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鍼灸症例問答no.7 - (2017/07/16 (日) 07:10:04) のソース

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*(1)はじめに
 ペンネーム「熊三朗」さんの鍼灸症例1つめです。

*(2)右足背の激痛
**1.65歳男性 
  主訴:その日の朝から、右足背の4-5間に激しい圧痛
  があり、背屈も困難、まともに歩けない。思い当たる
  原因はないとのこと

**2.患者さんの症状
  右足背の4-5間のほぼ中央辺り(足臨泣あたり)がもり
  あがっていて、触ると熱感あり。軽く圧するだけで、
  かなりの激痛あり。背屈させると痛み増悪

**3.実際にやったこと、患者さんの体の反応
  熱感も強かったので急性期と判断。そこで、

 (1)足首から先の症状であり、遠くに邪気を引くために
  左手背の4-5間の最大圧痛点に寸3の1番鍼(ステンレス)
  で1ミリ位、刺入(対角刺)。2〜3ミリさらに刺入す
  ると、こちらの手にビリビリ(邪気)を感じたので、そ
  の深さで旋撚(鍼を左右に捻る手技)。同時に、患者さ
  んに足を痛くない範囲で背屈・底屈を繰り返してもら
  った。それで、背屈困難は半分位に軽減。

 (2)次に、左足背の4-5間の最大圧痛点に(1)と同様の
  鍼(巨刺)。これにより、背屈困難は、ほぼ解消。

 (3)ここで患部を調べてみると、まだ、もりあがりと圧
  痛は残っていたので、右足のツボを探すと、右の丘
  虚(きゅうきょ:外踝の前下方の陥凹部)と患部よりも
  足先の4-5間にツボ(陥下)がでていた。急性期であり
  患部に近いので、深刺ししないように注意して、ツボ
  の底を緩めた。

**4.結果、患者さんの感想
  3の(3)により、患部のもりあがりが全く消えてし
  まい、いくら強く押しても全く圧痛を感じなくなった
  患者さんは、とても驚いていました。

**5.自分の感想
  今まで施術した中でも今回の症例以上に痛みをとるこ
  とができたことはないので、自分でもとても驚いた症
  例です。

  ただ、後から考えると、急性期なので、患部近くへの
  施術は一箇所に絞るのが安全であったと思われる。
  セオリーからすれば、対角刺→上下刺→巨刺の順であ
  ったので、上下刺を組み入れていれば、患部への施術
  を最小限度に抑えられたとも思われる

*(3)遊風のコメント
>熊:2.患者さんの症状
>  足臨泣あたりもりあがっていて、触ると熱感あり。
>  軽く圧するだけで、かなりの激痛あり

遊:盛り上がるほどというのは相当ひどいですね。

>熊:3.実際にやったこと、患者さんの体の反応
>  熱感も強かったので急性期と判断。
>  左手背の4-5間の最大圧痛点に刺入(対角刺)
>  患者さんに足を痛くない範囲で背屈・底屈を繰り返し
>  左足背の4-5間の最大圧痛点に鍼(巨刺)
>  背屈困難は、ほぼ解消

遊:対角刺、巨刺でここまで効果を出すのはお見事です。

>熊:4.結果、患者さんの感想
>  もりあがりが全く消え、いくら強く押しても全く圧痛無し

遊:すごいですね

>熊:5.自分の感想
>  上下刺を組み入れていれば、患部への施術を最小限度に

遊:まぁ、そのほうが無難ですが、結果が出たから良いでしょう。
  もし、つぎの日とかにぶり返したりしたら心配しますが。
  小指4指の井穴をしらべて痛かったら接触鍼、または弾入後
  則抜鍼というのも考えられるかなと思います。

*(4)熊三朗さんの返信
>遊:盛り上がるほどというのは相当ひどいですね。

熊:そうですね、患部の筋が引っかかって引きつれているような
  感じもしました

>遊:対角刺、巨刺でここまで効果を出すのはお見事です。

熊:運動鍼を組み合わせると、効果倍増しますね。足首から先だ
  と、患者さんに動かしてもらいやすいですし。 運動鍼は、多
  用しています。 今の課題は、腰痛の時にいかに患者さんに負
  担をかけずに運動鍼をするかですね。下腿は重いので

>遊:すごいですね。

熊:ほんと、自分でもびっくりです。なにもなかった状態になっ
  てしまったので。。。うまく筋のひっかかりが解消できたのだ
  と思います。

>遊:まぁ、そのほうが無難ですが、結果が出たから良いでしょう。
>  もし、つぎの日とかにぶり返したりしたら心配しますが。

熊:ぶり返しはなかったとのことです。 刺激量の問題は、永遠
  のテーマです

>遊:小指4指の井穴をしらべて痛かったら接触鍼、または弾入後
>則抜鍼

熊:速刺速抜で浅刺が軽く刺すときの基本ですよね。以後、気を
  つけます。

*(5)遊風の再コメント
>熊:そうですね、患部の筋が引っかかって引きつれているような
>  感じもしました

遊:うーん、どういう経過で、どういう体の理由でなったのか
  知りたいところですね。

>熊:運動鍼を組み合わせると、効果倍増しますね。足首から先だ
>  と、患者さんに動かしてもらいやすいですし。 運動鍼は、
>  多用しています。

遊:そうですね。寝たり座ったりなら足首動かしやすいですから。
  動かないで刺鍼して、ある程度よくなってから
  立ち上がってもらい、手甲などに刺鍼しながら
  腰を前後屈したり左右捻転したりという運動鍼
  ならできますけど。

>熊:ぶり返しはなかったとのことです。

遊:それなら大成功ですね。

>熊:速刺速抜で浅刺が軽く刺すときの基本ですよね。

遊:昔なら刺絡したかもしれませんが、弾入後則素早く抜鍼すれば
  近い効果を出せます。

*(6)熊三朗さんの再返信
>遊:どういう経過で、どういう体の理由でなったのか知りたい

熊:治療したのは1月頃でしたので、患部に熱感はありましたが
  背景に足元からの冷えによる筋の引きつれ(寒痺)があった可
  能性はあると思います。 普段から朝早くからウォーキングす
  る習慣があるそうなので、使いすぎかもしれません。。。

>遊:動かないで刺鍼して、ある程度よくなってから
>  立ち上がってもらい、手甲などに刺鍼しながら
>  腰を前後屈したり左右捻転したりという運動鍼
>  ならできますけど。

熊:その方法は、講座で教えていただきました。
  できれば、最初の引き鍼で運動鍼を組み合わせたいのですが。

*(7)遊風の再々コメント

>熊:できれば、最初の引き鍼で運動鍼を組み合わせたい

遊:昨晩思いついたのは、
  手や首を動かすのはどうかなということです。
  手や首を体の前後屈や左右捻転に繋がるように動かしてみる
  と、うまくいくくかも知れないなということです。

*(8)熊三朗さんの再々返信
>遊:昨晩思いついたのは、手や首を動かすのはどうかなという
>  ことです。手や首を体の前後屈や左右捻転に繋がるように
>  動かしてみるとうまくいくかも知れないなということ。

熊:まさに操体と鍼のコラボですね。 実際に動かしてみると
  連動するので巧くいくのではないでしょうか  
  機会があったら、試してみます

*(9)おわりに
 こういう感じで、線維筋痛症の発症時によく似た激痛を訴える
方が、ここ数年、どんどん増えているように思います。

 たとえば、[[術伝流一本鍼no.17]]、[[足首捻挫の後遺症!?>http://d.hatena.ne.jp/kuhuusa-raiden/20100322/1269220696]]

 鍼灸がとても良く効くという共通点もありますね。

 術伝流の一般的な「巨刺・上下刺・対角刺」の技法は以下に書
きました。
[[術伝流一本鍼no.12]]

 突き指に左右反対側の指への灸を使った例は以下です。
[[術伝流一本鍼no.14]]


   >>>つぎへ・・・[[鍼灸症例問答no.8]]


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*お知らせとお願い
**術伝流鍼灸操体講座で患者さん役を募集
 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

 くわしくは、[[術伝流のモデル]]をみてください。

 よろしくお願いします。

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 また、「術伝」掲示板でも、旧掲示板「養生の杜」と同じように、
養生についての雑談や症例相談などもしていきたいと思っています。


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