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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体no.67 【6】自然則篇 (3) 新旧操体の向き不向き &size(24){&color(green){新旧操体の向き不向き}} ------ #contents *1.はじめに  さて、前の2回で「ギュッ・パッ・ストン」から皮膚や重さ の操体まで、タワメの間が同じ形になる操体のバリエーション を紹介しました。  それらは、ほぼ同じ効果があるのですが、違いがあります。 今回は、違いの方に目を向けて比較してみたいと思います。 *2.その日の疲れは、ギュッ・パッ・ストン  先ず「ギュッ・パッ・ストン」タイプの特徴を書き出してみ ます。一番の特徴は、受け手が動かす部分そのものに対して、 操者が抵抗していることです。それに続くのが、タワメの間が 短いこと、瞬間脱力が大き目なことです。  そういう特徴から出てくることを挙げてみます。主に、受け 手の動かす部分と抵抗する所が同じ(近い)ため、全身に連動 しにくくなります。  また、主に、タワメの間が短いため、気持ちよさを十分な時 間を掛けて味わうことができないことが多くなります。それで、 他のタイプと比較して味わってもらうと、このタイプを選ぶ人 は、少なくなっていきました。  ただ、このタイプが、今までは役に立たないという訳ではあ りません。例えば、普段は運動をしていない人がスポーツの大 会に出たり、ハイキングで長時間歩いたりした後に、このタイ プを試すと、さわやかに疲れが抜けていくことを体験できると 思います。爽快な後味も楽しめます。  また、ある特定の所に焦点を当てて、そこに効かせたいと言 うような時にも、うまく使えば効果が出せます。特定の、特に 表層にある、大きな動きを生み出す筋肉を1日中繰り返して使っ た後などです。  このタイプを知ってから20数年試してきて、私は、その日 の運動による疲れを取るのには、この「ギュッ・パッ・ストン」 は効果的だなと思っています。  ただ、同じ姿勢を維持したり、あるいは、考えたり思ったり という活動の疲れを取るのには余り向かないし、何カ月も掛かっ て蓄積された歪みを取るのにも余り向いていないように感じて います。  比較的深層にある姿勢を維持する筋肉を縮めたままにする姿 勢を取り続けた場合などが、その典型例になります。  姿勢維持筋の場合には、スポーツの時に表層の筋肉を大きく 伸び縮みさせるのに比較すると、長い時間にわたって縮ませる 方だけを続けることが多いです。  この長時間にわたって収縮状態を続けるということがギュッ・ パッ・ストン型で改善しにくい原因となっているのかなと考え ています。ジワーと作られたシコリは、弛めるのにも長い時間 を必要とするのかなという感じです。 *3.同じ姿勢を続けた疲れは、ふわ~・ぽわわん・ふっくにゃぁ  そういう同じ姿勢を維持しながらパソコンで書類を作ったり チェックしたりというような仕事に代表されることが原因で歪 みが作られた場合には、「ふわー・ぽわわん・ふっくにゃぁ」 タイプの方を気持ちよく感じる人が多いという経験を積み重ね てきました。  また、このタイプのシコリを「ギュッ・パッ・ストン」タイ プで取れたとしても、数時間後には元に戻っていたという経験 も何度も重ねてきました。特に、全身への連動が上手く行かな かった場合に、戻りやすいようです。  全身の歪みが調整されないと、体の他の部分のシコリは元の ままです。そのため、「ギュッ・パッ・ストン」でなくなった 場所にもシコリが有る方が自然なためと思います。というか、 無いと全身のバランスが取れないためだと思います。  これを解消するためには、治療時間内に、全身の主な歪みを 調整する必要があります。そのため、つまり、ギュパッストン タイプで全身調整するために、体の主な関節の一つ一つを4種 8方向に動診し調整している先生もいらっしゃるようです。が、 すごく時間が掛かるみたいです。  「その場では効果があったんだけど、すぐ戻るね、効果が続 かないね」というようなことを、よく言われました。  「その時には、またギュッ・パッ・ストンしてください」と 伝えるのは簡単ですが、受け手にそれを納得してもらって、ギュ パッストンを習慣にしてもらうのは難しかったです。こういう シコリに対してギュッ・パッ・ストンしても、気持ちよさが余 り無いことにも因ると思います。  ところが、同じシコリを「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タ イプで消すことができると、短くても3日位は(長ければ1週 間以上)効果が続くことが多いです。2週間、1カ月以上シコ リが出てこなかったという人もいて、感謝されたことあります。  また、やること自体が気持ちよく感じられるせいか、「毎日 してるよ、クセになるね」という話を聞くことも多かったです。 *4.労働形態によって、操体も変わる  橋本敬三先生が「力学的医学の構想」を書かれたのは1937年 頃です。また、臨床の、というか、健康回復(=養生)の技術 にしようと、臨床の場で盛んに使い試してらしたのは、1960年 代の仙台です。  その頃と現在の体の動かし方、特に、仕事の場での体の動か し方の違いがタイプの差を生み出した、一番の理由のように思 います。  現在、宅配便の運転手さんなどでも、物を運ぶ疲れよりも、 書類のチェックや時間に合わせるための行動、お客さんの応対 などによる疲労の方が大きいのではないでしょうか?  1985年頃から、仕事の色々な所でパソコンやコンピュータ 端末を使うようになりました。携帯電話が普及してからは普段 の私生活の場でも使われるようになりました。携帯電話は電話 の形をしていますが、中身は通信機能付きコンピュータそのも ので。  そういう昔とは様変わりした環境の中で「ギュッ・パッ・ス トン」タイプは、だんだん選ばれなくなってきたように思いま す。特に、その日の運動による疲れを取るために操体を受ける ような人が少ない臨床の場では。 *5.新旧操体の向き不向き  そういうことを振り返ってみて、今、私は、「ギュッ・パッ・ ストン」タイプは、その日の疲れ、特に、表層にある大きな動 きに関わる運動筋の伸縮を繰り返すことが原因でシコリができ た場合に有効と考えています。  例えば、普段は運動していない人が、急にスポーツやハイキ ングなどをしたときなどに有効です。  「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプは、何カ月も掛かっ て蓄積された疲れに有効と考えています。特に、深層にある姿 勢維持筋を縮めるような姿勢を長時間とり続けたことでシコリ ができた場合です。  また、心や頭を使った仕事によって疲れた場合などに有効で す。  そういう風に、2つのタイプの操体を整理して、納得してい ます。心や頭を使った仕事は、長時間同じ姿勢をとり続けるこ とが多いから、「ふっくにゃ」タイプが向くのだと思います。  また、皮膚の操体は、「ふっくにゃ」タイプに近く、同じよ うに使えるなと感じています。  そして、操体を伝える場合にも、受け手に実際に両方を味わっ てもらいながら、そういう説明をして納得してもらっています。  この辺りは議論になる点だと思います。皆さんは、どう思わ れますか? 疑問のある人は質問してください。対話という形 で疑問点をやりとりする中から、操体についての新しい発見が できたら良いなと思っています。  現在の日本の臨床の場で操体を使いこなしていくためには、 避けて通れない問題だと思いますし。よろしくおねがいします。    次へ >>> [[術伝流操体no.68]] -----    >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.67]]    >>> 術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ 術伝流操体no.67 【6】自然則篇 (3) 新旧操体の向き不向き &size(24){&color(green){新旧操体の向き不向き}} ------ #contents *1.はじめに  さて、前の2回で「ギュッ・パッ・ストン」から皮膚や重さ の操体まで、タワメの間が同じ形になる操体のバリエーション を紹介しました。  それらは、ほぼ同じ効果があるのですが、違いがあります。 今回は、違いの方に目を向けて比較してみたいと思います。 *2.その日の疲れは、ギュッ・パッ・ストン  先ず「ギュッ・パッ・ストン」タイプの特徴を書き出してみ ます。一番の特徴は、受け手が動かす部分そのものに対して、 操者が抵抗していることです。それに続くのが、タワメの間が 短いこと、瞬間脱力が大き目なことです。  そういう特徴から出てくることを挙げてみます。主に、受け 手の動かす部分と抵抗する所が同じ(近い)ため、全身に連動 しにくくなります。  また、主に、タワメの間が短いため、気持ちよさを十分な時 間を掛けて味わうことができないことが多くなります。それで、 他のタイプと比較して味わってもらうと、このタイプを選ぶ人 は、少なくなっていきました。  ただ、このタイプが、今までは役に立たないという訳ではあ りません。例えば、普段は運動をしていない人がスポーツの大 会に出たり、ハイキングで長時間歩いたりした後に、このタイ プを試すと、さわやかに疲れが抜けていくことを体験できると 思います。爽快な後味も楽しめます。  また、ある特定の所に焦点を当てて、そこに効かせたいと言 うような時にも、うまく使えば効果が出せます。特定の、特に 表層にある、大きな動きを生み出す筋肉を1日中繰り返して使っ た後などです。  このタイプを知ってから20数年試してきて、私は、その日 の運動による疲れを取るのには、この「ギュッ・パッ・ストン」 は効果的だなと思っています。  ただ、同じ姿勢を維持したり、あるいは、考えたり思ったり という活動の疲れを取るのには余り向かないし、何カ月も掛かっ て蓄積された歪みを取るのにも余り向いていないように感じて います。  比較的深層にある姿勢を維持する筋肉を縮めたままにする姿 勢を取り続けた場合などが、その典型例になります。  姿勢維持筋の場合には、スポーツの時に表層の筋肉を大きく 伸び縮みさせるのに比較すると、長い時間にわたって縮ませる 方だけを続けることが多いです。  この長時間にわたって収縮状態を続けるということがギュッ・ パッ・ストン型で改善しにくい原因となっているのかなと考え ています。ジワーと作られた痼りは、弛めるのにも長い時間を 必要とするのかなという感じです。 *3.同じ姿勢を続けた疲れは、ふわ~・ぽわわん・ふっくにゃぁ  そういう同じ姿勢を維持しながらパソコンで書類を作ったり チェックしたりというような仕事に代表されることが原因で歪 みが作られた場合には、「ふわー・ぽわわん・ふっくにゃぁ」 タイプの方を気持ちよく感じる人が多いという経験を積み重ね てきました。  また、このタイプのシコリを「ギュッ・パッ・ストン」タイ プで取れたとしても、数時間後には元に戻っていたという経験 も何度も重ねてきました。特に、全身への連動が上手く行かな かった場合に、戻りやすいようです。  全身の歪みが調整されないと、体の他の部分のシコリは元の ままです。そのため、「ギュッ・パッ・ストン」で無くなった 場所にも痼りが有る方が自然なためと思います。というか、無 いと全身のバランスが取れないためだと思います。  これを解消するためには、治療時間内に、全身の主な歪みを 調整する必要があります。そのため、つまり、ギュパッストン タイプで全身調整するために、体の主な関節の一つ一つを4種 8方向に動診し調整している先生もいらっしゃるようです。が、 すごく時間が掛かるみたいです。  ギュパッストンタイプで操体した人から、「その場では効果 が有ったんだけど、直ぐ戻るね、効果が続かないね」というよ うなことを、よく言われました。  「その時には、またギュッ・パッ・ストンしてください」と 伝えるのは簡単です。が、受け手にそれを納得してもらって、 ギュパッストンを習慣にしてもらうのは難しかったです。こう いう痼りに対してギュッ・パッ・ストンしても、気持ちよさが 余り無いことにも因ると思います。  ところが、同じ痼りを「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイ プで消すことができると、短くても3日位は(長ければ1週間 以上)効果が続くことが多いです。2週間、1カ月以上痼りが 出て来なかったという人もいて、感謝されたことあります。  また、やること自体が気持ちよく感じられるせいか、「毎日 してるよ、クセになるね」という話を聞くことも多かったです。 *4.労働形態によって、操体も変わる  橋本敬三先生が「力学的医学の構想」を書かれたのは1937年 頃です。また、臨床の、というか、健康回復(=養生)の技術 にしようと、臨床の場で盛んに使い試してらしたのは、1960年 代の仙台です。  その頃と現在の体の動かし方、特に、仕事の場での体の動か し方の違いがタイプの差を生み出した、一番の理由のように思 います。  現在、宅配便の運転手さんなどでも、物を運ぶ疲れよりも、 書類のチェックや時間に合わせるための行動、お客さんの応対 などによる疲労の方が大きいのではないでしょうか?  1985年頃から、仕事の色々な所でパソコンやコンピュータ 端末を使うようになりました。携帯電話が普及してからは普段 の私生活の場でも使われるようになりました。携帯電話は電話 の形をしていますが、中身は通信機能付きコンピュータそのも のです。  そういう昔とは様変わりした環境の中で「ギュッ・パッ・ス トン」タイプは、だんだん選ばれなくなってきたように思いま す。特に、その日の運動による疲れを取るために操体を受ける ような人が少ない臨床の場では。 *5.新旧操体の向き不向き  そういうことを振り返ってみて、今、私は、「ギュッ・パッ・ ストン」タイプは、その日の疲れ、特に、表層にある大きな動 きに関わる運動筋の伸縮を繰り返すことが原因で痼りができた 場合に有効と考えています。  例えば、普段は運動していない人が、急にスポーツやハイキ ングなどをしたときなどには有効です。  「ふわーぽわわんふっくにゃぁ」タイプは、何カ月も掛かっ て蓄積された疲れに有効と考えています。特に、深層に在る姿 勢維持筋を縮めるような姿勢を長時間に渡って取り続けたこと で痼りができた場合です。  また、心や頭を使った仕事に因って疲れた場合などに有効で す。  そういう風に、2つのタイプの操体を整理して、納得してい ます。心や頭を使った仕事は、長時間同じ姿勢をとり続けるこ とが多いから、「ふっくにゃ」タイプが向くのだと思います。  また、皮膚の操体は、「ふっくにゃ」タイプに近く、同じよ うに使えるなと感じています。  そして、操体を伝える場合にも、受け手に実際に両方を味わっ てもらいながら、そういう説明をして納得してもらっています。  この辺りは議論になる点だと思います。皆さんは、どう思わ れますか? 疑問のある人は質問してください。対話という形 で疑問点をやり取りする中から、操体についての新しい発見が できたら良いなと思っています。  現在の日本の臨床の場で操体を使いこなしていくためには、 避けて通れない問題だと思いますし。よろしくおねがいします。    次へ >>> [[術伝流操体no.68]] -----    >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]    >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.67]]    >>> 術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

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