「術伝流操体no.13」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

術伝流操体no.13」(2010/08/21 (土) 11:32:49) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体・ラクな寝方をすこし強調 (2)仰向け膝立た姿勢から動きの操体 &bold(){&size(24){&color(green){仰向け膝立てた姿勢から}}} &size(9){ } &bold(){&size(24){&color(green){  動きの操体}}} ------ #contents *1.はじめに  前回は「ラクな寝方を少し強調」する操体をおおまかに説明しました。  今回からは、寝方別にくわしく説明していきます。まずは、仰向け寝で の動きの操体です。 *2.仰向けから足をキッカケにする動きの操体  定番は、足をきっかけにするものでは、膝を立てた姿勢からのつま先 上げ、踵ふみこみ、膝たおしと、足を伸ばした姿勢からの踵つきだし。 あとは、頭のほうから首の捻転と側屈です。  まずは下半身から、つまり足をキッカケにするものから説明します。 **1)ラクな姿勢で寝てもらう  言葉が通じる人だったら、 「操体は無理なことはしません。  辛い格好で操体を受けたら辛いと思いますから、ラクな格好で寝てみて ください。  ラクな姿勢に寝てもらうと、歪みがわかりやすいのでツボが見つけやす くなりますし、効果の出やすい操体も見つけやすいです。  体は自然と歪みの現れやすい格好をしますから。  それにラクな姿勢で寝ていたほうが操体をしているときに気持ち良さ が味わいやすいと思います。  仰向け、うつ伏せ、横向きで寝てみて、どれがラクか試してください。  横向きはどっちを上にするとラクか両方試してください」 とか声をかけます。  言葉が通じない人が相手なら、寝ている姿勢をよく観察します そし て、その結果が仰向けだった場合の動きの操体を解説していきます。 **2)足を伸ばすか膝立てか  足を伸ばしたがっているか、曲げたがっているかがわかれば、膝立て か足伸ばしか、どちらの姿勢で操体を始めるかわかりますが、 「ラクに寝てください」 といっても普通は足を伸ばしたまま寝ていることが多く、よほど操体慣 れしている人でないと、膝立ての姿勢がラクだといって、膝立ての姿勢 で寝ていることはありません。  言葉の通じる人なら 「ためしに膝を立ててみてください。  足をまっすぐ伸ばしているのと、膝を立てているとどっちがラクです か」 と声をかけて、ラクな姿勢から始めます。  ただ、あまり声をかけてほしくなさそうなら、声をかけずに体が足を 伸ばしたがっているか曲げたがっているかを判断する必要があります。 それには、伸ばしている両足の踵から先を見ます。  小指側が倒れた感じで床や畳に近づいているときには、足を曲げたがっ ていることが多く、小指側が床に対して立っているような感じのときに は、足を伸ばしたがっていることが多くなります(写真1)。 &ref(so13p01h.jpg)写真1  とくに、親指側が床に近づいているときには、足を伸ばしたがってい ることが多いです。  動診も可能です。親指側と小指側、左右全部で4カ所を指でかるく動 かしてみます。同じ力で動かしてみて、もっとも動きの大きいところを 見つけます。  それが、親指側なら足を曲げたがっているし、小指側なら足を伸ばし たがっている可能性が高いです。足首を捻る動きを大きくしていくと、 足を曲げる動きや伸ばす動きになるからです。  もちろん左右で違うことも多いです。  動きの大きい側の足を選び、その足の親指側だったら、その足を膝立 ての状態にした姿勢を選び、小指側なら足を伸ばした姿勢を選びます。  また、足を反らせる動き(背屈)と反対の動き(底屈)を比べる動診 もできます。これも、かるく動かしてみて比べ、反らす動きが大きそう なときには足を曲げたがっています。そちらの膝を立てた姿勢が楽なこ とが多いです。  膝立てがよさそうなときには、言葉の通じる人には「膝立てがよさそ うなので膝立てから始めさせてください」と頼んでみてもよいです。  また、たくさん言葉をかけてほしそうな人なら 「足の指裏は経絡の末端で、体の歪みがよく出るところですから、ちょっ と調べさせてください」 と声をかけてから、足の指揉みをしてみて、シコリが見つかったら、 「ここ痛そうですね。  ここに関連する歪みはここを少し痛くして逃げた姿勢だととれやすい ので、ちょっと痛くしますから逃げてみてください」 といってから、痛くして逃げてもらうと、足を曲げて逃げるので、止まっ たところで 「ここまで足を曲げると、指裏を押してもあまり痛くないでしょう」 と聞いて確認をとり、 「それで、こういう姿勢から操体したほうが、この指裏に関係する経絡 が整いやすいので、体の歪みが取れやすいんですよ」 と説明してから、踵をおろすと、膝立ての姿勢になります。 「反対側の足は伸ばしたままのほうがラクですか?   反対側も曲げたほうがラクなら反対側も曲げてください」 と声をかけて曲げてもらいます。  言葉が通じない人でも、足の指裏を揉めば、痛いときには曲げて逃げ ようとするので、それで、どの姿勢からの操体をするか決めていくこと はできますが、あまり痛くすると操体をすること自体を拒否されてしま うので、かるくさわって、どこにシコリが出ているかわかるようになっ てください。 *3.仰向け膝立ての姿勢から  さて、そういう感じで、もし、仰向け膝立ての姿勢がラクそうな寝方 になったときには、定番の操体は、膝たおし、つま先そらし、踵ふみこ みの3つです。  まず、つま先そらし(つま先上げ)ですが、古い定番のやり方だと、 受け手に声をかけて、つま先を反らしてもらい、それに対し操者が足の 甲に手をかけて抵抗する形を取ります。  が、私は、現在では、そういうやり方は、あまりしていません。よほ ど操体慣れしている人でないとうまく全身に連動できないので、気持ち 良さを味わいにくいからです。 **1)膝裏のシコリの痛みから逃げる ***1.私の現在のやり方  私が現在やっている方法は、立てた膝の膝裏を探ってコリを見つけた ら、それを少し痛くして 「ここ痛いですね」 とコリを確認すると、少し逃げるように足を動かそうとするので、その 動きにのるような感じで足を動かしてついていきます。  コリを押さえていないほうの手で、その足の足首から先を持っている と追いやすいです。  フワーッとかるい力で膝が曲がって動いていくほうに、足首を反らし ながら追っていきます。ある程度逃げたところ、いいかえれば、ある程 度膝が曲がったところで、急にコリが消えます(写真2)。 &ref(so13p02h.jpg)写真2  緊張してきた脹ら脛の筋肉の中に埋まっていくような感じで消えてい きます。  言葉が通じる人には 「この姿勢になると膝裏のシコリが痛くなくなったでしょう。  しばらくこの姿勢を続けているとシコリが消えやすいんですよ。  もし、この姿勢が辛かったりイヤな感じがしたら止めますので、言っ てください」 と声をかけるとよいと思います。  言葉の通じない人ならイヤそうな表情をしたり、押し返そうとしてき たりしたら止めます。  そして、その姿勢を維持してあげると、息が深くなり、気持ち良さも 出てきて、しばらくして戻すとコリが消えているか、少なくとも押した ときの痛みが少なくなっています。  確認するときにどうせ少し痛くするので、そのまま、こういう形で痛 みから逃げる操体にもっていけば、初めての人でも、すんなりとタワメ の間になれるので、こういう方法をとっています。 ***2. 膝裏のシコリの見つけ方  前にも書いたと思いますが、膝裏のシコリは、真裏よりも脹ら脛より に出ていることが多く、膝裏のHの字型のくぼみの端の四隅のほうが、 真ん中あたりよりも可能性が高いです。  一番出やすいのは、Hの字のくぼみの小指側で脹ら脛よりの端、二番 目が、親指側で脹ら脛よりの端、三番目が、真ん中で脹ら脛よりになり ます。  練習のときには、うつ伏せで膝裏を出してもらい、Hの字の形のくぼ みを確認し、その端を押してツボが出ている(写真3)ことを確かめて から、仰向け膝立ての姿勢からツボを取ると見つけやすいです。 &ref(so13p03h.jpg)写真3  両方の中指を上向きにして膝裏のHの真ん中あたりに入れ、まず指を 曲げてHの縦線まで滑らせてきてから、中指を操者自身のほうに向けて、 つまり、すこし脹ら脛よりに指をズラしてから押すと、だいたいHの脹 ら脛よりの端になります。 ***3. 膝裏シコリ操体のコツ  膝裏のシコリの痛みから逃げてもらう操体のコツは、シコリが足の外 側(小指・外踝側)にあったときには足の甲の小指側を反らす(写真4) ように、シコリが足の内側(親指・内踝側)にあったときには足の甲の 親指側を反らせる(写真5)ようにすることです。 &ref(so13p04h.jpg)写真4 &ref(so13p05h.jpg)写真5  もう一つのコツは、前回説明したように、受け手に操者が手を触れて いないところ、反対側の足や両手、首などを少しずつ動かして、もっと イイ感じが味わえる格好がないか探しながら動いてもらうことです。  そうすると、全身に連動していく気持ち良さを味わってもらいやすい です。  膝裏のしシコリから逃げてもらう操体では、操者はすでに両手を使っ ていますから、言葉の通じる人には声をかけて動いてもらいます。  前回説明したように、初めての人や言葉かけが少ない方がよさそうな 人なら、手を左右交互に頭の方に上げてもらい、どっちがイイ感じか聞 いて、イイ感じのする方の手をしばらく上げたままにしておいてもらい ます。  言葉をたくさんかけてほしそうな人だったら、上げた手や下げた手の 手首を捻ってもらったり、首や伸ばした足の足首をどちらかを捻っても らったりを順に言葉をかけて誘導していきます。  あまり自分で動きたくなさそうだったら、首を左右に捻ってもらうく らいのほうがよいかもしれません。  慣れてきたら、受け手をよく観察して、窮屈そうなところやわずかに 動かしたところを見つけて、そこを動かすように言葉かけをすると、あ まり自分で動きたくなさそうな人でも動いてくれる可能性が高くなりま す。  動いて姿勢を変えると気持ち良さが深くなる感覚を一度味わってもら えると、次からは積極的に言葉かけをして動いてもらっても不満を口に されることは少なくなります。 ***4. 不自然なところを見つける  前回も少し書きましたが、私は実際に臨床の場で初めての人に操体を するときには、タワメの場での受け手の様子を観察して、受け手の体が 不自然に、窮屈そうに見えるところを見つけ、はじめにそこを動かして もらうように言葉かけをすることが多いです。 「そこの手はそのままの方がイイ感じですか?  手を下ろしたままよりも、頭のほうに上げたほうが気持ちよさそうな んですが。  ためしに上げてみてください。  もし、上げたほうがイイ感じなら、しばらく上げたままにしておいた ほうが、気持ち良さが深くなると思いますし、効果も出やすいです」 みたいな感じで。  そういうところは受け手の体も窮屈に感じている場合が多いので、初 めての人でも、動いて格好を少し変えると気持ち良さが深まっていく感 覚を味わってもらいやすいからです。  気持ち良さが深まっていく感覚をいちど味わってもらえれば、次から は少し多めに言葉かけをしても、動きたくなさそうにしていた人や言葉 をあまりかけてほしくなさそうにしていた人でも、イヤがらずに動いて もらえるようになります。  そのため、臨床の場で操体を使いこなしていくには、不自然に見える、 窮屈そうに見えるという勘を養っていくことが大切です。  さて、膝裏のシコリから逃げる操体の場合に、体にほかの大きな歪み がないとどういう格好が自然でしょうか?  右足の膝裏にシコリがあったときには、右手は体の横に置き、左手を 頭の方に上げた状態(写真6)がよいようです。 &ref(so13p06h.jpg)写真6  そして、右手は小指側が手のひら側に回る手首捻転、左手は小指側が 手の甲側に回る手首捻転を、それぞれほんの少し付け加えると気持良さ が深くなっていくと思います。  左足は右足よりも少なめに曲がり、踵で床などを押し込むようにし、 右肩が少し腰に近づくように側屈し、首や上半身は少し右に捻りながら 反るような格好のタワメの間になっていく可能性が高いように思います。  今やって確かめてみたのですが、私自身の体の別の大きな歪みに関係 している可能性もあります。実際に動いて確かめてみることをお勧めし ます。  また、人によって歪み方が違うと連動が違う可能性もあるので、目の 前の受け手の格好から感じられる不自然さが少なくなるように誘導して あげてください。 ***5. タワメの間の最中のコツ  きっかけにする右足膝裏のほかの手足や首・胴などの動かし具合が決 まったら、たぶんタワメの間に入っていくと思います。  タワメの間では、まず、受け手の息が腹に深くはいった状態が続いて いるかに注意を払うようにしてください。  そして、タワメの間の最中でも、受け手の体は、気持ち良さを求めて 動いていくこともあるので、シコリ側の足首の反らし具合が緩まないよ うにしながら追っていきます。  受け手は足首が決められていることを支えにして動いているので、足 首が緩んでしまうと気持ち良さが少なくなったり消えてしまったりしま す。  また、あまり強く決めすぎて痛く感じても気持ち良さは消えてしまい ます。ヤジロベエのようにちょうどよく釣り合った感じを保つようにし てください。  また、タワメの間の最中では、膝裏に当てた手に注意を向けていれば、 膝裏が温かくなったり、脈がとれたりというようなことが観察できるか もしれません。どちらも膝裏の血の流れがよくなったためで、しばらく そういう状態が続いていると、元に戻したときに、シコリが消えている か、あっても痛みが少なくなっている可能性が高いです。 ***6. 終わり方  受け手が気持ち良さを感じられなくなったり、腹へ深くはいっていた 息が普通に戻ったり、受け手が仰向けや横向きの形になって休みたくなっ たりしたら、終わりにしてよい合図だと思います。  受け手にそのとき感じられるラクな寝方で休んでもらいます。  臨床の場では、膝裏のシコリの痛みから逃げる操体が終わって休んで いる姿勢、そのときのラクな姿勢を観察して、その姿勢を強調する操体 を次の操体に選んで施術を続けていきます。 ***7. 一人で膝裏シコリから逃げる  この操体を一人でする場合には、両手の親指で膝裏の小指側と親指側 のシコリを押しながら足首を反らし、膝を胸に近づける(写真7)ことをきっかけにして、気持ち良さが深くなる姿勢を探してゆっくり動いてい きます。 &ref(so13p07h.jpg)写真7 **2)膝たおし  次は仰向け膝立てがラクなときのもう一つの定番、膝たおしです。定 番のやり方は、左右両側に倒してみてラクなほう、気持ちの良いほうを 見つけて、受け手にそっちに倒してもらい、それに対して術者が倒れて くる膝の横に手を当てて抵抗するという形でした。 **1. ラク寝強調版の膝たおし  ラクな寝方を強調するアプローチでは、まず、膝を立てている格好を よく観察します。すると、たいていどっちかに傾いていますから、傾い ている方に倒していきます。  言葉の通じる人なら 「ちょっとこっちの方に傾いていますね。  そうすると、こっちにもう少し倒したほうがラクじゃないですか?  もし、辛かったり痛かったり、イヤな感じが出てきたりしたら止めま すので、言ってください」 といいながら、軽い力で倒れるぐらいまで倒していきます(写真8)。 &ref(so13p08h.jpg)写真8  言葉の通じない人ならイヤそうな表情をしたり、押し返そうとしてき たりしたら止めます。  腹に息が深くはいってくるのを待ちます。  それから先は、膝裏シコリの操体と同じで、手を上げてもらったり、 手首や首を捻ってもらったりして、気持ち良さが深くなる格好を探して ゆっくり動いてもらいます。  このときにも、不自然そう窮屈そうに見えるところから動いてもらう ようにすると、案外すんなりと気持ち良さを深くしていく愉しさをわかっ てもらえます。  タワメの間では、膝が浮いてこないように、また、逆に膝を押しすぎ ないように、ヤジロベエがちょうどよく釣り合うような感じにすること に注意を払います。  受け手が気持ち良さを感じられなくなったり、腹へ深くはいっていた 息が普通に戻ったり、受け手が仰向けや横向きの形になって休みたくなっ たりしたら、終わりにしてよい合図です。  受け手にそのとき感じられるラクな寝方で休んでもらいます。  臨床の場では、そのラクな寝方を強調する次の操体に入っていくのも、 つま先上げのときと同じです。 ***2. 膝たおしのポイント  この膝たおしのときの体のほかの部分の動きは、基本的に胴を捻りた い人と丸めたい人に分かれます。  捻りたい人の場合には、倒れていくのと反対側の手の上腕を、上になっ ている足の大腿部と平行にするか直行させる姿勢がイイ感じなことが多 いです(写真8、写真9)。 &ref(so13p08h.jpg)写真8 &ref(so13p09h.jpg)写真9  平行というのは頭の方に手を伸ばして、上腕が大腿と平行になる姿勢 で、直交というのは体の脇に手を近づけて上腕の延長と大腿の延長が直 角に交わる姿勢です。  そして、直行する姿勢の場合には、その手の小指側が手のひら側に回 る手首捻転を付け加えると気持ち良さが深まりやすいです。  平行な場合も小指側を手のひら側に少し回してから腕を伸ばすとより 気持ちよいことが多いです。  丸めたい人は、上になっている肩も膝と同じほうに倒していきたい人 が多く、手も胸の中に巻き込んでいくような姿勢がよい人もかなりいま す(写真10)。 &ref(so13p10h.jpg)写真10  また、膝たおしの場合には、片手で膝が浮いてこないようにできます から、言葉が通じない人や、自分で動きたくなさそうな人の場合には、 もう片方の手で気持ち良さが深まりそうな動きを作ってあげてもよいと 思います。  かるく動かしてみてもっとも少ない力で動いていく方向が良い場合が 多いです。  また、この場合には、二つの手のひらに感じる感覚が、ヤジロベエの 釣り合う感じにできるとうまくいくことが多いです。 ***3. 一人で膝たおし  この操体を受け手に一人でやってもらうときには、倒した大腿部の上 に座布団2、3枚やたたんだ毛布などをのせて膝が浮いてこないようにし て、手や首をあちこち動かしてイイ感じのする方向を決め、気持ち良さ が深くなるように動いてもらうようにします(写真11)。 &ref(so13p11h.jpg)写真11  両手を使っているので、首を捻ったり、背中を曲げたり捻ったりとい う動作で気持ち良さが増えていかないか試して、増えるようなことを付 け加えます。  座位で膝立ての姿勢からもできます。 **3)踵(かかと)ふみこみ  仰向け膝立ての3つめは、踵ふみこみですが、これをしたほうがよい かどうかを寝た姿勢の観察だけから決めるのは少し難しいです。  それは、実は、この操体が動きの操体というよりも実際は、重さの操 体、仰向け膝立ての姿勢から肩の方に体重を移していくほうに意味があ る操体だからです。  ためしに、仰向け膝立てで、肩のほうに体重を移さないで、踵ふみこ みをしてみてください。とても窮屈で気持ち良さが出てこないと思いま す。  それで、この操体については、重さの操体のところで説明することに します。 *4.おわりに  今回は、仰向けで、膝を立てた姿勢がラクな場合によくする操体のう ち、足をキッカケにする動きの操体について書きました。  次回は、仰向け膝立てない姿勢からの動きの操体を書く予定です。    つぎへ>>>[[術伝流操体no.14]] ------ *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  症例を少しずつ増やして、ゆくゆくは深谷先生の「お灸で病気を治し た話」の写真入り版のような感じにしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体・ラクな寝方をすこし強調 (2)仰向け膝立た姿勢から動きの操体 &bold(){&size(24){&color(green){仰向け膝立てた姿勢から}}} &size(9){ } &bold(){&size(24){&color(green){  動きの操体}}} ------ #contents *1.はじめに  前回は「ラクな寝方を少し強調」する操体をおおまかに説明しました。  今回からは、寝方別にくわしく説明していきます。まずは、仰向け寝で の動きの操体です。 *2.仰向けから足をキッカケにする動きの操体  定番は、足をきっかけにするものでは、膝を立てた姿勢からのつま先 上げ、踵ふみこみ、膝たおしと、足を伸ばした姿勢からの踵つきだし。 あとは、頭のほうから首の捻転と側屈です。  まずは下半身から、つまり足をキッカケにするものから説明します。 **1)ラクな姿勢で寝てもらう  言葉が通じる人だったら、 「操体は無理なことはしません。  辛い格好で操体を受けたら辛いと思いますから、ラクな格好で寝てみて ください。  ラクな姿勢に寝てもらうと、歪みがわかりやすいのでツボが見つけやす くなりますし、効果の出やすい操体も見つけやすいです。  体は自然と歪みの現れやすい格好をしますから。  それにラクな姿勢で寝ていたほうが操体をしているときに気持ち良さ が味わいやすいと思います。  仰向け、うつ伏せ、横向きで寝てみて、どれがラクか試してください。  横向きはどっちを上にするとラクか両方試してください」 とか声をかけます。  言葉が通じない人が相手なら、寝ている姿勢をよく観察します そし て、その結果が仰向けだった場合の動きの操体を解説していきます。 **2)足を伸ばすか膝立てか  足を伸ばしたがっているか、曲げたがっているかがわかれば、膝立て か足伸ばしか、どちらの姿勢で操体を始めるかわかりますが、 「ラクに寝てください」 といっても普通は足を伸ばしたまま寝ていることが多く、よほど操体慣 れしている人でないと、膝立ての姿勢がラクだといって、膝立ての姿勢 で寝ていることはありません。  言葉の通じる人なら 「ためしに膝を立ててみてください。  足をまっすぐ伸ばしているのと、膝を立てているとどっちがラクです か」 と声をかけて、ラクな姿勢から始めます。  ただ、あまり声をかけてほしくなさそうなら、声をかけずに体が足を 伸ばしたがっているか曲げたがっているかを判断する必要があります。 それには、伸ばしている両足の踵から先を見ます。  小指側が倒れた感じで床や畳に近づいているときには、足を曲げたがっ ていることが多く、小指側が床に対して立っているような感じのときに は、足を伸ばしたがっていることが多くなります(写真1)。 &ref(so13p01h.jpg)写真1  とくに、親指側が床に近づいているときには、足を伸ばしたがってい ることが多いです。  動診も可能です。親指側と小指側、左右全部で4カ所を指でかるく動 かしてみます。同じ力で動かしてみて、もっとも動きの大きいところを 見つけます。  それが、親指側なら足を曲げたがっているし、小指側なら足を伸ばし たがっている可能性が高いです。足首を捻る動きを大きくしていくと、 足を曲げる動きや伸ばす動きになるからです。  もちろん左右で違うことも多いです。  動きの大きい側の足を選び、その足の親指側だったら、その足を膝立 ての状態にした姿勢を選び、小指側なら足を伸ばした姿勢を選びます。  また、足を反らせる動き(背屈)と反対の動き(底屈)を比べる動診 もできます。これも、かるく動かしてみて比べ、反らす動きが大きそう なときには足を曲げたがっています。そちらの膝を立てた姿勢が楽なこ とが多いです。  膝立てがよさそうなときには、言葉の通じる人には「膝立てがよさそ うなので膝立てから始めさせてください」と頼んでみてもよいです。  また、たくさん言葉をかけてほしそうな人なら 「足の指裏は経絡の末端で、体の歪みがよく出るところですから、ちょっ と調べさせてください」 と声をかけてから、足の指揉みをしてみて、シコリが見つかったら、 「ここ痛そうですね。  ここに関連する歪みはここを少し痛くして逃げた姿勢だととれやすい ので、ちょっと痛くしますから逃げてみてください」 といってから、痛くして逃げてもらうと、足を曲げて逃げるので、止まっ たところで 「ここまで足を曲げると、指裏を押してもあまり痛くないでしょう」 と聞いて確認をとり、 「それで、こういう姿勢から操体したほうが、この指裏に関係する経絡 が整いやすいので、体の歪みが取れやすいんですよ」 と説明してから、踵をおろすと、膝立ての姿勢になります。 「反対側の足は伸ばしたままのほうがラクですか?   反対側も曲げたほうがラクなら反対側も曲げてください」 と声をかけて曲げてもらいます。  言葉が通じない人でも、足の指裏を揉めば、痛いときには曲げて逃げ ようとするので、それで、どの姿勢からの操体をするか決めていくこと はできますが、あまり痛くすると操体をすること自体を拒否されてしま うので、かるくさわって、どこにシコリが出ているかわかるようになっ てください。 *3.仰向け膝立ての姿勢から  さて、そういう感じで、もし、仰向け膝立ての姿勢がラクそうな寝方 になったときには、定番の操体は、膝たおし、つま先そらし、踵ふみこ みの3つです。  まず、つま先そらし(つま先上げ)ですが、古い定番のやり方だと、 受け手に声をかけて、つま先を反らしてもらい、それに対し操者が足の 甲に手をかけて抵抗する形を取ります。  が、私は、現在では、そういうやり方は、あまりしていません。よほ ど操体慣れしている人でないとうまく全身に連動できないので、気持ち 良さを味わいにくいからです。 **1)膝裏のシコリの痛みから逃げる ***1.私の現在のやり方  私が現在やっている方法は、立てた膝の膝裏を探ってコリを見つけた ら、それを少し痛くして 「ここ痛いですね」 とコリを確認すると、少し逃げるように足を動かそうとするので、その 動きにのるような感じで足を動かしてついていきます。  コリを押さえていないほうの手で、その足の足首から先を持っている と追いやすいです。  フワーッとかるい力で膝が曲がって動いていくほうに、足首を反らし ながら追っていきます。ある程度逃げたところ、いいかえれば、ある程 度膝が曲がったところで、急にコリが消えます(写真2)。 &ref(so13p02h.jpg)写真2  緊張してきた脹ら脛の筋肉の中に埋まっていくような感じで消えてい きます。  言葉が通じる人には 「この姿勢になると膝裏のシコリが痛くなくなったでしょう。  しばらくこの姿勢を続けているとシコリが消えやすいんですよ。  もし、この姿勢が辛かったりイヤな感じがしたら止めますので、言っ てください」 と声をかけるとよいと思います。  言葉の通じない人ならイヤそうな表情をしたり、押し返そうとしてき たりしたら止めます。  そして、その姿勢を維持してあげると、息が深くなり、気持ち良さも 出てきて、しばらくして戻すとコリが消えているか、少なくとも押した ときの痛みが少なくなっています。  確認するときにどうせ少し痛くするので、そのまま、こういう形で痛 みから逃げる操体にもっていけば、初めての人でも、すんなりとタワメ の間になれるので、こういう方法をとっています。 ***2. 膝裏のシコリの見つけ方  前にも書いたと思いますが、膝裏のシコリは、真裏よりも脹ら脛より に出ていることが多く、膝裏のHの字型のくぼみの端の四隅のほうが、 真ん中あたりよりも可能性が高いです。  一番出やすいのは、Hの字のくぼみの小指側で脹ら脛よりの端、二番 目が、親指側で脹ら脛よりの端、三番目が、真ん中で脹ら脛よりになり ます。  練習のときには、うつ伏せで膝裏を出してもらい、Hの字の形のくぼ みを確認し、その端を押してツボが出ている(写真3)ことを確かめて から、仰向け膝立ての姿勢からツボを取ると見つけやすいです。 &ref(so13p03h.jpg)写真3  両方の中指を上向きにして膝裏のHの真ん中あたりに入れ、まず指を 曲げてHの縦線まで滑らせてきてから、中指を操者自身のほうに向けて、 つまり、すこし脹ら脛よりに指をズラしてから押すと、だいたいHの脹 ら脛よりの端になります。 ***3. 膝裏シコリ操体のコツ  膝裏のシコリの痛みから逃げてもらう操体のコツは、シコリが足の外 側(小指・外踝側)にあったときには足の甲の小指側を反らす(写真4) ように、シコリが足の内側(親指・内踝側)にあったときには足の甲の 親指側を反らせる(写真5)ようにすることです。 &ref(so13p04h.jpg)写真4 &ref(so13p05h.jpg)写真5  もう一つのコツは、前回説明したように、受け手に操者が手を触れて いないところ、反対側の足や両手、首などを少しずつ動かして、もっと イイ感じが味わえる格好がないか探しながら動いてもらうことです。  そうすると、全身に連動していく気持ち良さを味わってもらいやすい です。  膝裏のしシコリから逃げてもらう操体では、操者はすでに両手を使っ ていますから、言葉の通じる人には声をかけて動いてもらいます。  前回説明したように、初めての人や言葉かけが少ない方がよさそうな 人なら、手を左右交互に頭の方に上げてもらい、どっちがイイ感じか聞 いて、イイ感じのする方の手をしばらく上げたままにしておいてもらい ます。  言葉をたくさんかけてほしそうな人だったら、上げた手や下げた手の 手首を捻ってもらったり、首や伸ばした足の足首をどちらかを捻っても らったりを順に言葉をかけて誘導していきます。  あまり自分で動きたくなさそうだったら、首を左右に捻ってもらうく らいのほうがよいかもしれません。  慣れてきたら、受け手をよく観察して、窮屈そうなところやわずかに 動かしたところを見つけて、そこを動かすように言葉かけをすると、あ まり自分で動きたくなさそうな人でも動いてくれる可能性が高くなりま す。  動いて姿勢を変えると気持ち良さが深くなる感覚を一度味わってもら えると、次からは積極的に言葉かけをして動いてもらっても不満を口に されることは少なくなります。 ***4. 不自然なところを見つける  前回も少し書きましたが、私は実際に臨床の場で初めての人に操体を するときには、タワメの場での受け手の様子を観察して、受け手の体が 不自然に、窮屈そうに見えるところを見つけ、はじめにそこを動かして もらうように言葉かけをすることが多いです。 「そこの手はそのままの方がイイ感じですか?  手を下ろしたままよりも、頭のほうに上げたほうが気持ちよさそうな んですが。  ためしに上げてみてください。  もし、上げたほうがイイ感じなら、しばらく上げたままにしておいた ほうが、気持ち良さが深くなると思いますし、効果も出やすいです」 みたいな感じで。  そういうところは受け手の体も窮屈に感じている場合が多いので、初 めての人でも、動いて格好を少し変えると気持ち良さが深まっていく感 覚を味わってもらいやすいからです。  気持ち良さが深まっていく感覚をいちど味わってもらえれば、次から は少し多めに言葉かけをしても、動きたくなさそうにしていた人や言葉 をあまりかけてほしくなさそうにしていた人でも、イヤがらずに動いて もらえるようになります。  そのため、臨床の場で操体を使いこなしていくには、不自然に見える、 窮屈そうに見えるという勘を養っていくことが大切です。  さて、膝裏のシコリから逃げる操体の場合に、体にほかの大きな歪み がないとどういう格好が自然でしょうか?  右足の膝裏にシコリがあったときには、右手は体の横に置き、左手を 頭の方に上げた状態(写真6)がよいようです。 &ref(so13p06h.jpg)写真6  そして、右手は小指側が手のひら側に回る手首捻転、左手は小指側が 手の甲側に回る手首捻転を、それぞれほんの少し付け加えると気持良さ が深くなっていくと思います。  左足は右足よりも少なめに曲がり、踵で床などを押し込むようにし、 右肩が少し腰に近づくように側屈し、首や上半身は少し右に捻りながら 反るような格好のタワメの間になっていく可能性が高いように思います。  今やって確かめてみたのですが、私自身の体の別の大きな歪みに関係 している可能性もあります。実際に動いて確かめてみることをお勧めし ます。  また、人によって歪み方が違うと連動が違う可能性もあるので、目の 前の受け手の格好から感じられる不自然さが少なくなるように誘導して あげてください。 ***5. タワメの間の最中のコツ  きっかけにする右足膝裏のほかの手足や首・胴などの動かし具合が決 まったら、たぶんタワメの間に入っていくと思います。  タワメの間では、まず、受け手の息が腹に深くはいった状態が続いて いるかに注意を払うようにしてください。  そして、タワメの間の最中でも、受け手の体は、気持ち良さを求めて 動いていくこともあるので、シコリ側の足首の反らし具合が緩まないよ うにしながら追っていきます。  受け手は足首が決められていることを支えにして動いているので、足 首が緩んでしまうと気持ち良さが少なくなったり消えてしまったりしま す。  また、あまり強く決めすぎて痛く感じても気持ち良さは消えてしまい ます。ヤジロベエのようにちょうどよく釣り合った感じを保つようにし てください。  また、タワメの間の最中では、膝裏に当てた手に注意を向けていれば、 膝裏が温かくなったり、脈がとれたりというようなことが観察できるか もしれません。どちらも膝裏の血の流れがよくなったためで、しばらく そういう状態が続いていると、元に戻したときに、シコリが消えている か、あっても痛みが少なくなっている可能性が高いです。 ***6. 終わり方  受け手が気持ち良さを感じられなくなったり、腹へ深くはいっていた 息が普通に戻ったり、受け手が仰向けや横向きの形になって休みたくなっ たりしたら、終わりにしてよい合図だと思います。  受け手にそのとき感じられるラクな寝方で休んでもらいます。  臨床の場では、膝裏のシコリの痛みから逃げる操体が終わって休んで いる姿勢、そのときのラクな姿勢を観察して、その姿勢を強調する操体 を次の操体に選んで施術を続けていきます。 ***7. 一人で膝裏シコリから逃げる  この操体を一人でする場合には、両手の親指で膝裏の小指側と親指側 のシコリを押しながら足首を反らし、膝を胸に近づける(写真7)ことをきっかけにして、気持ち良さが深くなる姿勢を探してゆっくり動いてい きます。 &ref(so13p07h.jpg)写真7 **2)膝たおし  次は仰向け膝立てがラクなときのもう一つの定番、膝たおしです。定 番のやり方は、左右両側に倒してみてラクなほう、気持ちの良いほうを 見つけて、受け手にそっちに倒してもらい、それに対して術者が倒れて くる膝の横に手を当てて抵抗するという形でした。 **1. ラク寝強調版の膝たおし  ラクな寝方を強調するアプローチでは、まず、膝を立てている格好を よく観察します。すると、たいていどっちかに傾いていますから、傾い ている方に倒していきます。  言葉の通じる人なら 「ちょっとこっちの方に傾いていますね。  そうすると、こっちにもう少し倒したほうがラクじゃないですか?  もし、辛かったり痛かったり、イヤな感じが出てきたりしたら止めま すので、言ってください」 といいながら、軽い力で倒れるぐらいまで倒していきます(写真8)。 &ref(so13p08h.jpg)写真8  言葉の通じない人ならイヤそうな表情をしたり、押し返そうとしてき たりしたら止めます。  腹に息が深くはいってくるのを待ちます。  それから先は、膝裏シコリの操体と同じで、手を上げてもらったり、 手首や首を捻ってもらったりして、気持ち良さが深くなる格好を探して ゆっくり動いてもらいます。  このときにも、不自然そう窮屈そうに見えるところから動いてもらう ようにすると、案外すんなりと気持ち良さを深くしていく愉しさをわかっ てもらえます。  タワメの間では、膝が浮いてこないように、また、逆に膝を押しすぎ ないように、ヤジロベエがちょうどよく釣り合うような感じにすること に注意を払います。  受け手が気持ち良さを感じられなくなったり、腹へ深くはいっていた 息が普通に戻ったり、受け手が仰向けや横向きの形になって休みたくなっ たりしたら、終わりにしてよい合図です。  受け手にそのとき感じられるラクな寝方で休んでもらいます。  臨床の場では、そのラクな寝方を強調する次の操体に入っていくのも、 つま先上げのときと同じです。 ***2. 膝たおしのポイント  この膝たおしのときの体のほかの部分の動きは、基本的に胴を捻りた い人と丸めたい人に分かれます。  捻りたい人の場合には、倒れていくのと反対側の手の上腕を、上になっ ている足の大腿部と平行にするか直行させる姿勢がイイ感じなことが多 いです(写真8、写真9)。 &ref(so13p08h.jpg)写真8 &ref(so13p09h.jpg)写真9  平行というのは頭の方に手を伸ばして、上腕が大腿と平行になる姿勢 で、直交というのは体の脇に手を近づけて上腕の延長と大腿の延長が直 角に交わる姿勢です。  そして、直行する姿勢の場合には、その手の小指側が手のひら側に回 る手首捻転を付け加えると気持ち良さが深まりやすいです。  平行な場合も小指側を手のひら側に少し回してから腕を伸ばすとより 気持ちよいことが多いです。  丸めたい人は、上になっている肩も膝と同じほうに倒していきたい人 が多く、手も胸の中に巻き込んでいくような姿勢がよい人もかなりいま す(写真10)。 &ref(so13p10h.jpg)写真10  また、膝たおしの場合には、片手で膝が浮いてこないようにできます から、言葉が通じない人や、自分で動きたくなさそうな人の場合には、 もう片方の手で気持ち良さが深まりそうな動きを作ってあげてもよいと 思います。  かるく動かしてみてもっとも少ない力で動いていく方向が良い場合が 多いです。  また、この場合には、二つの手のひらに感じる感覚が、ヤジロベエの 釣り合う感じにできるとうまくいくことが多いです。 ***3. 一人で膝たおし  この操体を受け手に一人でやってもらうときには、倒した大腿部の上 に座布団2、3枚やたたんだ毛布などをのせて膝が浮いてこないようにし て、手や首をあちこち動かしてイイ感じのする方向を決め、気持ち良さ が深くなるように動いてもらうようにします(写真11)。 &ref(so13p11h.jpg)写真11  両手を使っているので、首を捻ったり、背中を曲げたり捻ったりとい う動作で気持ち良さが増えていかないか試して、増えるようなことを付 け加えます。  座位で膝立ての姿勢からもできます。 **3)踵(かかと)ふみこみ  仰向け膝立ての3つめは、踵ふみこみですが、これをしたほうがよい かどうかを寝た姿勢の観察だけから決めるのは少し難しいです。  それは、実は、この操体が動きの操体というよりも実際は、重さの操 体、仰向け膝立ての姿勢から肩の方に体重を移していくほうに意味があ る操体だからです。  ためしに、仰向け膝立てで、肩のほうに体重を移さないで、踵ふみこ みをしてみてください。とても窮屈で気持ち良さが出てこないと思いま す。  それで、この操体については、重さの操体のところで説明することに します。 *4.おわりに  今回は、仰向けで、膝を立てた姿勢がラクな場合によくする操体のう ち、足をキッカケにする動きの操体について書きました。  次回は、仰向け膝立てない姿勢からの動きの操体を書く予定です。    つぎへ>>>[[術伝流操体no.14]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>>このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.13]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。  また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、 養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。  よろしくお願いします。 **間違いなど  間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の 参加者を募集しています。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: