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術伝流操体no.90 - (2016/09/06 (火) 09:17:09) のソース

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術伝流操体no.90
【6】自然則篇 (26)「自立」を目指すのも「自力」
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#contents
*1.はじめに
 先回は、アクビの様式化という共通点を持つ東洋的物理療法の
中での操体の特徴である「気持ち良さ」と「自力」の2点につい
て書きました。

 今回は、「自力」で判断できるようになっていくと、伝え手
(操者、師匠など)から自立できるという話です。

*2.「自力」で判断できるとは
 「自力」で判断できるって、どういうことでしょう。私は、
「自分の体の原始感覚で感じたことを、伝えられた自然法則に基
づいて、方針を決めていくこと」が、自力で判断することだと思
います。

 ですから、自力で判断するためには、自然法則を理解している
ことが前提になります。

 操体の本に書かれていたり、伝え手が実演したりしていること
を、そのまま口に出したり、実行したりできることは、初心者の
うちは必要なことではあります。

 が、それだけでは、自力で判断し、自力で操体をできるように
は、なかなか、なりませんね。そういうレベルでも、操体講座の
中では可能だし、練習生同士でも可能だと思います。

 けれど、そのレベルでは、自分一人で自分の家で操体したりと
か、あるいは操体を知らない人に適切な操体をすることは、上手
く行ったり行かなかったり…という段階と思います。操体を学ん
でいく上で、多くの人が出会う壁の一つと思います。

 自然則を理解し、それに基づいて、他人の体の感じる気持ち良
さが把握できるようになることが必要です。そういうことができ
るような勘を磨いていくことで、その壁を超えられると思います。

 初心者のうちは、分からないことは、どんどん伝え手(師匠な
ど)に質問するのが良いと思います。ただ、いつまでも聞かない
と判断できないというのは、自然則を理解したとは言えないと思
います。

 自然則をしっかり理解すれば、その自然則に基づき、受け手の
体の様子から、受け手の体がその時に望んでいるだろうことを磨
いた勘で感じることができます。

 そして、感覚的に把握したことを適切に実行し、実行したこと
に対する受け手の体の反応にも丁度良く合わせていくことができ
るようになります。そうなって初めて、自力で判断できるように
なったと言えると思います。

*3.自力で判断できると、自立できる
 師匠に一々聞かなくても、自力で判断できるようになると、師
匠から自立できるようになります。師匠が直ぐ近くにいなくても、
自力で判断できるからです。

 そういう段階になっても、分からない点が出てきたら、メール
したり、電話したり、あるいは、会って相談したりすることは必
要と思います。

 ただ、四六時中聞かないと分からないようでは自立できません
ね。少しずつでも良いから、自分で判断できることを増やしてい
きましょう。

 自分で判断できるようになると、受け手に説明する時も、師匠
の言葉をそのまま使うよりも、自分の言葉で説明した方が伝わり
やすくなっていくでしょう。そして、その方が、受け手に伝わり
やすいことが多くなっていきます。

 そんな風になれると、だんだん、師匠から自立した一人前の操
体操者になっていけると思います。

 そういう感じで、自分の体で感じたことを、伝えられた自然則
から判断し、師匠から自立していくことも、操体で言う「自力」
の一部と思います。

*4.受け手や患者さんにも、自然則を理解し自立してもらう
 自分が操体操者として自立できるようになったら、伝え手とし
て、受け手にも、自然則を理解し、だんだん自立してもらうよう
にしていきましょう。

 それには、伝えられた自然則を、自分の言葉で分かりやすく伝
えることが大切と思います。

 そして、治療院などに患者さんとして来た人にも、少しずつ自
然則を伝え、理解してもらえるようにしていきましょう。そして、
自宅で一人操体できるように、あるいは、家族と組んで操体でき
るようになっていってもらえるように助言していきましょう。

 それが、『万病を治せる妙療法 操体法』(農山漁村文化協会)
のp124~p126にある「他力でなく自力が最高」「自分で守る自
覚を」の意味だと思います。

 まぁ、あまり急いで伝えても、理解してもらえなかったり反発
されたりすることもありますね。ですから、ゆっくり少しずつ伝
えていくことも大切と思います。

 受け手が押し付けと感じるようだと、実行してはもらえないと
思います。自然の法則なので、時に応じて少しずつ伝えていき、
だんだん理解してもらえるようにしていきます。

*5.おわりに
 受け手に自立してもらうことは、頼られすぎないという面から
も大切と思います。

 私が若い頃に注目していた東洋的物療の達人は3人いました。
その頃は手技運動療法に興味を持っていて、鍼灸にはあまり関心
がなかったので、手技運動療法の人です。操体の橋本敬三先生、
野口整体の野口晴哉先生、経絡指圧の増永静人先生の3人です。

 野口先生と増永先生は、比較的に若くして他界されました。そ
れを知った時、私はビックリしました。お弟子さんたちにも、健
康法の達人が比較的早く他界されたことにショックを受けた人が
いたようです。

 それに比べると、橋本先生は長生きしました。違いは何なのか
なと考えざるを得ませんでした。

 ちょっと書きにくいことなのですが、橋本先生と比較すると、
二人の先生は、お弟子さんや患者さんに頼られすぎたように思い
ます。そのことが、若くして他界されたことと関係しているよう
にも思います。

 そういう二人の先生に対して、橋本先生は自然則だけ伝えて、
後は自分達で工夫しなさいと手放した感じがします。

 それだけ、受け手に自立してもらうのは難しいことなのかもし
れないなと思います。でも、「自力」ということを考えると、自
立してもらうことは大切と思います。


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