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術伝流操体no.92 - (2015/03/25 (水) 18:10:42) のソース

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術伝流操体no.92
【6】自然則篇 (28)丁度よく釣り合った感じ
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#contents
*1.はじめに
 先回書いた「自立のために症例を残す」ために、ポイントにな
りそうなことを書いていきます。

 症例として残せるような操体をするためには、現在の自分の周
りの受け手の、その日その時の状態にピッタリ合い気持ち良いと
感じてもらえる操体ができることが必要です。

 私は、そのためにポイントになるのは、操体用語で言えば、
「タワメの間」になっていることが分かることなのではないかな
と思っています。

*2.「タワメの間」の始まりと終わり
 操体は、「動診」「タワメの間」「瞬間脱力」の3段階に分け
ることができますね。

 「瞬間脱力」の後の「休息」も入れて、4段階にしてもよいと
思います。が、技術として身に付ける必要性が高いのは、「動診」
「タワメの間」「瞬間脱力」の3段階と思います。

 このうち、「動診」というのは、色々と動いて、気持ちの良い
感じがより深くなるような姿勢を探していくことです。そして、
その結果、その時に探せた、一番気持ち良さが深そうな姿勢が
「タワメの間」だと、私は思います。

 そして、「タワメの間」が終わった時にするのが「瞬間脱力」
ですね。

 つまり、いつから「タワメの間」が始まり、いつ「タワメの間」
が終わったか、判断できることが、操体臨床のポイントの一つと
思います。
 
*3.丁度よく釣り合った感じ
 「タワメの間」が始まった時は、丁度よく釣り合った感じがし
ます。「動診」している間は、操者の手の平に、引き込まれるよ
うな感じ、または、押し返されるような感じのどちらかがありま
す。

 「タワメの間」に入った途端に、引き込まれるような感じも、
押し返されるような感じも、どちらも消えます。引き込まれもし
ない、押し返されもしない、正に、丁度よく釣り合ったというこ
とだと思います。

 ですから、「タワメの間」の間は、その丁度よく釣り合った状
態を維持するようにします。

 丁度よく釣り合うというのは、2つ以上の力が働きながらバラ
ンスが取れているということだと思います。力が働いていない状
態ではありません。

 こういう感じの「タワメの間」の時の受け手の状態と、瞬間脱
力した後に「休息」している時の受け手の状態とは違います。

 「休息」している時は、丁度よく釣り合った感じはなく、どち
らかと言えば、力がほとんど働いていない状態になっているよう
に思います。

 「休息」中にも、「動診」「タワメの間」「瞬間脱力」の動き
が生まれることもあります。が、それ以外の時は、力が余り働い
ていない状態と思います。

 前にも書いたと思いますが、「タワメの間」が長い場合は、丁
度よく釣り合った感じの他に、受け手の呼吸が深くなるという変
化もあります。

 ですから、丁度よく釣り合った感じを維持するとともに、受け
手の呼吸が深いままの状態も維持することにも気を使います。と
いうか、その2つが、まるで同じことをしている感覚があります。

*4.丁度よいタワメは、ノビやアクビの感じ
 この丁度よく釣り合った「タワメの間」の感じは、気持ち良い
ノビやアクビができた時の感じに似ています。というよりも、ま
るで同じもののように感じます。

 ノビやアクビは、普通は、自分が一人でするものです。操体で
も、一人操体をしている時のタワメも同じですね。

 二人組での「動きの操体」、特に、臨床の場での二人組での
「動きの操体」の場合は、他人のタワメの丁度良さを把握するこ
とが必要になります。

 そのためには、自分で気持ちの良いノビやアクビができた時の
感じを思い出し、手の平で、受け手のタワメが丁度よいものになっ
ているかどうかを判断する必要があります。

 ですから、自分やノビやアクビ、そして、一人操体などで、丁
度よい感じが出た時に、片手で丁度よい感じが出た部分を触って
みたりするのも、手の平でタワメの丁度良さを判断する感覚を身
に付けるのに役立ちます。

 そして、手の平で感じていることには、手の平で触っている受
け手の皮膚の様子も含まれています。ですから、こういう風に身
に付けた丁度よさを判断する感覚は、二人組での皮膚操体のタワ
メの丁度よさを判断するのにも使えます。

 というか、「動きの操体」と「皮膚の操体」でのタワメの丁度
よさを判断する感覚に、本質的な差はなく、ほとんど同じものの
ように思えます。

 また、ノビやアクビ、一人操体でのタワメの気持ち良さの感覚
も深く味わってみることを勧めます。操体臨床を積み重ねていく
と、受け手がタワメに入った時とほぼ同時に、操者自身もタワメ
に入った感じを受けることが多くなります。

 操体操者と受け手の体がシンクロしている感じの現象が起きる
ことが多くなっていくように思います。

*5.「重さの操体」の丁度よさは、ヤジロベエ
 中腰尻振り運動などの「重さの操体」では、どうでしょう。こ
の場合のタワメの丁度よさは、ヤジロベエのような重さの釣り合
いになります。

 立ち姿勢での「重さの操体」の場合は、特に、片足にすっかり
体重が移動してしまった場合などは、ヤジロベエや竿秤(さおば
かり)のような「重さの釣り合い」そのものです。

 ただ、二人組では、「重さの操体」でも、操体操者は、主に、
手の平の皮膚感覚で丁度よさを判断します。ですから、その感覚
は、「動きの操体」や「皮膚の操体」と、余り変わらず、ほとん
ど同じものになるように思います。

 少し重さを意識する程度の違いしかないように思われます。竿
秤(さおばかり)のオモリの位置を指先の感覚で丁度よく調整し
ているような感じがあります。

*6.おわりに
 今回に書いたような内容は、写真や動画でも表現するのは難し
いように思います。自分で一人操体をしたり、二人組での操体を
したりの経験を重ねることが大切と思います。

 一人操体では、体の内側に意識を向け、気持ち良さが深くなる
姿勢(タワメ)を探して、ゆっくりゆっくり動いてみてください。

 二人操体では、受け手側は、可能な範囲で、自分の体の状態を
口に出してください。操者側は、受け手側が言っている状態と、
自分が手の平などで感じている状態を比較しながら、受け手の体
が丁度よいタワメに入れるように、抵抗・支持・援助を工夫して
みてください。

 そういう体験を繰り返していくことで、今回に書いたような
「丁度よく釣り合った感じ」を保つことができるようになってい
きます。


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