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気持ちよいと歪みが取れる理由

体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [1] 「体は自然」が基本
(2) 気持ちよいと歪みが取れる理由

1.はじめに

 病気の症状が出る前の未病の状態で、体という自然の中で何
が起こって病気の症状が出るまでに至るかという点について書
いていきます。

2.気持ち悪いと体が歪むのが病の出発点

 鍼灸の名人でもあった操体の橋本敬三先生は、「気持ち悪い
と体が歪むのが病の出発点」だという言葉を残されています。

 詳しく書くと、
1.気持ち悪いことをすると、体が歪む
2.なんとなく変でイヤな感じの不定愁訴になる
3.検査に異常の出る機能異常の状態になる
4.器官が破壊される
という順番で病気が進行するとのことです。

 治る順序は逆で、
1.気持ち良いことをすると、体の歪みが無くなる
2.不定愁訴が消える
3.機能異常が改善され検査結果が変わる
4.しばらくして、器官破壊も可逆変性できる範囲では改善

図1

 さて、先ずは、何で、気持ち悪いことをすると体が歪み、気
持ち良いことをすると歪みが改善するか考えていきましょう。

 気持ち悪いことをしているときの姿勢を思い出してみましょ
う。余り良くない姿勢をしていることが多くありませんか? 
極端な言い方をすれば、目と手先だけ気持ち悪いことに向いて
いて、それ以外は気持ち悪いものから離すような姿勢をしてい
ませんか?(写真1)

写真1

 たいていは、手首は甲を反らせる方向に折れるような感じで
曲げて、肘はできるだけ体から気持ち悪いものを離すように伸
びて、肩は上がっていて、腰は曲がっていて、顔は向けずに、
体の正中腺、つまり、臍も向けず、目だけ横目で気持ち悪いも
のを見ている…そんな姿勢をしていますね。

 言い換えれば、手先と目以外は気持ち悪いことから遠避ける
姿勢、そんな姿勢じゃないですか?

 実際に極端な例をやってみると、ああ、なるほど、これでは、
長い時間この姿勢では体が歪むだろうなと納得できますので、
やってみてください。

 逆に、気持ち良いことしているときの姿勢は、気持ち良いも
のに自分の体を近付け、体の正中腺、つまり、臍も向け、手首
は余り曲げず、肘は少し張りぎみ、肩は下がっていて、手首・
肘・肩・背中が一つの円を描く感じで、腰から仙椎は反ってい
て、顔や目は気持ち良いものに向いているという姿勢をしてい
ませんか?(写真2)

写真2

 こういう姿勢だと長い時間やっていても疲れにくいです。い
わゆる良い姿勢に近いですね。鍼灸や操体はじめ養生や臨床も、
この姿勢で施術できるようになると効果が出やすくなります。

3.東洋的運動療法は、アクビの技術化

 さて、そういう気持ち悪い姿勢を続けていると体が歪みます
ので、体は自然にそれを改善しようとする行為を始めます。い
わゆる、アクビやノビです。

 アクビは体を反らせて上を向くことが多いですが、その前に
は、体を前に折り曲げたり、下を向いていることが多いと思い
ますが、いかがでしょう。

 私は、操体を始め、ヨガ、気功、整体など、体を動かす運動
療法は、みな、アクビの様式化技術化ではないかと考えていま
す。

 民族の違い、体形の違い、好みの違いに因って、色々な形や
方法へ変化しているだけで、また、心に言葉で描かれた物語が
違うだけで、本質は、皆同じに見えます。

 鍼灸もまた、流派、民族の違いを越えた部分に本質があると
言うか、それらの共通部分に本質があるように思います。鍼灸
や按摩指圧、操体など含めて、技法の違いにも因らない東洋的
(漢方的、伝統医学的)な身体観、病気観、治療観を見付けて
いきたいなと思っています。

 私は、ヨガや気功や整体をやっているときには効果が出せて
も、なぜ効果が出せるか分かりませんでした。操体をやって、
理由が分かったように感じました。みんな、アクビの技術化な
んだ。体が自然にやっていることを技術化しただけなんだ…と。

 アクビの技術化ということに気付いたのは、赤ちゃんの動き
を見ていたときでした。

 生まれて半年ほどの長男がアクビやノビをしていたのを見て、
驚きました。それまで見た、どんな気功の名人よりも、整体の
名人よりも、操体の名人よりも上手な、見事な動きをしていた
のです。

 本当にビックリしました。理に適(かな)っていて、自然で、
文句の付けようのないほど、見事な動きでした。

 それ以来、こういう体を動かす健康法は、アクビの技術化で、
覚えるというよりも、赤ちゃんの頃は自然に出ていて、成長に
連れて忘れてしまったことを思い出せば良いだけなんだなぁ…
と思うようになりました。

4.ツボは1mm位

 また、操体をしている間は、ツボがピンポイントで取れなかっ
たので、指腹での皮膚操体なども効果を出せたり出せなかった
りで、いつも6割以上の確率で効果を出せるという感じでは、
ありませんでした。

 鍼灸を習っていく過程で、ツボがピンポイントで取れるよう
になると、操体も常に6割以上の確率で効果を出せるようにな
りました。橋本先生が「ツボは1mm位、そこに鍼が刺せるか
どうかだ」と書かれていたのを思いだし、納得しました。

5.おわりに

 気持ちが悪いことをすると姿勢が悪くなるから、体が歪みや
すい。その反動がアクビで、アクビを技術化したのが操体はじ
め東洋的運動療法。

ツボを始めとして、鍼灸なども含め、そういう東洋的物理療法
に共通する身体観、病気観、治療観を見付けていきたいなと思っ
ています。


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最終更新:2017年05月28日 10:49