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 術伝流操体 【3】操体で一通り治療 [2]ラクになれない人への対処 
 (3) 対処法3.イイ感じを味わってもらうために
 
 &size(24){&color(green){イイ感じを味わってもらうために}}
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 #contents
 *(1)はじめに
  今まで2回書いてきたように、末端や中心を切っ掛けにして
 ラクな姿勢が見付かったら、その姿勢を少し強調してイイ感じ
 を味わってもらいます。
 
  これにも幾つか方法がありますが、簡単な方から説明してい
 きます。
 
 *(2)定番などに近い姿勢なら、定番を試す
  色々とラクな姿勢を探してもらった結果、「ラクな姿勢を少
 し強調」編で書いてきた寝方別のラクな姿勢からの操体の定番
 に近い姿勢になることもあります。そしたら、そのまま、定番
 を試してみれば良いです。
 
  例えば、横向き寝で膝を曲げ、上側の膝が前に出ている姿勢
 がラクなら、上側の腰から大腿付け根の皮膚を膝の方にズラす
 ことを切っ掛けにしてみます(写真1)。
 
 &ref(DSCF0390.jpg)写真1
 
 *(3)ラクな姿勢にした切っ掛けを試す
  (2)でラクな姿勢を探すときに切っ掛けにしたことを、そ
 のまま切っ掛けにして、イイ感じを探していくことも可能です。
 
 **1.圧痛操法
  例えば、足の指揉みをして痛くした後に、痛さを少し弱く加
 減しながら指揉みを続けます。そして、イイ感じの姿勢を探し
 て、ゆっくり動いていってもらったりも可能です(写真2)。
 
 &ref(p操体あ0809#04.jpg)写真2
 
  姿勢が止まったら、その姿勢を少し強調する操体に移ります。
 
  この場合に、今まで見たことの無い姿勢になったら、後で書
 くように、体の伸びたがっているラインを見付け、少し余分に
 伸ばすとイイ感じなことが多いです。
 
  痛くする足指は、10本触ってみて、痛みを一番感じる指を使
 うと逃げる動作が出やすいです。が、寝方に関係する指を使う
 と良い場合もあります。
 
  仰向け寝なら第2~3指、うつ伏せなら第4~5指、横向きなら
 上になっている足の第4~5指などです。ここで第5指は小指の
 ことです。
 
  寝ている姿勢で体重の負荷を避けたい所が、悪い所、体が治
 したがっている所の可能性が高いと思います。仰向けなら、体
 の前側を上にして寝ているので、経絡的に体の前側に関係する
 足の第2~3指にツボが出ている可能性が高いという予測になる
 わけです。
 
  足指のツボで動かなくなったら、そこと経絡的関係のツボを
 探して、そのツボを少し痛くして逃げてもらい、その姿勢を少
 し強調する操体をしてもよいです。
 
  例えば、仰向けで第2指の指裏を痛くして止まった(写真3)
 なら、足陽明なので、足三里を押して痛みが有ったら、その痛
 みから逃げてもらいます(写真4)。
 
-&ref(DSCF2245.JPG)写真3
+&ref(DSCF2245.jpg)写真3
 
-&ref(DSCF2247.JPG)写真4
+&ref(DSCF2247.jpg)写真4
 
  また、横向きで足の第5指で逃げてもらって止まった場合
 (写真5)には、足太陽なので、脹脛の終わった辺りの飛陽
 などを使います(写真6)。
 
-&ref(DSCF2248.JPG)写真5
+&ref(DSCF2248.jpg)写真5
 
-&ref(DSCF2250.JPG)写真6
+&ref(DSCF2250.jpg)写真6
 
  もちろん、経絡的な関係以外にも、左右上下前後対角などの
 関係からツボを見付けて、そこを切っ掛けにすることもできま
 す。
 
  例えば、仰向けで4指の辺りが痛くて逃げてもらったら、対
 角の反対側の手の薬指を押してみて痛かったら、その痛みが減
 る腕の位置を探してもらいます(写真7)。
 
-&ref(DSCF2256.JPG)写真7
+&ref(DSCF2256.jpg)写真7
 
  この少し痛くして逃げてもらうことを切っ掛けにした操体は、
 操体の業界用語では「圧痛操法」と呼ばれています。
 
  余り痛くすると嫌がる人も居るので、痛さを加減してくださ
 い。
 
  少しでも痛いことは嫌と言う人や、そうでない人でも痛みへ
 の感受性が高くなっている場合には、使わない方が無難でしょ
 う。
 
 **2.ラクにした末端を切っ掛けに
  五首など足指以外の末端を使ってラクな姿勢になってもらっ
 たことを、そのまま切っ掛けにすることもできます。
 
  例え、仰向けで膝を曲げ倒した格好がラクだったら、その姿
 勢で伸びようとしている、天井を向いている大腿の内側を伸ば
 す皮膚操体(写真8)を切っ掛けにイイ感じを探していきます。
 
-&ref(DSCF0289.JPG)写真8
+&ref(DSCF0289.jpg)写真8
 
  また、いわゆる爪先上げ、つまり、足首を反らす(背屈)と
 ラクな感じがしたときには、足の甲の皮膚を足首の方に少しズ
 ラしてイイ感じが増えないか探してみたりします(写真9)。
 
-&ref(DSCF2265.JPG)写真9
+&ref(DSCF2265.jpg)写真9
 
 **3.ラクにした中心をキッカケに
  ラクな姿勢になってもらうときに、腰椎の4種8方向や体重
 移動を切っ掛けにした場合には、そのまま、それを少し強調し
 てみて、イイ感じが増えないか探してみることができます。
 
  例えば、横向きで前屈が良いなら、背中を丸めることに連動
 するように皮膚をズラしてみます。具体的には、肩甲間部の皮
 膚を首の方に、腰から仙骨の皮膚を尾骨の方にズラします(写
 真10)。
 
 &ref(DSCF0398.jpg)写真10
 
  特に、体重移動は、初めのうちは、操者も分かりにくいし、
 受け手に判断してもらうのもしにくいように思えますが、案外
 上手く行くことが多いです。
 
  例えば、仰向け膝立てで、尻を浮かすのがイイ感じなら(写
 真11)、後屈したがっていることが多いです。
 
-&ref(DSCF2268.JPG)写真11
+&ref(DSCF2268.jpg)写真11
 
  ですから、肩の方に体重を移してもらいます(写真12)。
 
-&ref(DSCF2271.JPG)写真12
+&ref(DSCF2271.jpg)写真12
 
  それをもっと強調するには、肩を踵で押してもらいます(写
 真13)。
 
-&ref(DSCF2274.JPG)写真13
+&ref(DSCF2274.jpg)写真13
 
  また、横向きで左右捻転が良いなら、下半身は前側体重移動
 で、上半身は後側体重移動なので、手を背中側に伸ばしてもらっ
 て、腕の重さでバランスを取ってもらいます(写真14)。
 
 &ref(p操体あ0809#06.jpg)写真14
 
  それで、特に、今まで見たことの無い姿勢になったときには、
 次に書くように、先ず、その姿勢から体重移動を切っ掛けにす
 ると上手く行くことが多くなります。
 
 *(4)切っ掛けが分からないときには
  (2)や(3)で書いてきた方法、つまり、姿勢が定番に近
 いもので無かったり、定番を試したり、ラクな姿勢になっても
 らった切っ掛けを試しても、どうもイイ感じがしない場合もあ
 ると思います。また、初めて見る姿勢だし、どうしようかなと
 言う場合もあると思います。
 
  そういう場合に、試してみたら案外上手く行く切っ掛けが二
 つ有ります。一つは、「体重を移してみる」こと、もう一つは、
 「その格好で伸びようとしている所を伸ばす」ことです。順に
 説明します。
 
 **1.体重を移してみる
  左右または前後×上下の4方向に体重を移してもらい、一番
 イイ感じの方向に体重をしばらく移したままにしてもらいます。
 
  姿勢によっては、受け手が体重を移しにくい場合もあるので、
 そういうときには、操者が体重を掛けてみてイイ感じがした所
 に、しばらく体重を掛けたままにします。
 
  例えば、うつ伏せや仰向けで、左右差の少ない姿勢の場合に
 は、両肩と両骨盤を順に押してみて、イイ感じの組み合わせを
 探します(写真15、写真16)。
 
 &ref(DSCF0350.jpg)写真15
 
-&ref(DSCF2285.JPG)写真16
+&ref(DSCF2285.jpg)写真16
 
  この辺り、寝方別の重さの操体で解説練習したことを思い出
 せば、何とかなると思います。
 
 **2.伸ばそうとしてる所を伸ばす
  ラクになった姿勢を見て、受け手の体が伸ばそうとしている
 所を見付けます。
 
  操体は、赤ん坊やネコなどの動物がするノビやアクビを技法
 化・様式化したものです。
 
  また、体が仰向け大の字と何処か違っていたら、何処かが縮
 んで何処かが伸びているはずです。それで、仰向け大の字と違っ
 た格好をしているときには、探せば必ず伸びようとしている所
 は見付かります。
 
  横向き寝に近い姿勢では、前屈や左右捻転などが多いです。
 
  うつ伏せに近い姿勢では、カエル足、膝立てからの後屈や左
 右捻転、足伸ばしなどが多くなります。
 
  仰向けでは、膝立てからの前屈後屈、左右捻転、足を伸ばし
 た姿勢からの左右側屈、足伸ばしの強調などが多いです。
 
  まぁ、こう書いていくとラクな寝方からの定番は、そういう
 寝方で多いものを選んでいるなと、改めて思います。
 
  今回のテーマは、ラクな姿勢になりにくい場合です。ですか
 ら、直立不動に近い緊張感を伴う姿勢が崩れて、少しでもラク
 な姿勢に成ってもらえれば、その姿勢を強調する操体は見付け
 やすいということになると思います。
 
  仰向け大の字に近い格好のときには、わずかに左右に側屈し
 ていることが多く、伸びている側を伸ばしてあげる(写真17)
 のがイイ感じになることが多いです。
 
 &ref(p操体あ0811#17.jpg)写真17
 
  また、片側の肩が上がり、片側が下がっていたら、それを強
 調、つまり、縮もうとしている筋肉を縮め、伸びようとしてい
 る筋肉を伸ばすと、イイ感じなことが多いです(写真18)。
 
 &ref(p操体あ0811#18.jpg)写真18
 
  たまには、定番に近い姿勢なのに、定番で無い所を伸ばして
 欲しいと言う人も居ます。そういう時こそ、新しい操体を見付
 けられるチャンスです。例えば、横向き寝から上になっている
 側を伸ばしたい人もいました(写真19)。
 
 
 &ref(DSCF0394.jpg)写真19
 
  また、仰向けで胸を張っている感じの人(写真20)は、それ
 を強調したら、気持ち良いとのことでした(写真21)。
 
-&ref(DSCF0263.JPG)写真20
+&ref(DSCF0263.jpg)写真20
 
-&ref(DSCF0266.JPG)写真21
+&ref(DSCF0266.jpg)写真21
 
 *(5)味わい方や終わり方は同じ
  ラクな姿勢になってもらい、切っ掛けが決まったら、後は同
 じです。
 
  先ずは、切っ掛け以外に色々と探してイイ感じを付け加えて
 いきます。
 
  窮屈そうに見える所や目立つ感じの所を先ず切っ掛けにした
 場合には、五首などで切っ掛けにしなかった所を付け足したり、
 体重を移してもらったりすると、イイ感じが増えることが多い
 です。
 
  逆に、言葉を掛けて、腰椎の3軸を動かしてもらうのは、難
 しいことが多いので、余りしません。
 
  例えば、仰向け片足膝倒しの人には、首をラクな方に捻転し
 てもらったり(写真22,23)、左右の手を頭の方に挙げてもら
 い、イイ感じの方を選んでもらったりします。
 
-&ref(DSCF0368.JPG)写真22
+&ref(DSCF0368.jpg)写真22
 
-&ref(DSCF0369.JPG)写真23
+&ref(DSCF0369.jpg)写真23
 
  中心である腰椎や体重移動を切っ掛けにしたときにも、五首
 などをイイ感じになるよう動かしてもらいます。
 
  例えば、仰向け膝立てで、体重を頭の方に移す(写真24)
 のがイイ感じなら、手の甲を反らせてもらう(背屈)とイイ感
 じが増えることが多いです(写真25)。
 
-&ref(DSCF2289.JPG)写真24
+&ref(DSCF2289.jpg)写真24
 
-&ref(DSCF2293.JPG)写真25
+&ref(DSCF2293.jpg)写真25
 
  ただし、このとき、手の小指側を下にしている方が良い場合
 には、手首を橈屈(拇指側に曲げる側屈,写真26)するとイイ
 感じが増えやすいです。
 
-&ref(DSCF2296.JPG)写真26
+&ref(DSCF2296.jpg)写真26
 
  どちらの動きも、この姿勢での頭の方への体重移動を強調す
 ることになっていることを確かめてください。
 
  このように、手は、置く位置によって、動かし方が変わって
 くることが多いので、少し注意するようにしてください。
 
  例えば、 横向き寝で上側を胸側に移す体重移動(写真27)
 が良いときは、上側の肩を下側の体側面を支点に前側に回転さ
 せていることになります。そのため、上になっている腕の手首
 も、その方向に回転しやすいように捻転すると良いことが多い
 です。
 
-&ref(DSCF2298.JPG)写真27
+&ref(DSCF2298.jpg)写真27
 
  上の手の指先が頭の方に向いていれば、小指側を手平側に回
 す手首捻転(写真28)がイイ感じなことが多いです。
 
-&ref(DSCF2299.JPG)写真28
+&ref(DSCF2299.jpg)写真28
 
  逆に、上の手の指先が足の方に向いていれば、小指側を手甲
 側に回す手首捻転(写真29)がイイ感じなことが多いです。
 
-&ref(DSCF2303.JPG)写真29
+&ref(DSCF2303.jpg)写真29
 
  また、手首を動かすのが、それほどイイ感じでもない場合に
 は、そういう動きに連動するように、上腕の皮膚をズラす(写
 真30)と、より深い気持ち良さを感じられることも多いです。
 
-&ref(DSCF2305.JPG)写真30
+&ref(DSCF2305.jpg)写真30
 
  十分イイ感じを味わってもらい、姿勢を変えたくなったら終
 わります。そして、余韻を十分味わうというか、一つの操体を
 終えた後のイイ感じの後味を十分に味わってもらいます。それ
 から、また、ラクな姿勢を見付けて、次の操体をしていきます。
 
 *(6)おわりに
  今回までで、ラクな寝方に成れない人の対処法として、ラク
 な姿勢を手足や首など末端から決めていく方法と、重さや腰椎
 など中心から決めていく方法を紹介しました。
 
  次回からは、揺らしやクスグリなどや、耳や髪の毛への操法
 など、いわゆる定番の操体と少し違った技法を紹介します。こ
 れらは、ラクな姿勢が分かる人にラクな姿勢でしても効果があ
 りますが、緊張していてラクな姿勢に成れない人の緊張を弛め
 るのにも役立ちます。
 
 
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