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シコりに合わせた操体を予測

操体もくもく・操体の自然則 (9) シコりに合わせた操体を予測

1.はじめに

 先回は、タワメの間では、目標のシコりは消えるという話でしたが、
今回は、目標のシコりにふさわしいタワメの間を予測するという話を
書きます。

 先々回に、体が治したいのは、タワメの間で力がはたらくところ
と書いたことと、先回の内容の組み合わせから、勘の良い人ならすぐ
思いついてしまうかもしれないくらい当たり前の話かも。

2.目標に合わせた操体を予測

 目標とするシコりがあるときに、そのときその人がとっている姿勢
をすこし変えていくことで、そのシコりが消えるようなタワメの間の
姿勢に持っていけないかなというのが、今回のテーマです。

 それができれば、気持ち良さが感じられるか、息が深くなったか確
かめてから、それらのサインがつづくあいだ、その姿勢を維持すれば、
たぶんシコりは消えるんじゃないかなということです。

あお向け大の字に近いとき

 いままでためしてきた経験から、受け手にいろいろな操体をつづけ
てして、その日はもう十分かなという状態になると、あお向けで大の
字にちかい姿勢になることがおおいです。

 そうなったときをまず例にしてみます。まず基本的なことをわかっ
てもらいやすいように思うので。

 あお向け大の字にちかい姿勢で、それでも、まだ、どこか気になる
ところがないか、聞いてみます。

 あるようだったら、そこに指をあてて様子をたしかめておきます。

 つぎに、足の大腿部の延長線が、目標の気になるところにむくよう
に、足の広げ方を調節します。

 目標のシコりが右肩のときには、右足は、ほば、そのまま伸ばし、
左足は、右足よりもすこし開いた格好になります。

 腕も同じようにします。ただし、腕は、上腕のむきと直角で肩をと
おる線が目標をさすようにしてもよいです。

 上腕の延長か直角の延長かは、動かすまえの腕の位置にちかいほう
を、まずためしてみればよいと思います。

 そして、その姿勢で、気になるところに皮膚の操体をしてみると、
すこし気持ち良さが深くなると思います。

 あいている手で、とどく範囲の手足に、皮膚や動き操体を付け加え
ると、もうすこし気持ち良さが深くなるでしょう。

 このとき、上腕や大腿が気になるところの延長にあるときには、そ
のあたりの皮膚を目標から遠ざけるような皮膚の操体をしてもよいし、
それと同じ効果のある動きの操体をしてもよいです。

 上腕が、肩で、目標と肩をむすぶ線と直角になっているときには、
上腕の皮膚を上腕骨にたいして直角に目標から遠ざかる方向にねじる
皮膚の操体をしてもよいし、それと同じ効果のある動きの操体をして
もよい、つまり、ねじってみてもよいです。

 つまり、どちらでも、目標の気になるところの皮膚を引っ張るよう
な動きが伝わればよいのです。

目標の上の皮膚を引っ張る刺激が良いことがおおい

 いろいろためしてみましたが、そういう動きのほうが、目標の気に
なるところへ近づけていくていくような動きが伝わるときよりも、気
持ち良さが深くなることがおおかったです。

 右肩に目標のシコりがあるときには、右足は、小指側が足甲側にま
わるような足首捻転をしながら引っ張ると、気持ちよいことがおおい
です。

 このとき、左足は、すこし開いた状態からなので、足首を立てた形
で固定してから、引っ張ったほうが気持ちよいことが、比較的おおい
ようです。

 こういう大の字に寝た姿勢で、足首などの遠いところをキッカケに
するときには、引っ張る動きのほうが遠くまで伝わりやすいせいかも
しれません。

 もちろん、どちらもイイ感じがしなかったら、別の引っ張り方をし
てみて、イイ感じのものをえらびます。

 また、引っ張る動きをいろいろためして、気持ち良さが深くならな
いようなら、近づける動きなど、ほかの動きが伝わるような方法をた
めしてみてもよいと思います。

 そして、受け手と言葉が通じないなら、おなかに息が深くならなかっ
たら、ちがう方法をためしてみてもよいし、大腿・上腕などの皮膚を
目標のシコりから遠ざかる方向と近づく方向の2方向にズラしてみて
ズレやすいほうにズラすか、それと同じ効果のある動きの操体をまず
やってみてもよいと思います。

数人がかりの極楽操体

 講習会などで大勢の人がいるときには、目標の気になるところに皮
膚の操体をしている人と別の人が、手足それぞれを担当したほうが、
気持ち良さが深くなりやすいです。

 受け手に首をいろいろな方向にすこし動かしてもらって気持ちの良
い方向があったら、それをすこし強調するというか、その首の格好を
維持してあげる担当も作ると、もうすこし気持ち良さが深くなります。

 全部で6人がかりの操体操法になります。

 「すごく気持ち良い、これは極楽だな」と言った人もいました。

 操体は自力が基本ですが、人にやってもらうほうが気持ちよいこと
がおおいようです。

 たまには、こういう6人がかりの操体操法も味わってみてもよいの
ではないかなと思います。

 それに、この6人がかりの操体を受けてみると、全身に連動する感
じ、体まるごとの気持ち良さという感覚がはっきりつかめるようです。

 それまで全身に連動するという感じがよくわからないと言っていた
人が、6人がかりで、しかも、一人一か所ずつ順に操体するところを
ふやしていくなかで、すこしずつ気持ち良さが深くなっていく感覚を
味わってからは、全身に連動すると気持ちよいということが実感でき
るようになったそうです。

 そういう実感をいちど味わえると、一人操体のときにも、体まるご
との気持よさを味わいやすくなると思います。

 そういう意味でも極楽操体をたまに受けるのもいいのではないかと
思っています。

3.うつ伏せや横向きのときの操体の予測

 さて、うつ伏せや横向き寝のときには、あお向き寝ほど単純ではな
く、つまり、目標の気になるところに動きを伝える方法がいろいろあっ
て、手足や首、それぞれ一つずつ、受け手と相談しながら、動かし方
や皮膚のズラし方を決めていく必要があります。

 言葉が通じないときには、息がより深くなるように気を付けながら、
動かし方や皮膚のズラし方を決めていきます。

 それでも、片手で、皮膚の操体を気になるところ、つまり、目標の
シコりにしているだけのときよりも、息がより深くなりやすいです。

 一人でするときには、手足と首の5か所のうちから、受け手の体が
いちばんやってもらいたがるところや、息が深くなりやすいところを
つけたせばよいと思います。

ラクに手がとどくところをえらんで、同時に操体

 ただ、操者の姿勢に無理があっては、気持ちよい操体になりにくい
ので、手がラクにとどく範囲の候補のなかからえらびます。

 ラクな態勢で寝てもらって、頭や首や胴体にあるシコりに皮膚の操
体をするときには、上半身なら操者に近いほうの腕をえらび、その上
腕の延長に目標のシコりがあるか、上腕と直角の線の延長にあるか、
たしかめます。

 延長なら、まず、その胴体のシコりと同じ面にある上腕の皮膚を、
目標のシコりから遠ざかるほうにズラしてみることをキッカケにする
と、気持ち良さがふえやすいようです。

 また、直角方向なら、目標のシコりから遠ざかるほうに上腕の皮膚
をねじるのと同じ効果になるようズラすことをキッカケにすると、気
持ち良さがふえやすいようです。

引っ張るだけでなく縮める方向の可能性もある

 しかし、ほぼ体がととのって、あお向け大の字に寝た姿勢から足首
をキッカケにするときには、目標から遠ざかる方向が気持ちよいこと
がほとんどだったのにくらべると、縮める方向にズラすことのほうが
気持ち良さがふえる可能性もあります。

 受け手に聞いてたしかめたり、言葉が通じないなら、おなかへの息
のはいり具合を観察したり、上腕部の皮膚のズレやすさをみたりして、
たしかめるとよいです。

 先回書いた、タワメの間で、いちばん伸びようとしているところか、
いちばん縮もうとしているところに、そのタワメの間の姿勢で、体が
治したがっているシコりがあることがおおいという話を思い出してく
ださい。

 それを予測に利用してわけです。

肘を膝でささえる

 余談になりますが、こういうふうに2か所同時に皮膚の操体をする
ときには、時間が長くなって腕がつかれても、反対側の手で肘をささ
えたりできません。

 それで、両足の膝をうまく使って操体している手の肘をささえると、
長時間つかれないで皮膚の操体を続けられます。

 受け手がベッド上のときには、膝でささえるのはむずしいので、そ
ういう場合には、肘枕や膝枕を利用して、皮膚操体をしている手の肘
をささえてもよいと思います。

皮膚と同じ効果の動きの操体を組み合わせる

 話をもどします。

 先ほど書いた、胴体など体幹部にある目標のシコりと、上腕のシコ
りに同時に皮膚の操体をするときに、上腕への皮膚の操体のかわりに
効果のにた動きの操体を腕にしても同じような結果が出ます。

 つまり、上腕を引っ張るか、ねじるかの動きの操体をしてみます。

 上腕を直接動かしてもよいし、手首をもって上腕にそういう動きが
伝わるような動きをキッカケにしても、にたような効果は出せます。

 上腕の皮膚が、目標のシコりに近づくほうにズレやすいときには、
その方向に上腕を肩関節に押し込んでいく動きが、ひとつのキッカケ
になります。

 それ以外にも、上腕のそのとき皮膚ズラしをしている面と、目標の
シコりが近づくように上腕を目標のシコりのほうに曲げていく動きも
気持ちよい可能性が高いです。

 これは、逆に考えれば、そういう動きがやりやすいときには、上腕
の皮膚は目標のほうにズレやすくなるからです。

目標から手をはなして、両手で予測した操体をする

 このように、目標のシコりに効果的な動きの操体を予測することも、
ある程度できます。

 しかし、片手では、動きの操体はやりにくいこともあります。

 そういうときには、目標のシコりにあてている手をはなして、両手
で予測できた動きの操体をしてみるのもよいと思います。

 もちろん、受け手が気持ち良さを感じられるか確認しながら、また、
言葉が通じないなら、息の深さを確認しながら、します。

 その動きの操体がおわったあとで、目標のシコりに変化があったか
どうか確認してみてください。

関連するシコりが大腿のとき

 下半身にシコりがあっても、操者のあいている手がラクに大腿にと
どくときには、大腿に皮膚の操体ができます。

 まず、手がラクにとどくほうの大腿をえらびます。

 その大腿がシコりのほうにむいていれば、そのシコりから遠ざかる
ほうに皮膚をズラすことをキッカケにしてみます。

 このとき、動きの操体としては、大腿が目標から遠ざかる動きをキッ
カケにする操体が気持ち良さを感じられる可能性が高いです。

 そして、足を引っ張ることをキッカケにするときは、大腿の延長が目
標のシコりをさすように、足の開き具合や足首の高さを調節します。

 足を引っ張るのは、片手ではむずかしいので、目標のシコりから手を
はなして引っ張って、おわってから目標のシコりが変化したか確認する
というやり方になります。

近づくほうが良いとき

 大腿でも、逆に、目標に近づくほうが気持ちよい可能性もあります。

 そのときには、大腿の皮膚を近づくほうにズラす皮膚の操体をすると
よいでしょう。

 動きの操体としては、大腿を押し込む動きのほかに、大腿と目標が近
づくように股関節を曲げていく動きも候補になるのは、上腕のときと同
じです。

 もちろん、大腿を動かすのは、腕よりも片手で動かすのがむずかしい
わけで、先ほども書いたように、目標のシコりから手をはなして操体し
て、あとで変化を確認するという方法になります。

股関節が深く曲がっているとき

 股関節を深く曲げて、大腿と直角になる線が目標にむいているときに
は、大腿の皮膚を骨に直行するようにズラしながら目標から遠ざかるよ
うなキッカケが気持ちよい可能性がいちばん高いです。

 逆に、皮膚を近づけるほうの可能性もあるのは、今までと同じです。

 このときには、動きの操体としては、膝たおしか膝もどしの動きがに
たような効果をうむ可能性が高いです。

 膝もどしというのは膝たおしの反対で、たおれている状態の膝をもど
してくる動きのことです。

 このときにも、片手でできない場合には、目標のシコりから手をは
なして両手で操体して、あとで目標のシコりの変化を確認します。

4.目標がわかっているのに予測しないで失敗した例

 言葉だけだと伝わりにくい内容かも知れません。うまく伝わりまし
たか?

 先日、腕を後ろにまわせない人がいました。

 いろいろためした結果、まっすぐ腕を伸ばしたままなら後ろにまわ
せるようになったのですが、そこから肘を曲げることができません。

 この状態からなら、肩胛骨が動かないと、肘は曲げられそうにない
なと思って、肩胛骨まわりをしらべてみたら、肩胛骨の背骨側上縁あ
たりが広範囲で硬くて、肩胛骨が動きにくいことがわかりました。

 慢性期の肩こりなどに効果がある、うつ伏せから肘を持ち上げる操
体をしてみました。

 すると、上腕が硬い肩胛骨内上縁の方向をむいた状態で持ち上げる
と、いちばん気持ちよいということで、息もすごく深くなりました。

 息が落ち着いてからためしてみると、肘を30度ちかく曲げられるよ
うになりました。

 この操体は、肘を脇腹のほうにちかづけるほうに持ち上げると気持
ちよいという人が6割をこえるので、はじめそっちのほうに動かした
ら、痛くてダメと言われてしまいました。

 目標とするところがあったのだから、今回書いた内容を思い出して、
はじめに上腕をシコりのほうにむけた姿勢をためしてみれば、痛い思
いをさせないで酢んだかなと反省しました。

5.目標がちがうと、予測ははずれやすい

 今回は、シコりに力が伝わるように大腿や上腕の位置決めをする
という視点で、目標とするシコりにあった操体を予測するという話を
書きました。

 もちろん、はずれることもあります。

 目標としたシコりが、そのときにいちばん、受け手の体が治したがっ
ているシコりでないときには、はずれることがおおいです。

 体は、そのときにいちばん治したいシコりにあわせた操体をえらび
ますから。

 そういう点に注意しながら、ヤジウマしてみてください。

6.おわりに

 次回は、「シコりから操体を予測する」の2回目です。

 シコりのある筋肉を縮める動きをキッカケにというテーマで書きます。

 これも勘の良い人なら当たり前の話だろうと思います。

 そして、次々回は、皮膚の操体とシコりとの関係に進んでいきたい
と思います。


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