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上焦の病 - (2010/08/28 (土) 08:17:35) のソース

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*[1] 基本的に
 上焦の病は、体の内側の横隔膜より上におもな症状やツボが出る病
で、呼吸循環器系ともいえます。邪気によることがおおいです。

 手の陰経に引きやすいです。また、横輪切りの背中の横隔膜より上
にもツボが出ます。症状の出ているあたりの胸側にも出ます。

 中焦の水毒や、下焦の悪血・虚などが原因のことがおおく、そのと
きは、腹や、足の陰経・陽経、横隔膜から下の背中側にもツボが出ま
す。

 また、上焦の下部に水毒がたまることがあり、咳や痰の原因になり
ます。

*[2] ツボが出やすいところやねらい目
**(1) 手の陰経
 まずは、手の陰経から。

 触診してみて、膻中あたりより上の症状は、手太陰、膻中あたりか
ら下の症状は、手厥陰に出やすいです。

 胸郭内部でも背中側の症状は、手少陰に出やすく、とくに、その左
側には、心臓に関係するツボが出やすくなります。

 急性症状が出ているときには、鍼では手首ちかくを使います(手の
ひらは痛いので)。

 咳なら列缺、吐き気なら内関、不整脈なら左陰げきちかくに出てい
ることが多いです。

 灸では、手のひらや指のツボも使います(労宮、裏合谷、親指関節
横紋橈側など)。

 症状が長引いている慢性症状のときには、肘ちかくの上腕よりにも
出ます。

 長引く咳には上尺沢、檀中より下の症状のときや中下焦が原因のと
きは、上曲沢に出ていることが多いです。

**(2) 背中(陽位)
 背中側の横隔膜より上の1,2,3行線、督脈、華陀経に出ます。

 慢性期には、2,3行線や督脈・華陀経によく出ます。とくに、古い
ツボは、筋肉の厚いところ、華陀経や肩胛骨まわりにでることがおお
くなります。

 呼吸器系では、肩胛骨の上半分におおく、長期にわたる呼吸器系の
病では、肩胛骨まわり外側の肩貞に出ることがおおいです。

 心臓系では左肩胛骨の下半分、とくに、下角ちかくに出ます。

 また、水毒や悪血が原因している場合には、横隔膜より下にも出ま
す。中焦の水毒が原因のときは、胸椎7,9,11ラインの1,2,3行線・督
脈・華陀経や痞根に出やすく、下焦の悪血や虚が原因のときは、腰椎
3〜仙骨の1,2,3行線・督脈・華陀経や腰徹腹に出やすいです。

 この場合にも、病が長引いているときの古いツボは、筋肉の厚みの
関係から、胸椎7,9,11ラインでは華陀経に出やすく、肋骨のないとこ
ろでは脊柱起立筋外側の痞根、腰徹腹に出やすくなります。

**(3) 胸腹部
 胸腹部の症状の表面ちかくにも出ます。

 呼吸器系では中府、膻中と、それむすぶ斜め線上で、肋骨を1本上
がることに外よりに出ます。

 循環器系では左肋骨間で、とくに下よりに出ていることがおおいで
す。

 水毒や悪血が原因している場合には、腹部にも出ます。水毒が原因
のときは中脘、章門、悪血が原因のときは水道や五枢維道のあたり、
下腹の虚・冷が原因のときは関元に出やすくなります。

**(3) 足の陰経
 中下焦に原因のあるときは、足の陰経にも出ます。

 下腹の虚・冷のときには、照海など。水毒が原因のときは、地機、
節紋(灸)など。悪血が原因のときは、蠡溝、中封など。

 慢性期には、足の大腿部にも出やすくなります。くわしくは、
「[[中焦の病]]」、「[[下焦の病]]」を参照してください。

**(4) そのほか
 腹の表面や背中のシコりの関係から、足陽経にも出ます。

 手陰経のツボの表側の陽経に出ることもおおいです。

 下半身に冷えには、足の甲3~4間(灸)が効きます。

*[3] 手順
 急性期は慎重に。救急医療と連携も考慮にいれてください。見極め
が大事になります。

**(1) 慢性期
***慢性期の鍼の型を基本として
 急性期でも、その時点で症状が激しくない場合には、この方法です
ることがおおいです。

 基本的には、ツボを考慮して慢性期の型の順で刺鍼。

 ただ、すでに表位に症状が出ている場合には、まず手甲の合谷など
に引き鍼します。

 また、胸上部から鎖骨喉にかけてツボが出ていることがおおいので、
肩頚のあとに刺鍼し、それから頭散鍼・手甲引き鍼で仕上げます。

 必要に応じて、ヘコんで冷えたり虚したりしているところや、華陀
経などにある古いツボに灸・灸頭鍼をし、手の指端の灸で終えます。

***灸や灸頭鍼を中心に
 灸や灸頭鍼と置鍼を組み合わせてもよいです。うつ伏せで手陰経の
肘ちかくや背上部を灸したあと、あお向けで胸まわりを灸し、手指端
の灸で仕上げます。

 手指端は、目覚ましなので、施灸したあと寝られるときは省略しま
す。

 表位の症状があるときや原因が水毒・悪血のときには、それぞれの
ツボを付け加え、座位→俯せ→仰向けの順で上から下に施灸します。

**(2) 応急処置
 手甲に引き、手陰経の手首に引き、背に引き、頭に散鍼し、手の甲
で終えるのが基本です。

 邪気の動き速いので、刺鍼は速め速めにします。

 はじめに表位に症状があれば、ます手の甲に引き、途中で表位に症
状が出たら、手の陽経に引きます。背に引いたあと肩頚に症状が出た
ら、肩頚に刺鍼します。

 中焦下焦に原因が予想されるときには、背に引いたあとで、足陰経
足陽経の順でツボを探し刺鍼します。

*[4]おわりに

 応急処置について、くわしくは、[[術伝流一本鍼no.24]]を見てくだ
さい。


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