〈猫人族〉

〈猫人族〉(ウェアキャット、ねこびとぞく、通称「ねこさん」)

◆ゲーム時代の設定

〈エルダー・テイル〉において人と猫との特性を持つ種族。また善の種族で唯一の獣の面相をもつ種族でもある。
 彼らもまた、亜人との戦争の中、儀式によって生み出された種族である。〈狼牙族〉が、狼の力強さを求めて作られたように、〈猫人族〉は、猫の俊敏性と柔軟性、感覚の鋭さを求めて作られた。そのため、密偵や工作員といった、身軽さと器用さが必要な役割を期待されていたが、自由と臨機応変を尊ぶ(悪く言えばきまぐれな)性格から「軍事組織」という存在とは致命的に相性が悪かった。もっとも誕生当時の古代〈猫人族〉は現在のそれよりも大きな能力を持っていたため、大きな戦果を上げたのは確かなようである。
 彼らは体格こそは〈ヒューマン〉に似通っているが外見は大きく異なる。印象だけなら直立した猫をイメージした方が近い。猫に近い頭部をもち、足も猫に近く、全身は体毛に覆われている。胴体のバランスと腕は人のそれであり、尻尾もない。身長は145~185cmくらい、体重は50~90kgほどと〈ヒューマン〉と同程度。頭部も体毛に覆われているため厳密には髪の毛といえる部分はないのだが、頭部の体毛を伸ばして頭髪のようにするものもいる。体毛の色は白や黒、三毛やぶち模様など実際の猫のようにさまざま。瞳の色は黒や茶色が多いが、金色などの特徴的な瞳も少なくない。
 能力面では、猫の特徴を受け継ぎ、身軽さと鋭い感覚を兼ね備えている。同じように誕生した経緯を持つ〈狼牙族〉がパワー&スタミナタイプならば、猫人族はスピード&センスタイプといったところだろう。そのため現在でも斥候や、盗賊といった職業に適性が高く、これは〈冒険者〉としても有用な能力である。
 猫の容姿に、体重を感じさせない身のこなし。そして自由でマイペースな生き様、それが〈猫人族〉である。
〈冒険者〉としては、戦士職と武器攻撃職に適性がある。


◆ヤマトの国での扱い

 ヤマトの国においてよく見られる〈猫人族〉は、旅芸人や交易商人を生業としているものがそのほとんどであり、都市内に定住しているものは少ない。それは、彼らが生まれた歴史背景の影響がある。
 彼らは〈狼牙族〉などと同じく、亜人との戦いのために人工的に生み出された種族であった。大戦中期から末期にかけて戦果を上げた〈猫人族〉と〈狼牙族〉だが、大戦終了後の境遇は大きく分かれていく。集団生活に適性のあった〈狼牙族〉は軍組織に残り治安任務などに携わるようになっていくが、〈猫人族〉は戦いに適性があるとはいえ集団行動や軍事組織には馴染めなかった。結果、失敗作の烙印を押されてしまった。獣面という外見上の明らかな違いも手伝い、他の善の種族から劣等種族として見られる傾向がある。特に〈ヒューマン〉貴族の影響力が強い地域では、あからさまではないものの差別対象になっていることさえあるようだ。
 しかし当の〈猫人族〉にしてみれば、そういった他種族の評価などどこ吹く風で、べつだん悲嘆するような話でもないらしい。ご馳走や、大騒ぎ、お祝い、昼寝、などを愛好する彼らは、貴族のような高い身分になることや大きな都市での生活には大して価値を感じないようだ。そして束縛を嫌い自由を愛する気風は旅暮らしにぴったりなのである。
 街道をめぐって旅する〈猫人族〉の一団の姿は、ヤマトではありふれた光景といえる。彼ら〈猫人族〉の行商人たちは冒険心旺盛で、新たな商路の開拓に余念がない。こうして拓かれたいくつもの街道が、商人たちの往来する大街道として用いられている。
 彼らは「定住しないことは自由と独立の尊重で、人と人との架け橋を務めているのだ」と嘯くが、多くの〈大地人〉に言わせれば飽き性の彼らにはそもそも定住すること自体が難事なのだという。
 十分な功績をあげても〈猫人族〉が重要な役職に就けることは少なく、街で暮らすにも窮屈な生活を強いられることが多いのだが、彼らの側もそういう面倒な束縛は嫌がることが多い。彼らは〈冒険者〉風に言えば個人主義者が多いのである。そのため、〈猫人族〉は旅芸人や交易商人、流れの傭兵などといった生き方を選ぶ傾向にあり、また斥候や狩人などを生業とするものもいる。そして〈猫人族〉にとってあこがれの職業といえば、商人である。おしゃべりや新しい出会いを尊ぶ彼らは商人への適性と憧れがあるのだ。とはいえそれは経営者や店主としてであり、他人のスケジュールに従わなければならない使用人としては落第のものも多い。
 格式や地位よりも実力や実績が重んじられるナインテイル地方では、貴族よりも商人たちの権力が非常に強い。そのため〈猫人族〉でも、商才さえあれば十分に出世できる事で知られており、なかでもパンナイルの街には、世にも珍しい猫人族の領主さえ存在している。そのため、ナインテイル地方に居つく〈猫人族〉も少なくなく、街のあちこちで見かけることができる。〈猫人族〉の少年少女にとっては、勉強をして交易で稼ぎ、ナインテイルで自分の店を開くことは、典型的な立身出世の夢なのである。

代表的な居留地



◆種族特技・特性

■〈キャッツアイ〉

〈猫人族〉の瞳は、暗闇を全く苦にせず見通せる。

■〈キャッツウィスカー〉

周囲をうかがう感覚に優れている。異常があれば猫の髭がぴんと反応する。

■〈キャッツベル〉

向けられる敵意を生命力に転化し、強力な癒しの力を振るう特技。輝く猫の鈴は周囲の注意を引くほど高く澄んだ音色を響かせる。

■〈キャットリフレクション〉

類稀な反射神経により、受けた衝撃を逃がす特殊な受身を取ることができる。

■〈グライドウォーク〉

しなやかに滑るような動きで敵の妨害をすり抜ける特技。〈猫人族〉の軽やかな身のこなしを邪魔できるものはそういない。

■〈シェスタ〉

冒険の最中、大胆に休息をとって疲れを癒す特技。一説には「寝子」が語源とされる猫のように、〈猫人族〉である自身の快眠を何人たりとも妨げることはできない。

■〈スタイリッシュテイル〉

身を飾り守るための取って置きの一張羅を持っている。尻尾を持たない〈猫人族〉だが、その代わりとなるお洒落な一品を忘れない。

■〈猫の敏捷〉

〈猫人族〉の特性である敏捷性を、工夫と才能によって極限まで高めている。


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最終更新:2015年08月12日 20:52
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