シナリオ(鬼隠し編)

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シナリオ概要(鬼隠し編)



昭和58年 初夏

プロローグ
※「俺」による「彼女」の殺害を臭わせるシーン

シナリオ1
圭一が雛見沢村に引っ越してから3週間ほど経った頃……。
親類の葬儀が終わり、都会から雛見沢村に向かっているところから物語が始まる。
圭一は微睡の中で「彼女」が誰かに謝り続ける夢を見ていた。
都会育ちの圭一だったが、最近は寒村の静けさを受け入れるようになっていた。
都会から新幹線と電車を乗り継ぎ数時間、そこから更に車で山道を走る。
鬱蒼と木々が茂る山道が急に開けるとそこが雛見沢村である。

~アイキャッチ~

<1日目>
気持ちの良い朝。
空気が美味しい、朝食が美味しい、今日も絶好調…!
気立ての良いレナ。
愉快な纏め役の魅音。
悪戯盛りの沙都子。
慰め役の梨花。
仲間との楽しい日常生活がここにはある。
明日、レナと魅音に雛見沢村を案内してもらえることになった。


シナリオ2
<2日目>
レナと魅音に雛見沢村を案内してもらう。
雛見沢村の住人達は皆顔見知りだ。
そして、新しい仲間を歓迎してくれる。
昼食を古手神社で沙都子と梨花を交えて取る。
この神社は見晴らしが良い場所で、次の休みには綿流しというお祭りがある。
レナのうさぎりんごをかけてゲームをする。

~アイキャッチ~

帰宅途中、レナの寄り道に付き合い工事現場跡に行く。
沢を臨む斜面に粗大ゴミの山があるのだが、レナにとっては宝の山らしい。
宝探しをしているレナを待っていると富竹が現れた。
野鳥専門のフリー・カメラマンで雛見沢村にはたまに来るという。
圭一が冗談でバラバラ死体の話をすると、富竹から「嫌な事件だったね。」と言われる。
レナが宝探しを終えて戻ってくると、富竹は意味深な笑顔を浮かべて去って行った。
レナはケンタくん人形を見つけたと喜んでいる。
富竹から聞いたことをさりげなく聞いてみると、拒絶するかのように「知らない。」と言われてしまった。
去年まで余所に住んでいたから知らないのだという。
ひぐらし達だけが知っているような気がした。


シナリオ3
<3日目>
魅音達によれば、レナはよく工事現場跡で宝探しをするらしい。
何年か前に中止されたダムの工事現場跡だという。
魅音が圭一を部活に推薦して入部試験を実施する。
試験内容は(ガン牌)ジジ抜きで、魅音が優勝、圭一は最下位になった。
圭一の挑発で魅音が一騎打ちのワンチャンスを提示するが敗北してしまう。
しかし、魅音が期待するレベルの読みを披露できたので入部が決定する。

~アイキャッチ~

今日は珍しく魅音と二人で下校する。
ダムの工事現場で何かなかったかと聞くと、レナ同様に、拒絶するかのように「なかった。」と言われてしまった。
帰宅すると父親の機嫌が悪かったため外出することに。
ダム工事現場に行くとレナが斜面のゴミ山で奮闘していたので、ケンタくん人形の発掘を手伝う。
木材、角材、ベニヤ板を次々と捨てるが作業が進まず、休憩に入るとレナが麦茶を取りに家に向かう。
レナがいない間に、作業中に見つけた写真週刊誌を漁り、バラバラ殺人が本当にあったことを知る。
レナが斧を持って戻って来たが、日が落ちてしまうので、最後の梁は明日斧を使って壊すことにした。


シナリオ4
<4日目>
体育の時間は、最初の準備体操は皆で、あとは各々好きに校庭で体を動かす。
圭一達は部活を兼ねてゾンビ鬼をする。
沙都子が鬼でゲームスタート。
情報戦を織り交ぜクラス全体を巻き込んで行く。
梨花、圭一、魅音、と鬼は増えていき、クラス全員でレナを追い詰める。
※部活メンバー以外は手伝っているだけで鬼ではない。
チャイムが鳴りレナと魅音が生き残りとなった。
鬼の振りをしていた魅音の狡猾さに、次こそ一泡吹かせることを心に誓う圭一だった…。

~アイキャッチ~

帰宅後、ケンタくん人形を発掘するために身支度を整える。
ダム現場への近道に林道を抜けていくと富竹さんに出くわした。
にやにやしながら剥き身の斧を持って歩くレナの奇行に慌てる富竹。
冗談のつもりで脅しをかけたら、余所者に対する警告として受け取られてしまった。
ダム現場で発掘作業を始めて早々、休憩に入る。
レナは雛見沢村に来る前は関東の田舎に住んでいたらしい。
作業を再開し、ひぐらしの合唱が始まる頃、ようやく梁が壊れてケンタくん人形の発掘に成功した。
人形をシートで包み、レナと一緒に持ち帰った。
圭一は、自分のおどけた口調に噛み合わない富竹の言葉が引っ掛かっていた。


シナリオ5
<5日目>
圭一は部活メンバーに、レナの家に行った時の感想を聞かれる。
レナの家には「かぁいいもの」が色々とお持ち帰りされていた。
今度の休みに綿流しのお祭りがあり、梨花はその実行委員を務めている。
部活では「綿流祭四凶爆闘」を繰り広げ、露店を荒らし回るという。
今日の部活は新品のトランプで「大貧民」をした。
圭一はこのゲームに多少の慣れがあり、やがて神に覚醒する。
ヒロイン達に次々と罰ゲームが下りハーレム状態の圭一。
しかし、「かぁいい」モードのレナに敗北してしまう。
そして、圭一が受けた罰ゲームは……「今まで出た罰ゲーム全部」だった。

~アイキャッチ~

今日も魅音と二人で下校。
途中、富竹に会う。
富竹は綿流しまで滞在して、お祭りを一通り撮影したら東京に帰るという。
魅音は富竹と顔見知りのようで、毒舌で富竹を退散させる。
圭一は富竹が撮影以外の目的で雛見沢村に来ている気がしている。
魅音もそう感じているらしいが、圭一の想像とは方向が違うらしい。


シナリオ6
<9日目>
数日後……、今日は綿流しのお祭りがある。
あれから部活メンバーが揃わなかったので久々の部活になる。
今日の部活は「綿流祭五凶爆闘」だ。
古手神社は既に大勢の人々で賑わっていた。
梨花は祭りの神事の巫女役のため、皆が私服の中巫女服で登場する。
次々と露店を荒らしていくと富竹が現れた。
富竹が明日東京に帰るということで、お祭りを楽しんでもらうためにレナが部活に推薦する。
魅音によると、雛見沢在住でなければ入部できないらしい。
そこで、よく雛見沢に来るということで、富竹を名誉市民に認定して入部を許可した。
富竹を加えた6人で射的ゲームをして、圭一が大きなクマのぬいぐるみを当ててレナにプレゼントする。
梨花の番を残してお祭りがフィナーレを迎える。
社に行くと、梨花が神官を引き連れて登場し、祭壇でお布団を清める儀式が行なわれる。
梨花が黙礼をして儀式が終了すると、見物人達が一斉に腰を上げて、神官の後に付き従い沢に向かって行く。
圭一はレナから綿をもらうと、レナに倣い綿を体の各部分に当て、オヤシロさまにお祈りをして沢に流した。

~アイキャッチ~

<9日目2>
圭一はレナと逸れてしまい、富竹と連れの女性を見つける。
圭一は雛見沢村に馴染んだものの、自分の知らないことの多さに疎外感を感じていた。
富竹からダム工事とそれに対する住人の反対運動、そして雛見沢村連続怪死事件の話を聞く。
圭一は、毎年綿流しのお祭りの日に発生していることからオヤシロさまの祟りを疑うが、富竹は各々の事件が解明されていることからそれを否定する。
小一時間立ったところで、女性は圭一に別れを告げ、富竹をジロウと呼び後で落ち合う約束をする。
入れ替わりでレナ達がやって来た。
射的ゲームの結果は富竹がビリになったため、罰ゲームとして富竹のシャツに寄せ書きをした。
富竹は圭一達と別れ、女性の元へ向かう。
圭一達も帰途に就いた。


シナリオ7
<10日目>
学校へ着くといつも通りの光景があった。
毎年起こる事件のせいか、この時期は遠くから雑誌記者が取材に来るらしい。
部活ではカードを使った推理ゲームをした。
圭一とレナはこのゲームが苦手なため、一旦席を外して共同戦線を張る約束をする。
レナを先に教室に戻らせると、大石という興宮警察署の刑事が圭一を訪ねて来た。
富竹が昨晩亡くなり、連れの女性が行方不明であることを聞かされる。
圭一が昨晩富竹に接触した人間の一人であることと、祟りを信じない雛見沢村の住人であることから協力を依頼しに来たという。
大石は一連の事件が村ぐるみで引き起こされている可能性と、犠牲者の敵対度が希薄になっていることを指摘する。
圭一にこの話が他言無用であること、特に魅音と梨花には話さないように注意する。
誰がどのくらい関わっているか分からないし、園崎家は抵抗運動の旗頭だったからだ。
教室に戻ると、レナが推理ゲームでボロ負けしていた。
最後は一緒にビリになり、罰ゲームとして魅音が頼まれた買い物を代わりにさせられるのだった……。


シナリオ8
<11日目>
昨日の昼間に聞いた大石の話が頭から離れない。
昨晩は寝付けなかったので、昼休みは寝て過ごすことにした。
レナと魅音の内緒話が聞こえてきた。
富竹の件について、オヤシロさまの祟りの話をしているようだ。
オヤシロさまの祟りとは、「祟り」と「鬼隠し」が対になって起こり、犠牲者は常に偶数人らしい。
今日の部活は、魅音に叔父の手伝いがあるため中止になった。
圭一は推理ゲームをしたくて、魅音抜きでもしようとするが、皆他にも用事があり部活ムードではなくなってしまった。
策を悟られたくない圭一は、今回は諦め推理カードを片付ける。
犯人カードの中に「悟史」という名前を見つけたのでレナに訊ねると、拒絶するような言い方だったが、昨年転校した生徒であることが分かる。
レナとの下校中、レナが転校して来た頃の話を聞く。
疎外感を隠しきれない圭一は、レナに隠し事はないかと詰め寄る。
レナの様子が一変し、圭一もまたレナたちに隠し事をしていることを指摘する。
レナは圭一が知らないおじさんと車の中で話していることを知っていたのだ。

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夕食まで放心して過ごしていると、大石が本屋を騙って圭一に電話をしてきた。
圭一は電話を子機に持ち替え2階の自室に向かう。
大石から鬼隠しの話を聞き、オヤシロさまの祟りは鬼隠しと祟りが対になって起こることを話す。
大石には初耳の話で、一連の怪死事件についても行方不明者達が鬼隠しにあったのではないか、という仮説を立てる。
4年目の事件の行方不明者は北条悟史といい、圭一が学校で座っている席が悟史の席だった。
今日のレナの態度が気になり大石に話すと、大石の方で調べてもらえることになった。
父親が来たので電話を切ると、小一時間ほど前にレナが遊びに来たので圭一の部屋を教えたという。
しかし、圭一の部屋には来ていないので、ずっと圭一の部屋の前にいたことになる……。


シナリオ9
<12日目>
昨夜は「誰かの気配」が気になって寝付けなかった。
体調が優れないため学校を休むことにした。
お昼前まで横になり、軽い昼食を取った後、地図の描かれたメモを持って入江診療所に向かった。
診療所は、雛見沢村の規模を考えれば立派過ぎるところだった。
会計を済ませた後、常連のお年寄りの会話から、富竹の連れの女性が鷹野という診療所の看護婦であることを知る。
帰りに大石に会い、食事に誘われ興宮町に向かった。
富竹の捜査が暗礁に乗り上げていること、雛見沢村が鬼ヶ淵村と呼ばれていた頃の話を聞く。
一連の怪死事件において、被害者は圭一の仲間に全て繋がっているという。
レナだけは直接の繋がりはないが、元雛見沢村の住人で茨城の郊外に住んでいた頃、学校で謹慎処分を受けている。
自律神経失調症で神経科医師のカウンセリングを受けるが、その会話の中でオヤシロさまという言葉が出てくるという。
大石は今年で定年を迎えるため、この事件だけは解決させたいらしい。
大石は圭一に危機が迫っていることを伝え、何かあったら教えて欲しいと言いその場を去って行った。

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外が暗くなるまで横になっていた。
魅音から電話があり、これからレナと一緒にお見舞いに来るという。
程無くレナと魅音がお見舞いにお萩を持って来た。
レナが作った分が1個あり、それを当てることが部活の宿題らしい。
途中で2人の様子が一変した。
渋いおじさんと会っていたことを知っていて、警告をしてきた。
圭一の中で様々な感情が交錯する。
気を取り直して部活の宿題に取り組むが、お萩の中に裁縫針が入っていたため感情がぐちゃぐちゃになり布団の中で吠え猛る。
様々な負の感情が渦巻く中、圭一は安らかでない眠りについた。


シナリオ10
<13日目>
悪夢から覚めるとすっかり朝になっていた。
昨夜の恐怖が抜けず、心身共に学校へ行ける状態ではなかったが、母に促されズル休みを諦めた。
圭一はレナと魅音の警告に怯えつつも、その警告を現実として受け入れられず苦悩する。
圭一にとってオヤシロさまの祟りは信じたくないものだったが、それを信じないことは仲間を疑うことに繋がるのだった。
教室に着いた早々沙都子のトラップに引っかかるが、いつものように反応する気にもなれない。
魅音にお萩を食べきれなかったことを話すと罰ゲームが確定した。
今となっては普段通りに見える仲間とのやり取りが恐ろしく感じる圭一だった。

~アイキャッチ~

自習中、圭一は自分の置かれている立場を考えながらも、葛藤に苦しむ。
圭一はその葛藤が自分の甘さから出るものだと感じて、甘えを捨てることを決意する。
授業を受けたことも食事をしたことも記憶にないまま、部活にも参加せず下校する。
仲間に命を狙われている、その状況に人格が体ごと引き裂かれてしまうような感覚を覚える。
今夜の食卓には珍しく父親もいて、母親と仕事の話をしていた。
圭一は再び自分の置かれている立場を考える。
仲間や雛見沢の住人が信用できない、両親を巻き込むことはできない、味方になってくれそうな人は大石だけ。
自分に何かあった時、それを紙一重でかわして大石に引き継がなければならない。
そのために武器として金属バットを持つ、日記をつけて壁時計の裏に隠す、レナとの登校をやめる。
圭一にとって誰にも頼れない、たった一人の戦いが始まった……。


シナリオ11
<14日目>
金属バットを手に入れるため、一人で登校するため、普段よりも早めに家を出る。
登校中、大型のワゴン車に轢かれそうになる。
回避しようとしたが、サイドミラーにぶつかり路肩の泥田に落ちてしまう。
悪態をつく圭一だったが、やがてそれは恐怖に変わり、泥塗れの状態を自分の甘さの代償として受け入れる。
自分の命を狙っているのはレナ達だけではない、大石が言っていた犯人は村ぐるみという可能性を思い出す。
他の生徒が登校してくる前に武器を確保したいが、体育倉庫の扉には南京錠がかかっており、校舎の周りを見ても教室に持ち込めそうな物はなかった。
教室の中を探すとロッカーの中に金属バットを見つける。
圭一はジャージに着替えると校庭で準備運動をして素振りを始める。
途中、レナと魅音に声をかけられ、その笑顔に心が乱される。
絶叫しながら大地をバットで何度も叩いているうちに始業の振鈴が鳴る。
気が付くと終業の振鈴が鳴っていた。
部活には参加せず一人で下校する。
下校途中、自分の後をつけてくる足音に気付き、その主を探すとレナがいた。
圭一を心配してついて来たと言うレナだが、尾行されたという思いからそれを疑い自分の前を歩かせる。
レナが立ち止まると様子が一変するが口調は変えず、なぜ悟史と同じ行動をとるのか訊ねる。
圭一は悟史がどうなったのかを聞くためにレナを振り向かせると、レナは鷹の目で不気味な笑みを浮かべながら「転校」したという。
レナは言う、「…しないよね? 圭一くんは。 “転校”」

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<14日目2>
自分の取ってきた行動が悟史の模倣だったことに戸惑いを隠せない。
転校とは何なのか?
転校した先に何があるのか?
自宅の玄関に入ると誰かがついてきたことに気づく。
振り返ると誰もいなかったが、感情のままに金属バットを振りまわす。
攻撃は空を切るが空間から焦りが感じられ、やがて見えない敵は退散する。
圭一はオヤシロさまの祟りもレナ達が犯人という可能性も否定するために自分が異常になることを望む。
母親からの電話で、仕事の関係で東京にいて明日の晩まで帰れないという。
圭一は両親の不在を敵に気付かれないようにするために家中を偽装する。
大石から電話があり、2階の自室でレナと魅音について話す。
大石と食事をしたことを正してきたこと、お萩に裁縫針を仕込んだこと。
今朝白いワゴン車に轢かれそうになったこと、レナが悟史のことを何か知っているということ。
レナに前の学校で何があったのかを聞こうとしたが、先程から鳴っている音がチャイムだと気付き玄関へ向かう。
玄関を開けるとレナがいて、圭一の夕食を作ってきてくれたらしい。
圭一は母親が夕飯を作っていると嘘を吐くが、レナが両親不在を知っていることに気づく。
圭一の夕飯に食べようとしているものが豚骨ショウガ味のインスタントラーメンで、セブンスマートに両親と買い物に行った時に買ったものであることまで言い当てる。
圭一がレナになぜそれを知っているのか聞くと、レナが圭一の後ろにずっとくっついていたからだという。
レナは圭一の家に入ろうとするが、圭一は扉を閉めて阻止する。
自室に戻り大石にレナのことについて問い質す。
大石は幾つかの前提を述べた上で、レナが転校直前に起こした事件について話した。
その途端、遠雷と共に突然強い雨が降り出す。
圭一が窓から家の前を覗くと、レナが傘も指さず重箱を持ちながら、「ごめんなさい」という言葉を繰り返していた。


シナリオ12
<15日目>
圭一は被害妄想に苛まれ、眠れぬ夜を過ごす。
母親が不在のため、ズル休みを考えるが、証拠を掴まない限り事態は進展しないと思い登校することにした。
玄関を見ると靴箱が壊れたままだったが、一人で登校するには片付ける時間がなかった。
制服は泥だらけのままなのでジャージでの登校だ。
圭一は本能的に今日殺されるかもしれないと悟る。
校庭で素振りをしていたら、魅音に悟史の真似ならやめろと窘められた。
圭一は魅音に悟史のことは隠されていたから知らないと言う。
隠し事をしていた魅音達を仲間とは認めないこと、お萩に仕込んだ裁縫針のこと、魅音達が警察に疑われていること、全てを話して宣戦布告をする。
魅音は涙を流しながら、圭一に全てを話した相手が大石だと気付き、鬼気迫る表情をしながら殺意を漏らす。
もう部活メンバーが圭一に接してくることもない。
圭一はこの戦いが今日で終わることを感じた。
下校途中、セミ達の鳴き声が止まると足音に気付く。
木陰に身を隠し様子を探ると、足音の主はレナだった。
今までとは違う、露骨に豹変したレナが斧を持って追いかけてくる。
逃げれば逃げるほど知らない道に向かってしまう。
「悟史くんの相談に乗ってあげられなかったから悟史くんは“転校”してしまった。だから圭一くんはレナが助けるよ」
「あははははははははははははは。」
豹変したレナが言っても、圭一にとっては恐怖でしかなかった。
圭一は昨夜大石から聞いたレナの話を思い出す。
悟史とレナは違う結末に至ったものの、「オヤシロさまの祟り」と「金属バット」という点で共通していた。
圭一は自分の身に起きている事態が偶然とは思えなくなっていた。
何とかレナを振り切り走り続けるとダム現場に辿り着いた。
今度は村人2人に追いかけられ、抵抗するが捕らえられ落とされてしまう。

<15日目2>
気がつくと圭一は自宅の自室に、そして傍らにはレナがいた。
レナはいつもの表情に戻っていて、医者に電話をしたと言う。
圭一は、レナがまた豹変してしまわないうちに大石に電話をするために1階に下りる。
玄関の前まで来るとチャイムの音が鳴ったので、医者だと思って玄関を開けると魅音がいた。
レナから電話を受けて来たと言い、レナと2人で圭一を自室の布団の中に押し込める。
レナと魅音の会話から、レナが監督に電話をしたことを知り、監督が誰なのかを問い質す。
圭一にはダム工事の現場監督のことしか思い浮かばず、改めて監督のことを問い質すが2人は「監督は監督だ」と言い笑うだけだった。
魅音が罰ゲームを始めると、レナが圭一を羽交い絞めにする中注射器を取り出す。
魅音の表情が一変し、富竹と同じ目にあわすという。
圭一は、警察に分からなかったという事実だけで、富竹を怪死に導くような薬物がないと決めつけていたことを後悔する。
魅音に胸倉を掴まれた時、後頭部に電気が走り停電していく錯覚を感じた。

~アイキャッチ~

気がつくとそこには血塗れの金属バットを持った自分と、血塗れで倒れているレナと魅音がいた。
状況が掴めなかった圭一だが、やがてそれが自分の手によるものであることを思い出す。
表から人の会話が聞こえたのでカーテンから表を伺うと、門の前に白いワゴン車を所有した4~5人の男性がいた。
その中の1人は白衣を着ていたが、医者には見えなかったので変装だと直感する。
圭一は公衆電話で大石に連絡を取るために家を脱出することを考える。
その準備の前に圭一は、万が一に備えて警察に事件を伝えるための遺言を書き記す。
注射器を時計の裏に厳重に貼り付けるとチャイムが鳴った。
圭一は遺書を書き終えると時計の裏に貼り付ける。
この一ヶ月間の、本当の友達と過ごした日々に思いを馳せ涙が溢れ出る。
命を狙われたとしても、殺されかけたとしても、圭一にとって忘れることのできない一ヶ月だった。
自分に襲い掛かってきたのが2人の意思とは思いたくなかった。
再びチャイムが鳴り、圭一は玄関へ走る。
靴を鷲掴みにした時再びチャイムが鳴る。
圭一は最期の逃走劇に出た。
やがてひぐらしが鳴き始める……。
ひぐらしだけが、知っている気がした。

シナリオ13
大石と後輩の青年が麻雀談義をしていると、一般人から外線が掛かってきた。
大石が電話に出ると圭一だった。
公衆電話から掛けているらしい。
圭一の声色から大石は異常事態を察する。
声に怯えと達観があることから、電話をかけながら既に何者かに囲まれている状況を想像する。
大石は圭一からどこの公衆電話からかけているかを聞き出し、近場の警官を向かわせる。
大石は圭一から状況を聞き出そうとする。
圭一は危機的状況から助けを求めるだけでなく、それ以上の何かを伝えるために電話をしてきている。
その何かは、この電話の機会を逃すと、もう二度と伝えられないという確信が大石にはあった。
圭一が嘔吐にも似た咳をし始める。
圭一に犯人は誰なのかを聞くと、圭一は自分も最初は人間が犯人だと思っていたが、オヤシロさまなのだという。
受話器の向こうから激しい嘔吐と共に喉を引っ掻く音が聞こえる。
受話器が落ちる音がした後、受話器の向こうからお経のような呟きが聞こえ始める。
10円玉が切れたらしく、唐突に電話が切れた。
その時大石には、圭一が「ごめんなさい」と言っているように聞こえた。
大石は急にひぐらしの声が気になった、それまで気にも留めていなかったのに。
ひぐらしだけが知っている。
……そんな気がした。

エピローグ
※女子生徒殺人事件
 容疑者:前原圭一(1X歳)
 被害者:クラスメートの女子2名(竜宮礼奈、園崎魅音)
 犯行現場:自宅2階の容疑者の自室

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