名称：〈鍛冶屋〉
大分類：生産系
◆解説
〈鍛冶屋〉は、おもに金属の加工を行う基本的な生産系サブ職業である。武器防具をはじめ、その他にも様々な道具類や金属製品を作成、整備することができる。
数ある生産系サブ職業の中でも作成することのできるアイテムのバリエーションはトップクラスであり、幅広い活躍の場がある。派生上級職である〈刀匠〉や〈鎧職人〉などと比べて、専門的なアイテムについての生産はかなわないが、高レベルであっても余分に多くの素材を用意するなどすれば、十分な高品質のアイテムを作成することができる。
◆〈セルデシア〉における〈鍛冶屋〉
〈鍛冶屋〉は、〈セルデシア〉において希少な職ではないものの、地域生活に大きな影響を与えるため、敬意をもって迎えられる職業だ。
たとえば、辺境の農村にとって、農具の製作や、日常使う鍋や包丁を修理してくれる鍛冶師は生活水準を目に見えて向上させる救世主である。街においても、様々な金属具の需要は引きも切らない。
モンスターの脅威が存在する〈セルデシア〉では、生活に必要な日用品だけでなく、武器や防具を作ることも重要な仕事だ。また、腕利きの職人の存在は、遠方からの買い手を呼び込み、外貨を招き入れることができる。
こうした重要性から、貴族が高い技能を持つ〈鍛冶屋〉をお抱え職人として召し抱えることもある。そのような職人は大きな鍛冶工房を支配し「筆頭鍛冶」「鍛冶師卿」などと呼ばれ、職人の卵たちの憧れとなっている。
◆ゲーム時代の〈鍛冶屋〉
〈エルダー・テイル〉がゲームであった頃も、〈鍛冶屋〉は人気の高いサブ職業であった。武器や防具など、実用性の高い様々なアイテムを、駆け出しの低レベル用から熟練の高レベルまで、幅広く作成することができるからである。
基本的な生産職であるため、サブ職業を獲得するための難易度は低い。各地にいる「親方」に弟子入りする、職人ギルドに入会するなどすればよく、特殊なクエストは不要だ。
だが、いざ〈鍛冶屋〉としてのレベルを上げようとすると、多くの素材を集めてたくさんの金属製品を作る必要があることから、多くの労力と費用を要することになる。
初心者が金策や経費節減のために転職するだけでなく、大規模戦闘などで耐久値が下がった武具を自前で整備するために、ハイエンドプレイヤーがこの職につくことも多かった。
◆〈大災害〉後の〈鍛冶屋〉
〈大災害〉後、〈鍛冶屋〉の需要は一気に高まった。
適切なサブ職業の持ち主が実際の工程で作成することで、〈エルダー・テイル〉に存在しないアイテムを創り出せることが明らかになったからである。元の世界の知識を生かした蒸気機関や、その他様々な発明を形にするうえで、〈鍛冶屋〉の力は欠かせないのだ。たとえば、試作型蒸気機関搭載輸送船〈オキュペテー〉の建造にあたっては、ほぼアキバ中の〈鍛冶屋〉の協力が必要だったとされる。
しかし一方で、〈鍛冶屋〉の供給は需要に追いついていないのが現状だ。鍛冶は力仕事であり、高熱との戦いである。腕力・体力については〈冒険者〉の肉体ならば問題ないが、常に赤熱した鉄と向き合い、身を炙られる労働環境は、〈冒険者〉にとってさえ進んで飛び込みたいものではなかった。〈大災害〉後、他のサブ職業に転職する〈冒険者〉も多く、アキバでは深刻な〈鍛冶屋〉不足が問題となりつつある。
〈円卓会議〉ではこれに対し、有能な〈鍛冶屋〉が多いドワーフの〈大地人〉と提携することで状況に対応しようとしている。〈冒険斡旋所〉で、こうしたドワーフたちとのコネクションを結ぶための鉱石集めや、道中の護衛などが〈冒険者〉に依頼されることも増えている。
最終更新：2014年11月16日 17:15
