「術伝流操体no.82」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

術伝流操体no.82 - (2020/08/29 (土) 05:42:39) のソース

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) 
------
術伝流操体no.82 
【6】自然則篇 (18)自炊は無理なく
&size(24){&color(green){自炊は無理なく}}
------
#contents
*1.はじめに
 食の自然則の続きです。

 先回は、現在では、和食を多くし添加物を少なくすることが大
切と書きました。橋本敬三先生が本に書かれた頃との大きな違い
が、 洋食化と添加物の多さだからです。繰り返しになりますが、
特に、外食や中食では、カタカナ食や添加物を避けるようにした
方が良いです。

 しかし、外食や中食ばかりでは、カタカナ食や添加物を避ける
のは、かなり難しいです。ストレスを溜めてしまって、反動が起
きて、続けられなくなってしまうことも多いでしょう。私も、そ
ういうことを何度も繰り返してきました。

 少しずつ自炊を多くしていった方が、現在では、橋本先生の書
き残した「食の自然則」を実践しやすいです。

*2.できるだけ手間をはぶく
 自炊を身に付けるコツは、先ず「できるだけ手間をはぶく」こ
とです。時間や手間が掛かるようでは、続きません。 

 私は、今、一人暮らしで、基本的に自炊です。時間が掛からな
いように工夫しています。沢山は作らず、先ずは、一品を目指し
ます。一汁一菜よりも簡単にします。また、ほっておいても調理
できる道具や方法、後片付けがラクな道具を利用します。

 昼飯は汁ソバ、夕飯は汁かけ飯の一品料理が基本です。それぞ
れ季節の野菜を中心に、魚肉類、野菜、穀物が1:2:4の「歯
の本数」になるようにします。無理しても続かないので、1週間
単位くらいで適当な割合になれば良いなと思っています。

 朝は、コーヒーか緑茶で目覚まし、果物があれば食べます。コー
ヒーは有機のインスタント、緑茶は無農薬の粉末茶。果物は頂き
物が多いですが、好きな柿やミカンは取り寄せたりもします。

 昼は、ソバです。真夏は、ザルにして薬味。ダシは、前日に、
粉の昆布とカツオ節、醤油と味醂に、水を足します。この時、つ
いでにワカメやモズクなど乾燥海草も入れます。1日経つと良い
ダシが出ています。

 前は、1周間に一度ダシを大量に作って使っていましたが、粉
ダシなら時間が掛からないので、前日に毎日作るようになりまし
た。

 それ以外の薬味は、葉ネギを中心に、シソ、ミョウガなど。

 香辛料は、唐辛子、山椒、柚、ゴマで、唐辛子と柚子は粉、山
椒とゴマは、ミル付き容器に入れておき、引いています。あれば
青海苔(アオサ)、荏胡麻、韃靼蕎麦。

 葉ネギと香辛料は大好きなので、美味しいものを探しました。
香辛料は七味を使っていましたが、探しているうちに単品を組み
合わせることになりました。

追記:2016.11.17 この夏の昼蕎麦 ーーーーーーーーーーー
[[この夏の昼蕎麦>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160726]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 真夏以外は、汁蕎麦です。ツユは、羅臼昆布を糸状にハサミで
チョキチョキ、サバ節を手で握りつぶし、酒粕を刻み、醤油と味
醂、水で適量に薄めます。

 それに、ワカメやモズクなどの乾燥海草、青ネギ、大根下ろし
などを入れます。香辛料は真夏と同じです。チリメンジャコ、桜
エビ、牡蠣、ホタルイカ、や魚のアラなど入れることもあります。



 そして、夜用の蒸し物を準備も昼にします。と言っても、洗っ
て、炊飯器にセットするだけです。炊飯中の蒸気を利用して蒸し
物ができる道具を使っています。

 炊飯器の中に入れるタイプ(商品名:おかず倍増計画)には、
根菜やカボチャなど蒸し時間が長いものに向きます。脚付きで、
水とコメの上にセットします(写真1)。

&ref(DSCF5664.jpg)写真1

 上に置くタイプ(商品名:炊飯蒸籠)には、枝豆、葉物、魚介
類など蒸し時間が短いものに向きます(写真2)。 

&ref(DSCF3771.jpg)写真2

 また、煮物などには、保温調理鍋(商品名:シャトルシェフ)
も利用します。

 夜は、基本は、味噌汁かけ飯です。

 枝豆など蒸しあがっていれば、調理前に先に食べたりもします。 

 蒸した根菜などと、切った小松菜などの葉物を水と鍋に入れ、
沸騰したら火を止め、味噌とカレーペースト(商品名:カレーの
壺)やカレー粉を溶きます。夏はカレーペーストやカレー粉が
多目に、冬は少な目になります。

 冷凍のサバなどあれば、昼に冷蔵庫に移しておき、沸騰してか
ら入れれば、3分ほどで煮えるので、そこで火を止め味噌などを
入れます。

 ナベは、火を止めても冷めにくいタイプを使っています。

追記:2016.11.17 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[[イカゲソとオクラの味噌カレー>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160720]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 後片付けのついでに、次の日の夕飯用の玄米を炊飯器にセット
します。

 昼夜ともに準備に30分位しかかりません。外食に行ったり、
中食を買いに行ったりと比較して、時間はあまり変わりません。

 どちらも漬物などあれば、添えます。浸かり過ぎたものは、刻
んで夕飯の汁物のダシとして使ったりもします。 

 楽しんでしていることもあり、疲れているとき以外は、苦にな
りません。洗い物も少なくて、直ぐ終わります。

 洗うのが面倒なので、油を使った料理を自分で作ることは、殆
ど無くなりました。揚げ物など食べたくなれば、スーパーで買っ
ています。

 漬物も放っておいても調理できる方法と思います。私は、野菜
は三五八漬けにしています。と言っても、だんだんと手抜きをし
て、塩と糀を野菜にまぶして重しを置いただけです。夏はキュウ
リなど、冬はラディッシュなど。

 イカのキモの味醂醤油漬け(写真3)、ホタルイカやシロイカ
の塩辛、冷凍塩サバを使った〆鯖なども作ります。皆、セットし
ておけば、ほっといても調理できてしまうからです。

&ref(DSCF4045.jpg)写真3

 講座の日曜日の弁当も、玄米小豆御飯(ジャコや乾燥タケノコ
の炊き込むことも)に、カレー味噌汁系の煮物や、梅干し、海苔、
金山寺味噌、三五八漬けが基本です。煮物を保温調理鍋などで作
っておけば、ご飯が炊き上がったら詰めるだけです。

 前の日の夕飯の時に次の日の弁当分の煮物を一緒に作ってしま
い、半分を冷蔵庫に保存しておいたりもします。

 二十日大根は三五八漬けにすると、中の方までピンク色になり、
見た目にもきれいです(写真4)。

&ref(DSCF4584.jpg)写真4

 時間が無ければ、納豆に適当なものを混ぜてオカズにしたりも
します。葉ネギを刻んで削り節と醤油を混ぜたもの、サバ缶にタ
マネギやトマトを刻んで混ぜたものとか。

**2.1. 蕎麦とルチンについて
追記:201611.17 蕎麦の栄養について分かりやすいものを
見付けたので、紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
蕎麦と栄養(松本市浅間温泉の手打そば「あるぷす」)

私達の生命の維持や成長に欠かせないタンパク質。そばは
このタンパク質が白米の約2倍含まれています。その上タ
ンパク質中の必須アミノ酸の含有量とのバランスがすこぶ
る優れているのです。必須アミノ酸は体内で作ることが出
来ず、必ず食物から摂取しなくてはならない大切な成分で
す。必須アミノ酸のうち、発育期に必要なリジンなどが白
米の三倍近くあり、必須アミノ酸の豊かなことがそばの栄
養価の優れた点の筆頭です。

そば粉にはビタミンB1も多く、その含有量は小麦の四倍も
あります。ビタミンB1はでんぷんなどの糖質の代謝に必要
なもので、したがって糖質を含む酒の後にも良いというこ
とになります。ビタミンB1は薬味として欠かせないネギに
含まれている成分、アリル化合物と結合しやすく、これに
よってビタミンB1の吸収が促進されるといえます。伝統的
なおいしい組合せには意味があるようです。そば粉には、
高血圧や動脈硬化に良いとされるルチンが入っていること
も知られています。ルチンは毛細血管の弾力性を保ち出血
を防ぐ効果があります。貴重なルチンゆえ、そば湯を飲ん
だほうが良いでしょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
追記:20170103 ルチンについて詳しい説明

[[ルチンの効能 効果と注意点>http://www.fashion96.com/supplement/rutin/]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

*3.楽しんでやる
 長続きさせるコツは、もう一つ、楽しんですることです。季節
ごとに美味しいものがありますから、それを取り入れています。

 春は、菜の花など芽物や山菜が美味しい季節です。昼のソバを
菜の花ソバにしたり(写真5)、蒸したものを味噌などで和えて
夕飯のオカズにしたりします(写真6)。また、小イカや貝を合
わせたりもします。大根の葉などを炒めたものも美味しいです
(写真7)。

&ref(DSCF8505.jpg)写真5
&ref(DSCF2667.jpg)写真6
&ref(DSCF4695.jpg)写真7

追記:2016.11.17 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[[真竹の筍>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160530]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 夏は、キュウリ、トマト、ナスなど果菜が美味しいです。漬物
にして漬物丼にしたり、蒸した野菜を削り節とダシと和えて蒸し
浸し(写真8)にしたり、それをご飯にのせて、丼にしたりしま
す(写真9)。夏野菜のスープカレーの汁かけ飯も良いです。

&ref(DSCF3665.jpg)写真8
&ref(DSCF3779.jpg)写真9

 半夏生の時期なら、タコを合わせたりします。私は、タコは、
足より頭が好きです。また、シラスとシソの刻んだものとの組合
わせも、さっぱりしていいです。

 すごく暑い日には、冷やしたダシや味噌汁をかけたりもします。
ご飯がダメなら、夕飯もソーメンや細いソバにします。それでも、
食欲がなければ、無理せず食べる量を減らします。

追記:2016.11.17ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[[蒸豆+夏野菜漬物+ホタルイカ塩辛>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160804/1470306970]]

[[サヤインゲンとサバ水煮缶の煮物>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20160910/1473502772]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 秋めいてキノコが出たら、それも合わせます(写真10)。

&ref(DSCF3820.jpg)写真10

 秋は、イモ類とサンマ。サンマは、シンプルな塩焼き(写真11)
が好きで、大量の大根下ろしと一緒に食べています。グリルの後
片付けが大変でしたが、グリルに入る鉄板を買ったら後片付けが
ラクになりました。

&ref(DSCF4501.jpg)写真11

追記:2016.11.17ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
[[今年は、サンマのムニエル 油無し>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20161007/1475834731]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 冬は、根菜類、サトイモ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ジャ
ガイモ、レンコンなど、炊飯器の中で蒸します(写真12)。ブリ
大根用のブリのアラを利用したりもします。

&ref(DSCF4498.jpg)写真12

 また、時間があれば、蒸した根菜を切らずにダシとともに保温
調理鍋に入れておけば、次の日にはオデン風になります。カキを
昼のソバに入れたりもします。

追記:2016.11.17 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[[根菜と青菜のオデン>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20151030]]
[[根菜と青菜のオデン+トマト、+ブリ>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20151116]]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 乾物の煮物なども作りおきの常備菜に向きます。浸し豆もジャ
コ入りにすると栄養的にもバランスがとれ、美味しさも増すよう
な気がします(写真13)。

&ref(DSCF3461.jpg)写真13

 スーパーでサケの安売りのときに出ている白子なども煮物にし
ておくと、夕飯のおかずになります(写真14)。

&ref(DSCF1797.jpg)写真14

ーーー 追記:2018.9.2 ーーーーーーーーーーーーー
 毎年いろいろなアレンジを楽しんでます。今年の夏は、青魚の
酢醤油漬や夏果菜の塩水糀漬を試してみました。その辺りは、養
生日記の食養のカテゴリーに書いています。
http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/searchdiary?word=%2A%5B%BF%A9%CD%DC%5D
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

*4.より美味しく
 慣れてきたら、素材ごとの加熱時間に注意すると、より美味し
いものができます。煮えにくいものは先に煮て、煮えやすいもの
は後にします。

 ただし、魚は沸騰してから入れるのが原則です。初めに周辺を
煮て、中の旨味を閉じ込めるためです。逆に、ダシを出すために
水から煮ることもありますが。

 調味料は、基本的なものを良い物にします。塩は海水から取っ
た自然塩、醤油や味噌は本醸造で塩分が自然塩のものが良いです。

 この2つに注意するだけで、かなり、素材の味を活かした調理
ができます。その辺りも楽しんでやった方が良いと思います。だ
んだんと、少しずつですね。

*5.おわりに
 楽しんでやっていても、飽きてしまうことがあります。疲れて
作りたくないときもあります。外食や中食で食べたいものが出て
きたりもします。そういうときは、無理せずに、欲望のままにし
てみましょう。その方が、長い目で見れば長続きするように思い
ます。

 このごろ私は、自炊のサッパリした味になれてしまったせいか、
外食や中食の濃い味、特に砂糖や化学調理料の多いものが続くと、
サッパリしたものが食べたくなります。

 あと、そういう外食や中食が続くと、体の中が濁った感じがし
てきて、勘が鈍くなったような感じになります。それもあって、
サッパリしたものを食べたくなります。

 でも、そういう感覚も長い時間かかって身に付いたものです。
あせらず、じっくり、のんびりやっていけばよいと思います。

 好きなものを好きなように食べられるのが自炊の良さと思いま
す。イカ肝の漬物は、ご飯に乗せて混ぜ混ぜしたり、蒸した野菜
のソース代わりに使います。

 蒸した根菜類は、美味しい塩があれば、それを付けるだけでも
良いです。私は、蒸したサトイモを塩味で食べるのが大好きです。

 味噌を味醂で溶いたタレに好みの香辛料をいれ、蒸した野菜な
どに付けて食べるのも好きです。

 枝豆、スナップエンドウ、トウモロコシなどは、蒸しただけが
好きです。

 そんなこともあり、私には、好きなものを好きな方法で食べた
いから自炊をしている面があるような気もしています。皆さんも、
そういうことを探し増やしてていけば、自炊を続けられると思い
ますよ。

追記:2016.11.18ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 術伝の講座にも私は自家製弁当持参です。が、自家製弁当持参
の人は少ないです。

 私と講座参加者に勘の点で差が有るとしたら、そういうことが
一番関係しているかもしれないなと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

   次へ >>> [[術伝流操体no.83]]


-----
   >>> 目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]

   >>> このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.82]]

   >>> 術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
-----
術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
-----
-----
*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

**感想・間違いなど
 感想などあったり、間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
 「術伝」では症例相談用メーリングリストの参加者を募集しています。
参加希望の方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@googlegroups.com]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
----
   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
----