「術伝流操体no.83」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

術伝流操体no.83」(2021/10/04 (月) 19:14:46) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体no.83 【6】自然則篇 (19)18時間断食、カゼの食養など &size(24){&color(green){18時間断食、カゼの食養など}} ------ #contents *1.はじめに  食の自然則に関係して、今の時代に気を付けたいことの3回目 です。これまで2回で以下のことを書いてきました。 1)和食を基本に、カタカナ食を少なく、高度精製物や化学合成 物を減らす 2)自炊は、手間を省き、季節を楽しみ、好みに合わせる  今回は、これまでの2回で書き残したことを先ず書き、その後、 食べないこと、カゼの食養など書いていきます。 *2.緑黄色野菜を多目に  基本的なことで書き忘れたのは、野菜は緑黄色野菜を多くした 方が良いということ。様々な栄養素が含まれ、少ない種類と量で もバランスが取れやすいそうです。  一人暮らしで自炊のときには、色々な種類の食材を買っても余 らせてしまうことが多いので、少ない種類でバランスが取れやす いのは、良い点と思います。  農家の人に言わせると、キャベツも、美味しいのは外側の濃い 緑の葉とか。食べにくいときは、カレーに入れたり、カレー味の 炒めものにしたりすると、食べやすくなります。カレーには、味 が濃い野菜の方が合いますから。 *3.漬物で乳酸菌  漬物が良いのは、乳酸菌も取れることです。塩分と水があると、 時間が経てば乳酸発酵します。キムチをはじめ、漬物の酸っぱさ は乳酸発酵に由来します。ピクルスなどの酢漬けは違いますが。  私は数年前に脳梗塞になりました。脳梗塞になりにくい食事を 調べていくうちに、乳脂肪が逆に梗塞系の病気を増やしやすいと いう説を知りました。  乳は、もともと血液から赤血球を除いて脂肪を混ぜたものなの で、乳脂肪は血液に混ざりやすいのかもしれません。乳脂肪摂取 が多い地域は、梗塞系の病気も多いそうです。 私は、脳梗塞にな る前は十年近く毎日自家製ヨーグルトを食べていました。  そして、日本人は、昔から乳酸菌を漬け物で取ってきたことも 知りました。前から漬物は好きでしたが、自分で作るようになっ たのは、それからです。ヨーグルトは作らなくなりました。 *4.自炊を始める時の参考文献  これから自炊を始めようという人に参考になりそうな本を挙げ ておきます。 1)『自炊をしよう!』奥薗壽子著 主婦の友社  「(祝)一人暮らし カンタン、うまいっ、安上がり」という 副題がついています。その副題の通りの内容で、役に立ちます。 イラスト、写真が多く、初めての人にも読みやすいと思います。  奥薗さんは、TVチャンピオンの「3分料理人選手権」で優勝さ れた人で、手間を省くことをはじめ工夫の達人です。  書き始めた頃の本『ズボラ人間の料理術』を読んだときに、私 が鍼灸や操体で工夫していることは、奥薗さんが料理で工夫して いるレベルには、遥かに及ばないと感じました。  『 ズボラ人間の料理術』は、奥薗さんの基本的な考え方が書か れているので、これもおすすめです。  また、新しい工夫は、HPなどで紹介されています。 http://www.nabekama.jp 2)『クッキングパパの絶品ひとり暮らしレシピ』うえやまとち著  講談社文庫  雑誌連載のマンガのレシピ部分を集めたものの「ひとり暮らし」 篇です。こちらも、料理することを楽しむという点に配慮してあ り、初心者が「やってみようかな」と思いたくなる内容です。  このマンガのレシピ本は、文庫になる前は、写真付きのカラー ムックで出ていました。小さい頃の次男がそれを見て、「これ作っ て、これも」とか言うので作っていたら、色々な料理ができるよ うになっていきました。  初めに出た『クッキングパパのレシピ365日』などと、シリー ズになっています。    二人とも、前2回で書いてきた内容よりは一般的なので、そう いう意味でも初めての人には良いかなと思います。自炊の習慣が 付いたら、前2回で書いてきたことも、だんだん取り入れていく と、橋本敬三先生の「食の自然則」が実践しやすくなると思いま す。 *5.食べないことも利用する  私は食いしん坊なので、つい食べ過ぎをしてしまいます。  特に、旅行や宴会のときなどは、出されたものは残さず全部を 食べてしまう方なので、どうしても食べ過ぎてしまいます。そう いうときは、次の日は、朝昼は食欲がなく、夕食のみということ が多いです。  そういうこともあって、18時間断食という考え方を知ったとき には、割りと、すんなり納得できました。18時間断食というのは、 夜6時から次の日の昼の12時まで、水以外は口にしないという断 食法です。  日の出から日没までは食べないというイスラムのラマダンに近 いけど、時間帯がずれています。寝るまでの時間を十分に取るた めと思います。一般的にも、食事後から寝るまでの時間は、2時 間以上が望ましいと言われていますね。  昼間の仕事の都合もあって、夕食を遅くしたり、昼食が早目に なったりはあります。が、夜は20時までに、昼は10時すぎてか らという2点は、だいたい守れています。なので、14時間以上 には断食時間がなっていると思います。  大切なことは、空腹でないのに食べないこと、胃腸が休む時間 を確保することだそうです。そのためにも、血糖値が下がりにく い、玄米や雑穀ご飯など精製度の低いものを中心にした方が良い と思います。 *6.カゼのときの食養  カゼなどで食欲のないときにも、食べない方が良いことも多い です。が、食欲が落ちないこともあります。カゼなど病が動いて いるときに、それに合った食養として、私が実践していることを 書いてみます。  漢方薬はじめ薬を飲んだりする前にしていることです。なお、 食事を作る気力もない程のときには、買い置きしてある漢方のカ ゼ薬を飲んでいます。  カゼのときの食養生として有名なものは「梅醤番」でしょうか。 梅干し、生姜、醤油に熱い番茶をかけたものです。材料は、添加 物のない昔ながらの製法のものがよいと思います。 ………追記:2021.10.4………  カゼは疲れが溜まっている時に引くことが多いので、レモンや 梅干しのクエン酸は、疲労物質の乳酸を解消する意味が有るよう に思います。 …………………  次に有名なのは、大根湯かな。大根おろし、生姜のすりおろし、 醤油、番茶。梅醤番の梅干しを大根おろしに代えたものですね。  その他にも、ネギ、ニンニク、ミント、大根下ろしなどを入れ た、熱い、薄塩味の汁物を飲むという話も聞きました。塩味は、 醤油が多いですが、味噌という人もいました。  基本的には、カゼの主症状である上衝を下げる食材、体を温め る食材の組み合わせが多いと思います。漢方薬では、桂枝湯とか 葛根湯が使われます。  桂枝湯の桂枝は、『薬徴』(注1)に「上衝を主治す」とあり ます。桂枝はニッキの枝で、シナモンですね。「上衝を下げる」 ものは、桂枝、麝香(外郎の主成分)など香りの良いものが多い です。  ミントなども上衝を下げるのに使われるようです。ネギや生姜 も関係している感じです。  なお、生姜は「嘔を主治」(『薬徴』)で、寿司屋で酢漬け生 姜のガリがタダなのは、それを利用しているとか聞きました。沢 山食べてもらえるからだそうです。  葛根は「後背強急を主治す」で、葛根で付いたトロミで汁物が 冷めにくく後背から汗が出やすくなることを利用しているようで す。  ですから、私は、カゼのときには、香りのよいものと、トロミ の付くものを組み合わせて熱い汁物を作って飲んでいます。  香りと上衝を下げる傾向の食材としては、柚子粉、シナモン、 ネギ、生姜、ミント、シソなど、そのとき手に入るものを使いま す。大根おろしも使います。唐辛子、山椒、山葵などを入れるこ ともあります。  トロミの方は、本葛の粒や粉、クタクタに煮たソーメンなどで 付けます。片栗粉(材料はジャガイモ澱粉だそうですが)とかも 使えるかもしれません。 追記:2017.01.09 トロミ付けには酒粕も ーーーーーーーー  酒粕を湯に溶かしたら、結構トロミが付いて、体が温まりまし た。酒粕も、カゼの食養の汁物のトロミ付けに使えそうです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  味付けは、出汁、つまり、昆布、削り節、醤油、味醂が多いで す。  薬ではなく食べ物なので、材料や味付けなどは、好みで良いと 思います。美味しくて結果の出るものを選んでいくようにしてく ださい。 ーーー 追記:2020.01.04 ーーー  冬は、毎日昼飯を温かい汁蕎麦にして、ネギや唐辛子を多めに 入れ、後頚部や肩甲間部から味覚性発汗するようにしています。 その後に風にあたって冷やさないようにすることも必要ですが。  こうして、毎日、上衝を下げ、後背強急を弛めているので、 カゼを引きにくく、引いても軽く経過するように思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーー 追記:2020.01.26 ーーー まとめると以下かなと思います。 カゼを軽く経過しやすい体に成るために (1)上衝を下げる (2)頭項の強痛を弛める 「太陽之為病、脈浮、頭項強痛而悪寒」 (うなじにもシコりが出る) 「太陽病、項背強几几、無汗、悪風、葛根湯主之」 (うなじから背中にかけて強くこわばる) 葛根湯:桂枝、麻黄、生姜、葛根、芍薬、大棗、甘草 「桂枝、上衝を主治す」 『薬徴』 食養としては、 (1)には、香りの良いものが適しているようです。 桂枝(→シナモン)、、ミント、シソ、柚子、 (2)には、味覚性発汗が良いようです。 唐辛子、大根おろし、ネギ、わさび、生姜、 それと、葛根などトロミが付くもの(腹で温かさが持続する) そして、肩凝り系の解消のためには、以下の操体などの運動 療法を習慣にするのも良いでしょう。 [[自分で養生no.1]] 灸も含めた術伝流カゼ対策は以下に書きました。 [[自分で養生no.5]] ーーーーーーーーーーーーーーーー *7.おわりに  「食の自然則」を今の時代で実践してきて、気が付いたことを 書いてきました。「食」の世界も、「動」や「息」の世界と同じ ように、広く深い世界だなと思います。ゆっくり、少しずつ、身 に付けていきたいと思っています。   *注1:  ここでいう『薬徴』は『重校薬徴』のことです。私は、インター ネットが普及する前に、医師の方々との勉強会で漢方を学びまし た。そこで『薬徴』といえば『重校薬徴』でした。  しかも、普通は、創元社の東洋医学選書シリーズの『類聚方広 義・重校薬徴』のことが多いようでした。  今はネットに『薬徴』も載っていて、そこを読んだ人から「桂 枝は、衝逆を主治す」という指摘されたことがあるので、念のた め書いておきます。  日本の古法漢方の世界では一般的には『重校薬徴』の方を主に 利用しているようです。    次へ >>> [[術伝流操体no.84]] -----    >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.83]]    >>> 術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体no.83 【6】自然則篇 (19)18時間断食、カゼの食養など &size(24){&color(green){18時間断食、カゼの食養など}} ------ #contents *1.はじめに  食の自然則に関係して、今の時代に気を付けたいことの3回目 です。これまで2回で以下のことを書いてきました。 1)和食を基本に、カタカナ食を少なく、高度精製物や化学合成 物を減らす 2)自炊は、手間を省き、季節を楽しみ、好みに合わせる  今回は、これまでの2回で書き残したことを先ず書き、その後、 食べないこと、カゼの食養など書いていきます。 *2.緑黄色野菜を多目に  基本的なことで書き忘れたのは、野菜は緑黄色野菜を多くした 方が良いということ。様々な栄養素が含まれ、少ない種類と量で もバランスが取れやすいそうです。  一人暮らしで自炊のときには、色々な種類の食材を買っても余 らせてしまうことが多いので、少ない種類でバランスが取れやす いのは、良い点と思います。  農家の人に言わせると、キャベツも、美味しいのは外側の濃い 緑の葉とか。食べにくいときは、カレーに入れたり、カレー味の 炒めものにしたりすると、食べやすくなります。カレーには、味 が濃い野菜の方が合いますから。 *3.漬物で乳酸菌  漬物が良いのは、乳酸菌も取れることです。塩分と水があると、 時間が経てば乳酸発酵します。キムチをはじめ、漬物の酸っぱさ は乳酸発酵に由来します。ピクルスなどの酢漬けは違いますが。  私は数年前に脳梗塞になりました。脳梗塞になりにくい食事を 調べていくうちに、乳脂肪が逆に梗塞系の病気を増やしやすいと いう説を知りました。  乳は、もともと血液から赤血球を除いて脂肪を混ぜたものなの で、乳脂肪は血液に混ざりやすいのかもしれません。乳脂肪摂取 が多い地域は、梗塞系の病気も多いそうです。 私は、脳梗塞にな る前は十年近く毎日自家製ヨーグルトを食べていました。  そして、日本人は、昔から乳酸菌を漬け物で取ってきたことも 知りました。前から漬物は好きでしたが、自分で作るようになっ たのは、それからです。ヨーグルトは作らなくなりました。 *4.自炊を始める時の参考文献  これから自炊を始めようという人に参考になりそうな本を挙げ ておきます。 1)『自炊をしよう!』奥薗壽子著 主婦の友社  「(祝)一人暮らし カンタン、うまいっ、安上がり」という 副題がついています。その副題の通りの内容で、役に立ちます。 イラスト、写真が多く、初めての人にも読みやすいと思います。  奥薗さんは、TVチャンピオンの「3分料理人選手権」で優勝さ れた人で、手間を省くことをはじめ工夫の達人です。  書き始めた頃の本『ズボラ人間の料理術』を読んだときに、私 が鍼灸や操体で工夫していることは、奥薗さんが料理で工夫して いるレベルには、遥かに及ばないと感じました。  『 ズボラ人間の料理術』は、奥薗さんの基本的な考え方が書か れているので、これもおすすめです。  また、新しい工夫は、HPなどで紹介されています。 http://www.nabekama.jp 2)『クッキングパパの絶品ひとり暮らしレシピ』うえやまとち著  講談社文庫  雑誌連載のマンガのレシピ部分を集めたものの「ひとり暮らし」 篇です。こちらも、料理することを楽しむという点に配慮してあ り、初心者が「やってみようかな」と思いたくなる内容です。  このマンガのレシピ本は、文庫になる前は、写真付きのカラー ムックで出ていました。小さい頃の次男がそれを見て、「これ作っ て、これも」とか言うので作っていたら、色々な料理ができるよ うになっていきました。  初めに出た『クッキングパパのレシピ365日』などと、シリー ズになっています。    二人とも、前2回で書いてきた内容よりは一般的なので、そう いう意味でも初めての人には良いかなと思います。自炊の習慣が 付いたら、前2回で書いてきたことも、だんだん取り入れていく と、橋本敬三先生の「食の自然則」が実践しやすくなると思いま す。 *5.食べないことも利用する  私は食いしん坊なので、つい食べ過ぎをしてしまいます。  特に、旅行や宴会のときなどは、出されたものは残さず全部を 食べてしまう方なので、どうしても食べ過ぎてしまいます。そう いうときは、次の日は、朝昼は食欲がなく、夕食のみということ が多いです。  そういうこともあって、18時間断食という考え方を知ったとき には、割りと、すんなり納得できました。18時間断食というのは、 夜6時から次の日の昼の12時まで、水以外は口にしないという断 食法です。  日の出から日没までは食べないというイスラムのラマダンに近 いけど、時間帯がずれています。寝るまでの時間を十分に取るた めと思います。一般的にも、食事後から寝るまでの時間は、2時 間以上が望ましいと言われていますね。  昼間の仕事の都合もあって、夕食を遅くしたり、昼食が早目に なったりはあります。が、夜は20時までに、昼は10時すぎてか らという2点は、だいたい守れています。なので、14時間以上 には断食時間がなっていると思います。  大切なことは、空腹でないのに食べないこと、胃腸が休む時間 を確保することだそうです。そのためにも、血糖値が下がりにく い、玄米や雑穀ご飯など精製度の低いものを中心にした方が良い と思います。 *6.カゼのときの食養  カゼなどで食欲のないときにも、食べない方が良いことも多い です。が、食欲が落ちないこともあります。カゼなど病が動いて いるときに、それに合った食養として、私が実践していることを 書いてみます。  漢方薬はじめ薬を飲んだりする前にしていることです。なお、 食事を作る気力もない程のときには、買い置きしてある漢方のカ ゼ薬を飲んでいます。  カゼのときの食養生として有名なものは「梅醤番」でしょうか。 梅干し、生姜、醤油に熱い番茶をかけたものです。材料は、添加 物のない昔ながらの製法のものがよいと思います。 ………追記:2021.10.4………  カゼは疲れが溜まっている時に引くことが多いので、レモンや 梅干しのクエン酸は、疲労物質の乳酸を解消する意味が有るよう に思います。  そういう意味では、梅酢も、カゼの時の食養の選択肢の一つに 成るように思います。 …………………  次に有名なのは、大根湯かな。大根おろし、生姜のすりおろし、 醤油、番茶。梅醤番の梅干しを大根おろしに代えたものですね。  その他にも、ネギ、ニンニク、ミント、大根下ろしなどを入れ た、熱い、薄塩味の汁物を飲むという話も聞きました。塩味は、 醤油が多いですが、味噌という人もいました。  基本的には、カゼの主症状である上衝を下げる食材、体を温め る食材の組み合わせが多いと思います。漢方薬では、桂枝湯とか 葛根湯が使われます。  桂枝湯の桂枝は、『薬徴』(注1)に「上衝を主治す」とあり ます。桂枝はニッキの枝で、シナモンですね。「上衝を下げる」 ものは、桂枝、麝香(外郎の主成分)など香りの良いものが多い です。  ミントなども上衝を下げるのに使われるようです。ネギや生姜 も関係している感じです。  なお、生姜は「嘔を主治」(『薬徴』)で、寿司屋で酢漬け生 姜のガリがタダなのは、それを利用しているとか聞きました。沢 山食べてもらえるからだそうです。  葛根は「後背強急を主治す」で、葛根で付いたトロミで汁物が 冷めにくく後背から汗が出やすくなることを利用しているようで す。  ですから、私は、カゼのときには、香りのよいものと、トロミ の付くものを組み合わせて熱い汁物を作って飲んでいます。  香りと上衝を下げる傾向の食材としては、柚子粉、シナモン、 ネギ、生姜、ミント、シソなど、そのとき手に入るものを使いま す。大根おろしも使います。唐辛子、山椒、山葵などを入れるこ ともあります。  トロミの方は、本葛の粒や粉、クタクタに煮たソーメンなどで 付けます。片栗粉(材料はジャガイモ澱粉だそうですが)とかも 使えるかもしれません。 追記:2017.01.09 トロミ付けには酒粕も ーーーーーーーー  酒粕を湯に溶かしたら、結構トロミが付いて、体が温まりまし た。酒粕も、カゼの食養の汁物のトロミ付けに使えそうです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  味付けは、出汁、つまり、昆布、削り節、醤油、味醂が多いで す。  薬ではなく食べ物なので、材料や味付けなどは、好みで良いと 思います。美味しくて結果の出るものを選んでいくようにしてく ださい。 ーーー 追記:2020.01.04 ーーー  冬は、毎日昼飯を温かい汁蕎麦にして、ネギや唐辛子を多めに 入れ、後頚部や肩甲間部から味覚性発汗するようにしています。 その後に風にあたって冷やさないようにすることも必要ですが。  こうして、毎日、上衝を下げ、後背強急を弛めているので、 カゼを引きにくく、引いても軽く経過するように思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ーーー 追記:2020.01.26 ーーー まとめると以下かなと思います。 カゼを軽く経過しやすい体に成るために (1)上衝を下げる (2)頭項の強痛を弛める 「太陽之為病、脈浮、頭項強痛而悪寒」 (うなじにもシコりが出る) 「太陽病、項背強几几、無汗、悪風、葛根湯主之」 (うなじから背中にかけて強くこわばる) 葛根湯:桂枝、麻黄、生姜、葛根、芍薬、大棗、甘草 「桂枝、上衝を主治す」 『薬徴』 食養としては、 (1)には、香りの良いものが適しているようです。 桂枝(→シナモン)、、ミント、シソ、柚子、 (2)には、味覚性発汗が良いようです。 唐辛子、大根おろし、ネギ、わさび、生姜、 それと、葛根などトロミが付くもの(腹で温かさが持続する) そして、肩凝り系の解消のためには、以下の操体などの運動 療法を習慣にするのも良いでしょう。 [[自分で養生no.1]] 灸も含めた術伝流カゼ対策は以下に書きました。 [[自分で養生no.5]] ーーーーーーーーーーーーーーーー *7.おわりに  「食の自然則」を今の時代で実践してきて、気が付いたことを 書いてきました。「食」の世界も、「動」や「息」の世界と同じ ように、広く深い世界だなと思います。ゆっくり、少しずつ、身 に付けていきたいと思っています。   *注1:  ここでいう『薬徴』は『重校薬徴』のことです。私は、インター ネットが普及する前に、医師の方々との勉強会で漢方を学びまし た。そこで『薬徴』といえば『重校薬徴』でした。  しかも、普通は、創元社の東洋医学選書シリーズの『類聚方広 義・重校薬徴』のことが多いようでした。  今はネットに『薬徴』も載っていて、そこを読んだ人から「桂 枝は、衝逆を主治す」という指摘されたことがあるので、念のた め書いておきます。  日本の古法漢方の世界では一般的には『重校薬徴』の方を主に 利用しているようです。    次へ >>> [[術伝流操体no.84]] -----    >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.83]]    >>> 術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: