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術伝流操体no.47 - (2017/02/25 (土) 14:21:08) のソース

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術伝流操体 【4】操体で一通り治療 [4] 座位立位などでの操体 
(7) 立位からの操体、皮膚など
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#contents
*(1)はじめに
 さて、今回は、立位からの皮膚の操体です。やはり、ラクな立位で
操体をしていきます。

*(2)動きの操体の強調を皮膚ずらしで
 今までのいろいろな姿勢からの操体と同じように、動きの操体でラ
クな姿勢が決まったあと、ほんのすこしの強調を、動きではなく、皮
膚ずらしで代替することもできます。

 no.46の「立位からの動きの操体」のひとつひとつで、すこし動き
を強調することを、皮膚ずらしにかえて、練習してみてください。現
在では、このように皮膚ずらしで強調し支えるほうが好きな人がおお
いです。

*(3)立位から一般的な皮膚の操体
 ラクな姿勢で立ってもらいます。わからなければ、なんとなくでよ
いです。

 立位からの一般的な皮膚の操体は、ずらすところを選んでずれやす
いほうにずらすことをきっかけにします。

 それで、はじめに問題になるのは、どこをずらすかということです。
まずは、受け手が気になるところです。もちろんずらしてほしいとこ
ろがあれば、そこで良いわけですが、なんとなく気になるところでも
よいです。

 受け手がわからなければ、操者が気になるところをえらんでもよい
です。目の付け所としては、額、頭部、首~鎖骨、肩~上腕、背中、
胸、脇腹、腰などで、左右差があったり、ほかの人との違いが大きい
ところです。

 そういうところにかるく触れてみます。赤ちゃんの額で体温をはか
るような感じで、ふんわりとやわらかく包み込むように。かるく触れ
てみてイヤな感じがあれば、そこは止めて、ほかのところをえらびま
す。

 つぎに、ふれているところをずらしやすいほうにずらします(写真1)。ただし、もしイヤな感じがしたら別のほうにずらします。

&ref(DSCF1180.jpg)写真1

 ずらしたままの状態を維持したまま、連動をうながす言葉をかけて、
首、手首など動かしやすい部分をイイ感じのほうに動かしてもらいま
す。

 それから、体重をかけやすいほうの足に体重をすこし余分に移して
もらいます(写真2)。

&ref(DSCF1181.jpg)写真2

 そして、体まるごとの気持ち良さをさがしていく感じで、ゆっくり
動いていってもらいます。操者は、必要があれば、倒れないように支
えます(写真3)。

&ref(DSCF1182.jpg)写真3

 操者の側としては、受け手のおなかに息が深くはいっていけばイイ
感じになっていると判断してよいです。

 体重を戻したくなるか止めたくなるまで十分にイイ感じを味わって
もらいます。戻したくなるか止めたくなったら終わりにして、ゆっく
りラクな姿勢になってもらいます。

 この方法で、捻挫などの治療もできます。たとえば、右足首外側が
ツライと訴えていたら(写真4)、患部の皮膚を沈方向に張り、ねじ
れやすいほうにすこし捻転し維持します(写真5)。

&ref(DSCF1517.jpg)写真4

&ref(DSCF1523.jpg)写真5

 体をイイ感じに動かし、体重も移動しやすいほうに移動してもらい
ます。捻挫の場合には、患部が縮むような方向に体重を移動するのが
よいことがおおいです(写真6)。

&ref(DSCF1522.jpg)写真6

 操体を終えたあと、足踏みして確かめてもらったら、軽くなってい
ました(写真7)。

&ref(DSCF1525.jpg)写真7
 
*(4)髪の毛や体毛をずらす操体
 皮膚だけでなく髪の毛や体毛をずらすこともきっかけになります。

 ラクな姿勢で立ってもらい、頭で気になるところをさがします。受
け手がわからなければ、操者がさがしてもかまいません。頭の中では、
頭頂部、額、左右の側頭部、後頭部などから、髪の毛がベタついて頭
皮に貼り付いた感じのところが候補になります。

 髪の毛にフワーッと手のひらを乗せます(写真8)。乗せてイヤな
感じがあれば、別のところをさがします。

&ref(DSCF1528.jpg)写真8

 髪の毛をずらしやすい方向にずらします。指のあいだに立っている
髪の毛がすこし挟まるぐらいがずらしやすいです。ずらすのは髪の毛
だけで、皮膚が引っ張られない程度に、ほんの少しだけずらします。

 いろいろずらしてみて良さそうな方向をみつけます。2、3の候補の
中から受け手になんとなくいちばんイイ感じの方向をえらんでもらい、
そちらの方向にずらし続けます(写真9)。

&ref(DSCF1529.jpg)写真9

 旋毛(つむじ)の向きや、髪の毛のはえている方向、その二つと同
じ方向か逆かというのが候補になることがおおいです。

 皮膚をずらしたときと同じように、ずらしたままの状態を維持した
まま、連動をうながす言葉をかけて、首、手首など動かしやすい部分
をイイ感じのほうに動かしてもらいます。

 それから体重をかけやすいほうの足に体重をすこし余分に移しても
らいます。そして、体まるごとの気持ち良さを探していく感じで、ゆっ
くり動いていってもらいます(写真10)。

&ref(DSCF1533.jpg)写真10

 操者は、必用があれば、倒れないように支えます(写真11)。

&ref(DSCF1186.jpg)写真11

 体重を戻したくなるか止めたくなるまで十分にイイ感じを味わって
もらいます。戻したくなるか止めたくなったら終わりにして、ゆっく
りラクな姿勢になってもらいます。

 この操体は、髪の毛だけではなく体毛をきっかけにすることもでき
ます。体毛が少ない人だと、皮膚に触れないように体毛にふわりと手
のひらをおくのが難しくなります。しかし、決まるととても気持ちよ
い操体になることがおおいです。仲間を見つけヤジウマし合ってみて
ください。

*(5)耳を動かしてみる
 耳をきっかけにすることもできます。正確にいえば、動きの操体に
入ることになるのかもしれません。が、受けた感じは皮膚や髪の毛を
ずらす操体に近い感じがします。

 ラクな姿勢で立ってもらい、耳の気になる部分をつまみます
(写真12)。耳たぶや耳殻の硬いところが候補になります。イヤな
感じがあれば別のところにするのは、今までと一緒です。

&ref(DSCF1535.jpg)写真12

 つまんだ耳をいろいろな方向に動かしてみて、動かしやすいほうを
さがします。動かしやすいほうがイヤな感じがすれば、イイ感じのす
るほうをさがします。見つかったら、その方向にすこし余分に動かし
たままにします。

 今までと同じように、耳を動かした状態を維持したまま、連動をう
ながす言葉をかけて、首、手首など動かしやすい部分をイイ感じのほ
うに動かしてもらいます。それから、体重をかけやすいほうの足に体
重をすこし余分に移動してもらいます。

 そして、体まるごとの気持ち良さをさがしていく感じで、ゆっくり
動いていってもらいます(写真13)。操者は、必要があれば、倒れな
いように支えます。

&ref(DSCF1536.jpg)写真13

 体重を戻したくなるか止めたくなるまで十分にイイ感じを味わって
もらいます。戻したくなるか止めたくなったら終わりにして、ゆっく
りラクな姿勢になってもらいます。

 この操体は、両耳同時に動かすこともできます。同時に動かすとき
は、二つの耳が正反対方向に引っ張られるとイイ感じのことがおおい
です(写真14)。

&ref(DSCF1189.jpg)写真14

 そうすると、頭のなかにイイ感じがひびいているような感じがする
ことがおおく、なんとなく奇妙で愉しい感じを味わえるように思いま
す。

 また、耳の皮膚をずらしてもよいのですが、体毛をずらすのと同じ
ように、微妙なので、むずかしいです。感度がよくて気の合う人同士
の組み合わせだと、ちょっと素敵なイイ感じを味わえることもあるの
で、ヤジウマしてみてください。

*(6)座位とちがい、歩き出す人もいる
 もうお気づきになったと思いますが、立位での皮膚、髪の毛、耳な
どをキッカケにする操体は、基本的には、座位と同じです。

 違う点は、立位の場合には、歩いたほうがイイ感じがすると言って、
歩き出す人がいることです。こういう場合には、できるだけゆっくり
歩いてもらって、ずらし具合などがちょうど良い感じが消えてしまわ
ないようにします。すると、イイ感じを歩きながら味わえることがお
おいです。

 立位での操体は、あまり使われていないようです。が、ヒトは直立
2足歩行するサルです。それで、普段の日常生活のバランスためには、
ヒトの動きの臨床上の最終調整になります。

 仲間を見つけいろいろヤジウマしながら身につけていってください。

 また、障害や病気で歩けなかった人に使うと効果的ですので、試し
てみてください。


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