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術伝流操体・ラクな寝方をすこし強調 (7)うつぶせ寝から皮膚と重さの操体

うつぶせ寝から皮膚と重さの操体

1.はじめに

 今回は、うつ伏せ寝で皮膚や重さの操体です。

 うつ伏せ寝からの皮膚の操体を身に付けると、うつ伏せに寝ている受
け手を見ているだけで、ツボがどのあたりに出ているかある程度予測で
きるようになるので、鍼灸などにも役に立ちます。

 良く読んで理解し習熟してください。

 実技としては、仰向け寝と同じように、まず、先回の動きの操体を皮
膚の操体に置き換えていきます。

2.うつ伏せ膝立てで、足の皮膚の操体

 先回練習したように、うつ伏せの姿勢での観察のポイントは足首から
先の向きと布団などとの隙間です。

 足首がたがいの親指側に向いていて親指同士がくっついていて足首甲
側がペタンと布団などに付いていれば、歪みは少ないです。

 足首から先が曲がらずにまっすぐ下腿の延長に続いている(写真1)
と、足首甲側と布団などとの間に隙間が空いている(写真2)ことが多
く、うつ伏せ膝立てがラクな姿勢になることが多くなります。

写真1

写真2

1)足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に

 足首を持って尻に近づけていき、左右どちらが尻につきやすいか比べ
ます(写真3)。

写真3

 足首甲側と布団の間の隙間が大きかったほうが尻につきやすいことが
多いです。

 軽い力で尻に近づけた姿勢から、関係がありそうな部分の皮膚をずら
すことをきっかけにしていきます。たとえば、尻につきやすいほうの足
首の甲側の皮膚をずらしてみると足先のほうにずれやすく、脹ら脛の皮
膚は膝裏のほうにずれやすいと思います。

 足の甲と脹ら脛、この2つ以外にもずれやすいところはあります。3つ
目は曲げている足の布団側の大腿前面で、そこの皮膚に手のひらを当て、
その部分をずれやすいほうにずらしてみることをきっかけにするのも効
果が出やすいです。

 大腿前面の皮膚は膝のほうにズレやすいことが多いです。また、曲げ
ている足側の尻の皮膚をずれやすいほうにずらすことをきっかけにする
のも効果的なのです。

 いま挙げた4つのうちから二つを組み合わせて、受け手がいちばん気
持ちよさそうな組み合わせを選んで、きっかけにしてみるとよいです
(写真4)。

写真4

 言葉の通じる人なら聞いてみて、言葉の通じない人なら息が深くなる
かどうかなどを判断基準にして決めればよいでしょう。

I)付け足し、タワメの間、終え方

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入った
か確認し、ずらし続けます。

 言葉の通じる人には声をかけて、首を左右どちらに回すと気持良さが
増すか聞いて、気持ち良さが深くなるように首を動かしてもらいます。

 両腕や反対側の足も気持ち良さが深くなるような格好を探してもらい
ます。わずらわしくない範囲で。

 受け手が姿勢を少しずつ変えていくのに合わせて、ちょうどよく釣り
合ったタワメの間になるように、操者もずらし方を少しずつ変えながら
支え続けます。

 受け手が大きく姿勢を変えたくなるか、息が浅くなったり、気持ち良
さが感じられなくなるまで続けます。

 言葉が通じない人の場合には、引き込まれるように感じられるときは
続けてほしいというサインで、押し返すように感じられるときには終わ
りにしてほしいサインです。

2)足首を尻から離すのを皮膚の操体に

 両方の足が尻に近づきにくかったときによくします。

 また、先回も書いたように、この場合の動きの操体はちょっと難しい
し、足が重くて疲れるので、左右差があった場合に尻に付かないほうの
足をきっかけにしたいときにも使います。

 「2.仰向け寝で、動きの操体」で説明した、伸ばしている足を伸ば
す動きの操体の方法と同じようにして、伸ばしていく方向、つまり、
背骨に対する大腿の角度、つまり開き具合と足を上げる高さを決めます。

 その方向が維持できるように足と床の間に座布団を積みます。高さが
低いときには、操者の大腿などに乗せてもよいです。

 大腿や下腿の皮膚をずれやすいほうにずらすことをきっかけにします。
親指が足裏にまわる方向に捻りながら足先のほうにずらすのがずれやす
いことが多いです(写真5)。

写真5

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入った
か確認し、ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)
足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に」とほぼ同じです。

3)膝立てから足を倒すのを皮膚の操体に

 うつ伏せ膝立ての姿勢(膝がほぼ直角に曲がって下腿が立った状態)
から、倒れやすいほうに下腿をラクに倒れる範囲で倒します。

 その姿勢から、皮膚がずれやすいところを探して、ずれやすい方向に
ずらすことをきっかけにします。

 上になった足の側の尻の皮膚がずれやすいことが多いのですが、その
場合にそこの皮膚だけずらして膝の角度が90度よりも広くなってしまう
と効果がうすくなるので、もう片方の手では上になった足膝の角度を90
度以内に保つようにします。

 その状態で、尻の皮膚をずれやすいほうにずらします(写真6)。

写真6

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入った
か確認し、ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)
足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に」とほぼ同じです。

 きっかけの皮膚ずらしは、ほかにもあると思うので、探してみてくだ
さい。

4)膝立てから足首を回すのを皮膚の操体に

 先回に動きの操体で行ったときと同じようにして足首の捻りやすい方
向を見つけます。

 その方向にラクに捻れる範囲で捻った姿勢から、皮膚がずれやすいと
ころを探します。

 いろいろあると思いますが、今までの経験では、下腿の足首よりを親
指と四指で把握するようにつかみ、足首の回転につながるように皮膚を
ずらすのが効果が出やすいようです(写真7)。

写真7

 踵を支点に足先を回すのと受け手の感覚としてはほとんど同じになり
ます。

 片足ずつするときには、空いている手で別の場所の皮膚ずらしを付け
足すこともできます。

 これも今までの経験では、仙骨近くの皮膚がずれやすく効果も出やす
いようです。

 片手で足首の捻りを維持し、反対側の手のひらを仙骨ちかくに当てま
す。指先は頭のほうに向け、掌底(手のひらの手首より)が尾骨にかか
るぐらいが良いことが多いです。

 その状態から皮膚をかるくずれやすい方向にずらします。掌底を支点
に指先側をどちらかに回転させるように皮膚をずらすのがイイ感じのこ
とが多いです。

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入った
か確認し、ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)
足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に」とほぼ同じです。

3.膝立てないで、皮膚の操体

 うつ伏せで足を床に付けた姿勢からの皮膚の操体は、動きの操体と同
じように定番は、カエル足です。

1)カエル足を皮膚の操体で

 動きの操体と同じように、ラクに動かせるところまで膝を脇の下に近
づけてもらいます。

 ラクな位置がわからない人には、足指裏を痛くして逃げてもらっても
よいと思います。膝が曲がってカエルのような形で足が横に出た姿勢に
なってもらいます。

 その姿勢から、皮膚のずれやすいところをずれやすい方向にずらすこ
とをきっかけにします。カエル足になっている側の尻の皮膚を膝のほう
にずらすのがいちばんわかりやすいと思います(写真8)。

写真8

 空いているほうの手は、脹ら脛や足首まわりの皮膚でずれやすいとこ
ろを見つけてずらしたり、反対側の足でずれやすいところを見つけてず
らしたりしてみるとよいと思います。

 また、手が届けば、肩甲骨まわりなどでずれやすそうなところを探し
てみてもよいと思います。

 いろいろ試してください。

 ずらしたままにして気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入った
か確認し、ずらしつづけます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)
足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に」とほぼ同じです。

4.うつ伏せから、手の皮膚の操体

 この分野は動きのほうが気持ちよいという人が比較的多いですが、あ
まり動きたくない人には皮膚の操体をします。

 また、動きの操体をしていて、動きが止まったあとに皮膚のずれやす
いところをみつけて皮膚の操体にしてしまうこともできます。

1)肘あげを皮膚の操体で

 ラクな寝方で寝ているときに首が向いているほうの腕の上腕を観察し
ます。その上腕の中央を胴体の方向に延長した線が背骨と交わるところ
の観察している上腕側の背骨のすぐ脇にツボが出ているのは、動きの操
体のときと同じです。

 上腕の上側の皮膚をその背骨わきのツボの方向にずらしてみます。反
対側の手は背骨わきのツボに当てているとよいと思います。(写真9)

写真9

 上腕の下側(布団側)の皮膚を肘のほう(背骨ちかくの目標のツボか
ら遠ざかる方向)にずらすほうがよい場合もあります。

 いろいろ試してください。

 また、肘を持ち上げる動きの操体をして持ち上げる高さや方向が決まっ
た状態から、上腕の皮膚をずれやすい方向にずらすことをきっかけにし
たり、背骨ちかくのツボの上の皮膚をずれやすい方向にずらすことをきっ
かけに皮膚の操体をするのも効果が出やすいです。

 ずらしたままにして、気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入っ
たか確認し、ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)
足首を尻へ近づけるのを皮膚の操体に」とほぼ同じです。

 このように動きの操体を皮膚の操体に置き換えるには、動診してラク
に動かせるところまで動かすまでは動きの操体と同じで、ほんの少し強
調するのを動きでなく皮膚ずらしですればよいだけです。

 現在臨床の場で操体をして、どちらがイイ感じか受け手に聞いてみる
と、動きの操体よりも皮膚の操体のほうがイイという人が多く、私は臨
床の場では動きの操体を皮膚の操体に置き換えて施術することが多くなっ
ています。

5.うつ伏せ寝で目立つところに皮膚操体

 ここまでは、動きの操体を皮膚の操体におきかえてみました。そのた
めには、動いて動きやすいほうを見つける動診をしなくてはならないの
で、ためしに動診してみるのさえイヤがる人やひどく疲れていたりして
あまり動きたくなさそうなそうな人にはできません。

 そういう人に対しては、ラクな寝方で寝ている姿を観察し、そこから
皮膚の操体をします。寝ている姿に特徴がなくてわかりにくかったら、
足指を少し揉んで逃げてもらって姿勢をくずしてから観察してみるのも
よいと思います。

1)目立つところを探す

 観察は左右差を利用することが多いです。このときに、背骨に対する
位置関係の差だけでなく、布団や床からの高さの差にも目を向けてみる
のもよい方法です。

 左右差だけではなく、全身をながめて、おおざっぱな歪みがなんとな
くつかめるような勘を養っていくのが大切です。

 ただ、なんとなく勘でわかるだけでは、受け手に説明できませんし、
調子が悪くて勘が鈍ったときにはお手上げになってしまいます。それで、
勘でわかったことを言葉で自然則の形にしたり手順化するのも必要です。

 逆に、自然則や手順にしばられてしまって、勘が鈍って働かないよう
でも困ります。

 まずは、なんとなく勘でわかることを大切にし、それを補助するため
に自然則を活用できるようになってください。

 私がよく利用する観察のポイントを説明していきます。自然則のひと
つとして利用してみてください。

 この観察のポイントを、私は、鍼灸のツボ探しの時にも利用して、う
つ伏せで寝ている人のどのあたりにツボが出ているか、大雑把な見当を
つけています。

I)大腿上腕の向き

 観察のポイントのひとつは、大腿と上腕の向きです。

 大腿と上腕の延長線上に胴体部分があるかどうか観察してください。
あれば、大腿・上腕の皮膚を胴体から遠ざかる方向にずらすか、近づけ
る方向にずらすか、どちらかにずれやすいことが多いです。

 そうでなければ、大腿・上腕の皮膚をどちらかに捻ると皮膚がずれや
すいことが多いです。捻るのと遠ざかったり近づけたりを組み合わせる
のがイイ感じのことも多いです。

 延長線に胴体がある場合には、延長線と背骨が交わるあたりにツボが
出ている(写真10)ので探します。

写真10

 ツボがみつかったら、そのあたりの皮膚をずらしやすいほうにずらす
ことがきっかけになります(写真11)。

写真11

 延長線上に胴体がない場合には、腕や脚と胴体の境目(付け根)を起
点に上腕・大腿と直交する線と背骨が交わるあたりにツボが出ている
(写真12)ので探します。

写真12

II)背骨の捻れ曲がり

 背骨が捻れていないか曲がっていないかも観察ポイントになります。

 捻れの場合には、大腿の向きや骨盤の状態などの下半身の背骨を軸に
した回転と、首や上腕などの上半身の背骨を軸にした回転を比較すると
わかりやすいでしょう。

 ポイントは、どこを境に捻れているかです。境目の上下(頭を上、骨
盤を下とした場合)にツボが出ていることが多く、しかも対角に、つま
り、境目の上側が右に出ているのなら下側は左に出ています。

 背骨が曲がっている場合には、いちばん曲げよう、つまり、片側をい
ちばん伸ばそう、片側をいちばん縮めようとしているところを見つけま
す。曲がり角、いちばん曲がりがきつい所です。

 左右前後の曲げと捻りが組み合わさっている場合もあるので、よく観
察し境目を見つけるようにしてください(写真13)。

写真13

 境目のあたりを探るとツボが見つかることが多いです。

 腰椎が捻れや曲がりの境目の場合には、背骨のすぐそばにツボが出る
だけでなく、脇のほうの脊柱起立筋の外端にも大きなツボが出ているこ
とがあるので、探してみてください。

 ツボとしては、「痞根」「腰徹腹」とよばれ、体の古い歪みが出やす
いところとして知られています(写真14)。

写真14

「痞根」は、腰椎のあたりの脊柱起立筋の外端で、いちばん肋骨よりで
す。「腰徹腹」は、腰椎のあたりの脊柱起立筋の外端で、いちばん蝶骨
よりです。

 そこにもツボが出るのは、腰椎のあるところは、腰椎にほかの骨がつ
いていないため、腰椎の部分は体を捻ったり前後屈したりという胴体全
体の運動の中心になるせいではないかなと思います。

 また、胸椎上部が境目の場合には肩甲骨の外端にツボが出ることもあ
るし、仙骨の場合には骨盤まわりにも出ます。このあたりの筋肉は分厚
いです。

 逆にいえば、肋骨のある部分は、脇の筋肉が薄いのでツボが出にくい
か、出ても小さいので見つけにくいのかも知れません。

III)関連する手足を探す

 背骨ちかくを中心に胴体のツボが見つかったら、それと関係する手足
のツボを探すこともできます。

 まずは、胴体のツボの経絡的相関を考えて手足のツボを探してみます。

 胴体のツボが肩甲骨より上なら手を探してもよいが、それ以外なら足
のツボのほうが関係が深いです。

 うつ伏せの場合には背中側のツボが多いので、脚裏、つまり足の背中
側を見ることになります。良くツボが出ているのは膝裏から先です。

 左側なら左足、右側なら右足に、背骨に近ければ真裏、脇に近ければ
足のほうも横にずれて外よりの小指側(外踝側)に出ていることが多い
です。背中のツボが内臓など体の内側に関係していると、同じ横よりで
も内よりの親指側(内踝側)に出ていることが多くなります。

 場所としては、膝裏から脹ら脛にかけてや、両踝(くるぶし)まわり、
足の甲や足裏、足指などによく出ています。

IV)首・頭・尾骨を探す

 背骨の延長でも、首や頭、尾骨は、手足がつながっていないので、胸
椎から仙骨までとは探し方が少し違います。

 首は、やはり、捻れや曲がりを見ますが、胸椎から下の捻れや曲がり
と異なっている可能性が多いことを頭に入れておいてください。

 それは、ヒトは直立2足歩行する動物で、重い頭がいちばん上にある
し、その頭を真っ直ぐにしている必要があるので、胸椎から下の歪みを
首で調整していることが多いからです。

 つまり、胴体や足のおおざっぱな歪みと反対方向に首が歪んでバラン
スを取っている場合が多いということです。

 首の歪みを見るときにもうひとつ注意するのは、歪みは後ろ側から始
まるが、経過が長くなるとだんだん横にも出て、そして前にも出るよう
になるということです。

 現在では、首の横から前にツボが出ている人が多いです(写真15)。

写真15

 頭のツボは、ブヨブヨしたところを探します。多いのは、正中線上と、
目を通り正中線に平行な二つの線上、耳を通り正中線と直角に交わる線
上です。それら四つの線にそって指を滑らしてヘコんでブヨブヨしたと
ころを探します。

 尾骨まわりは狭いので細かくツボを探すよりも尾骨まわりの皮膚全体
のずれ具合を確かめるとよいと思います。尾骨は足と直接つながってい
ないので、足の操体をいろいろしても尾骨の歪みには効果が出にくいこ
とがあります。そういう場合に試してみると効果が出る可能性が高いで
す。

 これまで書いてきた以外でも、胸のアバラ(肋骨)で囲われた部分を
箱と見て、箱の歪み具合から変化を読んだり、骨盤の変化を読んでツボ
を予測する先生方もいらっしゃいます。

 体の自然編や操体の自然則編なども参考に、いろいろ工夫して、受け
手を待たせないで効果の出るツボを探せるようになってください。

2)目立つところに皮膚の操体

 いままで書いてきたような感じでツボを探して、ずれやすいところ、
ずらしてイイ感じのするところ、ずらすと息が深くなる場所を選びます。

 受け手が言葉の通じる人なら相談して決めます。

 胴体から2カ所選んでもよいし、胴体から1カ所、手足から1カ所選
んでもよいです。両手が届く範囲で選びます(写真16)。

写真16

 1番目に選んだところをずれやすい方向にしばらくずらしたままにし
ておきます。空いているほうの手は、2番目に選んだところをずれやす
い方向にずらしておきます。

 また、手首足首を捻ったり、手足の指を反らしたりするのと組み合わ
せてもよいです(写真17)。

写真17

 ずらしたままにして、気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入っ
たか確認し、ずらし続けます。付け足しやタワメの間、終え方は、「1)
足首を尻へ近づけるのを皮膚に」とほぼ同じです。

 そのほかにも、うつ伏せ寝からの皮膚の操体は、いろいろ工夫できま
す。受け手が違和感を感じるところと体の上下左右対角の対称点を選ん
で、その2カ所に皮膚の操体をするというのもよくします。

 いろいろ試して面白い方法を見つけてください。

6.うつ伏せ寝から重さの操体

 うつ伏せ寝からの重さの操体は、仰向けと同じように、操者の側が、
受け手の両肩と両方の尻の4カ所に体重をかけて、いちばん引き込まれ
る感じのするところか、言葉の通じる人ならいちばんイイ感じのすると
ころを選んで、そこにしばらく体重をかけたままにすることをきっかけ
にしてもよいです(写真18)。

写真18

 もうひとつは、受け手が両肘・両膝に体重を移せるようなら移しても
らい、いちばんイイ感じのするほうに体重をしばらく移したままにして
もらうのをきっかけにすることもできます。

 気持ち良さが感じられるか、腹に息が深く入ったか確認し、体重を移
した状態を続けます。

 言葉の通じる人には声をかけて、首を左右どちらに回すと気持ち良さ
が増すか聞いて、気持ち良さが深くなるように首を動かしてもらいます。
両腕や両足も気持ち良さが深くなるような格好を探してもらいます。わ
ずらわしくない範囲で。

 操者が体重をかけている場合には、受け手が姿勢を少しずつ変えてい
くのに合わせて、ちょうどよく釣り合ったタワメの間になるように、操
者も体重の掛け方を少しずつ変えながら支え続けます。

 受け手に体重を移してもらっている場合には、首や手足の動きに合わ
せて、より深く気持良くなれるように体重の移し方も少しずつ変えても
らいます。

 また、受け手が体重を移している場合には、倒れないように支えてあ
げたほうがよい場合もあります。よく観察して必要そうなら支えてあげ
てください。

 受け手が大きく姿勢を変えたくなるか、息が浅くなったり、気持ち良
さが感じられなくなるまで続けます。

 言葉が通じない人の場合には、引き込まれるように感じられるときは
続けてほしいというサインで、押し返すように感じられるときには終わ
りにして欲しいサインです

7.おわりに

 以上、簡単ですが、うつ伏せ寝からの皮膚の操体と重さの操体を解説
しました。

 繰り返しになりますが、うつ伏せ寝からの皮膚の操体を身に付けると、
うつ伏せ寝で寝ている受け手のどのあたりにツボが出ているか、おおよ
そ見当をつけることができるようになるので、鍼灸などでのツボ探しも
ラクになります。

 次回からは、横向き寝の姿勢からの操体です。


   つぎへ>>>術伝流操体no.19


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最終更新:2010年08月21日 11:36