〈大工〉

名称:大工
分類:生産系

◆解説

〈大工〉は、建築物や家具等のインテリアアイテムなど、主に住環境に関わる各種施設、設備を作り出す生産系サブ職業である。
ギルドホールや既存居住ゾーンのデコレーション、機能の追加など、直接戦闘や野外での冒険に役立つわけではないが、よりよい日々の生活を送る上では欠かせない存在だ。
武器や防具、消耗品のように、ステータスに直結するような効果はないものの、空間を変容させ、居心地を左右することのできる、他にはない能力を持つサブ職業。それが〈大工〉である。


◆セルデシアにおける〈大工〉

〈大工〉は〈大地人〉にとって、とてもポピュラーなサブ職業である。大きな町であれば大勢の〈大工〉が日々仕事をしている。たとえ小さい村であっても少なくとも一人は、現役の〈大工〉を目にすることができる。
人の営みがあるところに住居は不可欠であり、その建造、修繕、管理に不可欠な〈大工〉はどこへいっても仕事に困ることはない。彼らの活動の場は市井に近く、貴族専属の〈大工〉もいるにはいるが、ごく少数だ。職能組合であるギルドもあるが、腕一本で食べていく気風の一匹狼の職人も多い。
また、神殿や祭壇といった特殊な建築物のある都市や村には、その管理を司る専門の〈大工〉一族がその技を伝えていることもる。こうした特殊な〈大工〉が、希少な木材や道具の材料の収集を〈冒険者〉に依頼することも少なくない。
中でも有名なのは、〈神聖皇国ウェストランデ〉〈聖宮イセ〉で技を伝える〈大工〉である。〈聖宮イセ〉では二十年に一度、二柱の大神の神殿を建て直し、遷し変える秘儀を繰り返しており、イセの〈大工〉たちはそのたびに各地の神木、霊峰から掘り出された鉱石などを集めている。これと類似した儀式は規模こそ違えどヤマト各地で行われており、〈大工〉が脚光を浴びる場であると同時に、〈大地人〉と〈冒険者〉が交流する契機の一つでもある。


◆ゲーム時代の〈大工〉

〈大工〉への転職条件は生産系のサブ職業としては簡単な方である。
転職したければ、どの街にもいる〈大工〉の親方に弟子入りをすればよい。街よってはひねくれたクエストを出される場合もあるが、多くは簡単なおつかいをすれば、それで転職完了だ。
ゲーム時代は直接建築物を建てるようなアクションはなかったため、〈大工〉の特技はもっぱら、ギルドホールの拡張や内装変更、機能の追加等を行う際の費用が安くなるなど、ボーナスを得られるものが多かった。
他にはフィールドやダンジョンにおける障害物の破壊に有利な補正が得られるなどの特技もあったが、大きな効果というほどでもない。ゲーム的な有利さが目立ちにくいサブ職業であったため、〈調剤師〉〈鍛冶屋〉といったメジャーな生産系サブ職業と比べると人気はいまひとつだった。
ある程度規模の大きいギルドでは、ギルドホールの増築、機能充実を行う頻度が高い上、かかる費用もばかにならないことから、専属の〈大工〉を一人、二人は見かけることもある。熟練のプレイヤーがメインキャラクターとは別に作ったサブキャラクターのサブ職業として選択することも多く、アクティブプレイヤー数はあまり多くない傾向があった。


◆〈大災害〉後の〈大工〉

〈大災害〉後、〈大工〉はゲーム時代の能力に加え、実際に建物を建築、あるいはリフォームできる能力を獲得した。
ゲーム時代とは異なり、実際に〈セルデシア〉で生活する必要にせまられた〈冒険者〉にとって、住環境を改善できる〈大工〉の価値は跳ね上がった。既存の廃ビルに〈大工〉が手を入れることで廉価に住環境を確保できることが発見されると、その傾向はさらに加速したのである。
とはいえ、ただでさえ数が限られていた〈大工〉の中で、実際の建築知識のある者はさらに少数であった。そのため、彼らが本格的な建築作業を行えるようになるまでには時間がかかった。この状況を解決に導いたのは〈円卓会議〉主導の、〈大地人〉と〈冒険者〉の〈大工〉同士の交流だった。この時期に生まれた両者の関係は後々に至るまでアキバの街作りに大きく貢献している。そうした繋がりをきっかけに、亜人の襲撃からの復興に人手が足りない地域を〈冒険者〉の〈大工〉が訪問するような例も増えているようだ。
住宅自体だけでなく、タンスや収納棚、机や椅子といったインテリアも〈大工〉の領分であり、より性能のよい機能的な道具を求め、レベルと技術の一致した〈大工〉はこの分野でも引く手数多である。
〈大工〉の需要は、住居の整備や家具の生産に留まらない。アキバ中の生産系サブ職業の持ち主が技術の粋を集めて作り出した、試作蒸気船〈オキュペテー〉の建造においては、艦の居住性の向上に〈大工〉の技術が不可欠であった。はんぺんや製粉などの加工工場を河川隣接地域に建設されるなどといった事例や、土木工事への業務範囲拡大なども近年アキバでは見られるようになってきた。このように今後も様々な開発場面において〈大工〉の活躍の舞台はさらに広がっていくと期待されている。
また、一連の対〈緑小鬼〉作戦においては、キャンプなど拠点の設営や、敵の設置した攻城兵器、罠などの仕組みを見抜き、逆にこちらに有利になるように利用するなどの意外な成果をあげたことで、戦術的な観点からも、〈大工〉に対する注目度はさらに高まっている。


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最終更新:2015年01月05日 21:20
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