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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &color(green){術伝流一本鍼no.61 (術伝流・体得篇(1))} &bold(){&size(24){&color(green){礼と姿勢}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}} ------ #contents *1.はじめに   no.59「初めて診る病に出会ったら」で応用編の総まとめに あたる内容を書き、no.60「花粉症でつらい」で、その具体例 を書きました。これで、鍼灸技術について、いま書けることは、 書き尽くしたかなと思います。  もちろん、これからも、興味深い症例に出会ったり、新しい 考え方や新しい工夫が見つけられれば、報告していきたいと思 いますが・・・。  そこで、これからしばらくは、今まで書いてきたような鍼灸 技術を身につけていくために、気を付けてほしいことを書いて いきたいと思います。術伝流の鍼灸講座で、初心者に伝えてい る内容です。  1回目の今回は、講座でも、先ず初めに伝えている「礼と姿 勢」です。 *2.礼  正座からの礼を説明します。  片手ずつ右左の順で、手を付いていき(写真1)、左右の4 指と親指で三角形を作ります(写真2)。息を吐きながら礼を していき、額が三角形にはいるようにします(写真3)。しば らく礼の姿勢で留めます。その後、息を吸いながら、片手ずつ 手を上げながら、戻ります。 &ref(DSCF4940.jpg)写真1 &ref(DSCF4941.jpg)写真2 &ref(DSCF4942.jpg)写真3  こういう礼は、形式的で権威主義的と思われる人もいると思 います。私もそう思っていましたが、けっこう実用的な側面も あるようです。  礼をした状態でも、爪先立ちになれば(写真4)、襲撃に反 撃できる形なんだそうです。 &ref(DSCF4943.jpg)写真4  また、初めと終わりに、こういうきちんとした礼をしておく と、印象が良くなるそうです。実際に、施術中にちょっと失敗 したけれど、礼が良かったので許されたという話も聞きました。  礼の大切さを伝えるための作り話かもしれませんが。自分が 礼をされた立場に立って考えてみると、納得できることだなと 思いました。  椅子に腰掛けたり、立ち姿勢での礼も、基本的には同じです。 *3.姿勢  畳の上で鍼灸施術をする時の姿勢を説明します。  できるだけ患者さんに近づいた方が良いので、胡座(あぐら) が良いと思います。右利きの人は、左足が前、右足が胴体側にな る胡座座です。ただし、後重心になりやすく、腰が曲がりやすい (写真5)ことが多いです。 &ref(DSCF4946.jpg)写真5  それを防ぐために、座布団を二つ折りにしたもの等を、尻の下 に敷き、尻を少し高くします。そして、仙骨〜腰椎を反らし気味 にしながら、背骨全体を少し前屈します。前から押されても後ろ に倒れない程度に(写真6)。 &ref(DSCF4947.jpg)写真6  実際に施術するときには、ヘソを患者さんに、もう少し詳し く言えば、施術する方向に向けます。  肩を落とし、脇を少し開け、肘は張り気味で、少し腕(かいな) を返し、手首は折らない形にします(写真7)。 &ref(DSCF4945.jpg)写真7  この姿勢は、夢中になっているとき、楽しいことや好きなこ とをしているときの姿勢です。  逆に、つまらないことや嫌いなことをイヤイヤしているとき は、胡座でも違う姿勢になります。腰を落とし引いて、仙骨〜 腰椎は後屈し、背中は曲がり、肩は上がり、脇は閉じ、肘は伸 ばし、手首は背屈します。おまけに、ヘソは横に向け、目と指 先だけイヤなものに向けた姿勢になります(写真8)。イヤな ものをできるだけ体から遠ざける姿勢ですね。 &ref(DSCF4950.jpg)写真8  2つの姿勢で、試しに指を動かしてみてください。前者(写 真7)の楽しいことをしているときの姿勢の方が、圧倒的に指 が動かしやすいことが分かるでしょう。  杉山和一検校の作とされる、鍼の秘訣を読んだ和歌がありま す。 「鍼さすに 心で刺すな 手で引くな   引くも引かぬも 指にまかせよ」  「指にまかせる」ためには、患者さんの体の変化に応じて、 指が自由自在に動くことが必要ですね。いずれ「指にまかせる」 レベルになれるように、初めから、この姿勢を身に付けておい た方が良いと思います。  椅子での施術では、低めの椅子を使い、足を椅子の後側の回 すようにすると、同じ姿勢が取れます。特に、キャスター付き の丸椅子が向くと思います。 追記20150813:あと、刺鍼中に左右の肘の高さが同じ位にな るようにしてください。左右の肘の高さの違いが大きすぎると、 腰痛になりやすいです。初心者の人は、施術中の姿勢が原因で 腰痛になることがあります。その中では、この肘の高さの左右 差が原因のものが一番多いように思います。 *4.身に付けるということ  ついでに書いておきますが、鍼灸技術を身につけるというの は、大人になっても金槌の人が泳げるようになるようなもので す。知識ばかり豊富で「畳の上の水練」では泳げるようにはな りませんね。  また、いくら心を磨いた高僧でも、生まれてから一度も泳い だことがなければ、海に放り出されたときに溺れる可能性の方 が高いのではないでしょうか?  私は小学校入学前に波に巻き込まれたことと、小中学校にプー ルがなかったことで、高1まで泳げませんでした。高2の時に 一念発起して、夏休み毎日学校のプールで練習し泳げるように なりました。  家が代々鍼灸を家業としていたら、鍼灸技術も自然に身に付 くかもしれません。でも、そうでない人は、意識して体に身に 付けたほうが上達が早いと思います。 *5.おわりに  今回書いたことも、体に身に付けることができるように意識 して練習してみてください。その方が鍼灸技術の上達も早いと 思います。  ただ、意味を理解しないと、やる気も出ないでしょうから、 できる範囲で、意味も説明していこうと思います。説明が足ら ない、理解できないと思ったら、ツッコミしてください。  鍼灸技術を伝えて十数年になりますが、多くの人のツッコミ に四苦八苦しながら答えているうちに、今まで書いてきた程度 の説明ができるようになりました。  もっと理解してもらえるような、もっと早く確実に技術を身 に付けてもらえるような説明ができるようになりたいと思って います。そして、その2つが実現しやすい稽古法も工夫したい と思っています。  よろしくおねがいします。    次へ>>>[[術伝流一本鍼no.62]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流一本鍼(あ)]]    >>>このページのトップヘ・・[[術伝流一本鍼no.61]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想・間違いなど  感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 **「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集  「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。 参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。  よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
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