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術伝流一本鍼no.63 - (2020/01/04 (土) 03:40:20) のソース

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&color(green){術伝流一本鍼no.63 (術伝流・体得篇(3))}

&bold(){&size(24){&color(green){肩こりに片手刺しで操体鍼}}}&bold(){&size(15){&color(green){}}}
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#contents
*1.はじめに
 先回([[術伝流一本鍼no.62]])は、「指を細く使え」ということ
を中心に、ツボの実践的な取り方を書きました。今回は、鍼で
の自己養生に欠かせない片手での刺鍼法です。

 操体の橋本敬三先生は、鍼灸も名人でしたが、初めの頃は毛
鍼がなかなか刺せないで、いろいろ工夫されたようです。『生
体の歪みを正す』(創元社)に、新聞紙に撚鍼で刺鍼練習する
方法が書かれていました。 

 適当な大きさに切った新聞紙を利き手でない方の手で持ち、
鍼先から1cm位の鍼体を利き手の拇指示指でつまみ、新聞紙に
撚鍼で刺鍼するという練習法です。

*2.橋本敬三先生の片手での撚鍼法
 実際にしてみましたが、初めはティッシュの方がやりやすかっ
たです(写真1)。 

&ref(DSCF5009.jpg)写真1

 ティッシュにラクに刺せるようになったら、新聞紙に撚鍼で
刺鍼する練習をします(写真2)。

&ref(DSCF5010.jpg)写真2

 新聞紙にも片手で簡単に撚鍼で刺鍼できるようになったら、
足三里に撚鍼で刺鍼する練習をします。筆者は、銀の霞鍼まで、
この撚鍼法で刺せるようになりました。

 利き手でない方の手でも、この撚鍼法で刺鍼できるように練
習します(写真3)。

&ref(DSCF5014.jpg)写真3

 利き手でない方の手の場合は、銀鍼が無理なら、ステンレス
のディスポでよいでしょう。

*3.利き手で反対の手に刺鍼して操体鍼
 次は、利き手で、利き手でない方の手に刺鍼してみます。実
際の自己養生に使う場合には、全て撚鍼法で刺鍼するよりも、
弾入してから撚鍼で刺鍼する方が簡単なので、その方法を紹介
します。

 先ず、先回説明した「指を細く使う」方法で、ツボを取りま
す。肩コリなどなら、前腕の甲側小指より、手甲4~5間、3~4
間などを探して、一番、効果が出そうな所を取ります。

 それから、利き手の拇指と中指で鍼管と鍼のセットを持ち、
取ったツボの上に立て(写真4)、押してみてツボの上に立っ
ているか確認します。

&ref(DSCF5024.jpg)写真4

 拇指中指を皮膚の方にズラし押手を作ってから示指で弾入し
ます(写真5)。

&ref(DSCF5026.jpg)写真5

 そして、鍼管を外し、鍼先から1cm位の所を利き手の拇指示
指で摘み、撚鍼で刺鍼していきます。

 響きを感じたら、そのまま置鍼して、首や反対の手を動かし
て、イイ感じの姿勢を探していきます(写真6,7)。

&ref(DSCF5028.jpg)写真6
&ref(DSCF5029.jpg)写真7

 操体法をご存知なら、置鍼をキッカケに動きの操体をすると
いうことです。操体鍼と呼んでいます。

 置鍼した側の手を動かしてもよいですが、痛みを感じるよう
な無理はしないようにしてください(写真8)。

&ref(DSCF5032.jpg)写真8

*4.利き手の反対の手で利き手に刺鍼して 
 いよいよ、利き手の反対側の手で利き手に刺鍼してみます。
3.と同じように、ツボを探し、そのツボに弾入撚鍼します
(写真9)。

&ref(DSCF5036.jpg)写真9

 そして、イイ感じをさがしてユックリ動く操体をします
(写真10)。

&ref(DSCF5046.jpg)写真10

*5.体の内側の現象を味わう
 手に置鍼しながら、首や手を動かして、イイ感じの姿勢を探
すこと(操体鍼)をしていくときには、体の内側の色々な現象
を味わうようにするのがコツです。

 例えば、筋肉がプルプル震えて弛んでいくような感じ、電気
のようなものが走っていくような感じ、温かい風が吹きぬけて
いくような感じ、温かい水がジワーっと広がっていくような感
じ、小さな雷があちこちで鳴り響くような感じ、など。

 そして、そういう体の内側の現象が、だんだん変化していく
様子も観察します。細かく見ていけば、刻一刻と変化している
のが分かると思います。

 自分の体の内側の方が、他人の体の内側よりも感覚しやすい
です。先ずは、じっくり、鍼したときに自分の体の内側で起き
る色々な現象を感じ味わうようにしましょう。

 それが、鍼師としての勘を養う「初めの一歩」です。刺鍼中
も刻一刻と変化していく患者さんの体の反応に合わせて、刻一
刻と手の内を変化させて対応していくのが、鍼、特に単刺の楽
しさですから。

*6.おわりに
 片手刺しができないうちは、無理せずに、とったツボに円皮
鍼を貼って、それをキッカケに操体鍼をしてもよいと思います。
大切なのは、鍼師としての勘を養うために、刺鍼中の体の中で
起きている現象を味わうことですから。
 円皮鍼なども無い場合には、患側の小指と薬指の爪に、カッ
ターなどで軽く☓印を描き(痕が残る程度に 傷つける,ただし
爪が割れる程度では無く,表面に軽く痕が残る程度)、首や腕を
動かしてみるのも効果的です。 


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