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鍼灸症例問答no.5 膝の痛み

(1)はじめに

 ペンネーム「母さんの鍼」さんの鍼灸症例5つめです。

(2)「膝の痛み」について

   ・主訴は右膝関節痛による正座困難
   ・50代の男性

1.患者さんの症状

(1)一昨年の暮にジョギング中、右膝がグキッとなった。
   以来、徐々に膝に痛みが出て、曲げにくくなった。

(2)現在は正座が出来ずに、右足を真っ直ぐ伸ばしたまま、
   座椅子に座っている。

2.患者さんの状態

(1)右膝が痛く、曲げられない。

(2)仕事であちらこちらへ移動するため、かなり疲労している
   様子で元気がない。

3.実際にやったこと

(1)右足の甲、3-4間に引き鍼

(2)右L4-L5間、右臀部中央より上(梨状筋あたり)、右裏
   環眺に刺鍼

(3)右風市に刺鍼

(4)右ハムストリング外側二箇所にツボあり、刺鍼

(5)右膝裏横紋端の外側上下と、内側の上、合わせて三箇所
   にツボが出ており、刺鍼

(6)右飛陽付近と、右の下コンロンに刺鍼
  (ツボを取る時に一番痛がった)

(7)右足の甲4-5間に刺鍼

4.施術後の変化

(1)右足が曲げられるようになり、ほぼ正座が出来るようになった
   が、委中の上あたりに、痛みが残った。

(2)膝がかなり正座に近づいたにもかかわらず、体重が乗せられな
   かった。

5.感想

(1)顔色が良くなり、何より膝が曲げられるようになって、大変喜
   んで下さった。しきりに「こんなに曲げることは出来なかった」
   と繰り返しおっしゃって、膝を屈曲させての横座りも出来るよ
   うになった。

(2)体重を乗せられるまでに出来なかったのが、少し残念だった。
  以上、シンプルにまとめましたが、ご意見・ご批判をお願い致し
  ます。

(3)遊風のコメント1

「膝の痛み」について
  • 主訴は右膝関節痛による正座困難
  • 50代の男性

 すごいペースで5つめですね。

1.患者さんの症状
(1)一昨年の暮にジョギング中、右膝がグキッとなった。
  以来、徐々に膝に痛みが出て、曲げにくくなった。
(2)現在は正座が出来ずに、右足を真っ直ぐ伸ばしたまま、
  座椅子に座っている。
2.患者さんの状態
(1)右膝が痛く、曲げられない。
(2)仕事であちらこちらへ移動するため、かなり疲労している
   様子で元気がない。

 これは、膝痛の人のなかでもかなり重症かな。

3.実際にやったこと
(1)右足の甲、3-4間に引き鍼
(2)右L4-L5間、右臀部中央より上(梨状筋あたり)、右裏環眺
   に刺鍼

 このツボの出方だと腰痛もありそう。

(3)右風市に刺鍼
(4)右ハムストリング外側二箇所にツボあり、刺鍼
(5)右膝裏横紋端の外側上下と、内側の上、合わせて三箇所
   にツボが出ており、刺鍼
(6)右飛陽付近と、右の下昆侖に刺鍼
  (ツボを取る時に一番痛がった)
(7)右足の甲4-5間に刺鍼

 まぁ、一般的なツボの出方に近いですね。

4.施術後の変化
(1)右足が曲げられるようになり、ほぼ正座が出来るようになっ
   たが、委中の上あたりに、痛みが残った。
(2)膝がかなり正座に近づいたにもかかわらず、体重が乗せられ
   なかった。

 体重がのせられない場合には、股関節近く、鼡径部や大転子付近に
ツボが出ていることが多いです。

 まれに足首付近にツボが出ていることもあります。

5.感想
(1)顔色が良くなり、何より膝が曲げられるようになって、大変
   喜んで下さった。しきりに「こんなに曲げることは出来な
   かった」と繰り返しおっしゃって、膝を屈曲させての横座り
   も出来るようになった。
(2)体重を乗せられるまでに出来なかったのが、少し残念だった。

 膝は運動器系のなかではむずしく、経過が長いことも多いので
一度でこれだけ改善すればたいしたものです。

(4)「母さんの鍼」さんからの返信1

 コメントをありがとうございました。
「膝の痛み」について
  • 主訴は右膝関節痛による正座困難
  • 50代の男性
2.患者さんの状態
(1)右膝が痛く、曲げられない。
(2)仕事であちらこちらへ移動するため、かなり疲労している
   様子で元気がない。
これは、膝痛の方の中でもかなり重症かな。

  • 曲げられないのは、かなり辛かったと思います。

3.実際にやったこと
(1)右足の甲、3-4間に引き鍼
(2)右L4-L5間、右臀部中央より上(梨状筋あたり)、右裏環眺に刺鍼
このツボの出方だと腰痛もありそう。

  • 膝痛の方は腰痛の傾向が多く見られるので、足の甲に引き鍼後、
 直ちに腰痛の施術から行ったところ、定番のツボが出ていました。

(3)右風市に刺鍼
(4)右ハムストリング外側二箇所にツボあり、刺鍼
(5)右膝裏横紋端の外側上下と、内側の上、合わせて三箇所
   にツボが出ており、刺鍼
(6)右飛陽付近と、右の下昆侖に刺鍼(ツボを取る時に一番痛がった)
(7)右足の甲4-5間に刺鍼
まぁ、一般的なツボの出方に近いですね。

  • 風市は腸脛靱帯上にあります。股関節を安定させて立位を保持
 し、膝関節を固定させる働きがある腸脛靱帯上にこのツボがある
 ことを考ると、腰の悪い方や膝関節に不具合のある方には、この
 ツボへの刺鍼は、必要ではないかと思います。

  • ハムストリング外側−大腿二頭筋上に、ツボが出るのも、大腿二
 頭筋の膝関節の直立位を保持し安定させる働きを考えると、納
 得出来ます。

4.施術後の変化
(1)右足が曲げられるようになり、ほぼ正座が出来るように
   なったが、委中の上あたりに、痛みが残った。
(2)膝がかなり正座に近づいたにもかかわらず、体重が乗せ
   られなかった。
体重がのせられない場合には、股関節近く、鼡径部や大転子付
近にツボが出ていることがおおいです。
まれに足首付近にツボが出ていることもあります。

  • 先生が講習会の時におっしゃっていました。 
 委中の痛みに気を取られ、忘れていました。

5.感想
(1)顔色が良くなり、何より膝が曲げられるようになって、
   大変喜んで下さった。しきりに「こんなに曲げることは
   出来なかった」と繰り返しおっしゃって、膝を屈曲させ
   ての横座りも出来るようになった。
(2)体重を乗せられるまでに出来なかったのが、少し残念。
膝は運動器系の中では難しく、経過が長いことも多いので
一度でこれだけ改善すればたいしたものです。

  • 先生の丁寧なご指導のお陰と、常々感謝しております。
 また、患者さんにも恵まれ、患者さんの治りたい思いに少しお手
 伝いをしたら、勝手に良くなって下さって助かりました。

  • 患者さんは1期・2期に関係なく、様々な病態を持っていらっしゃ
 います。
 その時々の診立てはどうだったか、また施術をし変化していく身
 体の状態に合わせて、適切な処置が出来たか、どうすれば良かっ
 たのかなどを報告書としてまとめ、先生よりコメントを頂くこと
 で、深く学ぶことが出来ました。ありがとうございました。

  • また、日曜講座の暖かい雰囲気の中で、皆様に支えられて、講習
 を続けることが出来ました。本当にありがとうございました。

  • 新たな気持ちで、次の一歩を踏み出そうと思います。
 今後とも宜しくお願い致します。

(5)遊風からのコメント2

  • 曲げられないのは、かなり辛かったと思います。

そうですね。

  • 膝痛の方は腰痛の傾向が多く見られるので、足の甲に引き鍼後、
 直ちに腰痛の施術から行ったところ、定番のツボが出てました。

 そうですね。

 膝痛になる前に腰痛を患っている人が多いですね。軽いことも多
いですが。

  • 風市は腸脛靱帯上にあります。股関節を安定させて立位を保持
 し、膝関節を固定させる働きがある腸脛靱帯上にこのツボがある
 ことを考ると、腰の悪い方や膝関節に不具合のある方には、この
 ツボへの刺鍼は、必要ではないかと思います。
  • ハムストリング外側−大腿二頭筋上に、ツボが出るのも、大腿二
 頭筋の膝関節の直立位を保持し安定させる働きを考えると、納
 得出来ます。

このあたりの観察も見事です。

体重がのせられない場合には、股関節近く、鼡径部や大転子付
近にツボが出ていることが多いです。
まれに足首付近にツボが出ている事もあります。
  • 先生が講習会の時におっしゃっていました。 
 委中の痛みに気を取られ、忘れていました。

これは良くあるパターンです。
まぁ、次回はできるでしょう。

  • 新たな気持ちで、次の一歩を踏み出そう

 今年4期をおえた方々も私の予想をはるかにこえて上手に
なりましたけど、本当に「母さんの鍼」さんが3期4期を
おえたらすごい治療家になりそうで楽しみです。


(6)おわりに

 5回目の症例報告ですが、あいかわらず、みごとな内容でした。

 以前は、4期制で、1期:運動器系急性期、2期:運動器系慢性期、
3期:病証(内科系慢性期急性期)、4期:応用という形でした。


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最終更新:2010年08月25日 17:17