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術伝流操体no.62 - (2015/03/14 (土) 11:17:34) のソース

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術伝流操体no.62
【5】応用篇 (15)応用講座の症例:ひどい腰痛
&size(24){&color(green){ひどい腰痛}}
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#contents
*1.はじめに
 「酷い腰痛があります。それと、立ち仕事ですので脹脛がパン
パンです」というメールが来ました。

 講座にいらしたときに詳しく聞いてみました。

 「今は、左の腰椎部~骨盤の辺り、特に外寄りが突っ張った感
じで痛みが出ている。キッカケは、交通事故にあった2年位後に、
バス旅行で5時間ほど狭い場所にいたことで、その後に腰痛が出
てきた。それまでは腰痛持ちではなかったが、それ以来、よく腰
痛が出るようになった」とのこと。

*2.操体をしてみた
**2.1. 先ずは、痛い側上の横向き寝から
 先ず、痛い側を上にした横向き寝になってもらいました。

 そして、「姿勢を変えたくなったら、変えて構いませんから」
と声を掛けてから、操体を始めました。

 腰を前に押しながら、肩は前がいいか後ろがいいか聞いたら、
後ろでは痛みが出るということで、肩も前にする操体をしました
(写真1)。

 上になっている左側面を丸めながら、前側に倒していくような
感じで、皮膚の操体をしました。

&ref(DSCF4364.jpg)写真1

**2.2. うつ伏せ寝から
 姿勢を変えたくなったということで、仰向けとうつ伏せを比較
してもらったら、うつ伏せの方がラクということで、うつ伏せに
なってもらいました。

 左右の足を比べてみると、左足の方が真っ直ぐ伸びてしまって
いる状態でした(写真2)。

 左足首をケガしているので、曲がりにくく、それも関係してい
るかもしれないとのことでした。

&ref(DSCF4366.jpg)写真2

 左足の方が悪そうなので、先ず左足をキッカケにする操体をし
てみました。

 左足を立てて足首回しをしてみました。内側に回転する方がイ
イ感じとのことでした。首の向き、左右の手の位置もラクな方を
選んでもらったら、腹の息が深くなっていきました(写真3)。

&ref(DSCF4369.jpg)写真3

 それから、立てた左足を内外に倒してみたら、外に倒すと痛み
が出るので、内に倒す方が良いということでした。左殿部の皮膚
を内側(背骨側)にズラしたら、イイ感じということで、付け加
えました(写真4)。

&ref(DSCF4370.jpg)写真4

 この状態で、左右差は少なくなっていました(写真5)。

&ref(DSCF4372.jpg)写真5

 そして、両足をキッカケにするものも順番にしてみました。 

 膝倒し(写真6)の左右差が大きかったです。

&ref(DSCF4379.jpg)写真6

 尻叩きは、両方とも硬くできませんでした。多分、大腿前側が
硬いせいだろうからという話をし、仰向けのときに診てみること
にしました。

 まだ、左足が外を向いている傾向だったので、それを強調する
意味もあって、左足のカエル足操体をしてみました。足の指裏
(4,5指)のシコリを押して痛みが減るまで、膝を曲げてもらい
ました(写真7)。

&ref(DSCF4380.jpg)写真7

 それから、少し強めに指裏を揉んで解しました。

 そしたら、うつ伏せでの爪先の向きの左右差は、ほとんど無く
なりました(写真8)。

&ref(DSCF4382.jpg)写真8

**2.3. 仰向け寝から 
 仰向けになってもらい、膝立ての姿勢から、膝裏のシコリを見
付け、少し痛くし、その痛みが減るように膝を曲げていってもら
いました(写真9)。

&ref(DSCF4384.jpg)写真9

 次は、膝倒し(写真10)。左に倒す方がイイ感じとのことでし
た。

&ref(DSCF4385.jpg)写真10

 それから、足を伸ばしてもらい、指裏を診ていきました。尻叩
きができなかったことから足陽明経の硬さが予想されました。足
陽明経の2指裏を探ったら、案の定、シコリが見つかりました
(写真11)。特に、左側がすごく硬い状態でした。

 この部分が硬いと、大腿部の足陽明つまり前面も硬く、うつ伏
せ尻叩き、正座で仰向けといった姿勢がやりにくくなります。

 左足2指裏を刺激しながら、左大腿部の伏兎辺りに出ていたツ
ボを按摩しました(写真12)。

&ref(DSCF4387.jpg)写真11
&ref(DSCF4388.jpg)写真12

 しばらく按摩していたら、お腹の胃の辺りが動いた感じがして、
ラクな感じになってきたということでした。同じ頃、大腿部や指
裏も弛んだ感じもしたので、この部分の按摩を終えました。

 次は、踵伸ばし。左右交互に踵を突き出してもらったら、左は
力が入らないということで、右を押してもらいました(写真13)。
そしたら、左足も力を入れて押せるようになりました。

&ref(DSCF4391.jpg)写真13

 その後、足揺らしをしたら、両方同時に畳の方へ下げる感じの
揺らしが良いということでした。揺れがスムーズに頭まで連動し
ていったので、寝た姿勢での施術を終えました。

**2.4. 立位で、前後屈と左右捻転
 ゆっくり立ち上がってもらったら、ラクになった、左横のツッ
パリがすごく軽くなったとのことでした。

 前後屈をしてもらったら、後屈はラクだが、前屈は、手の平が
膝下の辺りまで曲げると、左腰にツッパリが出るとのことでした
(写真14)。

&ref(101114%EF%BD%9424.jpg)写真14

 左側を中心に、余分に後屈をしてもらいました(写真15)。し
ばらくして止め、また前屈してもらったら、指先が足首辺りまで
ラクに届くようになりました(写真16)。

&ref(DSCF4394.jpg)写真15
&ref(DSCF4395.jpg)写真16

 左右捻転にも左右差があり、左の方に回りやすいということで
した。ラクな左の方を余分にしてもらったら(写真17)、やりに
くかった方もラクにできるようになりました(写真18)。

&ref(DSCF4396.jpg)写真17
&ref(DSCF4397.jpg)写真18

**2.5. 座位で仕上げ
 立姿勢での動作制限がなくなったので、座位での仕上げに移り
ました。

 先ずは、頭の後ろで手を組んだ座位で、胴体の3軸のイイ感じ
の方を選んでもらい、それに重さの操体を加えました(写真19)。
体重を戻したくなるまで、十分に操者の手に体重を掛けてもらい
ました。

&ref(DSCF4401.jpg)写真19

 すごく気持ちよく、コリが解れていくということでした。

 終わりに、手の指揉みをしました(写真20)。

&ref(DSCF4402.jpg)写真20

*3.おわりに
 そしたら、普段はやりにくいという正座も、すごくラクにでき
るようになったとのことでした。尻〜大腿後側、腹〜大腿前側、
膝裏〜脹脛などが弛んだせいと思います。

 しばらく按摩したり操体したりしていると、シコリが弛んでく
る、症状が重いわりには、弛みやすい体の人でした。それで、自
分でも、左右差のある動きがあったらイイ感じの方を余分にする
操体をしたり、手足の指揉みをしたりするよう伝えました。


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