「術伝流操体no.87」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

術伝流操体no.87 - (2018/05/07 (月) 13:41:58) のソース

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) 
------
術伝流操体no.87
【6】自然則篇 (23)橋本敬三先生の一人自力操体の動画
&size(24){&color(green){橋本敬三先生の一人自力操体の動画}}
------
#contents
*1.はじめに
 術伝流操体ということで書いてきましたが、一般的に思われて
いる操体とずいぶん違うなと思われた人もいるかと思います。操
体というと、「瞬間脱力」という言葉を思い浮かべる人が多いよ
うですし。

 私は、操体の業界用語では、「逆モーションバック運動」の方
が、より操体の特徴を表す言葉のように思います。

 私が操体を習った橋本先生の高弟の先生は「橋本先生の瞬間脱
力は、何時何処でしているか分からない位だった」とおっしゃっ
ていました。

*2.橋本先生の一人自力操体での瞬間脱力
 その言葉を聞いた後で、橋本先生が自分の不調に対し自分で操
体している映像を見て、なるほどと思いました。その動画は、現
在、NHKからDVDで出ています(『操体法 橋本敬三の世界 温古
堂診療室から』NHKエンタープライズ)。

 1976年7月17日にNHKのテレビ番組として放送されたものと、
1981年6月にラジオ番組として放送されたものが収録されていま
す。

 このDVDに収録された映像を見て、橋本敬三先生が「瞬間脱力」
と言っていたものは、こういうものだったのか、少なくともこう
いうものも含むものだったのかと、感心したのを覚えています。

*3.橋本先生がしていた操体を掴む
 私が、この術伝流操体を書き始めたのは、この動画で橋本敬三
先生が自分でしているような操体を伝え残したいということも動
機の一つです。

 先ずは、橋本先生が一人操体として動画でされているような動
きを自分ができるようになりたいと思い、工夫をしてきました。
そして、長男(1989年8月生)が生後半年ほどの頃にノビをし
ているのを見た時に、橋本先生の操体の動きと似ているなと思い
ました。

 そして、操体というのは、新しいことを習い覚えることではな
く、赤ん坊の頃には、誰でも皆、自然にしていたノビやアクビを
思い出すことなんじゃないかなと思いました。

 橋本敬三先生も「おんころや語録」の中で

「生まれたばかりの赤ちゃんを見よ。しょっちゅう手足を動かし
ている。ほとんど意識がなく、無意識に体を動かしている。痛い
ことなど決してしない。決まった動きも何もない。ただ無意識に
体を動かしている。
 自然にバランスがとれるように設計されている。赤ちゃんは知
らなくても知っている。…」

と書き残していますね。

 「おんころや語録」について、詳しくは[[術伝流操体no.93]]を
読んでください。 
 
*3.操体は、アクビの様式化・技術化
 そうなんです。前にも書いたかもしれませんが、私は、操体っ
てアクビによく似ていると思います。

 操体は、「動診」「タワメ」「瞬間脱力」という手順に分解さ
れますが、アクビも同じですね。

 先ず、ゆっくり、それまで縮んでいた部分を伸ばしながら、気
持ち良い姿勢を探していきます(動診)。気持ち良い姿勢が見つ
かったら、しばらく、その姿勢を維持し気持ち良さを味わいます
(タワメ)。

 そして、アクビの場合に多くは、気持ち良さを味わっている間
は、口を大きく開けているので、その口をフッと閉じるとともに
脱力します(瞬間脱力)。しかし、その瞬間脱力は、速いけれど、
短い時間の動きです。動く距離も短く、歯と歯が衝突することは
ありません。

 終わった後に深い呼吸になるというのも、アクビと、上手く行っ
た時の操体、その2つの共通点ですね。そういうことから、私は、
操体というのは、アクビを技術にしたもののように思っています。

*4.東洋的運動療法は、アクビの技術化
 操体に限らず、東洋的運動療法には、アクビの技術化という面
が強いように思います。

 気功や、健康法としての太極拳は、アクビの初めのステップ、
操体で言う「動診」の部分を技術化したもののように思えます。
そう言えば、気功には、「五禽戯」という5つの動物の動きが
元になっているというものもありますね。

 ヨガ(ハタヨガ)は、アクビの2番目のステップ、操体で言う
「タワメ」の部分を技術化したもののように思えます。真向法な
ども、分類としては「タワメ」型かなと思います。

 アクビの3番目のステップ、操体で言う「瞬間脱力」を技術に
したのは、野口整体の操法、指圧の衝圧法、吉田流按摩の筋揉み、
武術系の活法などのように思えます。

 操体は「瞬間脱力」と思われていますが、実際には、列挙した
方法の方が「瞬間脱力」を多用しているように、私は感じていま
す。

 操体は、3つの要素が全て揃っているので、一番アクビに近い
感じがしています。

*5.橋本先生のしていた操体を伝え残す
 私は、動画で見た橋本先生が自分の不調を調整していた一人操
体の動きを、臨床の場で受け手にしてもらいたいなと思いました。
そして、できれば、受け手が、自宅で、そういう操体を自分が不
調な時にすることを習慣にしてもらいたいなとも思いました。

 また、私以外にも臨床の場で、こういう操体を誘導できる人が
沢山いると良いなと思いました。

 だから、それを説明するために、この術伝流操体の元になった
話(「操体もくもく」操体掲示板)を書きましたし、習得法や伝
達法を工夫して、講座を開いて伝えてきました。

 そして、それらの経験を振り返って、講座の場で写真も撮らせ
てもらい、この術伝流操体を書いてきました。


   次へ >>> [[術伝流操体no.88]]


-----
   >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]

   >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.87]]

   >>> 術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
-----
術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
-----
-----
*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

**感想・間違いなど
 感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
 「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
----
   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
----