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操体症例問答no.2 逆子+つわり

(1)はじめに

 遊風の操体掲示板にのせてもらった操体症例1つ目です。

 後で『楽しくわかる操体法』(今・丸住著 医道の日本社)
にも載せてもらえました。

(2)逆子+つわり

逆子

 鍼の講習会で、参加者の奥様が9ヶ月に成って、逆子だと言
うことで、一緒に来られたので、良い機会なのでモデルになっ
てもらった。

 ラクな姿勢で寝てもらう。右腰が少し痛むと言うことで、右
を上にした横向きに寝てもらった。

 以下、指圧なども使っていますが、全て皮膚の操体でも、同
じ結果が出ると思います。

 先ず、足の指の4,5番目の指裏関節部を探るとを圧痛があり
ました。そこを暫く軽く指揉みをする。

 腰に移る。外寄り、脊柱起立筋も終わりかけの脇に近い辺り
に筋張りが出ていた。そこを暫く肘での按摩をする。

 この部分の筋張りへの鍼は「子安の鍼」と江戸時代に呼ばれ、
安産に利用されたそうです。

 仙骨周辺に移る。すると右側の仙蝶関節の辺りに熱感が有っ
た。

 皆で確認する。

 普段は動かない…この部分が、赤ちゃんが大きくなって骨盤
を広げるために動こうとしているのだが、少し無理が有って、
左右同じ角度に開かないので、中の赤ちゃんが居心地悪くて、
逆子に成ったのだろうと思いました。

 仰向けで膝倒しの左右差が大きそうだな、この部分に開閉の
動きが伝わるだろうから、と思いました。

 逆子に治療で、至陰と言う足の小指の根本の外側角の近くに
あるツボに灸することが多いです。それは、この部分を弛める
のに、そこが役立つからだろうと思いました。

 また、確か、橋本敬三先生の本にも、逆子は、仙蝶関節のズ
レが関係していると書かれていたなと思いだしました。(後で
調べたら『万病を治せる妙療法』p196)

 大転子の辺りから下腿まで、状態を確かめながら指圧按摩を
した。

 その後に、仰向けで膝を立ててもらい、膝裏の痼りを切っ掛
けにして、その痛みから逃げる方向に動いてもらう操体をする。

 そして、膝を左右に倒してもらったら、やはり左右差が有っ
たので、倒しやすい方に(右足が上になる方)、ラクに倒せる
範囲で、倒してもらった。

 その姿勢で、上になった右足の大腿中央の辺りの皮膚を調べ
たら、膝の方に動いたので、そのままズラしたままにしておい
た。

 現在、私は、このように、動きの操体も、ラクに動く所まで
動いてもらって、その姿勢を強調するような皮膚の操体をする
ことが多いです。

 この方が、「何となくホンワカとした感じ」になる確率が高
いような気がしているからです。

 「何となくホンワカとした感じ」というのは、ある患者さん
の言葉で、「何となく気持ちよい」と言う意味だと思うのです
が、良い表現だなと思うので使わせてもらっています。

 直ぐに、深い息をし始めたので、その息が続く間、その姿勢
で皮膚ズラしを続けた。終わった後に、膝倒しの確認をしたら、
左右差が無くなっていた。

 深い息をしていた間に、お腹の赤ちゃんが動いていたとのこ
とでした。

 膝を開き気味に立ててもらい、左右の足を片側づつ、外と内
に倒してみて、差が有った右足の内倒しの動きを、同様の仕方
で左右差を無くしておいた。

 4日後に健診で、逆子では無いことが確認できたそうです。

 逆子や安産に使われる、足小指爪根本外側への灸にしても、
腰の外寄りの筋張りに対して鍼をする「子安の鍼」にしても、
仙蝶関節の左右差を無くすことと、そこの可動性を高めること
が達成できた場合に効くのだろうなと思いました。

 操体って、色々な治療法が何故効くのかが分かって、面白い
なと、改めて思いました。

悪阻(つわり)

 この人は、悪阻になったときにも相談を受け、吐き気が辛い
と言うことだったので、中指と薬指を反らしてみたらとアドバ
イスしました。

 吐き気を感じたときに指反らしをしたら、直ぐにラクに吐け
てしまって、吐いた後はスッキリして、普通に食事ができたそ
うです。

(3)おわりに

 今読んでみると、表現が硬い感じです。操体掲示板に書き込
み始めた頃で、緊張していたかなと思います。

 逆子の人への操体は、その後も色々と試しました。

 今では、普通の膝倒しよりも、片側の足だけ倒していく、膝
の内倒しの方が効果的なことが分かり、そちらを勧めています。

 私だけでなく、私が伝えた方々も、逆子の人にして、結果を
出しています。

膝の内倒し:逆子に効果的

1.仰向けで、広めに膝を立ててもらう。ラクな範囲で。

2.片方の膝を反対側の膝の内側に倒して、左右差を観察。

3.倒しやすい方の膝をラクに倒れる範囲で倒し、
  上側になった大腿横側の皮膚を膝の方に少しズラす

4.腹の息が深くなったか、イイ感じがするか確認し、
  良ければ続ける

5.戻したくなったら、終える

  • この操体は、一人でもやってもらえます。ラクに倒れる方を
ラクに倒れる範囲で倒したら、その上に座布団を1,2枚乗せる
可能です。

 また、皮膚の操体が上手なら、空いている方の手で、腹の臍
周りの皮膚を時計回りと反時計回りにズラしてみて、ズラしや
すい方に暫くズラしたままにする皮膚操体を組み合わせるのも
効果が高いことが多かったです。


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最終更新:2017年01月25日 10:52