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術伝流操体no.4 - (2011/02/12 (土) 06:40:45) のソース

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[1]応急処置から学ぶ操体の基本  (4)肩のつらさを軽くする
#contents
*1.はじめに
 前回まで2回で腰の辛さや可動域制限を改善する操体をとおして、操
体の基本手順を紹介しました。

 肩や首など上半身のつらさも、同じ基本手順と自然則を応用すれば改
善します。
*2.こって縮んでいるところを強調する
 肩や首など上半身の辛さを軽くする動きの操体は、後頚部や上背部が
こって縮んでいることを少し強調してみるのが基本です。

 動きの操体の原則の一つは、縮んだところはより縮ませるからです。
目立つのは、肩や首、上背部がこって縮んでいることなので、それをす
こし強調するわけです。

*3.指もみしながら首や肩を動かしてもらう
 まずは、指もみしながら、首や肩を動かしてもらいます。

 これだけで、すこしは改善しますし、どれくらい悪いかのチェックに
もなります。
**1)どの指がコっているか確かめる
 座位で、まず指揉みしながら、どの指の指裏や水掻きがこっているか
確かめてみましょう。

 肩や首がつらい人は、小指または薬指の指裏や、小指と薬指のあいだ
の水掻きがこっていることが多いです。

 経過が長い人だと薬指と中指のあいだの水かきや中指の指裏の薬指よ
りがこっていることも多いです。

 左右差をふくめ、そのあたりを確かめておきましょう。

**2)指揉みしながら首の左右捻転など
 指もみや指反らしをしながら、首を動きやすい範囲でいろいろ動かし
てもらうと、鍼の世界の運動鍼のような効果が出て、つらさや可動域な
どがすこしは改善するので、試してみましょう。

 まずは、左右に捻転し、それから左右側屈や前後屈を試してみましょ
う。

*4.腕返し
 座位で、指先を自分の方に向けて手の平を床や畳、椅子の座面などに
つきます(写真1)。

&ref(so04p01h.jpg)写真1

 両手をこうすると、自然に首がそり、肩甲間部がせばまり、肩や首の
こって縮んでいるところをより強調する姿勢になります。

 手を大腿の上においたり(写真2)、床や畳の上においた手を自分か
ら遠ざけたり、中指の指先を支点に手首を体の外側のほうに回したりす
ると、より強調することになりますが、無理はしないでください。痛気
持ちいい程度にとどめてください。

&ref(so04p02h.jpg)写真2

 手をおく位置や体に対する角度をいろいろ変えて気持ちよさが深くな
るようにしてください。体重は、前に移すとよい場合が多いです。目は、
すこし上にむけるとイイ感じが増えることが多いです。

 この方法は、パソコン作業の合間などに30分から1時間に1回すると
肩や首のつらさが抜けやすいので、患者さんはじめ一般の人にもまずは
じめに勧められると思います。一人でできますし。

*5.肩をあげて首を反らせる
 両肩を首のほうに近づけて首を反らせます(写真3)。

&ref(so04p03h.jpg)写真3

 これもこって縮んでいる肩まわりの筋肉をより強調する姿勢です。

 小指が手のひら側に回る手首捻転をしたり、手を反らして小指側を背
中側に回転したりすると、背中側の筋肉がより縮むので効果が出やすい
です。

 後者は「4.腕返し」と同じようなことをしていることになります。

 この場合も、体重は前に移し、目を上に向けるとよい場合が多いです。
やはり、無理せずに気持ちよさが深くなるタワメの間を探してください。

 受け手の人を補助するときには、両手を反らし指先を背中側に回転す
るのを強調し、小指丘を持ち上げてあげる(写真4)とよいでしょう。

&ref(so04p04h.jpg)写真4

 でも、補助がしにくいので、基本的には一人でする操体だと思います。
*6.組んだ手のひらを天井へ
 受け手の人に頭の後ろで手を組んでもらってから、親指を支点に手の
ひらを天井にむけてもらいます。操者は、その手首捻転を強調するよう
にしてから(写真5)、ユックリ持ち上げていきます。

&ref(so04p05h.jpg)写真5

 これも抵抗の少ない方向に持ち上げるのがコツです。肩や首のこりに
より少しずつ方向が違います。はじめのうちは、受け手の人と相談しな
がら一番イイ感じがするタワメの間の姿勢を探していきます(写真6)。

&ref(so04p06h.jpg)写真6

 膝などで肩甲間部を押してあげるとイイ感じが増すことが多いです
(写真7)。

&ref(so04p07h.jpg)写真7

 受け手の人には、目を天井にむけてもらったり、体重を移しやすいほ
うに移してもらうとイイ感じが増えることが多いです。

 受け手の人が姿勢を変えたくなったら終わりにします。なお、これは
片手ずつすることもできます(写真8)。

&ref(so04p08h.jpg)写真8

*7.うつ伏せ寝から肘上げ
 座位からだけでなく、うつ伏せからもできます。

 うつ伏せに寝てもらって、顔をラクなほうにむけてもらい、顔がむい
ているほうの肘を持ち上げます。

 上腕と体の角度や持ち上げ具合をちょうどいいように調節してから、
操者の大腿の上に肘を乗せてしまう(写真9)と安定します。

&ref(so04p09h.jpg)写真9

 顔のむいているほうの首や肩甲間部のこりがよりつらいから、そちら
に顔を向けるのがラクなので、それをより強調するようなタワメの間を
探しているわけです。

 肘を抵抗の少ない方向に動かしてちょうどいい位置を決めるのがコツ
なのですが、はじめのうちは受け手の人と声を掛け合ってちょうどいい
位置を探してください。

 肘が肩よりも頭よりのほうがちょうどいい場合には、上腕の延長と背
骨が交わるあたりにツボが出ていることが多いです。

 肘が肩よりも脇よりのほうがちょうどいいときには、肩をとおり上腕
と直角な線が背骨と交わるあたりにツボが出ている(写真10)ことが多
いです。

&ref(so04p10h.jpg)写真10

 比較すると後者が多いです。

 そのツボの出ているあたりに力が集中するというか、そのツボのあた
りが一番縮むような格好に肘を持ち上げていくのがコツです。

 これを文章だけで理解し納得し身に付けてもらうのは難しいですね。

 お腹に息が深くはいっていくようでしたら効いている証拠です。

 指もみ、とくに小指と薬指の指揉みをしたり、みつけた背骨のそばの
ツボを押したりすると変化が速くなることがおおいです。

 受け手の人が姿勢を変えたくなったら終わりにします。

 この操体は、椅子をたおして椅子の足に座布団などをかけ、その横に
うつ伏せに寝て、肘をかけると、一人でもできます。

*8.操体の基本手順から見てみる
 今回の操体を操体の基本手順から見てみましょう。

1)ラクな姿勢になってもらう
  =ラクな姿勢で立つ、座る、寝る

2)目立つところを少し強調してイイ感じを探す
  =後頚部や背中上部がこって縮んでいるのが目立つので、
   そこをより縮める姿勢を取ることで強調する

3)ほかにイイ感じがないか探し、あったら加える
  1. 目の動き、手首の動きを加える
  2. 体重を移しやすいほうに移す

4)息が深くなるかイイ感じなら続ける

5)姿勢を変えたくなったら終える
   (体重を戻す=姿勢を変える)

ということで、操体の基本手順に当てはまりますね。

*9.おわりに
 つぎは、肩の可動域制限を軽くする動きの操体を紹介します。

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