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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &color(green){術伝流一本鍼no.30 (術伝流・養生の一本鍼・基本編(4))} &bold(){&size(24){&color(green){養生の刺鍼手順}}} ------ #contents  ツボの選び方は、運動器系の慢性期や、カゼなど内科系の慢 性期などでも、詳しく解説しますが、ここでは一番基本的なも のを紹介します。 *(1)仰向けで、手の陰陽、腹、足の陰陽  左右どちらか、始めると決めた側で、患者さんにできるだけ 近い所に座ります。尻の下に座布団の二つ折りにした物などを 敷いて少し高くし膝頭を床に付けた胡座が、一番患者さんに近 付けると思います。  前にも書きましたが、腰を立てます。人間にも尻尾があると して、その尻尾を尻の後ろに出すようなつもりになるとイイ感 じに腰が立ちます。そして、背を少し反らし気味で軽く前屈し、 肩を下げ、肘は張り気味の姿勢になります。臍をツボさがしや 刺鍼をする方に向けます。  さて、仰向けの刺鍼では、先ず、顔色が赤いか、鎖骨辺りで 上衝があったか思い出します。上衝があったときには、念のた め、手の甲に引き鍼します。1~2間か2~3間の可能性が高い です。これは、急性症状が混じっているときの処置で、無けれ ば省略します。 **1.手の陰陽  慢性期の養生では、多くの場合は、手の陰経から始めます。 手の陰経の肘辺りから手首まででツボを探します。  鎖骨辺りより上で症状や歪みが多そうな場合(呼吸器系の時 など)は、太陰経を選びます。それ以外の膻中辺りより下で症 状や歪みが多そうな場合には、厥陰経を選びます。  多くの場合どちらかですが、不整脈が出ている人などでは、 左少陰経にツボが出ていることがあります。まれに心臓が右に ある人もいるそうで、そういう人なら右少陰経に出るのでしょ う。  選んだ経絡をよく見て、黒っぽい所、凹んで見える所を探し ます。それから、指を滑らして、凹んでベタベタした所などを 見付けます。  そして、そういう所を押してみて、痛かったり、イヤな感じ が有るか調べます。2,3カ所見付かったら、順番に1番目、2 番目と押していき、患者さんに聞いて、一番イヤな感じの強い 所を選びます。  現在の慢性症状の人では、肘の少し上の、上尺沢か上曲沢に 出ていることが多いです。その辺りが黒っぽく凹んで見えるこ とも多いです。  陰経は、徐刺徐抜で刺鍼します(写真1)。 &ref(DSCF1746.jpg)写真1  ゆっくり刺鍼していき、鍼先に粘っこい感じを受けたら、刺 入するスピードを一段と遅くします。硬いものに当たった感じ がしたり、腹に息が深く入ったり、患者さんが何か感じたり、 邪気を感じたりしたら、その深さで横揺らしや旋捻をします。  そして、反応が治まったら、ゆっくり抜いてきます。抜いて くる途中で抜けにくくなったら、また横揺らしなどをします。  刺鍼した後、見た目に凹みや黒ずみが消えたか、指を滑らし てみて、凹んだ感じが減ったか、ベタベタ感が減りサラサラし たかなどを確認します。  この確認は、どこに刺鍼したときも必ずするようにしてくだ さい。  次は、手の陽経。陰経が厥陰なら少陽、太陰なら陽明に出て いることが多く、場所も、陰経のツボの表側が多いです。陰経 側が上曲沢、上尺沢の場合には、肘の少し手首よりに出ている ことが多いです。  腕を体の上に置いてもらうと刺鍼しやすいです(写真2)。 &ref(DSCF1749.jpg)写真2  陽経は速刺徐抜で刺鍼します。スーっと刺入し、何か感じた ら、鍼を抜く方に引きながら、横揺らし旋捻などをしながら、 ゆっくり抜いてきます。 **2. 腹  腹は先ず横腹。肋骨と蝶骨の間で、表面が一番ペコペコして 凹んでいて、奥の方が硬くなったり筋張ったりしている所を選 び、徐刺徐抜で刺鍼します(写真3)。 &ref(DSCF1751.jpg)写真3  刺鍼の後に指を滑らし変化を確認します。  次は、臍よりも下の小腹。腹診をしたときに左右で悪かった 方を中心に探します。そのため、臍より上と下で悪い側の左右 が違っていた場合には、自分の座っている所と反対側を中心に 探し、刺鍼することになります。  正中線上を臍から恥骨に向けて指を滑らし、凹んだ感じの所 を見付け、そこから横に指を滑らして凹んだ感じの場所を見付 けるのが、基本です。  しかし、経過が長い人では、そこよりも、蝶骨の腹側の五枢 〜維道の辺りや、臍の斜め下の左右下肓兪の方が、凹みやイヤ な感じが酷い事が多く、そのときには、そちらを選びます(写 真4)。 &ref(DSCF1395.jpg)写真4  1,2ヵ所を選びます。  腹も徐刺徐抜で刺鍼しますが、痛がられないように、そっと 刺します(写真5)。 &ref(DSCF1753.jpg)写真5  マーキングのつもりで切皮程度の深さでもよいです。その程 度でも刺鍼しておくと、足の陰経や背中を刺鍼したときに、腹 のその部分が弛むことが多いです。刺鍼の後に指を滑らし変化 を確認します。  関元辺りが虚しているときには、補の鍼をしてもよいです。 鍼をゆっくり大きめに動かしていると、しばらくして、ふっと 温かくなり、弾力も戻ります。このときの温度変化は、寒い日 に日陰から日向に出たときのような感じです。  大腹、つまり、上腹部も、左右では、腹診をしたときに悪かっ た側を中心に探すのが、基本です。上腹と下腹で悪い側の左右 が違っていても、上腹の悪い側に座っているはずなので、基本 的には、上腹は、自分の座っている側を中心に探すことになり ます。  鳩尾から臍に向けて指を滑らし、一番凹んだ所を見付け、そ こから横に指を滑らし凹んだ場所を見付けます。そこと、肋骨 下縁を鳩尾から横腹に向けて指を滑らして一番凹んだ所と比較 して、イヤな感じの強い方を選ぶのが基本です。また、正中線 上にイヤな感じが強い所があれば、そこを選んでもよいです。  しかし、こちらも、経過が長い人では、その2つよりも、横 腹よりの章門や、ヘソの斜め上の左右上肓兪の方が、凹んでい て、奥に硬いシコリがあって、イヤな感じも強いことが多いで す(写真4)。そういうときには、その辺りのイヤな感じの強 い所を、1,2ヵ所、選びます。 &ref(DSCF1395.jpg)写真4  ソフトに軽めに徐刺徐抜で刺鍼(写真6)し、その後に変化 を確認します。 &ref(DSCF1754.jpg)写真6 **3. 足の陰陽 ***3.1 腹診の結果と、足陰経のツボ  次は、足の陰経。主に膝から下で探します。が、歪んでいる 期間が長い人では、大腿に出ていることもあります。  腹のツボが、臍と横腹の中間の腹直筋上に出ていたり、大腹 の方のツボの痛みが強かったりしたときには、太陰に出ている 可能性が高いです。  蝶骨そばに出ていたり小腹のツボの痛みが強いとき(瘀血証) には、厥陰の可能性が高くなります。右の章門辺りの痛みが強 い時(肝臓系?)も、右足厥陰の可能性が高くなります。  また、少腹の還元辺りの虚が酷いとき(臍下不仁)は、足少 陰の可能性も高くなります。  臍周りのときには、上側なら太陰、下側なら厥陰の可能性が 高いですが、 両者とも少陰の可能性もあります。  可能性の高い経絡で凹んだ所を押してみて一番イヤな感じの 所を選びます。  太陰では、血海、陰陵泉、地機など。厥陰では、陰包、蠡溝、 太衝など。少陰では、築賓、大鐘、照海など。そういう所に出 ていることが多いです。  足の陰経も徐刺徐抜です(写真7)。 &ref(DSCF1757.jpg)写真7 ***3.2 腹診の結果と、足陽経のツボ  足の陽経のツボは、腹のツボの位置、特に腹の表面のシコリ の位置との相関関係が高いです。  臍周りなど正中腺に近ければ(腹の腎経)、脛骨脇のライン。 臍と横腹の中間(腹の胃経)なら、足三里のライン。もう少し 横腹より(腹の脾経)なら、豊隆のライン。章門や蝶骨脇の五 枢など横腹の近くなら、足少陽のライン。基本的にそういう関 係で、ツボが出ていることが多いです。 腹の表面のシコリ|足陽経のツボ ーーーーーーーーーーーーーーーー   腹の腎経  |脛骨脇のライン   腹の胃経  |足三里のライン   腹の脾経  |豊隆 のライン   腹の少陽  |足少陽のライン  腹(の表層)の中心に近い方のシコリは、足陽経も中心に近 い方に関係していて、腹(の表層)の外よりのツボは、足陽経 も外よりに関係していることが多いということです。  それらのラインに指を滑らして一番凹んだ所を見付け、イヤ な感じの強い所を選ぶのが、基本です。  が、腹と足のツボの関係も考慮して、上記4ラインの豊隆あ たりの位置を順に調べて、出ているツボを選ぶと、効果的なこ とが多いように思います。  足も、陽経は速刺徐抜で刺します(写真8)。 &ref(DSCF1762.jpg)写真8  そして、ゆっくりと、うつ伏せになってもらいます。 *(2)うつ伏せで、背腰足  うつ伏せでの刺鍼手順は、頭に近い方から足の方へです。ま た、うつ伏せでは、基本的には、肩甲骨の下角(胸椎7)辺り から脚裏までを刺鍼します。  ツボは、腹と同じ側に出ている可能性が2/3を超えますが、 反対側に出ていることもあります。 **1.背  腹のツボとの関係では、大腹にツボが出ていたときには、胸 椎7〜腰椎2辺りまでに出ていることが多く、少腹に出ていた ときには、腰椎3〜腰椎5に出ていることが多くなります。  肩甲骨下角の正中線上から腰の方に指を滑らして凹んだ所を 見付け、そこから左右に滑らし、凹んだ所を見付けるのが基本 です。いくつか有ったら、順番に押してみてイヤな感じの強い 所を選びます。  その後に、正中線上の凹んでいた所に戻り、そこから、また 腰に向かって指を滑らし、次に凹んだ所を見付け、左右に滑ら して凹んだ所を見付け、その横のラインの中で、イヤな感じの 強い所を選びます。  そういう風に、腰椎5番まで探して、イヤな感じの強い方か ら3カ所位を選ぶのが、基本です。  ただし、現在の慢性症状の人では、胸椎7〜12の高さでは、 背骨の直ぐ脇の華佗経に出ていることが多いです。腰椎の高さ でも、同じように華佗経にも出ていることが多いです。また、 腰椎の辺りでは、華佗経以外に、脊柱起立筋の外端で、肋骨下 縁の痞根や、蝶骨上縁の腰徹腹にも、ツボが出ていることが多 いです(写真9)。 &ref(DSCF1396.jpg)写真9  腹のツボとの関係では、大腹に出ていたときには、胸椎7〜 12の華佗経と痞根に出ていることが多く、少腹に出ていたとき には、腰徹腹や腰椎3〜5の華佗経に出ていることが多くなり ます。  そのため、基本的な選び方で見付けた3カ所と、華佗経や痞 根・腰徹腹なども含めて比べ、イヤな方から3カ所位を選ぶと 良いでしょう。  速刺徐抜で刺鍼し(写真10,11)、その後に、指を滑らして 確認します。 &ref(DSCF1764.jpg)写真10 &ref(DSCF1769.jpg)写真11 **2.殿部  腹のツボとの関係では、小腹部にツボが出ていたときに出て いることが多くなります。腰椎3〜5の華佗経や腰徹腹の刺鍼 で改善できそう場合には、省略してもよいです。  仙骨蝶骨の辺りでは、腰痛のときに取りあげた3カ所に出て いる可能性が高いです(大腸愈、環跳、臀央)。それ以外では、 次髎をはじめとする仙骨孔や仙蝶関節の近くにも出ていること があります。  周りよりも押すとペコペコと凹んで、イヤな感じの強い所を、 2、3カ所選びます。速刺徐抜で刺鍼します。 3.足  主に脚裏になります。  飛揚・陽交・外丘の辺りが多いですが、背のツボが背骨の直ぐ 脇の華佗経など正中線上に近かったときには、承山など中央のラ インの可能性も高くなります。また、内科系の慢性症状のある人 では、足少陰の築賓などにも出ていることがあります(写真12)。 &ref(DSCF1615.jpg)写真12  腹側と同じで、中心に近いもの同士、外に近いもの同士で、背 と足裏のツボが相関しています。また、陰経が体の内側や内科系 と相関しているのも、腹側と同じです。  押すとペコペコと凹んで、イヤな感じの強い所を選びます。  陽経は速刺徐抜、陰経は徐刺除抜で、刺鍼し(写真13)、指 を滑らして確認します。 &ref(DSCF1773.jpg)写真13  終わったら、ゆっくり座ってもらいます。 *(3)座位  座位では、肩甲骨下角よりも上の背中、肩・上腕、首、頭を 刺します。症状によっては、胸の上部、鎖骨の周り、首の前側 も刺します。  手順は、肩背・上腕、首の後ろから横、(胸の上部、鎖骨の 周りや首の前側)、頭の順で、終わりに手甲に引き鍼します。  座位で刺鍼する辺りは、漢方では表位と呼ばれる所ですが、 体に熱が有るときなどは、この辺りに熱が篭もっていることが 多く、そういう場合は、いきなり刺鍼すると痛みが増すことが あります。そのため、触って熱いときには、刺鍼の前に散鍼し て、熱を散らします。  左右でのツボの出方は、仰向けやうつ伏せのときとは一致し ないことも多いです。利き腕の方が凝りやすいためです。比較 して(写真14)イヤな感じの強い方を刺鍼し、刺鍼した後に指 を滑らせて確認します。 &ref(DSCF1777.jpg)写真14 **1.肩背  頚椎7番辺りから正中線上を腰に向けて指を滑らして凹んだ 所を見付け、左右に横に滑らして凹んだ所を探し、イヤな感じ の強い所を選ぶのが基本です。が、現在では、背骨の直ぐ脇の 華佗経にツボが出ている人が多いです。特に、大椎の周りなど。  沢山あったら、イヤな感じの強い3カ所位を選んで、速刺徐 抜で刺鍼します(写真15)。そのあと指を滑らせて確認します。 &ref(DSCF1778.jpg)写真15  肩凝りも有る時には、首の付け根から肩峰にかけてのライン と、肩甲骨の内側縁を探します。首の付け根、肩井、肩外愈、 膏肓が多いです。肩凝りが酷くない時には省略しても良いです。 **2.首  先ずは、正中線上を指を滑らし凹んだ所から、左右に横に指 を滑らして凹んだ所ですが、首も華佗経が多いです。そして、 首の真横のラインを頭の方から肩の方に指を滑らして凹んだ所。 現在では、横頚部中央にツボが出ている人が多いです。  圧痛が酷くイヤな感じの強い所を1〜3か所選んで、速刺徐 抜で刺鍼します(写真16)。 &ref(DSCF1780.jpg)写真16  不眠傾向のある人では、後頭骨下縁の天柱、風池などに出て いることが多いです。 **3.鎖骨まわり、胸の上部、首の前側  この辺りは、カゼを引いていて熱がある場合など、上衝の症 状が在る場合や、急性的な呼吸系の症状が混じっているときに、 刺鍼します。そういう感じがなく中焦から下焦の慢性症状だけ のときには、省略します。  そのため、詳しくは、カゼの慢性期のときに解説します。 **4.頭  頭は、触って熱い所を散鍼します(写真17)。散鍼のコツは、 奥方はユックリでよいから、離す方をできるだけ速くすること です。 &ref(DSCF1785.jpg)写真17  ツボが出ていれば、軽く浅く刺鍼します。が、初心者のうち は散鍼だけの方が無難かなとも思います。失敗すると、新たに 腹から邪気を呼んでしまい、頭が痛くなったりすることがある からです。 **5.手甲に引き鍼  運動器系応急処置でしていた手甲への引き鍼です(写真18)。 腹のツボとかに関係なく、この時点で、一番イヤな感じの強い 所を選びます。 &ref(DSCF1789.jpg)写真18  仕上げですので、しっかり決めましょう。 *おわりに (*)注意すること  刺鍼する所や、刺鍼の深さ、刺激の強さなどは、患者さんに 聞きながら、適切になるようにしましょう。  また、刺鍼中は、顔の表情と腹への息の入り具合を常に見て いるようにしてください。  今回の刺鍼手順も、詳しい人から見れば、ずいぶん大雑把な 経絡の決め方、ツボの取り方をしているなと思われるかもしれ ません。でも、出ているツボがしっかり取れれば、こんな大雑 把でも、十分効果が出ます。また、大雑把な文、応用もしやす いです。    つぎへ>>>[[術伝流一本鍼no.31]] 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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &color(green){術伝流一本鍼no.30 (術伝流・養生の一本鍼・基本編(4))} &bold(){&size(24){&color(green){養生の刺鍼手順}}} ------ #contents  ツボの選び方は、運動器系の慢性期や、カゼなど内科系の慢 性期などでも、詳しく解説しますが、ここでは一番基本的なも のを紹介します。 *(1)仰向けで、手の陰陽、腹、足の陰陽  左右どちらか、始めると決めた側で、患者さんにできるだけ 近い所に座ります。尻の下に座布団の二つ折りにした物などを 敷いて少し高くし膝頭を床に付けた胡座が、一番患者さんに近 付けると思います。  前にも書きましたが、腰を立てます。人間にも尻尾があると して、その尻尾を尻の後ろに出すようなつもりになるとイイ感 じに腰が立ちます。そして、背を少し反らし気味で軽く前屈し、 肩を下げ、肘は張り気味の姿勢になります。臍をツボさがしや 刺鍼をする方に向けます。  さて、仰向けの刺鍼では、先ず、顔色が赤いか、鎖骨辺りで 上衝があったか思い出します。上衝があったときには、念のた め、手の甲に引き鍼します。1~2間か2~3間の可能性が高い です。これは、急性症状が混じっているときの処置で、無けれ ば省略します。 **1.手の陰陽  慢性期の養生では、多くの場合は、手の陰経から始めます。 手の陰経の肘辺りから手首まででツボを探します。  鎖骨辺りより上で症状や歪みが多そうな場合(呼吸器系の時 など)は、太陰経を選びます。それ以外の膻中辺りより下で症 状や歪みが多そうな場合には、厥陰経を選びます。  多くの場合どちらかですが、不整脈が出ている人などでは、 左少陰経にツボが出ていることがあります。まれに心臓が右に ある人もいるそうで、そういう人なら右少陰経に出るのでしょ う。  選んだ経絡をよく見て、黒っぽい所、凹んで見える所を探し ます。それから、指を滑らして、凹んでベタベタした所などを 見付けます。  そして、そういう所を押してみて、痛かったり、イヤな感じ が有るか調べます。2,3カ所見付かったら、順番に1番目、2 番目と押していき、患者さんに聞いて、一番イヤな感じの強い 所を選びます。  現在の慢性症状の人では、肘の少し上の、上尺沢か上曲沢に 出ていることが多いです。その辺りが黒っぽく凹んで見えるこ とも多いです。  陰経は、徐刺徐抜で刺鍼します(写真1)。 &ref(DSCF1746.jpg)写真1  ゆっくり刺鍼していき、鍼先に粘っこい感じを受けたら、刺 入するスピードを一段と遅くします。硬いものに当たった感じ がしたり、腹に息が深く入ったり、患者さんが何か感じたり、 邪気を感じたりしたら、その深さで横揺らしや旋捻をします。  そして、反応が治まったら、ゆっくり抜いてきます。抜いて くる途中で抜けにくくなったら、また横揺らしなどをします。  刺鍼した後、見た目に凹みや黒ずみが消えたか、指を滑らし てみて、凹んだ感じが減ったか、ベタベタ感が減りサラサラし たかなどを確認します。  この確認は、どこに刺鍼したときも必ずするようにしてくだ さい。  次は、手の陽経。陰経が厥陰なら少陽、太陰なら陽明に出て いることが多く、場所も、陰経のツボの表側が多いです。陰経 側が上曲沢、上尺沢の場合には、肘の少し手首よりに出ている ことが多いです。  腕を体の上に置いてもらうと刺鍼しやすいです(写真2)。 &ref(DSCF1749.jpg)写真2  陽経は速刺徐抜で刺鍼します。スーっと刺入し、何か感じた ら、鍼を抜く方に引きながら、横揺らし旋捻などをしながら、 ゆっくり抜いてきます。 **2. 腹  腹は先ず横腹。肋骨と蝶骨の間で、表面が一番ペコペコして 凹んでいて、奥の方が硬くなったり筋張ったりしている所を選 び、徐刺徐抜で刺鍼します(写真3)。 &ref(DSCF1751.jpg)写真3  刺鍼の後に指を滑らし変化を確認します。  次は、臍よりも下の小腹。腹診をしたときに左右で悪かった 方を中心に探します。そのため、臍より上と下で悪い側の左右 が違っていた場合には、自分の座っている所と反対側を中心に 探し、刺鍼することになります。  正中線上を臍から恥骨に向けて指を滑らし、凹んだ感じの所 を見付け、そこから横に指を滑らして凹んだ感じの場所を見付 けるのが、基本です。  しかし、経過が長い人では、そこよりも、蝶骨の腹側の五枢 〜維道の辺りや、臍の斜め下の左右下肓兪の方が、凹みやイヤ な感じが酷い事が多く、そのときには、そちらを選びます(写 真4)。 &ref(DSCF1395.jpg)写真4  1,2ヵ所を選びます。  腹も徐刺徐抜で刺鍼しますが、痛がられないように、そっと 刺します(写真5)。 &ref(DSCF1753.jpg)写真5  マーキングのつもりで切皮程度の深さでもよいです。その程 度でも刺鍼しておくと、足の陰経や背中を刺鍼したときに、腹 のその部分が弛むことが多いです。刺鍼の後に指を滑らし変化 を確認します。  関元辺りが虚しているときには、補の鍼をしてもよいです。 鍼をゆっくり大きめに動かしていると、しばらくして、ふっと 温かくなり、弾力も戻ります。このときの温度変化は、寒い日 に日陰から日向に出たときのような感じです。  大腹、つまり、上腹部も、左右では、腹診をしたときに悪かっ た側を中心に探すのが、基本です。上腹と下腹で悪い側の左右 が違っていても、上腹の悪い側に座っているはずなので、基本 的には、上腹は、自分の座っている側を中心に探すことになり ます。  鳩尾から臍に向けて指を滑らし、一番凹んだ所を見付け、そ こから横に指を滑らし凹んだ場所を見付けます。そこと、肋骨 下縁を鳩尾から横腹に向けて指を滑らして一番凹んだ所と比較 して、イヤな感じの強い方を選ぶのが基本です。また、正中線 上にイヤな感じが強い所があれば、そこを選んでもよいです。  しかし、こちらも、経過が長い人では、その2つよりも、横 腹よりの章門や、ヘソの斜め上の左右上肓兪の方が、凹んでい て、奥に硬いシコリがあって、イヤな感じも強いことが多いで す(写真4)。そういうときには、その辺りのイヤな感じの強 い所を、1,2ヵ所、選びます。 &ref(DSCF1395.jpg)写真4  ソフトに軽めに徐刺徐抜で刺鍼(写真6)し、その後に変化 を確認します。 &ref(DSCF1754.jpg)写真6 **3. 足の陰陽 ***3.1 腹診の結果と、足陰経のツボ  次は、足の陰経。主に膝から下で探します。が、歪んでいる 期間が長い人では、大腿に出ていることもあります。  腹のツボが、臍と横腹の中間の腹直筋上に出ていたり、大腹 の方のツボの痛みが強かったりしたときには、太陰に出ている 可能性が高いです。  蝶骨そばに出ていたり小腹のツボの痛みが強いとき(瘀血証) には、厥陰の可能性が高くなります。右の章門辺りの痛みが強 い時(肝臓系?)も、右足厥陰の可能性が高くなります。  また、少腹の還元辺りの虚が酷いとき(臍下不仁)は、足少 陰の可能性も高くなります。  臍周りのときには、上側なら太陰、下側なら厥陰の可能性が 高いですが、 両者とも少陰の可能性もあります。  可能性の高い経絡で凹んだ所を押してみて一番イヤな感じの 所を選びます。  太陰では、血海、陰陵泉、地機など。厥陰では、陰包、蠡溝、 太衝など。少陰では、築賓、大鐘、照海など。そういう所に出 ていることが多いです。  足の陰経も徐刺徐抜です(写真7)。 &ref(DSCF1757.jpg)写真7 ***3.2 腹診の結果と、足陽経のツボ  足の陽経のツボは、腹のツボの位置、特に腹の表面のシコリ の位置との相関関係が高いです。  臍周りなど正中腺に近ければ(腹の腎経)、脛骨脇のライン。 臍と横腹の中間(腹の胃経)なら、足三里のライン。もう少し 横腹より(腹の脾経)なら、豊隆のライン。章門や蝶骨脇の五 枢など横腹の近くなら、足少陽のライン。基本的にそういう関 係で、ツボが出ていることが多いです。 腹の表面のシコリ|足陽経のツボ ーーーーーーーーーーーーーーーー   腹の腎経  |脛骨脇のライン   腹の胃経  |足三里のライン   腹の脾経  |豊隆 のライン   腹の少陽  |足少陽のライン  腹(の表層)の中心に近い方のシコリは、足陽経も中心に近 い方に関係していて、腹(の表層)の外よりのツボは、足陽経 も外よりに関係していることが多いということです。  それらのラインに指を滑らして一番凹んだ所を見付け、イヤ な感じの強い所を選ぶのが、基本です。  が、腹と足のツボの関係も考慮して、上記4ラインの豊隆あ たりの位置を順に調べて、出ているツボを選ぶと、効果的なこ とが多いように思います。  足も、陽経は速刺徐抜で刺します(写真8)。 &ref(DSCF1762.jpg)写真8  そして、ゆっくりと、うつ伏せになってもらいます。 *(2)うつ伏せで、背腰足  うつ伏せでの刺鍼手順は、頭に近い方から足の方へです。ま た、うつ伏せでは、基本的には、肩甲骨の下角(胸椎7)辺り から脚裏までを刺鍼します。  ツボは、腹と同じ側に出ている可能性が2/3を超えますが、 反対側に出ていることもあります。 **1.背  腹のツボとの関係では、大腹にツボが出ていたときには、胸 椎7〜腰椎2辺りまでに出ていることが多く、少腹に出ていた ときには、腰椎3〜腰椎5に出ていることが多くなります。  肩甲骨下角の正中線上から腰の方に指を滑らして凹んだ所を 見付け、そこから左右に滑らし、凹んだ所を見付けるのが基本 です。いくつか有ったら、順番に押してみてイヤな感じの強い 所を選びます。  その後に、正中線上の凹んでいた所に戻り、そこから、また 腰に向かって指を滑らし、次に凹んだ所を見付け、左右に滑ら して凹んだ所を見付け、その横のラインの中で、イヤな感じの 強い所を選びます。  そういう風に、腰椎5番まで探して、イヤな感じの強い方か ら3カ所位を選ぶのが、基本です。  ただし、現在の慢性症状の人では、胸椎7〜12の高さでは、 背骨の直ぐ脇の華佗経に出ていることが多いです。腰椎の高さ でも、同じように華佗経にも出ていることが多いです。また、 腰椎の辺りでは、華佗経以外に、脊柱起立筋の外端で、肋骨下 縁の痞根や、蝶骨上縁の腰徹腹にも、ツボが出ていることが多 いです(写真9)。 &ref(DSCF1396.jpg)写真9  腹のツボとの関係では、大腹に出ていたときには、胸椎7〜 12の華佗経と痞根に出ていることが多く、少腹に出ていたとき には、腰徹腹や腰椎3〜5の華佗経に出ていることが多くなり ます。  そのため、基本的な選び方で見付けた3カ所と、華佗経や痞 根・腰徹腹なども含めて比べ、イヤな方から3カ所位を選ぶと 良いでしょう。  速刺徐抜で刺鍼し(写真10,11)、その後に、指を滑らして 確認します。 &ref(DSCF1764.jpg)写真10 &ref(DSCF1769.jpg)写真11 **2.殿部  腹のツボとの関係では、小腹部にツボが出ていたときに出て いることが多くなります。腰椎3〜5の華佗経や腰徹腹の刺鍼 で改善できそう場合には、省略してもよいです。  仙骨蝶骨の辺りでは、腰痛のときに取りあげた3カ所に出て いる可能性が高いです(大腸愈、環跳、臀央)。それ以外では、 次髎をはじめとする仙骨孔や仙蝶関節の近くにも出ていること があります。  周りよりも押すとペコペコと凹んで、イヤな感じの強い所を、 2、3カ所選びます。速刺徐抜で刺鍼します。 3.足  主に脚裏になります。  飛揚・陽交・外丘の辺りが多いですが、背のツボが背骨の直ぐ 脇の華佗経など正中線上に近かったときには、承山など中央のラ インの可能性も高くなります。また、内科系の慢性症状のある人 では、足少陰の築賓などにも出ていることがあります(写真12)。 &ref(DSCF1615.jpg)写真12  腹側と同じで、中心に近いもの同士、外に近いもの同士で、背 と足裏のツボが相関しています。また、陰経が体の内側や内科系 と相関しているのも、腹側と同じです。  押すとペコペコと凹んで、イヤな感じの強い所を選びます。  陽経は速刺徐抜、陰経は徐刺除抜で、刺鍼し(写真13)、指 を滑らして確認します。 &ref(DSCF1773.jpg)写真13  終わったら、ゆっくり座ってもらいます。 *(3)座位  座位では、肩甲骨下角よりも上の背中、肩・上腕、首、頭を 刺します。症状によっては、胸の上部、鎖骨の周り、首の前側 も刺します。  手順は、肩背・上腕、首の後ろから横、(胸の上部、鎖骨の 周りや首の前側)、頭の順で、終わりに手甲に引き鍼します。  座位で刺鍼する辺りは、漢方では表位と呼ばれる所ですが、 体に熱が有るときなどは、この辺りに熱が篭もっていることが 多く、そういう場合は、いきなり刺鍼すると痛みが増すことが あります。そのため、触って熱いときには、刺鍼の前に散鍼し て、熱を散らします。  左右でのツボの出方は、仰向けやうつ伏せのときとは一致し ないことも多いです。利き腕の方が凝りやすいためです。比較 して(写真14)イヤな感じの強い方を刺鍼し、刺鍼した後に指 を滑らせて確認します。 &ref(DSCF1777.jpg)写真14 **1.肩背  頚椎7番辺りから正中線上を腰に向けて指を滑らして凹んだ 所を見付け、左右に横に滑らして凹んだ所を探し、イヤな感じ の強い所を選ぶのが基本です。が、現在では、背骨の直ぐ脇の 華佗経にツボが出ている人が多いです。特に、大椎の周りなど。  沢山あったら、イヤな感じの強い3カ所位を選んで、速刺徐 抜で刺鍼します(写真15)。そのあと指を滑らせて確認します。 &ref(DSCF1778.jpg)写真15  肩凝りも有る時には、首の付け根から肩峰にかけてのライン と、肩甲骨の内側縁を探します。首の付け根、肩井、肩外愈、 膏肓が多いです。肩凝りが酷くない時には省略しても良いです。 **2.首  先ずは、正中線上を指を滑らし凹んだ所から、左右に横に指 を滑らして凹んだ所ですが、首も華佗経が多いです。そして、 首の真横のラインを頭の方から肩の方に指を滑らして凹んだ所。 現在では、横頚部中央にツボが出ている人が多いです。  圧痛が酷くイヤな感じの強い所を1〜3か所選んで、速刺徐 抜で刺鍼します(写真16)。 &ref(DSCF1780.jpg)写真16  不眠傾向のある人では、後頭骨下縁の天柱、風池などに出て いることが多いです。 **3.鎖骨まわり、胸の上部、首の前側  この辺りは、カゼを引いていて熱がある場合など、上衝の症 状が在る場合や、急性的な呼吸系の症状が混じっているときに、 刺鍼します。そういう感じがなく中焦から下焦の慢性症状だけ のときには、省略します。  そのため、詳しくは、カゼの慢性期のときに解説します。 **4.頭  頭は、触って熱い所を散鍼します(写真17)。散鍼のコツは、 奥方はユックリでよいから、離す方をできるだけ速くすること です。 &ref(DSCF1785.jpg)写真17  ツボが出ていれば、軽く浅く刺鍼します。が、初心者のうち は散鍼だけの方が無難かなとも思います。失敗すると、新たに 腹から邪気を呼んでしまい、頭が痛くなったりすることがある からです。 **5.手甲に引き鍼  運動器系応急処置でしていた手甲への引き鍼です(写真18)。 腹のツボとかに関係なく、この時点で、一番イヤな感じの強い 所を選びます。 &ref(DSCF1789.jpg)写真18  仕上げですので、しっかり決めましょう。 *おわりに (*)注意すること  刺鍼する所や、刺鍼の深さ、刺激の強さなどは、患者さんに 聞きながら、適切になるようにしましょう。  また、刺鍼中は、顔の表情と腹への息の入り具合を常に見て いるようにしてください。  今回の刺鍼手順も、詳しい人から見れば、ずいぶん大雑把な 経絡の決め方、ツボの取り方をしているなと思われるかもしれ ません。でも、出ているツボがしっかり取れれば、こんな大雑 把でも、十分効果が出ます。また、大雑把な分、応用もしやす いです。    つぎへ>>>[[術伝流一本鍼no.31]] 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