか?」
少年「・・・ああ、住んでいた」
友人「住んでいた・・・あ、そういうことね」
少年「・・・」
男A「ん?ん?何だ?」
男B「さぁ?おれもさっぱりだ」
友人「はいはい、この話題はやめにして、親戚さんの後についていきましょうね〜」
男A「なんだこいつ、急に仕切り始めたぞ」
男B「あ、ちょ、待てよ!!」タッタッタッ

少女(なんだろう、少年君、ちょっと落ち込んだ気が・・・)

友人「ほら少女っ!いくわよ〜!」
少女「あ、うん!!」トットットッ

401 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 00:06:08 ID:BR05Li/W
これは……普段と違う環境、明かされる少年の過去、揺れ動く皆の心!

402 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 00:19:40 ID:ma6lQrxl
友人「おお〜っ!!」

ザザァーン…

サワサワ…

男B「うわ、一番景色がいい部屋じゃん!」
女A「海がよく見えるわね、綺麗・・・」
男A「こんな部屋があったのか!」
親戚「どうだ、いい部屋だろ」
男B「いいのかばっちゃん、この部屋使って」
親戚「構わんよ、どうせ客もいないしな」
友人「それって大丈夫なのかな・・・」
親戚「もう一つの部屋も似たようなもんだ、男と女どっちがどっちを使うかは、そちらさんで決めてくれ」
男B「どうする?」
男A「先に女子から決めていいぜ」
少女「あの・・・B母さんは・・・」
B母「ああ、私はお父さんと一緒の部屋にするから、気にしないでいいわよ」
B父「久々の夫婦水入らずだな」
親戚「くれぐれも嫁さんに変な事すんじゃないよっ!」
B父「年を考えろよ姉さん・・・」
少女「えっと・・・それじゃあお部屋選びはおまかせするよ」
B妹「私もどっちでもいいです」
友人「じゃあ・・・私こっちの海の見える部屋がいい!」
女A「そうね、お手洗いも近いし」
男A「決まりだな、じゃあ俺らは隣だ」
男B「せっかくだから女子と一緒の部屋でも俺はかまわないぜ〜www」
少年「・・・それは駄目だろ」
友人「今の時間は・・・11時かぁ」
男A「ま、海は1時位からでもいいだろ」
男B「とりあえず、まったりしようぜ」
女A「そうね、長時間車に乗ってたから、少し疲れたし」
友人「よしっ!それじゃ私はそこらの探険に行ってくる!!」
少年「・・・散歩と言え」
友人「探険って言った方が、わくわくするじゃん!」
女A「あんたのその思考回路は、少し羨ましいわ・・・」

403 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 00:38:50 ID:ma6lQrxl
ミーンミンミンミンミンミー

ジジジジジジ

チリンッチリンッ

少女「・・・」カリカリ

キィ

B妹「少女さん、アイス買ってきたんですけど・・・って、何してるんですか?」
少女「あ、おかえりー」
B妹「はい、ただいまです・・・で、その広げたノートは一体?」
少女「夏休みの宿題だよ」
B妹「な、夏休みの宿題っ!?」
少女「え・・・うん、そうだけど?」
B妹「わざわざ持ってきたんですか!?」
少女「うん、今日の分をやっちゃおうと思って」
B妹「そ、そんなぁっ!こういう時は何もかも忘れて遊ぶべきですよ!」
少女「うーん、でも、その方が後々楽だし、一日サボっちゃうとずるずるといっちゃう気がしてね」
B妹「ま、まじめだぁ・・・」
少女「・・・クスッ」
B妹「へ?」
少女「ううん、やっぱり、男B君の妹さんなんだなと思って」
B妹「え、ど、どの辺がそうでしたか?」
少女「遊ぶ時は全力で遊ぶ!っていうその姿勢が、そっくりだよ」
B妹「そ、そんな・・・あの馬鹿兄にそっくりだなんて・・・ショック・・・」
少女「ううん、悪い意味じゃなくって、羨ましいなと思って」
B妹「う、羨ましい?」
少女「うん、私はどうしても、先の事とか考えちゃうから・・・」
B妹「・・・さては少女さんって、A型ですね?」
少女「え?ううん?B型だよ?」
B妹「び、びーがた!?」
少女「・・・何か私がB型っていうと、みんな驚くんだけど、なんでかな?」
B妹「いや・・・やっぱり血液型診断にも例外はあるんだなと・・・」

404 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 00:56:00 ID:ma6lQrxl
B妹「どっちがいいですか、モナカとレモンシャーベット」
少女「んー・・・妹ちゃんは?」
B妹「私はどっちも好きなので、どっちでもいいです!」
少女「そっか、じゃあ・・・もなか!」
B妹「はいっ!」

パリパリパリ

パクッ

少女「ん、おいしい!」
B妹「やっぱり夏はアイスですよねー」
少女「・・・そういえば、話は変わるんだけど」
B妹「はい?」シャクッ
少女「妹ちゃんって、今何年生なのかな?」
B妹「あれ、兄から聞いてませんでした?」
少女「うん」
B妹「今中学3年生です」
少女「あ、そうなんだ・・・てっきり・・・」
B妹「・・・てっきり?」
少女「あ、いや・・・」
B妹「・・・正直に言っていいですよ」
少女「う・・・小学6年生位かと思ってました・・・ごめんなさい」
B妹「いいんですよ、なれてますから」
少女「・・・そう?」
B妹「だってほら、背も低いし、胸も無いし・・・」
少女「それは私も同じだよ」
B妹「別に外見はそこまで気にしてないんです、ただ・・・」
少女「・・・ただ?」
B妹「この、人見知りな性格のせいで、余計子供っぽさが出てるみたいで、それが嫌なんです」
少女「でも、今こうして私とお話しできてるよね?」
B妹「少女さんは、なんというか、特別と言うか・・・」
少女「私と話せたなら、他の人とも話せるよ」
B妹「そんなことないですよ・・・」
少女「そうかな?」
B妹「そうですよ・・・」

少女「・・・あ」

B妹「?」
少女「う、ううん、なんでもないよっ!」
B妹「は、はい?」

405 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 01:24:26 ID:ma6lQrxl
少女(そうか・・・この妹ちゃんは、少し前の私なんだ)
少女(本当は人と話したい、でも何を話せばいいのか分からない)
少女(そんな必要の無い強迫観念に囚われて、前に進めなかった私だ)
少女(今は皆がいるから、少しずつ変わってきたと自分でも思う)
少女(前ほど初対面でも緊張しなくなったし、自分の考えも言えるようになってきた・・・たぶん)
少女(今度は、私がその役だ)
少女(・・・でも、どうすればいいんだろう?)
少女(何を言えばいいんだろう?)
少女(私は、何をしてもらって、今の私になったのかな・・・)

ギィッ

友人「たっだいまー!」
女A「ふー、外は暑かったわ」
B妹「あ、おかえりなさい、です」
友人「おぉー!?少女!その手に持っているそれは何だっ!!」
少女「え?こ、これは、妹ちゃんが買ってきてくれたアイスで・・・」
友人「じゃじゃーん!!」ガサッ
少女「あ、もなかだ」
友人「おっそろいおっそろい♪」
女A「・・・そして妹ちゃんは私とお揃いね」ガサッ
B妹「はは、みんな考える事は一緒だね」
友人「そして・・・さらにこれっ!!」ガサッ
少女「・・・缶コーヒー?」
友人「ただの缶コーヒーじゃないわ・・・その名も『MAX COFFEE』!!」
B妹「そ、それは・・・」
少女「なにそれ?」
女A「地域限定で売ってる缶コーヒーよ」
友人「やっぱり千葉にきたからにはこれを飲まなきゃね〜www」
少女「そんなにおいしんだ?」
B妹「いやぁ・・・人を選ぶと思います」
女A「私はパス、前に一度飲んで本気で吐いた事があるわ」
B妹「私もパスです、甘くて飲めたもんじゃないですよ・・・」
友人「うはぁー!飲んだ事無いから超期待!!」
少女「それは、なんというか、凄いコーヒーだね・・・」

406 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 01:36:34 ID:ma6lQrxl
友人「いっただっきまーす!!」

ピュシュッ

ゴクッ

女A「あっさりいったわね」
B妹「恐れる心が無いのかこいつは・・・」
少女「だ、大丈夫かな・・・」

ゴクッ

ゴクッ

ゴクッ

友人「・・・」
少女「ど、どう?」
友人「・・・うん、なんていうか」
女A「なんていうか?」
友人「飲めなくはない」
B妹「つまり?」
友人「普通にまずい・・・」
女A「だよね」
B妹「人間だったか」
少女「ちょっと一口貰っていいかな?」
友人「ええどうぞ」

ゴクッ

少女「・・・あ、おいしい」
友人「まじっ!?」
女A「信じられないわ・・・」
B妹「正気に戻ってください!」
少女「え?え?そんなに言うほどかな?普通においしいと思うけど・・・」
友人「味覚音痴・・・いや、料理が出来るからそれは無いか・・・」
女A「本当にいるのね、この甘さがいいって言う人・・・」
B妹「初めて見ましたー・・・」
少女「えぇ〜・・・それじゃなんか私が異常な人みたいだよ・・・」
三人「異常です」
少女「そ、そうですか・・・」

407 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 01:48:16 ID:ma6lQrxl
コンコン

友人「はいはい?」
男A「おうっ、そろそろ海にいこうぜ!」
友人「おっ、もうそんな時間か」
女A「準備するから、少し待って」
男A「あいよー、下でぐだぐだしてるぜ」

ダダッ ガチャ

アイツラマダジカンカカルッテヨ

ソウカ

ジャアシタデマツトシマスカ

オトコビーオレノニモツトッテ

ドサッ

ナゲンナヨ

女A「さて、じゃあ私たちも準備しましょう」
友人「ついにっ!ついにこの時がやってきたっ!!」
少女「う・・・今更になって、恥ずかしくなってきたかも・・・///」
B妹「なにがですか?」
少女「み、水着を着るのが・・・」
B妹「そ、そんなに大胆な水着なんですか?」
友人「まじっ!?」
女A「普通の水着よ、パレオ付きだから露出は少ないわ」
少女「そ、それでも、やっぱり・・・///」
友人「さぁーて、少女の水着はどれだぁ〜?」ゴソゴソ
少女「わわっ、自分で用意するよっ!///」
友人「お、これかぁ〜!かわいい〜!!」
少女「ゆ、友人ちゃん〜!///」

B妹「・・・いつもこんな感じなんですか?」
女A「ええ、まぁね」
B妹「そ、そうですか・・・」

408 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 02:02:27 ID:ma6lQrxl
20分後

トンッ

 トンッ

  トンッ

男A「ん、来たな・・・って、おぉっ!水着だっ!!」
男B「待ちくたびれたぜ・・・って、おぉっ!水着だっ!!」
女A「お待たせ・・・って、ことごとく反応が同じねあんたら」
少年「お前も似たようなもんだぞ」
女A「嘘・・・やだ・・・」
男A「そこまで純粋な拒絶反応だと、いっそ清々しいです」
男B「しかし遅かったな」
友人「いやぁ、少女の心の準備にとまどっちゃって」
男B「心の準備?」
少女「ま、まさかここで着替えていくとは思わなかったから・・・///」
女A「すぐ目の前だし、1分もしないからね」
友人「こうしてパーカーも着れば全然問題ないのに」
B妹「でも恥ずかしがる少女さんも可愛いです〜!」
友人(同類かこのガキ・・・)
男A(なんかB妹から俺らと同じ臭いがするぞ・・・)
男B(戻ってこい・・・いや、あっちいけ妹よ)
女A「で、ご両親は?」
男B「親父達は後から来るって言ってたから、先に行こうぜ!」
友人「よっしゃー!」

少年「・・・」ムッ
少女「あ、えと、あまり見ないでくれると、嬉しいかも・・・///」
少年「・・・ん?ああ、すまん」
少女「う、ううん///」
少年(見てるつもりは無かったんだが・・・)
少女(肌を出してるから少し見られただけでも恥ずかしいよぉ・・・///)

友人「おやおや、あちらではもうロマンスが繰り広げられてますよ?」
男A「おっと、こいつは出遅れたぜ」
男B「じゃあ俺らもこのビックウェーブに乗るとするか!!」
三人「おーっ!!」

B妹「あ、あの・・・いつも・・・」
女A「こんな感じよ」
B妹「そ、そうですか・・・」

409 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 02:08:09 ID:ma6lQrxl
ここまでです、少なくてスマン
マックスコーヒーは俺も飲んだ事あるんで書きやすかったけど、その魔王って奴はよくわからなかった・・・
次回投下で海編終わらせる予定です、恐らく30レス以上になると思う
いつになるかはちょっと分からないですが、1週間以内には投下します

410 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/13(火) 02:16:20 ID:n9eISGJ/
IDがGJ記念GJ
少女の水着への期待で俺のテンションがマッハ

411 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 00:35:22 ID:KkNIFmJA
>>1
乙です! そして、マッ缶きた! さすが、反応&仕事が早い!

参考までに
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231688067/505-507

ハルトシュラーって、この板オリジナルのキャラらしいからね
いや、自分もよう知らんのだけど
>>1がハルト閣下知ってたら、どんなふうに書いてくるだろうかと
思って振ってみた(2chネタは折り込まれてくるから、知ってると思った)

勝手な無茶振りで、申し訳なかったっす
でも、マッ缶登場させてもらえただけで、自分はお腹いっぱい☆

次回投下を楽しみにしてます
ありがとう、がんばって!

412 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 04:18:26 ID:aaeeWpQe
乙&GJ!
リクもちゃんと消化してるし、さすが>>1だぜ

>>401
そして盛り上がる俺の股間というわけだな!

413 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 13:55:35 ID:/fEIqY1s
>>412
IDすごいな

414 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/14(水) 15:47:57 ID:VH1aLNIA
アンインストール!アンインストール!

415 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 02:01:13 ID:5zZnaAU0
1です、長い事間をあけてしまっていてスマン
まだ全然書けてないんだが、明日の22時〜投下すると予告しときます
終われるかなぁ・・・

416 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 04:52:04 ID:Gb39dBCZ
>>411
お前それ…箱庭スレ…

心の友よ

417 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 22:16:27 ID:5zZnaAU0
寝過ごしたっ!投下します


岩井海水浴場

ザザーン

ズンチャカ♪ズンチャカ♪

ガヤガヤ

友人「おおっほぉ〜!!海だーっ!!」
少女「うわぁ〜・・・」
少年「・・・広いな」
女A「でも、思ったより人は少ないわね」
男A「そうだな、ちょうど時期だし、もうちょい混んでるかと思ったが・・・」
男B「これでも混んでる方さ、そりゃ湘南とか有名な海水浴場に比べると少ないけど」
少年「はぐれたら厄介だな」
女A「そうね、くれぐれも単独行動は慎むように気をつけないと」
友人「よっしゃー!行くぞ少女ー!!」ダダッ
少女「わっ!ゆ、友人ちゃん!!そんな引っ張らないでよぉ〜!!」トットットットット
男B「って早速聴いてない奴がいるんですけど!?」
男A「しまった先を越された!!行くぞ女A!!」ダダッ
女A「は?って、ちょ、ちょっと〜!!」ダダッ
男B「駄目だあいつら・・・」
少年「・・・お前は行かないのか?」
男B「まさか☆うぉ〜!!待てやこらぁ〜!!」ダダダッ
少年「・・・」
B妹「・・・」
少年「・・・行くか」
B妹「あ、は、はい・・・」

418 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 22:28:51 ID:5zZnaAU0
ダダダダダダツ

ヒュッ

スタッ

友人「華麗に砂浜に着地っ!」

ジュウゥゥゥゥゥ…

友人「ってうわっちゃぁ〜!?熱っ!!砂浜熱っ!?」ジタバタ
少女「私はサンダル履いてるから平気だけど・・・」
男A「と、ここで俺、参上っ!」スタッ

ジュウゥゥゥゥゥ…

男A「あつぅぅぅぅぅ!?砂浜あつぅぅぅぅ!?」ジタバタ
女A「何であんたら二人はサンダルを履かんかな・・・」
男B「うぁっつぁぁぁぁ!?」ジタバタ
女A「あんたもか!!本当この馬鹿三人衆は仕方ないわね!!」
少年「どこにシートを広げる?」
B妹「えっと・・・あの辺りが空いてるんじゃないでしょうか?」
少年「分かった」タスタス
友人「しょ、少年君!はやくして!!」ジタバタ
男A「そうだっ!俺たちがどうなってもいいのかっ!!」ジタバタ
男B「見損なったぞ少年っ!!」ジタバタ
少年「・・・一つ思ったんだが」
三人「なんだっ!?」ジタバタ
少年「そのまま海に直行すればいいんじゃないか?」
三人「・・・それを先に言えーっ!!」ダダダダダダツ

419 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 22:41:28 ID:5zZnaAU0
少女「でも、凄い人だね、海ってこんなにたくさんの人がいるんだ」
B妹「あれ・・・?少女さんって、もしかして海来たのって初めてですか?」
少女「うん、そうだよ」
B妹「へぇ、珍しいですね、学校とか、家族でとか行かなかったんですか?」
少女「うーん、学校は海から離れてたし、家族と旅行に出かけた事も無いなぁ・・・」
B妹「そうなんですか・・・ご両親がお忙しいとか?」
少女「そんなことないけど・・・きっとお金がないんじゃないかな?」
B妹「そうですか・・・」
少年「・・・」ムッ
B妹「・・・あ、ほらあっち、お父さん達が来ましたよ」
少女「あ、本当だ・・・って、何か凄い荷物だけど」
少年「あれは・・・テーブルか?」
B妹「うちは家族でよくここに来ますから、折りたたみ式のテーブルも持ってるんですよ」

ザッザッザッ

ドスッ

B父「よいしょっと・・・ここにいたんだね、探しちゃったよ」
B妹「そのテーブル、結局持ってきたんだね」
B母「そりゃそうよ、今日使わずしていつ使うって話しよ」
少女「うわぁ、パラソルもある」
少年「用意周到だな」
B父「人数も多いし2つテーブルとパラソル持ってきたんだ、悪いけど少年君、組み立てるの手伝ってもらえるかな?」
少年「はい」
B母「他の子達は?」
B妹「早速海で遊んでるよ」
B父「なんだ、お前は行かないのか」
B妹「私は少女さんと一緒にいるからいーの!」
B母「ふふっ、すっかり懐かれちゃったわね」
少女「あ、はは・・・」

友人「・・・おやぁ?どうやらご両親も来たみたいだね」
男B「お、まじで?じゃあ一旦戻るか」
男A「あ、てめぇ!!勝ち逃げかこの野郎!!」
女A「そうよっ!せめてもう1セットやってからにしなさい!!」
友人「あらら、すっかりあちらさんはムキになってますねーwww」
男B「たかだかビーチバレーに、子供だなぁwww」
男A「その勝者の余裕が激しくうぜぇぇぇぇ!!」
女A「今に吠え面かかせてやるわ・・・!」
男B「ふ・・・いいだろう、もう一度惨めな思いを味わわせてやるっ!!」
友人「それじゃあ行っくよー!!ほいっ!!」バシッ

ポーン

420 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 23:01:18 ID:5zZnaAU0
B父「そういえば、少年君は姉さんと知り合いなのかい?」
B母「あなた姉さんって言ったら分からないわよ、伯母さんって言わなきゃ」
少年「俺が、と言うよりは、俺の祖母が知り合いだったみたいです」
B父「へぇ、そうなのか」
B母「『伏姫の所』とか言ってたけど、それってやっぱり鋸山(のこぎりやま)の事かしら?」
少女「鋸山?」
B妹「あそこに見える山の事ですよ、里見八犬伝にちょっとだけ出てくるんで、ここら辺では有名なんです」
B父「伏姫が命からがら逃げてきて、籠った祠が鋸山にあるんだ」
少女「・・・えっと、里見八犬伝って、何ですか?」
B妹「知らないんですか?江戸時代に流行った伝奇小説ですよ」
少年「漫画ドラゴンボールは八犬伝から『ボールを集めて旅をする』というアイデアを得ているらしい」
少女「へぇ・・・有名な小説なんだ、知らなかった・・・///」
B父「それで、少年君のお祖母さんは鋸山に住んでるってことかな?」
少年「はい、伏姫の祠に一番近い位置にあったので・・・」
B母「あらそうなの、じゃあ岩井にも結構来た事あるのかしら?」
少年「・・・えっと」

友人「ふぃ〜!疲れた〜!」

少女「あ、友人ちゃんお帰りなさい」
友人「おおっ!?なんかテーブルとかあって凄い事になってる!?」
男B「よっす親父、結局持ってきたんだな」
B父「その方が快適だろう?」
男A「くっそぉ・・・あと一点だったのに・・・」
女A「後で雪辱戦よ・・・このままではプライドが・・・」
B母「じゃあみんな来た事だし、お昼にしましょうか」
男B「おー!腹減ったぜー!」
男A「あ、お弁当持ってきたんですね」
B母「ふふっ、久しぶりだから張り切っちゃった」
友人「うひょー!おいしそー!ありがとうございます!!」
少年「・・・」

421 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 23:17:09 ID:5zZnaAU0
30分後

男A「ふぃー、食った食ったぁ・・・」
女A「ごちそうさまでした」
B母「はい、お粗末様でした」
友人「さて・・・少女」
少女「なに?」
友人「そろそろパーカーを脱ぐ時間ですよ〜・・・」ワキワキ
少女「えっ!?///」
男B「せっかく海にきたんだから、やっぱり遊ばないとな!」
B妹「そうですよ!行きましょっ!」
少女「あ、いや、私は・・・///」
女A「まだ恥ずかしがってるの?」
男A「早く少女ちゃんの水着姿を拝みたいぜ・・・」
少女「え、えーっと・・・あ、私、何か飲み物を・・・」スタッ
友人「逃がすかっ!確保ぉ!!」ガバッ
男A「ラジャー!」ガバッ
男B「まかせな!」ガバッ
少女「う、うゅぅぅぅぅぅぅ!!!」パタパタ
B母「若いっていいわねぇ」
B父「ああ、全くだな」
B妹「その発言は余計年を感じるだけだから、やめた方がいいと思うよ・・・」
友人「さぁ、その艶やかな肢体をあたしに見せておくれ!!」
少女「い、言い方が何だかいやらし・・・ってわっ!!///」

ガバッ

少女「む、無理矢理はがさないでよ・・・///」
友人「・・・おぉ〜!」
女A「うん、よく似合ってるわ」
少年「・・・」ムッ
男A「こ、これは・・・」
男B「女神か・・・」
B妹「可愛いですっ!」
少女「そ、そう、かな・・・?///」
男B「おお!すげぇいいよ!」
男A「ああ、こりゃ可愛いな」
女A「・・・」
男A「ん・・・?なんだそんな人の顔見て」
女A「・・・なんでもないわよ、馬鹿」
男A「え、何で罵倒されてんの俺」
友人「よし、じゃあ今度は少女と少年君と妹ちゃんもいれてビーチバレーだ!」ダダッ
男A「よっしゃぁ!絶対勝ったる!!」ダダダッ
B妹「行きましょう、少女さん!」
少女「あ、う、うんっ」

422 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 23:32:29 ID:5zZnaAU0
上げ忘れてるやないか−い


友人「よし、いくよーっ!とっ!」バシッ

ポーン

少年「・・・」バシッ

ポーンッ

女A「・・・ふん」バシッ

ギュアッ

男A「あ、危なっ!?」バシッ

ポーンッ

女A「チッ」
男A「お、お前今俺の顔面狙ったろ!?」
女A「さて、なんのことかしら」
B妹「よ・・・いしょっ!」バシッ

ボーンッ

少女「わ、こっちきた!え、えっと・・・えいっ!」スカッ

ツルッ

バッシャーン

女A「・・・こりゃまた、派手にこけたわね」
友人「ははっ、少女は本当にこういうの苦手だなぁ」
少年「大丈夫か」
少女「あ、うん・・・ありがとう///」
少年「・・・!」ムッ
少女「・・・?」
少年「・・・パレオ」ボソッ
少女「え・・・?」
少年「外れてるぞ」ボソッ
少女「・・・あっ!///」ガバッ!
少年「大丈夫、みんな気づいていない」
少女「う、うん・・・あ、ありがとう///」

少女(うぅ・・・で、でも少年君には見られてしまった・・・///)

423 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/18(日) 23:46:46 ID:5zZnaAU0
友人「はぁ、疲れたーっ!」
女A「そうね・・・そろそろ戻りましょうか」
男A「時間は・・・15時半か」
少年「何時までいる予定だ?」
男A「一応17時位には撤収しようかなと」
友人「えーっ!?何か短いなぁ」
男A「大丈夫!まだまだイベントは沢山あるからよ!」
少女「はぁ・・・はぁ・・・」
少年「・・・大丈夫か?」
少女「う、うん・・・大丈夫・・・」
男B「本当に体力無いなぁ、ビーチバレーでそうなっちゃうのか」
少女「あはは・・・運動は本当に苦手で・・・」
B妹「私も苦手ですから大丈夫ですよ!」
男B「それ大丈夫なのか?」
男A「おーい、そろそろ戻ろうと思うんだが」
少女「あ、はーいっ」
男B「お、じゃあ丁度いいや、親父達がスイカ持ってきてるはずだから、スイカ割りでもしようぜ!」
女A「いいわね」
友人「おお!スイカ割り!一度やってみたかったんだよねー!」
男A「よし、そうと決まれば早速戻るぞ!!」

B父「おー、戻ってきたか、お前達の分までスイカ切ってあるぞ」
B母「はい、一人ひときれずつね」

男A「・・・」
男B「・・・」
女A「・・・」
友人「・・・」
B妹「・・・」
少年「・・・」
少女「シャクッ・・・あ、おいし」

424 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 00:04:35 ID:D4UcbAyq
男A「じゃあこっから17時までは自由行動にするか」
男B「元々自由行動のような気もするが・・・」
B妹「あ、じゃあ少女さん、海の家行きましょうよ!」
少女「あ、うん、いいよ」
友人「私も行くっ!」
少年「・・・俺はここで待ってよう」
女A「じゃあ・・・私はちょっと散歩してくるわ」
男A「散歩?」
女A「ええ、B父さん達が、あっちのほうに小さな入り江があるって言ってたから、見てくる」
男A「お、なんだそれ、俺も一緒に行っていいか?」
女A「え、ええ、いいけど・・・」
男A「よし、それじゃあここで解散っ!んで、どこにあるんだ?」
女A「あっちよ」

ザッザッザッ…

友人「ふふふ・・・自分もちゃっかりロマンス始めてるじゃないですかぁ・・・www」
男B「ま、こうなるとは思ったけどなwww」
少女「?」
B妹「・・・やっぱり、男Aさんと女Aさんって、そういうことなんですか?」
友人「そういうことでしょ」
男B「いや、まだそういうことかもしれないって感じだろ」
B妹「はぁー・・・そういうことですか・・・」
少女「???」
少年「・・・」ムッ
友人「さて、じゃああたしらも行きますか」
B妹「はーいっ、行きましょうか少女さん!」
少女「あ、うん・・・?」

少女(そう言う事って・・・どういう事だろ?)

425 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 00:19:59 ID:D4UcbAyq
友人「うひゃぁ、混んでるわねぇ」
少女「おやつの時間だし、仕方ないよ」
友人「そうね、カステラ一番電話は二番っ♪」
少女「三時のおやつはぶんめーどー♪」
B妹「あの、前から疑問に思ってたんですけど」
友人「うん?」
B妹「その歌って何なんですか?」
友人「・・・え?知らない?」
B妹「はい、たまに兄が歌ってたりするんですけど・・・」
少女「し、知らないんだ・・・」
友人「まじですか・・・これがジェネレーションギャップってやつですか・・・」
B妹「え?な、何でそんなに落ちてるんですか??」
少女「何でも無いよ・・・」
友人「そうよね、最近CMで見かけないもんね・・・」
B妹「な、何なんですか〜!気になるから言ってください〜!!」

イケメン「・・・おい、あれ見ろよ」
ブサオ「ん・・・?」
チャラオ「おお、可愛いなぁ!」
イケメン「高校生位か?」
ブサオ「だろうな」
チャラオ「小さいのはきっと小学生じゃね?」
イケメン「・・・どうだ?」
ブサオ「いいんじゃないか」
チャラオ「普通のナンパだったらスルーだけどなwww」
イケメン「よし・・・カメラ用意しとけ」
ブサオ「おう」

イケメン「おーい、そこの君たちー」
友人「おおぅ?」

426 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 00:32:03 ID:mDb0ODea
>>422
クソッ!少年め!
俺と代われ!

427 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 00:35:13 ID:Rbqg5Ifr
>>422
うらやまけしからん……少女可愛いなおい

428 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 00:36:14 ID:D4UcbAyq
イケメン「ここら辺でトイレってどこにあるか知ってる?」
友人「・・・トイレですかー?んー、わかんないっすねー」
B妹「トイレなら、あっちの方にありますよ」
友人(バカっ)
ブサオ「ああ、そうなんだ」
チャラオ「あっち?あっちってどっちだ?」
B妹「え、えっと・・・」
少女「あそこに見える監視台の下・・・だよね?」
B妹「は、はい、そうです」
イケメン(この子話しやすそうだな)
イケメン「監視台?監視台って、あの遠くに見える奴の事?」
少女「あ、いいえ、その手前にある・・・」
イケメン「手前・・・手前?手前って・・・あれかな?」
少女「あれじゃなくて、そのもう少し先の・・・」
友人(怪しすぎる、早めに切り上げた方が良さそうだ)
友人「あ、すいませーん、私たちちょっと人と待ち合わせしてて、急いでるんですよー」
チャラオ「まじ?友達ときたのかな?」
友人「いえ、親と来てます」
少女「・・・!」
イケメン「親御さんと一緒なんだ?」
少女「はい、親が待ってるので・・・」
B妹「え?親は親でも」
友人(気づけ馬鹿っ)ギュッ
B妹(・・・あ)
チャラオ「まじで?ごめんごめんwww」
友人「いいえー、それではー・・・」
友人(あら、意外にあっさり・・・)

少年「・・・」ガシッ

ブサオ「あ?」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・少年君?」

429 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 00:50:57 ID:D4UcbAyq
少年「・・・」ムッ
ブサオ「何だお前、離せよっ!」ブンツ
少年「・・・」ムッ
ブサオ「こいつ・・・」
イケメン「おいどうした」
ブサオ「こいつがいきなり手首掴んできて・・・」
イケメン「・・・おいおい、こまるな兄ちゃん」
チャラオ「パネェwww」
少年「・・・だせ」
ブサオ「あ?」
少年「その鞄の中に入っているものだ」
ブサオ「・・・なんで人に見せなきゃいけないんだ?」
イケメン「意味わかんねぇ、なんだこいつ」
友人「・・・!」
友人(そうか、隠し撮り・・・うかつだった)
少年「やましいものが無いなら、見せられるはずだが?」
イケメン「おいおい、どういう事だそりゃ」
ブサオ「俺らがやましい事をしてるような口ぶりだなぁ」
チャラオ「うざwww消えろしwww」
少女「しょ、少年君・・・」
B妹「・・・」オロオロ
チャラオ「何か俺らがやってるって証拠はあんのか、ん?証拠はよ?」
少年「・・・」
イケメン「おいおい、こりゃ警察呼んだ方がいいんじゃねぇのwww」
ブサオ「そうだな、このシンショー引き取ってもらわねぇとwww」
少年「・・・どうでもいいが」
ブサオ「なんだよwww」
少年「・・・見えてるぞ、レンズ」
ブサオ「え!?・・・って、見えてねぇじゃねぇかwww」
イケメン「ば、ばか!!」
ブサオ「・・・あ!!」
少年「・・・当たりだな」
チャラオ「て、てめぇっ!」ブンッ
少年「・・・」ヒョイッ
チャラオ「にゃ、にゃろ・・・」
イケメン「なにやってんだ!逃げるぞ!」
ブサオ「お、おう」

ザッ

友人「そうは問屋が卸さないねぇ」
イケメン「けっ、女に何ができるってんだよ」
友人「ふふ・・・」
イケメン「な、なんだよ・・・」

スゥ~…

友人「きゃーーーーーーーー!!!やめてーーーーーーーー!!!」

イケメン「なっ!」

430 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:06:38 ID:D4UcbAyq
ザワザワ

ザワザワ

イケメン「こ、このアマ・・・」
友人「さぁ、逃げ場は無いよ」
警察「どうしました!?」タッタッタッ
友人「こ、この人たちが、隠し撮りをしててっ・・・!」ウルッ
少女(相変わらず凄い変わり身だなぁ)
B妹(この人いっそ演劇部に入ればいいのに・・・)
警察「・・・ちょっと署まで来てもらおうか」
ブサオ「ど、どうすんだよ・・・」
チャラオ「おいおい、まじかよ、ゼッテーバレねぇって話しだったじゃねぇか!?」
イケメン「っるせぇ!!いいから逃げろ!!」ダッ
警察「あ、おい待て!!」
イケメン「けっ!逃げちまえばこっちの」

クルンッ

ダンッ!!!

イケメン「ごへッ!?」
少年「・・・」ムッ
イケメン「て、てめぇ・・・」プルプル
少年「・・・」ムッ
イケメン「うっ・・・」
ブサオ「これ、まずいんじゃね・・・」
警察「まずいも何も、もう終わりだ」
チャラオ「・・・!いつの間にこんな警察が・・・」
警察「さぁ、大人しく一緒に来い」
イケメン「・・・くそっ!」
警察「悪いけど、君たちも一緒に来てくれるかな」
少女「あ、はい・・・」
友人「あらら、こりゃ長くなりそうだ」

431 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:15:07 ID:mDb0ODea
少年かっこいいんですけど

432 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:21:42 ID:D4UcbAyq
1時間後

男B「お、やっと帰ってきた・・・って、なんかあっちの方で騒ぎが会ったみたいだが?」
友人「あぁ、なんか水着を隠し撮りしてた奴が捕まったんだとさ」
男B「まじで!?こえーなー」
B妹「安心しなくてもお兄ちゃんの水着姿は録られてないから、大丈夫だよ」
男B「当たり前だっ!!怖さ通り越して気持ち悪いわっ!!」
少女「・・・少年君」
少年「ん?」
少女「さっきは言いそびれちゃったけど・・・ありがとうね」
少年「・・・」ムッ

男A「なんだ、全員揃ってるのか」
男B「お、お前らも帰ってきたな」
女A「・・・///」
友人「ん?どしたの?」
女A「なっ、なんでもないわ///」
友人「・・・あらそうかい」
友人(なんかあったなこりゃ)
男B(なんかあったね絶対)
B妹(なんてわかりやすい)
男A「どうする?時間も時間だし、もう帰るか?」
友人「そだね、それがいいと思う」
B妹「あーあ、せっかくの海が台無しだったなぁ・・・」
男B「ん?なんでだ?」
B妹「・・・お兄ちゃんがいたから」
男B「なんだその理不尽な理由!?」
B父「そろそろ撤収かい?」
男A「そっすね」
B母「じゃあ、帰りましょうか、ゴミは集めて持って帰るのよ」
一同「はーいっ」

433 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:23:59 ID:Rbqg5Ifr
友人もだしこいつらすごい集団だよなあw

434 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:36:03 ID:D4UcbAyq
民宿

友人「はーっ、いいお湯だった♪」
B妹「そうですね」
女A「なんだか『入浴シーンも描写しろやごらぁっ!』って声が聞こえてきそうだけど、気のせいね」
少女「??」
友人「・・・ってかさ、思ったんだけど」
B妹「はい?」
友人「あんたいつの間にあたしとこんな仲良くなったんだっけ?」
B妹「・・・はっ!そうだった!!」
女A「ふふっ、まぁ一緒に過ごしているうちに慣れてきたって事でしょ」
B妹「く、屈辱っ・・・」
友人「おい、どういう意味だそれは」
B妹「そのままの意味です」
友人「ほぅ・・・そんなに乳を揉んでもらいたいのか・・・そうかそうか・・・」ワキワキ
B妹「き、気持ちわるっ!!」
友人「・・・と思ったけど、揉む胸が無いかぁ、ごめんねぇwww」
B妹「うっ!ひ、人が気にしている事を・・・」
友人「浴衣が凄くお似合いですわよーwww」
B妹「こいつ・・・いつか泣かす・・・」
少女「それにしても、浴衣っていいね」
女A「そうね、旅行に来た、って感じがするわ」
友人「浴衣姿の少女も可愛いなぁ〜」ギュゥゥゥゥ
少女「う、うゅぅぅぅぅぅぅ!!」パタパタ
B妹「ずるいっ!私もっ!!」ギュゥゥゥゥ
少女「わわっ!ふ、二人は流石に暑苦しいよぉ〜!!///」
女A「・・・はぁ、まともな人間はうちのグループにはいないのかしら」

435 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:43:18 ID:mDb0ODea
浴衣の少女とか最高すぎる

436 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 01:52:35 ID:D4UcbAyq
親戚「待たせたのぅ、夕飯の準備ができたから大広間に集まっとくれ!」

男A「おお〜!!こりゃすげぇ!!」
男B「またえらく気合い入ってるなぁ〜」
親戚「この日の為にわざわざ朝市で仕入れてきた新鮮な魚介類さ!」
B父「そこまでしてくれなくても良かったのに」
親戚「何言ってんだい!可愛い甥っ子の為ならこれ位わけないさっ!」
少女「こういうのなんて言ったっけ・・・えっと・・・」
友人「懐石料理?」
少女「あ、そうそう」
親戚「そんな大層なもんじゃないがの、味は保証するぞ!」
女A「これは、中々食べられないわね」
男A「なんか、これがただって信じられん」
少女「本当にいいのかな・・・」
B父「それは心配しなくてもいいさ」
親戚「おお、そうじゃとも!あんたらのおいしそうな顔が見れればそれでええ!!」
友人「なんという心遣い・・・これが粋ってやつかぁ!!」
少年「・・・微妙に違うような気もするが」
男B「そんなことよりばあちゃん!はやく食おうぜ!!」
友人「一日動き回ったから腹ぺこだぁ・・・」
親戚「おお、すまんすまん、それじゃあどうぞ召し上がれっ!」
男A「よしっ!号令は俺が」

一同「いただきまーす!!」

男A「・・・いいさ、分かってたよこうなるのは」
女A「あんた、そんなことしてると料理冷めるわよ」
男A「おおぅ!そいつは困る!!いただきまーす!!」

437 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 02:03:48 ID:D4UcbAyq
少女「ん〜!おいしい!!」
B母「ほんと、おいしいわぁ!」
友人「こりゃぼけるのも忘れて食らいつくねっ!」
B妹「そのまま一生忘れといたらどうですか〜」
友人「ふっ、悪いけどその手の挑発に乗るほど私の沸点は低くないよ・・・」
B妹「・・・オトコ女」ボソッ
友人「な、なにをー!!」
女A「・・・沸点20℃って所かしらね」
少年「・・・」ムッ
男A「どうした少年、箸が止まってるぞ」
少年「いや・・・なんでもない」
男B「暖かいうちに食わないとまずくなっちまうぞ」
少年「ああ」
少女「それにしても・・・これって普通に食べようと思ったらいくらするんだろう?」
B父「多分ここの民宿にある最高のコースだから・・・一人5000円って所かな」
友人「ごせっ・・・って事は・・・全部で9人だから・・・」
男A「・・・と、とんでもない額だな」
女A「ほ、本当にいいのかしら」
B母「いいのよ、子供は元気に食べて元気に育つのが仕事なんだから!」
男B「うちの家系方針だな」
B妹「え、そんなのあったの」
男A「そりゃ素敵な家系方針だ!」
女A「そうね、うちは放任主義だから、少し羨ましいかも」
友人「ま、それぞれの良さがあるし、その御陰で今の女Aがいるんだから、いいじゃないのー」パクッ
一同「・・・」
友人「んー、おいしいっ!・・・って、な、なに?みんなしてあたしの顔見て」
女A「いや、珍しくまともな事言ったなと思って・・・」
男A「あれだ、ギャップってやつだよな」
男B「普段ふざけてるやつが当たり前の事言うと、驚くよな」
友人「なっ!あたしだっていつもふざけてるわけじゃないわーっ!!」
少女「そうだよ、友人ちゃんは大人な人だよ」
友人「しょ、少女〜!!流石っ!あんたは親友だけあるっ!」
女A「じゃあ今の友人に特に不満はないのね」
少女「・・・ナイヨ」
友人「そ、その間は何っ!?」
少女「ユウジンチャンハ、ユウジンチャンダヨー」
友人「ああっ!カタコトっ!そのカタコトさえなければ喜べるのにっ!!」
男B「少女ちゃんも友人の扱い方分かってるよな」
男A「ああ、流石親友」
B妹「し、親友って、そういうもんだったかなぁ・・・?」

438 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 02:16:45 ID:D4UcbAyq
一同「ごちそうさまでしたっ!」

男B「さて・・・飯も食った事だし、やりますか!」
女A「なにを?」
男A「これさっ!じゃっじゃじゃ〜ん」ガサッ
友人「おおっ、花火!」
少女「買ってきたんだ」
男A「正確に言えば『持ってきた』だな」
男B「ここで買うと高いからな、あらかじめドンキに行っておいたのさ」
女A「準備いいわね」
B妹「その情熱を少しでも勉強に傾ければいいのに・・・」
男B「うるせぇやい!文句言うならやらせねー」
B妹「ああっごめんなさいっ!凄いっ!流石お兄ちゃん!頼りになるっ!!」
男B「へへへーwww」
男A「こいつ本気で嬉しがってるな」
女A「こういう事でしか誉めてもらえないって・・・可哀想に・・・」
友人「何が可哀想って、こんな兄を持った妹ちゃんが可哀想だよね・・・」
B妹「あ、分かってくれます?友人さんも話せばいい人ですね・・・」
男B「お、お前ら、本当手を組んだときは容赦ねぇな」
少年「ところで、どこでやるんだ?」
男B「バケツを持って行けば海岸で出来るぜ」
男A「ゴミ入れも持ってかないとな」
女A「そうね、最近は色々とうるさいから、あまり騒がないようにね」
友人「そだね」
女A「主にあんたの事よ」
友人「なっ!!・・・くっ、反論しようと思ったけど出来ないっ!!」
男B「そこはしとけよ」
少女「でもそれが友人ちゃんのいい所だよ」
友人「しょ、少女〜っ!」
女A「不満は?」
少女「ナイヨ」
友人「て、天丼っ!?少女も成長したわね・・・」
男A「よっしゃ!なんやかんや言ってても仕方ないし、早速向かいますかっ!!」

439 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 02:29:01 ID:D4UcbAyq
浜辺

男A「よし、まずはなにからやろうか」
女A「というか、何があるのよ」
男B「一通り揃ってるぜ、打ち上げ、ねずみ、ロケット、噴射・・・」
友人「こんなん適当に選んで適当に遊べばいいのさっ!」カチッ

シュッ

ボボボボボボボ

友人「おおっほぉ〜www」
B妹「あ、ずるい!私もっ!」カチッ
男A「もう何でもいいや!適当に遊べっ!」
少年「まさに適当だな」
女A「いいんじゃない?そもそもこの集まり自体が適当だし」
少女「そういえば・・・これって一応修学旅行の班の集まりなんだよね」
男A「そうだなぁ、そう思うと、何だか不思議な感じがするな」
少女「・・・そうだね」

少女(もし、男A君が一緒の班になろうって誘ってこなかったら・・・)
少女(私は、今頃何をしてたんだろう)
少女(きっと、その他大勢らしく、平凡な毎日を送ってたんだろうなぁ・・・)

シュルシュルシュル

少女「って、ひゃっ!?」
友人「ははは〜!少女君、ぼーっとしてると狙われるぞ?」
男A「あ、もうネズミ花火に火をつけやがった!」
男B「ほんと適当だな」
少女「わっ、わっ!!」パタパタ
少年「・・・」ベシッ

シュルッ…

女A「・・・止めたわ」
男B「・・・止めたな」
少女「あ、ありがとう、少年君・・・///」
少年「・・・」スッ
少女「へっ?」
少年「・・・」カチッ

シュルシュルシュル

少女「わっ!わわっ!!」
女A「・・・Sね」
男B「・・・Sだな」

440 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 02:41:11 ID:D4UcbAyq
男A「よし、手持ちも無くなってきたし、そろそろ打ち上げ行くかっ!」
友人「おうさっ!・・・って、たった一個だけかい」
男B「打ち上げは高くてなぁ、予算に収まりきらなかったんだ」
女A「むしろ、よくこれだけ買ってきたと言うべきね」
男A「さて、問題は誰が火をつけるかと言う事だが・・・」
B妹「当然女子は除外ですよね」
友人「うむうむ」
B妹「友人さん以外」
友人「うむうむ・・・ってなんで!?」
女A「あら、やりたくないの?」
友人「いや、やりたいけどさ・・・」
女A「ならいいじゃない」
友人「何か腑に落ちないなぁ・・・」
男A「じゃあ男だけでじゃんけんするかっ!」
友人「だから男じゃないってば!」

男B「そして俺になるのね、うん、分かってた、分かってたよこの流れ」
友人「いいかい、火をつけたらすぐその場を離れるんだよ!」
男A「絶対に覗くんじゃないぞ!!絶対だぞ!!」
男B「フラグ建てるのやめてもらえますかねぇ!?っていうか、あんたら離れ過ぎでしょ!どんだけチキンなんだよ!!」
女A「『大火力!爆発モンスター』とかいう花火の側に、誰が居たがるのよ」
少年「・・・まぁなんだ、葬式には出てやる」
男B「あんたもノリが良くなったなぁ!って今はそう言う話しじゃねぇよ!!」
B妹「いいからさっさと始めてよ」
男A「渋るなんて男らしくないぞ」
男B「わ、わーったよ・・・つけるぞ・・・」

カチッ

カチッ

…シュボボボボボ

男B「おりゃー!!全速離脱!!」ダダダッ
男A「あ!お前携帯落としたぞ!!」
男B「え!!まじで!?どこだ!?」キキッ
友人「花火のすぐ側だよっ!!」
男B「なんてこった!!でも今ならまだ間に合うっ!!」ダダダッ
少女「あ、あぶないよ〜?」
男B「どこ!?どこ!?こわい!!めっちゃこわい!!すぐ側でシュボボボとか言ってる!!」
男A「あるじゃないか!!・・・お前のポッケに」
男B「え?あ、ほんとだ〜、よかったぁ〜☆・・・ってよくねぇよぉ!!」ダダダッ

パーンッ

男B「うわっはぁ〜!!」
友人「流石期待を裏切らない男」
男A「将来は芸人になるしかないな」
B妹「哀れな兄め・・・」

441 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 02:42:06 ID:BN8lXYGF
少年www

俺明日六時起きなんだぜ、フヒッ…

442 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 02:54:47 ID:D4UcbAyq
パチパチパチパチ…

友人「やっぱり最後はこれだよねぇ」
男A「思えば線香花火とか久しぶりだなぁ」
男B「高ぇんだよなぁこれ、一人3本までだからな」
女A「・・・綺麗ね」
少女「・・・うん」
少年「・・・」
B妹「あー、こういうゆっくりした時間が、心地いいなぁ〜」
男B「そうかぁ?俺はどうも苦手だなぁこれ・・・あ」ポトッ
友人「ははっ、火をつけてすぐに落ちてりゃ世話無い・・・あ」ポトッ
男A「お前らwwwもうちょい落ち着いて・・・あ」ポトッ
女A「計ったように騒がしいやつから落ちてくわね」
少年「・・・じゃあ次に落ちたやつがあの3人の次に騒がしいと言う事か」
B妹「そ・・・それだけは避けたいっ・・・!」
女A「うっ、可能性としては私か妹ちゃんか・・・」
男A「ははは〜!早く落として楽になっちまえよ!」
男B「そうだそうだっ!お前もこちら側に来るといい!」
友人「楽しいよ〜うるさいよ〜騒がしいよ〜www」
女A「ぜ、絶対落としてなるものか・・・」

ポトッ

少女「あ、落ちちゃった」
一同「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
少女「え?な、なに?」
男A「意外な人物が・・・」
男B「もしかして心の中では誰よりも騒いでいるのかもしれない・・・」

ポワポワポワ

少女「ひゃっほー!!線香花火だー!!燃えるぜー!!」

ポワポワポワ

友人「知らなかったよ、少女がそんな熱いソウルを持ってたなんて・・・」
少女「そ、そんなこと思ってないよぉ!///」
女A「まぁ、これで線香花火占いは外れると言う事が証明されたわね」
少年「・・・そうだな」

443 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:02:12 ID:D4UcbAyq
>>441
ねwwwろwww
支援はありがたいが無理はしないでくれなwww

男A「さぁ、じゃあ全部使っちまったし、ゴミ拾って帰るか・・・」
友人「あー・・・なんだかこの花火の後の余韻が、なんともいえないねぇ・・・」
女A「こういうのに美意識を感じるのは、日本人のいい所ね」
少年「・・・そうだな」
少女「でも、楽しかったね」
男B「ああ、やっぱりいいもんだな」
B妹「後片付けが大変なのが、ちょっと面倒くさいけど」
男A「・・・ん?おぉっ!お前らっ、上見てみろよっ!!」
友人「はい?・・・おお〜っ、これはっ!」
女A「花火に夢中で気づかなかったけど・・・凄いわね」

キラッ
          キラッ
     キラッ
 キラッ
           キラッ

少女「綺麗・・・」
少年「これは・・・流星群か?」
男A「ん〜、そんなニュースやってたかぁ?」
友人「何でもいいじゃんっ!綺麗なんだからっ!」
女A「本当に単純なやつねあんたって・・・」
B妹「でも・・・たしかに理由を探すのが、無粋に思えてきます」
女A「クスッ・・・そうね」
少女「・・・あれ?」
友人「どした?」
少女「あ、ううん、なんでもない・・・」

少女(あそこにいるのって・・・)

神様「・・・♪」ヒラヒラ

少女(やっぱり、神様だ・・・こっちに向かって手を振ってる)
少女(ってことは、これは神様の仕業・・・なのかな?)
少女(だとしたら・・・凄くありがたいなぁ)

少女「・・・」ペコリ
友人「ん・・・?どうした今度はいきなり頭を下げて?」
少女「あ、ううん、なんでもないんだ・・・綺麗だね」
友人「・・・そうだね???」

444 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:10:28 ID:D4UcbAyq
友人「たっだいまー!っておおっ!布団が敷いてある!」
女A「もう22時になるのね・・・早いもんだわ」
B妹「少女さんどこにするんですか?」
少女「え?私はどこでもいいかなぁ」
友人「じゃあ少女はここっ!んで私がここ〜♪」
B妹「あ、ずるいっ!私がそこですっ!」
友人「ふふ〜ん、もうとっちゃったもんね〜www」
女A「・・・少女はそこじゃなくて、そこがいいんじゃない?」
少女「え?」
女A「荷物に一番近いでしょ、移動させなくて済むし」
少女「あ、そっか、じゃあ私ここで」
女A「そして私がその隣ね」
友人「な、なんだってー!?」
B妹「何抜け駆けしてるんですかっ!!」
女A「ばかね、荷物の問題よ、あんたらは仲良く隣で寝てなさい」
友人「くっ・・・仕方ない・・・」
B妹「我慢するか・・・」
女A「・・・なんだかんだであっさり納得する当たり、仲いいわね」
友人「まぁそれはさておき・・・皆さんもう寝ちゃう感じですかな?」
少女「え?そうじゃないの?」
B妹「まさかっ!!」
女A「寝るわけ無いでしょ」
少女「えぇっ!で、でも、もう寝ないと明日が・・・」
友人「明日は庭の世話も学校の手入れも無いのよ」
少女「・・・あ、そっか」
B妹「なんですかそれ?」
女A「話すと長くなるからまた今度ね」
友人「そうそう、それよりも重大な議題があるでしょうが・・・」
少女「重大な議題?」
B妹「ですよねっ!うわっ、私年上の人とこういう話するの初めてだからドキドキしてきたっ!」
少女「な、何の話しなの?」
友人「決まってるでしょ、それは・・・」
少女「それは・・?」

友人「コイバナよっ!!」

少女「・・・?」
友人「いや、そこでクエスチョンマークを出されても、困るんだけど・・・」

445 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:17:44 ID:D4UcbAyq
少女「『恋の話し』を略して『コイバナ』かぁ・・・」
友人「そっ、まぁ少女は一番最後だけど」
少女「え?なんで?」
友人「そりゃ、一番気になる話しをしそうだからよ」
女A「確かに少女が一番気になるわね」
少女「え、ええっ?///」
友人「というわけで、一番誰も気にしてなさそうなあたしから・・・って誰が気にしてないって!?」
B妹「自分で言ったんじゃないですか」
友人「まぁねー、確かに誰が好きとかも無いしねー」
女A「気になる相手も?」
友人「いない」
女A「付き合った人は?」
友人「いない」
女A「これからも恋をしたいとは?」
友人「思わない・・・って何言わせとんじゃ!!」
B妹「自爆が特技なんですね、今理解しました」
友人「そういうあんたはどうなのさっ!」
B妹「私も特にいません」
友人「ほんとか〜い?」
B妹「あおっても無駄ですよ、いないんですから」
友人「なんだつまらん」
B妹「大体まだ中学生なのに、誰かとおつきあいなんて早いです」
女A「それは・・・だいぶ考えが老成してるのね」
B妹「というか、周りが子供っぽいだけです、どうして男子ってあんなに子供なんですかね・・・」
友人「ふふ〜ん・・・そう思っている当たり、まだまだお子ちゃまだな」
B妹「だ、だって本当の事じゃないですかっ!いっつも馬鹿ばっかりやって、兄達がいい例です!」
女A「そうでもないわよ」
B妹「へ?」
女A「あいつらはあいつらなりに、色々考えてると思うわ」
友人「男はそれを口に出さないだけだと思うんだよね〜、それが女からしたら理解できないわけだけど」
B妹「・・・そうでしょうか」
少女「私もそう思うな、男B君も、ああ見えて凄く色んな事考えてそうだし」
友人「そだね、基本的にあの3人は馬鹿ではあるけど阿呆ではないかな」
B妹「そういうもんですかね・・・」
女A「そういうもんよ」
友人「ま、女Aがかばいたくなるのはまた違う所だと思うけどねー」
女A「え?」
友人「今日男Aと一緒に入り江に行ったでしょ・・・なにがあったんだい?」
女A「!!」

446 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:26:00 ID:D4UcbAyq
女A「と、特に何もないわよ///」
B妹「それは嘘ですよね〜」
友人「ばればれだよね〜」
女A「ほ、ほんとよっ!ただっ・・・」
友人「ただ?」
女A「ただ・・・ちょっとあいつに抱きかかえられただけで」
B妹「おおっ!なんですかそれつ!?」
友人「どんな状況!?」
女A「へ、変な意味じゃないわよっ!私が足をつまずいてそれを助けてくれただけっ!」
友人「なるほど、それであの顔か」
B妹「納得です」
少女「???」
女A「な、何よあの顔って」
友人「帰ってきた時、顔真っ赤でしたよ〜www」
B妹「アレは絶対何かあったと思いましたwww」
女A「ば、ばかっ!///」
少女「・・・あの、もしかしてなんだけど」
友人「ん?」
少女「女Aちゃんって、男A君の事が好きなのかな?」
女A「なっ、何言ってるのよっ!!///」
B妹(凄い、聴きづらかった質問をいとも簡単に・・・)
友人(これが少女マジックの力か・・・)
女A「何も無いわよっ!///」
少女「そうなんだ?」
女A「そ、そういうあんたはどうなのよっ」
少女「へ?私?」
友人「おや、もうメインテーマですか」
B妹「早いですね」
少女「め、めいんてーまって・・・私は別にそんな話すような事・・・」
女A「本当に?」
少女「う、うん」
友人「じゃあ『好きな人』と聴いて一番最初に思い浮かぶ人物は?」
少女「いや、特にはいな・・・」

『・・・』ムッ

少女「・・・」
女A「いるのね」
友人「いるね」
B妹「いますね」
少女「え、やっ、べ、別に少年君はそんなんじゃっ!!///」
友人「少年君とは一言も言ってないけど?」
少女「あ・・・///」
B妹「うはーっ!面白くなってきましたっ!!」
女A「やっぱりこうじゃないとね!」
少女「う、うぅ・・・///」

447 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:34:43 ID:D4UcbAyq
女A「前々から思ってたんだけど・・・あんた達どこまでいってるの?」
少女「や、だから、どこまでいってるとかも無くて・・・///」
友人「私の見立てだと、手つなぎ位まではいってるね」
少女「そ、そんなっ!ないよっ、ないないっ!///」
B妹「少年さんと手をつないだ事、ないんですか?」
少女「あるわけn・・・」

『・・・こ、この手は?』
『握手だが?嫌か?』
『う、ううん!そんな!ことは!』
『よろしくな』
『・・・よ、よろしく////』

少女「・・・」
女A「あるのね」
友人「あるね」
B妹「ありますね」
少女「や、あれは握手であって、別に手をつなごうと思ったわけじゃっ!!///」
友人「ほうほう、最初は握手だったと」
少女「あ・・・う・・・////」
女A「どんどん明るみにでてくるわね」
B妹「この調子で行きましょう」
少女「わ、私もう寝るねっ///」
友人「あ、逃げたっ!」
女A「逃がすかっ!」
B妹「くすぐれーっ!」ガバッ
少女「わっ、ちょ、ちょっと妹ちゃ・・・はぅ・・・や、やめっ・・・www」
友人「ご、ごくりっ・・・」
女A「なんと言うエロさ・・・」
B妹「さぁ、吐いて楽になってくださいっ!」
少女「はんっ!・・・ちょ、ほ、ほんとになにも・・・ひゃぅ・・・ははっwwww」

男A「・・・隣、楽しそうだな」
男B「・・・俺らもくすぐり大会するか?」
少年「・・・やめとけ」

448 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:36:56 ID:BN8lXYGF
コイバナには参加できないようだ…
オヤスミス

449 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:41:38 ID:D4UcbAyq
少女(よ、ようやく解放された・・・)
少女(皆もう疲れて寝静まってる・・・良かったぁ)
少女(私も、今日は疲れたし、もう寝よう)
少女(・・・)
少女(そういえば、神様は何であんな所にいたんだろう?)
少女(星を降らせるため?)
少女(・・・そんなことができるのかな)
少女(もしそうだとしても、その為だけにここに来たのかな?)
少女(・・・うーん、わかんない)
少女(あの人の事について気にしても仕方ないんだけど・・・)
少女(でも・・・もしあの人が私たちの為にそうしてくれたなら)
少女(凄く嬉しいな・・・)

『この世界の秘密に触れる話です』

少女(・・・それでも、やっぱりそれは怖い)
少女(あの人がどうして私の前に現れるのか)
少女(私に任せた仕事って一体なんなのか)
少女(・・・今も、私はその仕事の真っ最中なのか)
少女(それを全部聴くのは、まだ怖い・・・)
少女(・・・でも、今なら少しは、聴けるような気がする)
少女(今度あの人と会ったら、気になる所だけでも聴いてみようかな・・・)
少女(うん・・・そう・・・しよう・・・)

少女「・・・」スー…


450 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 03:43:17 ID:D4UcbAyq
ここまでです
あぁ、やっぱり終われんかった・・・
次回投下は恐らく火曜日になります時間はちょいと未定

451 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/19(月) 11:10:16 ID:mDb0ODea
投下乙だぜ
少女はやっぱりかわいいなあ

452 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 21:29:51 ID:VAd/HKdw
1です
22:30〜投下しますが、その前に訂正
伏姫の祠があるのは『鋸山』じゃなくて『富山』でしたorz
自分の祖母がすぐ近くに住んでるからこの場所を舞台に選んだのに、なぜ間違えたし

453 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 22:30:14 ID:VAd/HKdw
翌日

ミーンミンミンミンミー

ジジジジジ

少女「ん・・・ぅ・・・」
少女「・・・」
少女「・・・5時・・・」
少女「・・・もう朝かぁ」ムクッ

スタッ

少女「ぅぅぅぅぅ・・・っと」
少女「皆まだ寝てるなぁ」
少女「・・・とりあえず、下に降りてみようかな」

d
 d
  d

親戚「・・・おや、もう起きてきたのかい」
少女「はい、おはようございます」
親戚「ん、おはよう、最近の子は朝早いねぇ」
少女「いえ、私はいつもの習慣だからで・・・皆はまだ寝てます」
親戚「そうかい?さっきも少年君が起きてきて、早々に散歩に行ったみたいだけど」
少女「え?そうなんですか?」
親戚「ああ、伏姫の所行くって言ってたのぅ」

少女(伏姫・・・少年君の家のあった所だ)

少女「・・・あの、伏姫の所って、どこにあるんですか?」
親戚「あんたも行くのかい?」
少女「はい、見てみようと思って」
親戚「そうかい、そこの道を右に出て、『おいでませ富山』とかかれた看板の所を左さ」
少女「・・・おいでませ、富山?」
親戚「うむ、観光地じゃからな、後は歩いていれば山が見えてくるから、真っすぐ行ったらええ」
少女「おいでませ富山・・・分かりました、ありがとうございます」
親戚「こっから20分位はかかるぞ、朝食は7時半じゃから、それまでには帰ってくるようにな」
少女「はい、行ってきます」

少女(少年君に追いつけるかな・・・?)

454 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 22:37:37 ID:44LKTNCO
嫁支援

455 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 22:45:58 ID:VAd/HKdw
テトテトテト

少女「ここら辺は全部田んぼだ・・・海辺とはだいぶ違うんだなぁ」
少女「えっと・・・『おいでませ富山』・・・あ、あった!」
少女「本当にそうかいてあるや、ここの道にはいればいいんだよね」
少女「・・・あ、もしかして目の前に見える山がそうかな?」
少女「うわぁ、結構高いかも、登りきれるかなぁ・・・」

5分後

少女「・・・と思ったけど、全部道が舗装してあったから全然苦しくないや」
少女「とは言っても、長い距離歩いてきたから流石に疲れてきたけど・・・」
少女「でも、奥に進むに連れて、暗くなってくなぁ」
少女「山道と言うよりは・・・山の中の車道を歩いているみたい」
少女「・・・うわっ!大きな木が倒れてる!!」
少女「台風とかで折れたのかな・・・こんなのがそのまま残ってるなんて、あまり人の手は入らないのかも」
少女「あ、でも道路脇には家が何軒か建ってるなぁ」
少女「うーん・・・なんだか凄く不思議な所だ」
少女「・・・あれ?」

少年「・・・」

少女「あそこにいるの、少年君・・・だよね?」
少女「ジャージじゃなくて私服だ・・・ランニングじゃなかったのかな?」
少女「横に建ってる家をずっと眺めてるけど・・・なにしてるのかな?」
少女「とりあえず、行ってみよう、おーい!」

少年「・・・!」

456 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 23:01:05 ID:VAd/HKdw
少女「おはよう、少年君」
少年「・・・ああ、おはよう」
少女「良かった、追いつけたみたい」
少年「・・・」
少女「何してたの?」
少年「・・・ちょっとな」
少女「?」
少年「それより、こんなとこまで来てどうしたんだ」
少女「あ、うん、昨日B父さんたちが言ってた伏姫の祠が気になって・・・」
少年「そうか」
少女「こっからまだ結構あるのかな?」
少年「いや、もうすぐそこだ」
少女「そうなんだ、良かった・・・正直もうここまで来るので精一杯だったよ」
少年「・・・」
少女「少年君は、何しにきたの?」
少年「・・・」
少女「・・・?」
少年「・・・家を、見に来た」
少女「・・・家?」
少年「ああ」
少女「家って・・・この脇に建ってる家?」
少年「ああ」
少女「・・・あ、もしかして、ここがおばあちゃんの家かな?」
少年「・・・ああ、そうだった」
少女「そう、だった?」
少年「・・・それはさておき、伏姫の所まで案内するか?」
少女「え?あ、うん、頼めるならお願いしたけど・・・」
少年「こっちだ」タスタス
少女「う、うん・・・」テトテト

少女(なんか、話題を急に変えられたような気がするけど・・・)

457 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 23:07:07 ID:J44aBxJf
少年……

458 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 23:19:56 ID:VAd/HKdw
伏姫の祠

少女「ここが・・・伏姫の祠?」
少年「ああ、正しくは『伏姫籠穴(ふせひめこもりあな)』だが」
少女「・・・普通の穴だね」
少年「そんなもんだ」
少女「この穴に、伏姫が籠ったって事?」
少年「ああ・・・と言う事になっている」
少女「なっている・・・って?」
少年「元々『里見八犬伝』は史実を元に作られたものでもなんでもない」
少女「そうなんだ?」
少年「ああ、完全なフィクションなんだ」
少女「へぇ・・・あれ、じゃあなんでこんな穴があるの?」
少年「そこが面白い所なんだが、詳しい事は分かっていないらしい」
少女「え?」
少年「作者がこの穴を見てから『里見八犬伝』をかいたのか、熱烈なファンがこの穴を作ったのか・・・」
少女「・・・どっちが本当かは、誰も知らないってこと?」
少年「ああ・・・まぁ、そういうことにして観光客を引き寄せようって狙いだと、俺は思っているが」
少女「あ、はは・・・」
少年「ただ、それも古い時代に起こった村おこしなのかどうかは、分かっていない」
少女「へぇ〜・・・なんだかロマン溢れる話しだね!」
少年「そうだな」
少女「・・・」
少年「・・・」

少女(・・・な、なんか気まずい)

少女「い、今、何時かな?」
少年「・・・5時40分だ」
少女「そ、そっか、朝ご飯は7時半って言ってたから、それまでには帰らないとね」
少年「・・・なぁ」
少女「へっ!?」
少年「・・・まだ、暇か?」
少女「あ、うん、暇だよ・・・?」
少年「・・・ちょっと付き合ってほしい所があるんだが」
少女「うん・・・?」

459 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 23:32:43 ID:VAd/HKdw
少年「こっちだ」

ガサッ
     ガサッ

少女「ず、随分細い道を入ってくんだね」
少年「すまんな」
少女「ううん、全然構わないんだけど・・・」

ガサッ
     ガサッ

少年「・・・ついたぞ」
少女「ここって・・・?」

パァッ…

サワサワ…

少女「・・・お庭?」
少年「ああ・・・さっき俺が見てた家の庭だ」
少女「そうなんだ・・・ってことは、隣に建ってるのは、おばあちゃんの家?」
少年「・・・だった所だ」
少女「だった所・・・?」
少年「ああ」
少女「それって・・・?」
少年「・・・今は、もう誰も住んでいない」
少女「・・・?」
少年「俺のばあちゃんは・・・半年前に他界した」
少女「あ・・・」

少女(そっか、少年君のお祖母さんって、もう・・・)
少女(だから、昨日もこの話題のときは、暗い顔をしてたのか・・・)

460 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/20(火) 23:46:06 ID:VAd/HKdw
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「もう、随分昔の事のように思える」
少女「・・・そっか」
少年「・・・」
少女「・・・」

少女(こういう時、どうやって声をかけたらいいんだろう・・・)

少年「・・・ばあちゃんは、俺の母親代わりだった」
少女「・・・え?」
少年「うちが父子家庭って言うのは、前に言った事があったな」
少女「あ、うん」
少年「そうなったのは、俺が5歳のときだ」
少女「それまでは、お母さんも・・・?」
少年「ああ、家族3人で暮らしていた」
少女「・・・あ、あの、もしかして、なんだけど」
少年「ん?」
少女「その、お母さんも、お亡くなりに・・・?」
少年「・・・さぁ、どうだろうな」
少女「え?」
少年「少なくとも、俺は母親とは死別したわけではない」
少女「そ、そっか・・・」
少年「ただ、今となっては母親が死んでいるかどうかさえ、分からない」
少女「えと、それって・・・」
少年「俺が5歳の時、ありとあらゆる財産を持って、母親は蒸発した」
少女「・・・」

461 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:01:23 ID:VAd/HKdw
少年「その頃の父親は、レコーディングエンジニアとして売れっ子だった」
少年「有名アーティストのレコーディングに行ったり、専門雑誌のインタビューを受けたり・・・」
少年「仕事が忙しくなればなるほど、俺と母親に構う時間が、少なくなっていった」
少年「それが母親には・・・耐えられなかったんだろう」
少年「元々、いまいちそりが合わなかったみたいだし、しょっちゅう喧嘩をしていた」
少年「共働きだったこともあって、どちらが育児をするかで揉めた事も、後から聞いた話じゃあるらしい」
少年「それでもすぐ離婚しなかったのは、俺が保育園を出るまでは頑張ろうと、思っていたからだろう」
少年「そのせいで、後々もっと面倒臭くなったわけだが・・・」

『・・・かあさんは?』

『少年・・・おかあさんは、もういないんだよ』

『・・・どうして?』

『おかあさんはね・・・疲れちゃったんだってさ』

『・・・なんで?』

『・・・少年』

『なに?』

『ごめんな・・・』

『・・・どうして、とうさんがあやまるの?』

『ごめっ・・・ごめんな・・・』

         あなたへ
       もう疲れました
      7年間楽しかったです
        さようなら

少年「小学校の入学式の日、母親はそうメモを残して消えた」
少女「・・・」

462 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:16:03 ID:zEd4QJn9
少年「親権は、自動的に父親のものになった」
少年「だが、父親一人で俺を育てるのは、難しかった」
少年「なにしろ、夜に出勤して3日後の朝に帰ってくるような仕事だ」
少年「俺に構っている時間なんて、とてもじゃないがなかった」
少年「だから・・・父親は、ばあちゃんに俺を預けた」
     *      *      *       
祖母「こんにちわ、坊や」
少年「・・・」
祖母「ほっほ、恥ずかしがりやじゃの」
父親「すまんな、母さん・・・」
祖母「ええってええって、それがあんたの夢なんじゃろ」
父親「・・・ああ」
祖母「なら、それでええ、子供の夢を守るのが、親の仕事じゃ」
父親「・・・すまん」
祖母「ほれ、もうええから、さっさと仕事行っといで」
父親「週に一回は、絶対来るから!」
祖母「うむ・・・自分でそう決めたなら、守りんさい?」
父親「ああ・・・行ってくる!」

ダッダッダッ…

少年「・・・とおさん」
祖母「今日からここがあんたの家じゃ」
少年「・・・とおさんは?」
祖母「おとうさんは、お仕事に行ったんじゃよ」
少年「・・・分かった」
祖母「聞き分けのいい子じゃ・・・悲しいのぅ」
     *      *      *       
少年「そっから、俺とばあちゃんの二人暮らしが始まった」
少女「・・・」

463 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:21:26 ID:3mH1E8F+
ばあちゃんいい人だ

464 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:31:09 ID:zEd4QJn9
     *      *      *       
少年「ばあちゃん、これなに?」
祖母「お前さん、テレビも知らんのかい?」
少年「うん」
祖母「そうかい・・・こうやって、ここのボタンを押すとな・・・」
少年「・・・おぉ〜」

少年「ばあちゃん!みて、カブトムシ!!」
祖母「こりゃまた、ぎょうさん捕まえたのぉ」
少年「へへっ!山ん中にいっぱいいた!」
祖母「そうかい、よかったの」
少年「うんっ!」

祖母「お前さんどうしたその傷!?」
少年「・・・喧嘩した」
祖母「またやんちゃしおってぇ!!」
少年「だって・・・あいつがっ!」
祖母「言い訳無用じゃっ!さっさと仲直りしてきんさい!」

少年「・・・」ムッ
祖母「またそんな顔しおって」
少年「・・・え?」
祖母「あんた、何か考えてる時は、いつもそうじゃ」
少年「・・・そうなのか?」

祖母「少年、ご飯じゃよ」
少年「・・・また魚か」
祖母「魚は栄養あるんじゃぞ」
少年「肉が欲しい」
祖母「文句言うなら食わんでええ」
少年「い、いただきますっ!」

祖母「あんた部活は何に入ったん?」
少年「・・・吹奏楽部」
祖母「そうか、やっぱりピアノか?」
少年「ああ」
祖母「うんうん、続けるのはいい事じゃ」
     *      *      *       
少年「色んな事を、ばあちゃんから教わった」
少年「本当だったら母親がすべき事を、全部ばあちゃんが代わりにやってくれた」
少年「だから、俺にとってばあちゃんは『祖母』じゃなくて、『母親』だった」
少女「・・・そっか」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・その生活が、途絶えたのは、今年の2月の事だ」
少女「・・・」

465 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:44:26 ID:zEd4QJn9
     *      *      *       
少年「ただいま」
少年「・・・」
少年「ただいまー?」
少年「・・・」
少年「返事が無い・・・寝てんのか?」

タスタスタス

祖母「・・・」
少年「・・・やっぱりか」
祖母「・・・」
少年「おい、ばあちゃん」
祖母「・・・」
少年「風邪引くぞ、おい」
祖母「・・・」
少年「ばあちゃん」ユサユサ
祖母「・・・」
少年「起きろって」ユサユサ
祖母「・・・」
少年「・・・」ユサユサ
祖母「・・・」
少年「・・・」ユサ…
祖母「・・・」
少年「・・・ばあちゃん?」
祖母「・・・」
少年「・・・」ムッ
祖母「・・・」
少年「・・・おい」ペチペチ
祖母「・・・」
少年「おいばあちゃん・・・おい!」ペチペチッ
祖母「・・・」
少年「・・・おい」ペチ…
祖母「・・・」
少年「・・・」ムッ

ソッ

少年(・・・これ、脈動いてるか?)
少年(それになんか、冷たく、ないか・・・?)

少年「・・・おい」
祖母「・・・」
少年「・・・冗談だろ」

466 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 00:45:00 ID:3mH1E8F+
昔はよく喋る子だったんだな

467 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:02:44 ID:zEd4QJn9
ピーポー

ピーポー

少年「・・・」
医者「・・・」
少年「・・・あの」
医者「はい?」
少年「なにか、やらないんですか?」
医者「・・・」
少年「例えば・・・心肺蘇生とか」
医者「・・・残念ですが、かなりご高齢でいらっしゃるので、心肺蘇生はかえって悪化させてしまうかもしれません」
少年「・・・そうですか」
医者「申し訳ありません」
少年「いえ・・・」
     *      *      *       
少年「もしかしたら、本当にそうだったのかもしれない」
少年「でもその時の俺には・・・いや、今もだが・・・」
少年「『もう手遅れだから、死者に鞭打つのはやめましょう』と言っているようにしか、聞こえなかった」
少女「・・・」
少年「それからは、早かった」
少年「死因は心不全、葬式はいつにしよう、家も引っ越さなければ」
少年「すべてが、トントン拍子で決まっていった」
     *      *      *       
父親「俺の仕事も、最近ではだいぶ減ってきたし、また首都圏内に戻ろうと思う」
少年「ああ」
父親「・・・」
少年「・・・」
父親「・・・反対しないのか?」
少年「なんでだ?」
父親「いや・・・俺と、二人で暮らすと言う事だぞ?」
少年「ああ」
父親「今の学校も、転校しなきゃならないんだぞ?」
少年「ああ」
父親「自分の事は・・・自分でやるしかなくなるんだぞ?」
少年「ああ」
父親「・・・」
少年「・・・あんたがどう思っているかどうかは、俺には分からんが」
少年「俺は・・・別にあんたを恨んでいるわけではない」
父親「・・・」
少年「俺の母親は、ばあちゃんだが・・・俺の父親は、紛れもなくあんただ」
父親「・・・」
少年「大丈夫だ・・・子供じゃない」
父親「・・・すまん」
少年「・・・ああ」

468 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:13:11 ID:zEd4QJn9
父親「そうか・・・いつの間にか、こんなにでかくなってのか・・・」
少年「・・・親の知らぬ所で、子は育つ」
父親「ははっ・・・生意気言いやがってwww」
少年「・・・」フッ
父親「・・・やはり、これはお前に渡そう」
少年「・・・?」ムッ
父親「ばあちゃんの・・・お前の母親の、遺言だ」
少年「・・・」ムッ
父親「お前の事もかいてあったんだが、まだ読ませるのは早いと思っていた」
少年「・・・」
父親「だが・・・俺の杞憂だったらしい、お前はそこまで子供じゃなかったみたいだ」
少年「・・・」
父親「・・・ほらよ」スッ
少年「・・・」

カサッ

『可愛い二人の息子へ
 人は死期が近くなると気付くもんだとよく聴いてはいたが
 まさかそれが本当だとは思わなんだ
 こうして筆を取るに至るまで、それなりの期間があった事は、反省せねばならん
 さて、面倒な事は先にかいておく
 まず、今住んでいる土地についてだが・・・』

少年「・・・」

カサッ

父親「なんだ、もう1枚読み終わったのか」
少年「・・・法的な事は、俺には分からん」
父親「・・・そうか」

『さて、ようやく本題に入れる
 まず一人目の息子、父親へ
 お前さんが生まれたときは・・・』

少年「・・・」

カサッ

父親「・・・2枚目は?」
少年「あんたの事しかかいてない」
父親「・・・お前の事は、4枚目からだ」
少年「・・・先に言ってくれ」
父親「いや、それ以外も読むのかなと・・・」
少年「それは・・・それこそ、俺にはまだ早い」
父親「・・・そうか」
     *      *      *       

469 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:21:03 ID:3mH1E8F+
ばあちゃん……
。・゚・(ノД`)・゚・。

470 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:21:08 ID:zEd4QJn9
少年「『お前の成長を最後まで見届けられず、申し訳ない』と言う事」
少年「『お前を生んだ両親を、決して恨んではいけない』と言う事」
少年「『お前は私の自慢の息子だ』と言う事」
少年「・・・ばあちゃんの遺言には、大体こんな事が書かれていた」
少女「・・・優しい、人なんだね」
少年「・・・ああ」
少女「・・・」
少年「そして、俺はこの家を離れ、今の家に移り住んだ」
少年「結局新学期には間に合わず、中途半端な時期で転校になってしまったが・・・」
少女「そう、だったんだ」

少女(だから、6月に転校してきたんだ・・・)

少年「今日は・・・せっかくまた岩井にきたから、この家を見ておこうと思ってな」
少女「そっか・・・」
少年「・・・あまり変わってなくて、少し、安心した」
少女「・・・あの」
少年「ん?」
少女「どうして・・・その話しを、私にしてくれたのかな?」
少年「・・・」
少女「すごく、大切な話しだよね・・・」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・前に、俺が父子家庭だとお前に話した時」
少女「うん・・・?」
少年「お前はそれを聞いて、『ごめん』でも『かわいそう』でもなく、ただ一言『あ』と返した」
少女「・・・」
少年「俺がその後気にしなくていいと言ったら、お前は『ありがとう』と言った」
少年「それは多分、俺の心遣いに対しての、礼なのだと、俺は受け取った」
少年「普通のやつは、問答無用で同情したり、申し訳なさそうにするのに」
少年「お前は、決してそんな事はせず、ただ事実を捉えてくれていた」
少年「そんなやつになら、話してもいいと思った・・・それだけだ」
少女「・・・」

『うちは父子家庭だからな』
『あ・・・』
『いっとくが、気にする事じゃない』
『う、うん、ありがとう』
『・・・』ムッ
『少年君?』
『いや、なんでもない』

少女(あの時の会話・・・)

少年「・・・だが、話しすぎたな、時間がない」
少女「へ?」
少年「もう7時だ」
少女「もう、そんな時間?」
少年「ああ、戻ろう」
少女「う、うんっ」

471 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:26:37 ID:zEd4QJn9
トットットットッ

キィッ

友人「あ、帰ってきた、遅いぞー!」
女A「もう朝ご飯運んでもらってるわよ」
少女「ご、ごめんごめん・・・あれ?朝ご飯って、お部屋で食べるの?」
友人「そうみたいだね」
女A「それより・・・少年君と二人でどこ言ってたのよ、ん?」チョンチョン
B妹「朝からデートとは、やりますね少女さん、ねぇ?」チョンチョン
少女「はは、そんなんじゃないよ」
友人「ほんとかい?」
少女「うん、ちょっと伏姫の所を案内してもらってだけだよ」
女A「・・・あら、意外と余裕の反応」
B妹「ってことは本当に何も無かったんだ・・・つまんなぁ〜い」
少女「ははは・・・」

少女(思わぬ過去を、聴いちゃったなぁ)
少女(少年君の家が、そんな事情を抱えてたなんて・・・)
少女(子供の私には、よく理解できないや・・・)
少女(・・・でも、私を信頼して話してくれたみたいだし)
少女(それは、ちょっと嬉しいかも)

友人「ほら少女、せっかくのみそ汁が冷めちゃうよ?」
少女「うん、いただきまーすっ」

472 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:31:49 ID:zEd4QJn9
1時間後

B父「それじゃあ姉さん、お世話様でした」
親戚「おうっ!また来んさい!」
男A「お世話になりましたー!」
男B「またなばあさん!」
B妹「またね〜」
女A「お世話になりました」
友人「同じく、お世話になりましたーっ!」
少年「私も、お世話になりました」
少年「・・・お世話様です」
親戚「おう!みんな元気での!!」
B母「それじゃ、行きましょうか」
B父「よし、車出すぞー」

ブロロロロ…

友人「いやぁ〜、楽しかったねぇ!」
男A「だな!」
男B「来年もまた来ようぜ!いいだろ親父?」
B父「はは、構わんよ」
B妹「でも、来年はお兄ちゃん達、受験じゃない?」
女A「そうね、受験だわ」
少年「また来る余裕があるかどうか」
少女「は、はは・・・」
男A「なに!二日位息抜きは必要だって!」
女A「そのまま息抜きしっぱなしになりそうね、あんたの場合」
男A「だ、大丈夫さ!・・・たぶん」

ワイワイ

ガヤガヤ

少年「・・・」
少女「・・・寂しい?」
少年「・・・ん?」
少女「岩井から、離れてくの」
少年「・・・いや、大丈夫だ」
少女「そう?」
少年「ああ・・・俺には・・・」
少女「俺には・・・?」
少年「・・・」ムッ
少女「?」
少年「・・・いや、なんでもない」
少女「そ、そう・・・?」

473 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:38:35 ID:zEd4QJn9
B宅前

B父「ついたぞー」
友人「ん・・・って、はやっ!!」
女A「あら・・・もうついたの?」
男A「うー・・・寝てたから一瞬のように思える」
B母「ふふ、お疲れさま」
少女「とりあえず、荷物降ろさないと」
少年「ああ」
男A「よし、手分けして荷物を下ろすぞーっ!」
友人「らじゃぁ〜・・・ねむっ」

5分後

男A「これで全部か」
B父「みんな忘れ物は無いかい?」
少女「はい、大丈夫です」
女A「これからどうするの?」
男B「ん〜・・・このまま解散でいいんじゃね?」
少年「適当だな」
友人「だがそこがいいっ!」
男A「そうだな、みんな疲れてるし、このままかいさ〜ん!!」
B妹「少女さん、少し家に上がっていきませんか?」
少女「ごめんね、学校の花壇が気になるから・・・」
B妹「そうですか・・・」
少女「また、遊びにくるよ」
B妹「はいっ、待ってますね!」
友人「あたしも行くよ☆」
B妹「ババァは帰れ・・・」ボソッ
友人「こなくそーっ!!」ガバッ
B妹「きゃーっwww」ダダダッ

男B「あいつもすっかり馴染んだな」
男A「良かったな、人見知り克服できて」
女A「克服できてるかどうかは分からないけど・・・いい傾向よね」
男B「そうだな・・・うう、兄としてなんだか感慨深いぜっ!」
男A「こんなときだけ兄貴面か」
女A「ほんと仕方ないやつね」
男B「あんたらは綺麗に締めるってことを知らないんですかね・・・」

474 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:43:20 ID:zEd4QJn9
男A「それじゃ、次は学校でなー!」
友人「あいさ!またねー!」
男B「おう、またなー!」
B妹「また来てくださいねー!」
少女「うんっ、ばいばーい!」
少年「・・・また」
女A「じゃあね〜!」



女A「さてここまで来ればいいでしょ、私もここでお別れだわ」
少女「うん、ありがとね」
女A「それじゃ、またね」
少女「ばいばい」
少年「・・・また」



少女「・・・やっと家の前だね」
少年「ああ」
少女「・・・あの、少年君」
少年「なんだ」
少女「いろいろ、考えたんだけど」
少年「・・・」ムッ
少女「不謹慎かもしれないし、失礼かもしれないけど・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「やっぱり、お祖母さんの事話してくれて、嬉しかった」
少年「・・・」
少女「なんだか、少年君に、一歩近づけたような気がするよ」
少年「・・・そうか」
少女「うんっ」
少年「・・・やっぱり、間違ってなかった」
少女「・・・ん?」
少年「・・・いや、なんでもない」
少女「・・・???」
少年「またな」
少女「あ、うん、ばいばい」

少女(何が間違って無かったんだろう?)

少女「・・・まぁいいや、学校の様子見てこなくちゃ」

475 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:48:50 ID:zEd4QJn9
少年「・・・」

『さて、次に二人目の息子、少年へ
 お前さんが来てからは、毎日が楽しかった
 じいさんに先立たれ、生きる気力を無くしていた所にお前が現れたのは、天恵だった
 この年での育児はつらい部分もあった、苦しい部分もあった
 だが、それ以上にお前が元気に育ってくれているのが、嬉しかった
 それ故に、お前さんの成長を最後まで見届けてやれず、非常に申し訳なく思う
 謝ってもお前さんは納得せんとは思うが、私の気持ちにけじめをつけさせてくれ
 すまなかった
 だが、どうかお前の両親の事は恨まないでやってくれ
 それは父親も勿論だが、母親の事も、決して恨んではいけない
 なぜなら、お前さんはその二人が結ばれて、生まれてきた子なのだから
 親を憎みながら生きる事だけは、しないでくれ
 私は今までお前にそうやって教えてきたつもりだが
 もし勘違いをしていたら死ぬに死にきれんので、はっきりとこうして文にしておく
 つらいだろう、苦しいだろう、憎んでしまう事もあるだろう
 だが、お前自身を否定する事だけは、しないでくれ
 お前は私の孫であり、そして自慢の息子でもある
 お前さんには人を思いやる素晴らしい心がある
 その心を忘れず、これからも強く生きてくれ

 とは言っても、時には挫けそうになる事も出てくるだろう
 つらく苦しい時間を味わわなければならないかもしれない
 多くの人間は、そこで諦めてしまう、人は弱い生き物だ
 だが、それを耐え抜く方法が、一つだけある
 誰かを愛し、誰かに愛される人間になる事だ
 自分だけが想っても駄目だ、相手に想われているだけでも駄目だ
 まずは大切な人を見つけ、そして愛されるように努力をしなさい
 そうすれば、つらい時も挫けそうな時も、耐える事が出来るだろう
 誰かを愛し、誰かに愛される人間になりなさい
 分かったね
 お前さんのこれからの人生を、空の上から見守っています』

少年「・・・」

少年(今、気付いた)
少年(俺にとって『大切な人』は)
少年(『誰かを愛し、誰かに愛される人間』の『誰か』とは)
少年(人を思いやり、陰ながら周りを支え、いつの間にか和ませる力を持つ)
少年(一見地味で目立たないが、誰よりも輝いている)
少年(そんな、裏隣に住む同年代の女子・・・)

少年(少女の、事だ)

少年(・・・間違いないな)
少年(まぁ・・・問題は、あいつが俺の事をどう思っているかだが)
少年(・・・あいつのことだから、この手の事には疎そうだ)
少年(なんとなく・・・鈍そうだし)

少年「・・・先は長いか」

476 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 01:54:01 ID:zEd4QJn9
ここまでです
さてこっからの展開が難しいなぁ・・・
次回投下は恐らく週末になります、ちょいと日程はまだ未定

ところで少し疑問に思ったんだが、皆は登場人物はなにかイメージして読んでるのかな?
少女はどんな感じとか、少年はどんな感じとか・・・
それとも明確なヴィジュアルは持たずに読んでるのかな?

477 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 02:22:23 ID:cc+1/jB8
仕事の失敗で自分を責め、自分で自分を殺そうとすらしてしまった自分の、
この世に居ていい価値に気付かせてくれたのは、家族に他ならない
そのことを知ったのは、つい最近だった

……もしも、この世界にも、神様のような人がいるのだとしたら
今まさに、そういう気持ちになり、自分の価値を見失っている人に
この物語を見てもらうよう仕向けてほしい

この物語で、少年や少年を取り巻く多くのキャラが語ること
一つひとつが、切れば血が出るほどに実(じつ)があると感じる


こんな物語が書きたかった。
辛い思いをしても創作の糧だと思って、耐えられるようになってきた
辛い思いを、そのままにせず、何らかの励ましとして昇華して
多くの人を勇気づけたい、そんな風に思っていた


>>1よ、あらためて、礼を言わせてくれ
こんな長文は空気を読まない書き込みかもしれない
けれど、このタイミングしか自分には無かった
器用なことは出来ない、できたら悩みもしなかっただろう

ありがとう。
このスレに、この板に、このタイミングで出会えたことに、
心から感謝する

ありがとう。



478 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/21(水) 11:46:31 ID:3mH1E8F+
投下乙!
親しい者を亡くして不安定になっていた少年にはアイデンティティの拠り所が必要だったんだろうな
ヴィジュアルに関しては、少年は短髪で細身で筋肉質、少女はポニーテールでりんごほっぺみたいな感じで大体はリアルなイメージなんだけど、
なぜか女AだけはツンのAAのイメージ

479 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/22(木) 04:00:35 ID:CYG6Cjew
友人はバンブレのサヤとバーディーの早宮をたして二で割ったような感じ
あとはs(長すぎる為省略されました

とりあえず>>472に少年が二人で世界がヤバイ

480 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 17:18:53 ID:taUt2xii
1です
今日の22時〜投下します

481 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 17:41:53 ID:taUt2xii
あと熱いレスをいただいたので返しますw

>>477
仕事の失敗はきますよねぇ、責任あるしw
そんな時に家族や古い友人といると楽になりますよね
これは凄い裏設定で本編では描くつもりは無いことですが、
>>478のおっしゃってる通り、少年にはそんな場所が無いんです
この登場人物6人全員にはそれぞれテーマを持たせながら書いているんですが、
少年のテーマは「愛してくれる人物を見つける」だったりします、海編ではそれを書きたかった
まぁ、そんな誰かを救えるような大層なもんになるのは難しいですけどw
でも、一瞬でもこの物語を読んでそんな気持ちになってくれた事に、こちらからお礼を言わせてください
ありがとう!

>>479
少年のキャラ崩壊してるwww
正しくは

少女「私も、お世話になりました」
少年「・・・お世話様です」

そして登場人物のイメージは・・・なるほど、やっぱり決めない方が良さそうだ
というのも自分のイメージしてるのとは結構違ってたのでwww

482 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 22:00:33 ID:taUt2xii
一週間後

ピピピッ

ピピピッ

ピカチッ…

少女「ん・・・ぅぅ・・・」
少女「・・・」
少女「・・・」ムクリ
少女「・・・」
少女「・・・」キョロキョロ
少女「・・・」
少女「ふ・・・わぁ・・・」ググツ…
少女「・・・」パタリ
少女「・・・」
少女「・・・朝かぁ・・・」
少女「・・・」
少女「・・・」スタッ

少女「ん・・・ぅぅぅぅぅぅ〜・・・」

グググッ…


パタリ

少女「・・・よしっ」

483 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 22:15:11 ID:taUt2xii
少女宅 庭

少女「ぼっくらはみんな〜いっきている〜♪」シャー
少女「いきっているから・・・えーと・・・」シャー
少女「あ、そうそう、うたうんだ〜♪」シャー
少女「ふ〜・・・それにしても今日は朝から暑いなぁ」
少女「まだ6時前なのに、もう日差しを感じるよ」
少女「・・・あれ?」
少女「あ〜・・・このアイリスはもうそろそろ終わりかなぁ・・・」
少女「今年は雨も少ないから大丈夫だと思ってたけど・・・」
少女「やっぱり庭植えじゃなくて鉢にしようかなぁ」
少女「・・・あ、ミミズ」ペイッ
少女「確かアイリスの植え替えは・・・10月位だっけ?」
少女「去年株分けしたから今年はいいかな」
少女「ん〜、やっぱりジャーマンは難しいなぁ・・・」
少女「こっちのカルミアは・・・うん、綺麗に咲いてるね!」
少女「今年初めてだったけど、可愛い花だなぁ///」
少女「う〜ん、見蕩れる・・・///」
少女「・・・あ、ダンゴムシ」ペイッ
父親「おはよう少女」
少女「あ、お父さん、おはよう」
父親「今日は暑いなぁ」
少女「ねっ」
父親「よし、少女、お父さんと一緒にプール行こうか!」
少女「・・・」
父親「なっ、何だその目は」
少女「お父さん、流石に高校生の娘と一緒にプールは、どうかと思うよ・・・」
父親「だってお前海行ったって言うのに写真の一枚も撮ってきやしなかったじゃないかっ!」
少女「そんな必死に捲し立てられても・・・」
父親「父さんは悲しいっ!父さんだって娘の水着が見たいっ!!」
少女「・・・あ」
父親「ん、どうした?もしかして水着姿を今この場で見せてくれるのかっ!?」
少女「・・・いや、その、後ろ・・・」
父親「よーしわかった待ってろ!今すぐボーナス叩いて買ったCANON製一眼レフEOS-1Vお値段21780円を」
母親「ふーん・・・ボーナスが少ないと思ったら、そんな所に消えてたのね」
父親「ああそうさ、それもこれも全て少女の麗しい姿を後世まで残す為に・・・」
母親「・・・」
父親「・・・」
母親「・・・」
父親「・・・や、やぁ母さん、おはよう、いやぁ今日は暑いねぇ」
母親「ちょっとこっち来ましょうか」ガシッ
父親「違うっ!違うんだっ!!ちゃんと仕事で使うんだよ!必要なんだよ!!」ズルズル
母親「少女、そろそろ朝ご飯にしましょうか・・・この変態のカメラをオークションに出品してから」
父親「いやあああぁぁぁぁぁ!!オークションだけは嫌あああぁぁぁぁぁぁ!!!」ズルズル

少女「・・・」
少女「朝から元気だなぁ・・・」
少女「・・・」
少女「・・・あ、ケムシ」ペイッ

484 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 22:29:09 ID:taUt2xii
少女「いただきまーす」
父親「カメラ・・・俺の夢・・・ロマンが・・・」
母親「・・・あ、そうだ、明日から従兄君がうちに泊まりにくるから」
少女「従兄お兄ちゃんが?」
父親「随分急だなぁ」
母親「ええ、こっちでの就職が決まったから、部屋探しをしたいんですって」
少女「そっか、お兄ちゃん就職したんだっけ」
父親「よかったなぁ、すんなり決まって」
母親「だから一週間位は一緒に生活する事になるけど、別に問題ないわね?」
父親「問題ないよな?」
少女「・・・あ、え?私に言ってる?」
母親「二人によ」
少女「わ、私は大丈夫だよ?」
父親「彼はどこで寝るんだい?」
母親「あなたの部屋でしょうねぇ」
父親「・・・そしたら僕はどこで寝るんだい?」
母親「そりゃ、リビングでしょうねぇ」
父親「・・・ですよねー」
母親「ともかくそう言う事だから、よろしくね」
少女「はーい」
父親「・・・はーい」

少女(従兄お兄ちゃんかぁ・・・久しぶりだなぁ)
少女(最後に会ったのは・・・私が小学5年生の時かな?)
少女(その時は大学受験でこっちまで出てきたんだよね)
少女(結局、地元の方の大学に行ったみたいだけど・・・)
少女(それにしても・・・就職かぁ)
少女(・・・あの時は、あんなに大きく見えたのに)
少女(来年は、私が受験なんだよね、なんか不思議)
少女(私も、あの時のお兄ちゃんみたいに、大きくなれてるのかな・・・?)

485 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 22:50:24 ID:taUt2xii
喫茶店

カランカラン

店長「いらっしゃいまs・・・って少女ちゃんか」
少女「こんにちわ店長さん」
店長「はい、こんにちわ、アッサムでいいかしら?」
少女「はい」
店長「了解っ、ちょっと待っててね」
少女「はーい」

店長「お待たせしました」
少女「ありがとうございます」
少女「コクッ・・・ん〜、おいしいっ!」
店長「ふふ、それはどうも」
少女「にしても・・・今日は沢山お客さんがいますね」
店長「ねぇ?暑いからかしら」
少女「あー、なるほど・・・」
店長「それで、少女ちゃんは何か用事で?」
少女「はい、友人ちゃんと待ち合わせしてるんです」
店長「友人ちゃんと・・・ははぁ〜ん、分かった、夏休みの宿題だ」
少女「なっ、何で分かったんですか!?」
店長「私も学生時代はよくやったわ、夏休みも終わりに近づいてきたら、勉強のできる子に宿題を見せてもらうっていう」
少女「いつの時代も同じですね・・・」
店長「しかし友人ちゃんも図々しいわねぇwww」
少女「あ、いや、見せてもらうのは・・・」

カランカラン

友人「お、いたいた、おっす少女」
少女「あ、友人ちゃん、おはよう」
店長「来たなサボり魔めwww」
友人「サボり魔?」
少女「あの、店長さんっ、見せてもらうのは私の方で・・・」
店長「あら、そうなの?意外ね」
友人「・・・何の会話があったか容易に想像できる上、非常に不服なんですけど」
店長「ごめんごめんwwwでも、少女ちゃんってそんなに宿題溜めるようには見えないけど?」
少女「いや、一応全部終わってるんですけど・・・」
友人「この子英語だけはとことん苦手だから、少し教えてほしいんだそうです」
店長「へぇ、そうなんだ?What time is it now ?」
少女「へ?あ、え、えっと、い、いえす、おふこーす・・・?」
店長「・・・これはひどい」
友人「中学一年生レベルよそれ・・・」
少女「う、うぅ・・・///」

486 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 22:57:49 ID:FYa1Jdad
>>483
いつもながら乙。
カメラの値段、桁が少ないような気がする。

487 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 23:00:18 ID:taUt2xii
>>486
うお、まじだ
正しくは217800円でした、指摘ありがとう
しかし調べてびっくりしたけど、一眼レフって高いな・・・

488 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 23:01:14 ID:taUt2xii
ペラ…

ペラ…

友人「どう?」
少女「・・・ほとんど間違ってました」
友人「まぁそうよねぇ」
店長「どれどれ・・・うわっ、凄い空欄」
友人「って、それじゃあ間違える以前の問題でしょうがっ!」
少女「ど、どうしよう、友人ちゃ〜ん!」
友人「どうしようと言われても・・・」
店長「これは見せてもらうだけじゃなく、一から勉強し直した方がいいレベルね」
少女「うぅ・・・なんで英語なんてあるんだろう・・・日本人なのに私・・・」
友人「そんな事言ってると時代の波に乗り遅れるわよ」
店長「友人ちゃん教えて上げたら?」
友人「ん〜・・・私教えるのって苦手なんですよねぇ」
店長「あ、やっぱり?分かってた!」
友人「じゃあなんで振るんですかっ!?」
少女「そんな事言わないで、教えてください・・・」
友人「う〜ん・・・他に誰か周りでいないの?」
店長「帰国子女とか、親がアメリカ人ですとか」
少女「そんな人なんているわけが・・・」

『親父に連れられて海外にはよく行った事あるから』

少女「・・・あるかも」
友人「お、本当に?」
店長「じゃあその人に教えてもらいなさいよ」
少女「で、でも、迷惑だろうし・・・」
友人「まぁ、確かに面倒くさくはあるわよね」
店長「かもね」
少女「だよねぇ・・・」
友人「ま、自分で解決するのもいいんじゃない?」
店長「努力は必要よね」
少女「そ、そうだよね」
友人「ちなみに、それって誰?」
少女「えっと、少年君・・・」
友人「行け!!今すぐ行け!!」
店長「凄い変わり身!?」
少女「な、なんで?」
友人「だってあんたそりゃ・・・!」
少女「・・・そりゃ?」
友人「あ・・・う〜ん・・・いや、なんでもない」
少女「?」
友人「とにかくっ、少年君には絶対聞いてみる事、分かった!?」
少女「は、はい・・・?」
店長「・・・少年君って、何者?」

489 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 23:15:27 ID:taUt2xii
友人「それじゃ店長、また来ます」
少女「ごちそうさまでしたー」
店長「はいはーい、ちゃんと宿題終わらせるのよ?」
少女「う・・・頑張ります」
友人「んではまたっ!」
店長「また来てね〜」

友人「さて、これから私は部活だけど・・・どうするの?」
少女「うん、私も学校に行って庭の手入れしなきゃ」
友人「そっか」
少女「英語の事・・・少年君に聞いた方がいいかな?」
友人「まぁ、私は少年君がどの程度英語できるのか知らないけど・・」
少女「少年君凄いんだよっ!なんかお父さんと一緒にアメリカによく行ってたらしくって」
友人「へぇ?お父さんって貿易関係の人かなにか?」
少女「ううん、レコーディングエンジニアだって」
友人「・・・なんだそりゃ」
少女「なんか、CDの音を録音する人・・・みたいだよ?」
友人「ふぅん?」
少女「英語の授業の時も寝る余裕がある位ばっちしなんだ!」
友人「・・・それはいいのか悪いのか分からないね」
少女「だから教えてもらえれば凄く助かるんだけど・・・」
友人「だったらとりあえず聞いてみたら?」
少女「う〜ん・・・」
友人「うん、きっと少年君も快諾してくれると思うよ」
少女「そ、そうかな?」
友人「そうよ」
少女「う〜ん・・・」
友人「まぁ、このまま夏休みの宿題が終わらないまま、新学期を始める勇気があるなら、話は別だけど」
少女「う・・・わ、分かった、聞くだけ聞いてみるよ」
友人「うんうん、それがええ、それがええ」
少女「にしても・・・なんだか凄く少年君の事押してるように見えるけど・・・なんで?」
友人「そりゃぁ・・・あれよ」
少女「あれ?」
友人「・・・あ、校門だっ!それじゃあ、またね少女っ!」ダダダッ
少女「あ、うん・・・またね・・・?」

友人(ふぅ・・・危ない危ない)
友人(あまりの初々しさについ助言をしそうになってしまった)
友人(こういのは自分で気付かないと意味ないしなぁ・・・)
友人(頑張れ少女、頑張れ少年・・・)
友人(そして頑張れ私・・・春よ来い・・・)

友人「・・・はぁ」

490 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 23:31:35 ID:taUt2xii
コンコン

用務「はいよ?」
少女『少女です、入っていいですか?』
用務「おぉ、少女ちゃんか、あがれあがれ」

ガチャ

少女「失礼します」
用務「いちいちドア越しに確認とらんで、勝手に入ってきて構わねぇのに」
少女「いえ、やっぱり親しき仲にもと言いますか・・・」
用務「律儀だなぁ」
少女「クスッ・・・このやり取り、ずっと続けてますよね」
用務「そういえばそうだなぁ、さしずめ、これが俺らなりの挨拶ってとこかwww」
少女「そうですねw」
用務「おっと、今茶を入れるからな、待っててくれ」
少女「ありがとうございます」

コポポポポ…

カタン

用務「んで、今日はどうした?」
少女「はい、お花の事について相談があって・・・」
用務「ほほぅ?」
少女「その・・・凄く頼みにくい事なんですけど・・・」
用務「気にせず言ってみぃ」
少女「はい・・・実は、お花のお世話を、用務さんにお頼みしたいな、と思って・・・」
用務「花の世話を?」
少女「はい・・・」
用務「いや、お易い御用だが、またどうして?」
少女「えっと、修学旅行や文化祭とかで忙しくなると、中々手入れをする時間がなくて・・・」
用務「・・・あぁ〜!そうか、もうそんな時期か」
少女「まだ先の話しですけど、少なくとも修学旅行のある10月後半は・・・」
用務「あー、いいっていいって!そんなん言わなくてもやっとるわ」
少女「すいません、ありがとうございます」
用務「しかし修学旅行かぁ・・・今年も京都かい?」
少女「はい、そうみたいですね」
用務「そうか、京都はいい所だ、若い人には退屈かもしれんが、時間の流れが違う」
少女「そうなんですか?」
用務「おう、楽しんでおいで!」
少女「はいっ!」

491 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/24(土) 23:45:53 ID:taUt2xii
旧校舎への道

少女「よかった、これで心配事が一つ減った・・・」
少女「それまでに色々と万全の状態にしておかないとね」
少女「・・・あれ?」

社会「いや、いいじゃないですか、一部屋ぐらい!」
理事「だーめ、あなたの場合はそのまま住む勢いだから駄目よ」
社会「だって今の資料室めっちゃ狭いんですもん!」
理事「それはあなたが物を乱雑にしているからでしょ?」
社会「いや、それもありますけど・・・」
理事「ならどの部屋を借りても同じだと思うけど」
社会「そこをなんとかっ!」

少女「珍しい組み合わせだなぁ・・・」

社会「あ!少女ちゃん!」
理事「ん・・・?あら、来たのね」
少女「こんにちわ社会先生、理事長さん」
社会「少女ちゃんからも言ってやってよ!」
理事「こら、生徒をダシに使うんじゃない!」
少女「何の話しですか?」
理事「社会先生が、部室棟が出来たら一部屋くれって言うのよ」
少女「部室棟・・・わっ!すごい、もうここまで工事終わってるんですね!!」
社会「逆に目の前に来るまで気付かなかった少女ちゃんが凄い・・・」
少女「うわぁ・・・綺麗になりましたねっ!」
理事「でしょ?苦労したんだから」
社会「大工さんがな」
理事「だまらっしゃい」
少女「なんていうか、昔の旧校舎ってこんな感じだったのかな、って思うぐらい綺麗です!」
理事「それはそうよ、旧校舎の耐震工事をしただけだから」
社会「確かになぁ・・・昔はこんな感じだったかもな」
少女「あれ?社会先生もこの学校出身なんですか?」
社会「ああ、もう20年以上も前の話しさ・・・」
理事「そのころはまだ旧校舎が校舎として使われていたからね」
社会「あの時はとにかくボロくてな・・・これほど立派じゃなかったが」
理事「でもこれで、ようやく無駄な設備が一つ無くなるわ」
少女「いつから部室棟として使うんですか?」
理事「夏休み明けからだから・・・あと一週間強ってところかしらね」
少女「なるほど〜・・・」
理事「2学期からも宜しくね?」
少女「へ?何がですか?」
理事「中庭の手入れよ」
少女「あ、それは勿論!」
社会「頼もしいねぇ!流石少女ちゃんっ!これならイメージ戦略も完璧だな!」
理事「ば、馬鹿っ!」
少女「・・・イメージ戦略?」

492 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 00:00:17 ID:/6Cs9rSk
理事「いや、まだお話しする事ではなかったんだけど・・・」
社会「いいじゃないですか、言っちゃいましょうよ」
理事「あんたは黙ってなさいっ!」
社会「・・・へ〜い」
少女(この二人って、案外仲良かったんだなぁ・・・)
理事「実はね、学校のパンフレットに中庭の写真を載っけたいのよ」
少女「パンフレットにですか?」
理事「ええ、それで、いずれ少女ちゃんに許可を取りたくってね」
少女「そ、そそ、そんなっ!許可だなんて、私の物でもなんでもないですよっ!」
理事「でも今まで自分の手入れしてた庭を、勝手に撮られて勝手に載せられてたら嫌でしょ?」
少女「え、えっと・・・別にそんな事は・・・」
社会「ほら言ったじゃないですか!少女ちゃんはそんな事気にする子じゃないって!」
理事「黙 っ て ろ と 言 っ た は ず だ け ど」
社会「はい」
少女(・・・しっかりと上下関係はあるんだなぁ)
理事「いつ写真を撮るとかはまだ未定だけど、来年度のパンフレットには載せたいから、いずれお願いできるかしら?」
少女「は、はいっ!・・・でも、私なんかが手入れした庭で、いいんでしょうか?」
理事「どういう意味?」
少女「いえ、それならもっとちゃんとプロの方がやった物の方が・・・」
社会「園芸にプロってあr」
理事「社会?」
社会「はい」
理事「むしろ生徒が弄った庭の方が載せやすいわ、まぁそれこそイメージ戦略になるんだけど」
少女「そう、なんですか?」
理事「例えば、『1から10まで全部プロが弄った庭です!』って聴いたらどう思う?」
少女「私だったら写真に食い入るように見入ってしまうと思います」
理事「ま、まぁあなたは園芸が好きだから、プロの仕事が気になるってのは分かるけど・・・」
少女「でも・・・普通の人だったら、やっぱりどこか『作られたもの』って感じる・・・のかなぁ?」
理事「じゃあ、『在校生が真心混めて手入れをしています!』って聴いたら?」
少女「そ、そんなっ、真心なんて・・・こめてますけど、でもそれだと凄い大げさな・・・」
理事「でしょ?大げさに聞こえるってことは、それだけ好印象に見えるってことよ」
少女「・・・はぁ、なるほど」
社会「でm」
理事「社会」
社会「はい」
少女「あ、あの・・・社会先生にも喋らせて上げてください・・・」

493 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 00:18:21 ID:/6Cs9rSk
社会「でも、少女ちゃんは謙遜する事無いと思うぜっ!」
少女「いえ、私なんかまだまだです」
社会「くぅ〜・・・これだよ!この大和撫子魂っつうの!?どこまでも奥ゆかしいみたいなっ!」
理事「喋らせるとこんな感じだけど、いいのかしら」
少女「は、はは・・・」
社会「まぁ冗談はさておき・・・いや冗談じゃなくて本気だが・・・」
理事「早く本題に入りなさい」
社会「そう急かさないでくださいよぉ、つまり僕に部屋を一つ貸してくださいってことですよ!」
理事「却下」
社会「そんなぁ〜!」
少女(話しが振り出しに戻ってる・・・)
理事「そんなに欲しかったら何かの部活の顧問になる事ね」
社会「顧問?」
理事「ええ、部活としてなら貸してあげない事も無いわ」
社会「本当ですねっ!?よっしゃぁ!!今から『郷土史研究部』を作ってきまっす!!」ダダダダダッ…
少女「郷土史・・・研究部・・・」
理事「間違いなく誰も入らないわね、安心安心」
少女「はは・・・」
理事「それで、少女ちゃんは今日も庭の手入れに?」
少女「あ、はい」
理事「そう、ご苦労様ね」
少女「いえいえ、唯一の趣味ですから」
理事「・・・唯一の趣味・・・か」
少女「はいっ」
理事「ふふっ・・・やっぱりどこか似ているわね」
少女「え?」
理事「なんでもないわ、それじゃあ写真の事、宜しくね」コツコツコツ
少女「あ、はいっ!」

少女「・・・似てるって、誰にだろ?」
少女「ま、いっか、中庭中庭〜」

494 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 00:31:00 ID:/6Cs9rSk
中庭

少女「こっちのアイリスはまだまだ元気だね」
少女「う〜ん、やっぱり土の問題かなぁ・・・」
少女「とりあえず、芝を手入れして・・・」
少女「・・・」
少女「・・・」クルッ
少女「・・・」ジーッ

少女(2学期からは、こういう作業風景も、誰かに見られるってことだよね)
少女(例えば、あそこの2階の廊下からとか)
少女(部室棟とはいえ、手入れの時間と部活の時間がちょうど重なってるし)
少女(そうしたら、嫌でも人目につくよね)
少女(きっと、何してるんだろうって、思われるだろうなぁ)
少女(こんなことやってるの、私だけだし)
少女(うちのクラスの人は、いつの間にかみんな知ってるみたいだけど)
少女(後輩とか、先輩とかは、当然私の事なんて知らないだろうし)
少女(不思議に思われるだろうなぁ)

ビュウッ

少女「あ、帽子が・・・」

ヒュゥ…

少女「・・・あれ?」

少女(・・・)
少女(・・・あれ?)
少女(・・・)

少女(いま、私・・・なんて思った?)
少女(誰かに見られる、って思ったよね・・・?)
少女(不思議に思われる、って、考えたよね?)
少女(なのに・・・それなのに、全然・・・)

少女(恥ずかしいなとは・・・思わなかった・・・)

ビュウゥ

サワサワ…

少女「・・・どっか、いっちゃった」

495 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 00:44:05 ID:/6Cs9rSk
校門

守衛「おう、少女ちゃん、今日はもう帰るのかい?」
少女「はい、日も暮れてきたので」
守衛「そうか、お疲れさま」
少女「いえ、守衛さんもお疲れ様です」
守衛「ああ、そういえばアレから言いそびれてたけど」
少女「はい?」
守衛「墓参り、行ってくれてありがとな」
少女「そんなっ、私が自分から行きたかっただけですので・・・」
守衛「そう言ってくれると嬉しいね」
少女「それに・・・その時に大切な物をいただきましたから・・・」
守衛「ん?大切な物?」
少女「あ、いえ、なんでもないです、お疲れ様でしたっ!」
守衛「うん、お疲れ・・・?」

少女「さてと・・・あ、もう6時半だ、急いで帰らないと」
少女「・・・そういえば、少年君に英語の事、聞いてみないとなぁ」
少女「メールでいいよね・・・いや、電話の方がいいかな・・・?」
少女「そもそも引き受けてくれるかどうかも分からないし・・・」
少女「でも、少年君に教えてもらったら少しは苦手じゃなくなるかなぁ・・・」
少女「うぅ・・・どうしよう・・・」
少女「・・・い、家に帰ってから考えよう」
少女「うん、こういう事は冷静に判断した方がいいって、どっかの誰かが言っていた」
少女「・・・ような気がする」
少年「そうなのか」
少女「うん・・・」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・」
少女「・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「っ・・・・・・・・・//////」ワナワナ
少年「・・・すまん、そんなに驚くとは思わなかった」

496 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 00:51:47 ID:/6Cs9rSk
少女「い、い、い、い、い、いつからいたのっ!?///」
少年「『冷静に判断した方がいい』あたりから」
少女「ど、ど、どうして、ここに、いるのかな?///」
少年「いや、夕飯の買い出しの帰りなんだが・・・」
少女「夕飯の・・・そ、そっか・・・///」
少年「それで、何を冷静に判断するんだ?」
少女「あ、いや、あの、えっとね、その・・・///」
少年「・・・」ムッ
少女「わ、私、英語が苦手なんだっ!!」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・///」
少年「ああ・・・知っているが」
少女「・・・そ、そうだよね」
少年「・・・それがどうかしたのか?」
少女「あ、えっと、それでね、夏休みの宿題が、全然分からなくて・・・」
少年「ああ」
少女「これはもう一から勉強し直すしか無いなと思って・・・」
少年「ああ」
少女「そ、それで・・・英語の得意な人に頼めないかなって考えて・・・」
少年「・・・」ムッ
少女「も・・・・・・もし、ほ、ほんとに、暇だったらで、いいんだけどっ!」
少女「わ、私に、英語を教えてもらえない、かな、って・・・思って・・・///」
少年「・・・」ムッ
少女「・・・だ、だめ、かな?///」
少年「・・・俺が、か?」
少女「う、うん」
少年「いや、別に構わないが」
少女「え?」
少年「俺で務まるかどうかは分からんが」
少女「い、いいの?」
少年「ああ」
少女「ほ、ほんとにっ?」
少年「・・・なぜそこまで反応するのか、よくわからんが、本当だ」
少女「あ、ありがとうっ!!」
少年「それで、いつ行けばいいんだ?」
少女「あ、えっと、明日でいいやっ!」
少年「明日お前の家に行けばいいんだな?」
少女「う、うんっ!」
少年「時間は午後2時ぐらいでいいか?」
少女「う、うんっ!」
少年「分かった、それじゃあ俺はこっちだから」
少女「う、うんっ!・・・って、あ、もうT字路か・・・」
少年「明日2時にお邪魔するぞ」
少女「うんっ、待ってるね///」
少年「ああ・・・じゃあな」
少女「ば、ばいばいっ!」ヒラヒラ

497 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 01:04:54 ID:/6Cs9rSk
少女「・・・あー・・・びっくりしたぁー・・・」
少女「ま、まさか本人と直接話すなんて・・・選択肢に無かったよ」
少女「で、でも、これで英語はばっちりだね!」
少女「明日の2時からは頑張ろうっ!」


母親「明日の2時?別にいいけど、従兄君いるわよ?」
少女「あ・・・」
少女(そ、そうだった・・・明日から従兄お兄ちゃんいるんだった・・・)
父親「明日誰か来るのかい?」
少女「う、うん、裏の家の少年君が・・・」
父親「な、なんだってー!?」
母親「一人でやっても寂しいわねそれ」
少女「い、言っとくけど、英語を教えにきてもらうだけだからね?」
父親「いやいやいや、お前、男が女の家に上がるってのがいかにハードル高いかってのが・・・」
母親「あらー、カメラ入札はいってるわねー」
父親「ええええええぇぇぇぇぇぇ!?」
母親「しかも95000円・・・半値以下ね」
父親「あぁぁぁぁぁ俺の夢がぁぁぁぁぁぁ!!」ガクブル
少女(さ、流石に可哀想だなぁ・・・)
母親「それで、従兄君がいてもいいなら、うちとしては問題ないけど」
少女「う、う〜ん、もう約束しちゃったし、それでいいよ」
母親「そ、ならいいわ」
少女「うん、よろしくね」
母親「何か用意しとく物とかは?」
少女「あ、特にないから大丈夫」
母親「あらそう、分かったわ」
父親「このやろぉぉぉぉぉぉ!!こうなったら俺が落札してやるぅぅぅぅ!!」
母親「ふふ・・・ボーナスを無断で使った罰よ・・・」

少女(前から薄々思ってたけど・・・お母さんって、Sなのかなぁ・・・?)

498 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 01:06:57 ID:/6Cs9rSk
ここまでです、少なくてスマン
次回投下は来週の中頃に、この時間ぐらいで

499 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 02:15:36 ID:VopOur6Y
投下おちゅりん
>>誤爆
だがちょっと待て、このままだと1000どころか容量で落ちるぞ
開き直って次を立てるんだ!

500 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 03:18:59 ID:AI/FCoc1
おちゅりんりんなのです〜☆
少年 vs 従兄の構図が目に浮かぶ!
期待してまするー

【少女と中庭と】モブ少女Part2【不思議な世界】

501 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/25(日) 08:59:43 ID:4eJj72hs
投下乙!
本当だ
確かに容量やばい
ところで俺も少女の家にお邪魔したいんですけど、どうすれば行けますか?

502 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 22:33:14 ID:833iA7ps
1です、え、いくつになると容量落ちなんだ??
てかこんなオナニーで2スレ目たてていいのかなぁ・・・他の住人に迷惑な気が・・・
新参だからそこんとこ分からん、どうなんでしょ?
もしアレだったら一ヶ月ぐらい後にテキストファイルうpとかでも

503 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 22:37:28 ID:kChi3ZEx
容量落ちは500kb
現在、479kb
スレは…いるならたてちまえ

504 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/26(月) 23:00:27 ID:oSfLbrl7
マジレスすると創発はスレ保持数がありあまってるから、新スレが立って誰かが迷惑するってことはない
というより続きが読みたいから、ぜひ次スレを立てて欲しいんだぜ

505 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 00:16:12 ID:C1rF+kLd
そうなのか、分かった、じゃあ遠慮せずたてさせてもらおうか
>>500で書いてくれたみたいなスレッド名もかっこいいけど、単純に「モブ少女-2-」でいくぜ
次回投下は明日22時〜にして、それと同時にたてちまうわ
このスレの残りは・・・なんか適当に消費しちまってくれ
俺も試験的に地の文ありで少しのっけてみる

506 名前:500:2009/10/27(火) 01:53:35 ID:TXo7Di/G
その方がこのスレらしいかもねー



(心の中:(´;ω;`)ブワッ)

507 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 02:45:56 ID:C1rF+kLd
地の文ありは無理でしたwww
俺のボキャブラリーと文才とセンスじゃ、表現しきれなかった・・・

>>500
すまんねwww俺もそうしたいのは山々なんだが・・・
ただなんというか、作品のテーマ的にあまり目立つものは避けたかったんだ
決して気に入らなかったと言うわけではなく、むしろそれでスレたてしようかと考えたぐらい気に入ってるwww
不思議な世界感を受け取ってくれたみたいで凄く嬉しい、ありがとね!

でもやっぱりスレッド名ってその人がこの作品をどう捉えているかが一発で分かるね
他の人ならどんな感じで付けるのかも見てみたかったり・・・とか言ってみたり・・・

508 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 22:00:13 ID:C1rF+kLd
1です
とりあえず容量使い切るまで投下して、使い切ったら次スレたてます


翌日

母親「少女〜、そろそろ朝ご飯よ〜」
少女「あ、はーい、ちょっと待ってー」
母親「早く来なさいねー」
少女「はーい」
父親「そういえば、従兄君はいつ来るんだい?」
母親「昼頃じゃないかしら?今日はずっと家にいるから何時に来てもいいとは言ってあるのだけど」

ピンポーン

父親「・・・来たんじゃないかい?」
母親「まさかっ!まだ朝の8時にもなってないわよ」
少女「とりあえず私出るね」

少女『はい?』
??「おはようございます、従兄です」
少女『あ、やっぱり従兄お兄ちゃん?』
従兄「その声は・・・少女かな?」
少女『うん、待ってて、今開けるから』
従兄「ああ、頼むよ」

ガチャ

少女「おはよう、お兄ちゃん」
従兄「・・・」ポカーン
少女「わ、大きくなったね、お兄ちゃん」
従兄「いや・・・少女こそ、立派になったなぁ」
少女「そう?」
従兄「ああ・・・美人になった」
少女「そっ、そんな事ないよ///」
従兄「ははっ、照れ屋は相変わらずか」
少女「と、とりあえず中に入って///」
従兄「ああ、お邪魔します」

509 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 22:13:20 ID:C1rF+kLd
母親「いらっしゃい、従兄君」
従兄「ご無沙汰してます、母親さん」
父親「やぁいらっしゃい、随分早かったね?」
従兄「父親さんもご無沙汰です、こんな朝早くからすいません」
父親「いやいや、我が家の朝は6時から始まってるから、それは大丈夫なんだが」
従兄「はい、先日お電話した時にそう伺ったので、夜行便で来ちゃいました」
母親「なるほどね、とにかく玄関で話すのもアレだから、あがってあがって」
従兄「はい、お邪魔します」

母親「ちょうど朝ご飯にしようと思ってた所よ」
従兄「そうなんですか、すいません」
父親「いいっていいって、従兄君はもう食べたのかい?」
従兄「いえ、まだです」
母親「じゃあ丁度いいわ、一緒に食べましょう」
従兄「すいません、ごちそうになります」
少女「それにしても、久しぶりだね、お兄ちゃん」
従兄「ああ、元気にしてたか?」
少女「うん、まぁ、そこそこ」
従兄「そうかwww」
少女「こっちには部屋を探しに来たんだっけ?」
従兄「そうそう、就職先がここら辺だから、ちょうど良かったんだ」
母親「あ、遅れちゃったわね、就職おめでとう」
父親「ああそうか、おめでとう従兄君」
少女「おめでとう!」
従兄「ありがとうございます」
母親「どこの会社に就職したの?」
従兄「IT系・・・と言えば聞こえがいいですけど、まぁ普通の会社ですね」
父親「3年生の夏に就職が決まるなんて、今は早いんだなぁ」
従兄「いやぁ僕もびっくりしましたよ、まさか試しに受けた会社が受かるとは」
少女「それってやっぱり凄いんだ?」
従兄「普通は4年生になってからが勝負だよ、3年生はその為の準備期間にあてる人が多い」
母親「そう考えると、よっぽど運が良かったのねぇ」
父親「いやぁ、実力だろう」
従兄「いえいえ、たまたまですよ」
父親「またまた、謙遜しちゃってwww」

少女(なんだか従兄お兄ちゃん、大人になったなぁ・・・)

510 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 22:29:52 ID:C1rF+kLd
従兄「では、いただきます」
少女「いただきまーす」
父親「いただきます」
母親「はいはい」
従兄「ズルッ・・・ん〜!うまいですっ!」
母親「それは良かったわ」
従兄「うちは朝は大抵パンなので、こういうご飯とみそ汁の朝食は凄く新鮮です」
父親「ふふ、僕の好みなのさっ!」
母親「威張って言う事じゃないでしょ」
少女「私はどちらかと言うと、パンの方が好きかなぁ・・・」
父親「そうなのかい?」
母親「あら、初耳だわ」
少女「いや、うちのご飯とパンとどちらと言われたら、間違いなくうちのご飯だけど」
従兄「パン派かご飯派か、って話しだろう?」
少女「うん」
母親「そうねぇ、それを言ったら私もパンかしら」
父親「・・・あれ?もしかしてご飯派は僕だけ?」
従兄「いえいえ僕もですよ父親さん」
父親「そうだよなぁ!やっぱり朝はご飯だよなぁ!」
従兄「男は黙って白米一択!」

ガシッ

父親「良かった・・・この家での味方は君だけだよ・・・!」
従兄「父親さん・・・男同士頑張りましょう・・・!」
母親「しまった、彼もあちら側だったか」
少女「い、いつのまに私たちが敵みたいになってるの・・・?」
父親「まぁそれは冗談として・・・何か分からない事があったら何でも聞いてくれ」
母親「ええ、場合によっては一週間以上いるかもしれないんだから、遠慮する事は無いわ」
従兄「はい、甘えさせてもらいます」
少女「それで、部屋探しはいついくの?」
従兄「とりあえず今日はゆっくりしつつ、ネットでここらの不動産を探してみようかなと」
母親「そうしなさい、夜行便は疲れたでしょう?」
従兄「ええ、実はほとんど寝てなくって・・・」
父親「それはいかんな、部屋に案内するから寝るといいよ」
従兄「はい、ありがとうございます」

511 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 22:45:35 ID:C1rF+kLd
母親「部屋はこの部屋を使って頂戴」
従兄「ここは?」
父親「僕の部屋だよ」
従兄「そんなっ、悪いですよ」
父親「ははっ、いいんだよ、どうせ仕事で昼間空けるんだから、寝るとこさえあればいいのさ」
従兄「すいません、お借りします」
母親「ちなみに、少女の部屋の隣だから・・・色々気をつけてね?」
従兄「は、はいっ・・・」
少女「・・・気をつけるって、何を?」
従兄「ははっ、な、なんでもないさ」
父親「これぐらいの年の男の子が気をつける事と言ったら、一つしか無いだろう?」
少女「?」
母親「・・・あ な た ?」
父親「おっと仕事の時間だ、行ってきまーす」
従兄「お気をつけて」
母親「まったくもう・・・」
少女「え、結局なんなの?」
従兄「少女は知らなくていいんだよ、うん」
少女「う、うん・・・?」

少女「あ、そうだ、お兄ちゃん」
従兄「うん?」
少女「昼過ぎぐらいからお客さんがくるんだけど・・・いいかな?」
従兄「ああ、構わないよ」
少女「ごめんね?こんな日に・・・」
従兄「いやいや、気にしなくていいよ」
少女「うん、ありがとう」ニコッ
従兄「あ、はは、どういたしまして・・・」

従兄(しかし本当に可愛くなったなぁ・・・)
従兄(いや、前から可愛かったけど、なんていうか・・・)
従兄(うん、大人っぽくなった、かな?)
従兄(こりゃクラスの男子が放っとかないな、きっと)
従兄(親戚の子とはいえ、本当の妹みたいに思ってるし)
従兄(もしそんな奴がいたら冷静でいられる自信が無いなwww)

従兄「それで、お客さんって誰が来るんだい?お友達?」
少女「う、うん、少年君っていう子」
従兄「少年・・・君・・・?」
少女「裏の家に住んでる、同じクラスの男の子だよ」
従兄「!!」

512 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 22:46:20 ID:C1rF+kLd
やべぇもう無理そう、次スレたてます

513 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 22:58:50 ID:C1rF+kLd
と思ったらスレ立て規制orz
依頼所いてきま

514 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 23:38:55 ID:C1rF+kLd
従兄「男の子・・・だと・・・」
少女「そうだよ」
従兄「それはあれか・・・あれなのか・・・」
少女「あれ?」
従兄「か、か、彼氏、って奴なのか・・・」
少女「なっ、ちっ、違うよっ!///」
従兄「そう、なのか・・・?」
少女「そ、そうだよ・・・彼氏だなんて・・・///」
従兄(なら何故そんなに赤面するんだ)
少女「少年君は、なんていうか、たまたま裏の家に引っ越してきた男の子で・・・」
少女「だから、仲がいいと言うか・・・///」
従兄(その割にはだいぶ意識しているようだが・・・)
少女「と、とにかくっ、そういう関係じゃ、ないから///」
従兄「そ、そうか・・・」
少女「うん・・・///」
従兄「・・・な、なんだ!残念だなっ!はっはっは!」
少女「へ?」
従兄「こんなに可愛いんだから、彼氏の一人ぐらいいるのかと思ったよ!」
少女「も、もうっ、またそんな事言って!」
従兄「いやいや、本当だぞ」
少女「お、おだてても何もでないよ・・・?///」
従兄「ちぇっ、残念」
従兄(その恥ずかしそうな顔が見れるだけで十分ですっ!!)
少女「それじゃあ・・・私学校行ってくるね」
従兄「学校?」
少女「うん、学校の花壇の世話をしてるんだ」
従兄「そうなのかぁ、偉いなぁ」
少女「好きでやってる事だよ」
従兄「そういえば庭に綺麗な花が沢山咲いてたな、あれも少女が?」
少女「あ、気付いてくれたんだ!?」
従兄「そりゃ気付くさ」
少女「うんっ、あれも私が育てたやつだよ」
従兄「なるほど、趣味って奴だ」
少女「まぁ、そうなるのかな」
従兄「だからといって、学校のものまで世話焼かなくても・・・」
少女「逆だよ逆っ!学校のだからこそ育てがいがあるんだよっ!」
従兄「はぁ、そういうもんかね」
少女「そういうもんです、それじゃあ、1時までには帰ってくるから」
従兄「ああ」
少女「私の部屋は・・・覗くぐらいならいいけど、あまり入り込まないでくれると嬉しいかな」
従兄「そんなことしないさwww変態じゃないかwww」
少女「そ、そうだよね、じゃあ、行ってきます」トテトテ
従兄「ああ、いってらっしゃい」

バタンッ

従兄「・・・さてと、少女の部屋はっと」

515 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 23:43:24 ID:C1rF+kLd
誤爆ったorz
上の話しから次スレでやります
「モブ少女-2-」
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1256653829/

516 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/27(火) 23:45:32 ID:jamLFOQ2
従兄www

517 名前:創る名無しに見る名無し:2009/10/28(水) 02:03:11 ID:PF3SxkBy
友達の妹の部屋に入り下着を見たことのある俺からすれば普通だな


…そんな目で見ないで(;⊃д⊂)


戻る 全部 最新50
DAT2HTML 0.35ep Converted.