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術伝流操体 【3】操体で一通り治療
[2]ラクになれない人への対処 (2) 対処法2.中心をラクに
&size(24){&color(green){中心をラクに}}
------
#contents
*(1)はじめに
受け手にラクになってもらうためには、手足や首など末端以
外にも目の付け所はあります。末端と反対の、胴体部の背骨や
体重など、&bold(){体の}&bold(){中心}です。
前にも書いたと思いますが、操体の「タワメの間」は、末端
と中心で決まりますので。
慣れていない人に言葉で指示して動いてもらうときには、末
端の手足や首を指定して動いてもらう方が通じやすいです。
しかし、実は、ラクな姿勢になってもらうために本当に役に
立つのは、背骨や体重などの体の中心の格好のことも多いので
す。中心の格好が上手く決まると、手足や首は自然にラクな所
に動くことも多いからです。
操者にとっても、慣れないと、中心がラクかどうかは、末端
に比べると、分かりにくいので、受け手が操体に慣れているだ
けでなく、操者の方も経験を積む必要があります。
*(2)腰椎を切っ掛けに
中心で比較的に分かりやすいのは、背骨の4種8方向で、そ
の中でも、腰椎と頚椎になります。腰椎と頚椎には、他の骨が
付いていないので、動きやすいことが関係していると思います。
二つを比較すると、頚椎は、首で、頭や顔の向きに関係する
ので、中心か末端か比較すると、末端ということになります。
ですから、体の中心として利用するのは、先ずは、腰椎になり
ます。
末端である手足や首の4種8方向が決まってくれば、腰椎の
4種8方向もある程度は決まってきます。逆に、腰椎の4種8
方向が決まってくれば、末端もある程度は決まってきます。そ
れが矛盾していないか、腰椎の辺りが窮屈そうかどうか、見て
確かめる必要があります。
腰椎のどの辺りが4種8方向の、特に、左右捻転、前後屈の
境目になっているかを中心に見ると比較的分かりやすいと思い
ます。
腰椎の状態が分かったら、その状態を、ほんの少し強調して
みると、よりラクになる可能性があるので試してもらいます。
**1.横向き寝の場合
今までも書いてきましたように、横向き寝のときには、前屈
(写真1)が多く、次は捻れで(写真2)、側屈は少ないです。
横側を下にしているので側屈しにくいからだと思います。
&ref(DSCF0615.jpg)写真1
&ref(DSCF0616.jpg)写真2
ただ、たまに、上になっている側を伸ばしたい人がいます。
そういう場合には、下側の腰と肩で体を支え下側の脇を浮かせ、
上側の腕を胴体の延長線上に伸ばす姿勢がイイ感じのことが多
いです(写真3)。
&ref(DSCF0394.jpg)写真3
また、横向き前屈タイプの場合に、上になっている肩と腰を
近付ける要素も入れて前屈していく人がいます。そういう人は、
下側になっている側を少し伸ばしたいと言えるかも知れません。
左右差があるタイプでは、側屈よりも、片側が前屈で、片側
が後屈、特に、上側が前屈で、下側が後屈というか、足を後ろ
にする(写真4)タイプが時々見られます。歩くときの片足を
交互に出す姿勢の調整かなと思います。
&ref(DSCF0386.jpg)写真4
**2.うつ伏せ寝の場合
うつ伏せ寝のときは、側屈や捻転が比較的多いです。
***2.1.うつ伏せ寝で側屈
特に、片足の爪先が外を向いている場合(写真5)には、足
が、いわゆるカエル足(写真6)になったほうがラク、つまり、
膝を曲げて横に出した格好になるとラクな場合が多いです。
&ref(DSCF0622.jpg)写真5
&ref(DSCF0603.jpg)写真6
カエル足のときにはカエル足の側を縮める側屈がイイ場合が
多いです。そして、側屈が大きくなると、少し横向き寝に近付
くこともあります(写真7)。
&ref(DSCF0619.jpg)写真7
***2.2.うつ伏せ寝膝立てからは、捻転か後屈
うつ伏せからの捻転は、膝を立てた方が捻転しやすくなりま
す。うつ伏せで後屈したいときにも、膝を立てた方が動きやす
いようです。
足首の辺りが畳から離れている(写真8)ときは、膝を立て
た方がラクな(写真9)ことが多いです。
&ref(DSCF0623.jpg)写真8
&ref(DSCF0624.jpg)写真9
その場合は、後屈か捻転の可能性があります。
***2.3.うつぶせ寝で前屈?
うつ伏せ寝では前屈したい人は少ないです。体の前面が畳に
付いているからでしょう。うつ伏せで前屈したい場合には、横
向き寝の方がラクな可能性が高くなります。
横向きで前屈したくなくて、うつ伏せで前屈がラクな場合は、
少ないですが、たまには、そういう人もいます。そういう場合
には、平らな所でうつ伏せには成り難いので、布団を丸めたよ
うなものに抱きついた形(写真10)で、うつ伏せに成りたがり
ます。
&ref(DSCF0626.jpg)写真10
こういう人は、背骨、つまり正中ちかくの腰痛のときに見ら
れることがあります。
***2.4.うつぶせ寝で、足の左右差大のとき
うつ伏せで、足首の浮きの左右差が大きい場合や、尻叩きを
したときの左右差が大きい場合には、片足が後屈で片足が前屈
というか足伸ばし(写真11)のタイプです。これも歩く時の足
を左右交互に出すことの調整かなと思います。
&ref(DSCF0625.jpg)写真11
また、この場合には、うつ伏せ膝立ての姿勢を取る場合に、
片方だけ立てた方が良い場合が多くなります。特に、捻転の場
合には、片足だけ立てて捻転が良いと言う人が多いです(写真
12)。
&ref(DSCF0310.jpg)写真12
**3.仰向け寝の場合
***3.1.仰向け寝で側屈
仰向け場合には、足を伸ばしたままでは、少し側屈(写真13)
という感じが多いです。
&ref(DSCF0628.jpg)写真13
また、膝を曲げたまま横に倒す感じのときも、そちら側を縮
める側屈(写真14)がしやすくなります。
&ref(DSCF0636.jpg)写真14
***3.2.仰向け膝立てからは、捻転、前屈、後屈
膝を立てた姿勢がラクな場合は、捻転、前屈、後屈の可能性
が高くなります。
膝立ても、両方とも立てたい場合と、片足だけ立てたい場合
があります(写真15)。
&ref(DSCF0629.jpg)写真15
膝立てからの捻転は、定番にありますね。ただ、片足膝立て
からの捻転が良いということもあります(写真16)。
&ref(DSCF0632.jpg)写真16
膝立てからの前屈は、 膝の抱え込み(写真17)です。仙台の
今先生が講習会の初めに試してもらうことが多いと聞きました。
&ref(DSCF0635.jpg)写真17
この場合、左右差があって、片足だけ抱え込むのが良い人が
多く、これも歩くときの足を交互に出す動作の調整かなと思い
ます。
膝立てからの前屈を二人組で行うときには、膝の痼りを痛く
して逃げる操体になります(写真18)。
&ref(DSCF0633.jpg)写真18
背中が畳に付いているので後屈はしにくそうですが、膝を立
て踵を踏ん張ると後屈がしやすくなる(写真19)のが、仰向け
寝の特徴です。
&ref(DSCF0634.jpg)写真19
**4.可能性の高いものは、定番にある
こうして書き出してみると、それぞれの寝方で可能性が高い
ものについては、ラクな寝方別の操体の定番が多いことに気付
かれると思います。如何でしょう。
***4.1.定番操体は、胴体の3軸を調整
言い換えれば、定番操体は、寝方別に、胴体の4種8方向の
調整をしているということです。つまり、左右捻転、前後屈、
左右側屈、伸縮の動作を、寝方別に整えていることになります。
このうち、伸縮は、余り取り上げていないので、残りの3つ、
つまり、仙台の今先生が言われる「3軸の調整」です。
というわけで、定番操体は、腰椎を中心に、胴体の3軸を調
整していると言えるかなと思います。
***4.2.定番操体を順に試す
ですから、ラクな寝方が分からない人には、横向き、うつ伏
せ、仰向けの順で、それぞれの寝方では、重さ、皮膚、動きの
順で、定番の中からイイ感じのもの、イイ感じが分からなけれ
ばイヤな感じのしないものを、次々していくだけで、結構、気
持ち良さを感じてもらえることも多いし、体も整えられます。
ラクとか気持ちよさとか分からない人には、
横向き (重さ→皮膚→動き)
→うつ伏せ(重さ→皮膚→動き)
→仰向け (重さ→皮膚→動き)
の順で、イイ感じのもの、イヤでない定番操体をしていくと、
案外、良いということです。
***4.3.窮屈そうな所を見分け、誘導
「言葉掛け」や「手での誘導」が適切ならば、その可能性は
高くなるので、誘導の仕方に工夫は必要です。そして、声掛け
していくときにも、窮屈そうな所からという点は、末端の場合
と同じです。
声掛けだけでなく、動診をして試しながら決めていくときも、
窮屈そうな所から動診していく方が、ラクな姿勢が決まりやす
いです。
ですから、窮屈そうな場所が分かると早くラクな姿勢が決め
られます。
***4.4.定番の膝立て版も試す
それと、仰向けやうつ伏せの膝立ての場合のように、片足だ
け膝を立てる方が良いと言う人も、結構、多いことを忘れない
ようにしてください。
片足膝立てで、定番をやってみるということです。
繰り返しになりますが、これは、ヒトが、普段は直立2足歩
行していて、足を交互に出して歩いていることの調整をしてい
るのだと思います。
*(3)体重移動を切っ掛けに
中心をラクにするための、もう一つの手段は、体重を移動す
ることです。
左右、または、前後と上下を組み合わせた4方向に、試しに
体重を移してみて(写真20)、一番イイ感じのする方に、体重
を少し移動させると、よりラクな姿勢になることが多いです。
&ref(DSCF0350.jpg)写真20
体重を掛けるとか、体重を移動するとか言っても、ほんの少
しなので、写真に写すと、ただ手を置いているのと、殆ど変わ
らなくなってしまいます。
この辺りは、末端の動きや、胴体の4種8方向と違って、写
真でも伝えるのが難しい分野かなという感じがしています。
でも、慣れてくると、先ず、体重を一番イイ感じの方に少し
移してから、次に、手足や首などの末端を決めると、時間が一
番掛からずに、ラクな姿勢に辿り着けます。
そのためには、先ず、自分がそういう感じで操体できるよう
に、体の勘を磨いていきましょう。
同時に、初めての人でも、体重をイイ感じに移してから、末
端もイイ感じに決められるように、言葉での誘導ができるよう
になって行きましょう。
*(4)おわりに
ラクな寝方に成れない人への対処法の2回目として、中心を
ラクにする方法を書いてきましたが、改めて定番操体ってスゴ
いなという感じがしました。
目の前の人の、その時の状態に合わせて、定番を使いこなし
応用するだけで良いのかもしれませんね。
つぎへ>>>[[術伝流操体no.35]]
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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。
くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想など
感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。
よろしくおねがいします。
術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ
(この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe)
(「あま」を「@」に、「ググ」を「googlegroups」に、)
(「どこ」を「.com」に変えて送信してください。 )
(面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です)
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[2]ラクになれない人への対処 (2) 対処法2.中心をラクに
&size(24){&color(green){中心をラクに}}
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*(1)はじめに
受け手にラクになってもらうためには、手足や首など末端以
外にも目の付け所はあります。末端と反対の、胴体部の背骨や
体重など、&bold(){体の}&bold(){中心}です。
前にも書いたと思いますが、操体の「タワメの間」は、末端
と中心で決まりますので。
慣れていない人に言葉で指示して動いてもらうときには、末
端の手足や首を指定して動いてもらう方が通じやすいです。
しかし、実は、ラクな姿勢になってもらうために本当に役に
立つのは、背骨や体重などの体の中心の格好のことも多いので
す。中心の格好が上手く決まると、手足や首は自然にラクな所
に動くことも多いからです。
操者にとっても、慣れないと、中心がラクかどうかは、末端
に比べると、分かりにくいので、受け手が操体に慣れているだ
けでなく、操者の方も経験を積む必要があります。
*(2)腰椎を切っ掛けに
中心で比較的に分かりやすいのは、背骨の4種8方向で、そ
の中でも、腰椎と頚椎になります。腰椎と頚椎には、他の骨が
付いていないので、動きやすいことが関係していると思います。
二つを比較すると、頚椎は、首で、頭や顔の向きに関係する
ので、中心か末端か比較すると、末端ということになります。
ですから、体の中心として利用するのは、先ずは、腰椎になり
ます。
末端である手足や首の4種8方向が決まってくれば、腰椎の
4種8方向もある程度は決まってきます。逆に、腰椎の4種8
方向が決まってくれば、末端もある程度は決まってきます。そ
れが矛盾していないか、腰椎の辺りが窮屈そうかどうか、見て
確かめる必要があります。
腰椎のどの辺りが4種8方向の、特に、左右捻転、前後屈の
境目になっているかを中心に見ると比較的分かりやすいと思い
ます。
腰椎の状態が分かったら、その状態を、ほんの少し強調して
みると、よりラクになる可能性があるので試してもらいます。
**1.横向き寝の場合
今までも書いてきましたように、横向き寝のときには、前屈
(写真1)が多く、次は捻れで(写真2)、側屈は少ないです。
横側を下にしているので側屈しにくいからだと思います。
&ref(DSCF0615.jpg)写真1
&ref(DSCF0616.jpg)写真2
ただ、たまに、上になっている側を伸ばしたい人がいます。
そういう場合には、下側の腰と肩で体を支え下側の脇を浮かせ、
上側の腕を胴体の延長線上に伸ばす姿勢がイイ感じのことが多
いです(写真3)。
&ref(DSCF0394.jpg)写真3
また、横向き前屈タイプの場合に、上になっている肩と腰を
近付ける要素も入れて前屈していく人がいます。そういう人は、
下側になっている側を少し伸ばしたいと言えるかも知れません。
左右差があるタイプでは、側屈よりも、片側が前屈で、片側
が後屈、特に、上側が前屈で、下側が後屈というか、足を後ろ
にする(写真4)タイプが時々見られます。歩くときの片足を
交互に出す姿勢の調整かなと思います。
&ref(DSCF0386.jpg)写真4
**2.うつ伏せ寝の場合
うつ伏せ寝のときは、側屈や捻転が比較的多いです。
***2.1.うつ伏せ寝で側屈
特に、片足の爪先が外を向いている場合(写真5)には、足
が、いわゆるカエル足(写真6)になったほうがラク、つまり、
膝を曲げて横に出した格好になるとラクな場合が多いです。
&ref(DSCF0622.jpg)写真5
&ref(DSCF0603.jpg)写真6
カエル足のときにはカエル足の側を縮める側屈がイイ場合が
多いです。そして、側屈が大きくなると、少し横向き寝に近付
くこともあります(写真7)。
&ref(DSCF0619.jpg)写真7
***2.2.うつ伏せ寝膝立てからは、捻転か後屈
うつ伏せからの捻転は、膝を立てた方が捻転しやすくなりま
す。うつ伏せで後屈したいときにも、膝を立てた方が動きやす
いようです。
足首の辺りが畳から離れている(写真8)ときは、膝を立て
た方がラクな(写真9)ことが多いです。
&ref(DSCF0623.jpg)写真8
&ref(DSCF0624.jpg)写真9
その場合は、後屈か捻転の可能性があります。
***2.3.うつぶせ寝で前屈?
うつ伏せ寝では前屈したい人は少ないです。体の前面が畳に
付いているからでしょう。うつ伏せで前屈したい場合には、横
向き寝の方がラクな可能性が高くなります。
横向きで前屈したくなくて、うつ伏せで前屈がラクな場合は、
少ないですが、たまには、そういう人もいます。そういう場合
には、平らな所でうつ伏せには成り難いので、布団を丸めたよ
うなものに抱きついた形(写真10)で、うつ伏せに成りたがり
ます。
&ref(DSCF0626.jpg)写真10
こういう人は、背骨、つまり正中ちかくの腰痛のときに見ら
れることがあります。
***2.4.うつぶせ寝で、足の左右差大のとき
うつ伏せで、足首の浮きの左右差が大きい場合や、尻叩きを
したときの左右差が大きい場合には、片足が後屈で片足が前屈
というか足伸ばし(写真11)のタイプです。これも歩く時の足
を左右交互に出すことの調整かなと思います。
&ref(DSCF0625.jpg)写真11
また、この場合には、うつ伏せ膝立ての姿勢を取る場合に、
片方だけ立てた方が良い場合が多くなります。特に、捻転の場
合には、片足だけ立てて捻転が良いと言う人が多いです(写真
12)。
&ref(DSCF0310.jpg)写真12
**3.仰向け寝の場合
***3.1.仰向け寝で側屈
仰向け場合には、足を伸ばしたままでは、少し側屈(写真13)
という感じが多いです。
&ref(DSCF0628.jpg)写真13
また、膝を曲げたまま横に倒す感じのときも、そちら側を縮
める側屈(写真14)がしやすくなります。
&ref(DSCF0636.jpg)写真14
***3.2.仰向け膝立てからは、捻転、前屈、後屈
膝を立てた姿勢がラクな場合は、捻転、前屈、後屈の可能性
が高くなります。
膝立ても、両方とも立てたい場合と、片足だけ立てたい場合
があります(写真15)。
&ref(DSCF0629.jpg)写真15
膝立てからの捻転は、定番にありますね。ただ、片足膝立て
からの捻転が良いということもあります(写真16)。
&ref(DSCF0632.jpg)写真16
膝立てからの前屈は、 膝の抱え込み(写真17)です。仙台の
今先生が講習会の初めに試してもらうことが多いと聞きました。
&ref(DSCF0635.jpg)写真17
この場合、左右差があって、片足だけ抱え込むのが良い人が
多く、これも歩くときの足を交互に出す動作の調整かなと思い
ます。
膝立てからの前屈を二人組で行うときには、膝の痼りを痛く
して逃げる操体になります(写真18)。
&ref(DSCF0633.jpg)写真18
背中が畳に付いているので後屈はしにくそうですが、膝を立
て踵を踏ん張ると後屈がしやすくなる(写真19)のが、仰向け
寝の特徴です。
&ref(DSCF0634.jpg)写真19
**4.可能性の高いものは、定番にある
こうして書き出してみると、それぞれの寝方で可能性が高い
ものについては、ラクな寝方別の操体の定番が多いことに気付
かれると思います。如何でしょう。
***4.1.定番操体は、胴体の3軸を調整
言い換えれば、定番操体は、寝方別に、胴体の4種8方向の
調整をしているということです。つまり、左右捻転、前後屈、
左右側屈、伸縮の動作を、寝方別に整えていることになります。
このうち、伸縮は、余り取り上げていないので、残りの3つ、
つまり、仙台の今先生が言われる「3軸の調整」です。
というわけで、定番操体は、腰椎を中心に、胴体の3軸を調
整していると言えるかなと思います。
***4.2.定番操体を順に試す
ですから、ラクな寝方が分からない人には、横向き、うつ伏
せ、仰向けの順で、それぞれの寝方では、重さ、皮膚、動きの
順で、定番の中からイイ感じのもの、イイ感じが分からなけれ
ばイヤな感じのしないものを、次々していくだけで、結構、気
持ち良さを感じてもらえることも多いし、体も整えられます。
ラクとか気持ちよさとか分からない人には、
横向き (重さ→皮膚→動き)
→うつ伏せ(重さ→皮膚→動き)
→仰向け (重さ→皮膚→動き)
の順で、イイ感じのもの、イヤでない定番操体をしていくと、
案外、良いということです。
***4.3.窮屈そうな所を見分け、誘導
「言葉掛け」や「手での誘導」が適切ならば、その可能性は
高くなるので、誘導の仕方に工夫は必要です。そして、声掛け
していくときにも、窮屈そうな所からという点は、末端の場合
と同じです。
声掛けだけでなく、動診をして試しながら決めていくときも、
窮屈そうな所から動診していく方が、ラクな姿勢が決まりやす
いです。
ですから、窮屈そうな場所が分かると早くラクな姿勢が決め
られます。
***4.4.定番の片足版も試す
それと、仰向けやうつ伏せの膝立ての場合のように、片足だ
け膝を立てる方が良いと言う人も、結構、多いことを忘れない
ようにしてください。
片足膝立てで、定番をやってみるということです。
繰り返しになりますが、これは、ヒトが、普段は直立2足歩
行していて、足を交互に出して歩いていることの調整をしてい
るのだと思います。
*(3)体重移動を切っ掛けに
中心をラクにするための、もう一つの手段は、体重を移動す
ることです。
左右、または、前後と上下を組み合わせた4方向に、試しに
体重を移してみて(写真20)、一番イイ感じのする方に、体重
を少し移動させると、よりラクな姿勢になることが多いです。
&ref(DSCF0350.jpg)写真20
体重を掛けるとか、体重を移動するとか言っても、ほんの少
しなので、写真に写すと、ただ手を置いているのと、殆ど変わ
らなくなってしまいます。
この辺りは、末端の動きや、胴体の4種8方向と違って、写
真でも伝えるのが難しい分野かなという感じがしています。
でも、慣れてくると、先ず、体重を一番イイ感じの方に少し
移してから、次に、手足や首などの末端を決めると、時間が一
番掛からずに、ラクな姿勢に辿り着けます。
そのためには、先ず、自分がそういう感じで操体できるよう
に、体の勘を磨いていきましょう。
同時に、初めての人でも、体重をイイ感じに移してから、末
端もイイ感じに決められるように、言葉での誘導ができるよう
になって行きましょう。
*(4)おわりに
ラクな寝方に成れない人への対処法の2回目として、中心を
ラクにする方法を書いてきましたが、改めて定番操体ってスゴ
いなという感じがしました。
目の前の人の、その時の状態に合わせて、定番を使いこなし
応用するだけで良いのかもしれませんね。
つぎへ>>>[[術伝流操体no.35]]
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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。
くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。
よろしくお願いします。
**感想など
感想などありましたら、術伝事務局までメールをください。
よろしくおねがいします。
術伝事務局メルアド :jutsuden-jmkkあまググどこ
(この行は無視してください。akwba、laemfro、thgosewibe)
(「あま」を「@」に、「ググ」を「googlegroups」に、)
(「どこ」を「.com」に変えて送信してください。 )
(面倒をおかけし申し訳ありません。迷惑メール対策です)
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