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鍼と邪毒 - (2015/10/26 (月) 14:59:49) のソース

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[[鍼術覚書]] (1)鍼と邪毒

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*鍼は邪気を引く
 鍼は邪気を引く道具。

 真気を呼べるし、邪熱を散らせるし、シコリを弛めるこ
ともできるが、鍼の基本は引鍼にある。

*邪気は毒より発し天を衝く
 邪気は、体に悪い働き。

 歪んだ体の発するサインにもなる。
機械の調子の悪いときに聞こえる雑音に似ている。

 ビリビリ、ピリピリした感じを手に受けることが多い。

 真気に比ベ、速く瞬間的に動き、振れ幅はとても細かい。

 病が動くとき、邪気も動き、天(頭)を衝く。
 病が動かないとき、邪気は毒として、地(腹)に溜まる。

 小復には瘀血、大腹には水毒が溜まりやすく、病が動く
時には、そこから出た邪気が、横隔膜、上焦、頭部を衝く。

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*刺法
**手足、陽、下に引くのが三原則
(1) 手足に引く
(2) 陽に引く
(3) 下に引く

 この三つが刺法の三原則。

 手足、陽に引くのは、邪気を体の外に出すため、
下に引くのは、頭を衝かせないため。

**手足に引くには、経絡を利用 
 手足に引くには、手足の経絡と頭首胴との相関を考える。

 肘・膝から先を探すのが基本。
急性症は、手首・足首より先を探す(甲、八邪、井穴など)。

***陰経は徐刺徐抜、陽経は速刺徐抜
 陰経は、ゆっくりと刺し、密かに邪気を誘い、来終わった
ら静かに抜く
(徐刺徐抜…まだ動きの遅い邪を引くのに向く)。

 陽経は、スッと邪に当てて引っかけ、引きながら手技を
し、途切れないようにスーーーッと抜く
(速刺除抜…動きの速い邪を引くのに向く)。

**陽は横切りに引く
 陽に引くには、体の横切りラインを捜せば良い。
(背部愈穴が代表例)

 刺法は、邪の動きの速さを見て決める。

**最初と最後に下に引く
 始めと終りに下に引けばよい。

 下に引くときは、主に速刺除抜を使う。

**出ているツボに引く
 引くべきポイント、すなわち、出ているツボは、経絡上
に指を滑らして止まる所に取る。

 表面は、力なく凹んで、少し湿っていることが多い。

 邪毒が水毒の形で少しづつ漏れ出ているためだろう。

 敏感な人は、手をかざせば、ピリピリビリビリしたイヤ
な感じを受けるだろう。

**刺鍼の深さ
 邪気が動く深さに刺す。浅すぎても深すぎても駄目。

 患者さんの体が反応したら、深さを変えずに、旋撚、横
揺らし、雀啄などの手技をする。反応が良い手技を選ぶ。

 腰などでは反応が三層になっていることもあるし、皮膚
表面で陽邪が動くこともある。どこまで動かすかは、患者
さんの体の反応を診て決める。

**熱と寒
 熱には、手早く散域して散らす。

 速刺速抜…遅いと邪を引き、かえって熱くするので注意
      速く置き遅く引くと、痛いだけで冷めない
      置くのは、ゆっくりでよいから、素早く引く

 寒には、置鍼して真気を呼んで温める。
ただし、古方では、押し手は絶対離さない。
(補の刺法で温めることもできる)

**スジバリ
 スジバリは、チョンと当てて、弛める。
スジバリを左右から挟むように押手を作り、斜刺すると当
てやすい。

**虚&冷への灸
 力なくペコペコとして冷たい所には、灸をする。
(特に、虚が激しく深いツボは、灸頭鍼がよい)

 冷えでできたツボには、刺鍼よりも効果が高い。

 腹や下腿に多い。

 手平、足裏、手足の指は、痛みを感じることが多いので
鍼をせず、灸が多い。

**補と寫
 補したいときは、鍼を、ゆっくり大きめに動かす。

 寫したいときは、押手を引き気味にしながら、鍼を細か
く速く動かす。

 しかし、補瀉は結果である。


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