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累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){「体は自然」が東洋的身体観の基本}} ---- 体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [1] 「体は自然」が基本 (1)「体は自然」が東洋的身体観の基本 #contents *1.はじめに  私が東洋的な身体観に興味を持ってから40年以上経ちまし た。これから、東洋的な身体観・病気観の中で私が色々な経験 を通して実感できたものについて説明していきます。  具体的な個別の症状の治療法に入る前に、東洋的な身体観・ 病気観の概要を理解していた方が個別の症例を理解しやすいと 思いますので。 *2.人は動物、体は自然  東洋的(漢方的、伝統医学的)な身体観・病気観としては、 「体は自然」ということが基本になると思います。  難しい言葉でいえば、「天人合一思想」、つまり「天と人は 同じと見なす考え方」ということになるのかなと思います。  要するに、「人は動物、体は自然であり、人はロボットでは ないし、体は機械ではない」ということだと思います。  それに比べて、臓器移植に代表される西洋医学の考え方は、 体を機械に近いものとして見ているように思います。 *3.自然側が大切  「体は自然」ですので、病気になったり治ったりするのも、 雨が降ったり雷が鳴ったり風が吹いたりする、あるいは、それ らが止んだりするのと同じ自然現象と見るわけです。  そして、雨が降ったり雷が鳴ったり風が吹いたりするのには、 自然としての必然的な理由があるでしょう。それと同じように、 病気になるのも体という自然なりの理由があると考えます。  操体で有名になった橋本敬三先生は「鍼灸を含む東洋的物療 で大切なのは自然則」という言葉を残してられます。そういう 自然としての必然的な理由を自然則と呼んで、それを理解する ことが大切だと言われたわけです。  余談ですが、橋本敬三先生は、1920年代に函館で毛鍼の 名人から鍼を学んだ鍼灸の達人でもあり、戦中や戦後60年位 までは鍼灸の方がどちらかと言えば多かったようです。  1937年に発表された「力学的の構想」にも鍼灸の話が沢 山出てきますし、1965年には医歯薬出版から『鍼灸による 即効療法』という本を出されています。また、1980年代に 一緒にいた今昭宏先生の話ではその頃も鍼灸治療をしていたそ うです。  これから、そういう体という自然についての自然則で、私が 生活や臨床を通して実感できたものを順に取り上げ解説してい きます。 *4.実践していることの共通点を納得しやすく  できるだけ今の若い人にもガッテンして納得していただける 内容にしたいと思いますので、鍼灸の古典などに詳しい方から 見れば、ずいぶん違うことを書いていると思われる話も書いて いきますが、ご容赦願います。  若い人や、鍼灸以外の東洋医学をされる人、他職種、例えば 医師や、患者さんなど一般の人にも同じ説明をして、ガッテン して納得していただきたいので。  「体は自然」ですので、その体という自然の原則が分かれば、 色々な達人の先生の実演のときに、先生の実践していることと 患者さんの反応を見て、実践していることの意味が分かる可能 性が高くなるように思います。また、直ぐに真似できる可能性 も高くなると、少なくとも真似しやすくなるのでは…と思って います。  皆さんがそういう風になれるような説明ができたらいいなと 思います。  達人の先生が実際に患者さんに実践していることの中で、患 者さんの治療に役立つと言うか、自己免疫機能を活発にさせる ことに限れば、そう違いは無いように感じています。鍼灸操体 だけでなく按摩指圧なども含めて。  「体の自然」についての基本的な原則を知っていれば、後は、 施術する側の得意なことや夢中になれる方法を磨いて、患者さ ん一人一人のその時の体や心の状態に合わせて丁度良いことが できれば良いと思います。  違うのは、説明というか、「心に言葉で描かれた物語」。そ の違いの大きさに初心者は面食らってしまうわけです。  そういう「物語」をできるだけ省いた所で言えることを色々 な達人の先生の実践していることの共通点を中心に、体の自然 則を書いていくよう心掛けていきます。 *5.病気になるのも自己免疫機能  体は自然なので当たり前ですが、病気も自然現象として見ま すので、病気観も西洋のものとは結構違ってくるように思いま す。  西洋医学的な病気観は、病原体病源説に代表されるように病 気を克服すべき対象と考えているように思います。病原体病源 説というのは、細菌やウイルスなどのような病原体が病気の原 因であるという考え方です。  それに比べると、東洋的な病気観には、病気も体の養生シス テムの一つとしてとらえる見方があります。つまり、「病気の 症状は、体が発する「無理のしすぎ」という警報で、それを切っ 掛けに養生すれば、病気になる前よりも生命力の高い状態にな れる」という病気観です。  無理、つまり、理が無い、自然則に合わないことを実践し過 ぎたと体が感じたときに、それを意識させるために、また、そ の状態を健康な状態に戻すために、病気の症状と言うのが出て くるし、それを切っ掛けに体を元に戻すように養生していけば、 病気になる直前の状態よりも生命力の高い健康な体になれると いう考え方です。  一般に、病気の症状は出ていないが、既に無理して体が歪ん で、いつ病気の症状が出てもおかしくないと言うか、もう少し 無理が重なると病気の症状が出そうな状態のことを未病と呼び、 東洋医学の治療では、病気の症状を消すだけでなく、未病を治 すことが大切と考えられています。  要するに、病気になるということも体という自然が持ってい る恒常性維持機能の一つ、極論すれば、病気になるのも自己免 疫機能の一部という考え方です。  そういう理由で、東洋医学では、病気の症状を消すだけでは なく、病気になる前よりも生命力の高い状態にすることが求め られています。このことを覚えておいてください。 &ref(ksf-mibyoutohossa.jpg)図1  この辺りのことは、整体の野口晴哉先生の『風邪の効用』 (ちくま文庫)に書かれています。野口先生は鍼灸はされませ んでしたが、上記の病気観でカゼという病気を観察したことが 詳しく書かれていますので、一度読んでみることをお勧めしま す。 *6.東洋医学は、病人治療が基本  さて、体は機械ではないので、人間が作った仕様書通りに作 られているわけではありません。ですから、治す方も人間が作っ たマニュアル通りにやっても治せないときもあります。  また、一人一人の遺伝子は基本的に異なっているので、ヒト は一人一人違っているわけです。また、遺伝子が同じ一卵性双 生児でも全く同じ環境で全く同じ行動を取っているとは限りま せんから、一人一人のその時の体という自然の状況は異なって います。  そして、自然の状況ですから、同じ人でも、診るときによっ て違います。  ですから、東洋医学の治療は、基本的に病名治療ではなく、 目の前の人の今現在の状態に合わせていく病人治療になります。  要するに、目の前の人の体という自然に今現在の時点で起き ている現象を把握し、自然則を使って理解し、それに基づいて、 その人の体の現時点での状態に合わせて治療していくというこ とになります。  「東洋医学は、病人治療が基本」ということも覚えておいて ください。 *7.おわりに  「体は自然」という東洋医学的な身体観から、「病気になる のも自己免疫機能の一つ」という東洋医学的な病気観、「目の 前の人の体のその時のの状態に合わせる」という治療観までを 説明しました。  納得していただけたでしょうか?    >>>つぎへ>>>[[気持ちよいと歪みが取れる理由]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]    >>>このページのトップヘ・・[[「体は自然」が東洋的身体観の基本]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。 よろしくおねがいします。 術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ (この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe) (「あま」を「@」に、)(以下無視kuaniu、nteyu、lPpkiumo) (「ググ」を「googlegroups」に、)(以下無視mesiun、kiuen) (「どこ」を「.com」に変えて送信してください。) (面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----
累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) ------ &size(24){&color(green){「体は自然」が東洋的身体観の基本}} ---- 体は自然、臨床は対話 【1】体は自然 [1] 「体は自然」が基本 (1)「体は自然」が東洋的身体観の基本 #contents *1.はじめに  私が東洋的な身体観に興味を持ってから40年以上経ちまし た。これから、東洋的な身体観・病気観の中で私が色々な経験 を通して実感できたものについて説明していきます。  具体的な個別の症状の治療法に入る前に、東洋的な身体観・ 病気観の概要を理解していた方が個別の症例を理解しやすいと 思いますので。 *2.人は動物、体は自然  東洋的(漢方的、伝統医学的)な身体観・病気観としては、 「体は自然」ということが基本になると思います。  難しい言葉でいえば、「天人合一思想」、つまり「天と人は 同じと見なす考え方」ということになるのかなと思います。  要するに、「人は動物、体は自然であり、人はロボットでは ないし、体は機械ではない」ということだと思います。  それに比べて、臓器移植に代表される西洋医学の考え方は、 体を機械に近いものとして見ているように思います。 *3.自然側が大切  「体は自然」ですので、病気になったり治ったりするのも、 雨が降ったり雷が鳴ったり風が吹いたりする、あるいは、それ らが止んだりするのと同じ自然現象と見るわけです。  そして、雨が降ったり雷が鳴ったり風が吹いたりするのには、 自然としての必然的な理由があるでしょう。それと同じように、 病気になるのも体という自然なりの理由があると考えます。  操体で有名になった橋本敬三先生は「鍼灸を含む東洋的物療 で大切なのは自然則」という言葉を残してられます。そういう 自然としての必然的な理由を自然則と呼んで、それを理解する ことが大切だと言われたわけです。  余談ですが、橋本敬三先生は、1920年代に函館で毛鍼の 名人から鍼を学んだ鍼灸の達人でもあり、戦中や戦後60年位 までは鍼灸の方がどちらかと言えば多かったようです。  1937年に発表された「力学的の構想」にも鍼灸の話が沢 山出てきますし、1965年には医歯薬出版から『鍼灸による 即効療法』という本を出されています。また、1980年代に 一緒にいた今昭宏先生の話ではその頃も鍼灸治療をしていたそ うです。  これから、そういう体という自然についての自然則で、私が 生活や臨床を通して実感できたものを順に取り上げ解説してい きます。 *4.実践していることの共通点を納得しやすく  できるだけ今の若い人にもガッテンして納得していただける 内容にしたいと思いますので、鍼灸の古典などに詳しい方から 見れば、ずいぶん違うことを書いていると思われる話も書いて いきますが、ご容赦願います。  若い人や、鍼灸以外の東洋医学をされる人、他職種、例えば 医師や、患者さんなど一般の人にも同じ説明をして、ガッテン して納得していただきたいので。  「体は自然」ですので、その体という自然の原則が分かれば、 色々な達人の先生の実演のときに、先生の実践していることと 患者さんの反応を見て、実践していることの意味が分かる可能 性が高くなるように思います。また、直ぐに真似できる可能性 も高くなると、少なくとも真似しやすくなるのでは…と思って います。  皆さんがそういう風になれるような説明ができたらいいなと 思います。  達人の先生が実際に患者さんに実践していることの中で、患 者さんの治療に役立つと言うか、自己免疫機能を活発にさせる ことに限れば、そう違いは無いように感じています。鍼灸操体 だけでなく按摩指圧なども含めて。  「体の自然」についての基本的な原則を知っていれば、後は、 施術する側の得意なことや夢中になれる方法を磨いて、患者さ ん一人一人のその時の体や心の状態に合わせて丁度良いことが できれば良いと思います。  違うのは、説明というか、「心に言葉で描かれた物語」。そ の違いの大きさに初心者は面食らってしまうわけです。  そういう「物語」をできるだけ省いた所で言えることを色々 な達人の先生の実践していることの共通点を中心に、体の自然 則を書いていくよう心掛けていきます。 *5.病気になるのも自己免疫機能  体は自然なので当たり前ですが、病気も自然現象として見ま すので、病気観も西洋のものとは結構違ってくるように思いま す。  西洋医学的な病気観は、病原体病源説に代表されるように病 気を克服すべき対象と考えているように思います。病原体病源 説というのは、細菌やウイルスなどのような病原体が病気の原 因であるという考え方です。  それに比べると、東洋的な病気観には、病気も体の養生シス テムの一つとしてとらえる見方があります。つまり、「病気の 症状は、体が発する「無理のしすぎ」という警報で、それを切っ 掛けに養生すれば、病気になる前よりも生命力の高い状態に成 れる」という病気観です。  無理、つまり、理が無い、自然則に合わないことを実践し過 ぎたと体が感じたときに、それを意識させるために、また、そ の状態を健康な状態に戻すために、病気の症状と言うのが出て くるし、それを切っ掛けに体を元に戻すように養生していけば、 病気になる直前の状態よりも生命力の高い健康な体に成れると いう考え方です。  一般に、病気の症状は出ていないが、既に無理して体が歪ん で、いつ病気の症状が出ても可笑しくないと言うか、もう少し 無理が重なると病気の症状が出そうな状態のことを未病と呼び、 東洋医学の治療では、病気の症状を消すだけでなく、未病を治 すことが大切と考えられています。  要するに、病気に成るということも体という自然が持ってい る恒常性維持機能の一つ、極論すれば、病気に成るのも自己免 疫機能の一部という考え方です。  そういう理由で、東洋医学では、病気の症状を消すだけでは なく、病気になる前よりも生命力の高い状態にすることが求め られています。このことを覚えておいてください。 &ref(ksf-mibyoutohossa.jpg)図1  この辺りのことは、整体の野口晴哉先生の『風邪の効用』 (ちくま文庫)などにも書かれています。野口先生は鍼灸はさ れませんでしたが、上記の病気観でカゼという病気を観察した ことが詳しく書かれていますので、一度読んでみることをお勧 めします。 *6.東洋医学は、病人治療が基本  さて、体は機械ではないので、人間が作った仕様書通りに作 られているわけではありません。ですから、治す方も人間が作っ たマニュアル通りにやっても治せないときもあります。  また、一人一人の遺伝子は基本的に異なっているので、ヒト は一人一人違っているわけです。また、遺伝子が同じ一卵性双 生児でも全く同じ環境で全く同じ行動を取っているとは限りま せん。ですから、一人一人のその時の体という自然の状況は異 なっています。  そして、自然の状況ですから、同じ人でも、診る時に因って 違います。  ですから、東洋医学の治療は、基本的に病名治療ではなく、 目の前の人の今現在の状態に合わせていく病人治療になります。  要するに、目の前の人の体という自然に今現在の時点で起き ている現象を把握し、自然則を使って理解し、それに基づいて、 その人の体の現時点での状態に合わせて治療していくというこ とになります。  「東洋医学は、病人治療が基本」ということも覚えておいて ください。 *7.おわりに  「体は自然」という東洋医学的な身体観から、「病気になる のも自己免疫機能の一つ」という東洋医学的な病気観、「目の 前の人の体のその時のの状態に合わせる」という治療観までを 説明しました。  納得していただけたでしょうか?    >>>つぎへ>>>[[気持ちよいと歪みが取れる理由]] -----    >>>目次へ・・・・・・・・・[[体は自然、臨床は対話]]    >>>このページのトップヘ・・[[「体は自然」が東洋的身体観の基本]]    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----- 術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」 ----- ----- *お知らせとお願い **術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集  術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役 をしてくださる方を募集しています。  くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。  よろしくお願いします。 **感想など  感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。 よろしくおねがいします。 術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ (この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe) (「あま」を「@」に、)(以下無視kuaniu、nteyu、lPpkiumo) (「ググ」を「googlegroups」に、)(以下無視mesiun、kiuen) (「どこ」を「.com」に変えて送信してください。) (面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ----    >>>術伝HPトップへ ・・・・[[トップページ]] ----

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