〈緑小鬼〉

名称:緑小鬼(ゴブリン)
レベル:5~46
ランク:ノーマル
出現場所:山間、およびダンジョン

■解説

細身で醜く引き歪んだような矮躯の人間型モンスター。身長100~160センチ程度の小柄な亜人類で、ヤマト列島東北部の悪の亜人類の主力。
発達した頭部と腕部、そしてそれとは裏腹に小さな下半身を持つ、ややアンバランスな体躯の亜人間である。やや猫背の前傾姿勢なのもあって、3~4頭身に見える個体が多い。
名前の通りその肌は緑色で、尖った耳と大きな鼻、つり上がった眼や牙がのぞく口など、おとぎ話に出てくる「悪い小人」を想起させる外見をしている。衣服や防具のたぐいは粗末な胸当てや腰巻程度で、高位の〈緑小鬼〉であってもそれは変わらない。彼らの価値観では自らの肉体を周囲に晒し、誇示することが好まれるからだ。また戦いで流される血の匂いを好み、血で汚れた武器の手入れをすることなく放置する。結果、彼らの周囲には常に鉄錆の臭気が漂っている。
非常に好戦的で邪悪な性質を持っており、人間種族や野生の動物と出会えば獲物と見なして即座に襲い掛かってくる。手にする武器は原始的な斧や槍が多いが、錆びてボロボロになっていることがほとんど。頑強で繁殖力が強く、残忍で邪悪。軍事的行動を好む。
知能はやや低く、仲間とは言葉で意志の疎通を行うが人類と会話することは少ない。喉の奥で唸るような濁った声は原始的な殺意を感じさせる。そのため〈大災害〉の直後は戦闘慣れしていない多くの〈冒険者〉に少なからぬ恐怖を植えつけたようである。
単純化された部族社会を持ち、幾つかの職能に分かれて暮らし、無秩序な交配による異形の下位部族を持つ。その大半が移動を続ける略奪部族(プランダートライブ)だが、稀に要塞化された本拠地としてダンジョンに住み着くものがある。
そこまで脅威度の高い敵ではないが亜人間の大勢力というだけはあり、その兵科バリエーションは豊富で軍と見れば強大。軍事に関しては高い練度をもち、多彩な武器を自在に操る。また。原始的な祖霊信仰を持っており祭祀を司る祈祷師の地位も高い。敵をたくさん殺して祖霊の目にとまれば、死後より強く立派な〈緑小鬼〉として転生できる、と信じているため、時に死を恐れぬ勇猛な戦いぶりを見せる厄介な敵だと言えるだろう。
「山地のゴブリン100匹退治」や「ゴブリン王の帰還」などのクエストがある。中心的なレベル分布は10レベル~20レベル程度。

■生活形態

通常、〈緑小鬼〉はほぼ定住することがない。深い森や山中の洞窟などに棲み家をつくり、そこを拠点として略奪部族(プランダー・トライブ)として周囲の〈大地人〉集落などを襲って奪い、めぼしいものが無くなれば次の獲物を求めて部族ごと移住する、という生活を基本としている。
彼らは族長を頂点とした部族社会で、細かく職能によって分化されている。戦闘時に前線を作る〈兵士〉、斥候としても働く〈射手〉、先祖の霊を祀る〈祈祷師〉、といった辺りはどの部族にもみられる基本的な職能だが、部族によっては、〈騎兵〉〈獣使い〉〈呪術師〉〈工兵〉といった専門職の〈緑小鬼〉を抱えていることもしばしば。彼らの技術の多くは部族ごとに伝えられる秘伝であり、部族が違えば同じ職能であっても使う武器や特技に差異があることも珍しくない。
この傾向は〈大災害〉後、彼らが個別に訓練を行うようになって特に顕著になった。例えば、ある部族は〈獣使い〉が子供から育て飼いならしたダイアウルフを騎乗動物として用い、別の部族はアンデッドの瘴気や特殊なエサによって変異させたヒポグリフを機動戦力として有する、といった具合である。彼らは自らの技術を高めるべく研鑽を続けており、見たこともない巨大幻獣や毒を持った変異動物と戦ったという〈冒険者〉の報告もある。
すでに述べたように〈緑小鬼〉は迷信深く、そこに由来する〈緑小鬼〉独自の魔術というべきものを発達させている。原始的な祖霊信仰を持っており、部族の呪術師や祈祷師といった者たちが先祖の霊を祀る儀式を執り行う様子がしばしば目撃されている。彼らの魔術は、祖霊や精霊を祀り加護を得る「祈祷術」と、祖霊や精霊の祟りによって敵を害する「呪術」の2つに大別することができ、〈森呪遣い〉〈神祇官〉の魔法に近い性能を持っている。魔術を用いる個体は数が少なく、祈祷術か呪術のどちらかしか扱えないことがほとんどだが、両方を使いこなす恐るべき才能を持った個体も存在するようだ。
〈工兵〉を擁する部族も手ごわい敵となる。彼らは〈小牙竜鬼〉ほど繊細な仕掛けは作れず、〈醜豚鬼〉のように大量生産ができるわけではないが、その分、粗雑ながら大がかりな仕掛けを作ることを得意としており、投石器や連射式ボウガン、呪術式地雷や破城槌戦車といった攻撃兵器の恐ろしさは広く知れ渡っている。
特に専門職のいない部族でも、他の亜人種や巨人を部族に受け入れ、傭兵として戦力にしていることが多い。中でも見かけることが多いのは〈鉄躯緑鬼〉《ホブゴブリン》である。大柄で筋骨たくましい〈緑小鬼〉の亜種である彼らは、身体能力と忠誠心に優れ、用心棒や突撃隊長として重用されている。
彼らが落とすドロップ品は部族・個体ごとにさまざま。よく見られるものに、欠けた太刀、古びた矢筒、汚れた包帯、毛皮の腰巻、派手な羽根、先祖の遺品、奇妙な帽子、緑鬼袋、角骨兜、越中褌、などがある。


■分布と生息域

〈緑小鬼〉はヤマト全域に広く分布する亜人種。特にイースタルにおいては他の亜人種を圧倒するほどの勢力を築いており、〈大地人〉にとって大きな脅威となっている。彼らは移動の際に通過する山や森において、食料調達のため〈大地人〉の仕事場を占拠してしまうことが多く、木こりや狩人は仕事ができなくなってしまう。略奪のみならず集落を襲撃して占拠したり、洞窟に住み着いて拠点にすることもしょっちゅうで、〈冒険者〉にとって〈緑小鬼〉退治は非常にポピュラーな依頼といえる。
アキバの近郊では、〈書庫塔の林〉〈カンダ用水路〉に20~30レベル代の〈緑小鬼〉が多数生息しており、駆け出し冒険者が対〈緑小鬼〉の訓練を行う場合はたいていここが選ばれる。
〈緑小鬼〉の根拠地と目される場所はヤマトにいくつもあるが、オウウ地方を中心とした地域には、(移住生活が常の彼らには珍しいことに)巨大な集落を築いて定住している6つの氏族が存在する。特に〈闇の森〉《ブラック・フォレスト》の最奥には〈七つ滝城塞〉と呼ばれる巨大な要塞が存在する。この要塞は周囲に生息する巨大な六部族が共有しており、二年に一度、部族間の協議・闘争によって「王」が選出され、この城砦の主となる。
六氏族は〈緑小鬼〉の中でも特に伝統と格式のある部族だと見なされており、2年に一度、この中から「ゴブリン王」なる存在が選ばれ、周囲の部族をまとめあげて強大な勢力に成長する。「ゴブリン王の戴冠」の名で知られていたこのイベントは、ゲーム時代は〈冒険者〉の活躍によって未然に防がれていたが、〈大災害〉後の混乱によって〈緑小鬼〉の討伐が行われなかった結果、最悪に近いタイミングで実現してしまった。現在オウウの〈緑小鬼〉たちはかつてない規模の戦力を有しており、アキバ円卓会議が遠征軍を送って対処せねばならない事態になっている。
また、〈緑小鬼〉はその分布域の広さゆえか、各地の風土に適応した亜種が存在するようだ。湿地帯を根城とする「沼ゴブリン」などは〈エルダー・テイル〉がゲームだった時代から登場していたが、〈大災害〉を経た現在、ゲームでは見なかった亜種も目撃されている。たとえば、エッゾの山奥では白い肌を持ち寒さに強い「雪ゴブリン」、ナインテイルの火山地帯では熱に高い耐性をもつ「赤ゴブリン」との遭遇が報告されており、〈冒険者〉による調査が待たれるところだ。


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最終更新:2015年01月05日 20:26
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