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術伝流操体no.8 - (2010/08/21 (土) 11:28:56) のソース

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&color(green){術伝流操体no.8}&bold(){&size(24){&color(green){ 手首の動きを全身に伝える}}}
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#contents
**1. 連動とは一緒に動くこと
 操体では、よく「全身に連動させてください」という声かけをするのです
が、意味がわかりますか? 初めての人だと、何のことかさっぱりわからな
くて、とまどってしまい固まったままという感じのことも多いようです。

 ヒトの体の動きをよく観察してみると、ひとつの場所の動きが、そこの動
きでとどまらずに、別の場所が一緒に動いていくことがよくあります。そう
いう一緒に動くことを連動といっています。たとえば、首を捻っていく動き
をしていくと、だんだん胴体も同じ方向に捻れていくとかいうことです。

 しかも、その組み合わせがある程度決まっています。機械のようにいろい
ろな部分をまったく別々に動かすことができるわけではなく、あるところが
ある方向に動いたら、別のある場所の動きがある程度決まってくるというこ
とです。

 それで、そういう一緒に動く連動のパターンを理解しておくと、ふだんの
生活のなかでの動きがやりやすくなるし、疲れにくく、歪みにくくなります。
また、二人操体をするときに、受け手役の人にどう動いてもらうとタワメの
間が決まりやすいかわかるようになります。

 それで、これから4回ほど、そういう連動の仕組みを解説していきます。

**2. 末端の動きと体重移動の二つが大切 
 体のいろいろな部分が一緒に動く連動を考えていくときに、2つの点に注
目するとわかりやすいです。それは、手首・足首・首の動きと体重移動です。
手首・足首・首の動きは、体の末端の動きです。また、体重移動を意識する
というのは、体の重さの中心である重心の移動を意識するということです。

 つまり、体の末端の動きと中心の動きを考え、
+それぞれが体のほかの部分の動きとどう関係しているか、
+体の末端の動きが、体のほかの部分の動きにどうつながっていくか、
+体の中心を移動する動きが、体のほかの部分の動きにどうつながっていくか
この3つを理解していくと、体まるごと全体の連動がわかりやすいというこ
とです。

**3. 手首の動きをきっかけに
 そのなかでいちばんわかりやすいのが、手首の動きが全身にどう伝わって
いくかなので、今回は手首の動きを全身に伝えるということを説明していき
ます。

 手首の動きをきっかけに、その動きをまず肘に伝え、肩、肩甲骨、鎖骨を
通して胸骨・肋骨・背骨に伝え、背骨から骨盤を通して足に伝えていきます。

 一応、こういう動きも一人操体として行うので、そういうふうに手首から
の動きを体のあちこちに伝えながら、より深い気持ちよさの味わえるタワメ
の間の姿勢を探していきます。

 そして、体重をどちらに移動させると、よりイイ感じか確かめ、イイ感じ
のほうに体重を移動させます。

 手首の関節を動かす、掌屈・背屈、橈屈・尺屈、左右捻転の中では、捻転
の動きがいちばん遠くに伝わりやすいので、きっかけとしてよく使われます。

 また、手首を動かすときには、小指に意識をおいた方が動きがまとまりや
すいので、小指側に意識をおいて動かすようにします。


***3.1.腕を水平に上げた状態から手首を捻転
 初めは大きな動きの方がわかりやすいので、まず腕を横に床と水平になる
ように上げてみてください(写真1)。
&ref(so08p01h.jpg)写真1

 ここからは、実際に自分で動いて確かめながら読んでみてください。

 両方の小指側を手の甲の方に捻ることをきっかけにして、その動きを肘、
肩・肩甲骨・鎖骨を通して背骨に伝えていくと、体が前屈していきません
か? この場合には、お尻を後ろに突き出して体重をすこし後ろに移動さ
せるとイイ感じになりませんか?(写真2)
&ref(so08p02h.jpg)写真2

 両方の小指側を手のひらの方に捻ることをきっかけにして、その動きを
肘、肩・肩甲骨・鎖骨を通して背骨に伝えていくと、体が後屈していきま
せんか? この場合には、腰を前に突き出して体重をすこし前に移動させ
るとイイ感じになりませんか?(写真3)
&ref(so08p03h.jpg)写真3

 片方の小指側を手の甲の方に捻り、もう一方の手の小指側を手のひらの
ほうに捻ることをきっかけにして、その動きを肘、肩・肩甲骨・鎖骨を通
して背骨に伝えていくと、小指を手の平の側に捻転した方に体が捻転して
いきませんか? そして体重をそちら側の足に移していくとイイ感じにな
りませんか?(写真4)
&ref(so08p04h.jpg)写真4

***3.2.腕を下げた状態で手首を捻転
 こんどは、腕を下げ垂らした状態から手首を捻転させることをきっかけ
にしてみましょう。すこし手を体から離した状態からの方が捻転しやすい
と思います。

 片方の小指側を手のひらの方に捻ることをきっかけにして、その動きを
肘、肩・肩甲骨・鎖骨、背骨を通して腰や脚に伝えていくと、体全体が手
首を捻転したほうに捻転していきませんか? 体重もそっちに移したほう
がイイ感じになりませんか?(写真5)
&ref(so08p05h.jpg)写真5

 片方の小指側を手の甲の方に捻ることをきっかけにして、その動きを肘、
肩・肩甲骨・鎖骨、背骨を通して腰や脚に伝えていくと、体全体が手首を
捻転した手と反対側の手のほうに捻転していきませんか? 体重も反対側
に移したほうがイイ感じになりませんか?(写真6)
&ref(so08p06h.jpg)写真6

 両方の小指側を手の甲の方に捻ることをきっかけにして、その動きを肘、
肩・肩甲骨・鎖骨、背骨を通して腰や脚に伝えていくと、体が前屈してい
きませんか? この場合には、お尻を後ろに突き出して体重をすこし後ろ
に移動させるとイイ感じになりませんか?

 両方の小指側を手のひらの方に捻ることをきっかけにその動きを肘、肩・
肩甲骨・鎖骨を通して背骨に伝えていくと、体が後屈していきませんか? 
この場合には、腰を前に突き出して体重をすこし前に移動させるとイイ感
じになりませんか?

 片方の小指側を手の甲の方に捻り、もう一方の手の小指側を手のひらの
ほうに捻ることをきっかけにして、その動きを肘、肩・肩甲骨・鎖骨を通
して背骨に伝えていくと、小指を手のひらの側に捻転したほうに体が捻転
していきませんか? そして体重をそちら側の足に移していくとイイ感じ
になりませんか?

***3.3.手をいろいろなところで捻転させる
 手をいろいろな位置において手首を捻転することをきっかけにしてみま
しょう。
 たとえば、胸の前に手を横、つまり床と平行において、小指側を手のひ
ら側に回す手首捻転をきっかけにしてみると、体全体は前屈していきませ
んか? そして、お尻を後ろに突き出して体重を後ろに移動するとイイ感
じが増えると思います。(写真7)
&ref(so08p07h.jpg)写真7

 逆に、小指側を手の甲のほうに回す手首捻転をきっかけにすると、体全
体は後屈していきませんか? そして、腰を前に突き出して体重を前に移
動するとイイ感じが増えると思います。

 手のひらをほほにつけた状態や頭の後ろにつけた状態で手首捻転してみ
るとどうなるでしょう? 肘を直角に曲げた状態で手をいろいろな位置に
置き、手首捻転してみるのも面白いですよ。たとえば、上腕を床に水平に
して肘を直角に曲げ、前腕を垂らした状態と、逆に前腕を上げた状態で、
小指側が手の甲側に回る手首捻転をしてみると、体全体の動きは正反対に
なりますね。確かめてみてください。

 両手を合掌させたり、手を組んだ状態から手首を捻転させてみるとどう
なるかも確かめてください。

***3.4.手首の背屈・掌屈、橈屈・尺屈をきっかけに
 捻転以外にも、手首をいろいろなところにおいてから、反らしたり(背
屈)、手のひら側に曲げたり(掌屈)、親指側に曲げたり(橈屈)小指側
に曲げたり(尺屈)することをきっかけに、それらの動きを肘、肩・肩甲
骨・鎖骨、背骨を通して全身に連動させてみてください。

 いちど一通りやっておくと、体の動きが理解しやすくなるし、二人操体
でのタワメの間がみつけやすくなります。

 たとえば、手を垂らした状態から手首を親指側に曲げていく(橈屈)と、
肘が曲がり、指先が肩まで上がっていき、肘がだんだん上がり、体を後屈
する動きが生まれてきませんか? この場合には、やはり、腰を前に突き
出して体重を前に移すとイイ感じが増えると思います。(写真8)
&ref(so08p08h.jpg)写真8

 また、両手を合掌させたり、手を組んだ状態から背屈・掌屈、橈屈・尺
屈をきっかけにするとどうなるかも試してみてください。

**4. 腕の動きと手首捻転の関係
 いままでは手首の動きを肘肩などを通して体全体に伝えてみましたが、
それ以外にも試してみるとおもしろい関係があります。腕を伸ばしたり縮
めたりする動きと、手首捻転の関係です。

 手を前に伸ばしたり、上に伸ばしたりするときには、手首をどう回転す
るとやりやすいでしょう? 小指側が手の甲の側に回る手首捻転をすると、
手を伸ばしやすくなりませんか?(写真9)
&ref(so08p09h.jpg)写真9

 逆に手を前や上に伸ばした状態から縮めてくる場合には、小指側が手の
ひら側に回る手首捻転をすると、手を縮めやすくなります(写真10)
&ref(so08p10h.jpg)写真10

 これから操体をしていくときに、このあたりのことがしっかりわかって
いると、そのときしている操体のタワメの間が決まりやすくなります。声
をかけて、手首を捻転しやすいほうに捻転してもらうだけで、より深い気
持ちよさを味わってもらえます。

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