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末端の動きと体重移動での違いは - (2010/08/21 (土) 16:35:15) のソース

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操体もくもく・操体の自然則 (5) 末端の動きと体重移動での違いは
#contents
*1.はじめに
 先回は、一つの操体で、気持ちよさを深める工夫として、体重移動
と末端の動きを組み合わせてみることを取り上げてみました。

 今回は、その二つをきっかけににする2種類の操法の違いのほうを
見ていきます。

 つまり、末端の動きをきっかけにする操体操法と、体重移動をきっ
かけにする操体操法の、おおざっぱな違いを書いていきます。

キッカケが違うと何が違ってくるかということです。

*2.末端をキッカケにするほうがわかりやすい
 まず、の手首や足首をキッカケにする操体は、何といっても、わか
りやすいのが特徴ですね。本で読んでも、実演を見ても、わりとすぐ
に何をしているのかがわかりやすいと思います。

 操体っていうと、あお向け膝立て足首反らし(爪先上げ)というイ
メージがあるのも、中腰尻ふり運動などにくらべて、本を読んだだけ
でも、だいたい何をしているのか、つかみやすいからでしょう。

 くらべると、中腰尻ふり運動などは、本を読んだだけでは、何をやっ
ているかわかりにくいし、実演を見てもわかりにくいし、自分でやっ
てみても、はじめのうちは何をどう調節すると気持ちよさがふえるか
つかみにくいと思います。

*3.末端キッカケは、操体がバラけやすい
 しかし、末端をキッカケにする操体は、その動きを頭で理解しやす
い反面、操体がまとまりにくい面があるような気がしています。

 バラバラになりやすいというか、注意していないと、末端の動きだ
けになって全身に連動しにくいというか、体まるごとの気持ちよさを
感じにくい、形だけの操体に終わる可能性が高いと思います。

 末端の手首や足首は動く範囲も広いし、動く方向もたくさんあり、
手首足首の関節自体もいろいろな動き方をするせいで、そのなかから、
そのときの体全体の歪みにピッタリ合った一つの姿勢をみつけるのが
むずしいためだと思います。

 それにくらべて、中腰尻ふり運動など、体重移動をきっかけにする
操法は、できるようになれば、全身に連動しやすく、体の動きがバラ
バラになりにくく、体まるごとの気持ちよさを味わいやすいように思
います。

 体重移動できる範囲がせまいし、なれてくると、どちらに動かすと
気持ちよいかはっきりわかるためだと思います。

 原始感覚というか勘というかが、はたらきやすいようです。

*4.膝・首などがキッカケは、両者の中間
 膝を動かしたり、首を動かしたりをキッカケにするときは、手首・
足首をキッカケにするときと、体重移動をキッカケにするときの中間
くらいで、やや、末端をキッカケにするときにちかいといえます。

 手のひらを頭の後ろなどにつけて親指を支点に手首をねじることを
キッカケにする操体など、手を体につけた状態からはじめたり、合掌
した手や組んだ腕の肘をキッカケにする操体も、同じように中間くら
いだと思います。

 つまり、手首足首をキッカケにする操体よりも、わかりにくいけれ
ど、できると連動しやすい。

 また、体重移動よりは、わかりやすいけれど、連動させにくいとい
うことです。

*5.末端を遠ざけること、近づけること、2つの違いは 
 また、手首・足首を体から遠ざけていくことをキッカケにするとき
と、手首足首を体に近づけていくことをキッカケにするときとを、く
らべると、遠ざけていくほうが見た目にわかりやすいけれど、バラけ
やすいということもいえます。

 これも動く範囲が広く、方向もたくさんあることから来ています。

 たとえば、うつ伏せで尻に踵(かかと)がつかないときに、その足
を伸ばすように誘導する操体がありますが、足首を体から遠ざけるこ
とをキッカケにしているせいか、定番の動きの操体のなかでは、効果
を出せるようになるのがむずかしいといわれることがおおいようです。

 これは、足は重いので、一定の姿勢を長いあいだ続けることがむず
かしいことからも来ていると思いますが。

 私は、自分でも、あまり、この操法、うつ伏せからの足伸ばし操体
をしませんし、初心者に伝えることもあまりしません。

 やってみせることはしますが、できるように練習しなさいとは言い
ません。

 同じ効果が出せて、もっと簡単に身に付けられる方法があるからで
す。

***うつ伏せ足伸ばしの代わりに、反対側の足で尻たたき
 それは、尻につきやすいほうの足の踵(かかと)をすこし余分に、
尻に押しつけるという方法です。

 足首あたりをもって、ゆっくりお尻に近づけていきます。

 途中で反対側の足のほうにたおれていくことがおおいです。そのと
きは、抵抗が少ないほうにたおしていきます。

 動きづらくなった時点で足首を押すのは止め、伝え手の反対側の手
で、キッカケにした足首の延長の膝を持ち上げると気持ち良さがふえ
ることがおおいです。

 気持ち良さがかなり長いあいだ続くので、正座状態の伝え手の膝の
上に持ち上げた受け手の大腿部をのせてしまうとラクです。

 おなかに息が深くはいっていることを確認します。

 この形までもっていくと、患者さんの胴体部分の体重を移動させて
いることになります。

 気持ちよさがへったり、受け手のおなかに息が深くはいらなくなっ
たり、受け手が姿勢を変えたくなったりしたら終ります。

 足を伸ばしてから、反対側の足を尻に近づけていくと、この操体を
するまえよりも尻に近づきやすくなっていると思います。

 言葉だけで操体を伝えるのはむずかしいので、あまりイメージがわ
かないかもしれませんが、実際にやってみると簡単ですし、足を伸ば
してくる定番の操法よりも身に付けるのも簡単です。

 定番と同じ効果が出るのは、背骨に伝わる動きが同じになるからだ
と思います。

 末端をキッカケにする操体がバラけてしまって、なかなか、まとま
りがつかないときには、このように、背骨に同じ動きを作り出す、重
さの操体や、それに近い、末端を胴体に近づける操体にすると、体全
体に動きが伝わりやすく、体まるごとの気持ちよさが味わいやすくな
るようです。

 ヤジウマしてみてください。

***両方とも尻に近づきにくいときには
 上に書いた操体は、両足のカカトがどちらも尻に近づきにくいとき
には使えません。

 そのときには、伸ばした受け手の足の大腿部の下に、操者の大腿部
をいれて、すこし持ち上げ、受け手の大腿部や脹ら脛に皮膚の操体を
すると効果が出ることがおおいです。

 大腿部を持ち上げるのは、足を伸ばす定番の操法のときと、大腿の
高さを同じくらいにたもつためです。

 高さの調節がうまくできないときには、座布団やクッションを受け
手の大腿の下に、ちょうどよい高さになるまで積み上げてもよいと思
います。

 脹ら脛は、親指をひらいた手でつかんで、親指側にねじりながら、
足首方向にズラし、大腿部には、手のひらをおいた状態から、同じよ
うなズラしをすると効果がでる可能性が高いようです。

 これは、その方向に皮膚をズラすことと、足を伸ばすことが、体に
とっては同じことになるからのようです。

 足首をもって伸ばすよりも、操体がまとまりやすく、いまの人には
気持ちよいといってもらえる可能性も高くなりますし、持ち上げてい
るのにくらべるとラクなので、長いあいだ続けられます。

 ヤジウマしてみてください。

*6.末端キッカケを、体重移動や皮膚操体に
 これまで書いてきたような理由で、私は、臨床の場では、どちらか
というと、末端をキッカケにする定番の動きの操体はあまりしません
し、するにしても体重移動や皮膚の操体、とくに胴体に近い部分への
皮膚の操体と組み合わせています。

 臨床の場では、末端の動きをキッカケにする操体は、補助的に使う
ことがおおいです。

 講座でも、同じ効果で身に付けるのが簡単な操体のバリエーション
があるときには、末端をキッカケにする定番の操体は紹介だけにして
います。

*7.おわりに
 今回は、キッカケが末端と体重移動での違いを書きました。

 次回は、今回もすこし書いた「背骨に伝わる動きが同じ操体は同じ
種類」という例をもうすこしあげ、くわしく書きます。

 そして、操体が体のどこに効いているかを見分ける、逆にいえば、
どういう点に注意すると、体の特定のところに効果を生み出せるか、
ということにつなげていきたいと思っています。


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