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 術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [2]ラクになれない人への対処 
 (6) 対処法6.頭などの皮膚操体、耳などの動きの操体
 
 &size(24){&color(green){頭などの皮膚操体、耳などの動きの操体}}
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 #contents
 *(1)はじめに
  体の大きな歪みに着目した「ラクな寝方を強調する」操体と
 は、別の系統の体の一部分に注目する操体の3回目は、体の一
 部分にする動きや皮膚の操体です。
 
  例えば、頭、顔、首、胸部の鎖骨や胸骨肋骨の周りなどの細
 かいツボへ、指で皮膚操体したり、耳や鼻、唇の周り、髪の毛
 などの動きやすい部分へ動きの操体をしたりします(写真1)。
 
 &ref(DSCF0714.jpg)写真1
 
  髪の毛の動きの操体は、寝た姿勢よりも座位ですることが多
 く、座位の操体を取り上げるときに紹介します。
 
 *(2)姿勢は、仰向けが多い
  受け手の姿勢は、仰向けのことが多く、操者は、受け手の頭
 の方に座ります。
 
  この状態から操者の手の届く範囲ですることが多い(写真2)
 ので、大人が受け手の場合には、胸の上部までの範囲が主な施
 術か所になります。
 
 &ref(DSCF0528.jpg)写真2
 
  後頭部のツボにする場合は、寝方を変えてもらいますが、後
 頚部は指を差し入れて、仰向けの姿勢から施術することが多い
 です。肩甲骨中央の天宗穴にする場合も、仰向けの姿勢で肩の
 方から指を差し入れて操体する先生もいます。
 
 *(3)顔や頭などの細かいツボへの皮膚操体
  頭、顔、首、胸部の鎖骨や胸骨・肋骨などの周りの細かいツ
 ボを探し、指先で皮膚操体をします。
 
 **1.ツボの出やすい所
  頭のツボは、正中線、正中線と平行で両目をとおる線、耳をとおり正
 中線と直交する線、これら4本の線上にあることがおおいので、その線
 上に指をすべらして凹んだところをさがします。
 
  すぐ下に頭蓋骨があるので、体のほかの部分よりも凹み具合はすくな
 いですが、表面の皮膚がブヨブヨしているところをみつけるのがコツで
 す。
 
  顔のツボは、やはり正中線、正中線と平行で両目をとおる線の線上に
 おおいですが、顔の横側の目尻と耳のあいだの線上にも出ます。
 
  やはり、指をすべらせて凹んだところを探しますが、顔はあまり沢山
 さわられるのはイヤなこともおおいところです。ですから、まずは自分
 の顔をよくさわって凹んだところを探し、ツボの出やすいところをおぼ
 えましょう。そうすると、サッとツボをみつけられるようになります。
 
  正中線上では、眉間、鼻頭、唇の上下など、目を通る線上では、額の
 横(写真3)、上顎・下顎の凹み、顔の横側では、目尻の横(写真4)、
 顎の付け根などがよく使われます。
 
 &ref(DSCF0532.jpg)写真3
 
 &ref(DSCF0540.jpg)写真4
 
  そういうあたりで、凹んでいたり、まわりとは違う感じのところをみ
 つけるのがコツです。
 
  首のツボは、のどの両脇、耳たぶの後ろ側から首の真横の線上、後頚
 部の背骨の両脇、後頭骨下縁、つまり、首のいちばん後頭骨より、鎖骨
 の首側などです。
 
  やはり凹んだところを探します。顔や頭のツボとくらべて大きめのツ
 ボが多いです。鎖骨首側のくぼみ、横頚部中央(写真5)、アゴと首の
 境目(写真6)、後頭骨下縁がよく使われます。
 
 &ref(DSCF0542.jpg)写真5
 
 &ref(DSCF0543.jpg)写真6
 
  鎖骨では、首のところで書いた首よりのほかに、鎖骨の胸側のくぼみ
 にも出やすいです。ここは咳が長引いたときなどにスジバリ状のシコリ
 が、鎖骨の胸側に張りついたような感じで出ます。
 
  胸骨・肋骨まわりでは、胸骨中央の膻中や胸骨脇の肋間、それ以外の
 肋間などによく出ています。肋間のくぼみだけではなく、鎖骨の場合と
 同じように骨に張りついたような感じで出ることもあります。スジバリ
 状だけでなく、ゴマ粒が張りついたような感じで、シコリになっている
 こともあります。
 
 **2.皮膚のズラ仕方
  今回説明しているところに出ているツボは、細かいことが多いので、
 ツボの上の皮膚に指をあてて皮膚操体することが多いです。
 
  操者と受け手の位置関係から、中指が使いやすいと思いますが、場
 所によっては、ほかの指も使います。
 
  まずツボの上にしっかり指の腹を乗せ、すこし沈め指がすべらないよ
 うに、ぴったりツボの上の皮膚にはりつけます。
 
  それから、皮膚に平行に左右にずらしてみてイイ感じのほうをさがし
 ます。そのあと、上下、つまり頭のほうと足のほうにずらしてみてイイ
 感じのほうをみつけます。そして、左右上下のイイ感じを組み合わせた
 方向にずらし、ツボの上の皮膚がかるくピンと張った状態にします。
 
  言葉が通じないでイイ感じのほうを受け手に聞けない場合には、ずれ
 やすいほうにずらします。
 
  時計回り反時計回りに捻転するように皮膚をずらすのがよいこともあ
 ります。
 
  頭、顔などのツボは細かいので、皮膚に平行にずらすよりも指を沈め
 る方向に動かしてツボ上の皮膚を張ったほうがイイ感じのこともありま
 す。「沈」の皮膚操体とよんでいます。
 
  このときには、ツボの穴が空いている方向に張るのがコツです。言い
 換えれば、よく沈む方向に張るとイイ感じが深くなりやすいです。
 
  ただし、筋肉に圧がはっきり届くようでは押しすぎになります。ツボ
 の上の皮膚が沈む方向にすこしピンと張った状態にはなっているが、筋
 肉には圧がほとんどかかっていない状態がちょうどよいです。
 
  方向もふくめ、受け手と相談してちょうどよくなるよう工夫してくだ
 さい。
 
 **3.皮膚の張りをたもつ
  皮膚に平行に張った場合でも、沈める方向に張った場合でも、皮膚操
 体をしているあいだ、その張りを一定にたもつのがコツです。
 
  ツボの上の皮膚の張りがゆるんでしまうと、そのとたんにイイ感じが
 消えてしまいます。張ったりゆるんだりするのもイイ感じが消えやすい
 というか、ゆるんだ瞬間にイイ感じが消えるので、イイ感じが持続しま
 せん。
 
  中指で皮膚に平行に張りをつくった場合には、人指し指か薬指で反対
 方向にほんのすこし張りをつくる感じで支える(写真7)と、皮膚の張
 りがゆるみにくいです。
 
 &ref(DSCF0710.jpg)写真7
 
  中指で沈める方向に張りをつくった場合には、人指し指か薬指をかる
 く支えるように中指のそばにおくと皮膚の張りがゆるみにくいです。
 
  親指で皮膚の張りをつくったときには、人指し指で反対側に張ったり
 支えたりします。
 
 **4.いろいろ付け足す
 ***1)手足をモジモジさせたら動かしてもらう
  皮膚操体をしている途中で、手足をモジモジさせている感じがしたら、
 
 「手足を動かしてもイイですよ」
 
 と声をかけると、手足を動かしてよりラクな姿勢になってもらえること
 がおおいです。
 
  姿勢が大きく変わったら皮膚操体のイイ感じが消えることも多く、そ
 したら皮膚操体を終えて、ラクになった姿勢から寝方別の操体に移りま
 す。
 
 ***2)沈と指そらしの組み合わせ
  顔や首などのツボに沈などの皮膚操体をしているときに、経絡的に関
 連する指を反らすのを付け加えるとイイ感じがふえることがおおいです
 (写真8、9)。
 
 &ref(DSCF0538.jpg)写真8
 
 &ref(DSCF0547.jpg)写真9
 
  このときに、腕が指まで届かない位置にあるなら、操者は、受け手の
 上腕くらいに位置に移動したほうがよいでしょう(写真10、11)。
 
 &ref(DSCF0711.jpg)写真10
 
-&ref(DSCF0571.jpg)写真
+&ref(DSCF0571.jpg)写真11
 
  経絡は前・横・後ろが基本なので、首など皮膚操体をしているところ
 が前か横か後ろかで指を選びます。前なら親指か人差し指、横なら中指
 か薬指、後ろなら薬指か小指を選ぶと、イイ感じがふえやすいです。
 
 ***3)沈に動きの操体を加える
  沈の操体をしている場所によっては、その部分の筋肉がゆるむような
 腕の動きをくわえると、イイ感じがふえることがあります。
 
  たとえば、鎖骨の首側あたりをしているときには、腕をあげるような
 格好にするとイイ感じがふえます(写真12)。
 
 &ref(DSCF0558.jpg)写真12
 
 **5.イイ感じが消えたらつぎの操体へ
  皮膚操体で姿勢が変わらなくてもイイ感じが消えたら、止めて、つぎ
 の操体に移ります。まだ、顔や頭などにツボが出ていそうなら皮膚操体
 を続けてもいいし、ちがう操体に移ってもよいです。
 
  そんな感じで操体を続け、終了5~10分前になったら仕上げに移り
 ます。
 
  ゆっくり座位になってもらい、頭の後ろで手を組んで左右捻転と前後
 屈のイイ感じの組み合わせと重さの操体の組み合わせをしてから、手の
 指もみをします。
 
 *(4)耳などの動きの操体
  耳、鼻の頭、上唇と鼻のあいだ、下唇とアゴのあいだなどは、動きや
 すいので、動きの操体をすることもできます。
 
  両方の耳たぶや耳殻を親指と人指し指でつまんでイイ感じのところを
 探します。みつかったら、つまんだ耳をあちこちに引っ張ってみてイイ
 感じの方向をさがし、そちらの方向に耳を引っ張った(写真13)ままに
 します。
 
 &ref(DSCF0563.jpg)写真13
 
  左右の耳の引っ張り方が正反対になるようにすると、頭のなかにイイ
 感じが生まれるような気がして、とても気持ちよく感じることもおおい
 です。
 
  鼻の頭(写真14)や上唇と鼻のあいだ(写真15)などは、同じよう
 に、イイ感じのほうに動かすことをきっかけにします。皮膚もすこしず
 れるので、皮膚の操体と細かい部分の動きの操体と両方している感じに
 なります。
 
 &ref(DSCF0549.jpg)写真14
 
 &ref(DSCF0550.jpg)写真15
 
  あとは、皮膚操体とほぼ同じです。耳を引っ張った感じがゆるんだり
 しないように、鼻の頭などを動かしたときのイイ感じがきえたりしない
 ように、工夫します。
 
  手足をモジモジさせたら、声をかけてよりラクな姿勢を探して動いて
 もらいます。そして、大きく姿勢が変わったらラクな姿勢からの寝方別
 の操体をします。
 
  耳を引っ張っているうちにイイ感じが消えたら違う方向に引っ張って
 イイ感じがないか確かめ、イイ感じの方向が見つかったら、そっちにし
 ばらく引っ張ったままにしてもよいです。
 
  鼻なども同じですが、細かいので、方向の変化を判断するのがむずか
 しいかもしれません。
 
  時間終了5~10分前になったら、座位で重さの操体などをしてから、
 手の指もみをして仕上げます。
 
 *(5)微妙なのでイイ感じがないときはできない
  頭や顔への皮膚操体も、耳などの動きの操体も、感覚的にとても微妙
 なので、イヤな感じがあるときにはできません。
 
  イイ感じがわからないときには、張りやすい方向や引っ張りやすい方
 向をしているとしばらくしてイイ感じが出てくる人もいます。そのとき
 は、そのまま続けてイイ感じを味わってもらいます。
  しばらく続けてもイイ感じが出てこない場合には、止めて別の操体を
 ためしたほうがいいでしょう。
 
  しかし、ラクな寝方からの皮膚や動きの操体がわからない人のなかに
 は、こういう微妙な操体でイイ感じがわかりやすいという人も案外おお
 いようです。
 
  そういう人には、こういう操体のほうが気持ちよいからこっちをして
 くださいと言われる人もいます。
 
  そういうわけで、ヤジウマしてイイ感じならやってみてください。
 
 *(6)おわりに
  今回は、体の大きな歪みをみていくラクな寝方を強調する方法とは
 ちがって、体のごくごく小さな一部分に注目した方法を紹介しました。
 これで、ラクな寝方にならない人への対処法はおわりです。
 
  次回からは、逆に、操体しているあいだにどんどんうごいていって
 しまう人への対処法です。
 
  
 
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