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&color(green){術伝流一本鍼no.41 (術伝流・養生の一本鍼・運動器編(10))}
&bold(){&size(24){&color(green){三叉神経痛の痛みが消えたら、}}}
&bold(){&size(24){&color(green){声を出すと痛くなった}}}
------
#contents
*(1)はじめに
前回までの2回で、坐骨神経痛を取り上げました。今回は、
三叉神経痛です。
*(2)神経痛症状の特徴
坐骨神経痛のときに、神経痛症状の特徴として、以下の2つ
を書きました。
① 神経痛症状のツボは、その神経が脳脊髄の高さから皮膚表面
に立ち上がってくる所に出やすい
② そのツボの奥で過緊張した筋肉が出す異常活動電位の影響で、
神経に異常なインパルスが生じるのではないか
この2つは、三叉神経痛でも同じです。
三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくるのは、側頭部と頭頂
部の境目で、耳の頭頂より辺りだそうです。三叉神経痛の人の
その辺りを探すと、皮膚がブヨブヨしている所が見付かります。
そこが三叉神経痛のポイントのツボです。
そこの邪気を経絡的に関連する手甲に引いたり、そこに刺鍼
したりするのが、三叉神経痛の鍼灸治療のコツです。
慢性期では、慢性期の養生の型と組み合わせて施術します。
*(3)症例
三叉神経痛、および、歯の炎症と痛みのあるという人。
先ず、慢性期の養生の型で診察、脈、顔、舌、腹診などをし
ました。(写真1)。
&ref(DSCF4794.jpg)写真1
それから、仰向けで、手順通りに、手の陰陽、横腹、小腹、
大腹、足の陰陽の順で施術しました。腹とそれに関係する足の
ツボを特に見ました(写真2、3)
&ref(DSCF4809.jpg)写真2
&ref(DSCF4814.jpg)写真3
うつ伏せも、手順通りに背腰足の順で施術しました。特に、
腹に関係していそうな背のツボと、脹脛のツボを丁寧に見まし
た(写真4,5)。
&ref(DSCF4830.jpg)写真4
&ref(DSCF4836.jpg)写真5
その後、座位で、顎関節の辺りの痛みと、その原因のツボ探
しをしました(写真6、7)。
&ref(DSCF4842.jpg)写真6
&ref(DSCF4843.jpg)写真7
経絡的相関というか、位置的に顎の痛みに関係しそうな手甲
のツボを探したら、3~4間に出ていました。そこに刺鍼し(写
真8)、引き鍼しながら、口を開けたり閉じたり(写真9)、
首を捻ったり(写真10)してもらいました。
&ref(DSCF4844.jpg)写真8
&ref(DSCF4848.jpg)写真9
&ref(DSCF4849.jpg)写真10
上歯の痛みが残っているということで、手の八邪を調べたら、
位置の関係からか、1~2間が硬い状態でした。そこで、合谷に
刺鍼しながら、口の開け閉めをしてもらいました(写真11)。
&ref(DSCF4853.jpg)写真11
そしたら、少し中央に寄った方に痛みが移ったということで、
合谷から親指方向に鍼を向け(写真12)、刺鍼しました(写真
13)。それで、痛みは消えました。
&ref(DSCF4854.jpg)写真12
&ref(DSCF4855.jpg)写真13
その後、三叉神経痛のときに、よくツボが出る側頭部と頭頂
部の境目の辺りをツボ探ししました(写真14)。繰り返しにな
りますが、三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくる辺りです。
そして、見付けたツボに刺鍼しました(写真15)。
&ref(DSCF4857.jpg)写真14
&ref(DSCF4858.jpg)写真15
それから、口を開け閉めするときに一緒に動くであろう首に
ツボが出ていないか調べました。出ていたツボに順に刺鍼しま
した(写真16,17)。
&ref(DSCF4860.jpg)写真16
&ref(DSCF4862.jpg)写真17
その後、顎関節の周りに出ていたツボにも刺鍼しました(写
真18)。
&ref(DSCF4864.jpg)写真18
ここまでの施術で、動かしたりするときの痛みは、すっかり
消えました。が、声を出すと痛みが出るとのことでした。
声を出すのに関係するだろうなと、喉から胸にかけて観察し
てみたら、鎖骨から胸骨にかけてが真っ赤になっていました。
面積が広いので、楊枝を輪ゴムで束ねたものを使って散鍼しま
した(写真19)。
&ref(DSCF4866.jpg)写真19
その上の咽(のど)の周りが、そこに比べて赤みが少しも無
いので、変だなと思い、咽周りも散鍼してみました。そしたら、
咽周りも真っ赤になっていきました(写真20)。
&ref(DSCF4867.jpg)写真20
その後に声を出してもらったら、痛くなくなったということ
でした。熱邪が奥に篭(こも)っていて、そのため声を出すと
きに痛かったのだろうなと思いました。
仕上げとして、頭に散鍼し(写真21)、手の甲に引き鍼して
(写真22)、後始末しました。
&ref(DSCF4868.jpg)写真21
&ref(DSCF4870.jpg)写真22
**典型的な上衝の症例の感じ
声を出すと痛いということで、非常に面白い経験をさせても
らった感じがしました。
全体的には、典型的な上衝という感じに見えました。三叉神
経痛による顎の痛み、歯の痛み、声を出すときの痛み、みんな
上衝した邪気によるものに見えました。つまり、上衝に因る症
状が表位の少陽~陽明に出たということです。
そして、長いこと続いていることから、その上衝が恒常的で
あることになります。その視点に立てば、慢性期の養生として
は、腹を改善し、恒常的な上衝を治めていく必要があることに
なります。
そういう意味で、東洋医学的な病証の把握も大切なことを思
い起こさせる症例でした。
つぎへ>>>[[術伝流一本鍼no.42]]
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>>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流一本鍼(あ)]]
>>>このページのトップヘ・・[[術伝流一本鍼no.41]]
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術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。
くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想など
感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。
また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。
よろしくお願いします。
**間違いなど
間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。
よろしくお願いします。
**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の
参加者を募集しています。
よろしくお願いします。
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&bold(){&size(24){&color(green){三叉神経痛の痛みが消えたら、}}}
&bold(){&size(24){&color(green){声を出すと痛くなった}}}
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#contents
*(1)はじめに
前回までの2回で、坐骨神経痛を取り上げました。今回は、
三叉神経痛です。
*(2)神経痛症状の特徴
坐骨神経痛のときに、神経痛症状の特徴として、以下の2つ
を書きました。
① 神経痛症状のツボは、その神経が脳脊髄の高さから皮膚表面
に立ち上がってくる所に出やすい
② そのツボの奥で過緊張した筋肉が出す異常活動電位の影響で、
神経に異常なインパルスが生じるのではないか
この2つは、三叉神経痛でも同じです。
三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくるのは、側頭部と頭頂
部の境目で、耳の頭頂より辺りだそうです。三叉神経痛の人の
その辺りを探すと、皮膚がブヨブヨしている所が見付かります。
そこが三叉神経痛のポイントのツボです。
そこの邪気を経絡的に関連する手甲に引いたり、そこに刺鍼
したりするのが、三叉神経痛の鍼灸治療のコツです。
慢性期では、慢性期の養生の型と組み合わせて施術します。
*(3)症例
三叉神経痛、および、歯の炎症と痛みのあるという人。
先ず、慢性期の養生の型で診察、脈、顔、舌、腹診などをし
ました。(写真1)。
&ref(DSCF4794.jpg)写真1
それから、仰向けで、手順通りに、手の陰陽、横腹、小腹、
大腹、足の陰陽の順で施術しました。腹とそれに関係する足の
ツボを特に見ました(写真2、3)
&ref(DSCF4809.jpg)写真2
&ref(DSCF4814.jpg)写真3
うつ伏せも、手順通りに背腰足の順で施術しました。特に、
腹に関係していそうな背のツボと、脹脛のツボを丁寧に見まし
た(写真4,5)。
&ref(DSCF4830.jpg)写真4
&ref(DSCF4836.jpg)写真5
その後、座位で、顎関節の辺りの痛みと、その原因のツボ探
しをしました(写真6、7)。
&ref(DSCF4842.jpg)写真6
&ref(DSCF4843.jpg)写真7
経絡的相関というか、位置的に顎の痛みに関係しそうな手甲
のツボを探したら、3~4間に出ていました。そこに刺鍼し(写
真8)、引き鍼しながら、口を開けたり閉じたり(写真9)、
首を捻ったり(写真10)してもらいました。
&ref(DSCF4844.jpg)写真8
&ref(DSCF4848.jpg)写真9
&ref(DSCF4849.jpg)写真10
上歯の痛みが残っているということで、手の八邪を調べたら、
位置の関係からか、1~2間が硬い状態でした。そこで、合谷に
刺鍼しながら、口の開け閉めをしてもらいました(写真11)。
&ref(DSCF4853.jpg)写真11
そしたら、少し中央に寄った方に痛みが移ったということで、
合谷から親指方向に鍼を向け(写真12)、刺鍼しました(写真
13)。それで、痛みは消えました。
&ref(DSCF4854.jpg)写真12
&ref(DSCF4855.jpg)写真13
その後、三叉神経痛のときに、よくツボが出る側頭部と頭頂
部の境目の辺りをツボ探ししました(写真14)。繰り返しにな
りますが、三叉神経が皮膚表面に立ち上がってくる辺りです。
そして、見付けたツボに刺鍼しました(写真15)。
&ref(DSCF4857.jpg)写真14
&ref(DSCF4858.jpg)写真15
それから、口を開け閉めするときに一緒に動くであろう首に
ツボが出ていないか調べました。出ていたツボに順に刺鍼しま
した(写真16,17)。
&ref(DSCF4860.jpg)写真16
&ref(DSCF4862.jpg)写真17
その後、顎関節の周りに出ていたツボにも刺鍼しました(写
真18)。
&ref(DSCF4864.jpg)写真18
**声を出すと痛みが出る
ここまでの施術で、動かしたりするときの痛みは、すっかり
消えました。が、声を出すと痛みが出るとのことでした。
声を出すのに関係するだろうなと、喉から胸にかけて観察し
てみたら、鎖骨から胸骨にかけてが真っ赤になっていました。
面積が広いので、楊枝を輪ゴムで束ねたものを使って散鍼しま
した(写真19)。
&ref(DSCF4866.jpg)写真19
その上の咽(のど)の周りが、そこに比べて赤みが少しも無
いので、変だなと思い、咽周りも散鍼してみました。そしたら、
咽周りも真っ赤になっていきました(写真20)。
&ref(DSCF4867.jpg)写真20
その後に声を出してもらったら、痛くなくなったということ
でした。熱邪が奥に篭(こも)っていて、そのため声を出すと
きに痛かったのだろうなと思いました。
仕上げとして、頭に散鍼し(写真21)、手の甲に引き鍼して
(写真22)、後始末しました。
&ref(DSCF4868.jpg)写真21
&ref(DSCF4870.jpg)写真22
**典型的な上衝の症例の感じ
声を出すと痛いということで、非常に面白い経験をさせても
らった感じがしました。
全体的には、典型的な上衝という感じに見えました。三叉神
経痛による顎の痛み、歯の痛み、声を出すときの痛み、みんな
上衝した邪気によるものに見えました。つまり、上衝に因る症
状が表位の少陽~陽明に出たということです。
そして、長いこと続いていることから、その上衝が恒常的で
あることになります。その視点に立てば、慢性期の養生として
は、腹を改善し、恒常的な上衝を治めていく必要があることに
なります。
そういう意味で、東洋医学的な病証の把握も大切なことを思
い起こさせる症例でした。
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**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
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くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想など
感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。
また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
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