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鍼灸症例問答no.4 下腿痛

(1)はじめに

 ペンネーム「母さんの鍼」さんの鍼灸症例4つめです。

(2)頚部痛と肩痛

 いつもお世話になっております。

 今回は、てい鍼のみで施術をしたケースを、報告したいと思います。

 鍼の苦手な方への導入編として、先生もご指摘されているように、
もっと使っていきたい鍼です。

 「頚部痛と肩痛」について
   ・主訴は、頚の痛みと肩の痛み
   ・20代の女性

1.患者さんの症状

(1)首から肩にかけての痛み、特に右側にコリと痛みを感じる。

(2)時々偏頭痛あり。

2.患者さんの状態

(1)慢性的な首から肩にかけてのコリから、痛みが発生した模様。
   肩はバンバンに凝っていて、どちらかと言うと右の痛みが強い。

(2)横隔膜から上の前胸部、肩、頚、頭部にかけて、気が滞って
   詰まっている感あり。

(3)前頭部に少し熱感あり。

3.実際に行ったこと(全て座位で、右側を施術)

(1)合谷に、てい鍼を押し手で固定し、いわゆる刺し手で回旋させ
   ながら、首を動かしてもらう。
   →圧痛点としてかなり反応があり「響きが首までくる」

(2)曲池と合池を同時に揉む。→曲池に反応があり、「首までくる」

(3)前頭部を楊枝で作った梅花鍼で、散鍼し、熱感を減少させてく。

(4)肩外愈・肩井・大椎・神堂をてい鍼で。
   →肩外愈をてい鍼すると、「指先まで来る」、
    また神堂では、「頭の方まで来る」とのこと。

(5)大鎖骨上か(胸鎖乳突筋の起始部)と鎖骨下縁(肩こりの反点)
   にてい鍼。

(6)中府・雲門→肩こりの反応点として取ったが、気管支炎を患っ
   たこともあるせいか、圧痛点としてかなり反応が出た。

(7)胸鎖乳突筋の前縁・筋腹・後縁→「胸の前方までくる」とのと。

(8)後頭骨ライン((天柱・風池・完骨)
     →「足の先まで響いて来る感じがある」とのこと。

(9)右手3-4間にてい鍼。

4.施術後の変化

(1)表情が和らいで、明るくなった。また患者さんを覆っていたバ
   リアの気がホンワカした優しい気の流れに変わった。

(2)詰まっていた気が動き、流れ出した感があった。

(3)固まっていた肩甲骨の周りの筋が緩み、動きが出てきた。

5.感想

(1)「重かった肩が軽くなり、楽になった」と大変喜んで頂けた。

(2)御自分の身体の変化に敏感な方で、てい鍼をあてる度に、経絡
   の流れに沿って響いていくのを感じられたようだった。

(3)施術の時、前頭部の熱感が気になり、先に散鍼したが、陰経を
   動かしたこともあり、終わりの方に頭の散鍼をした方が良かっ
   たのか。この施術の時は、まだ慢性疾患が充分わかっていなかっ
   たので、より良い方法をご指摘頂ければ、と思う。

(4)最初から最後まで、てい鍼のみでの施術だったが、てい鍼購入
   直後の施術で、鍼を押さえ回旋させる技しか思い付かなかった。
   使い方のマニュアルに記載されてある井穴刺激療法・疼痛軽減
   法などを取り入れていきたい。

   また、皮膚を読み、皮膚の状態に合わせた施術を、小児鍼の谷
   岡先生が提唱していたが、内科系疾患でてい鍼を使用出来るよ
   うになると、施術の幅が広がり、鍼の苦手な方にも、アピール
   出来ると思う。

(5)肩こりなので、てい鍼をしながら、重さの操体を組み合わせて
   も良かったかなと、振り返って思った。

(6)課題としては、かなりの肩こりなので、慢性疾患としての治療
   の必要性を感じた。

 以上、長くなりましたが、ご意見・ご批判をお願い致します。


(3)遊風のコメント

頚部痛と肩痛」について
  • 主訴は、頚の痛みと肩の痛み
  • 20代の女性
特に右側にコリと痛みを感じる。
(2)時々偏頭痛あり。
(2)横隔膜から上の前胸部、肩、頚、頭部にかけて、気が滞って
   詰まっている感あり。
(3)前頭部に少し熱感あり。

 扁桃痛があるということは、経過が長くて少陽病気味ということか
な。

 中焦上部から表位にかけて気が滞っている感じ、前頭部熱感という
ことは、上衝があるということで、痛み辛さはそれが原因かな。

 横隔膜も張っている感じがあるとすれば、邪気の原因は中焦の水毒
かな。

3.実際に行ったこと(全て座位で、右側を施術)
(1)合谷に、てい鍼を押し手で固定し、いわゆる刺し手で回旋さ
   せながら、首を動かしてもらう。
   →圧痛点としてかなり反応があり「響きが首までくる」

 響きのわかる患者さんでよかったですね。

 これで、表位の邪気をすこし減らせたかな。提鍼でできれば、大し
たものです。

(2)曲池と合池を同時に揉む。→曲池に反応があり「首までくる」

 これは前頚部かな。


(3)前頭部を楊枝で作った梅花鍼で、散鍼し、熱感を減少させて
   おく。

 楊枝30本ほどを輪ゴムでたばねたもの。

 提鍼と組み合わせて使うときには便利です。

(4)肩外愈・肩井・大椎・神堂をてい鍼で。
   →肩外愈をてい鍼すると、「指先まで来る」、
   また神堂では「頭の方まで来る」とのこと。

 肩外愈は、手太陽なんで、経絡相関どおりですね。小指中心に来て
いたのなら。

 神堂で頭に来たということは、やはり中焦の水毒から発生した邪気
による症状と考えてよいかな。すぐ下が横隔膜なんで。

(5)大鎖骨上か(胸鎖乳突筋の起始部)と鎖骨下縁(肩こりの反
   応点)にてい鍼。
(6)中府・雲門→肩こりの反応点として取ったが、気管支炎を患っ
   たこともあるせいか、圧痛点としてかなり反応が出た。
(7)胸鎖乳突筋の前縁・筋腹・後縁→「胸の前方までくる」。

 このあたりが前頭部の熱感と関係しているのでしょう。

 このあたりをする前に列缺に引いておいたほうが無難かな。

 患者さんの反応はやらなくても大丈夫だったようですが。

(8)後頭骨ライン((天柱・風池・完骨)
   →「足の先まで響いて来る感じがある」とのこと。

 提鍼で、ここをして足先まで響かせられれば、すごいです。

(9)右手3-4間にてい鍼。

 これは偏頭痛にきいたかな。

4.施術後の変化      
(1)表情が和らいで、明るくなった。また患者さんを覆っていた
   バリアの気がホンワカした優しい気の流れに変わった。

なかなか素敵な表現ですね。

(2)詰まっていた気が動き、流れ出した感があった。
(3)固まっていた肩甲骨の周りの筋が緩み、動きが出てきた。

まさに、邪気をしりぞけ、真気をめぐらしたという感じですね。

5.感想
(1)「重かった肩が軽くなり、楽になった」と大変喜んで頂けた。

よかったです。

(2)御自分の身体の変化に敏感な方で、てい鍼をあてる度に、経
   絡の流れに沿って響いていくのを感じられたようだった。

 そうですね。この方は鍼師としての素質にめぐまれています。

 提鍼と楊枝をたばねたもので、ご自分でもかなりの治療ができると
思います。

(3)施術の時、前頭部の熱感が気になり、先に散鍼したが、陰経
   を動かしたこともあり、終わりの方に頭の散鍼をした方が良
   かったのか。
   この施術の時は、まだ慢性疾患が充分わかっていなかったので
   より良い方法をご指摘頂ければ、と思う。

 先にも書きましたが、こういうときには、手甲に引いたあとで、
手陰経の列缺に引くとよいです。

 3期の病証で練習します。

(4)最初から最後まで、てい鍼のみでの施術だったが、てい鍼購
   入直後の施術で、鍼を押さえ回旋させる技しか思い付かなかっ
   た。使い方のマニュアルに記載されてある井穴刺激療法・疼
   痛軽減法などを取り入れていきたい。

 これぐらい感度のよい方なら、提鍼でほとんど治療ができると思い
ます。

 このあいだの通し稽古で、パパトトロさんがしていたかな。

 提鍼の先だけでなく、提鍼の横側を使ったりもします。

また、皮膚を読み、皮膚の状態に合わせた施術を、小児鍼の谷岡
先生が提唱していたが、内科系疾患でてい鍼を使用出来るように
なると、施術の幅が広がり、鍼の苦手な方にも、アピール出来る
と思う。

 そうですね。

 これくらい敏感な方なら、内科系も提鍼や小児鍼でできます。

 服の上からも施術できます。

(5)肩こりなので、てい鍼をしながら、重さの操体を組み合わせ
   ても良かったかなと、振り返って思った。

 ピンポン。

 操体との組み合わせも、刺入する鍼よりもやりやすいです。

(6)課題としては、かなりの肩こりなので、慢性疾患としての治
   療の必要性を感じた。

 偏頭痛もあるということで少陽病もありえるので、体の横側面の治
療も必要かも知れません。

 それと、中焦の水毒が関係していると思うし、若い女性なので下焦
の悪血との関係もあるかもしれません。

 4月からの3期では、病証をテーマにします。1期、2期で運動器
系を中心に行ってきたことを内科系に応用していきます。

 それを考えると、この症例報告は非常にタイムリー。グッジョブ。
ありがとうございました。

(4)遊風からの追加分

「頚部痛と肩痛」について
 ・主訴は、頚の痛みと肩の痛み
 ・20代の女性
特に右側にコリと痛みを感じる。
(4)肩外愈・肩井・大椎・神堂をてい鍼で。
   →肩外愈をてい鍼すると、「指先まで来る」、
   また神堂では「頭の方まで来る」とのこと。
神堂で頭に来たという事は、やはり中焦の水毒から発生した邪気に
よる症状と考えて良いかな。直ぐ下が横隔膜なんで。

追加です。

 もし、この方が、右利きで左肩こりで、左神堂で頭に来たなら、心
臓に負担がかかっている可能性があります。子供のころ弁膜症だった
り、いま不整脈だったり。

 まぁ、まれに右に心臓のある方もいるそうなので、ちょっと気にな
るところです。


(5)「母さんの鍼」さんからの返信


  早速のコメント、ありがとうございました。

「頚部痛と肩痛」について 
 ・主訴は、頚の痛みと肩の痛み
 ・20代の女性
特に右側にコリと痛みを感じる。
(2)時々偏頭痛あり。
(2)横隔膜から上の前胸部、肩、頚、頭部にかけて、気が滞っ
  て、詰まっている感あり。
(3)前頭部に少し熱感あり。
扁桃痛があるということは、経過が長くて少陽病気味ということ
かな。

  • なるほど、それは考えられますね。

中焦上部から表位にかけて気が滞っている感じ、前頭部熱感という
ことは、上衝があるということで、痛み辛さはそれが原因かな。

  • はあ、気の滞りは充分感じられましたが、病証と関連付けるほど、
 頭が回らなかったです。

横隔膜も張っている感じがあるとすれば、邪気の原因は中焦の水毒
かな。

  • 指摘されるまで、典型的な慢性肩こりと思っていました。
 患者さんの病態が、全然読めていませんでした。
 ありがとうございます。大変勉強になります。

3.実際に行ったこと(全て座位で、右側を施術)
(1)合谷に、てい鍼を押し手で固定し、いわゆる刺し手で回旋
   させながら、首を動かしてもらう。
   →圧痛点としてかなり反応があり、「響きが首までくる」
響きのわかる患者さんでよかったですね。
これで、表位の邪気をすこし減らせたかな。
提鍼でできれば大したものです。

  • 響きが首までくるということは、滞っていた気が動き出してきたと
 いうことですか?

 そういえば、自分の身体に刺鍼して、響きがあると気が動いた感が
 ありますね。

  • 邪気の減少の目安は、患者さんの表情などですか?

(2)曲池と合谷を同時に揉む。
   →曲池に反応があり「首までくる」
これは前頚部かな。

  • 前頚部かどうかの確認はしませんでした。

(3)前頭部を楊枝で作った梅花鍼で、散鍼し、熱感を減少させ
ておく。
楊枝30本ほどを輪ゴムでたばねたもの。
提鍼と組み合わせて使うときには便利です。
(4)肩外愈・肩井・大椎・神堂をてい鍼で。
   →肩外愈をてい鍼すると、「指先まで来る」、
   また神堂では「頭の方まで来る」とのこと。
肩外愈は、手太陽なんで、経絡相関どおりですね。
小指中心に来ていたのなら。

  • これも小指かどうかは未確認です。

神堂で頭に来たということは、やはり中焦の水毒から発生した邪気
による症状と考えてよいかな。すぐ下が横隔膜なんで。

  • これは、頭のほうまで響きがきたのは、神堂にてい鍼したことで、
 中焦の水毒が動き出し、頭の方へ邪気が行ったと考えるのが、妥当
 ということですか?

(5)大鎖骨上か(胸鎖乳突筋の起始部)と鎖骨下縁(肩こりの
   反応点)にてい鍼。
(6)中府・雲門→肩こりの反応点として取ったが、気管支炎を
   患ったこともあるせいか、圧痛点としてかなり反応が出た。
(7)胸鎖乳突筋の前縁・筋腹・後縁→「胸の前方までくる」。
このあたりが前頭部の熱感と関係しているのでしょう。
このあたりをする前に列缺に引いておいたほうが無難かな。
患者さんの反応はやらなくても大丈夫だったようですが。

  • 上衝している熱感を、手の陰経に引いて、邪気を外に出す通路を
 作っておく事で、上焦をてい鍼で動かした時に、さらなる上衝を
 防げる訳ですね?

(8)後頭骨ライン((天柱・風池・完骨)
  →「足の先まで響いて来る感じがある」とのこと。
提鍼でここをして、足先まで響かせられれば、すごいです。

  • これは、大変感受性の高い患者さんだったので分かったことです。

(9)右手3-4間にてい鍼。
これは偏頭痛に効いたかな。

  • 施術後は、すっきりした面持ちだったので安心しました。

4.施術後の変化      
(1)表情が和らいで、明るくなった。また患者さんを覆ってい
   たバリアの気がホンワカした優しい気の流れに変わった。
なかなか素敵な表現ですね。
(2)詰まっていた気が動き、流れ出した感があった。
(3)固まっていた肩甲骨の周りの筋が緩み、動きが出てきた。
正に、邪気を去らし、真気を巡らしたという感じですね。

5.感想
(1)「重かった肩が軽くなり、楽になった」と大変喜んで頂けた。
良かったです。
(2)御自分の身体の変化に敏感な方で、てい鍼をあてる度に、
   経絡の流れに沿って響いていくのを感じられたようだった。
そうですね。
この方は鍼師としての素質にめぐまれています。提鍼と楊枝をたば
ねたもので、ご自分でもかなりの治療ができると思います。

  • 本当に鍼灸師にしたいくらいの方です。
 これだけの感受性があれば良い治療家にもなれそうです。
 残念ながら、研究者なので。

(3)施術の時、前頭部の熱感が気になり、先に散鍼したが、陰
   経を動かしたこともあり、終わりの方に頭の散鍼をした方
   が良かったのか。
   この施術の時は、まだ慢性疾患が充分わかっていなかった
   ので、より良い方法をご指摘頂ければ、と思う。
先にも書きましたが、こういう時には、手甲に引いた後に
手陰経列缺に引くと良いです。
3期の病証で練習します。

  • しっかり学びたいと思います。

(4)最初から最後まで、てい鍼のみでの施術だったが、てい鍼
  購入直後の施術で、鍼を押さえ回旋させる技しか思い付かな
  かった。使い方のマニュアルに記載されてある井穴刺激療法・
  疼痛軽減法などを取り入れていきたい。
これぐらい感度の良い方なら、提鍼で殆ど治療ができると思います。
この間の通し稽古で益満さんがしていたかな。
提鍼の先だけでなく、提鍼の横側を使ったりもします。

  • てい鍼を接触鍼として使う方法ですね。

また、皮膚を読み、皮膚の状態に合わせた施術を、小児鍼の谷岡
先生が提唱していたが、内科系疾患でてい鍼を使用出来るように
なると、施術の幅が広がり、鍼の苦手な方にも、アピール出来る
と思う。
そうですね。
これくらい敏感な方なら内科系も提鍼や小児鍼でできます。
服の上からも施術できます。

  • 感度の良い方は、効果の現れ方も違うのでしょうね、きっと。

(5)肩こりなので、てい鍼をしながら、重さの操体を組み合わ
   せても良かったかなと、振り返って思った。
ピンポン。
操体との組み合わせも、刺入する鍼よりもやりやすいです。

  • てい鍼と操体のコラボも、機会があればやってみると、面白いで
 しょうね。

(6)課題としては、かなりの肩こりなので、慢性疾患としての
   治療の必要性を感じた。
偏頭痛もあるという事で少陽病もありえるので、
体の横側面の治療も必要かも知れません。
それと、中焦の水毒が関係していると思うし
若い女性なので下焦の悪血との関係もあるかもしれません。

  • いろいろな病証が絡んで、さまざまな症状を引き起こしてくるん
 ですね。

 今回は、病気は単独でやってくるとは限らない、と言う例ですね。

4月からの3期では、病証をテーマにします。
1期、2期で運動器系を中心に行ってきた事を内科系に応用
していきます。

  • 1期・2期は、何も分からないまま無我夢中でやってきた「あっ」と
 言う間の一年でした。

 まだ頭の中は、ボンヤリしているので、整理してクリアにしていき
たいと思います。

それを考えると、この症例報告は非常にタイムリー。グッジョブ。
ありがとうございました。

  • いえいえ、たまたま報告時期と学ぶ時期が一致しただけのことです
 が、少しでもお役に立つならば、嬉しい限りです。

  • 一区切りついたら、もう少し患者さんをじっくり診て、どんな病
 証なのかを判断出来るよう、学んでいきたいと思います。

  • 判断出来ないまま、勢いでやった症例が、まだ2〜3ありますが、
 またご指導の程、宜しくお願い致します。

(6)遊風からのコメント

横隔膜も張っている感じがあるとすれば、邪気の原因は中焦の水
毒かな。
  • 先生に指摘されるまで、典型的な慢性肩こりと思っていました。
 患者さんの病態が、全然読めていませんでした

 横隔膜部分、具体的には肋骨下部が張っている感じのときは、中焦
の水毒から発生した邪気が原因によることがおおいと思います。

  • 響きが首までくるということは、滞っていた気が動き出してきた
 ということですか?

たぶん

  • 邪気の減少の目安は、患者さんの表情などですか?

 こういう場合には、肩首などの緊張感がゆるんだ感じがしたと思い
ます。前頭部の熱感や顔の赤みなどもへった可能性があります。

神堂で頭に来たということは、やはり中焦の水毒から発生した邪
気による症状と考えて良いかな。すぐ下が横隔膜なんで。
  • これは、頭のほうまで響きがきたのは、神堂にてい鍼したことで、
 中焦の水毒が動き出し、頭の方へ邪気が行ったと考えるのが、
 妥当ということですか?

その可能性があります。

(5)大鎖骨上か(胸鎖乳突筋の起始部)と鎖骨下縁(肩こりの
   反応点)にてい鍼。
(6)中府・雲門→肩こりの反応点として取ったが、気管支炎を
   患ったこともあるせいか、圧痛点としてかなり反応が出た。
(7)胸鎖乳突筋の前縁・筋腹・後縁→「胸の前方までくる」
このあたりが前頭部の熱感と関係しているのでしょう。
このあたりをする前に列缺に引いておいたほうが無難かな。
患者さんの反応はやらなくても大丈夫だったようですが。
  • 上衝している熱感を、手の陰経に引いて、邪気を外に出す通路を
 作っておく事で、上焦をてい鍼で動かした時に、さらなる上衝を
 防げる訳ですね?

そうです。

提鍼の先だけでなく、提鍼の横側を使ったりもします。
  • てい鍼を接触鍼として使う方法ですね。

それもできますが、それ以外でも、指の関節部の節紋のツボとかは、
横側を押しつけたほうが効きます。

  • 1期・2期は、何も分からないまま無我夢中でやってきた「あっ」
 と言う間の一年でした。
 まだ頭の中は、ボンヤリしているので、整理してクリアにして
 いきたい

これだけの症例報告ができれば、十二分です。

  • 一区切りついたら、もう少し患者さんをじっくり診て、どんな病
 証なのかを判断出来るよう、学んでいきたいと思います。
  • 判断出来ないまま、勢いでやった症例が、まだ2〜3あります

「母さんの鍼」さんが3期4期を学んだら凄い治療家になりそうです
ね。楽しみです。


(7)おわりに

 4回目の症例報告ですが、あいかわらず、みごとな内容でした。

 以前は、4期制で、1期:運動器系急性期、2期:運動器系慢性期、
3期:病証(内科系慢性期急性期)、4期:応用という形でした。


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最終更新:2010年08月25日 16:58