「術伝流操体no.54」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

術伝流操体no.54 - (2017/02/25 (土) 14:40:34) のソース

累積:&counter()___ 昨日:&counter(yesterday) ___今日:&counter(today) 
------
術伝流操体 【5】応用 [3] 言葉で導く 
(2) 鍼などと組み合わせて、操体鍼
&size(24){&color(green){鍼などと組み合わせて、操体鍼}}
------
#contents
*1.はじめに
 今回は、先回の「言葉で操体をみちびく」の応用で、鍼などをしな
がら、言葉をかけて、操体をしてもらう方法を紹介します。

 ラクな姿勢で、手足の甲などの末端に鍼などをしながら、言葉をか
けて、操体を誘導していきます。運動鍼に似ていますが、より気持ち
良い姿勢をさがして、言いかえれば、イイ感じがふかくなる動きをさ
がして動いていってもらうのが、操体らしいところです。

*2.基本的な手順
 基本的な手順は、いままでと同じです。

(1) ラクな姿勢から
(2) きっかけを選ぶ
(3) イイ感じを付け足す
(4) イイ感じを味わう
(5) 終えたら休み、次へ

 はじめに、「姿勢を変えたくなったら、どんどん変えてかまいませ
ん。ただし、できるだけユックリ動くようにしてください。」と、声
をかけておきます。とくに、刺鍼と組み合わせる場合には、急な動き
で鍼が曲がったりしないようにするためにも、「ユックリ動く」こと
を強調しておいてください。

**2.1.ラクな姿勢から
 ラクな姿勢は、座位または寝た姿勢がおおいです。が、立位ででき
ないこともありません。

 言葉かけとしては、先回の復習になりますが、以下のような感じで
す。

 座位や立位の場合:
「何となくイイ感じの格好をえらんでください。フニャー、ボワンと
した力がぬけた感じ」

 臥位の場合:
「ラクな姿勢で横になってください。あお向け、うつ伏せ、うつ伏せ
何でもいいです。手足も曲げても伸ばしてもいいです。なるべくグー
タラそうな、だらしない格好のほうがラクなことがおおいですよ」

**2.2. キッカケ
 キッカケにする道具は、普通の毫鍼のほか、鍉鍼や石などを使いま
す。また、道具を使わずに、指圧や指もみ・指そらしでも可能です。

 言葉かけとしては、「ここに鍼していきますから、何か感じたら、
ゆっくり動いてみてください」など。

**2.3. 付け足し
 付け足しは、イイ感じをさがしていってもらいます。痛かったりし
たら、まずは、痛みのへる姿勢をさがしてもらいます。鍼などの施術
をしていないところ、とくに、末端が動かしてもらいやすいです。ま
た、体重移動などもしてもらえます。

 そして、術者の手があいていたら、操体の動きなどを支援してあげ
てもよいです。

 鍼などの施術しているところ以外の手足や首をおく位置、向き、伸
ばし方、曲げ具合とかをイイ感じにしてもらいます。手首は、どちら
かに捻転してもらうことがいいことがおおいです。足首は、背屈がイ
イ感じのことがおおいです。

 痛みから逃げてもらう場合には、とくに、刺激が過剰になって、ど
う逃げても痛いというふうにはならないように注意してください。

 言葉かけの例は、以下です。

「痛みを感じたら、その痛みから逃げるようにゆっくり動いてくださ
い」

「ピリピリビリビリした感じがしたら、それが出て行きやすい格好を
してみてください」

「あちこち目を動かしてみて、イイ感じの方角をみつけてください」

「首を左右上下にあちこち動かしてみて、イイ感じの方向がみつけて
みてください」

「反対側の手をどちらかに捻ると、イイ感じが増えるような気がしま
せんか?」

「体重を移しやすいほうに移してみてください」

「足の置き方や曲げ具合は、今のままがいいですか?もっとイイ感じ
がありませんか」

「足首を反らしてみたらどうかな?イイ感じの反らし具合をみつけて
ください」

「手の置き方はそれで良いですか?イイ感じの置き方をさがしてみて
ください。」

「手首をどちらかに捻ると、イイ感じが増えるような気がしませんか?」

**2.4. イイ感じを味わう
 イイ感じを十分に味わってもらってください。

 言葉かけの例は、以下です。

「はじめの動きはキッカケですから、新しくイイ感じの動きが生まれ
てきたら、それにのって動いてもいいです。ただ、できるだけユック
リ動いてください。」

「イイ感じや気持ち良さが深くなる姿勢をさがして、ユックリ動いて
いってください。」

「なんとなくイーカゲンにヤジウマする感じで、テキトーに動いたほ
うが、イイ感じが深くなりやすいですよ」

**2.5. おえたら休み、つぎへ
 イイ感じを十分に味わってもらいます。そして、イイ感じが消えた
り、やめたくなったり、休みたくなったり、体重をもどしたくなった
りしたら、おわりです。しばらく休んでもらいます。

 それから、また、つぎの操体をしていきます。

 以下が言葉かけの例になります。

「イイ感じが消えたら、ユックリとラクな姿勢になってください。そ
して、しばらく休んでください」

「休んでいるあいだに、おおきなアクビができるようなら、してみま
しょう」

「動きたくなったら、次の操体をします」
 
*3.よく使われるもの
**3.1. 座位で、手甲に鍼
 肩まわりのつらさに対して、手甲に刺鍼して、動いてもらった例で
す。

 まず、左手甲に刺鍼しました(写真1)。

&ref(DSCF2197.jpg)写真1

 顔を左右に向けてもらい、イイ感じの方をえらんでもらいました
(写真2)。それから、顔を上下に向けてもらい、イイ感じのほうを
えらんでもらいました(写真3)。 

&ref(DSCF2199.jpg)写真2

&ref(DSCF2200.jpg)写真3

 そして、鍼をしていないほうの手首を捻転してイイ感じの捻り方を
さがしてもらいました(写真4)

&ref(DSCF2201.jpg)写真4

 右手をイイ感じのほうに挙げてもらいました(写真5)。それから、
首をイイ感じのほうに向けることをつけくわえてもらいました
(写真6)。そして、イイ感じがふかくなるように、ゆっくり動いて
もらいました(写真7)。

&ref(DSCF2203.jpg)写真5

&ref(DSCF2204.jpg)写真6

&ref(DSCF2206.jpg)写真7

 イイ感じの動きがなくなったところで、ラクな姿勢にもどってもら
いました(写真8)。

&ref(DSCF2207.jpg)写真8

 それから、抜鍼しました。

**3.2. あお向け寝で、足甲に鍼
 あお向け寝がラクだという人、足の甲に鍼して操体してもらいまし
た。

 まず、足の指裏や甲の骨と骨のあいだなどをしらべ、ツボが出てい
ないかさがしました(写真9)。

&ref(DSCF2210.jpg)写真9

 出ていたツボに刺鍼しました(写真10)。

&ref(DSCF2212.jpg)写真10

 顔を左右に向けてもらい、ラクなほうをさがしてもらいました
(写真11、12)。

&ref(DSCF2215.jpg)写真11

&ref(DSCF2216.jpg)写真12

 左右の手を交互に頭のほうに伸ばしてもらい(写真13、14)、伸ば
しやすいほうをみつけてもらいました(写真15)。

&ref(DSCF2217.jpg)写真13

&ref(DSCF2218.jpg)写真14

&ref(DSCF2219.jpg)写真15

 下げたほうの右手のひらを、天井に向けるのがいいか、畳につける
のがいいか、えらんでもらいました(写真16)。

&ref(DSCF2220.jpg)写真16

 まだ動かしてなかった右足も、ゆっくり動かしてもらい、イイ感じ
の位置、曲げ具合をさがしてもらいました(写真17、18)。

&ref(DSCF2221.jpg)写真17

&ref(DSCF2223.jpg)写真18

 イイ感じが深くなる姿勢をさがして、ゆっくり動いていってもらい
ました(写真19、20、21、22、23、24)。

&ref(DSCF2224.jpg)写真19

&ref(DSCF2227.jpg)写真20

&ref(DSCF2234.jpg)写真21

&ref(DSCF2235.jpg)写真22

&ref(DSCF2236.jpg)写真23

&ref(DSCF2237.jpg)写真24

 イイ感じがなくなったら、ラクな姿勢になってもらいました
(写真25)。

&ref(DSCF2238.jpg)写真25

 抜鍼したあと、しばらくラクな姿勢で休んでもらいました。


   つぎへ>>>[[術伝流操体no.55]]


-----
   >>>目次へ・・・・・・・・・[[術伝流操体(あ)]]

   >>>このページのトップヘ・・[[術伝流操体no.54]]

   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
-----
術伝HP内検索:上の@wikiメニューの「wiki内検索」
-----
-----
*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

**感想など
 感想などありましたら、[[「術伝」掲示板>http://jutsuden.bbs.fc2.com/]]に書いてください。

 また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。


 よろしくお願いします。

**間違いなど
 間違いなど見つけた方は、[[術伝事務局>jutsuden-jmkk@yahoogroups.jp]]あてにメールをください。

 よろしくお願いします。

**「術伝」症例相談用メーリングリストの参加者募集
 「術伝」では症例相談用メーリングリスト( [[術伝ML(muchukand)>http://groups.yahoo.co.jp/group/muchukand/]])の
参加者を募集しています。

 よろしくお願いします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
----
   >>>術伝HPトップへ  ・・・・[[トップページ]]
----