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術伝流操体no.43 - (2017/02/25 (土) 14:10:31) のソース

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術伝流操体 【4】操体で一通り治療 [4] 座位での操体 
(3) 座位で、対角からの操体
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#contents
*(1)はじめに
 今回は、座位での皮膚の操体に進む予定でしたが、先回の終わりに
すこし紹介した関節押込みで、足首捻挫を改善できた症例の写真がみ
つかったので、紹介します。「応急処置から学ぶ操体の基本」のとき
に紹介できなかったこともありますので。

 この関節押込みは、本来は、高いイスやベッドなどに腰掛けてもら
い、足ぶらぶらの状態からすることがおおいのですが、畳の上でも効
果が出ました。

*(2)足首捻挫は、対角から
 足首捻挫は、患部を直接関節押込みしても改善することができます。
しかし、患部を動かすのは痛いこともあります。

 そういうときに、対角対称点の手首の関節押込みからはじめ、つぎ
に上下対称点の手首の関節押込み、そして左右対称点の左右反対側の
足首の関節押込みというふうに遠くから順に関節押込みをすると、患
部をさわらなくても改善できます。

 右足首捻挫なら、左手首、右手首、左足首の順で、関節押込みをし
ます。

 患部のつらさが残っていれば、患部の関節押込みもしますが、はじ
めよりも改善しているのでやりやすいと思います。

 つまり、手順は、以下のとおりです。

(1) ラクな座位になってもらう

(2) 対角対称点の関節押込み

(3) 上下対称点の関節押込み

(4) 左右対称点の関節押込み

(5) 残っていれば患部の関節押込み


 ひとつひとつの関節押込みの手順は、以下のとおりです。

(1) ラクな座位になってもらう

(2) 関節押込みをキッカケにする

(3) イイ感じが増えるよう付け足す

(4) 十分に味わう

(5) 体重をもどしたくなったら終える


 キッカケの関節押込みのコツは、先回も書きましたが、

1.患部が小指側なら、小指側を押しこむ

2.指を広げながら押し込む

の2つです。

 付け足すこととしては、まず、体重移動などをしながら、イイ感じ
の姿勢をさがしてもらいます。

 つぎに、患部が動かせるようなら、患部がイイ感じになるよう痛く
ない範囲で動かしてもらいます。

*(3)写真付き症例
**1.右足首の捻挫
 右足首の捻挫をしたが、明日高尾山にいくので、何とかならないか
という人。いちばん痛いのは、足甲小指側の外くるぶし前下方あたり
(写真1)とのこと。

&ref(DSCF1538.jpg)写真1

 対角の左手の対称点あたりを調べたら、やはりツボが出ていました。

&ref(DSCF1539.jpg)写真2

 指を広げながら、そのツボあたりがいちばん縮むように関節押込み
をしていきました(写真3)。

&ref(DSCF1541.jpg)写真3

 そして、体重移動などをつけくわえ、イイ感じをさがしてもらいま
した(写真4)。

&ref(DSCF1543.jpg)写真4

 つぎは、上下対称点の右手首あたりにツボをさがし、同じように関
節押込みをキッカケに、体重移動などをつけくわえ、イイ感じをさが
してもらいました(写真5)。

&ref(DSCF1547.jpg)写真5

 それから、左右対称点の左足首外くるぶしあたりをさがし、そこが
いちばん縮むような関節押込みをキッカケに、体重移動などしながら、
イイ感じの姿勢をさがしてもらいました(写真6)。

&ref(DSCF1549.jpg)写真6

 立ち上がって確認してもらったら(写真7)、だいぶ改善したが、
まだすこし痛みが残っているということでした。

&ref(DSCF1550.jpg)写真7

 患部のいちばん痛いところをもう一度確認してから(写真8)、そ
こがいちばん縮むような関節押込みをキッカケに、体重移動などしな
がら、イイ感じの姿勢をさがしてもらいました(写真9)

&ref(DSCF1551.jpg)写真8

&ref(DSCF1552.jpg)写真9

 よくなったということでした。

 しかし、山は、でこぼこ道もあり、都会よりも捻挫しやすそうに思
いました。それで、山で再発したときに自分でする方法を伝え、ため
しにやってもらいました(写真10)。

&ref(DSCF1555.jpg)写真10

 これは、いわゆるトイレット操法の応用です。患部側をより縮める
ために、患部側、この場合は、小指側なので、足の小指よりをすこし
高くしてからするほうが効果が出やすいです。

 もちろん、動かすのも痛いようなときは、自分でする場合でも、対
角からしたほうが無難です。手のほうは、木などに、関節押込みをし
たい側の手のひら(この場合は小指側なので小指球)を押しつけるこ
とをキッカケにすればよいと思います。

 この人は、操体の経験が半年ほどあったので、全身への連動がよく
出ていました。そのため、患部を動かすことを助言し忘れてしまった
ので、患部への連動があまりなく、おわりに患部をキッカケにする操
体をする必要が出てきた可能性があります。

**2.ヨガで無理した右足捻挫
 同じ右足捻挫ですが、患部を動かしてもらった例です。

 ヨガで結跏趺坐のようなポーズ(写真11)を無理してやりすぎ、右
足外くるぶしあたり(写真12)を捻挫したという。

&ref(DSCF3599.jpg)写真11

&ref(DSCF3601.jpg)写真12

 対角対称点の左手首小指側にツボをさがし(写真13)、そこがいち
ばん縮むような関節押込み(写真14)をキッカケに、イイ感じの姿勢
をさがしてもらいました。

&ref(DSCF3602.jpg)写真13

&ref(DSCF3605.jpg)写真14

 つぎは、上下対称点の右手首小指側あたりのツボをさがし、そこが
いちばん縮むような関節押込みをしながら、患部の右足を痛くない範
囲で動かしてもらいました(写真15)。

&ref(DSCF3610.jpg)写真15

 そして、左右対称点の右足首外くるぶしあたりにツボをさがし、そ
こがいちばん縮むような関節押込みをキッカケにしました。

 上下対称点のときは、患部の足を浮かせて動かしていたので、今度
は、患部の足のカカトを畳につけた状態で、患部の右足を痛くない範
囲で動かし、イイ感じのする格好をさがしてもらいました。

 そしたら、患部がいちばん縮むような姿勢になりました(写真16)。

&ref(DSCF3616.jpg)写真16

 立って確認してもらったら(写真17)、よくなっているということ
で、患部をキッカケにする操体はしませんでした。

&ref(DSCF3617.jpg)写真17

 念のため、捻挫したときのポーズをとってもらったら(写真18)、
大丈夫とのことでした。

&ref(DSCF3618.jpg)写真18

 この人は、講座を見学に来た人で、操体はまるで初めてでした。そ
のため、全身に連動ということがいうまく伝わらなかったようです。
そこで、上下対称点をキッカケにするときから、患部を動かしてもら
いました。左右対称点をキッカケにしたときに、患部がイイ感じにな
る格好が決まったので、患部をキッカケにしなくても効果が出た可能
性が高いです。

**3.正座をすると右大腿内側が痛い
 2.の症例をそばで見ていた人。正座をすると、右膝内側が痛いと
いう。

 初めて出会うケースだけど、正座をするというのは、膝を曲げ、足
首は底屈するということだから、反対の動きをキッカケにすればよい
のではないかなという話をしました。つまり、手なら、肘を伸ばしな
がら、手を反らせるということ。

 見たいという声があがったので、やってみることになりました。

 まずは、対角から。対角対称点を探したらツボが出ていました。そ
こに指をあて、肘を伸ばした格好から、手首を背屈してもらい、この
場合は患部が親指側なので、親指側がより押し込まれるような関節押
込みをキッカケにしました(写真19)。

&ref(DSCF3623.jpg)写真19

 痛くない範囲で、患部の右足の膝を伸ばし、足首を背屈してもらい
(写真20)、ついでに左足も同じようにしてもらいました(写真21)。

&ref(DSCF3624.jpg)写真20

&ref(DSCF3625.jpg)写真21

 つぎは、上下対称点に出ていたツボに指をあて、右手肘を伸ばしな
がら、右手首の関節押込みをキッカケに、イイ感じの姿勢をさがして
もらいました。

 右手は、外転がきついということで、左とはちがう姿勢になりまし
た(写真22)。

&ref(DSCF3629.jpg)写真22

 右足を伸ばしたり、すこしゆるめたりをゆっくり痛くない範囲で繰
り返してもらいました。

 左右対称点にも、やはり、ツボが出ていました。そこに指をあて左
膝を伸ばしながら左足首関節押込みをし、右足の膝を伸ばし足首を背
屈したり、すこしゆるめたりを痛くない範囲で繰り返してもらいまし
た(写真23)。

&ref(DSCF3632.jpg)写真23

 おわってから、ためしに正座してもらったら(写真24)、痛くなく
ラクだということで、患部をキッカケにする操体はしませんでした。

&ref(DSCF3634.jpg)写真24

*(4)おわりに
 対角からの操体は、動きだけでなく、皮膚操体ですることもできま
す。そして、けっこう効果が出ます。

 ただ、写真やビデオにとっても、たださわっているだけにしか見え
ません。


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