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術伝流操体no.64
【５】応用篇 （17）応用講座の症例：心臓の痛み、呼吸困難
心臓の痛み、呼吸困難
１．はじめに
リラックスした状態になると、心臓系の痛みと、呼吸困難、筋
肉の痙攣などの発作的症状が出たが、器質性のものではなさそう
という人。
操体を始める前も、少し心臓の痛みがあるということでした。
精神的に辛い状況が続いているようで、その影響もありそうに思
いました。
この人の母親や姉も鍼治療したことがありますが、左肩甲骨下
角にツボが出ていることが多く、家系的に心臓に負担が掛かりや
すい可能性もあるなとも思いました。
２．操体をしてみた
2.1. ラクな姿勢は、仰向け
ラクな姿勢を選んでもらったら、仰向けということで、仰向け
から始めました。
診察を兼ねて、足の指揉みから始めてみました(写真１）。
写真1
横向きになりかけた後（写真２）、また、仰向けに足を曲げた
状態になりました（写真３）。足の指の筋肉が震えていました。
筋肉が痙攣したというのも、同じ感じで、震えながら弛もうとし
たのかなと思いました。
写真2
写真3
しばらくしたら、上半身が落ち着いた感じになっていき（写真
４）、やがて、膝を立てた姿勢から（写真５）、膝を左に倒した
姿勢になっていきました（写真6）。
それから、膝が胸の方に近づいていったり（写真７）、戻った
りを繰り返しました（写真８）。
写真7
写真8
2.2. 横向き寝、それから、うつ伏せに、また、横向き
やがて、横向きになっていきました（写真９）。
写真9
この頃から、右足が少しずつ温かくなっていきました。小指の
裏のシコリが、なかなか、弛まない状態でしたが、しばらくして、
弛みました。が、左足のシコリは残っていました。
やがて、うつ伏せになってきました。左肩甲骨の下角辺りを調
べたら、やはり、ツボが出ていました
そこに皮膚操体をしていたら、左を上にした横向き寝になり
（写真10）、膝を大きく曲げたり（写真11）、曲げを少なくし
たりを繰り返しました。
写真10
写真11
ここは、体の反応がずーっと続いていたので、しばらくの間、
続けていたら、だんだん温まっていきました。
ゴルフボール大のスーパーボールを畳の上などにおいて、仰向
けに寝て、丁度、このツボが押せるような状態にすることを勧め
ました。
そのうち、左手が温かくなり、汗ばんできました。また、セキ
も数回続けて出る状態を繰り返しました。
2.3. 座りたくなったというので、座位で
座りたくなったということで、座った状態でも続けました（写
真12）。
写真12
座位で手の指の調整をして、仕上げにすることにしました（写
真13、14）。
写真13
写真14
手の平の中央の労宮辺りを皮膚操体していたら汗が出てきて、
弛んだ感じになりました。また、薬指を反らしていたら、ゲップ
も出てきました。顔にも赤みがさしてきました。目もはっきり見
える感じになったとのことでした。
労宮を自分で弛めるには、薬指の指腹を、軽く温める感じで当
てておくと良いです。気分を落ち着かせいたいときにやってみる
よう、勧めました。
３．おわりに
セキ、ゲップ、汗などで出た方が良いもの（邪気や水毒かな）
が溜まってしまって出られなかったようです。そして、そのこと
が、発作的な症状が起きた原因の一つかもしれないなと思いまし
た。
発作的症状も、体が不要なものを出そうとする行為の一つだっ
た可能性もありそうです。
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最終更新：2017年02月25日 15:34
