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術伝流操体no.80 - (2015/03/25 (水) 09:16:37) のソース

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術伝流操体no.80 
【6】自然則篇 (16)タワメへの誘導、操体での自力
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#contents
*1.はじめに
 今回は、タワメの間へ誘導するために瞬間脱力を利用する方法
と、それに関連して、「操体での自力」について書いていきます。

*2.タワメの間へ誘導するための瞬間脱力
 タワメの間に入りつつあるのだけれど、上手く入れないでマゴ
マゴしている感じになるときがありますね。そういうときには、
操者の方が軽くフッと瞬間脱力をすると、受け手の息が深くなり、
それをキッカケにタワメの間に入っていくことがよくあります。

 この場合の瞬間脱力は、極々僅かで、受け手には気付かれない
位がよいです。ただし、脱力する速さがゆっくりでは、息は深く
なりません。極々短く、しかも、できるだけ速い瞬間脱力をする
必要があります。

 色々試してみたのですが、操者の息というか、腹を利用するの
が速いことが分かりました。

 息を吸いながら下腹を膨らませ下腹に力を入れていき、大きく
膨らんだら、その状態を0.5秒ほど維持します。その後、フッと
一瞬下腹の力を抜きます。こうすると、誘導、抵抗や支えを作っ
ている手などで瞬間脱力するよりも速く短い瞬間脱力ができます。

 同じ位の速さの瞬間脱力としては、アクビの時に「あーあーあ」
と口を開けていきフッと閉じる際の瞬間脱力があります。

 が、比較すると、こちらは、瞬間脱力が、上手く、支え、抵抗、
誘導などを作っている手などに伝わりにくいようです。そのため、
受け手の体にも伝わりにくく、受け手の深い息を誘導するときに
は、使いにくくなります。

 しかし、下腹の瞬間脱力は習得が難しいので、アクビの終わり
の瞬間脱力の方が直ぐ利用できると思います。

*3.アクビの瞬間脱力は、理想的?
 余談になりますが、このアクビのときの瞬間脱力は、本当に瞬
間脱力らしい瞬間脱力だと思うので、瞬間脱力の説明をするとき
に、よく例に出します。私は、瞬間脱力は速くて短いのがポイン
トだと思っていますので。

 脱力の速さは、瞬間的な速さです。脱力している時間も、本当
に瞬間的な短さで、しかも、脱力時の移動距離も大変短く、脱力
した後に歯と歯がぶつかるようなことはありません。

 歯と歯がぶつからないというのは、この瞬間脱力が「急速反転
運動」にはなっていないということだと思います。

  誤解をされるといけないので、付け加えておきますが、「ふっ
くにゃぁ」系の脱力をする場合には、細かく言えば「ふっ」の部
分で、すごく短く、すごく速い瞬間脱力をしているのだと考えて
います。

 その後は、「くにゃ〜」という、体全体の力が抜けた状態で、
しばらく深い息を続けることが多いです。

 「くにゃぁ」の時間が比較的短く、直ぐ「ふわ〜」という感じ
で動き出し、「ぽわわん」としたタワメの間を探し出すこともあ
ります。

*4.先ず、操者の瞬間脱力で、気持ちよさを味わってもらう
 話を戻します。操者が瞬間脱力をするのは、「操体は自力」と
いう考え方に反するのではないかという意見もあるようです。

 が、私は、先ず、受け手に操体の気持ちよさ、特に、タワメの
間の気持ちよさや、脱力した後の気持ちよさを、味わってもらう
方が先だと思っています。

 そのため、タワメの間に入れないでモゾモゾしている感じを受
けるときには、空いている手で動きを誘導したりします。手が届
かないときには、声を掛けて、患者さんに新しい動きを試しても
らったりします。

 それでも、もう少しだなと感じたときに、下腹を利用した瞬間
脱力をします。すると、その直後から受け手の息が深くなり、
「ぽわわん」とした「タワメの間」に入っていくことが多いです。

 もう少なくとも10数年こういうことをしているので、今では、
半ば無意識に実践しているようです。

 それに、始めた頃も意識して実行したというよりも、半ば無意
識でやっていたようです。そして、結果的に、受け手の息が深く
なって、あ、こうすると良さそうと気づいたという感じです。

 いつ頃からやりはじめたのかはっきりしないのは、その辺りに
も理由があります。

 また、達人の先生方も無意識で同じことをしているような気も
します。

*5. 次に、言葉を掛けて、
 受け手に、数回、上記のような感じで、瞬間脱力した後の「く
にゃ〜」という感じの全身脱力状態を味わってもらいます。 

 その後、タワメの間が終わった感じで、モゾモゾ迷っているよ
うに思えたときに、言葉で指示して、瞬間脱力を誘導します。

 「アクビのように口を大きく開けていって、アクビの終わりみ
たいに、口をパッと閉じてみて」、「足の甲を反らして、反らし
きれなくなったらパタンを落としてみて」、「手を思い切って広
げていって、広げられなくなったらフッと力を抜いてみて」とか。

 この辺りは、一連の操体の合間に、先ず、やって見せて、次に、
やってもらって、練習してみるとよいと思います。

 これも2,3回繰り返してみます。そうすると、初めての受け手
でも、1時間位経つ頃には、必要なら自分で適度な瞬間脱力がで
きるようになっていることが多いです。

*6.操体での自力とは
 操体でいう「自力」というのは、伝え手の言う通りの動きを、
受け手にしてもらうことなのかなという疑問があります。

 受け手に、受け手自身の体の状態を良く感じてもらい、体が望
んでいることを理解して、試しにやってみてイイ感じがしたり気
持ちよさが出てきたら、味わってもらうのが、自力のように思い
ます。

 操者(操体の伝え手)は、その手伝いをする役割だと思います。

 体が感じていることや望んでいることが分かっていそうもなけ
れば、こうではありませんかとアドバイスをした方が良いと思い
ます。

 そして、そのために、どこをどう動かすか分かっていそうもな
ければ、こういう動きや皮膚ズラしはどうですかと、アドバイス
した方が良いと思います。

 この、操体でいう「自力」とは何かという点については、いず
れ、また、詳しく書きたいと思います。が、今は、そういう気が
するので、私自身は、伝え手が瞬間脱力することも操体に取り入
れているということにしておきます。


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