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鍼灸症例問答no.5 - (2010/08/25 (水) 17:17:46) のソース

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&sizex(4){&color(green){鍼灸症例問答no.5 }}&sizex(6){&color(green){膝の痛み}}
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*(1)はじめに
 ペンネーム「母さんの鍼」さんの鍼灸症例5つめです。

*(2)「膝の痛み」について
   ・主訴は右膝関節痛による正座困難
   ・50代の男性
   
**1.患者さんの症状
(1)一昨年の暮にジョギング中、右膝がグキッとなった。
   以来、徐々に膝に痛みが出て、曲げにくくなった。

(2)現在は正座が出来ずに、右足を真っ直ぐ伸ばしたまま、
   座椅子に座っている。

**2.患者さんの状態
(1)右膝が痛く、曲げられない。

(2)仕事であちらこちらへ移動するため、かなり疲労している
   様子で元気がない。

**3.実際にやったこと
(1)右足の甲、3-4間に引き鍼

(2)右L4-L5間、右臀部中央より上(梨状筋あたり)、右裏
   環眺に刺鍼

(3)右風市に刺鍼

(4)右ハムストリング外側二箇所にツボあり、刺鍼

(5)右膝裏横紋端の外側上下と、内側の上、合わせて三箇所
   にツボが出ており、刺鍼

(6)右飛陽付近と、右の下コンロンに刺鍼
  (ツボを取る時に一番痛がった)

(7)右足の甲4-5間に刺鍼
   
**4.施術後の変化
(1)右足が曲げられるようになり、ほぼ正座が出来るようになった
   が、委中の上あたりに、痛みが残った。

(2)膝がかなり正座に近づいたにもかかわらず、体重が乗せられな
   かった。

**5.感想
(1)顔色が良くなり、何より膝が曲げられるようになって、大変喜
   んで下さった。しきりに「こんなに曲げることは出来なかった」
   と繰り返しおっしゃって、膝を屈曲させての横座りも出来るよ
   うになった。

(2)体重を乗せられるまでに出来なかったのが、少し残念だった。
  以上、シンプルにまとめましたが、ご意見・ご批判をお願い致し
  ます。
*(3)遊風のコメント1 
>「膝の痛み」について
>・主訴は右膝関節痛による正座困難
>・50代の男性

 すごいペースで5つめですね。
  
>1.患者さんの症状
>(1)一昨年の暮にジョギング中、右膝がグキッとなった。
>  以来、徐々に膝に痛みが出て、曲げにくくなった。
>(2)現在は正座が出来ずに、右足を真っ直ぐ伸ばしたまま、
>  座椅子に座っている。
>2.患者さんの状態
>(1)右膝が痛く、曲げられない。
>(2)仕事であちらこちらへ移動するため、かなり疲労している
>   様子で元気がない。

 これは、膝痛の人のなかでもかなり重症かな。
 
>3.実際にやったこと
>(1)右足の甲、3-4間に引き鍼
>(2)右L4-L5間、右臀部中央より上(梨状筋あたり)、右裏環眺
>   に刺鍼

 このツボの出方だと腰痛もありそう。

>(3)右風市に刺鍼
>(4)右ハムストリング外側二箇所にツボあり、刺鍼
>(5)右膝裏横紋端の外側上下と、内側の上、合わせて三箇所
>   にツボが出ており、刺鍼
>(6)右飛陽付近と、右の下昆侖に刺鍼
>  (ツボを取る時に一番痛がった)
>(7)右足の甲4-5間に刺鍼

 まぁ、一般的なツボの出方に近いですね。
   
>4.施術後の変化
>(1)右足が曲げられるようになり、ほぼ正座が出来るようになっ
>   たが、委中の上あたりに、痛みが残った。
>(2)膝がかなり正座に近づいたにもかかわらず、体重が乗せられ
>   なかった。

 体重がのせられない場合には、股関節近く、鼡径部や大転子付近に
ツボが出ていることが多いです。

 まれに足首付近にツボが出ていることもあります。
 
>5.感想
>(1)顔色が良くなり、何より膝が曲げられるようになって、大変
>   喜んで下さった。しきりに「こんなに曲げることは出来な
>   かった」と繰り返しおっしゃって、膝を屈曲させての横座り
>   も出来るようになった。
>(2)体重を乗せられるまでに出来なかったのが、少し残念だった。
 
 膝は運動器系のなかではむずしく、経過が長いことも多いので
一度でこれだけ改善すればたいしたものです。

*(4)「母さんの鍼」さんからの返信1 
 コメントをありがとうございました。
>>「膝の痛み」について
>>・主訴は右膝関節痛による正座困難
>>・50代の男性
>>2.患者さんの状態
>>(1)右膝が痛く、曲げられない。
>>(2)仕事であちらこちらへ移動するため、かなり疲労している
>>   様子で元気がない。
>これは、膝痛の方の中でもかなり重症かな。

・曲げられないのは、かなり辛かったと思います。

>>3.実際にやったこと
>>(1)右足の甲、3-4間に引き鍼
>>(2)右L4-L5間、右臀部中央より上(梨状筋あたり)、右裏環眺に刺鍼
>このツボの出方だと腰痛もありそう。

・膝痛の方は腰痛の傾向が多く見られるので、足の甲に引き鍼後、
 直ちに腰痛の施術から行ったところ、定番のツボが出ていました。

>>(3)右風市に刺鍼
>>(4)右ハムストリング外側二箇所にツボあり、刺鍼
>>(5)右膝裏横紋端の外側上下と、内側の上、合わせて三箇所
>>   にツボが出ており、刺鍼
>>(6)右飛陽付近と、右の下昆侖に刺鍼(ツボを取る時に一番痛がった)
>>(7)右足の甲4-5間に刺鍼
>まぁ、一般的なツボの出方に近いですね。

・風市は腸脛靱帯上にあります。股関節を安定させて立位を保持
 し、膝関節を固定させる働きがある腸脛靱帯上にこのツボがある
 ことを考ると、腰の悪い方や膝関節に不具合のある方には、この
 ツボへの刺鍼は、必要ではないかと思います。

・ハムストリング外側−大腿二頭筋上に、ツボが出るのも、大腿二
 頭筋の膝関節の直立位を保持し安定させる働きを考えると、納
 得出来ます。
      
>>4.施術後の変化
>>(1)右足が曲げられるようになり、ほぼ正座が出来るように
>>   なったが、委中の上あたりに、痛みが残った。
>>(2)膝がかなり正座に近づいたにもかかわらず、体重が乗せ
>>   られなかった。
>体重がのせられない場合には、股関節近く、鼡径部や大転子付
>近にツボが出ていることがおおいです。
>まれに足首付近にツボが出ていることもあります。

・先生が講習会の時におっしゃっていました。 
 委中の痛みに気を取られ、忘れていました。

>>5.感想
>>(1)顔色が良くなり、何より膝が曲げられるようになって、
>>   大変喜んで下さった。しきりに「こんなに曲げることは
>>   出来なかった」と繰り返しおっしゃって、膝を屈曲させ
>>   ての横座りも出来るようになった。
>>(2)体重を乗せられるまでに出来なかったのが、少し残念。
>膝は運動器系の中では難しく、経過が長いことも多いので
>一度でこれだけ改善すればたいしたものです。

・先生の丁寧なご指導のお陰と、常々感謝しております。
 また、患者さんにも恵まれ、患者さんの治りたい思いに少しお手
 伝いをしたら、勝手に良くなって下さって助かりました。

・患者さんは1期・2期に関係なく、様々な病態を持っていらっしゃ
 います。
 その時々の診立てはどうだったか、また施術をし変化していく身
 体の状態に合わせて、適切な処置が出来たか、どうすれば良かっ
 たのかなどを報告書としてまとめ、先生よりコメントを頂くこと
 で、深く学ぶことが出来ました。ありがとうございました。

・また、日曜講座の暖かい雰囲気の中で、皆様に支えられて、講習
 を続けることが出来ました。本当にありがとうございました。

・新たな気持ちで、次の一歩を踏み出そうと思います。
 今後とも宜しくお願い致します。

*(5)遊風からのコメント2
>・曲げられないのは、かなり辛かったと思います。

そうですね。
 
>・膝痛の方は腰痛の傾向が多く見られるので、足の甲に引き鍼後、
> 直ちに腰痛の施術から行ったところ、定番のツボが出てました。

 そうですね。

 膝痛になる前に腰痛を患っている人が多いですね。軽いことも多
いですが。

>・風市は腸脛靱帯上にあります。股関節を安定させて立位を保持
> し、膝関節を固定させる働きがある腸脛靱帯上にこのツボがある
> ことを考ると、腰の悪い方や膝関節に不具合のある方には、この
> ツボへの刺鍼は、必要ではないかと思います。
>・ハムストリング外側−大腿二頭筋上に、ツボが出るのも、大腿二
> 頭筋の膝関節の直立位を保持し安定させる働きを考えると、納
> 得出来ます。

このあたりの観察も見事です。

>>体重がのせられない場合には、股関節近く、鼡径部や大転子付
>>近にツボが出ていることが多いです。
>>まれに足首付近にツボが出ている事もあります。
>・先生が講習会の時におっしゃっていました。 
> 委中の痛みに気を取られ、忘れていました。

これは良くあるパターンです。
まぁ、次回はできるでしょう。

>・新たな気持ちで、次の一歩を踏み出そう

 今年4期をおえた方々も私の予想をはるかにこえて上手に
なりましたけど、本当に「母さんの鍼」さんが3期4期を
おえたらすごい治療家になりそうで楽しみです。


*(6)おわりに
 5回目の症例報告ですが、あいかわらず、みごとな内容でした。

 以前は、4期制で、1期:運動器系急性期、2期:運動器系慢性期、
3期:病証(内科系慢性期急性期)、4期:応用という形でした。


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*お知らせとお願い
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 術伝流鍼灸操体講座は、実践面を重視しています。実際に症状が出て
いる方の治療を見たほうが勉強になります。そこで、講座で患者さん役
をしてくださる方を募集しています。

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 よろしくお願いします。

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 よろしくお願いします。

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