累積: - ___ 昨日: - ___今日: -

術伝流操体no.59
【5】応用篇 (12)応用講座の症例:坐骨神経痛
坐骨神経痛

1.はじめに

 応用編も基本的なことは書き終えました。そこで、これからは、
今まで術伝流応用講座で操体させてもらった例を紹介していこう
と思います。術伝流応用講座では、実際に症状のある人に来ても
らい、操体ライブをしています。

2.坐骨神経痛の症例

 坐骨神経痛で、左足の特に裏側がシビレていて、右肩の動作制
限もあるという人。膝を曲げた状態が辛く、足を伸ばしていたい
ので、正座のような姿勢で座るのは無理で、運転中も左足を前に
投げ出しているとのこと。

 先ずは、患部の側を上にした横向き寝になってもらいました。
そこから、足指裏を痛くして逃げてもらい、足指裏が痛まない姿
勢になってもらいました(写真1)。

写真1

 それから、上になっている肩が前が良いか後ろが良いか聞いた
ら、前の方が良いということで、その姿勢を強調しました(写真
2)。横向き丸まり型ですね。

写真2

 写真だと何にもしてないように見えると思いますし、実際そば
で見ている人、特に、お子さんなどにそう言われることもありま
す。

 姿勢で治している、タワメの間の姿勢を保つことが改善と関係
しているという意識を持つようにしてください。腹の息が自然に
深くなるような姿勢を維持していると、だんだん良くなっていき
ます。

 数分続けたら、殿部が温かくなり、息が深くなるのが少し落ち
着いてきました。そこで、経絡的に関連する所に出ているツボに
指圧していきました(写真3,4)。片手は、坐骨神経痛のポイン
トの臀部中央で、皮膚操体を続けながら。

写真3
写真4

 末端に辿り着いたところで、指反らしと組み合わせました(写
真5,6)。この指反らしは、鍼での末端への引き鍼に相当します。
「患部に補」、「末端に瀉」の組み合わせです。

写真5
写真6

 しばらく続けたら、尻中央が脈を打つようになっていきました。
血行が良くなったということだと思います。

 指反らしの反応が少なくなったので、カエル足を強調するよう
にカカトを押してみました。目立つ所を強調してみて反応があれ
ば続け、反応がなくなったら次を試すという基本の応用です。

 姿勢を変えたがっているように感じたので、ゆっくり、うつ伏
せになってもらいました。足に左右差が残っていて(写真7)、
いかにも左足が悪いなという感じでした。

写真7

 うつ伏せでは、先ず、膝倒しや尻叩きなどの左右差を調べてみ
ました(写真8)。

写真8

 足首回しの左右差が大きかったので、それをキッカケにしてみ
ることにしました。腕をイイ感じの位置にしてもらったら、腹の
息が深くなっていきました(写真9)。

写真9

 左脚裏に非常に虚した、穴が空いている感じのラインを見付け
たので、指圧していきました(写真10)。気持ち良いとのこと
でした。

写真10

 すごく深く、指では奥まで届かないので、太めの鍉鍼や木の棒
を奥まで入れ、横に揺らしたりしましたが、痛くはないのことで
した(写真11)。3寸5分位の鍼で刺鍼したくなりました。

写真11

 木の棒の角度をツボの一番奥の芯に当たるように調節し、それ
が上手くいくように、足甲を押して、膝の曲げ具合も調整しまし
た(写真12)。そしたら、腹に深く息が入るようになりました。

写真12

 これを道具を使わないでするには、肘を当て、操者の体重をか
けていきます(写真13)。肘をしっかり曲げ肘頭の先端がツボ
の底に当たるように、肘を当てる角度を調整します。また、足の
曲げ具合や曲げる角度も調整します。

写真13

 しばらく体重をかけていたら、尻がだんだん温かくなっていき
ました。それで、終わりにしたら、脚の左右差も少なくなってい
ました(写真14)。

写真14

 ゆっくり起き上がってもらったら、正座で座れるようになって
いました(写真15)。

写真15

 その場で足踏みしてもらい大丈夫なことを確認してから、歩い
てもらいました。左右差は、ほとんど無くなっていました。シビ
レも、ほとんど無くなったとのことでした。

 五十肩もあるということで、無理の無いように椅子に腰掛けて
もらい、脇の下前後の水掻きを調べたら、シコリがありました。

 先ずは前の水掻きのシコリから。シコリを摘んで肩の方に移動
し、手首の回転と体重移動を付け加え維持しました(写真16)。
体重を戻したくなったときに終わりました。弛んでいました。

写真16

 次は後ろ側、こちらの方が酷い状態でした。やはり、手首反ら
し回転と体重移動を付け加えました(写真17)。しばらく維持し
ていたら、患部が温かくなってきました。終えて、調べたら、軽
く挙がるようになっていました。

写真17

 もっと良くするために、逆モーションバック運動も伝え、覚え
てもらいました。右手が上がりにくい状態なので、右手を下げ、
左手を上げる動作が逆モーションになります(写真18)。

写真18

3.おわりに

 こんな感じで、いらした人の辛さに合うように、操体ライブを
しています。辛い症状のある人をご存知でしたら、紹介してくだ
さい。よろしくおねがいします。


   次へ >>> 術伝流操体no.60



   >>> 目次へ・・・・・・・・・術伝流操体(あ)

   >>> このページのトップヘ・・術伝流操体no.59

   >>> 術伝HPトップへ ・・・・トップページ

術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」


お知らせとお願い

術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集

 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、術伝流のモデルをみてください。

 よろしくお願いします。

感想・間違いなど

 感想などあったり、間違いなど見つけた方は、術伝事務局あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集

 「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、術伝事務局あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   >>>術伝HPトップへ ・・・・トップページ

最終更新:2017年02月25日 14:54