宗教雑談 エヴァンジェリカルとユダヤ教
2012/12/6配信
石川さんをゲストに迎えて、宗教雑談をした際に話した内容まとめ。
石川さんをゲストに迎えて、宗教雑談をした際に話した内容まとめ。
石川さんとはどういう人なのか
- 近世のヨーロッパ史が専門
- 本を出す予定
プロテスタントとは
- 「プロテスタント」という名称は、実はカトリック側からの蔑称である。(ラテン語で抗議する人たちと言う意味)
- プロテスタントは発生当初、自らを「福音派」と呼んでいた
- 福音をギリシャ語でいうとエヴァンゲリオンである
- 福音派=エヴァンジェリカル
- そもそも プロテスタント=福音派 だったのが、どうして別になったのか
- 1530年代にプロテスタントは産まれた
- 福音派とは福音至上主義派のことである
- プロテスタントに派閥が産まれ、福音を至上としない主張などが生まれたことにより、プロテスタントの総称として「福音派」という言葉を使いづらくなってきた
福音とは何か
福音=神の良い知らせ、Good News
福音派は聖書が神の言葉であることを信じ、聖書を最上とする。
福音派は聖書が神の言葉であることを信じ、聖書を最上とする。
※本来の意味では福音派とはルター派のことだったが、現在は意味が変遷していることに注意が必要である
カトリックとプロテスタントの聖書の捉え方の違い
キリスト教徒は全員聖書がホントの出来事だと信じてるの?
いいえ違います。
いいえ違います。
カトリック
→聖書の物語は寓話(例え話)だと考えています。
書かれていることは事実そのものではないが、書かれていることに象徴されるような何かがあったと考えています。
書かれていることは事実そのものではないが、書かれていることに象徴されるような何かがあったと考えています。
プロテスタント
→聖書に書いてあるのは神の言葉だと考えています。
実際に筆をとって書いたのは人だが、それは聖霊の力によって人が書いたものである
=神の言葉である
と考えています。
実際に筆をとって書いたのは人だが、それは聖霊の力によって人が書いたものである
=神の言葉である
と考えています。
※プロテスタントの中でも、聖書の解釈は分かれる
プロテスタントはカトリックと違って、個人に聖書の解釈の自由があるため。
プロテスタントはカトリックと違って、個人に聖書の解釈の自由があるため。
終末論の種類
1.無千年王国論(ア・ミレニアム)
千年王国は象徴だから、具体的な千年王国というものはないのかもしれない
千年王国=概念であるかもしれない
プロテスタント
(ルター派、カルバン派といった歴史のあるプロテスタントが主張)
千年王国は象徴だから、具体的な千年王国というものはないのかもしれない
千年王国=概念であるかもしれない
プロテスタント
(ルター派、カルバン派といった歴史のあるプロテスタントが主張)
2.後千年王国論(ポストミレニアム)
第二世代のプロテスタント
清教会(ピューリタン)等が主張
1)キリストが復活する→
2)キリストが収める千年王国があり→
3)世界が終末を迎える(アルマゲドン)
第二世代のプロテスタント
清教会(ピューリタン)等が主張
1)キリストが復活する→
2)キリストが収める千年王国があり→
3)世界が終末を迎える(アルマゲドン)
3.前千年王国論(プレミレニアム)
第三世代のプロテスタント
狭義のエヴァンジェリスト(アメリカの福音派原理主義者)
エホバの証人
1)世界が終末を迎える(アルマゲドン)
悪魔が跋扈し正しいキリスト教徒が迫害され世界に悪が満ちる
正しいキリスト教徒は耐えて、悪魔と戦う必要がある
2)キリストが復活する→悪魔を全部やっつける
3)キリストが収める千年王国が訪れる
第三世代のプロテスタント
狭義のエヴァンジェリスト(アメリカの福音派原理主義者)
エホバの証人
1)世界が終末を迎える(アルマゲドン)
悪魔が跋扈し正しいキリスト教徒が迫害され世界に悪が満ちる
正しいキリスト教徒は耐えて、悪魔と戦う必要がある
2)キリストが復活する→悪魔を全部やっつける
3)キリストが収める千年王国が訪れる
千年王国とは
- 救世主が復活し、世界を救う
ユダヤ教の派閥
世界に1300万人
- 伝統派(200万人)
- 改革派(アメリカだけで200万人、アメリカに住むユダヤ人の42%)
- 保守派(伝統と改革の中間くらいだよ派
- 再建派(シオニズムの先導をしている派閥
シオニズムとは
シオンに帰り、イスラエルを作ろう運動
19世紀くらいに産まれた思想だったが、改革派の支持を得られなかった
19世紀くらいに産まれた思想だったが、改革派の支持を得られなかった
20世紀中盤、ナチスの興隆によりヨーロッパにいたユダヤ人が海外に逃亡しはじめた
ユダヤ人はアメリカに逃げた
このアメリカに逃げ込んできたユダヤ人はヨーロッパのキリスト教国にいたため、自分たちの強い主張を持たない浮遊層だった
このユダヤ人達はアメリカに逃げてきた=故郷がないので、自分たちの帰るべき場所を求める運動としてシオニズムに傾倒していく
この亡命者を取り込むために今までシオニズムに反対していた改革派もシオニズムを受け入れはじめる
ユダヤ人はアメリカに逃げた
このアメリカに逃げ込んできたユダヤ人はヨーロッパのキリスト教国にいたため、自分たちの強い主張を持たない浮遊層だった
このユダヤ人達はアメリカに逃げてきた=故郷がないので、自分たちの帰るべき場所を求める運動としてシオニズムに傾倒していく
この亡命者を取り込むために今までシオニズムに反対していた改革派もシオニズムを受け入れはじめる
アメリカのユダヤ人達は金持ちが多い(富裕層)
このユダヤ人達がアメリカの財界・政界に対して援助を頼む圧力をかけていく
1948年イスラエル建国
このユダヤ人達がアメリカの財界・政界に対して援助を頼む圧力をかけていく
1948年イスラエル建国
アメリカの福音主義者=狭義のエヴァンジェリストの人達は
シオニズムを応援している
ユダヤ人がイスラエルに帰ることをバックアップしてる
シオニズムを応援している
ユダヤ人がイスラエルに帰ることをバックアップしてる
宗教的な理由:
イスラエルに新しく王国を建てられたことによって救済の考えが変わっていく
イスラエルに新しく王国を建てられたことによって救済の考えが変わっていく
エヴァンジェリストは
「イスラエルにユダヤ人の国を作り、本当のイスラエルを復活させないと神の救いは訪れない」
と信じている
「イスラエルにユダヤ人の国を作り、本当のイスラエルを復活させないと神の救いは訪れない」
と信じている
ディスペンセーショナリズム
プロテスタントの主張:
予定説
歴史はいくつかの段階に分かれる
ユダヤ人に対し神が十戒を与えたのも
イエスキリストが現れたのも
キリスト教が台頭し
カトリック教会が堕落し…
といった全ての歴史の流れは神の計画通りなのだ!(ニヤッ
予定説
歴史はいくつかの段階に分かれる
ユダヤ人に対し神が十戒を与えたのも
イエスキリストが現れたのも
キリスト教が台頭し
カトリック教会が堕落し…
といった全ての歴史の流れは神の計画通りなのだ!(ニヤッ
救済の歴史
歴史観1 歴史には目的がある(キリスト教徒、マルクス主義などはこっち)
歴史感2 歴史に目的はない
歴史感2 歴史に目的はない
イスラエルにユダヤ人の王国を作ることも神の予定の1つである
だからそれを応援し、神のチェス盤を一手進める手伝いをしよう
だからそれを応援し、神のチェス盤を一手進める手伝いをしよう
エヴァンジェリストによる政治的主張
アメリカにおけるプロテスタントとか、エヴァンジェリストの法的な主張みたいなもの
- 中絶の禁止
- 避妊や中絶への狂信的反対。
- レイプで妊娠しても中絶したらダメ。
- 仮にレイプされても、神に祝福されないから子供なんかできないと言った政治家もいる
- 中絶をする産婦人科医を殺してしまった事件も
- 進化論反対
- 聖書に神が人間を作ったと書いてある。
- 人間は神が今のようにデザインした=インテリジェントデザイン説
- 同性愛反対
- キリスト教全般に言える。
- 神が望んでない。自然に反する愛である。
アメリカにおけるエヴァンジェリスト(プロテスタントの中で福音派でしかも急進派)は絶対的数は少ないものの、政治基盤としては影響力が大きく、近年ではブッシュ政権の成立などに大きく関与している。
アメリカにおいては共和党(ブッシュ・ロムニー等)の支持基盤である
どちらかというと田舎に信者が多い
オバマは民主党。
どちらかというと田舎に信者が多い
オバマは民主党。